(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に設けられた透光部材を開放するべく開方向に移動して巻き取られる巻取状態と、該透光部材を遮るべく閉方向に移動して展開される展開状態とをとり得る遮光シートと、
前記遮光シートの移動方向に延在し、該移動方向に対して直交する幅方向における前記遮光シートの両側端部を前記移動方向に案内するよう設けられたガイド部が互いに対向するように前記車両に配設された一対のガイドレールと、
前記移動方向に延在し且つ前記ガイド部に対して該移動方向に摺動自在に支持されるとともに、前記遮光シートの前記両側端部にそれぞれ連結された一対の板状の案内帯と、
前記車両に設けられ、前記遮光シートを巻き取る側に常時付勢して、前記遮光シートを巻き取る巻取ローラとを備えた車両用ロールシェード装置であって、
前記案内帯は、幅方向に湾曲して一方の面が凸面となる曲面形状をなすとともに、幅方向断面における該凸面の中央部位が前記遮光シートの側端部に連結され、
前記展開状態において、前記案内帯は前記ガイド部内で前記断面曲面形状を呈し、
前記巻取状態において、前記案内帯は前記付勢力により、前記遮光シートに対して扁平形状に変形されて前記遮光シートとともに前記巻取ローラに巻き取られ、
前記ガイド部は、前記案内帯に向けて前記案内帯の曲面形状に沿って凸設され、且つ前記案内帯を前記ガイド部内においてガイドするガイド面を備える凸部を有することを特徴とする車両用ロールシェード装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面に従って詳細に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
<電動ロールシェード装置の構成の概要>
図1は、車両1のルーフ10を示す斜視図である。同図に示されるように、ルーフ10には、略四角形のルーフ開口部10aが形成されるとともに、ルーフ開口部10aに透光エリアを形成するガラス製又は樹脂製のルーフパネル11(透光部材)が設置されている。
図2に示されるように、ルーフ10におけるルーフパネル11の下方には電動ロールシェード装置100(車両用ロールシェード装置)が設置される。
【0015】
図2は、電動ロールシェード装置100を示す斜視図である。同図に示されるように、ルーフ10には、ルーフ開口部10aの車両幅方向(移動方向に対して直交する幅方向)の両側縁部において、車両前後方向(移動方向)に延在するとともに互いに対向するように一対のガイドレール12,13が設置される。また、ルーフ10には、車両幅方向に延在して、両ガイドレール12,13の前端部間、中間部間、後端部間を橋渡しするフロントフレーム14、センターフレーム15及び樹脂ハウジング16が設置されている。
【0016】
また、樹脂ハウジング16の長手方向中央部には、アクチュエータ20が取着されている。このアクチュエータ20は、電動モータ(図示略)備えるとともに該電動モータの回転軸に駆動連結される駆動ギヤ21を有する。そして、駆動ギヤ21には、その回転に伴い一方の端末が巻き取られるとともに他方の端末が繰り出される一対のラックベルト22,23(
図3参照)が噛合されている。この一対のラックベルト22,23は、駆動ギヤ21から樹脂ハウジング16に沿ってガイドレール12,13側にそれぞれ延びてガイドレール12,13に各別に案内されている。
【0017】
センターフレーム15の前端部及び後端部には、車両幅方向に延びる巻取軸を有して車両幅方向に延在する巻取ローラ31,32の両端部が各別に支持されている。この巻取ローラ31には、巻き取り・繰り出し可能な遮光シート33(
図3〜5参照)が巻回されており、内蔵する付勢手段により該遮光シート33を巻き取る側に常時付勢している。つまり、遮光シート33の固定端となる端部は、巻取ローラ31に連結されている。
【0018】
巻取ローラ32と遮光シート34との関係も巻取ローラ31と遮光シート33との関係と同様であるため説明を省略する。また、遮光シート33,34は可視光等を完全に遮断するものに限らず、遮光率等を変更させたものであってもよい。
【0019】
