(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決することを踏まえ、複数の開閉部材で囲まれた燃料通路に対して、雨水などに対するシール性と調圧性とを簡単な構成で両立させた燃料タンクの開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本発明の一形態は、給油ノズルから吐出される燃料を燃料タンクへ供給する燃料通路を開閉する燃料タンクの開閉装置であって、上記燃料通路と、該燃料通路に配置され第1開口を有する第1開口形成部材と、上記燃料通路内でありかつ上記燃料タンク側に配置され第2開口を有する第2開口形成部材と、該第2開口形成部材よりも上記燃料タンク側に配置される円筒状のパイプ本体部とを有するタンク開口形成部材と;上記第1開口を開閉する第1開閉部材を有する第1フラップバルブ機構と;上記第2開口を開閉する第2開閉部材と、上記第2開口と第2開閉部材とをシールするガスケットとを有する第2フラップバルブ機構と;を備え;上記タンク開口形成部材は;上記第1開口と上記第2開口とを接続する挿入通路を形成するとともに、上記給油ノズルを上記第1開口から上記第2開口へガイドするための通路形成本体と、該通路形成本体の上記第1開口側に形成された通気孔とを有する挿入通路形成部材と;上記挿入通路形成部材の外周側に該挿入通路形成部材と所定間隙を有しかつ上記通気孔に対向して配置された外気通路形成部材と;上記所定間隙と上記通気孔とを通じて、上記挿入通路と外部とを接続する外気通気路と;上記第2開口形成部材と上記パイプ本体部とを接続する台座部と;上記第1開口形成部材の外縁から該第1開口形成部材と一体に筒状に形成され、上記挿入通路形成部材の外周部を覆う側壁部を有するカバー部材と;を備え;上記パイプ本体部は、上記第2開口形成部材と上記パイプ本体部と上記台座部とによってタンク側通路を形成し;上記側壁部に、上記外気通路形成部材が形成され;上記外気通気路は;上記側壁部の内周側と上記パイプ本体部の外周側とによって形成される間隙通路と;上記側壁部の内周側と、上記台座部の外周側と、上記通路形成本体の一部であり、上記第2開口形成部材に接続している傾斜壁の外周側と、によって上記燃料通路に対して環状に形成される環状通路と;上記側壁部の内周側と、上記第1開口形成部材と上記傾斜壁とを接続する接続半筒体の外周側と、によって形成される間隙通路と;が接続されることによって形成されている。このような形態であれば、挿入通路形成部材などに囲まれた挿入通路は、外気通気路により、外部との通気を確保することができ、その調圧を簡単に行なうことができる。また、外気通気路は、挿入通路形成部材と外気通路形成部材との間隙で形成され、しかも、挿入通路に通じる通気孔が外気通路形成部材に対向して配置され、屈曲した通路となっている。よって、外部からの塵などは、外気通気路で除去され、挿入通路に達するのを防止することができる。また、外気通気路は、2つの間隙通路と環状通路とによって接続されている迷路構造として形成されているため、通気孔から燃料通路へと外部の水分や塵などが侵入することをさらに抑制できる。その他、本発明は、以下のような形態として実現することもできる。
【0007】
[適用例1]
適用例1において、給油ノズルから吐出される燃料を燃料タンクへ供給する燃料通路を開閉する燃料タンクの開閉装置において、
上記燃料通路と、該燃料通路に配置され第1開口を有する第1開口形成部材と、上記燃料通路内でありかつ上記燃料タンク側に配置され該第2開口を有する第2開口形成部材とを有するタンク開口形成部材と、
上記第1開口を開閉する第1開閉部材を有する第1フラップバルブ機構と、
上記第2開口を開閉する第2開閉部材と、上記第2開口と第2開閉部材とをシールするガスケットとを有する第2フラップバルブ機構と、
を備え、
上記タンク開口形成部材は、
上記第1開口と上記第2開口とを接続する挿入通路を形成するとともに、上記給油ノズルを上記第1開口から上記第2開口へガイドするための通路形成本体と、該通路形成本体の上記第1開口側に形成された通気孔とを有する挿入通路形成部材と、
上記挿入通路形成部材の外周側に該挿入通路形成部材と上記所定間隙を有しかつ上記通気孔に対向して配置された外気通路形成部材と、
上記所定間隙と上記通気孔とを通じて、上記挿入通路と外部とを接続する外気通気路と
を備えている。
【0008】
適用例1にかかる燃料タンクの開閉装置において、給油ノズルがタンク開口形成部材の燃料通路の第1開口に向けて挿入されると、第1フラップバルブ機構の第1開閉部材が給油ノズルの先端で押され、第1開閉部材が第1開口を開く。さらに、給油ノズルが燃料通路の挿入通路に挿入されて、第2フラップバルブ機構の第2開閉部材が給油ノズルの先端で押されると、第2開閉部材が第2開口を開く。この状態で、給油ノズルから供給される燃料が燃料通路を経て燃料タンクに送られる。
【0009】
