(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変換条件設定手段は、前記切り出し領域における配色を元の配色とは近似しない範囲に色変換した後に絵画調変換を実行するよう変換条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
前記変換条件設定手段は、前記第一の絵画調変換手段が絵画調変換したときよりも絵画調変換の度合いを弱めた変換条件を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像印刷装置。
複数の前記イラストフォーマットが記憶されたフォーマットパターン記憶手段を備え、該フォーマットパターン記憶手段には、前記イラストフォーマットの情報として前記画像合成領域の大きさや形状の情報が記憶されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像印刷装置。
前記画像調整手段は、前記フォーマットパターン記憶手段に記憶された前記画像合成領域の大きさや形状に合わせて前記調整済画像を生成することを特徴とする請求項5に記載の画像印刷装置。
前記変換条件設定処理では、前記切り出し領域における配色を元の配色とは近似しない範囲に色変換した後に絵画調変換を実行するよう変換条件を設定することを特徴とする請求項8に記載の画像合成印刷方法。
前記変換条件設定処理では、前記第一の絵画調変換処理で絵画調変換したときよりも絵画調変換の度合いを弱めた変換条件を設定することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像合成印刷方法。
複数の前記イラストフォーマットが記憶され、かつ、前記イラストフォーマットの情報として前記画像合成領域の大きさや形状の情報が記憶されているフォーマットパターン記憶手段を備えた画像印刷装置で実行することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像合成印刷方法。
前記画像調整処理では、前記フォーマットパターン記憶手段に記憶された前記画像合成領域の大きさや形状に合わせて前記調整済画像を生成することを特徴とする請求項12に記載の画像合成印刷方法。
複数の絵画調変換パターンが記憶された絵画調変換パターン記憶手段を備えた画像印刷装置で実行することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の画像合成印刷方法。
前記変換条件設定処理では、前記切り出し領域における配色を元の配色とは近似しない範囲に色変換した後に絵画調変換を実行するよう変換条件を設定させることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
複数の前記イラストフォーマットが記憶され、かつ、前記イラストフォーマットの情報として前記画像合成領域の大きさや形状の情報が記憶されているフォーマットパターン記憶手段を備えた画像印刷装置に実行させることを特徴とする請求項15乃至請求項18のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
前記画像調整処理では、前記フォーマットパターン記憶手段に記憶された前記画像合成領域の大きさや形状に合わせて前記調整済画像を生成させることを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
複数の絵画調変換パターンが記憶された絵画調変換パターン記憶手段を備えた画像印刷装置に実行させることを特徴とする請求項15乃至請求項20のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像印刷装置の斜視図であり、
図2は、この画像印刷装置の内部構成を示す断面模式図であり、
図3は、画像印刷装置における回路構成を示す機能ブロック図である。なお、
図2は、見やすくなるようにハッチングを除いて描いている。
【0012】
本実施形態に係る画像印刷装置1は、写真やスキャン画像などを絵画調に変換する絵画調変換機能を備えるとともに、葉書印刷用などのイラストフォーマットと絵画調画像を合成するときに、配色が近似することによる重なり位置での同化を防止し、イラストと絵画調画像のデザイン性を保った状態で合成を実行する同化防止合成機能を備えている。
【0013】
この画像印刷装置1は、メモリカードなどの着脱可能な可搬型記憶媒体に記憶された画像を葉書(100×148mm)やL判(89×127mm)、2L判(178×127mm)などの比較的小さな印刷用紙に印刷を実行する印刷装置であり、住所録を作成する機能や、住所録から自動で葉書に宛名書をする機能や、文章を編集する機能、取り込んだ画像と文章やイラストフォーマットとを組み合わせて葉書に印刷する機能、画像処理機能などを備えている。
【0014】
そして、画像印刷装置1は、
図1に示すように、箱形の筐体2を備え、筐体2の前方にはキーボード3が配置されている。このキーボード3は、筐体2の前方下端近傍に回動可能に装着されており、使用状態では
図1に示したように前方に倒され、使用しない場合には筐体2の前面と対向した状態で収納されている。
【0015】
