特許第5712967号(P5712967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5712967
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】仕分け設備及び仕分け方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
   B65G1/137 F
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-121440(P2012-121440)
(22)【出願日】2012年5月29日
(65)【公開番号】特開2013-245088(P2013-245088A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浮須 賢一
(72)【発明者】
【氏名】中西 剛史
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−114955(JP,A)
【文献】 特開2012−041127(JP,A)
【文献】 特表平02−501237(JP,A)
【文献】 特開2005−350232(JP,A)
【文献】 特開2005−119809(JP,A)
【文献】 特開2008−063095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の集品容器に対して物品を仕分ける仕分け設備であって、
主搬送部及び前記主搬送部に設けられた分岐地点から分岐する分岐搬送部を有し前記集品容器を搬送する搬送手段と、
前記集品容器を前記分岐地点において前記主搬送部から前記分岐搬送部へ移送させる分岐手段と、
前記分岐搬送部において前記集品容器に投入される複数の物品が保管された保管エリアと、
前記分岐搬送部において前記集品容器に投入されるべき物品が、前記保管エリアから先行ピッキングされて収納される先行ピッキング容器と、
前記分岐搬送部に沿って設けられ、先行ピッキング容器を複数配置可能な仮置きエリアと、
前記物品要求情報に応じて前記分岐手段によって前記分岐搬送部へ移送される集品容器が前記分岐地点へ到達するより以前に、前記物品要求情報に基づいて、当該集品容器へ投入すべき物品が前記保管エリアにおいて保管されている場所に関する保管位置情報を含む取出データを形成するコントローラと、
前記先行ピッキング容器に取り付け可能な無線表示器と、
を備え、
前記無線表示器は、前記コントローラから無線通信によって前記取出データを受信することで、前記保管位置情報を、先行ピッキングを行う作業者に対して表示し、先行ピッキングが終了した後には、先行ピッキング容器に収納されている物品を投入すべき前記集品容器に対応した表示が可能なこと
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
仮置きエリアに、複数の先行ピッキング容器を載置可能な仮置き台が設けられ、
前記仮置き台は、載置された前記先行ピッキング容器が前記仮置き台上で摺動可能なように構成されていること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
複数の集品容器のそれぞれに、物品を投入すべき集品容器を表示する投入対象表示手段が設けられ、
コントローラは、集品容器へ投入すべき物品を収納して仮置きエリアに配置されている先行ピッキング容器に取り付けられている無線表示器の表示に対応した表示を、前記投入対象表示手段に行わせること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の集品容器に対して物品を仕分ける作業を行う仕分け方法であって、
主搬送部及び前記主搬送部に設けられた分岐地点から分岐する分岐搬送部を有する搬送手段によって前記集品容器を搬送し、
複数の物品が保管された保管エリアにおける物品の保管位置情報を示す表示を行う第1の状態と、前記集品容器に対応した表示を行う第2の状態と、を有する無線表示器を用いて作業を行い、
第1の状態にある前記無線表示器の表示に従って、前記分岐搬送部において集品容器に投入されるべき物品を、前記保管エリアから先行ピッキングして先行ピッキング容器に収納する先行ピッキング工程と、
先行ピッキング容器を前記分岐搬送部に沿って設けられた仮置きエリアに配置する仮置き工程と、
前記分岐地点において、前記物品要求情報に応じて前記集品容器を前記主搬送部から前記分岐搬送部へ移送させる分岐工程と、
前記無線表示器を第2の状態に遷移させる状態遷移工程と、
第2の状態にある前記無線表示器の表示に従って、先行ピッキング容器に収納されている物品を、前記無線表示器の表示に対応した前記分岐搬送部上の前記集品容器へ投入する投入工程と、を備え、
各集品容器向けの前記先行ピッキング工程が、当該集品容器に関する前記分岐工程よりも先に行われること
を特徴とする仕分け方法。
【請求項5】
先行ピッキング工程において、複数の集品容器向けの先行ピッキングを並行して行うこと
を特徴とする請求項4に記載の仕分け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け先に応じて所定の物品を所定の集品容器に仕分けるための仕分け設備及び仕分け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物流における各種物品の配送センターや倉庫等においては、物品の集品や仕分け作業が行われている。例えば、配送センターにおいては、顧客(仕分け先)の注文に応じた物品をピッキングして複数の区域に仕分ける(具体的には集品容器であるコンテナなどに収納する)作業、いわゆるピッキング作業が行われている。
このようなピッキング作業の基本的な形態においては、例えば、ベルトコンベヤなどの集品容器搬送手段がこの搬送手段の移動方向に沿って複数の作業ゾーンに区画されており、各作業ゾーンにはそのゾーン専属の作業者が配置されている。
この作業者は、各集品容器に割り付けられた仕分け先の物品要求情報(どの仕分け先が、どの品種の物品を、どれだけの数量要求しているか等の情報)を示すピッキング指示に基づいて、物品が保管されている保管棚から必要な品種の物品を必要な数量だけピッキングしてきて、ベルトコンベヤにより搬送されてくる集品容器のうち、ピッキングしてきた物品を要求している仕分け先向けの集品容器へ収納(投入)する作業を行う。
【0003】
このようなピッキング作業が行われる仕分け設備においては、搬送手段に分岐を設けることがある。例えば特許文献1に記載されている仕分け設備においては、搬送手段としてのベルトコンベヤは、主搬送路の他に、主搬送路から分岐する分岐部を有している。そして、頻繁に取り出す物品を貯蔵した主貯蔵部を、主搬送路に沿って設け、頻繁には取り出さないような物品を貯蔵する副貯蔵部を、分岐部に対応して設けて、頻繁には取り出さないような物品は、ベルトコンベヤから離れた位置に貯蔵している。
