(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0014】
本発明に係るマーケティングシステム1は、
図1に示すように、ユーザーが所有するユーザー端末10と、各エリア毎に予め設けられた複数の無線機器11と、当該ユーザー端末10又は無線機器11とネットワーク12で通信可能なサーバー13とから基本的に構成されている。
【0015】
ユーザー端末10は、一般的に使用されるコンピュータ、携帯用のノートパソコン、タッチパネル付きの携帯端末装置(スマートフォン)等であり、画面を表示する表示部(出力部)と、ユーザーの操作により所定の指示の入力を受け付ける受付部(入力部)と、前記無線機器11と近距離無線通信可能な第一の通信部とを備えている。尚、ユーザー端末10がコンピュータやノートパソコンであれば、液晶ディスプレイが表示部となり、キーボードやマウスが受付部となる。又、ユーザー端末10が、スマートフォン等のタッチパネル付きの携帯端末装置であれば、当該タッチパネルが、前記表示部と受付部とを兼ねることになる。尚、以下では、ユーザー端末10を携帯端末装置として説明する。
【0016】
又、無線機器11は、前記ユーザー端末10と近距離無線通信可能な第二の通信部を備えている。ここで、近距離無線通信とは、無線信号の電波を用いて数十cm〜百数十mの範囲内の無線機器とデータの送信又は受信を行うことを意味し、ユーザー端末10と無線機器11とで近距離無線通信がなされることは、無線機器11の近傍にユーザー端末10が存在することを意味する。尚、上述の電波受信範囲は、ユーザー端末10と無線機器11の仕様や性能に応じて適宜変更される。
【0017】
ここで、無線機器11の種類に応じて、ユーザー端末10と無線機器11との近距離無線通信の通信形態が異なる。例えば、無線機器11が電波を受信するWi−Fiセンサーである場合、
図1に示すように、ユーザー端末10の第一の通信部は、無線LAN(Local Area Network)通信の中継機器(アクセスポイント)を検索するための電波を定期的に発信し、無線機器11の第二の通信部は、前記第一の通信部からの電波を受信する。これにより、両者の近距離無線通信がなされる。この場合、無線機器11に、ユーザー端末10を識別する端末ID、無線機器11を識別する機器ID、電波強度を含む通信情報をサーバー13へ送信する送信部が設けられる。
【0018】
ここで、Wi−Fiとは、無線LAN関連の業界団体Wi−Fi Allianceによって無線LAN機器間の相互接続性を認証されたことを示す名称であり、Wi−Fi等と表記される。通信規格であるIEEE 802.11シリーズを利用した無線機器間の相互接続性について、Wi−Fi Allianceによって認定された機器には、Wi−Fiロゴが使用される。Wi−Fiセンサーは、近距離無線通信の電波モニターとして機能する。尚、IEEE 802.11シリーズは、例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11ac等を挙げることが出来る。
【0019】
一方、無線機器11が無線信号を発信するBeacon端末である場合、無線機器11の第二の通信部は、機器IDを含む電波を定期的に発信し、ユーザー端末10の第一の通信部は、前記第二の通信部からの電波を受信する。これにより、両者の近距離無線通信がなされる。この場合は、ユーザー端末10に前記送信部が設けられる。
【0020】
Beacon端末による近距離無線通信は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)通信である。このBLEとは、近距離無線通信技術Bluetooth(登録商標)の拡張仕様の一つを意味し、2.4MHz帯(ISMバンド)の電波を用い、最大1Mbpsの無線通信を、極低電力で可能とする。
【0021】
無線機器11は、ユーザーの行動履歴を分析したいエリアに設置される。このエリアにデジタルサイネージ14(Digital Signage)が存在する場合には、当該デジタルサイネージ14の近傍に無線機器11が設置されるか、当該デジタルサイネージ14と無線機器11とが連携される。デジタルサイネージ14は、平面ディスプレイやプロジェクタによって映像や画面を表示する広告媒体である。デジタルサイネージ14は、通常、スクリーン画面(映像)を制御する制御端末15にネットワーク12を介して接続され、この制御端末15は、ネットワーク12を介して、サーバー13又は他の端末装置からの画面情報を受信して、前記デジタルサイネージ14に配信する。尚、デジタルサイネージ14は、前記制御端末15に直接接続されても構わない。又、デジタルサイネージ14は、屋外広告、交通広告、道標、屋内外案内看板、店頭プロモーション、映像ディスプレイ等の広義の電子看板を意味する。又、このエリアが商品の売り場である場合には、当該売り場のレジの近傍や商品棚の近傍に無線機器11が設置される。