また、上記タンク開口形成部材は、上記第1開口と上記第2開口とを接続する挿入通路を形成するとともに、上記給油ノズルを上記第1開口から上記第2開口へガイドするための挿入通路形成部材と、上記挿入通路形成部材の外周側に所定間隙を有して配置された外気通路形成部材と、上記所定間隙と上記挿入通路形成部材に形成された通気孔とを通じて、上記挿入通路と外部とを接続する外気通気路とを備えている。この構成により、挿入通路形成部材などに囲まれた挿入通路は、外気通気路により、外部との通気を確保することができ、その調圧を簡単に行なうことができる。
また、外気通気路は、挿入通路形成部材と外気通路形成部材との間隙で形成され、しかも、挿入通路に通じる通気孔が外気通路形成部材に対向して配置され、屈曲した通路となっている。よって、外部からの塵などは、外気通気路で除去され、挿入通路に達するのを防止することができる。
【0010】
[適用例2]
適用例2において、上記タンク開口形成部材は、上記第1開口形成部材の外縁から該第1開口形成部材と一体に筒状に形成され、上記挿入通路形成部材の外周部を覆う側壁部を有するカバー部材を備え、上記側壁部に、上記外気通路形成部材が形成されている構成とすることができる。この構成により、外気通路形成部材を設けるのに、簡単かつ部品点数を増加させることもない。
【0011】
[適用例3]
適用例3において、上記挿入通路形成部材は、上記第1開口から上記第2開口に向けて上記挿入通路の通路面積を狭くするように傾斜した傾斜壁を有している構成をとることができる。この構成により、第2開口から挿入通路に溢れた燃料は、傾斜壁に沿って速やかに戻すことができる。
【0012】
[適用例4]
適用例4において、上記挿入通路形成部材は、筒状に形成された通路形成本体と、該通路形成本体の肉厚を部分的に薄くした脆弱部位とを有し、該脆弱部位は、上記通路形成本体の周方向に沿って形成されている構成をとることができる。この構成により、挿入通路形成部材に所定以上の外力が加わったときに、第2開口形成部材より肉厚が薄い脆弱部位は、第2開口形成部材の一部が破断する前に破断する。よって、第2開口形成部材の周辺部が破断し難く、第2開口形成部材の第2開口のガスケットによるシール性を損なうことがない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.第1実施例
(1) 燃料タンクの開閉装置の概略構成
図1は本発明の第1実施例にかかる燃料タンクの開閉装置10を説明する斜視図である。自動車の車体の後部には、燃料を給油するための給油蓋FLが開閉可能に支持されている。給油蓋FLは、車体の外板に倣った蓋本体FLaがヒンジFLbを介して車体の外板に開閉可能に支持されている。給油蓋FLを開いたスペースは、給油室FRになっており、この給油室FR内に、基板BPに支持された燃料タンクの開閉装置10が配置されている。燃料タンクの開閉装置10は、燃料キャップを用いないで、燃料タンクに燃料を供給するための機構であり、給油蓋FLを開いた後に、給油ノズルからの外力で燃料通路に配置した弁を開閉することで、給油ノズルから燃料タンクへ燃料を供給することができる機構である。以下、燃料タンクの開閉装置の詳細な構成について説明する。
【0015】
(2) 各部の構成および動作
図2は燃料タンクの開閉装置10の開口部を示す斜視図、
図3は
図2の3−3線に沿った断面図である。
図3において、燃料タンクの開閉装置10は、燃料タンク(図示省略)に接続される燃料通路11Pを有するタンク開口形成部材11と、第1フラップバルブ機構30と、第2フラップバルブ機構50とを備えている。
【0016】
(2)−1 タンク開口形成部材11
タンク開口形成部材11は、燃料通路11Pを形成する管体であり、燃料タンクに燃料パイプP1を介して接続されたパイプ本体12と、パイプ本体12の上端部に装着されたカバー部材20と、パイプ本体12の上部に固定されるとともにカバー部材20内に配置された通路形成部材24とを備えている。パイプ本体12の上部でカバー部材20に囲まれたスペースは、弁間室11Sになっており、その弁間室11S内に通路形成部材24が配置されている。
【0017】
パイプ本体12は、円筒部13と、円筒部13の下部に形成された第1接続部13aと、円筒部13の下部に形成された第2接続部13bとを備え、これらが一体に形成されている。第1接続部13aおよび第2接続部13bの外周部には、パイプの抜止用のファーツリ13c,13dがそれぞれ形成されており、燃料タンクに接続される燃料パイプP1およびブリーザパイプP2が第1接続部13aおよび第2接続部13bに圧入されることでそれぞれ接続されている。
【0018】
図4はタンク開口形成部材11の一部を破断しかつ分解した斜視図、
