(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の物品投入口からそれぞれ投入された物品を搬送するループ状の搬送ラインと、前記搬送ラインに沿って前記搬送ラインにより搬送されている物品を仕分ける複数のシュートを備え、前記各シュートに仕分け先を割り付け、仕分け先から要求された物品を仕分ける仕分け設備であって、
前記複数の物品投入口を分けて複数の物品投入口群を形成し、
前記複数のシュートを、前記物品投入口群と同数のシュート群に分け、各シュート群を、対応する前記各物品投入口群より搬送ライン下流側で、それぞれの物品投入口群間に配置し、
バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめ、これら物品別にまとめた物品を、各物品投入口群へ、物品投入口群を形成する各物品投入口当たりの数量が均等となるように供給する方式としたこと
を特徴とする仕分け設備。
仕分け先の数がシュートの数より多いとき、まずシュートの数に合わせて仕分け先を割り付け、仕分けが終了したシュートが発生すると、この空きシュートに、先に割り付けがされていない仕分け先を割り付けること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
バッチ毎に、各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめ、これら物品別にまとめた物品を、各物品投入口群へ、物品投入口群を形成する各物品投入口当たりの数量が均等となるように供給する上記方式に代えて、
バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別で、且つ各物品投入口群に対応して配置したシュート群において仕分けが終了するように各物品投入口群別にまとめ、各物品投入口群別に供給する第2の方式とすることを可能としたこと
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
複数の物品投入口からそれぞれ投入された物品を搬送するループ状の搬送ラインと、前記搬送ラインに沿って搬送ラインにより搬送されている物品を仕分ける複数のシュートを備え、前記各シュートに仕分け先を割り付け、仕分け先から要求された物品を仕分ける仕分け設備における仕分け方法であって、
バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめて搬送し、これら物品別にまとめて搬送される物品を、各物品投入口へ、供給する物品の数量が均等となるように供給すること
を特徴とする仕分け方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕分け先が増加し、それに伴い、シュート数が増加していくと、作業効率を維持するには物品搬入部を増加して、トレーに物品を迅速に投入する必要がある。しかし、単に物品搬入部を増加しても、各物品搬入部へ物品がタイミングよく供給されないと、作業効率を維持することができず、物品を投入する作業者には作業待ちが発生し、作業者によって負担が違ってくるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、物品搬入部へ搬送されてくる物品の数量を的確に制御して作業者の負担を公平にし、全体の作業効率を改善できる仕分け設備および仕分け方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の物品投入口からそれぞれ投入された物品を搬送するループ状の搬送ラインと、前記搬送ラインに沿って前記搬送ラインにより搬送されている物品を仕分ける複数のシュートを備え、前記各シュートに仕分け先を割り付け、仕分け先から要求された物品を仕分ける仕分け設備であって、前記複数の物品投入口を分けて複数の物品投入口群を形成し、前記複数のシュートを、前記物品投入口群と同数のシュート群に分け、各シュート群を、対応する前記各物品投入口群より搬送ライン下流側で、それぞれの物品投入口群間に配置し、バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめ、これら物品別にまとめた物品を、各物品投入口群へ、物品投入口群を形成する各物品投入口当たりの数量が均等となるように供給する方式としたことを特徴とするものである。
【0007】