【0022】
又、サーバー13は、一般的に使用されるコンピュータ等であり、ユーザー端末10又は無線機器11の送信部と無線又は有線で通信可能である。サーバー13は、データを蓄積するメモリーと、各種演算をする各部(算出部、推定部、分析部)と、ネットワーク12を介してユーザー端末10に情報を送信する通知部を備えている。
【0023】
尚、ユーザー端末10、無線機器11、サーバー13は、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD等を内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各部についても、CPUがプログラムを実行することで当該各部を実現する。
【0024】
次に、
図2、
図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。先ず、無線機器11がWi−Fiセンサーである場合について説明する。この場合、ユーザーが所有するユーザー端末10の第一の通信部201は、ユーザー端末10を識別する端末IDを含む電波を定期的に発信している(
図3:S101)。この端末IDに特に限定は無く、例えば、MACアドレス等を挙げることが出来る。
【0025】
ここで、
図4Aに示すように、所定の通路の各エリア毎にデジタルサイネージ14が設置され、各デジタルサイネージ14毎にWi−Fiセンサー11が設置されている。このデジタルサイネージ14は、それぞれ異なる画面(初期設定画面、初期設定映像)を表示している。ユーザー端末10を所有したユーザーが、第一のデジタルサイネージ14の近傍を通過すると、当該第一のデジタルサイネージ14に設置された第一のWi−Fiセンサー11の第二の通信部202が、前記発信される電波を受信する(
図3:S102)。これにより、ユーザー端末10を携帯したユーザーが、第一のWi−Fiセンサー11の電波受信圏内に入ったことになる。
【0026】
ここで、第一のWi−Fiセンサー11の第二の通信部202が前記電波を受信すると、その旨を第一のWi−Fiセンサー11の送信部203に通知し、当該送信部203は、前記ユーザー端末10の端末IDと、前記第一のWi−Fiセンサー11の機器IDと、前記電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)とを含む通信情報(電測情報)をネットワーク12を介してサーバー13に送信する(
図3:S103)。
【0027】
ここで、送信部203が送信する方法に特に限定は無い。例えば、送信部203は、前記受信された電波に含まれる端末ID(例えば、MACアドレス、「aaa」)を取得するとともに、この電波強度(例えば、「Unknown→Far_in」)を取得する。
【0028】
又、近距離無線通信の電波強度は、電波を発信するユーザー端末10と、当該電波を受信するWi−Fiセンサー11との間の距離が短い程、強くなる。前記電波強度は、前記距離に応じて複数(例えば、4つ)の段階に区分された近接度を意味する。電波強度が強い順番に、「Immediate」(すぐ近く)、「Near」(近い)、「Far」(遠い)、「Unknown」(不明)を示す。ユーザー端末10がWi−Fiセンサー11の電波受信圏内に最初に入った場合の電波強度は、「Unknown→Far_in」となり、ユーザー端末10がWi−Fiセンサー11の電波受信圏から出た場合の電波強度は、「Far_out→Unknown」となる。
【0029】
次に、送信部203は、第一のWi−Fiセンサー11の所定のメモリーに予め記憶された機器ID(例えば、「AAA」)を取得する。そして、送信部203は、前記取得した端末IDと、前記機器IDと、前記電波強度とを含む通信情報を生成し、ネットワーク12を介してサーバー13に送信する。
【0030】
さて、サーバー13が前記通信情報を受信すると、当該サーバー13の収集部204は、当該通信情報の端末ID(「aaa」)における電波強度(「Unknown→Far_in」)の経時的な変化を各機器ID(「AAA」)毎に収集する(