そして、ベルトコンベヤ上の集品箱(集品容器)に収納すべき物品が副貯蔵部に貯蔵されている物品であった場合には、その集品箱は分岐地点で停止され、作業者が、集品箱を分岐部に移動させてから、ベルトコンベヤから離れた位置にある副貯蔵部まで行って目的の物品を取り出し、分岐部上の集品箱まで持ってくる。
そのため、特許文献1に記載の方法では、副貯蔵部に貯蔵されている物品を収納すべき集品箱が搬送されてくる都度に、作業員が副貯蔵部まで行かねばならない。そのため、副貯蔵部に貯蔵されている物品を収納すべき集品箱が何度も搬送されてきた場合には、作業員は何度も副貯蔵部へ行くことになり、物品収納作業(投入作業)の効率が悪いという問題があった。
また、顧客(仕分け先)の注文の偏り(エリア物量・時間帯)による波動が避けられず、副貯蔵部での作業量が時間に応じて変動するため、集品箱がなかなか分岐部に搬送されて来ずに作業者に待ち時間が発生したり、逆に大量の集品箱が分岐部に搬送されてきて迅速に対応できなかったりと、仕分け作業全体の効率が低下するおそれがあった。
そこで、副貯蔵部における作業量の平準化を図るため、特許文献2に記載されているような仮置き台を、副貯蔵部の物品収納作業を行うエリアに設け、顧客(仕分け先)の注文(物品要求情報)に応じて、分岐されてくる集品箱へ収納する物品を、予め、仮置き台へ先行して仮置きしておく先行ピッキング作業を行うという方法が考えられる。
【0004】
特許文献2においては、仮置き台が複数設けられており、各仮置き台には、物品を仮置きさせる仮置き台であることを表示する第1の表示部と、該当容器(物品収納対象の容器)に収納させる物品が仮置きされた仮置き台であることを表示する第2の表示部とが設けられている。
このような仮置き台を設けておくと、物品収納作業の効率が向上するとともに、物品を収納する容器を間違えるといったトラブルの発生を防止することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−119809号公報
【特許文献2】特開2005−089162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載のような仮置き台では、先行ピッキング作業者は、仮置き台まで持ってきた物品をどの仮置き台に仮置きするべきか、仮置きの前に表示部で確認する手間をかける必要がある。
また、特許文献2に記載のような仮置き台を副貯蔵部に設けた場合においても、仮置き台の数が限られているため、顧客の注文の偏り(エリア物量・時間帯)により、あるいは仮置き台から物品を取り出して集品箱(集品容器)へ投入する作業者(投入作業者)の作業進捗が滞ることにより、仮置き台が満量となり、それ以上物品を仮置きすることができず、先行ピッキングを行う先行ピッキング作業者は、投入作業が進捗して仮置き台が空くのを待たねばならず、次の顧客の注文に向けた(応じた)先行ピッキングに対応することができなくなり、作業効率が悪いという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、搬送手段が分岐搬送部を有する仕分け設備において、物品を投入すべき集品容器が何度も搬送されてきても、作業者が何度も物品が保管された場所へ行く必要がないとともに、先行ピッキング作業者が投入作業の進捗を待つことなく先行ピッキングを実施することができて、作業効率の高い仕分け設備及び仕分け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の集品容器に対して物品を仕分ける仕分け設備であって、主搬送部及び前記主搬送部に設けられた分岐地点から分岐する分岐搬送部を有し前記集品容器を搬送する搬送手段と、前記集品容器を前記分岐地点において前記主搬送部から前記分岐搬送部へ移送させる分岐手段と、前記分岐搬送部において前記集品容器に投入される複数の物品が保管された保管エリアと、前記分岐搬送部において前記集品容器に投入されるべき物品が、前記保管エリアから先行ピッキングされて収納される先行ピッキング容器と、前記分岐搬送部に沿って設けられ、先行ピッキング容器を複数配置可能な仮置きエリアと、前記物品要求情報に応じて前記分岐手段によって前記分岐搬送部へ移送される集品容器が前記分岐地点へ到達するより以前に、前記物品要求情報に基づいて、当該集品容器へ投入すべき物品が前記保管エリアにおいて保管されている場所に関する保管位置情報を含む取出データを形成するコントローラと、前記先行ピッキング容器に取り付け可能な無線表示器と、を備え、前記無線表示器は、前記コントローラから無線通信によって前記取出データを受信することで、前記保管位置情報を、先行ピッキングを行う作業者に対して表示し、先行ピッキングが終了した後には、先行ピッキング容器に収納されている物品を投入すべき前記集品容器に対応した表示が可能なことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、先行ピッキングを行う作業者が、分岐搬送部において集品容器に投入すべき物品のピッキングを、集品容器が分岐地点に到達する前に、無線表示器の表示を確認しながら行えるため、分岐搬送部において集品容器に投入すべき物品が、早い段階で先行ピッキング容器に収納されて仮置きエリアに仮置きされる。そして投入作業者は、どの先行ピッキング容器に収納された物品をどの集品容器に投入すべきかを、先行ピッキング容器に取り付けられた無線表示器によって把握する。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の仕分け設備であって、仮置きエリアに、複数の先行ピッキング容器を載置可能な仮置き台が設けられ、前記仮置き台は、載置された前記先行ピッキング容器が前記仮置き台上で摺動可能なように構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、物品を取り出して空となった先行ピッキング容器を仮置き台から取り除いた際に、仮置き台上に空いたスペースへ他の先行ピッキング容器を寄せることが容易となる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の仕分け設備であって、複数の集品容器のそれぞれに、物品を投入すべき集品容器を表示する投入対象表示手段が設けられ、コントローラは、集品容器へ投入すべき物品を収納して仮置きエリアに配置されている先行ピッキング容器に取り付けられている無線表示器の表示に対応した表示を、前記投入対象表示手段に行わせることを特徴とする。
【0013】