図5は燃料タンクの開閉装置10のタンク開口形成部材11を分解して示す断面図である。カバー部材20は、パイプ本体12の上部に装着され、円筒状の側壁部21と、第1開口形成部材22とを備えている。側壁部21は、円筒状の側壁本体21aを備えており、その上部が傾斜し、その傾斜した上部に第1開口形成部材22が一体形成されている。第1開口形成部材22は、燃料通路11Pのほぼ中心を通る軸を中心軸CAとすると、中心軸CAに対して直角な面に対して第1角度θ1だけ傾けて配置されている。ここで、中心軸CAは、燃料通路11Pが断面円形の場合の中心線に限らず、通路のほぼ中心を通る線である場合や、燃料通路11Pが曲がった通路でのほぼ中心線である場合も含む。第1開口形成部材22は、給油ノズルFNを挿入するための開口部23を備えている。開口部23は、第1開口23aと、軸支持部23bと、ノズルラッチ部23cとを備えている。第1開口23aは、給油ノズルFNを挿入するためのほぼ円形であり、燃料通路11Pの一部を構成しており、燃料通路11Pの通路面積より狭く形成されている。軸支持部23bは、第1開口23aの端部に形成され、第1フラップバルブ機構30の端部を装着支持するための凹所である。ノズルラッチ部23cは、給油時に給油ノズルFNの位置決め部FNaを引っ掛けて給油ノズルFNを保持するための段部である。カバー部材20は、側壁部21の下部の係合爪21bとパイプ本体12の上部の係合突部13eとの係合手段によってパイプ本体12に装着されている。
【0019】
通路形成部材24は、弁間室11S内に配置されており、燃料通路11Pを燃料タンク側の通路であるタンク側通路11Pbに区画する部材であり、台座部25と、第2開口形成部材26と、挿入通路形成部材27とを備え、これらを一体に形成した部材である。台座部25は、その上部が傾斜した円筒状の台座本体25aと、台座本体25aの下部の溶着固定部25bとを備えており、溶着固定部25bがパイプ本体12の上端部13fに熱溶着されることでパイプ本体12と一体に形成されている。第2開口形成部材26は、第1開口形成部材22より燃料タンク側であって、燃料通路11Pの中心軸CAに対して直角な面を想定すると、該直角な面に対して第2角度θ2だけ傾けて配置されている。第2開口形成部材26は、第2開口26aを備えている。第2開口26aは、給油ノズルFNを挿入するためのほぼ円形の通路であり、燃料通路11Pの一部を構成しており、燃料通路11Pの通路面積より狭く形成されている。
【0020】
挿入通路形成部材27は、燃料通路11Pに挿入された給油ノズルFNをガイドするとともに、第1開口形成部材22の第1開口23aと第2開口形成部材26の第2開口26aとを接続する部材であり、燃料通路11Pの一部を挿入通路11Paとした通路形成本体28を備えている。通路形成本体28は、傾斜壁28aと、接続半筒体28bとを備えている。傾斜壁28aは、第2開口26aに向けて通路面積を狭くした円錐形状であり、つまり挿入通路11Paに入った燃料を第2開口26aに向けて速やかに流すように傾斜している。また、接続半筒体28bは、傾斜壁28aの上端に一体に形成されており、傾斜した第1開口形成部材22に接続されるために、円筒を斜めに切断した形状になっている。また、挿入通路形成部材27の下部であって、第2開口形成部材26との接続部位には、脆弱部位27aが周方向に沿って全周に形成されている。脆弱部位27aは、挿入通路形成部材27に所定以上の外力が加わったときに、第2開口形成部材26の一部が破断する前に破断するように、挿入通路形成部材27を部分的に薄肉に形成した部位である。
なお、挿入通路形成部材27内の挿入通路11Paは、カバー部材20と挿入通路形成部材27との間に設けられた外気通気路11Pcを介して外部に接続され、また、その一部が外部に対してシールされているが、これらの構成については後述する。
【0021】
(2)−2 第1フラップバルブ機構30
図6は燃料タンクの開閉装置10の第1フラップバルブ機構30を分解した斜視図である。第1フラップバルブ機構30は、給油ノズルの挿入に連動して第1開口23aを開閉するための機構であり、カバー部材20に固定されている。第1フラップバルブ機構30は、第1開閉部材31と、第1軸受部37と、開閉起動機構40とを備えている。第1開閉部材31は、第1開口23aを開閉する押圧部材32と、底蓋36とを備えている。
【0022】
図7は押圧部材32を示す斜視図、
図8は押圧部材32を説明する平面図である。押圧部材32は、押圧部33と、ガイド部34と、第1軸部35とを備えている。押圧部33は、所定の外径の給油ノズルFNで押される押圧面33aと、押圧面33aの外縁に沿いかつ押圧面33aの少なくとも一部をU字形に囲むように立設された規制壁33bと、規制壁33bのない自由端側の平坦部33cを備えている。規制壁33bは、給油ノズルFNの外径とほぼ同じ内径で規制された規制領域33Sを形成している。
図8に示すように、ガソリン用の給油ノズルFNの外径をD(G)とし、軽油用の給油ノズルFN(L)の外径をD(L)とすると、規制領域33Sの内径D1は、D(G)<D1<D(L)に設定されている。ガイド部34は、規制壁33bの上部に向けて傾斜した第1ガイド斜面34a、第2ガイド斜面34bと、第3ガイド斜面34cとを備え、第1軸部35と反対側である押圧部33の一部だけにガイド斜面を設けないU字形に囲んでおり、給油ノズルFNの先端を規制領域33Sに導く斜面である。