筐体2の前面には、印刷が完了した葉書や写真などの印刷用紙10が排出される排紙口5と、可搬型記憶媒体を挿入可能な記憶媒体挿入口6とが形成されている。画像印刷装置1は、この記憶媒体挿入口6を備えることにより、可搬型記憶媒体からデジタルカメラで撮影された写真の画像データやイラストフォーマットなどを取り込み可能であるとともに、画像印刷装置1で編集したデータを出力可能である。
【0016】
筐体2の上面には、タッチパネル8が配置され、筐体2の正面方向に回動可能とされている。また、筐体2の上部には、筐体2の後方側から筐体2の上方までの間を回動可能な取っ手15が装着されている。この取っ手15は、略コ字状に形成され、画像印刷装置1の運搬時などに把持されて使用される。
【0017】
そして、画像印刷装置1は、
図2に示すように、筐体2の背面に開口する空腔部16を有し、この空腔部16の開口を塞ぐように給紙トレイ18が配置されている。この給紙トレイ18は、筐体2の後方であって下方近傍位置に軸着されており、前後方向に回動可能とされ、印刷用紙10を複数重ねて収容することができるようになっている。
【0018】
給紙トレイ18の内側であって上方位置には、給紙トレイ18に収容された印刷用紙10を1枚ずつ下方に送り出すピックアップローラ19が配置されている。また、給紙トレイ18の下端近傍には、ピックアップローラ19によって下方に送り出された印刷用紙10を筐体2の排紙口5方向へと搬送する搬送ローラ20a,20bが配置されている。
【0019】
筐体2の内部であって搬送ローラ20a,20bの前方近傍には、印刷手段とされる印刷ヘッド21が配置されている。また、筐体2の内部であって印刷ヘッド21の前方には、印刷を完了した印刷用紙10を排紙口5から排出する排紙ローラ22a,22bが配置されている。この搬送ローラ20a,20bと排紙ローラ22a,22bは、図示しないステッピングモータによって回転を制御されて、所定速度で印刷用紙10を搬送している。
【0020】
そして、給紙トレイ18に収容された印刷用紙10は、ピックアップローラ19によって前方に位置する印刷用紙10から順に下方に送り出され、搬送ローラ20a,20bとの間に挟み込まれた状態で印刷ヘッド21の下方に繰り出され、印刷が完了後、排紙ローラ22a,22bの間に挟み込まれて排紙口5から外部へと排出される。
【0021】
この画像印刷装置1は、
図3に示すように、制御部41(制御手段)としてのCPUと、記憶部(記憶手段)としてのROM42やRAM43と、キーボード3やタッチパネル8から構成される入力部45と、タッチパネル8である表示部46と、上述した印刷ヘッド21やピックアップローラ19、搬送ローラ20a,20b、排紙ローラ22a,22b、各ローラを回転させるステッピングモータなどによって構成される印刷部48(印刷手段)と、スピーカーなどの音声出力部49と、可搬型記憶媒体とアクセスする記憶媒体接続部50と、を備えた回路により構成される。
【0022】
制御部41は、入力部45からの入力信号に応じて、又は、自動でROM42にあらかじめ記憶されているシステムプログラムや制御プログラムなどを起動させ、RAM43をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。ROM42は、文書編集時に使用する文字フォントや印刷の字体のデータ、絵画調変換に用いるパターンデータ、イラストフォーマットのパターンデータ、編集する印刷用紙の規格データ、その他の制御プログラムなどが記憶されている。RAM43は、入力部45で入力された文字などの文書の編集情報やタッチパネル8に表示される表示データ、画像処理中の画像情報などを記憶するワークメモリである。なお、ROM42に記憶されているデータやプログラムの詳細に関しては後述する。
【0023】
入力部45は、画像処理における操作や画像選択、印刷実行など画像印刷装置1におけるあらゆる入力に使用され、ユーザにより操作がなされると所定の信号を制御部41に送出する。表示部46は、可搬型記憶媒体から読み込んだ画像や画像処理後の画像、各種メニュー、操作における選択肢、エラーメッセージなどを表示する。印刷部48は、印刷用紙10を搬送しながら用紙に印刷を行う。音声出力部49は、エラー音や操作の音声案内など音声メッセージを出力する。記憶媒体接続部50は、記憶媒体挿入口6に挿入されたメモリなどから原画像データやイラストフォーマットのデータなどを読み取り、制御部41にデータを送出する。
【0024】
次に、本実施形態の画像印刷装置1が備えている同化防止合成機能に関して述べる。イラストフォーマットと絵画調画像を合成した場合、イラストと絵画調画像が重なり合う領域や隣接した領域に近似色が使用されていると、イラストと絵画調画像が同化してデザイン性が落ちることがあるが、本実施形態における画像印刷装置1は、同化を防止して合成する機能である同化防止合成機能を備えているため、デザイン性の高い合成画像を生成できることを特徴としている。
【0025】
イラストフォーマット11とは、年賀状や暑中見舞い、誕生日カードなどを印刷するときに使用するイラストがあらかじめ描かれたひな形であり、
図4(a)乃至(d)に示すように、イラストや文字が描かれたイラスト領域11aと、画像が合成される画像合成領域11bと、を備える。
図4(a)では、円で囲まれた領域が画像合成領域11bとなり、
図4(b)や