図3:S104)。
【0031】
ここで、収集部204が収集する方法に特に限定は無い。例えば、前記通信情報を受信した収集部204は、所定のメモリーに予め記憶されている第一の通信情報テーブルを参照する。前記第一の通信情報テーブル400には、
図4Bに示すように、端末ID401と、機器ID402と、電波強度403と、前記通信情報(又は電波)を受信した受信時刻404とが項目として設けられている。
【0032】
収集部204は、前記第一の通信情報テーブル400の各項目に、ユーザー端末10の端末ID(「aaa」)と、機器ID(「AAA」)と、電波強度(「Unknown→Far_in」)と、受信時刻(例えば、「9:00」)とをそれぞれ記憶させる。又、収集部204は、第一のWi−Fiセンサー11の送信部203から継続して端末ID(「aaa」)における通信情報を受信し、当該通信情報の機器ID(「AAA」)における電波強度が変化すると、当該変化した際の電波強度と受信時刻とを前記第一の通信情報テーブル400に記憶させる。
【0033】
例えば、
図4Aに示すように、ユーザーが、第一のWi−Fiセンサー11にある第一のデジタルサイネージ14に近づくこと無く、当該デジタルサイネージ14の近傍に通過した場合、当該第一のWi−Fiセンサー11の機器ID(「AAA」)における電波強度は、「Unknown→Far_in」、「Far」、「Far_out→Unknown」と変化する。そこで、収集部204は、
図4Bに示すように、電波強度「Far」に、これに対応する受信時刻「9:01」を関連付けて記憶させ、電波強度「Far_out→Unknown」に、これに対応する受信時刻「9:04」を関連付けて記憶させる。
【0034】
又、
図4Aに示すように、第一のWi−Fiセンサー11を通過したユーザーが、第二のWi−Fiセンサー11の電波受信圏内に入った際に、当該第二のWi−Fiセンサー11にある第二のデジタルサイネージ14の画面に興味を示し、この第二のデジタルサイネージ14に近づいた後に、立ち去ったとする。この場合は、収集部204は、第二のWi−Fiセンサー11の送信部203からの端末ID(「aaa」)における通信情報を継続的に受信することで、当該第二のWi−Fiセンサー11の機器ID(「BBB」)における電波強度の経時的な変化を収集する。つまり、第二のWi−Fiセンサー11の機器ID(「BBB」)における電波強度は、「Unknown→Far_in」、「Far」、「Far_out→Near_in」・・・と変化する。そのため、収集部204は、
図4Bに示すように、電波強度「Unknown→Far_in」に、これに対応する受信時刻「9:10」を関連付けて記憶させ、電波強度「Far」に、これに対応する受信時刻「9:11」を関連付けて記憶させ、電波強度「Far_out→Near_in」に、これに対応する受信時刻「9:12」を関連付けて記憶させる。これにより、各Wi−Fiセンサー11のエリア毎のユーザーの位置を履歴(ログ)として取ることが可能となる。
【0035】
さて、収集部204が所定の端末ID(「aaa」)に対して1つの機器ID又は所定数の機器IDにおける電波強度の変化の収集を完了すると、その旨を算出部205に通知し、当該通知を受けた算出部205は、前記収集された各機器ID毎の電波強度の経時的な変化に基づいて、所定の機器IDのWi−Fiセンサー11のエリアでユーザーが移動した動線及び当該動線を構成する所定の位置にユーザーが滞留した滞留時間を各機器ID毎に算出する(
図3:S105)。
【0036】
ここで、算出部205が算出する方法に特に限定は無い。例えば、算出部205は、所定のメモリーに予め記憶された距離テーブルを参照する。前記距離テーブル500には、
図5Aに示すように、所定の電波強度501と、当該電波強度501を受信可能な距離502とが関連付けて記憶されている。ここで、上述した4段階の電波強度のうち、各電波強度の電波受信圏内に入るか圏外に出るかを示す電波強度には、電波受信圏の境界を示す一つの距離が記憶される。例えば、「Unknown→Far_in」、「Far_out→Unknown」には、「D1」が記憶され、「Far_out→Near_in」、「Near_out→Far_in」には、「D2」が記憶され、「Near_out→Immediate_in」、「Immediate_out→Near_in」には、「D3」が記憶される(D1>D2>D3)。又、特定の電波強度には、電波受信圏の範囲を示す距離が記憶される。例えば、「Far」には、「D1>D2」が記憶され、「Near」には、「D2>D3」が記憶され、「Immediate」には、「D3>」が記憶される。算出部205は、前記距離テーブル500の電波強度501と、前記第一の通信情報テーブル401の電波強度404とを照合し、当該照合した電波強度501(例えば、「Unknown→Far_in」)に対応する距離502(「D1」)を取得する。