遮光シート33,34の側縁部33a,34aには、それぞれ一対の可撓ベルト40(案内帯)が各別に取り付けられている(
図3及び
図6参照)。可撓ベルト40は、可撓性を有する材料(例えば樹脂材)を用いて帯状に形成されている。可撓ベルト40は、車両前後方向に延在し、ガイドレール12,13に案内される。この可撓ベルト40は遮光シート33,34と同様に巻取ローラ31,32に巻き取られる。
【0020】
遮光シート33,34の自由端となる端部には、巻取ローラ31,32の幅方向の長さと同等の長さを有して巻取ローラ31,32と平行に車両幅方向(遮光シート32の幅方向)に延在するガーニッシュ35,36が格別に連結されている(
図2〜4参照)。
【0021】
ガーニッシュ35,36の長手方向両端部には、ガイドレール12,13にそれぞれ案内される車幅方向に対向配置される一対のランナー50(
図6参照)が各別に装着されるとともに、これらランナー50にラックベルト22,23が連結される。そして、ラックベルト22,23の移動に伴い、ガーニッシュ35,36は一体で巻取ローラ31,32との平行状態を保ったまま車両前後方向に移動する。
【0022】
図3は、ガーニッシュを駆動するラックベルトの模式的な構成図を示す。同図に示されるように、ラックベルト22は、駆動ギヤ21に車両後方から噛合され、ガーニッシュ36の両端(ランナー50)にそれぞれ固定されている。同様に、ラックベルト23は、駆動ギヤ21に車両前方から噛合され、ガーニッシュ35の両端(ランナー50)にそれぞれ固定されている。このように、ラックベルト22,23はアクチュエータ20により、互いに反対方向に摺動移動するよう駆動される。CC方向(
図3示反時計回り方向)に駆動ギヤ21が回転した場合、ラックベルト22の駆動ギヤ21との噛合部付近は右方向に、ラックベルト23の駆動ギヤ21との噛合部付近は左方向に移動する。これにより、ガーニッシュ35及び遮光シート33を車両前方(閉方向)へ、ガーニッシュ36及び遮光シート34を車両後方(閉方向)へ同時に移動することができる。また、CC方向とは異なる方向(
図3示時計回り方向)に駆動ギヤ21が回転した場合、ガーニッシュ33を車両後方(開方向)へ、ガーニッシュ36を車両前方(開方向)へ同時に移動することができる。
【0023】
図4,5は、電動ロールシェード装置100の概略断面図を示す。
【0024】
特に、
図4は遮光シート33,34の巻取状態を示す。同図に示すように、多くの光を取り入れる場合は、遮光シート33,34を巻取ローラ31,32で巻き取ることにより、ガイドレール12,13,フロントフレーム14及びセンターフレーム15により形成される前方開口部101(
図2参照)と、ガイドレール12,13,センターフレーム15及び樹脂ハウジング16により形成される後方開口部102(
図2参照)とを開口する。
【0025】
特に、
図5は遮光シート33,34の展開状態を示す。同図に示すように、逆に光を遮蔽する場合は、遮光シート33,34を巻取ローラ31,32から繰り出して展開することで、前方開口部101及び後方開口部102を遮蔽する。ガーニッシュ35,36を任意の位置で停止すれば、適切な採光量に調整することができる。
【0026】
<電動ロールシェード装置の詳細構成>
図6は、
図2におけるA−A断面図、すなわちガーニッシュ35、遮光シート33、ガイドレール12等の断面図を示す。ここで、ガーニッシュ36、遮光シート34及びガイドレール12等の断面も
図6と略同様である。また、ガイドレール13はガイドレール12に対して略左右対称構造であるため、他の断面の詳細な説明は省略する。
【0027】
ガイドレール12は、例えばアルミニウム製の押出材から構成されている。
図6に示すように、ガイドレール12は車両外側に位置し、車両内側方向に開口するラックガイド部12aを有している。該ラックガイド部12aは、車両前後方向に延在し、ラックベルト23を摺動自在に収納する。また、ガイドレール12は、ラックガイド部12aの車両内側に位置するランナーガイド部12bを有する。ランナーガイド部12bは、車両前後方向に延在し、ランナー50を摺動自在にガイドする。また、ガイドレール12は、ランナーガイド部12bの車両内側に位置するベルトガイド部12c(ガイド部)を有する。ベルトガイド部12cは、車両前後方向に延在し、可撓ベルト40を摺動