図4(d)ではイラストフォーマット11の全面が画像合成領域11bとなり、
図4(c)では、車の窓部分が画像合成領域11bとなる。このイラストフォーマット11は、ROM42に複数パターンがあらかじめ記憶されているが、メモリカードなどの可搬型記憶媒体から異なる種類のフォーマットを取り込むこともできる。
【0026】
絵画調画像とは、写真画像やスキャン画像などの原画像を絵画調に画像処理して得られる画像である。具体的には、
図5(a)に示すような原画像を
図5(b)に示すような水彩画調に変換するパターン、
図5(c)に示すような色鉛筆調に変換するパターン、
図5(d)に示すような油彩調に変換するパターン、
図5(e)に示すようなパステル調に変換するパターンなどがある。
【0027】
同化とは、
図6(a)および
図7(a)において円で囲まれた領域fのように、イラストと絵画調画像が重なり合う領域および両者が近接する領域において、両者の配色が近似するためにイラストおよび絵画調画像の領域区分け部分が不明確となり、デザイン性が損なわれ、見栄えが悪くなる現象である。
【0028】
そして、本実施形態の画像印刷装置1では、同化が生じる領域の絵画調変換の強度を弱めたり、配色を変更したりすることでこのような現象が生じることを防止している。
【0029】
例えば、
図6(a)では、イラストと土手のコンクリートとが近似色であるために同化している。このような同化の現象に対しては、原画像における同化する領域を切り出し、切り出した領域の配色を変更し、変更後に絵画調変換を行う。そして、配色変換後の絵画調画像を最初の絵画調画像(
図6(a)の絵画調画像)に上書き合成した後、イラストフォーマットと絵画調画像を合成する。このようにイラストフォーマットと絵画調画像を合成することにより、
図6(b)に示すように、イラストと絵画調画像の区分けが明確な合成画像を生成できる。
【0030】
また、
図7(a)では、イラストフォーマットにおける画像合成領域とイラスト部分を区分けする線と、被写体の屋根の部分とが同化している。このような同化の現象に対しては、原画像における同化する領域を切り出し、切り出した領域の絵画調変換の強度を弱めて絵画調変換を行い、すなわち、原画像に近い状態の絵画調となるように絵画調変換を行う。そして、変換度合いを弱めた絵画調画像を最初の絵画調画像(
図7(a)の絵画調画像)に上書き合成した後、イラストフォーマットと絵画調画像を合成する。このようにイラストフォーマットと絵画調画像を合成することにより、
図7(b)に示すように、イラストと絵画調画像の区分けが明確な合成画像を生成できる。
【0031】
以下、このような同化防止合成機能を実現するための構成について述べる。ROM42には、
図3に示したように、イラストフォーマットパターンデータ42a、絵画調変換パターンデータ42c、画像調整プログラム42e、絵画調変換プログラム42g、画像合成プログラム42i、修正判断領域検出プログラム42k、近似色判定プログラム42m、切り出し領域抽出プログラム42o、切り出しプログラム42p、変換条件設定プログラム42q、表示制御プログラム42s、印刷制御プログラム42uが記憶されている。なお、ROM42に記憶されたデータやプログラムは、これらのデータやプログラムに限定されるものではなく同化防止合成機能を実現するのに必要な代表的なものをあげたに過ぎない。
【0032】
イラストフォーマットパターンデータ42aは、上述の
図4に示したような複数のイラストフォーマット11のパターン情報である。絵画調変換パターンデータ42cは、上述の
図5に示したような絵の表現調をどのような風合いの絵に変換するかについての変換パターン情報である。
【0033】
画像調整プログラム42eは、原画像から一部を切り出したり(トリミング)、原画像の全体又は切り出した一部の画像のサイズを変更したり(リサイズ)するためのプログラムである。そして、制御部41は、この画像調整プログラム42eを読み込み、原画像の形状や画像サイズをイラストフォーマット11の画像合成領域11bの形状やサイズに合わせて調整することで調整済画像を生成する処理を実行する。
【0034】
絵画調変換プログラム42gは、原画像の全体や調整済画像、後述する切り出し領域の画像などをユーザが指定した絵画調変換パターンに変換するプログラムである。
【0035】
画像合成プログラム42iは、イラストフォーマット11と絵画調画像や、原画像の全体を絵画調変換した第一の絵画調画像と切り出し領域を絵画調変換した第二の絵画調画像を合成するプログラムである。
【0036】
修正判断領域検出プログラム42kは、イラストフォーマット11の画像合成領域11bに絵画調画像を合成した場合に、絵画調画像の中でイラストと重なり合う領域および隣接する領域、すなわち、修正が必要か否か判断する領域である修正判断領域を検出するプログラムである。
【0037】
近似色判定プログラム42mは、修正判断領域においてイラストと第一の絵画調画像の配色が近似するために同化が生じるか否かを判定するプログラムであり、配色近似領域を検出する際に使用されるプログラムである。具体的には、修正判断領域の各画素においてイラストと絵画調画像のRGB値を対比し、各RGB値が−20乃至+20(以下、+は省略する。)の範囲となるもの近似色として判定する。なお、近似色であると判定する範囲の設定は、各RGB値が−20乃至20の範囲となるものに限定されず、−30乃至30の範囲として設定する、あるいは、RGBのそれぞれの差の合計値が−50乃至50の範囲と設定するなどしてもよい。近似色としての範囲を狭めた場合には、同化することのない色まで近似色として判定することを防止でき、また、近似色としての範囲を広げることによりイラストと第一の絵画調画像の境界を明確にできる。