上記構成により、投入担当の作業者が、どの集品容器にどの物品収容部の物品を投入すればよいかを把握しやすくなる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、仕分け先の物品要求情報が割り付けられた複数の集品容器に対して物品を仕分ける作業を行う仕分け方法であって、主搬送部及び前記主搬送部に設けられた分岐地点から分岐する分岐搬送部を有する搬送手段によって前記集品容器を搬送し、複数の物品が保管された保管エリアにおける物品の保管位置情報を示す表示を行う第1の状態と、前記集品容器に対応した表示を行う第2の状態と、を有する無線表示器を用いて作業を行い、第1の状態にある前記無線表示器の表示に従って、前記分岐搬送部において集品容器に投入されるべき物品を、前記保管エリアから先行ピッキングして先行ピッキング容器に収納する先行ピッキング工程と、先行ピッキング容器を前記分岐搬送部に沿って設けられた仮置きエリアに配置する仮置き工程と、前記分岐地点において、前記物品要求情報に応じて前記集品容器を前記主搬送部から前記分岐搬送部へ移送させる分岐工程と、前記無線表示器を第2の状態に遷移させる状態遷移工程と、第2の状態にある前記無線表示器の表示に従って、先行ピッキング容器に収納されている物品を、前記無線表示器の表示に対応した前記分岐搬送部上の前記集品容器へ投入する投入工程と、を備え、各集品容器向けの前記先行ピッキング工程が、当該集品容器に関する前記分岐工程よりも先に行われることを特徴とする。
【0015】
上記方法により、先行ピッキングを行う作業者が、分岐搬送部において集品容器に投入すべき物品のピッキングを、分岐工程よりも先に、無線表示器の表示を確認しながら行えるため、分岐搬送部において集品容器に投入すべき物品が、早い段階で先行ピッキング容器に収納されて仮置きエリアに仮置きされる。そして投入作業者は、どの先行ピッキング容器に収納された物品をどの集品容器に投入すべきかを、無線表示器によって把握できる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明であって、先行ピッキング工程において、複数の集品容器向けの先行ピッキングを並行して行うことを特徴とする。
【0017】
上記方法により、先行ピッキングを行う作業者による仮置きエリアと保管エリアとの往復頻度がさらに抑えられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る仕分け設備及び仕分け方法によれば、集品容器が分岐地点に到達する前にピッキングを行うことができ、また、仮置き容器を仮置きエリアに複数配置しても、投入作業者が混乱することがないので、先行ピッキング担当の作業者は、投入作業者の作業進捗状況を気にすることなく、先行ピッキングを連続的に行うことができて、作業効率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の分岐搬送部周辺を示す平面図である。
図2】同設備における仮置き台を示す斜視図である。
図3】同設備における先行ピッキング容器を示す斜視図である。
図4】同設備における低頻度品用の保管棚を示す正面図である。
図5】同設備における集品容器を示す斜視図である。
図6】同設備における各構成間の関係を示すブロック図である。
図7】同設備における作業の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
本実施形態における仕分け設備は、個別の予め登録されたユーザー(仕分け先の一例)からオーダー(注文)を受けた物品を、各ユーザーのオーダー(仕分け先の物品要求情報)が割り付けられた集品容器に集めて配送する仕分け設備であり、以下においては、本発明の実施の形態の一例として、物品が投入される集品容器を搬送する搬送手段に主搬送部と分岐搬送部とが設けられている仕分け設備について説明する。
【0021】
図1に、本実施の形態における仕分け設備のうち、ピッキング及び投入が行われる作業ゾーンZのうちいくつかを示す。図1に示すように、仕分け設備は、集品される物品11が保管されるストレージラインAと、ピッキングされた物品11が投入される集品容器10を矢印Xの方向に搬送する搬送ラインBとを備えており、これらストレージラインA及び搬送ラインBに沿って複数の作業ゾーンZに区画されている。
また、ストレージラインAは、集品される物品11のうち、要求される頻度が高いもの(高頻度品)や頻度が中程度のもの(中頻度品)が保管される高頻度品ストレージラインA1と、要求される頻度が比較的低く種類の多いもの(低頻度品)が保管される低頻度品ストレージラインA2とに分かれており、作業ゾーンZも、高頻度品ストレージラインA1に沿って区画された複数の高頻度品ゾーンZ1と、高頻度品ゾーンZ1の下流に位置し低頻度品ストレージラインA2に沿って区画された低頻度品ゾーンZ2とに分かれている。
【0022】
搬送ラインBは、図1に示すように、高頻度品ゾーンZ1と低頻度品ゾーンZ2との境界部に、分岐手段としての分岐装置Bxが設けられた分岐地点Baを有し、この分岐地点Baにおいて、搬送ラインBは主搬送部B1と分岐搬送部B2とに分岐しており、分岐装置Bxは、分岐地点Baへ搬送されてきた主搬送部B1上の集品容器10に対して、集品容器10に割り付けられている物品要求情報に応じて、分岐搬送部B2へと移送させるか否かを判断し、分岐搬送部B2へと移送させる集品容器10については、押し出しアーム(図示せず)で押し出すなどの方法で分岐搬送部B2へと移送させる。なお、分岐搬送部B2は、その下流端において主搬送部B1へ合流する。
本実施形態においては、主搬送部B1と分岐搬送部B2は、集品容器10を搬送する搬送手段としてのコンベヤ18で構成されている。このコンベヤ18は、集品容器10を1つずつ蓄積及び移動することができてかつ集品容器10が互いに衝突しないように集積することが可能なアキュムレーションコンベヤとして設計することが好ましい。
【0023】
そして、各作業ゾーンZ同士の境界部、すなわちコンベヤ18に沿った所定の間隔ごとに、集品容器10が各作業ゾーンZへと搬送されてきたことを検知する手段としてのゾーンRFIDリーダ(詳しくは後述)が複数設けられている。以下においては、これらのゾーンRFIDリーダのうち、低頻度品ゾーンZ2より上流の高頻度品ゾーンZ1の上流端のものを上流ゾーンRFIDリーダ41、低頻度品ゾーンZ2上流端のものを自ゾーンRFIDリーダ42と称する。また、各作業ゾーンZ(高頻度品ゾーンZ1及び低頻度品ゾーンZ2)にはそれぞれ、主搬送部B1や分岐搬送部B2に沿ってテープスイッチ19が設けられている。
【0024】
なおここでは図示しないが、搬送ラインBにおける図1で示す範囲より下流には、ピッキング作業が終了して搬送ラインBによって搬送されてきた集品容器10内の物品11を封印する封印エリアや、封印エリアよりさらに下流に配置され、搬送ラインBによって搬送されてきた集品容器10の封印済み物品11(集品済み物品11)を寄せ箱(出荷箱)へ詰め替える詰め替えエリア、そして、詰め替えエリアから搬送ラインBによって搬送されてきた集品容器10(物品11の詰め替えが終了して空となった集品容器10)に袋掛けを行う袋掛けエリアなどが配置されている。そして、搬送ラインBを循環ラインとすることにより、袋掛けエリアで袋掛けされた集品容器10を再び作業ゾーンZへと搬送することが可能となっている。
【0025】