上記構成によれば、各物品投入口群へ、物品が、物品投入口群を形成する物品投入口当たりの数量が均等となるように供給される。例えば、第1の物品投入口群を形成する物品投入口の数が4、第2の物品投入口群を形成する物品投入口の数が6のとき、各物品投入口群へ供給される物品の数量の割合は、4:6とされる。各物品投入口当たりに供給される物品の数量が均等となることにより、物品投入口から搬送ラインへ物品を投入する作業者が、均等に作業を実行し、作業が偏ることが回避され、また作業待ち(手待ち)となる時間が少なくなる。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、仕分け先の数がシュートの数より多いとき、まずシュートの数に合わせて仕分け先を割り付け、仕分けが終了したシュートが発生すると、この空きシュートに、先に割り付けがされていない仕分け先を割り付けることを特徴とするものである。
上記構成によれば、仕分けが終了したシュートが発生すると、空きのシュートに、先に割り付けがされていない仕分け先が割り当てられ、搬送ラインにより搬送されていた物品が、新しく仕分け先が割り当てられたシュートへ仕分けられる。このとき、物品は搬送ラインにより循環されていることにより、先に割り付けがされていない仕分け先へ仕分ける物品を、物品投入口で一時保留しておく必要がなく、物品投入口から何ら制約なく投入可能となる。またシュートの数を仕分け先の数に合わせて設置する必要がなくなり、設備費用を削減できる。
【0009】
また請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、仕分けが終了したシュートが発生すると、この空きシュートに、次のバッチの仕分け先を割り付け、前記物品投入口から次のバッチの物品の投入を開始することを特徴とするものである。
上記構成によれば、空きのシュートに、次のバッチの仕分け先が割り当てられ、また物品投入口群から次のバッチの物品の投入が開始されると、先のバッチの物品と次のバッチの物品が同時に搬送ラインにより搬送されている状態となり、ついには先のバッチの物品の振り分けが終了し、次のバッチの物品のみが搬送ラインにより搬送され、振り分けが実行される状態となる。このように、2つのバッチにおける仕分け先別の物品の振り分けが同時に進行することにより、バッチ間で、何ら振り分けが実行されない時間帯が生じることが無くなり、シームレス作業が実現される。
【0010】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめて搬送する供給ラインと、前記供給ラインから物品別に物品を分岐して、各物品投入口群へ供給する分岐ラインを備え、前記供給ラインから分岐ラインへ物品別に物品を分岐する際、各物品投入口群へ、物品投入口を形成する各物品投入口当たりの数量が均等となるように分岐することを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、供給ラインから分岐ラインへ物品別に物品を分岐する際、各物品投入口当たりへ供給する物品の数量が均等となるように分岐されることにより、物品投入口の作業者(搬送ラインへ物品を投入する作業者)は、均等に作業を実行し、作業が偏ることが回避され、また作業待ち(手待ち)となる時間が少なくなる。
【0012】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、バッチ毎に、各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめ、これら物品別にまとめた物品を、各物品投入口群へ、物品投入口群を形成する各物品投入口当たりの数量が均等となるように供給する上記方式に代えて、バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別で、且つ各物品投入口群に対応して配置したシュート群において仕分けが終了するように各物品投入口群別にまとめ、各物品投入口群別に供給する第2の方式とすることを可能としたことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成の第2の方式によれば、各仕分け先から要求された物品は、物品別で、且つ各物品投入口群に対応して配置したシュート群において仕分けが終了するように、各物品投入口群別に仕分けて搬送され、各物品投入口群へ供給されることにより、物品投入口群から搬送ラインへ投入された物品は、対応するシュート群で仕分けが終了する。さらに各物品投入口群へは、搬送ラインは空きの状態で回動されてくるため、各物品投入口群からの物品の投入が迅速に終了する。
【0014】
また請求項6に記載の発明は、複数の物品投入口からそれぞれ投入された物品を搬送するループ状の搬送ラインと、前記搬送ラインに沿って搬送ラインにより搬送されている物品を仕分ける複数のシュートを備え、前記各シュートに仕分け先を割り付け、仕分け先から要求された物品を仕分ける仕分け設備における仕分け方法であって、バッチ毎に、前記各仕分け先から要求された物品を、物品別にまとめて搬送し、これら物品別にまとめて搬送される物品を、各物品投入口へ、供給する物品の数量が均等となるように供給することを特徴とするものである。