自在に収納する。
【0028】
このように、一対のガイドレール12,13は、遮光シート33の移動方向に延在し、該移動方向に対して直交する幅方向における遮光シート33の両側端部33a(可撓ベルト40)を該移動方向に案内するよう設けられたベルトガイド部12cが互いに対向するように車両1に配設されている。
【0029】
<ガイドレールの詳細構造>
図6に示すように、ガイドレール12は、車両前後方向に延在する底壁部121を有する。底壁部121から車両上方に向けて第1縦壁部122が延在する。第1縦壁部122の上端からは車両内側方向に向けて第1上壁部123が延在する。第1上壁部123の中間部位からは車両下方に向けて突出する第1舌状部124を有する。また、第1舌状部124に対向する様態で、底壁部121から車両上方に向けて突出する第2舌状部125を有する。
【0030】
上述した底壁部121、第1縦壁部122、第1上壁部123、第1舌状部124及び第2舌状部125により、前述したラックガイド部12aが構成される。
【0031】
ガイドレール12は、第1上壁部123の車両内側端よりも車両内側において、底壁部121から車両上方に延出する第2縦壁部126(外側壁部)を有する。第2縦壁部126の上端からは車両内側方向に向けて第2上壁部127(被覆壁)が延出する。また、ガイドレール12は、第2上壁部127の車両内側端よりも車両内側において、底壁部121から車両上方に延出する第3縦壁部128(内側壁部)を有する。第3縦壁部
128の上端から車両外側に向けて第3上壁部129(係止部)が延出する。
【0032】
上述した底壁部121、第2縦壁部126、第2上壁部127、第3縦壁部128及び第3上壁部129により、ベルトガイド部12cが構成される。すなわち、ベルトガイド部12cは、底壁部121と、底壁部121から立設された第3縦壁部128と、第3縦壁部128よりも外側に第3縦壁部128と同方向に立設された第2縦壁部126と、第2縦壁部126の立設端から車両内側方向に向けて延出する第2上壁部127とにより構成されている。そして、ベルトガイド部12cには、これら底壁部121、第2縦壁部126、第2上壁部127、第3縦壁部128及び第3上壁部129によって包囲された収容空間Cが構成されている。
【0033】
なお、上述した底壁部121、第1上壁部123、第1舌状部124、第2舌状部125及び第2縦壁部126により、前述したランナーガイド部12bが構成される。
【0034】
ここで、ランナー50は車幅方向に延在するとともにガーニッシュ35に連結される基部51と、基部の車両外側端から下方に屈曲し、その下方端から車両外側に屈曲した屈曲部52とを有する。この屈曲部52がランナーガイド部12bによりガイドされることで、ガーニッシュ35はガイドレール12に移動可能に支持される。また、この基部51の下方にベルトガイド部12cが位置する。
【0035】
<ベルトガイド部の詳細構造>
図7,8はベルトガイド部12cの拡大図を示す。
図7は所定量の張力が遮光シート33に付与された場合を示し、
図8は所定量以上の張力が遮光シート33に付与された場合を示す。同図に示すように、第3上壁部129には所定の曲率の曲面部位129aが形成されている。また、第2縦壁部126は、底壁部121に連結するとともに車両上方に延びる縦壁部位126aと、縦壁部位126aから第3上壁部129に近づく様態で車両内側に延びる延出部位126b(係止部)と、延出部位126bの車両内側端から車両上方に延びるとともに第2上壁部127に連結する縦壁部位126cとを有する。ここで、縦壁部位126cは、例えば車両外側に位置してもよい。
【0036】
延出部位126bは、曲面部位129aと同一曲率である曲面部位126b1を有する。ここで、縦壁部位126aと延出部位126bは、基部126Aを構成し、該基部126aは車両外側方向に凹設された凹部126A1を有すると換言することもできる。
【0037】
ここで、