高頻度品ストレージラインA1は、図1に示すように、高頻度品や中頻度品の物品11が複数保管される多段多列のフローラック15を搬送ラインBに沿って複数備えている。このフローラック15に沿った所定の間隔ごとに一つの高頻度品ゾーンZ1が設定されていて、物品11をフローラック15からピッキングして集品容器10へ投入する作業者Hが高頻度品ゾーンZ1毎に一人ずつ配置されている。またフローラック15には、逐次、高頻度品や中頻度品の物品11が補充される。なお、高頻度品ゾーンZ1毎に、ゾーン内のピッキング作業を制御する高頻度品ゾーンコントローラが設けられているが、この高頻度品ゾーンコントローラについての説明は省略する。
【0026】
低頻度品ストレージラインA2においては、図1に示すように、分岐搬送部B2に沿った領域に、仮置きエリア80が設けられている。この仮置きエリア80は、低頻度品の物品11を収納可能な仮置き容器83(先行ピッキング容器の一例)が後述する無線表示器85を取り付けられた状態で複数並べて載置される仮置き台90(これは図2に示すようにフリーローラで構成されている)と、無線表示器85を取り付けられていない仮置き容器83が複数重ね置きされる仮置き容器置き場93と、ピッキング容器81(先行ピッキング容器の一例;図3に示す容器、詳しくは後述)が無線表示器85を取り付けられた状態で複数重ね置きされるピッキング容器置き場91と、無線表示器85を取り付けられていないピッキング容器81が複数重ね置きされる未使用ピッキング容器置き場92と、余剰の各種容器を一時的に保管しておくことが可能な汎用スペース94と、を有している。
この仮置きエリア80と分岐搬送部B2との間には、仮置き台90上の仮置き容器83から物品11を取り出して分岐搬送部B2上の集品容器10へと投入する作業(低頻度品ゾーンZ2における投入作業)担当の作業者Hが配置されている。
【0027】
また、仮置きエリア80の後方(搬送ラインBと反対側)には、低頻度多品種の物品11が保管された保管棚17(保管エリアの一例)が設けられており、仮置きエリア80及び保管棚17が設けられた領域には、保管棚17から物品11をピッキングして仮置きエリア80まで運ぶ作業を担当する作業者Hが配置されている。なお、本実施形態において、この作業者Hが行う作業は低頻度品ゾーンZ2への集品容器10の到着より先行して行われることから、以下においてはこの作業を先行ピッキング作業と称する。
なお、図1には図示しないが、低頻度品ゾーンZ2には、低頻度品ゾーンZ2における作業(投入作業及び先行ピッキング)を管理するための低頻度品ゾーンコントローラ60(図6)が設けられている。
【0028】
保管棚17は、図4に示すように、低頻度品の物品11を載置可能な領域(保管部)を多段多列に複数備えており、各保管部にはアドレス(保管位置情報)が予め設定されていて、その保管部のアドレスを示す保管部ラベル20が各保管部に対応して取り付けられている。
【0029】
ここで、先行ピッキング担当の作業者Hは、図3に示すピッキング容器81を用いて先行ピッキング作業を行う。ピッキング容器81本体は低頻度品の物品11を収納可能な直方形状のコンテナで形成されており、このコンテナの上部縁に、無線表示器85が取り付けられている。詳しくは後述するが、先行ピッキング担当の作業者Hは、保管棚17から取り出した物品11を、ピッキング容器81へ一時的に収納してから仮置きエリア80へ運ぶ。
ピッキング容器81に取り付けられる無線表示器85は、仮置き台90上の仮置き容器83に取り付けられているものと同一のものであり、無線表示器85の外面には、各種情報を表示可能なデジタル表示部85aと、複数の色(例えば赤と緑)で点灯可能なランプ付きの押しボタンスイッチである無線表示器ボタン85bとが設けられている。また無線表示器85の内部には、無線表示器85毎に固有の表示器ナンバーが記録されたIDメモリ(図示せず)と、各種情報の送受信を行う無線装置(図示せず)と、この無線装置及びIDメモリに接続されていてデジタル表示部85a及び無線表示器ボタン85bのランプの表示や各種情報の送受信を制御する無線表示器コントローラ(図示せず)が備えられている。また、無線表示器85は、先行ピッキング容器であるピッキング容器81や仮置き容器83に対して、図示しないクリップなどの取り付け手段により着脱自在に取り付けられる。
【0030】
そして、無線表示器85の無線表示器コントローラは、以下の機能を有している。
<待機機能>:デジタル表示部85a及び無線表示器ボタン85bのランプを消灯(表示を解除)し、無線表示器ボタン85bが押下(操作)されるまで何もせずに待機する待機状態を維持する機能。
<取出データ受信機能>:前述の待機状態において無線表示器ボタン85bが操作されると、低頻度品ゾーンコントローラ60(図6)へ、後述の取出データを要求する信号及び自身の表示器ナンバーを無線通信によって送信して、低頻度品ゾーンコントローラ60から取出データを受信すると、それを記憶してピッキング状態(第1の状態)となる機能。
<ピッキング表示機能>:前述のピッキング状態において、記憶した取出データに含まれている保管棚17のアドレスなどの情報をデジタル表示部85aに表示する機能。取出データに複数のアドレスが含まれている場合には、無線表示器ボタン85bが操作されるたびに、デジタル表示部85aの表示を取出データ内の次のアドレスに切り替える。
<仮置き表示待機機能>:取出データ内のアドレスを全て表示した後でさらに無線表示器ボタン85bが操作されると、自身の表示器ナンバーを含む取出確認データを低頻度品ゾーンコントローラ60へ送信するとともに、先行ピッキング終了を示す表示(例えば”End”)をデジタル表示部85aに表示して、低頻度品ゾーンコントローラ60から後述の仮置き表示データを受信するまで待機し、仮置き表示データを受信すると、仮置き状態(第2の状態)に遷移する機能。
<仮置き表示機能>:前述の仮置き状態において、受信した仮置き表示データに含まれている、集品容器10に割り付けられたオーダーナンバー(物品要求情報)を表示する機能。
【0031】
また、搬送ラインBにおいて搬送され物品11が投入される集品容器10は、図5に示すように、箱形状のコンテナ25から構成され、高頻度品ゾーンZ1及び低頻度品ゾーンZ2における投入作業担当の作業者Hから読み取れる向きとなる側面に、物品11を投入する投入対象の集品容器10であることを表示する投入対象表示手段としての投入表示器26が取り付けられている。投入表示器26は、様々な情報を表示可能なデジタル表示部26aと、所定の色(例えば赤)で発光可能な第1投入表示ランプ26bと、第1投入表示ランプ26bとは異なる色(例えば緑)で発光可能な第2投入表示ランプ26cとを備えている。この集品容器10は、図1に示す範囲より上流に設けられた袋掛けエリア(図示せず)において袋27が掛けられた状態で、搬送ラインBによって搬送されてくる。
ここで、投入表示器26は、各集品容器10に割り付けられたユーザー(仕分け先の一例)のオーダーナンバー(物品要求情報の一例)及び各投入表示器26固有の投入表示器ナンバーを記憶する手段としての集品容器RFID10a(近距離の無線通信で読み取り・書き込み可能なICタグ)と、図示しない無線装置及びこの無線装置に接続されデジタル表示部26a・第1投入表示ランプ26b・第2投入表示ランプ26cの表示を制御する表示コントローラが内蔵されている。そして、作業ゾーンZよりも上流のエリア、例えば袋掛けエリア(図示せず)において、ユーザーのオーダー毎に割り振られた番号であるオーダーナンバーが無線装置を介して集品容器RFID10aに書き込まれることで、集品容器10にオーダーナンバーすなわち物品要求情報が割り付けられる。デジタル表示部26aには、このオーダーナンバーが、表示コントローラからの制御によって表示される。