【0015】
上記方法によれば、各物品投入口へ供給する物品の数量が均等となることにより、物品投入口から搬送ラインへ物品を投入する作業者が、均等に作業を実行し、作業が偏ることが回避され、また作業待ち(手待ち)となる時間が少なくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の仕分け設備および仕分け方法は、各物品投入口へ供給されてくる物品の数量が均等となることにより、作業者の負担を公平にでき、また作業待ち(手待ち)となる時間が少なくでき、さらに全体の作業効率を改善できる、という効果を有している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分け設備の全体平面図であり、
図2は同仕分け設備の要部平面図である。
図1および
図2において、11は複数の物品投入口(インダクション)12から投入された物品13を循環搬送するループ状の搬送ラインを形成する物品搬送装置であり、この物品搬送装置11はトレー式(台車型)自動仕分装置から構成され、
図2に示すように、周回経路i上を互いに連結された状態で搬送方向Cへ連続走行し、走行する搬送方向Cに対して横方向に物品13を払い出すトレー14を上面に設けた複数の走行台車15を備えている。各走行台車15のトレー14上に、各物品投入口12に配置された作業者Hにより、物品13が投入される。
【0019】
また
図1に示すように、複数(
図1では8台)の物品投入口12を分けて、2つ(複数の一例)の物品投入口群A,物品投入口群B(
図1では各4台)が形成され、これら2つの物品投入口群A,Bは、物品搬送装置11の周回経路iの対極に配置されている。また物品搬送装置11に沿って、それぞれ店舗(仕分け先の一例)が割り付けられる複数(
図1では120台)のシュート16が配置されており、これら複数のシュート16は、物品投入口群と同数の2つのシュート群A,B(
図1では各60台)に分けられ、各シュート群A,Bは、対応する各物品投入口群A,Bに対して、物品搬送装置11の搬送方向Cの下流側で、且つ物品投入口群A,B間に配置され、またこれら物品投入口群とシュート群により2つの仕分けエリアA,Bが形成されている。
なお、バッチ毎に通常オーダーを受け付ける店舗の数(オーダー数)はシュート16の数より多く、シュート16の数(
図1では120台)は、バッチ毎に通常オーダーを受け付ける店舗の数より少なくしている。例えば、店舗の数は150店舗である。したがって、1バッチ毎にシュート16に最初に割り付けることができない店舗が残り、最初に店舗が割り付けられたシュート16への仕分けが終了すると、終了したシュート16に残りの店舗が再割り付けされる。
【0020】
また各シュート16にはそれぞれ、走行台車15上のトレー14を傾ける傾き駆動装置16a(
図3)と、ストッパ20(ストッパ付きシュート)が設けられ、傾き駆動装置16aによる走行台車15上のトレー14の傾き駆動により、物品13は搬送方向Cに対して左右方向に開口したシュート16に払い出すように構成されている。また前記ストッパ20はシュート16の下流端に配置されており、ストッパ20によりトレー14から払い出された物品13が一旦受け止められ、ストッパ20の下方に配置した集品容器27に衝撃が少ないように排出される。各集品容器27は、コンベヤからなる移動装置28上に載置されており、各移動装置28は、物品搬送装置11による物品13の搬送方向とは直角な左右方向に集品容器27を移動可能とされている。また各移動装置28には、シュート16の下方に物品搬送装置11に沿って敷設された空き集品容器供給ライン29から空き集品容器27が供給され、さらに各移動装置28から、集品(仕分け)が終了した集品容器27は、移動装置28の外方に物品搬送装置11に沿って敷設された出荷ライン30へ搬出され、出荷エリア(図示せず)へ搬送される。
また各走行台車15にはそれぞれ、独自のバーコード(走行台車を特定する情報の一例)が付されている。なお、トレー14および傾き駆動装置16aにより、シュート16に向けて物品搬送装置11(搬送ライン)から物品13を払い出すソータが構成されている。
【0021】
また各仕分けエリアA,B毎に、
図2に示すように、物品投入口群とその下流のシュート群との間に、物品13に付されたバーコード(物品を特定する情報の一例)を読み取る第1バーコードリーダ17が配置され、この第1バーコードリーダ17と同じ位置に、走行台車15のバーコードを読み取る第2バーコードリーダ18が配置されている。
【0022】
「トレー制御装置19」
さらに