【0038】
切り出し領域抽出プログラム42oは、調整済画像における配色近似領域と、配色近似領域に隣接しかつ当該隣接した配色近似領域の配色に近似する配色を有した領域と、を切り出し領域として抽出するためのプログラムである。
【0039】
切り出しプログラム42pは、調整済画像における切り出し領域を切り出し(トリミングし)、切り出し画像を生成するプログラムである。
【0040】
変換条件設定プログラム42qは、切り出し領域に対して修正した絵画調変換を実行するときの変換条件を設定するプログラムである。具体的な変換条件の設定モードとしては、絵画調変換時の変換強度を弱める強度変換モードと、RGB値を変換した後に絵画調変換を行う色変換モードとがある。色変換モードでは、近似色判定プログラム42mにおける近似色の範囲から外れる値となるようにRGBの値を変換する。なお、自動で変換条件の設定モードを選択する構成としても、ユーザに交換条件の設定モードを選択させる構成としてもよい。自動で変換条件の設定モードを選択する場合には、色変換モードを優先するものとし、切り出し画像に人物や動物などのように色彩の変更が目立つ被写体が含まれている場合には強度変換モードを選択するものとする。
【0041】
表示制御プログラム42sは、表示部46を制御するためのプログラムである。印刷制御プログラム42uは、ユーザが設定した書式設定の情報などを反映させた状態で印刷を実行するように印刷部48を制御するプログラムである。
【0042】
次に、同化防止合成機能を実現するための制御フローについて
図8のフローチャートを用いて述べる。ユーザがイラスト合成モードを選択すると(S101)、制御部41は、ROM42からイラストフォーマットパターンデータ42aおよび表示制御プログラム42sを読み出す。そして、制御部41は、
図9(a)に示すように、表示部46に複数のイラストフォーマットパターンを表示して所定のイラストフォーマットをユーザに選択させる。ユーザが所定のイラストフォーマットを選択すると(S105)、制御部41は、選択されたイラストフォーマットをRAM43に保存する選択フォーマット保存処理(ステップS107)を実行する。
【0043】
選択フォーマット保存処理(ステップS107)の後、制御部41は、可搬型記憶媒体から画像データを読み出し、かつ、ROM42から表示制御プログラム42sを読み出す。そして、制御部41は、
図9(b)に示すように、表示部46に可搬型記憶媒体に記憶された画像を表示して合成に使用する原画像を選択させる。ユーザが原画像を選択すると(S111)、制御部41は、選択された原画像をRAM43に保存する原画像保存処理(ステップS113)を実行する。
【0044】
原画像保存処理(ステップS113)の後、制御部41は、RAM43から選択フォーマットおよび原画像を読み出し、かつ、ROM42から表示制御プログラム42sを読み出す。そして、制御部41は、選択フォーマットの画像合成領域に原画像を重ねたレイアウトを表示部46に表示させるレイアウト表示処理(ステップS115)を実行する。このレイアウト表示処理(ステップS115)において表示部46には、
図10(a)に示すように、選択フォーマットと原画像が重なった合成画像のレイアウトと、「印刷」「登録」「機能メニュー」「前の画面」「トップメニュー」といったアイコンと、が表示される。なお、本発明は絵画調画像とイラストを合成したときに同化を防止することが特徴であるため、以下の説明においてはユーザが「機能メニュー」を選択するものとして述べ、その他のアイコンに関しての説明は省略する。
【0045】
レイアウト表示処理(ステップS115)における表示においてユーザが「機能メニュー」を選択し、展開した画面(図示しない)で絵画調変換を選択すると、
図10(b)に示すように、絵画調変換パターンとして水彩、油彩、パステル、色鉛筆の4種類の選択肢が表示される。ユーザが所定の絵画調変換パターンを選択すると(S121)、制御部41は、RAM43に選択された絵画調変換パターンを保存する選択パターン保存処理(ステップS123)を実行する。なお、レイアウト表示処理(ステップS115)では、ユーザが原画像をタッチパネル8上で動かすことによってレイアウトを変更できる。
【0046】
選択パターン保存処理(ステップS123)の後、制御部41は、ROM42の画像調整プログラム42eを読み出す。そして、制御部41は、原画像を選択フォーマットの画像合成領域の形や大きさに合わせて一部を切り出したり、全体又は切り出した部分のサイズを変更したりすることによって調整済画像を生成する画像調整処理(ステップS125)を実行する。なお、イラストフォーマットにおける画像合成領域の大きさや形の情報は、イラストフォーマットのデータとともにROM42に記憶されている。制御部41は、ROM42に記憶されている画像合成領域の形や大きさの情報に合わせて画像調整処理(ステップS125)を行う。
