【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。
図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0022】
そして、プロジェクタ10は、
図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0023】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0024】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、
図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。さらに、図示しない下面パネルにおける正面、背面、左側及び右側パネルの近傍にも、吸気孔あるいは排気孔が複数形成されている。
【0025】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について
図2のブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成され、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0026】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0027】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束を導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0028】
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
【0029】
制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0030】
筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0031】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0032】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の励起光照射装置、赤色光源装置及び青色光源装置の発光を個別に制御する。
【0033】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0034】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。
図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、
図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0035】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、この蛍光発光装置100から射出される光線束と平行となるように正面パネル12の近傍に配置される青色光源装置300と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光、青色光源装置300からの射出光の光軸が夫々同一の光軸となるように変換して各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光する光源側光学系140と、を備える。
【0036】
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された励起光源71と、励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75と、反射ミラー群75で反射した励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78と、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81と、を備える。
【0037】
励起光源71は、複数の青色レーザーダイオードがマトリクス状に配列されてなり、各青色レーザーダイオードの光軸上には、各青色レーザーダイオードからの射出光を平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてなり、励起光源71から射出される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に射出する。
【0038】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
【0039】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、を備える。
【0040】
蛍光ホイール101は、
図4に示すように、円板状の金属基材であって、励起光源71からの射出光を励起光として緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する環状の蛍光発光領域が凹部として形成され、励起光を受けて蛍光発光する蛍光板として機能する。また、蛍光発光領域を含む蛍光ホイール101の励起光源71側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されることで光を反射する反射面が形成され、この反射面上に緑色蛍光体の層103が敷設されている。
【0041】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層103に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層103における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接励起光源71側へ、あるいは、蛍光ホイール101の反射面で反射した後に励起光源71側へ射出される。また、蛍光体の層103の蛍光体に吸収されることなく、金属基材に照射された励起光は、反射面により反射されて再び蛍光体層103に入射し、蛍光体層103を励起することとなる。よって、蛍光ホイール101の凹部の表面を反射面とすることにより、励起光源71から射出される励起光の利用効率を上げることができ、より明るく発光させることができる。
【0042】
なお、蛍光ホイール101の反射面で蛍光体層103側に反射された励起光において蛍光体に吸収されることなく励起光源71側に射出された励起光は、後述する第一ダイクロイックミラー141を透過し、蛍光光は第一ダイクロイックミラー141により反射されるため、励起光が外部に射出されることはない。そして、
図3に示したように、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。
【0043】
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。また、赤色光源121は、赤色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての赤色発光ダイオードである。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0044】
青色光源装置300は、蛍光発光装置100からの射出光の光軸と平行となるように配置された青色光源301と、青色光源301からの射出光を集光する集光レンズ群305と、を備える。そして、この青色光源装置300は、赤色光源装置120からの射出光と光軸が交差するように配置されている。また、青色光源301は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色発光ダイオードである。さらに、青色光源装置300は、青色光源301の正面パネル12側に配置されるヒートシンク310を備える。そして、ヒートシンク310と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって青色光源301が冷却される。
【0045】
そして、光源側光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせるダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0046】
また、青色光源装置300から射出される青色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色波長帯域光を透過し、緑色及び赤色波長帯域光を反射してこの緑色及び赤色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、第一ダイクロイックミラー141と第二ダイクロイックミラー148との間には、集光レンズが配置されている。