【0023】
図6において、第1軸部35は、押圧部材32の端部から突設された軸基部35aと、軸基部35aの両側に突設した軸体35bとを備えている。軸体35bは、第1軸受部37に支持される軸である。底蓋36は、押圧部材32の下部に配置される部材であり、一端部を切り欠いた円板形状の蓋本体36aと、底蓋36の外周部に沿って突設された位置決め用円弧36bとを備えている。位置決め用円弧36bは、押圧部材32の嵌合円弧部32bに嵌合することにより、押圧部材32と底蓋36とにより収納室31S(
図5参照)が形成されている。収納室31Sには、開閉起動機構40の一部の部品が収納されている。第1軸受部37は、開口部23の軸支持部23bに装着されることで、第1開閉部材31を開閉可能に支持する部材であり、支持基部37aと、支持基部37aの両側に形成された軸受孔37bと、スプリング片37cとを備える。軸受孔37bは、第1軸部35の軸体35bを嵌入することで、第1開閉部材31を開閉可能に支持している。スプリング片37cは、支持基部37aの上端から突設された片持ち片で形成されており、第1軸部35の軸基部35aを押圧することで第1開閉部材31を閉弁方向に付勢している。
【0024】
図9は開閉起動機構40を分解した斜視図である。開閉起動機構40は、所定の外径の給油ノズルの先端で押されることにより、第1フラップバルブ機構30の第1開閉部材31のロック位置を解除する機構であり、ノズル検知部材42と、ロック機構45とを備えている。ノズル検知部材42は、検知部42aと、検知部42aとともにL字形を形成する連結部42bと、軸部42cと、軸部42cから突設された連結ピン42dとを備えている。検知部42aは、給油ノズルFNの先端で押される部位であり、押圧部材32の規制壁33bに形成された装着孔32cから規制領域33Sに向けて露出している。軸部42cは、押圧部材32の下部の軸支部32dと底蓋36の凹所36cから突設された支持突出片36dの軸支部36eとにより挟持されることにより、揺動可能に支持されている。
【0025】
ロック機構45は、ノズル検知部材42に連動する機構であり、ロック部材46と、被ロック部48とを備えている。ロック部材46は、板状のロック本体46aと、ロック係合部46bと、ピン連結部46cと、連結溝46dと、スプリング片46eとを備えている。ロック係合部46bは、ロック本体46aの両側に形成されており、被ロック部48と係合・係脱する部位である。ピン連結部46cは、ロック本体46aの一端から突設された片持ち片であり、連結溝46dを形成している。連結溝46dは、ノズル検知部材42の連結ピン42dを嵌入させている。スプリング片46eは、ロック部材46に復帰力を付勢する部材である。被ロック部48は、ロック部材46の両側に配置されており、被ロック本体48aと、被ロック本体48aに形成されロック部材46のロック係合部46bが挿入される挿入孔48bとを備えている。また、被ロック本体48aには、挿入孔48bに挿入されたロック部材46が、矢印方向に移動することでロック位置と非ロック位置とを切り換える被ロック部48cおよび係脱穴48dが形成されている。
【0026】
図10および
図11により開閉起動機構40の動作について説明する。
図10は第1フラップバルブ機構30を断面で示す説明図、
図11はロック部材46の動きを説明する説明図であり、
図10(A),
図11(A)が開閉起動機構40のロック位置、
図10(B),
図11(B)が開閉起動機構40の非ロック位置を示す。
図10(A)において、第1開閉部材31の上面から露出しているノズル検知部材42の検知部42aが給油ノズルFNの先端により押されると、
図10(B)に示すように、ノズル検知部材42が軸部42cを中心に回動する。ノズル検知部材42の連結ピン42dは、ロック部材46の連結溝46dに嵌入しているから、
図11に(A)から
図11(B)に示すように、ノズル検知部材42に連動してロック部材46が矢印方向に移動する。このとき、ロック部材46のスプリング片46eは、底蓋36の位置決め用円弧36bに当たっているから、撓みながらスプリング力を生じつつ、ロック部材46が矢印方向へ移動する。そして、ロック部材46のロック係合部46bが被ロック部48の被ロック部48cに対して係合していた状態から係脱穴48dへ移動することで、ロック位置から非ロック位置へ切り換えられ、つまり、開閉起動機構40のロック位置が解除され、第1開閉部材31の開き動作が可能になる。
【0027】
(2)−3 第2フラップバルブ機構50
図12は第2フラップバルブ機構50を分解した断面図である。第2フラップバルブ機構50は、第2開口26aを開閉する機構であり、第2開閉部材51と、第2軸受部58と、スプリング59と、ガスケットGSと、調圧弁60とを備えている。