【0047】
また、制御部41は、画像の一部を切り出すとき、レイアウト表示処理(ステップS115)において表示されているレイアウトに従って行う。すなわち、制御部41は、レイアウト表示における画像合成領域内に表示されている部分を切り出す処理を行う。そして、制御部41は、画像調整処理(ステップS125)によって生成した調整済画像をRAM43に保存する。
【0048】
画像調整処理(ステップS125)の後、制御部41は、RAM43から調整済画像および選択パターン(絵画調変換パターン)を読み出し、かつ、ROM42の絵画調変換プログラム42gを読み出す。そして、制御部41は、調整済画像をユーザが選択した絵画調変換パターンに絵画調変換して第一の絵画調画像を生成する第一の絵画調変換処理(ステップS131)を実行し、第一の絵画調画像をRAM43に保存する。なお、「第一」の絵画調画像や「第一」の絵画調変換処理とするのは、後述するが、同化を防止するために再度絵画調変換処理を行うことがあるため、後述する絵画調変換処理と区別するためである。
【0049】
第一の絵画調変換処理(ステップS131)の後、制御部41は、ROM42の修正判断領域検出プログラム42kを読み出す。そして、制御部41は、選択フォーマットの画像合成領域に第一の絵画調画像を合成した場合に、第一の絵画調画像の中でイラストと重なる領域および隣接する領域である修正判断領域を検出する修正判断領域検出処理(ステップS135)を実行し、この修正判断領域の位置情報をRAM43に保存する。この修正判断領域の位置情報とは、第一の絵画調画像において修正判断領域がどの画素に位置しているかを示す画素の情報である。
【0050】
修正判断領域検出処理(ステップS135)の後、制御部41は、ROM42の近似色判定プログラム42mを読み出し、修正判断領域の中でイラストの色と近似する配色を有した領域である配色近似領域を抽出する配色近似領域検出処理(ステップS141)を実行する。以下、この配色近似領域検出処理(ステップS141)について詳細に述べる。
【0051】
制御部41は、RAM43から修正判断領域の所定の画素を読み込む修正判断領域読込処理(ステップS201)を実行する。そして、制御部41は、隣接領域読込処理(ステップS201)で読み込んだ画素のRGB値と、選択フィールドにおける対応する位置のRGB値とを比較し、近似色があるか否かを判定する近似色判定処理(ステップS205)を実行する。
【0052】
近似色判定処理(ステップS205)において近似色がある場合、制御部41は、判定の対象となった画素を配色近似領域の位置情報としてRAM43に保存する配色近似領域保存処理(ステップS211)を実行する。そして、配色近似領域保存処理(ステップS211)の後、修正判断領域の全画素について近似色判定処理(ステップS205)が終了したか否かを判定する抽出終了判定処理(ステップS215)を実行する。また、制御部41は、近似色判定処理(ステップS205)において近似色がない場合には抽出終了判定処理(ステップS215)を実行する。
【0053】
抽出終了判定処理(ステップS215)において修正判断領域の全画素に対して近似色判定処理(ステップS205)が終了していない場合、制御部41は、修正判断領域の全画素に対する近似色判定処理(ステップS205)が終了するまでステップS201乃至ステップS215を繰り返す。抽出終了判定処理(ステップS215)において配色近似領域の抽出が終了したと判定すると、制御部41は、配色近似領域検出処理(ステップS141)を終了する。
【0054】
配色近似領域検出処理(ステップS141)の後、制御部41は、配色近似領域があったか否かを判定する配色近似領域有無判定処理(ステップS145)を実行する。配色近似領域がなかった場合には同化防止を行う必要がないため、制御部41は、第一の絵画調画像と選択フォーマットをレイアウト表示処理(ステップS115)で表示部46に表示されたレイアウトに従って合成する通常合成処理(ステップS181)を実行する。そして、制御部41は、ROM42の表示制御プログラム42sを読み出し、通常合成処理(ステップS181)で生成した合成画像を表示部46に表示させる合成画像表示処理(ステップS191)を実行する。
【0055】
配色近似領域有無判定処理(ステップS145)において配色近似領域があると判定した場合には同化防止の処理を行う必要があるため、制御部41は、ROM42の切り出し領域抽出プログラム42oを読み出す。そして、制御部41は、配色近似領域と、この配色近似領域に隣接する領域であって当該隣接する配色近似領域の配色と近似する配色を有した領域と、を抽出する切り出し領域抽出処理(ステップS151)を実行し、切り出し領域の画素情報をRAM43に保存する。さらに、制御部41は、ROM42から切り出しプログラム42pを読み込み、切り出し領域抽出処理(ステップS151)で抽出した切り出し領域を調整済画像から切り出す(トリミングする)配色近似領域切り出し処理(ステップS155)を実行する。
【0056】