【0032】
各作業ゾーンZの境界に設けられているRFIDリーダ(図1の上流ゾーンRFIDリーダ41,自ゾーンRFIDリーダ42)は、集品容器10の投入表示器26に内蔵された集品容器RFID10aから、集品容器10に割り付けられたオーダーナンバー及び投入表示器26の投入表示器ナンバーを読み取る。
ここで、図6に示すように、自ゾーンRFIDリーダ42は分岐装置Bx及び低頻度品ゾーンコントローラ60に接続されている。
【0033】
なお、図1には図示しないが、低頻度品ゾーンZ2には、無線表示器85と低頻度品ゾーンコントローラ60間でデータの送受信を行う第1無線装置71(図6)と、投入表示器26と低頻度品ゾーンコントローラ60間でデータの送受信を行う第2無線装置72(図6)とが設けられている。
【0034】
また、本実施形態の仕分け設備において、低頻度品ゾーンZ2における作業を管理するための低頻度品ゾーンコントローラ60(図6)は、コンピュータで構成され、図6に示すように、テープスイッチ19と、自ゾーンRFIDリーダ42と、第1無線装置71と、第2無線装置72と、分岐装置Bxとが接続されている。
そして、低頻度品ゾーンコントローラ60は、
保管棚17からの物品11の取り出しを制御する取出制御部61と、
無線表示器85の表示を制御する表示制御部63と、
予め入力されたピッキングデータを記憶する第1メモリ66と、
予め入力された保管棚データを記憶する第2メモリ67と、
オーダーナンバーと各無線表示器85固有の表示器ナンバーとの対応関係、及び後述の仮置きフラグからなる仮置きデータを記憶する第3メモリ68と、
低頻度品ゾーンZ2に搬送されてきた集品容器10に割り当てられたオーダーナンバー及び各投入表示器26固有の投入表示器ナンバーが自ゾーンRFIDリーダ42により読み取られると、このオーダーナンバーと投入表示器ナンバーとの対応関係を記憶する第4メモリ69と、
を有している。
ここで、ピッキングデータとは、低頻度品ゾーンZ2において集品容器10へ投入すべき物品11に関するデータであり、これは、各ユーザーから注文されたオーダーのデータ(例えば、先述のオーダーナンバーと、ユーザーナンバー等の各ユーザーを特定するデータと、物品11に付された物品ID等の物品11を特定するデータと、要求数量のデータなど)から予め割り出されている。本実施形態においては、ピッキングデータは、低頻度品ゾーンZ2へ移送される集品容器10に割り付けられているオーダーナンバー(低頻度品を要求している仕分け先の物品要求情報)と、そのオーダーナンバーに対応した(保管棚17に保管されている)物品11の物品ID及び数量からなるデータである。このピッキングデータは、低頻度品ゾーンコントローラ60よりも上位のコンピュータ(図示せず)で予め作成された上で、低頻度品ゾーンコントローラ60へと入力される。なお、この上位のコンピュータとは、各ユーザーのオーダー(注文)に関するデータが入力されるものである。
また、保管棚データとは、保管棚17に保管されている物品11に関するデータであり、保管棚17の各保管部のアドレスと、その保管部に保管されている物品11を特定する情報(物品IDなど)とが対応付けられているデータである。
【0035】
次に、低頻度品ゾーンコントローラ60内の各部位について説明する。
[取出制御部61について]
取出制御部61は、図6に示すように、第1メモリ66と、第2メモリ67と、第3メモリ68と、第1無線装置71とに接続され、次の機能を有している。
<取出データ作成機能>:無線表示器85から第1無線装置71を介して取出データを要求する信号及び表示器ナンバーが送信されてくると、第1メモリ66に記憶されたピッキングデータに含まれているオーダーナンバーを一つ選択し、そのオーダーナンバーに対応した物品11の物品IDを求め、求めた物品IDについて第2メモリ内の保管棚データを検索して、その物品IDの物品11が保管された保管部のアドレスを求め、選択したオーダーナンバーと、求めた保管部アドレス(保管位置情報)と、物品11の物品ID及び要求数量を含む取出データを作成する機能。なお、一つの取出データには、一つのオーダーナンバーに対応して、複数の保管部アドレスや物品IDが含まれることもある(一人のユーザーが複数種類の物品11を要求している場合など)。
また、第1メモリ66に記憶されているピッキングデータが存在しない場合(全てのオーダーナンバーに関する先行ピッキングが完了している場合)には、作業が終了したことを示す作業終了情報を取出データとして作成する。
<取出データ出力機能>:取出データ作成機能で作成した取出データを、取出データを要求する信号を送信してきた無線表示器85へ、第1無線装置71を介して送信(出力)する機能。なお、この出力により、無線表示器85はピッキング状態となり、そのデジタル表示部85aには取出データに含まれる保管部アドレス(オーダーナンバーに応じた物品11が保管されている位置の情報)及び要求数量が表示されることになる。取出データが作業終了情報であった場合には、作業終了を示す表示(例えば”AllEnd”)が行われる。
<仮置きデータ作成機能>:取出データ作成機能で選択したオーダーナンバーと、取出データを要求する信号を送信してきた無線表示器85の表示器ナンバーと、先行ピッキングが終了しているか否かを表す2値(ここでは”YES”または”NO”)をとる仮置きフラグとを組にした仮置きデータを作成し、仮置きフラグを”NO”にセットして第3メモリ68に記憶させる機能。
<仮置きフラグ更新機能>:無線表示器85から第1無線装置71を介して取出確認データが送信されてくると、取出確認データに含まれる表示器ナンバーについて第3メモリ68内の仮置きデータを検索し、その表示器ナンバーに対応する仮置きフラグを”YES”に更新する機能。
【0036】
[表示制御部63について]
表示制御部63は、図6に示すように、テープスイッチ19と、第1無線装置71と、第2無線装置72と、第1メモリ66と、第3メモリ68と、第4メモリ69とに接続されている。
なお、取出制御部61に接続された第1無線装置71と表示制御部63に接続された第1無線装置71とは同じものであるが、取出制御部61との信号の送受信に基づいて行う動作と、表示制御部63との信号の送受信に基づいて行う動作とが異なっているため、図6においては第1無線装置71(及びこれと無線通信する無線表示器85)を、図中の左側と右側に分けて示し、左側では取出制御部61との信号の送受信に基づいて行う動作を示し、右側では表示制御部63との信号の送受信に基づいて行う動作を示している。
そして、表示制御部63は、次の機能を有している。