図3に示すように、各仕分けエリアA,B毎に、トレー制御装置19が配置され、各トレー制御装置19にはそれぞれ、各仕分けエリアA,Bの第1バーコードリーダ17と第2バーコードリーダ18が接続されている。また各トレー制御装置19には、各仕分けエリアA,B内の第2バーコードリーダ18と、2つの仕分けエリアA,Bのすべての各シュート16との距離が予め設定され、各距離により第2バーコードリーダ18を通過してから各シュート16に走行台車15が到達するまでの時間が予め設定されている。
【0023】
各トレー制御装置19は次の機能を有している。
・第1バーコードリーダ17により物品13のバーコードが送られてくると、第2バーコードリーダ18により走行台車15のバーコードを読み取り、物品13を載せた走行台車15を特定し、後述する割付データ{シュート16のナンバーと(店舗)要求データ(物品名とそれぞれの数量)からなるデータ}に基づいて、物品13を振り分けるシュート16を特定する機能。
・シュート16が特定されると、タイマーのカウントを開始し、またのシュート16に予め設定された上記時間(設定時間)を求め、タイマーのカウントが設定時間となると、走行台車15が特定されたシュート16に到着したと判断し、このシュート16の傾き駆動装置16aを駆動して目的のシュート16側にトレー14を傾け、シュート16へ物品13を振り分ける機能。
・シュート16への払い出しが終了すると、このシュート16と物品13のバーコードを対にしてメモリ19aに記憶する機能。なお、物品13を払い出したシュート16が他方の仕分けエリア内のシュートの場合、他方の仕分けエリアのトレー制御装置19に対して、「シュート16と物品13のバーコード」からなるデータを出力して他方の仕分けエリアのトレー制御装置19のメモリ19aに記憶する。
・メモリ19aに記憶(蓄積)された、各シュート16毎の物品13のバーコードにより、各シュート16への割付データの物品13の仕分けの終了を確認すると、シュート16のナンバーを含む仕分け終了シュートデータを出力する機能。
【0024】
また
図1に示すように、物品搬送装置11の外方には、各物品投入口群A,Bへ物品13を供給する手段として、先行仕分けエリア25より、予め各店舗から要求された物品13を物品別にまとめて収納されたコンテナ21を供給する供給ライン22が敷設され、さらに供給ライン22から各仕分けエリアの物品投入口群A,Bへ物品別にコンテナ21を分岐する分岐装置23が設けられ、この分岐装置23により分岐されたコンテナ21を各物品投入口群A,Bへ搬送する分岐ライン24が敷設されている。また分岐装置23より上流側に、供給ライン22により搬送されてきたコンテナ21のバーコードを読み取るバーコードリーダ23aが配置され、分岐装置23は、バーコードリーダ23aによりコンテナ21のバーコードが読み取られると、後述する分岐データに基づいてコンテナ21を各物品投入口群A,Bへ搬送する分岐ライン24へ分岐する。各分岐ライン24の終端にはコンテナ21が順に蓄積され、作業者Hは、分岐ライン24からコンテナ21を物品投入口12上へ移載し、コンテナ21より物品13を取り出してトレー14へ投入する。
【0025】
前記コンテナ21には、例えば自動倉庫などの設備を備えた先行仕分けエリア25において、後述する仕分けデータに基づいた数量の物品13が収納され、先行仕分けエリア25からコンテナ21のバーコード(コンテナを特定する情報の一例)と物品名からなるコンテナデータが出力される。
【0026】
「仕分け制御装置」
図3に示すように、コンピュータからなる仕分け制御装置26が設けられ、仕分け制御装置26には、バッチ毎に、店舗から要求された複数の物品名(物品を特定する情報の一例)とそれぞれの物品数量からなる要求データが入力され、また先行仕分けエリア25から上記コンテナデータが入力される。
【0027】
仕分け制御装置26は、
図3に示すように、要求データ記憶部31、仕分けデータ形成部32、分岐データ形成部33、および店舗割り付け部34から構成されている。
【0028】
要求データ記憶部31は、バッチ毎に送られてくる上記要求データを、バッチ毎に記憶する。また仕分けデータ形成部32は、要求データ記憶部31に記憶された要求データにより、バッチ毎に、物品別に数量を集計し、物品別に集計した数量と物品名からなる仕分けデータを形成して、先行仕分けエリア25へ出力する。
【0029】
また分岐データ形成部33は、仕分けデータ形成部32において形成された仕分けデータに基づいて、バッチ毎に、各物品投入口12において仕分ける物品13の総数量が均等となるように、物品13を、物品投入口群(仕分けエリア)Aと物品投入口群(仕分けエリア)Bの2つのグループに分けて、各物品13に、AグループとBグループに識別符号を付け、続いて、先行仕分けエリア25から上記コンテナデータ(コンテナ21のバーコードと物品名からなるデータ)が送られてくると、物品名によって「コンテナのバーコード−グループ名(A,B)」からなる分岐データを形成し、分岐装置23へ出力する。本実施の形態では、各物品投入口群はそれぞれ同数(4台)の物品投入口12から構成されているので、各物品投入口群A,Bへ搬送される物品13の数量が均等(総数量の1/2ずつ)になるように物品13は分岐される。