第2開閉部材51は、押圧部材52と、弁室形成部材55と、弁室形成部材55の端部に形成された第2軸部56とを備えている。押圧部材52は、給油ノズルFNにより押圧される上面部53と、上面部53の外周から突設された側壁部54とを備え、下方に開放した皿状に形成されている。上面部53には、摺動面53aが形成されている。
図13(A)に示すように、摺動面53aは、第1開閉部材31の端部を摺動させる面である。すなわち、第1フラップバルブ機構30の第1開閉部材31が開き動作したときに、摺動面53aは、第1開閉部材31の自由端31aに形成された摺動端31bに押されて、線接触しつつ摺動する湾曲面に形成されている。
図13(B)の第2開閉部材51の平面図で示すように、第2開閉部材51の第2軸部56から第2開閉部材51の自由端51aへ向かう方向を第1方向X、該第1方向Xと直角の方向を第2方向Yとする。第2開閉部材51は、自由端51a側に段部53bを設け、その段部53bから摺動面53aの端部が形成されている。また、摺動面53aは、第2開閉部材51の中心から第1方向Xに向かうにつれて第2方向Yにおける摺動端31bとの接触面積が小さくなるとともに、板厚方向に凹んだ楕円形状の湾曲面であって、摺動端31bと第2方向Yで線接触するように形成されている。
【0028】
図12において、弁室形成部材55は、カップ形状であり、押圧部材52と接合されることで調圧弁60を収納する弁室51Sを形成している。弁室形成部材55の外周部には、フランジ55bが形成されている。ガスケットGSは、ゴム材料から形成されており、フランジ55bの内周側の上面と押圧部材52の外周開口周縁部との間で挟持されることで保持され、第2開口形成部材26のシール段部26bとの間で圧縮されることで第2開口26aをシールしている。
【0029】
第2軸受部58は、パイプ本体12の内壁に装着された支持本体58aと、支持本体58aに形成された軸支孔58bとを備えており、軸支孔58bで第2開閉部材51の第2軸部56を軸支持することにより、第2開閉部材51を回動可能に支持している。スプリング59は、弦巻スプリングであり、そのコイル状の一端部が第2軸受部58に支持され、他端部が第2開閉部材51の下面に支持されて第2開閉部材51を閉じる方向に付勢している。第2軸受部58が第2開閉部材51を軸支することにより、第2開閉部材51は、第2軸部56を支点として自由端51aが動くように開閉動作する。
【0030】
調圧弁60は、弁室51S内に収納されており、スプリング61aにより付勢された正圧弁体61bを有する正圧弁61と、スプリング62aにより付勢された負圧弁体62bを有する負圧弁62とを備え、燃料タンクの圧力を両弁体の開閉により燃料タンクのタンク内圧を所定範囲内に調整する。
【0031】
(2)−4 外気通路およびシール機構
図14は燃料タンクの開閉装置10の上部を示す断面図である。上述したように、挿入通路形成部材27と第1開閉部材31とにより囲まれたスペースは、挿入通路11Paに形成されている。挿入通路11Paは、タンク側通路11Pbと比べて高い気密性を有しないが、外部との通気性を確保するとともに、塵などを防ぐためのシール性を有している。すなわち、第1開口形成部材22の第1開口23aの開口周縁部と挿入通路形成部材27の第1開口23a側との配置されたシール部材29が配置されている。
図15はシール部材29を裏面側(図示の下方から側)から見た斜視図である。シール部材29は、ゴム製のシール材から円形に形成されており、シール本体29aと、第1開口23aとほぼ同径の開口29bと、第1シール部29cと、第2シール部29dと、装着用開口29eとを備えている。第1シール部29cは、第1開口23aの開口周縁であって、第1開閉部材31の外周部のシール面32eにより押圧される部位である。第2シール部29dは、第1シール部29cより外周であって第1開口形成部材22の開口周縁部23dと挿入通路形成部材27とにより挟持される部位である。シール部材29により、第1開口形成部材22、第1開閉部材31および挿入通路形成部材27で囲まれた挿入通路11Paをシールしている。
また、カバー部材20の側壁部21、挿入通路形成部材27、第2開口形成部材26、台座部25、円筒部13で囲まれたスペースおよび間隙により、外気通気路11Pcが形成されている。挿入通路形成部材27の上部には、通気孔27bが形成されている。また、通気孔27bに対向して、側壁部21の一部を構成する外気通路形成部材21cが所定間隙Lpを隔てて配置されている。外気通気路11Pcは、側壁部21とパイプ本体12との間隙通路11Pc1、側壁部21と台座部25および第2開口形成部材26との環状通路11Pc2、側壁部21と挿入通路形成部材27の接続半筒体28bとの間隙通路11Pc3、通気孔27bを通じて、外部と挿入通路11Paと迷路構造により接続している。
【0032】
(3) 燃料タンクの開閉装置10の開閉動作
次に、燃料タンクの開閉装置10への給油ノズルFNによる給油動作について説明する。
(3)−1 開き動作