<無線表示器85特定機能>:自ゾーンRFIDリーダ42によって読み取られ、第4メモリ69に記憶された、低頻度品ゾーンZ2に搬送されてきた集品容器10(の投入表示器26内の集品容器RFID10a)に割り付けられたオーダーナンバー及び投入表示器ナンバーを、第4メモリ69から読み取り、そのオーダーナンバーについて第3メモリ68内の仮置きデータのうち仮置きフラグが”YES”となっているものを検索し、自ゾーンRFIDリーダ42によって読み取られたーダーナンバーに対応した表示器ナンバー(を有する無線表示器85)を特定する機能。
<仮置き表示データ及び投入表示データ形成・出力機能>:自ゾーンRFIDリーダ42によって読み取られたオーダーナンバーに対応した表示器ナンバーが特定できた場合に、そのオーダーナンバーと、特定した表示器ナンバーと、ランプ色指定情報(例えば赤)とを含む仮置き表示データを形成し、この仮置き表示データを、第1無線装置71を介して無線表示器85に送信(出力)する機能。また、仮置き表示データに含まれるものと同じオーダーナンバーと、このオーダーナンバーに対応する第4メモリ69から読み取った投入表示器ナンバーと、仮置き表示データに含まれるものと同じランプ色指定情報と、からなる投入表示データを形成し、この投入表示データを、第2無線装置72を介して投入表示器26に送信(出力)する機能。なお、この出力により、仮置き表示データに含まれる表示器ナンバーを有する無線表示器85のデジタル表示部85aにオーダーナンバーが表示されるとともに無線表示器ボタン85bのランプが赤色に点灯し、投入表示データに含まれる投入表示器ナンバーを有する投入表示器26の第1投入表示ランプ26bも赤色に点灯する。
ここで、受信したオーダーナンバーに対応した表示器ナンバーが特定できなかった場合(仮置きデータ内に受信したオーダーナンバーが存在しなかった場合)には何も出力せず、表示器ナンバーが特定できても仮置きフラグが”NO”だった場合には、先行ピッキングが未完了であることを示す情報(例えば”NotYet”と表示させる指令情報)を出力する。
<表示解除機能>:テープスイッチ19が押下(操作)されると、送信している仮置き表示データ及び投入表示データを、表示解除指令を含むデータに変更し、第3メモリ68内の仮置きデータのうち、送信している仮置き表示データに含まれる表示器ナンバーと対になっているオーダーナンバーに関するデータを消去するとともに、そのオーダーナンバーに対応する第1メモリ66内のピッキングデータ及び第4メモリ69内の投入表示器ナンバーに関するデータも消去する機能。
なお、表示解除指令を受け取った投入表示器26は第1投入表示ランプ26bを消灯(表示を解除)し、無線表示器85はデジタル表示部85a及び無線表示器ボタン85bのランプを消灯(表示を解除)する。
【0037】
以上が本実施形態における作業ゾーンZに関連する各種機器の構成である。
次に、各作業者の作業や仕分け設備の動作について説明する。なお、高頻度品ゾーンZ1においては、上流ゾーンRFIDリーダ41により読み取られたオーダーナンバーに基づいたピッキング作業が行われるが、この高頻度品ゾーンZ1でのピッキング作業については説明を省略し、以下においては、主に低頻度品ゾーンZ2について説明する。
【0038】
[先行ピッキングについて]
先行ピッキング作業担当の作業者Hは、作業開始時に、ピッキング容器置き場91から、待機状態の無線表示器85が取り付けられているピッキング容器81を取り出し、無線表示器ボタン85bを操作する。
無線表示器85は、無線表示器ボタン85bが操作されると、使用開始と判断し、前述の取出データ受信機能により、第1無線装置71を介して低頻度品ゾーンコントローラ60(の取出制御部61)に取出データを要求する信号及び自身の表示器ナンバーを送信する。このとき、デジタル表示部85aに取出データ受信待ち状態を表す表示(例えば”Start”)を行う。
取出データを要求する信号を受け取った低頻度品ゾーンコントローラ60の取出制御部61は、前述の取出データ作成機能により、第1メモリ66のピッキングデータ及び第2メモリ67の保管棚データから、オーダーナンバーやオーダーナンバーに応じた物品11が保管されている保管部アドレス等の情報を含む取出データを作成する。そして、作成した取出データを、前述の取出データ出力機能により、無線表示器85から受信した表示器ナンバーを付して、第1無線装置71を介して送信するとともに、前述の仮置きデータ作成機能により、今回使用したオーダーナンバーと表示器ナンバーの対応関係及び”NO”にセットした仮置きフラグを第3メモリ68に仮置きデータとして記録する。
第1無線装置71を介して取出データを受信した無線表示器85は、取出データに付されている表示器ナンバーを確認することで自身へ送信されてきたデータかどうかを確認し、自身へ送信されてきたデータであると確認すると、受信した取出データを記憶し、ピッキング状態となる。
ピッキング状態の無線表示器85は、前述のピッキング表示機能により、記憶した取出データに含まれる最初の保管部のアドレス(オーダーナンバーに応じた物品11が保管された保管部のアドレス)及び要求数量をデジタル表示部85aに表示する。
先行ピッキング作業担当の作業者Hは、このデジタル表示部85aの表示に従い、保管棚17における、表示されたアドレスの保管部までピッキング容器81を持って移動する。保管部に到着すると、先行ピッキング作業担当の作業者Hは、保管部ラベル20の表示がデジタル表示部85aの表示と一致していることを確認して、その保管部に保管されている物品11を、デジタル表示部85aに表示された数量だけ取り出してピッキング容器81に収納し、無線表示器ボタン85bを操作する(図7に示す先行ピッキング工程S1)。
無線表示器85は、無線表示器ボタン85bが操作されると、取出データに含まれる最初のアドレスからの物品11のピッキングは終了したと判断し、次のアドレスと要求数量をデジタル表示部85aに表示する。取出データに含まれる全てのアドレスからのピッキングが終了した場合(次のアドレスがない場合)には、前述の仮置き表示待機機能により、自身の表示器ナンバーを含む取出確認データを低頻度品ゾーンコントローラ60へ送信するとともに、先行ピッキング終了を示す表示(例えば”End”)をデジタル表示部85aに表示する。
先行ピッキング作業担当の作業者Hは、”End”の表示を確認すると、物品11を収納したピッキング容器81を仮置きエリア80まで運ぶ。
なお、低頻度品ゾーンコントローラ60は、第1無線装置71を介して無線表示器85から取出確認データを受信すると、前述の仮置きフラグ更新機能により、取出確認データを送信してきた無線表示器85の表示器ナンバーに対応する仮置きフラグを”YES”に更新する。
また、無線表示器85の無線表示器ボタン85bが操作された段階において、全てのオーダーナンバーに関する先行ピッキングが完了している場合には、無線表示器85に取出データとして作業終了情報が送信され、作業終了情報を受信した無線表示器85は、デジタル表示部85aに作業終了を示す表示(例えば”AllEnd”)を一定時間行う。この表示により、先行ピッキング作業担当の作業者Hは、全ての先行ピッキング作業が完了したことを認識できる。