なお、物品投入口群を形成する物品投入口12の台数が異なる場合は、台数によって分岐される物品13の数量の割合は変更される。例えば、物品投入口群Aを形成する物品投入口12の台数が4、物品投入口群Bを形成する物品投入口12の台数が6の場合、各物品投入口群A,Bへ供給される物品13の数量の割合は、4:6とされる。
【0030】
また店舗割り付け部34は、要求データ記憶部31に記憶された要求データにより、バッチ毎に各シュート16に店舗を割り付けて、各シュート16に店舗から要求された上記要求データを割り付け、「シュート16のナンバーと(店舗)要求データ(物品名とそれぞれの数量)」からなる割付データを2つのトレー制御装置19へ出力する。なお、シュート16の数が、店舗の数より少ないので、最初は割り付けられない店舗が残る。
そして、トレー制御装置19より、上記仕分け終了シュートデータ(仕分けが終了したシュート16のナンバー)を入力すると、このシュート16に、上記残っていた店舗を順に割り付け、全ての割り付けが終了すると、次のバッチの店舗を割り付けて、要求データを割り付け、割付データを2つのトレー制御装置19へ出力する。
【0031】
上記構成による作用を説明する。
バッチ毎に店舗の要求データが仕分け制御装置26へ入力されると、仕分け制御装置26により、物品別に「物品名と集計した数量」からなる仕分けデータが形成され、先行仕分けエリア25において、上記仕分けデータに基づいてコンテナ21へ物品13が収納されて供給ライン22へ投入される。また先行仕分けエリア25からコンテナ21のバーコード(コンテナを特定する情報の一例)と物品名からなるコンテナデータが出力される。
【0032】
供給ライン22により分岐装置23へ搬送されてくると、上記分岐データに基づいて分岐装置23によりコンテナ21は2つグループに分けられ、各分岐ライン24へ分岐される。
【0033】
このとき、
図4に示すように、仕分け制御装置26により形成された分岐データにより、各分岐ライン24へ分岐されたコンテナ21に収納された物品13の数量の総計(各物品投入口群A,Bへ供給する物品13の数量)が、均等となるように分岐装置23により分岐され、コンテナ21は各分岐ライン24により各物品投入口群A,Bへ搬送される。
【0034】
例えば、
図4に示すように、ナンバー1〜12のコンテナ21が供給ライン22により搬送されてくると、これらコンテナ21に収納された物品13の総数量(
図4では155個)により、均等な数量を求め(77個と78個)、ナンバー1〜12のコンテナ21を、コンテナ単位で前記均等な数量となるように分けて{
図4では、物品投入口群Aへは、ナンバー1,3,5,6,7,8,11を分岐し(物品の個数は80個)、物品投入口群Bへは、ナンバー2,4,9,10,12(物品の個数は75個)}、各物品投入口群A,Bへ搬送している。
【0035】
このように、各店舗から要求された物品13は、物品別にまとめてコンテナ21により搬送され、これら物品別にまとめて搬送される物品13は、各物品投入口群A,Bへ、各物品投入口12当たりの物品13の数量が等しくなるように分岐される。
【0036】
各物品投入口群A,Bでは、各物品投入口12の作業者Hが、分岐ライン24により搬送されてきたコンテナ21を物品投入口12へ移載し、コンテナ21より物品13を取り出して1品ずつ走行台車15のトレー14上へ載せる。このとき、各物品投入口12において移載する物品13の数量が、均等となるように搬送されてくることにより、各物品投入口12の作業者が手待ちとなることが回避される。
【0037】
走行台車15のトレー14上へ物品13が載せられると、第1バーコードリーダ17により物品13のバーコードが読み取られ、同時に走行台車15のバーコードが読み取られて、物品13と走行台車15が特定され、また上記割付データにより物品13を投入するシュート16が特定されて、走行台車15が特定されたシュート16位置へ移動してくると、傾き駆動装置16aが駆動されてトレー14が傾けられ、物品13が特定されたシュート16へ振り分けられる。
【0038】