配色近似領域切り出し処理(ステップS155)の後、制御部41は、ROM42の変換条件設定プログラム42qを読み出し、イラストとの同化を防止するために、絵画調変換時の変換条件を変更する変換条件設定処理(ステップS161)を実行する。この変換条件設定処理(ステップS161)では、上述したように色変換モードを優先して設定し、原画像の色調を優先したいときには強度変換モードで設定する。制御部41は、変換条件設定処理(ステップS161)で設定された変換条件をRAM43に保存する。なお、この変換条件設定処理(ステップS161)においては、上述したようにユーザにいずれのモードで変換条件を設定するかを選択させてもよい。
【0057】
変換条件設定処理(ステップS161)の後、制御部41は、RAM43から切り出し領域の画素情報を読み出し、かつ、ROM42の絵画調変換プログラム42gを読み出す。そして、制御部41は、切り出し領域を変換条件設定処理(ステップS161)で設定した変換条件に従って絵画調変換して第二の絵画調画像を生成する第二の絵画調変換処理(ステップS165)を実行し、第二の絵画調画像をRAM43に保存する。
【0058】
第二の絵画調変換処理(ステップS165)の後、制御部41は、RAM43から第一および第二の絵画調画像を読み出し、かつ、ROM42の画像合成プログラム42iを読み出す。そして、制御部41は、第二の絵画調画像を第一の絵画調画像に上書き合成し、同化修正絵画調画像を生成する絵画調画像合成処理(ステップS171)を実行し、同化修正絵画調画像をRAM43に保存する。この絵画調画像合成処理(ステップS171)では、第一の絵画調画像に第二の絵画調画像を上書きして合成するため、第一の絵画調画像の切り出し領域は、第二の絵画調画像に置換されることとなる。
【0059】
絵画調画像合成処理(ステップS171)の後、制御部41は、同化修正絵画調画像をレイアウト表示処理(ステップS115)で表示部46に表示されたレイアウトに従って選択フォーマットの画像合成領域に合成し、イラスト合成画像を生成するイラスト合成処理(ステップS175)を実行し、イラスト合成画像をRAM43に保存する。
【0060】
イラスト合成処理(ステップS175)の後、又は、上述した同化修正を行わずに合成した通常合成処理(ステップS181)の後、制御部41は、ROM42の表示制御プログラム42sを読み出す。そして、制御部41は、イラスト合成画像又は通常合成画像を表示部46に表示させる合成画像表示処理(ステップS191)を実行し、ユーザに印刷を実行してよいか否かを確認する。ユーザが印刷実行の操作をすると、制御部41は、印刷制御プログラム42uを読み出し、印刷部48を制御して印刷を実行する印刷実行処理(ステップS195)を実行しイラスト合成モードを終了する。
【0061】
このように同化防止合成機能を備えた画像印刷装置1では、同化するおそれのある領域を切り出して、この領域に対して最初の絵画調変換とは異なるパラメータで絵画調変換を行い、最初の絵画調画像に合成した後、イラストフォーマットに合成する構成としているため、イラストと絵画調画像が同化することがなく、両者が明確に視認でき、デザイン性が優れた合成画像を生成できることとなる。
【0062】
そして、最初の絵画調変換とは異なるパラメータで絵画調変換を行うときに、切り出した画像の配色を変換した後に絵画調変換を実行することにより、イラストと絵画調画像の重なり合う領域や隣接する領域の配色が異なるため、同化を防止できることとなる。
【0063】
また、最初の絵画調変換とは異なるパラメータで絵画調変換を行うときに、最初に絵画調変換をしたときよりも変換度合いを弱めて絵画調変換を行うことにより、イラストと絵画調画像の重なり合う領域や隣接する領域の風合いがイラストタッチと写真タッチで全く異なるものとなるため、同化を防止できる。
【0064】
さらに、近似色の範囲としてR、G、Bの値
の差分がそれぞれ−20乃至20を設定することにより、原画像の色調を保ちつつ同化を防止できることとなり、違和感のない合成画像を生成できることとなる。
【0065】
また、フォーマットパターンの情報として画像合成領域の大きさや形状の情報もあらかじめ記憶させておくことにより、調整画像を容易に生成できることとなる。
【0066】
さらに、複数の絵画調変換パターンが記憶されていることにより、ユーザに様々な風合いの絵画調変換パターンを選択させることができ、ユーザを飽きさせることのない画像印刷装置を提供できることとなる。
【0067】
また、上述した実施形態における各種処理は、コンピュータに実現させることのできる画像合成印刷プログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、あるいは、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように本実施形態で述べた各処理を実行させるための画像合成印刷プログラムを他の電子機器などで実行させることにより、上述した画像印刷装置1を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、画像印刷装置1に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、上記のような画像合成印刷プログラムを読み取り可能であって、読み取ったプログラムに従って制御動作を行うCPUなどの演算装置を備えているあらゆる電子機器に組み込まれたコンピュータを含む。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0069】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] イラスト領域と画像合成領域とを有した所定のイラストフォーマットが記憶されるフォーマット記憶手段と、