図1に示すように、給油蓋FLを開けると、給油室FR内に配置された燃料タンクの開閉装置10が表れる。
図16に示すように、給油ノズルFNを第1開口23aに挿入して、給油ノズルFNの先端が第1開閉部材31の押圧面33aに当たらない場合には、
図7に示すように、ガイド部34の第1ガイド斜面34a、第2ガイド斜面34b、第3ガイド斜面34cにガイドされて、押圧面33aに向かい、押圧面33aから立設された規制壁33bで位置決めされる。押圧面33aを囲む壁面の一部には、ノズル検知部材42の検知部42aが突出しているので、給油ノズルFNの先端は、検知部42aに当たる。これにより、
図10および
図11に示すように、ノズル検知部材42の検知部42aが給油ノズルFNの先端で押されると、ロック部材46がロック位置から非ロック位置へ切り換えられ、つまり、開閉起動機構40のロック位置が解除され、第1開閉部材31の開き動作が可能になる。
【0033】
そして、
図17に示すように、給油ノズルFNをさらに挿入して、給油ノズルFNの先端が第1開閉部材31の押圧部33の押圧面33aを押圧すると、第1開閉部材31は、第1軸受部37のスプリング片37cの付勢力に抗して回動する。このとき、
図17および
図18に示すように、給油ノズルFNをさらに押し入れると、給油ノズルFNの先端が第2開閉部材51の摺動面53aに当たり、第2開閉部材51が第2軸部56を中心に回動する。これにより、給油ノズルFNがタンク側通路11Pbに挿入される。そして、
図19に示すように、給油ノズルFNは、位置決め部FNaがノズルラッチ部23cに引っかかってタンク開口形成部材11に保持され、この状態にて、給油ノズルFNからタンク側通路11Pbに給油する。燃料が燃料タンクの満タン液位を越えてタンク側通路11Pb内を燃料が上昇する。そして、燃料が給油ノズルFNの先端付近の検知穴FNbに入ると、給油ノズルFNのオートストップが作動して、給油が停止する。
【0034】
(3)−2 閉じ動作
給油を終えて、給油ノズルFNを第2開口26aから抜くと、第2フラップバルブ機構50の第2開閉部材51がスプリング59の復元力により回動して第2開口26aを閉じ、さらに給油ノズルFNが抜かれると、第1フラップバルブ機構30の第1開閉部材31が第1軸受部37のスプリング片37cの復元力により回動して第1開口23aを閉じる。なお、
図10および
図11に示すように、ロック部材46およびノズル検知部材42は初期位置に戻り、つまり、底蓋36の位置決め用円弧36bの弾性力で、ロック部材46のロック係合部46bが被ロック部48の被ロック部48cに係合するとともに、ノズル検知部材42が初期位置に戻る。さらに、給油蓋FL(
図1)を閉じる。
【0035】
(4) 燃料タンクの開閉装置10の作用・効果
上記実施例にかかる燃料タンクの開閉装置10により、以下の作用効果を奏する。
(4)−1 開閉起動機構40は、
図7に示すように、給油ノズルFNが第1開口23aの中心軸CAから距離Lsだけ位置ズレした状態で挿入された場合に、給油ノズルFNの先端がガイド部34に当たり、押圧部33の壁面で囲まれる規制領域33Sに導かれ、給油ノズルFNの先端が検知部42aを押して、
図11(B)に示すロック機構45の非ロック位置に移行させ、第1フラップバルブ機構30の第1開閉部材31を開き動作させることができる。したがって、給油ノズルFNが第1開口23aの中心軸CAから外れて挿入されても、確実なフラップバルブ機構の開き動作を行なうことができる。
【0036】
(4)−2
図8に示すように、第1開閉部材31のガイド部34およびノズル検知部材42は、給油ノズルFNの先端の外径が所定径以下の場合に押圧されるように配置されているので、ガソリン用の給油ノズルFNの場合には、第1フラップバルブ機構30の第1開閉部材31が開き動作を行うが、軽油用の給油ノズルFNの場合には、第1開閉部材31の開き動作を行わない。すなわち、ガソリン用の給油ノズルFNの外径をD(G)とし、規制領域33Sの内径をD1とし、軽油用の給油ノズルFN(L)の外径をD(L)とすると、D(G)<D1<D(L)である。よって、外径D(L)の軽油用の給油ノズルFN(L)の先端がノズル検知部材42の検知部42aを押そうとしても、ガイド部34に当たって内径D1の規制領域33Sに入らず、ノズル検知部材42の検知部42aを押せないから、非ロック位置を解除しない。したがって、給油ノズルFNの外径によって燃料の種類が異なる場合に、つまり、給油ノズルFNを誤って挿入しても、第1開口23aが開かないから、間違った種類の燃料を供給することもない。
【0037】
(4)−3
図7に示すように、押圧部33の規制壁33bで囲まれた規制領域33Sは、給油ノズルFNの外径D(G)より僅かに大きい内径D1であっても、規制壁33bの上部に向けて傾斜したガイド部34が設けられており、ガイド部34が給油ノズルFNの先端を規制壁33b内へ導くから、給油ノズルFNの挿入作業もスムーズにできる。
【0038】