図6,7に示すように、可撓ベルト40は、外力を加えない状態において、幅方向に湾曲して一方の面である外周面40a(凸面)が遮光シート33の面に直交する方向に向かう凸面となる曲面形状を呈しており、本実施形態において可撓ベルト40は幅方向断面で円弧形状を呈している。ここで、幅方向断面とは、移動方向に対して直交する平面で切断した断面を指す。この断面円弧形状の円弧は、曲面部位129a,126b1と略同一曲率に設定されている。
【0038】
そのため、遮光シート33が巻取ローラ31から繰り出された状態に対応する可撓ベルト40の部位は、ベルトガイド部12c内で断面円弧形状を呈している。そして、遮光シート33が巻取ローラ31に巻き取られた状態に対応する可撓ベルト40の部位は、巻取ロータ31の付勢力により遮光シート33に対して扁平形状に変形されて遮光シート33とともに巻取ローラ31に巻き取られることになる。本実施形態における扁平形状は、幅方向断面で展開された遮光シート33に対して平行な方形状を呈した形状である。すなわち、展開状態において、可撓ベルト40はベルトガイド部12cに収容されて断面円弧形状を呈し、巻取状態において、断面方形状を呈して遮光シート33と
ともに巻取ローラ31に巻き取られる。そして、可撓ベルト40の車幅方向の中央部位41に、車両上方から遮光シート33の側端部33aが連結される。すなわち、幅方向断面における凸面の中央部位41が遮光シート33の側端部33aに連結されている。詳説すると、可撓ベルト40は、その中央部位41且つ円弧形状の外周面40aで遮光シート33に縫製により連結されている。そして、遮光シート33の側端部33aは、車幅方向においては第3縦壁部128よりも車両外側に位置し、且つ車両上下方向においては第2上壁部127と第3上壁部129との間に位置することになる。ここで、中央部位41とは、可撓ベルト
40の車幅方向の中央付近を指し、必ずしも中心であるとは限らない。例えば、中央部位が中心よりも車両内側に寄っているとすると、遮光シート
33の表皮面積を少なくすることができる。
【0039】
可撓ベルト40の両側部42は、底壁部121に当接して摺動するように設定されることが好ましい。しかしながら、
図7に示すように、例えば遮光シート33をガイドレール12に組み付ける際に、所定量の張力が加えられた場合までは、可撓ベルト40は断面円弧形状から変形せずに、その両側部42が外周面40aで両曲面部位129a,126Bに対して面接触することでそれ以上の車両上方への移動が規制されるように構成される。この際、遮光シート33の側端部33aは、第2上壁部127と当接しないように設定されている。すなわち、一対の係止部である第3上壁部129及び延出部位126bは、可撓ベルト40の凸面が遮光シート33の面と対向した状態で、可撓ベルト40の両側部42をそれぞれ係止することになる。
【0040】
また、
図8に示すように、遮光シート33に対して、所定量以上の力が加わり可撓ベルト40の両側部42が近づくように断面円弧形状から変形した場合には、可撓ベルト40の中央部位41が遮光シート33を介して第2上壁部126に当接することで、可撓ベルト40がベルトガイド部12c(収容空間C)から抜け出ることを防止する構成となっている。ここで、
図8における2点鎖線は、
図7における可撓ベルト40を示す。
【0041】
また、底壁部121における第2縦壁部126と第3縦壁部128との間の中間部位から車両上方に凸設される凸部121aを有する。この凸部121aは所定の曲率を有するガイド面121bを有している。このガイド面121bは、可撓ベルト40が断面方形状から断面円弧形状に変形することを補助するためのものである。
【0042】
<巻取ローラの詳細構造>
図9に巻取ローラ31の断面図を示す。巻取ローラ31の回動中心Oは遮光シート33の展開面よりも下方に位置する。それゆえ、
図9示時計回り方向に遮光シート33は巻き取られる。
【0043】
これにより、遮光シート33は巻取ローラ31に巻き取られる際に、その上面33aは車両前後方向に微少量の伸びが生じるため、その下面33b側には車両前後方向に微少量の縮みが生じる。そのため、上面33aは車幅方向に微少量の縮みが生じ、下面33b側には車幅方向に微少量の伸びが生じる。そして、断面円弧形状の可撓ベルト40が遮光シート33の下面33b側に取り付けられているため、遮光シート33が巻取ローラ31に巻き取られる際に、可撓ベルト40の断面円弧形状から断面方形状への変形を補助する力が働く。