【0047】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、光源側光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0048】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する導光光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する導光光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175や、このライトトンネル175の入射面に光源光を集光する集光レンズ173、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0049】
画像生成ブロック165は、導光光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0050】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0051】
次にこのような構成とされた光源ユニット60における光源制御方法について述べる。上述したように、本実施例のプロジェクタ10では、赤色波長帯域光に関しては赤色光源121から、緑色波長帯域光に関しては励起光照射装置70からの射出光を励起光として発光する蛍光ホイール101から、青色波長帯域光に関しては青色光源301から夫々射出される構成とされている。
【0052】
そして、赤色光源121、励起光源71、青色光源301は、光源制御手段としての光源制御回路41により時分割制御されて、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、青色波長帯域光の順に表示素子51へ各波長帯域光を順次射出する構成とされている。また、各光源71,121,301は、光源制御回路41によりデューティ駆動されている。つまり、赤色光源121点灯、励起光源71点灯、青色光源点灯301の順で各光源71,121,301を点灯させ、所定の光源が点灯している場合は、他の光源が消灯した状態となる。
【0053】
よって、各光源71,121,301には、点灯していない時間ができるため、平均電流値を低く抑えることができ、点灯時に各光源71,121,301に高電圧を印加したとしても常時点灯の場合と比較して半導体発光素子が経年劣化する速度を抑え、長寿命化を図ることができる。また、各光源71,121,301に高電圧を印加できるため、各光源71,121,301の発光時における出力を高めて、高輝度な画像を投影可能となる。
【0054】
このような光源ユニット60においては、上述のように各光源71,121,301はそれぞれ時分割駆動されるため、励起光源71からの励起光を受けて発光する蛍光ホイール101に敷設された蛍光体の1フレームにおける励起光源71の点灯時間及び蛍光ホイール101の回転速度に基づく範囲に励起光が照射されることとなる。一方で蛍光体には、温度が所定温度以上、特に100℃を超えると発光効率が下がるという特性がある。よって、蛍光ホイール101の同じ位置に常時励起光源71からの射出光が照射されると、励起光が照射された部分に位置する蛍光体の温度が上昇し、発光効率が下がって蛍光光の光量が減り、投影画像における輝度の低下等の原因となる。
【0055】
さらには、蛍光ホイール101の同じ位置に常時励起光源71からの射出光が照射されると、励起光が照射された部分に位置する蛍光体が劣化しやすくなり、蛍光体が焼付いたり剥離してしまう恐れもある。
【0056】
本発明では、このような蛍光体の局所的な温度上昇を防止するために、蛍光ホイール101の回転周期(サイクル)が、各光源71,121,301の時分割周期(フレーム)の整数倍にならないよう蛍光ホイール101の回転及び赤色光源121、励起光源71、青色光源301の点灯を制御している。つまり、
図5に示すように、赤色光源121、励起光源71、青色光源301が夫々1回ずつ順に点灯した場合である各光源71,121,301の点灯周期1フレームに要する時間が、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間の整数倍にならないよう各光源71,121,301を時分割制御すると共にホイールモータ110を制御することで蛍光ホイール101の回転速度を制御している。
【0057】
このように各光源71,121,301を点灯制御及び蛍光ホイール101の回転速度を制御することにより、励起光源71から射出された光線束の蛍光ホイール101に照射される位置が、各光源71,121,301のフレーム数によって変わるため、蛍光ホイール101の所定の箇所に常に励起光が照射されて蛍光ホイール101が局所的に熱を帯びるといった現象が生じることを防止できる。
【0058】
また、蛍光ホイール101が局所的に熱くなることを防止できるため、蛍光体の発光効率を常に一定に保つことができ、長時間連続で使用した場合であっても投影画像に輝度ムラなどが生じることを防止できる。
【0059】
なお、上述した実施例においては、各光源71,121,301の1フレームに要する時間が、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間の整数倍とならないように各光源71,121,301及び蛍光ホイール101を制御するとしているが、これは、蛍光ホイール101の回転速度を常時一定とし、各光源71,121,301の点灯時間のみを制御する、あるいは、蛍光ホイール101の回転速度と各光源71,121,301の点灯時間とのいずれもを可変制御する構成としても本実施例の目的を達成できる。
【0060】
また、
図5においては、赤色光源121、励起光源71、青色光源301が夫々点灯する1フレームに要する時間が、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間よりも短い場合について記載しているが、
図6に示すように、各光源71,121,301の点灯周期である1フレームが蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間よりも長い場合であっても、各光源71,121,301の1フレームに要する時間が、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間の整数倍とならないように各光源71,121,301及び蛍光ホイール101を制御することで同様の効果が得られる。
【0061】
例えば、赤色波長帯域の光量が不足している場合には励起光源71や青色光源301の点灯時間よりも赤色光源121の点灯時間を長くするといった制御をすることができるが、この場合であっても、各光源71,121,301の1フレームに要する時間が、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間の整数倍とならないようにすることで、上述した効果を得られる。
【0062】
また、各光源71,121,301の1フレームに要する時間が、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間の整数倍とならないように各光源71,121,301及び蛍光ホイール101を制御する場合において、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間を、各光源71,121,301の1フレームに要する時間で除した数が、無理数(割りきれない数)、あるいは、無理数に近い有理数、つまり、小数点以下の桁数が大きな数となるように各光源71,121,301及び蛍光ホイール101を制御することにより、各光源71,121,301の点灯が複数回繰り返されることで蛍光ホイール101のサイクルと同期してしまう可能性を低くでき、蛍光ホイール101が局所的に熱を帯びることを防止する効果を高めることができる。
【0063】
なお、蛍光ホイール101の1サイクルに要する時間を、各光源71,121,301の1フレームに要する時間で除した数が無理数に近い有理数となるように各光源71,121,301及び蛍光ホイール101を制御する場合、有理数の小数点以下を3桁以上とするのが好適である。本実施例で使用する表示素子51が1秒間に30フレームから60フレームほどのカラー映像を表示可能であるため、各光源71,121,301の点灯周期と蛍光ホイール101のサイクルが数秒間で同期することを防止するためである。
【0064】
さらに、上述した実施例では、緑色波長帯域光を射出する蛍光ホイール101と、赤色光源121及び青色光源301と、を備えた光源ユニット60について述べているが、この構成に限定されるものでなく、蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101から射出される所定波長帯域光とは波長帯域が異なる光を射出可能な二種類の光源と、を備えた光源ユニット60であればあらゆる種類の光源ユニット60において同一の制御方法を適用することができる。
【0065】
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。