【0039】
[仮置き台90への仮置き容器83の載置(仮置き)について]
先行ピッキング担当の作業者Hは、図1に示す仮置きエリア80の仮置き台90まで到着すると、仮置き容器置き場93から仮置き容器83を仮置き台90に移して載置し、ピッキング容器81に収納した物品11をその仮置き容器83へ移し変える。そして、無線表示器85をピッキング容器81から取り外し、仮置き容器83に(投入作業担当の作業者Hから読み取れる向きに)付け替える(図7に示す仮置き工程S2)。
そして、先行ピッキング担当の作業者Hは、無線表示器85を取り外したピッキング容器81を未使用ピッキング容器置き場92に置いて、次の先行ピッキング作業を開始する。すなわち、無線表示器85が取り付けられているピッキング容器81をピッキング容器置き場91から持ち出し、無線表示器ボタン85bを操作して、再び保管棚17へ向かう。
なお、仮置き台90上に、物品11が取り出されて空になった仮置き容器83があった場合には、先行ピッキング担当の作業者Hは、空の仮置き容器83を仮置き台90から取り除き、仮置き台90上に空いたスペースへ他の仮置き容器83を摺動させて寄せる。そして、取り除いた仮置き容器83から無線表示器85を取り外し、仮置き容器83は仮置き容器置き場93に積み、無線表示器85は未使用ピッキング容器置き場92のピッキング容器81に取り付け、そのピッキング容器81をピッキング容器置き場91に移す。
また、仮置き台90上に仮置き容器83が多数載置されていてそれ以上載置できない場合(満量のとき)には、余剰の仮置き容器83を汎用スペース94へ一時的に置いておく。ピッキング容器置き場91、未使用ピッキング容器置き場92、仮置き容器置き場93が満量のときにも、余剰の各種容器を汎用スペース94へ置いておく。
【0040】
[主搬送部B1から分岐搬送部B2への分岐について]
低頻度品ゾーンZ2に集品容器10が搬送されてくると、図6に示すように分岐装置Bxに接続されている自ゾーンRFIDリーダ42によって、その集品容器10に割り付けられているオーダーナンバーが分岐装置Bxに送信される。
分岐装置Bxは、送信されてきたオーダーナンバーについて、低頻度品ゾーンコントローラ60の第1メモリ66内のピッキングデータを検索し、そのオーダーナンバーに対応するピッキングデータ(低頻度品ゾーンZ2において集品容器10投入すべき物品11のデータ)が存在するかどうかを調べる。
オーダーナンバーに対応するピッキングデータが存在した場合には、搬送されてきた集品容器10を、分岐地点Baにおいて、押し出しアーム(図示せず)で分岐搬送部B2に向けて押し出すなどの方法で、主搬送部B1から分岐搬送部B2へ移送させる。オーダーナンバーに対応するピッキングデータが存在しなかった場合には、押し出しを行わず、搬送されてきた集品容器10をそのまま主搬送部B1における分岐地点Baより下流へと搬送させる(図7に示す分岐工程S3)。
【0041】
[低頻度品ゾーンZ2における集品容器10への物品11の投入作業について]
低頻度品ゾーンZ2に集品容器10が搬送されてきた際、低頻度品ゾーンコントローラ60の第4メモリ69に対しては、自ゾーンRFIDリーダ42によって、集品容器10に割り付けられたオーダーナンバー及び投入表示器26の投入表示器ナンバーが送信される。第4メモリ69は、送信されてきたオーダーナンバーと投入表示器ナンバーとを対にして記憶する。
低頻度品ゾーンコントローラ60の表示制御部63は、先述の無線表示器85特定機能により、第4メモリ69に記憶されたオーダーナンバーについて、第3メモリ68内の仮置きデータのうち仮置きフラグが”YES”となっているものを検索し、自ゾーンRFIDリーダ42によって読み取られたオーダーナンバーに対応した表示器ナンバーを特定する。
オーダーナンバーに対応する表示器ナンバーが存在した場合には、先述の仮置き表示データ及び投入表示データ形成・出力機能により、仮置き表示データと投入表示データがそれぞれ第1無線装置71と第2無線装置72を介して出力される。
仮置き表示データを受信した無線表示器85は、仮置き表示データに含まれる表示器ナンバーを確認することで、自身へ送信されてきたデータかどうかを確認し、確認すると無線表示器85は仮置き状態に遷移される(図7に示す状態遷移工程S4)。そして、先述の仮置き表示機能により、仮置き表示データに含まれるオーダーナンバーをデジタル表示部85aに表示し、無線表示器ボタン85bのランプを仮置き表示データに含まれるランプ色指定情報で指定された色(ここでは赤色)に点灯する。
また、投入表示データを受信した投入表示器26は、投入表示データに含まれる投入表示器ナンバーを確認することで、自身へ送信されてきたデータかどうかを確認し、確認すると、第1投入表示ランプ26bまたは第2投入表示ランプ26cを投入表示データに含まれるランプ色指定情報で指定された色に点灯させる(ここでは第1投入表示ランプ26bを赤色に点灯させる)。
投入担当の作業者Hは、第1投入表示ランプ26bが赤色で点灯している投入表示器26に表示されているオーダーナンバーと、無線表示器ボタン85bが赤色で点灯している無線表示器85に表示されているオーダーナンバーとの一致を確認し、この無線表示器85が取り付けられている仮置き容器83から物品11を取り出して集品容器10へ投入する(図7に示す投入工程S5)。
そして、仮置き容器83内の物品11を集品容器10へ投入し終えると、テープスイッチ19を押下(操作)する。テープスイッチ19が操作されると、低頻度品ゾーンコントローラ60(の表示制御部63)へテープスイッチ19の操作信号が送信される。
低頻度品ゾーンコントローラ60(の表示制御部63)は、テープスイッチ19の操作信号を受信すると、投入作業が終了したと判断し、先述の表示解除機能により、送信している仮置き表示データ及び投入表示データを、表示解除指令を含むデータに変更することで、投入表示器26の第1投入表示ランプ26bまたは第2投入表示ランプ26cを消灯(表示を解除)させ、無線表示器85のデジタル表示部85a及び無線表示器ボタン85bのランプも消灯(表示を解除)させる。さらに、第3メモリ68内の仮置きデータのうち、送信している仮置き表示データに含まれる表示器ナンバーと対になっているオーダーナンバーに関するデータを消去するとともに、そのオーダーナンバーに対応する第1メモリ66内のピッキングデータ及び第4メモリ69内の投入表示器ナンバーに関するデータも消去する。
なお、表示解除指令を受け取って表示を解除した無線表示器85は待機状態となり、再び無線表示器ボタン85bが操作されるまで先述の待機機能によって待機する。
投入担当の作業者Hは、第1投入表示ランプ26bまたは第2投入表示ランプ26cが消灯した投入表示器26が取り付けられている集品容器10を主搬送部B1へ戻す。また、表示が解除された無線表示器85を仮置き容器83から取り外し、その仮置き容器83を仮置き容器置き場93へ戻し、取り外した無線表示器85を未使用ピッキング容器置き場92のピッキング容器81に取り付けて、そのピッキング容器81をピッキング容器置き場91に移す。そして、投入担当の作業者Hは、次の投入作業に移る。