【0044】
また、巻取ローラ31はルーフ10に取り付けられたインナトリム60により車内側から見えないように隠されている。また、センターフレーム15は、遮光シート33が巻き取られる際に遮光シート33に当接してガイドするガイド部15aを有する。
【0045】
<本実施形態で得られる作用効果>
本実施形態によれば以下の作用効果を奏し得ることができる。
【0046】
(1)可撓ベルト40の中央部位41が遮光シート33の両側端部33aに連結され、可撓ベルト40の両側部42がベルトガイド部12cの係止部である第3上壁部129及び延出部位126bによってそれぞれ係止されるため、例えば遮光シート33から引張り応力が加わっても、その応力が第3上壁部129及び延出部位126bに著しく偏って加わりにくくなる。よって、可撓ベルト40とベルトガイド部12cとの摺接部位に著しい偏荷重が加わることが抑制される。しかも、遮光シート33は可撓ベルト40の中央部位41に連結されているため、遮光シート33が第3上壁部129及び延出部位126bに接触することが防止されるとともに、上記偏荷重に起因した可撓ベルト40のガタツキも軽減されるため、遮光シート33がベルトガイド部12cや周辺部材に接触・干渉することも好適に抑止される。
【0047】
(2)遮光シート33の両側端部33aはベルトガイド部12cの第3上壁部129及び延出部位126b及び第2上壁部127により覆われた状態となる。このため、遮光シート33の両側端部33aが外部に露出したものと比較して美観が向上する。また、遮光シート33に直交方向の外力が生じた際に、可撓ベルト40の両側部42における第3上壁部129及び延出部位126bへの当接と、可撓ベルト40の中央部位41における遮光シート33を介する第2上壁部127への当接とを協働して、可撓ベルト40がベルトガイド部12cから抜け出すことを抑止できる。すなわち、遮光シート33及び可撓ベルト40がベルトガイド部12cから意図せずして外れてしまうことも抑止することができる。
【0048】
(3)上記構成によれば、熱等の外因により可撓ベルト40がベルトガイド部12c内において曲面形状から扁平形状に変形しようとしても、凸部121aが可撓ベルト40に当接することで、可撓ベルト40が扁平形状に変形することを抑制できる。
【0049】
(4)上記構成によれば、可撓ベルト40が第3上壁部129及び延出部位126bに対して面接触可能であるため、第3上壁部129及び延出部位126bに可撓ベルト40が当接した際に可撓ベルト40に生じる力を分散させることができ、可撓ベルト40の局所的な変形を好適に抑制できる。
【0050】
(5)可撓ベルト40は凸面である外周面40aが遮光シート33の面と対向した状態となるようにベルトガイド部12cに摺動自在に支持されるため、電動ロールシェード装置100自体が厚さ方向(遮光シート33の面と直交する方向、車両上下方向)に大きくなってしまうことが抑制される。このため、本実施形態のように電動ロールシェード装置100を車両1のルーフパネル11のシェード装置として適用した場合にヘッドクリアランスが狭くなってしまうことが抑制される。
【0051】
(6)上記構成によれば、可撓ベルト40が弾性体で構成され、遮光シート33が展開状態からに巻取状態移行する際に、可撓ベルト40が断面円弧形状から断面方形状に変形することで、巻取ローラ32に捲かれた遮光シート
33及び可撓ベルト
40の直径を小さくすることができる。それゆえ、電動ロールシェード装置100の薄型化が可能となる。
【0052】
(7)上記構成によれば、遮光シート33が巻取ローラ31に巻き取られる際に、可撓ベルト40の断面円弧形状から断面方形状への変形を補助する力を発生させることができるため、巻取ローラ31の付勢手段が発生させる力を小さくすることができる。
【0053】
(8)上記構成によれば、遮光シート33とベルトガイド部12cとを摺接させずに、遮光シート33を移動させることができる。そのため、遮光シート33と可撓ベルト40とを縫製により連結したとしても、この縫製が摺動により磨耗して破断してしまい、遮光シートと案内帯との連結が解除されてしまうおそれがなくなる。