(4)−4 押圧部33の規制壁33bは、一方の側を開放した平坦部33cを有するU字形に形成されている。平坦部33cは、第1開閉部材31の第1軸部35に対して反対の自由端側に配置されているから、第1開閉部材31が第1軸部35を中心に開き動作する際に、給油ノズルFNの先端を摺動させる。よって、給油ノズルFNの先端が第1開閉部材31の開き動作の際に、ガイド部34に引っ掛かることがなく、第1開閉部材31のスムーズな開き動作を行なうことができる。
【0039】
(4)−5 ノズル検知部材42の検知部42aは、規制壁33bから突出して配置されているので、給油ノズルFNの先端が規制領域33Sに入ったときに、給油ノズルFNの先端により確実に押される。また、給油ノズルの特定の外形を選択的に挿入可能である規制領域33Sは、規制壁33bで規制されており、ノズル検知部材42は、給油ノズルFNの外形を検出する機能を与えなくてもよい。よって、規制壁33bに、ノズル検知部材42を1つだけ配置するだけで、給油ノズルFNの種別を確実に検知することができる。
【0040】
(4)−6 ガイド部34は、第1開閉部材31に設けられており、つまり、大径になり易いタンク開口形成部材11に設けていないので、タンク開口形成部材11の外径などを小さくし、構成を簡単にできる。
【0041】
(4)−7
図3に示すように、第1フラップバルブ機構30は、給油時以外にタンク開口形成部材11の第1開口23aを閉じているから、第1開口23a、挿入通路11Paを通じて第2フラップバルブ機構50に達する大気中の塵などを防ぎ、第2フラップバルブ機構50のシール性の低下を防止することができる。
【0042】
(4)−8
図16ないし
図18に示すように、第1開閉部材31が開き動作を行なうときに、第1開閉部材31の自由端側に設けた摺動端31bが第2開閉部材51の摺動面53aを線接触で摺動することにより摺動面53a上に乗っていた塵などが摺動面53a上から第2軸部56側へ除去される。つまり、給油ノズルFNの先端からの押圧力を受ける箇所であるこの摺動面53aから塵などが除去される。よって、第2開閉部材51の上に乗っていた塵などが、第2開閉部材51の傾きや、給油ノズルFNの先端で第2開閉部材51に付着している塵などが剥ぎ取られることに起因して、燃料タンク側の燃料通路11Pへ落下することがなく、燃料通路11Pに接続される燃料タンクに入るのを防止することができる。
【0043】
(4)−9
図17および
図18に示すように、第2開閉部材51が第1開閉部材31の摺動端31bで押され、給油ノズルFNの先端で第2開閉部材51を直接押す力を低減するから、摺動面53aを損傷することが少なく、また第2開閉部材51の開き動作をスムーズに行なうことができる。
【0044】
(4)−10
図19に示すように、タンク開口形成部材11は、第1開口形成部材22が中心軸CAと直角な面に対して第1角度θ1を傾けて配置され、また、第2開口形成部材26が中心軸CAと直角な面に対して第2角度θ2を傾けて配置されるとともに、第1開口形成部材22および第2開口形成部材26が第1軸部35および上記第2軸部56側から、中心軸CAに対して燃料通路11Pの反対側に向けて狭くなるように配置されている。このような構成により、給油ノズルFNを燃料通路11Pに挿入して、位置決め部FNaをノズルラッチ部23cに位置決めして給油している状態にて、ノズルラッチ部23cは、第2開口26aの自由端側との距離L2が第1軸部35と第2軸部56との距離L1より短くなり、給油ノズルFNの先端を、第2開口26aを通じて燃料通路11Pの奥(燃料タンク側)まで距離L3で挿入することができる。よって、給油ノズルFNの検知穴FNbが給油ノズルFNの先端付近に上昇した燃料通路11P内の燃料液位を検出することで、給油をオートストップさせる場合において、給油ノズルFNの検知穴FNbから第2開口26aまでの距離を長くとることができ、第2開口26aの近くまで液面が上昇する前に、オートストップを作動させることができ、第2開口26aから燃料が溢れることを防止することができる。また、給油ノズルFNは、第2開口26aの奥まで挿入できるから、燃料通路11Pの第2開口26aの付近の燃料の飛沫によって、誤ったオートストップを生じることを防止でき、スムーズな給油作業を行なうことができる。
ここで、上記第1角度θ1および第2角度θ2としては、第1フラップバルブ機構30の第1開閉部材31の開閉動作に支障のない距離L1や、距離L3などのパラメータを考慮して、5≦θ1,θ2≦30゜であることが好ましい。
【0045】
(4)−11
図19に示すように、第1開口形成部材22および第2開口形成部材26において、第1軸部35と第2軸部56との距離L1は、大きくとることができるので、第1開閉部材31の先端が第2開閉部材51に干渉するなどの第1開閉部材31の開閉動作に支障がない。
【0046】
(4)−12