なお、投入作業が忙しい場合には、この無線表示器85の付け替えは行わず、空になった仮置き容器83を仮置き台90上に放置する。その場合には前述の通り先行ピッキング担当の作業者Hが無線表示器85の付け替えを行う。
以上のような、各オーダーナンバーに対する(各集品容器10向けの)投入作業が、オーダーナンバーが第4メモリ69に記憶された順に実行される。
【0042】
以上のように本実施の形態によれば、先行ピッキング作業担当の作業者Hと投入作業担当の作業者Hとが分かれているので、分岐搬送部B2へと集品容器10が搬送されてくる都度に投入作業担当の作業者Hが保管棚17まで行く必要がなく、さらに、先行ピッキング作業は、ピッキングデータが低頻度品ゾーンコントローラ60(の第1メモリ66)に入力された時点で開始することができるので、集品容器10が分岐地点Baに到達するよりも以前に実行することができる。これにより、分岐搬送部B2において集品容器10に投入すべき物品11は、早い段階で仮置き容器83に収納されて仮置きエリア80内に仮置きされる。また、投入担当の作業者Hは、どの仮置き容器83に収納された物品11をどの集品容器10に投入すべきかを、投入表示器26の第1投入表示ランプ26b(または第2投入表示ランプ26c)と仮置き状態の無線表示器85の無線表示器ボタン85bのランプの点灯、及び投入表示器26のデジタル表示部26aと無線表示器85のデジタル表示部85aに表示されたオーダーナンバーによって混乱なく把握できる。従って、先行ピッキング担当の作業者Hは、投入担当の作業者Hの作業進捗状況を気にすることなく、先行ピッキングを連続的に行うことができて、作業効率が高まる。
また、本実施の形態によれば、集品容器10が分岐地点Baに到着するまでの時間に関係なく先行ピッキング作業を連続して行えるので、到着時間のばらつきによる待ち時間が発生せず、作業効率が高まる。
また、本実施の形態によれば、先行ピッキング担当の作業者Hは、ピッキング容器81に取り付けられた無線表示器85の表示に従って先行ピッキングを行うことができるので、取り回しに気を使うハンディターミナルを携行する必要がない。また、保管棚17には保管部アドレスを示す保管部ラベル20を取り付けておくだけでよく、デジタル表示器やボタンなどといった電子回路による複雑な機構を保管棚17に設ける必要がない。
また、本実施の形態によれば、仮置き台90が複数の仮置き容器83を載置することができるフリーローラで構成されているため、先行ピッキング担当の作業者Hは、仮置きエリア80において、どの仮置き容器83を仮置き台90上のどの位置に載置するべきか考える必要がなく、仮置きの作業効率が高まる。また、仮置き台90上に載置した仮置き容器83が増えてきた際には、仮置き容器83同士の間隔(スペース)を詰めることでさらに仮置き容器83を載置することが可能となり、仮置き台90が満量になりにくい。また、満量となった場合でも、汎用スペース94に仮置き容器83を置けばよく、仮置き台90が満量になることで先行ピッキング作業の進捗が滞るということがない。
また、本実施の形態によれば、仮置き台90がフリーローラであるので、物品11を取り出して空となった仮置き容器83を仮置き台90から取り除いた際に、仮置き台90上に空いたスペースへ、他の仮置き容器83(まだ物品11が入っていて重い)を、持ち上げることなく摺動させて寄せることができるので、仮置き台90上のスペースを詰めることが容易である。
【0043】
なお、本実施の形態においては、先行ピッキング容器としてのピッキング容器81と仮置き容器83とを別々の容器とし、仮置きエリア80で物品11の移し替えと無線表示器85の付け替えを行っているが、ピッキング容器81と仮置き容器83を同じ先行ピッキング容器で兼用できるようにし、例えばピッキング容器81を仮置き台90に載置することでそのまま仮置き容器83として使用できるようにしてもよい。この場合には、物品11の移し替えと無線表示器85の付け替えが必要ないので、作業効率が高くなる。また、無線表示器85を取り外した容器を保管しておくスペース(未使用ピッキング容器置き場91や仮置き容器置き場93)が必要ないので、設備の空間的な利用効率も高くなる。
【0044】
また、本実施の形態においては、仮置き台90として単段のフリーローラを用いているが、これの代わりに複数段の棚部を有する仮置き棚を仮置きエリア80に設けてもよい。この場合には、仮置き容器83をより多量に仮置きエリア80へ配置でき、仮置きエリア80が満量になってしまうおそれがより低減される。
【0045】
また、本実施の形態においては、先行ピッキング担当の作業者Hは保管棚17へ赴く際にピッキング容器81を一つだけ持って行って先行ピッキングを行っているが、複数のピッキング容器81を台車に積むなどして一度に持ってゆき、台車に積んだ各ピッキング容器81の無線表示器85のそれぞれの表示に従って、複数のピッキング容器81への先行ピッキングを一度に行うようにしてもよい。この場合には、複数のオーダーナンバーに対応する先行ピッキング(すなわち、複数の集品容器10向けの先行ピッキング)が並行して行われることになり、仮置きエリア80と保管棚17との往復頻度がさらに抑えられ、より作業効率が高まる。
【0046】
また、本実施の形態においては、仮置き表示データを送信することで無線表示器85を仮置き状態へ切り替えているが、ピッキング容器81と仮置き容器83に、無線表示器85との接続端子を設けておき、どちらの容器の接続端子に接続されるかによって無線表示器85の状態が切り替わるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、ピッキング容器81をコンテナで構成しているが、これは物品11を収納できる容器であればよく、例えば取っ手が付いていて持ち運びしやすい買い物カゴでもよい。
【0047】
また本実施の形態では、投入表示器26は、投入担当の作業者Hが認識し易いように、無線表示器85の表示と一致した表示を行っているが、無線表示器85の表示と対応していることを作業者Hが認識できるのであれば、無線表示器85の表示と異なった表示でもよい。
また本実施の形態では、搬送手段をコンベヤ18としているが、物品を搬送できる手段であればよく、例えばフリーローラや台車でもよい。
また本実施の形態では、集品容器RFID10aを投入表示器26に内蔵しているが、これは、集品容器10のそれぞれに対応して設けられていればよく、投入表示器26の内部ではなく外部に離して設けてもよい。
また本実施の形態では、低頻度品ゾーンZ2を一つのみ示しているが、同様の分岐搬送部B2や仮置きエリア80が備えられた低頻度品ゾーンZ2を二つ以上設けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 集品容器
11 物品
17 保管棚
60 低頻度品ゾーンコントローラ
80 仮置きエリア
81 ピッキング容器
82 仮置き容器
85 無線表示器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7