【0054】
<本実施形態の変更例>
・上記実施形態では、電動ロールシェード装置100を車両1のルーフパネル11のシェード装置として適用したが、例えばフロントガラス、リアガラス及びサイドガラス等のシェード装置として適用してもよい。
【0055】
・上記実施形態では、駆動力がアクチュエータ20である電動ロールサンシェード装置100であったが、例えば乗員の操作力を駆動力とする手動のロールシェード装置に変更してもよい。
【0056】
・上記実施形態では、可撓ベルト40は幅方向断面で円弧形状を呈しているとしたが、幅方向に湾曲して一方の面が凸面となる曲面形状を呈していれば、可撓ベルト40は円弧形状に限定されず例えば一部に円弧形状を有しているものや楕円形状等であってもよい。
【0057】
・上記実施形態では、底壁部121に凸部121aを設けたが、必ずしも凸部121aは設ける必要はない。また、凸部121aは所定の曲率を有するガイド面121bを有するとしたが、ガイド面121bは円弧形状に限られることなく、例えば方形状の角部を面取りした形状等のように、ガイドするための形状であればよい。
【0058】
・上記実施形態では、可撓ベルト40の断面円弧形状の円弧は、曲面部位129a,126b1と略同一曲率に設定されているとしたが、必ずしも同一曲率でなくてもよい。可撓ベルト40と曲面部位129a,126b1とがある程度面接触するように、曲面部位129a,126b1を円弧形状から曲線形状に変更してもよい。また、曲面部位129a,126b1自体がなくてもよい。
【0059】
・上記実施形態では、ベルトガイド部12cが第2上壁部127を有する構成であったが、第2上壁部127をなくしてもよい。例えば、ベルトガイド部12cは底壁部121、第2縦壁部126、第3縦壁部128及び第3上壁部129から構成され、第2縦壁部126が縦壁部位126aと延出部位126bを有している構成であってもよい。
【0060】
・上記実施形態における扁平形状は、幅方向断面で展開された遮光シート33に対して平行な方形状を呈した形状としたが、扁平形状が断面方形状に限られるわけではなく、曲面形状から少しでも扁平になれば他の形状であってもよい。
【0061】
・上記実施形態では、可撓ベルト40は、外力を加えない状態において、曲面形状を呈しているとしたが、例えば外力を加えない状態において扁平状態を呈していてもよい。ただし、この場合はベルトガイド部12cが外力を加えて可撓ベルト
40を曲面形状に変形させる構造となる。
【0062】
・上記実施形態では、ベルトガイド部12cは、底壁部121と、底壁部121から立設された第3縦壁部128と、第3縦壁部128よりも外側に第3縦壁部128と同方向に立設された第2縦壁部126と、第2縦壁部126の立設端から車両内側方向に向けて延出する第2上壁部127とにより構成されているとしたが、以下の第2実施形態のように、第3
縦壁部128が設けられる位置を底壁部121から第2上壁部127に変更してもよい。
【0063】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態におけるベルトガイド部12cの拡大図を示す。同図に示すように、ベルトガイド部12cは、底壁部121と、底壁部121から立設された第2縦壁部126と、第2縦壁部126の立設端から内側に向けて延出する第2上壁部127と、第2上壁部127の内側端より底壁部121に向けて延出する第3縦壁部128と、第3縦壁部128の立設端から車両外側に延出する第3上壁部129(係止部)とにより構成されている。第2縦壁部126は、底壁部121に連結するとともに車両上方に延びる縦壁部位126aと、縦壁部位126aから第3上壁部129に近づく様態で車両内側に延びる延出部位126b(係止部)と、延出部位126bの車両外側端から車両上方に延びるとともに第2上壁部127に連結する縦壁部位126cとを有する。もちろん、ベルトガイド部12cの構成の変更に伴い、可撓ベルト40、巻取ローラ31及び遮光シート33の配置は、遮光シート33の展開面に対して上下反転する。