原画像から所定の領域を切り出すことにより、および又は、画像サイズを変更することにより調整済画像を生成する画像調整手段と、
前記調整済画像を絵画調に変換して第一の絵画調画像を生成する第一の絵画調変換手段と、
前記第一の絵画調画像を前記イラストフォーマットの画像合成領域に配置したときに、前記第一の絵画調画像の中で前記イラストと重なる領域および隣接する領域である修正判断領域を検出する修正判断領域検出手段と、
前記修正判断領域の中で前記イラストの配色と近似している配色近似領域を検出する配色近似領域検出手段と、
前記調整済画像における前記配色近似領域、および、前記配色近似領域に隣接しかつ当該隣接した配色近似領域の配色に近似する配色を有した領域を切り出し領域として抽出する切り出し領域抽出手段と、
前記切り出し領域に修正絵画調変換を行うとき、前記第一の絵画調変換手段が絵画調変換を行ったときとは異なる変換条件を設定する変換条件設定手段、および、前記異なる変換条件で絵画調変換し第二の絵画調画像を生成する第二の絵画調変換手段と、
前記第二の絵画調画像を前記第一の絵画調画像に上書き合成し合成絵画調画像を生成する絵画調画像合成手段と、
前記合成絵画調画像と前記イラストフォーマットを合成してイラスト合成画像を生成するイラスト合成手段と、
前記イラスト合成画像を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像印刷装置。
[2] 前記変換条件設定手段は、前記切り出し領域における配色を元の配色とは近似しない範囲に色変換した後に絵画調変換を実行するよう変換条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
[3] 前記変換条件設定手段は、前記第一の絵画調変換手段が絵画調変換したときよりも絵画調変換の度合いを弱めた変換条件を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像印刷装置。
[4] 前記配色近似領域検出手段は、前記修正判断領域における画素毎のRGB値と、該修正判断領域と重なる又は隣接する前記イラストの画素毎のRGB値と、が近似するか否かを判定する近似色判定手段を備えてなり、
該近似色判定手段は、R、G、Bの値がそれぞれ−20乃至20の範囲に属している場合に近似色として判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像印刷装置。
[5] 複数の前記イラストフォーマットが記憶されたフォーマットパターン記憶手段を備え、該フォーマットパターン記憶手段には、前記イラストフォーマットの情報として前記画像合成領域の大きさや形状の情報が記憶されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像印刷装置。
[6] 前記画像調整手段は、前記フォーマットパターン記憶手段に記憶された前記画像合成領域の大きさや形状に合わせて前記調整済画像を生成することを特徴とする請求項5に記載の画像印刷装置。
[7] 複数の絵画調変換パターンが記憶された絵画調変換パターン記憶手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像印刷装置。
[8] イラスト領域と画像合成領域とを有した所定のイラストフォーマットを記憶手段に保存するフォーマット保存処理と、
原画像から所定の領域を切り出すことにより、および又は、画像サイズを変更することにより調整済画像を生成する画像調整処理と、
前記調整済画像を絵画調に変換して第一の絵画調画像を生成する第一の絵画調変換処理と、
前記第一の絵画調画像を前記イラストフォーマットの画像合成領域に配置したときに、前記第一の絵画調画像の中で前記イラストと重なる領域および隣接する領域である修正判断領域を検出する修正判断領域検出処理と、
前記修正判断領域の中で前記イラストの配色と近似している配色近似領域を検出する配色近似領域検出処理と、
前記調整済画像における前記配色近似領域、および、前記配色近似領域に隣接しかつ当該隣接した配色近似領域の配色に近似する配色を有した領域を切り出し領域として抽出する切り出し領域抽出処理と、
前記切り出し領域に修正絵画調変換を行うとき、前記第一の絵画調変換処理で絵画調変換を行ったときとは異なる変換条件を設定する変換条件設定処理と、および、前記異なる変換条件で絵画調変換し第二の絵画調画像を生成する第二の絵画調変換処理と、
前記第二の絵画調画像を前記第一の絵画調画像に上書き合成し合成絵画調画像を生成する絵画調画像合成処理と、
前記合成絵画調画像と前記イラストフォーマットを合成してイラスト合成画像を生成するイラスト合成処理と、
前記イラスト合成画像を印刷する印刷処理と、
を実行することを特徴とする画像合成印刷方法。
[9] 前記変換条件設定処理では、前記切り出し領域における配色を元の配色とは近似しない範囲に色変換した後に絵画調変換を実行するよう変換条件を設定することを特徴とする請求項8に記載の画像合成印刷方法。