また各シュート16毎に、振り分けた物品13が蓄積されて割付データと同一となると、このシュート16への仕分けが終了したとされて、トレー制御装置19より、仕分け終了シュートデータが出力され、このシュート16は空きと認識され、このシュート16に、バッチ内の残っていた店舗または次のバッチの店舗の要求データが割り当てられ、新たな割付データがトレー制御装置19へ出力される。なお、仕分けが終了した集品容器27は、移動装置28により出荷ライン30へ搬出され、出荷エリア(図示せず)へ搬送され、移動装置28に空き集品容器供給ライン29から空き集品容器27が供給される。
なお、物品投入口12から投入する物品13が無くなり、
図5(b)に示すように次のバッチのコンテナ21が各物品投入口群A,Bへ搬送されてくると、走行台車15のトレー14上へ、次のバッチの物品13が投入される。
【0039】
図5(b)に示す空きのシュート16に、バッチ内の残っていた店舗(要求データ)が割り当てられると、物品搬送装置11の走行台車15により載置され、循環していた物品13が新たなシュート16へ振り分けられる。
さらに仕分けが進行してバッチ内の店舗の割り当てが終了すると、空きのシュート16に、
図5(c)に示すように次のバッチの店舗(要求データ)が割り当てられ、よって、先のバッチの物品13と次のバッチの物品13が同時に物品搬送装置11により搬送されている状態となる。そして、
図5(d)に示すように、先のバッチの物品13の振り分けが終了し、次のバッチの物品13のみが物品搬送装置11により搬送され、振り分けが実行される状態となる。
【0040】
以上のように本実施の形態によれば、供給ライン22から各物品投入口群A,Bへ物品別に物品13を分岐する際、各物品投入口12へ供給する物品13の数量(各物品投入口当たりの物品数量)が均等となるように、各物品投入口群A,Bを形成する物品投入口12の数の割合に応じて物品別に物品13を分岐(供給)することにより、各物品投入口12に配置された作業者Hは、均等に作業を実行し、作業が偏ることが回避され、よって負担を公平にでき、また作業待ち(手待ち)となる時間が少なくでき、さらに全体の作業効率を改善できる。
【0041】
また本実施の形態によれば、シュート16の数を、店舗の数がより少なくしており、1バッチ毎に、まずシュート16の数に合わせて店舗を割り付け、仕分けが終了したシュート16が発生すると、この空きシュート16に、先に割り付けがされていない店舗を割り付けることにより、空きシュート16を有効に使用できるとともに、物品搬送装置11により搬送されていた物品13を、新しく店舗が割り当てられたシュート16へ仕分けることができる。このとき、物品13は物品搬送装置11により循環されていることにより、先に割り付けがされていない店舗へ仕分ける物品13を、物品投入口12で一時保留しておく必要がなく、物品投入口12から何ら制約なく投入することができる。またシュート16の数を店舗の数に合わせて設置する必要がなくなり、設備費用を削減できる。
【0042】
また本実施の形態によれば、空きのシュート16に、次のバッチの店舗が割り当てられ、また物品投入口12から次のバッチの物品13の投入が開始されると、先のバッチの物品13と次のバッチの物品13が同時に物品搬送装置11により搬送されている状態となり、2つのバッチにおける店舗別の物品13の振り分けが同時に進行することにより、バッチ間で、何ら振り分けが実行されない時間帯が生じることが無くなり、シームレス作業を実現できる。
【0043】
なお、本実施の形態では、バッチ毎に、各店舗から要求された物品13を、物品別にまとめたコンテナ21を供給ライン22により搬送し、これらコンテナ21を、各物品投入口群を形成するそれぞれの物品投入口12へ供給される物品13の数量が均等となるように、分岐装置23により分岐する方式(第1分岐方式と称す)にて運用しているが、第1分岐方式に代えて、バッチ毎に、各店舗から要求された物品13を、物品別で、且つ各物品投入口群A,Bに対応して配置したシュート群A,Bにおいて仕分けが終了するように各物品投入口群別にコンテナ21にまとめ、供給ライン22により搬送し、供給ライン22から分岐ライン24へ物品13(コンテナ21)を分岐する際、各物品投入口群A,B別に分岐する第2分岐方式に変更して運用することも可能である。また第1分岐方式と第2分岐方式を、切り替えて運用することも可能である。
【0044】
第2分岐方式のとき、仕分け制御装置26は、各店舗が割り当てられたシュート群A,Bに応じて、シュート群A,B毎に要求データを分離し、各要求データA,B毎に、仕分けデータを形成して分岐装置23へ出力する。
この第2分岐方式によると、各店舗から要求された物品13は、各物品投入口群A,B別に仕分けて搬送され、各物品投入口群A,Bへ供給されることにより、
図6に示すように、各物品投入口群A,Bから物品搬送装置11へ投入された物品13は、対応する仕分けエリアA,B内で仕分けが終了する。したがって、ループ状の物品搬送装置11を循環する物品13の数はゼロとなり、物品搬送装置11の半周で振り分けが終了し、仕分けが遅くなることを回避でき、さらに各物品投入口群A,Bへは、必ず空きの走行台車15が移動してくるので、各物品投入口12からの物品13の投入が迅速に終了し、仕分け能力を上昇できる。