図13(A)に示すように、第2開閉部材51の上面部53は、第2開口26aを貫通して、第2開口形成部材26の上面より第1開口23a側へ突出しているので、第1開閉部材31の自由端31aが第2開口形成部材26の開口周縁部に当たることもなく、第1開閉部材31のスムーズな開閉動作を行なうことができる。
【0047】
(4)−13
図14に示すように、カバー部材20の側壁部21と挿入通路形成部材27などに囲まれた挿入通路11Paは、外気通気路11Pcにより、外部との通気が確保され、内圧が調整される。また、外気通気路11Pcは、挿入通路形成部材27と外気通路形成部材21cとが所定間隙Lpで配置され、しかも、挿入通路11Paに通じる通気孔27bが外気通路形成部材21cに対向して配置され、屈曲した通路となっている。よって、外部からの塵などが外気通気路11Pcで除去され、挿入通路11Paに達するのを防止することができる。
【0048】
(4)−14 外気通路形成部材21cは、第1開口形成部材22の外縁から一体に形成された側壁部21により構成されるカバー部材20の一部を構成しているから、外気通路形成部材21cを設けるのに、部品点数を増加させることもない。
【0049】
(4)−15 挿入通路形成部材27は、第1開口23aから第2開口26aに向けて上記挿入通路11Paの通路面積を狭くするように傾斜した傾斜壁28aを有しているので、第2開口26a側から挿入通路11Paに溢れた燃料は、傾斜壁28aに沿って速やかに戻すことができる。
【0050】
(4)−16
図4に示すように、挿入通路形成部材27は、筒状に形成された通路形成本体28と、該通路形成本体28の肉厚を部分的に薄くした脆弱部位27aとを有し、該脆弱部位27aは、上記通路形成本体28の周方向に沿って形成されている。よって、通路形成部材24は、所定以上の外力を受けたときに、脆弱部位27aにて、第2開口形成部材26が破断する前に破断する。よって、第2開口形成部材26の周辺部が破断し難く、ガスケットGSによる第2開口26aによるシール性を損なうことがない。
【0051】
(4)−17
図14および
図15に示すように、挿入通路形成部材27は、第1開口23aと第2開口26aとを接続する挿入通路11Paを形成するとともに、給油ノズルFNを第1開口23aから第2開口26aへガイドし、給油作業を容易にする。また、挿入通路形成部材27によって形成される挿入通路11Paは、外部に対してシール部材29でシールされている。すなわち、シール部材29は、シール本体29aと、該シール本体29aと一体に形成され第1開口23aの開口周縁と第1開閉部材31のシール面32eと間をシールする第1シール部29cと、シール本体29aと一体に形成されかつ該第1シール部29cの外側を囲むように配置され第1開口形成部材22と挿入通路形成部材27の端部との間をシールする第2シール部29dと、を有している。このようなシール部材29は、第1シール部29cと、第2シール部29dとが一体で形成されているので、部品点数が少なく、また、組付も簡単である。
【0052】
B.第2実施例
図20は本発明の第2実施例にかかる燃料タンクの開閉装置10Bを一部破断した斜視図である。本実施例は、タンク開口形成部材11Bを構成する挿入通路形成部材27Bおよびシール部材29Bの構成に特徴を有する。すなわち、挿入通路形成部材27Bは、第1軸部35Bの両側に、屈曲壁27Bcから形成された凹所27Bdが図示の上下方向に沿って形成されている。凹所27Bdは、カバー部材20Bを構成する外気通路形成部材21Bcとともに外気通気路11Pc−Bの一部の通路を形成している。また、屈曲壁27Bcの上部には、挿入通路11Pa−Bと外気通気路11Pc−Bとを接続する通気孔27Bbが形成されている。このような外気通気路11Pc−Bは、挿入通路形成部材27Bの外周や、通気孔27Bbで迂回した迷路となっているので、一層、塵などの除去作用が大きい。
【0053】
図21は通路形成部材24Bを示す斜視図、
図22はシール部材29Bを下方から見た斜視図である。
図22において、シール部材29Bは、外径の異なる半円筒を結合した形状であって、
図21の挿入通路形成部材27Bの上縁部と同じ形状であり、挿入通路形成部材27Bと第1開口形成部材22B(
図20)との間に介在している。
図22に示すように、シール部材29Bは、第1シール部29Bcと、第2シール部29Bdとを一体に形成した形状であれば、各種の形状をとることができる。
【0054】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0055】
上記実施例では、
図13(B)に示すように、第2開閉部材51の摺動面53aは、第2開閉部材51の中心から第1方向Xに向かうにつれて第2方向Yにおける面積が小さくなる湾曲面で形成したが、これに限らず、摺動面は、第1開閉部材31の摺動端31bが線接触で摺動する形状であれば、直線であってもよい。また、第2開閉部材の形状としては、矩形であってもよく、その矩形で形成された上面部に湾曲した摺動面を形成してもよい。