[10] 前記変換条件設定処理では、前記第一の絵画調変換処理で絵画調変換したときよりも絵画調変換の度合いを弱めた変換条件を設定することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像合成印刷方法。
[11] 前記配色近似領域検出処理では、前記修正判断領域における画素毎のRGB値と、該修正判断領域と重なる又は隣接する前記イラストの画素毎のRGB値と、が近似するか否かを判定する近似色判定処理を実行し、
前記近似色判定処理では、R、G、Bの値がそれぞれ−20乃至20の範囲に属している場合に近似色として判定することを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像合成印刷方法。
[12] 複数の前記イラストフォーマットが記憶され、かつ、前記イラストフォーマットの情報として前記画像合成領域の大きさや形状の情報が記憶されているフォーマットパターン記憶手段を備えた画像印刷装置で実行することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像合成印刷方法。
[13] 前記画像調整処理では、前記フォーマットパターン記憶手段に記憶された前記画像合成領域の大きさや形状に合わせて前記調整済画像を生成することを特徴とする請求項12に記載の画像合成印刷方法。
[14] 複数の絵画調変換パターンが記憶された絵画調変換パターン記憶手段を備えた画像印刷装置で実行することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の画像合成印刷方法。
[15] イラスト領域と画像合成領域とを有した所定のイラストフォーマットを記憶手段に保存するフォーマット保存処理と、
原画像から所定の領域を切り出すことにより、および又は、画像サイズを変更することにより調整済画像を生成する画像調整処理と、
前記調整済画像を絵画調に変換して第一の絵画調画像を生成する第一の絵画調変換処理と、
前記第一の絵画調画像を前記イラストフォーマットの画像合成領域に配置したときに、前記第一の絵画調画像の中で前記イラストと重なる領域および隣接する領域である修正判断領域を検出する修正判断領域検出処理と、
前記修正判断領域の中で前記イラストの配色と近似している配色近似領域を検出する配色近似領域検出処理と、
前記調整済画像における前記配色近似領域、および、前記配色近似領域に隣接しかつ当該隣接した配色近似領域の配色に近似する配色を有した領域を切り出し領域として抽出する切り出し領域抽出処理と、
前記切り出し領域に修正絵画調変換を行うとき、前記第一の絵画調変換処理で絵画調変換を行ったときとは異なる変換条件を設定する変換条件設定処理と、および、前記異なる変換条件で絵画調変換し第二の絵画調画像を生成する第二の絵画調変換処理と、
前記第二の絵画調画像を前記第一の絵画調画像に上書き合成し合成絵画調画像を生成する絵画調画像合成処理と、
前記合成絵画調画像と前記イラストフォーマットを合成してイラスト合成画像を生成するイラスト合成処理と、
前記イラスト合成画像を印刷する印刷処理と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
[16] 前記変換条件設定処理では、前記切り出し領域における配色を元の配色とは近似しない範囲に色変換した後に絵画調変換を実行するよう変換条件を設定させることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
[17] 前記変換条件設定処理では、前記第一の絵画調変換処理で絵画調変換したときよりも絵画調変換の度合いを弱めた変換条件を設定させることを特徴とする
請求項15又は請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
[18] 前記配色近似領域検出処理では、前記修正判断領域における画素毎のRGB値と、該修正判断領域と重なる又は隣接する前記イラストの画素毎のRGB値と、が近似するか否かを判定する近似色判定処理を実行させ、
前記近似色判定処理では、R、G、Bの値がそれぞれ−20乃至20の範囲に属している場合に近似色として判定させることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
[19] 複数の前記イラストフォーマットが記憶され、かつ、前記イラストフォーマットの情報として前記画像合成領域の大きさや形状の情報が記憶されているフォーマットパターン記憶手段を備えた画像印刷装置に実行させることを特徴とする請求項15乃至請求項18のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
[20] 前記画像調整処理では、前記フォーマットパターン記憶手段に記憶された前記画像合成領域の大きさや形状に合わせて前記調整済画像を生成させることを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。
[21] 複数の絵画調変換パターンが記憶された絵画調変換パターン記憶手段を備えた画像印刷装置に実行させることを特徴とする請求項15乃至請求項20のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な画像合成印刷プログラム。