【0045】
また本実施の形態では、上記第1分岐方式にて運用し、各物品投入口12へ均等となるよう物品13が供給されているが、各物品投入口12に配置される作業者の人数が異なる場合は、各物品投入口群毎に、配置された作業者の人数を加算し、この加算した数の割合で、各物品投入口群へ分岐する物品13の数量を求めて、分岐するようにしてもよい。また各物品投入口12に配置される作業者の作業能力が異なる場合は、各物品投入口群毎に、物品投入口群を形成する物品投入口12の数に、物品投入口群に配置された作業者の作業能力を乗算し、この乗算した数の割合で、各物品投入口群へ分岐する物品13の数量を求めて、分岐するようにしてもよい。
【0046】
また本実施の形態では、物品搬送装置11をトレー式(台車型)自動仕分装置から構成しているが、物品13を個別に搬送して各シュート16へ振り分けることができる構成であればよい。例えば、各シュート16に向けて搬送ラインから物品13を払い出すソータを、トレー14および傾き駆動装置16aに代えて、走行台車15上に配置したベルトコンベヤにより構成し、ベルトコンベヤを駆動することより物品13を各シュート16へ振り分けるようにする。また物品搬送装置11を、押出式(ダイバーダ型)自動仕分け装置、あるいは押出式(シュースライド型)自動仕分け装置、あるいは浮出式(ホイール型)自動仕分け装置とすることもできる。
【0047】
また本実施の形態では、各シュート16をストッパ付きシュートにより構成しているが、
図7(b)に示すように、各シュート16を、トレー14から払い出された物品13をトレー14の近くで柔らかく受け止めるベルトコンベヤ36と、投入ベルト37を用いる形式の投入装置38により構成することもできる。この投入装置38は、
図7(a)に示すように、投入ベルト37によりベルトコンベヤ36より投入された物品13を柔らかく受けとめ、次に、この物品13を受けとめた投入ベルト37を集品容器27の中へ降ろし、その後、投入ベルト37を巻き上げることにより、物品13を集品容器27に投入する装置である。そして、投入ベルト37の始端をさらに循環駆動することにより、再び元の物品13を受けとめる状態に戻される。このように、ベルトコンベヤ36と投入装置38を用いることにより、物品13に衝撃を与えることなく、集品容器27へ投入でき、よって壊れやすく、やさしく取り扱う必要がある物品のとき、有効である。
このような、ベルトコンベヤ36と投入装置38を用いたシュート16’を、
図8(a)に示すように、複数のシュート群のうち、1つのシュート群(例えば、シュート群B)に採用することもでき、また
図8(b)に示すように、シュート群のうちの一部(例えば、1/4)に採用することができる。このとき、シュート16’には、壊れやすく、やさしく取り扱う必要がある物品を要求した店舗が割り付けられる。
【0048】
また本実施の形態では、各物品投入口12において、単に物品13を走行台車15のトレー14へ移載する作業を実行しているが、移載する前に物品13のバーコードを読み取り、蓄積するようにすることもできる。これにより、走行台車15へ投入された物品13の物品名と数量を確認でき、正しく仕分けられたかどうかを確認することができる(検品できる)。
【0049】
また本実施の形態では、各物品投入口群A,Bへ物品13を供給する手段として、供給ライン22、分岐装置23および分岐ライン24を設けているが、各物品投入口群A,Bへのコンテナ21の搬送は、カゴ車やフォークリフトによることも可能である。このとき、各物品投入口群A,Bへは、バッチ毎に、各店舗から要求された物品13を、物品別にまとめ、これら物品別にまとめた物品が、物品投入口群を形成する各物品投入口当たりの数量が均等となるように供給される。
【0050】
また本実施の形態では、コンテナ21を使用して供給ライン22および分岐ライン24により、コンテナ21により物品別にまとめた物品13を搬送しているが、必ずしもコンテナ21を使用する必要はなく、物品13を、物品別にまとまって搬送できればよい。例えば、仕切り(区切り)を明確にしたベルトコンベヤにより供給ライン22および分岐ライン24を形成する。
【0051】
また本実施の形態では、物品13と走行台車15とコンテナ21に特有のバーコードを付して識別しているが、バーコードに限ることなく、特有のICタグ等を付して、識別するようにしてもよい。
また本実施の形態では、仕分け先を店舗別としているが、店舗に限ることはなく、店舗内のエリア別あるいは区分別、あるいは地域別、搬送トラック別などとすることもできる。