【0037】
次に、算出部205は、前記第一の通信情報テーブル400の機器ID(「AAA」)と、これに対応する電波強度403の距離502(「D1」)とを組み合わせる。そして、算出部205は、
図5Aに示すように、前記機器ID(「AAA」)の第一のWi−Fiセンサー11を中心に、前記組み合わせた距離502(「D1」)を半径とする円503を仮想的に描き、この円503の上の位置情報をユーザーが移動した動線の一部として算出する。尚、前記電波強度が「Far」である場合は、算出部205は、前記機器ID(「AAA」)の第一のWi−Fiセンサー11を中心に、幅のある距離502(「D1>D2」)を半径とする円環を仮想的に描き、この円環の上の位置情報をユーザーが移動した動線の一部として算出する。前記位置情報が円又は円環の上の範囲を意味するのは、電波に方向性が無いためである。これにより、前記機器IDのWi−Fiセンサー11のエリアでユーザーが移動した動線の一部を概算することが出来る。
【0038】
前記動線の一部を算出した算出部205は、
図5Bに示すように、前記第一の通信情報テーブル400の受信時刻404の次の項目として、位置情報504を設け、ここに、前記算出した位置情報(例えば、「AAA+D1」)を記憶させる。算出部205が、1つの機器ID402(「AAA」)における全ての電波強度403に対して位置情報504を算出して記憶させることで、これらの位置情報504の全部を、当該機器ID402のエリアでユーザーが移動した動線として算出することが出来る。尚、位置情報の種類に特に限定は無く、上述では、機器ID402と距離502との組合せとしたが、機器ID402の設置位置が予め登録されている場合には、その設置位置と距離502との組合せにしてより具体的な位置情報にしても構わない。
【0039】
次に、算出部205は、前記第一の通信情報テーブル400の電波強度403と受信時刻404とに基づいて、前記動線の一部にユーザーが滞留した滞留時間を算出する。例えば、最初の電波強度が「Unknown→Far_in」で、最初の受信時刻が「9:00」であり、次の電波強度が「Far」で、次の受信時刻が「9:01」である場合、次の受信時刻「9:01」から最初の受信時刻「9:00」を減算した時間「1分」が、最初の電波強度に対応する動線の一部「AAA+D1」にユーザーが滞留した滞留時間となる。そこで、算出部205は、電波強度が変化した後の受信時刻から、当該電波強度が変化する前の受信時刻を減算することで、当該動線の一部におけるユーザーの滞留時間を算出する。そして、前記滞留時間を算出した算出部205は、
図5Bに示すように、前記第一の通信情報テーブル400の位置情報504の次の項目として、滞留時間505を設け、ここに、前記算出した滞留時間(「1分」)を記憶させる。算出部205が、1つの機器ID402(「AAA」)における全ての位置情報504に対して滞留時間505を算出して記憶させることで、前記機器ID402のエリアにおけるユーザーの動線の全部の滞留時間を算出することが出来る。尚、1つの機器ID402(「AAA」)の最後の電波強度と最後の受信時刻は、ユーザーが当該機器ID402(「AAA」)のWi−Fiセンサー11のエリアから出た際の情報であるため、最後の電波強度と最後の受信時刻に対応する滞留時間は存在しない。算出部205が、各機器ID402毎に動線及び滞留時間を算出することで、各機器ID402のWi−Fiセンサー11のエリアにおけるユーザーの行動情報を算出することが出来る。
【0040】
さて、算出部205が算出を完了すると、その旨を推定部206に通知し、当該通知を受けた推定部206は、前記算出された各機器ID毎のユーザーの動線及び滞留時間に基づいて、所定の機器IDのWi−Fiセンサー11のエリアでユーザーが現実に行った行動情報を各機器ID毎に推定する(
図3:S106)。
【0041】
ここで、推定部206が推定する方法に特に限定は無い。例えば、推定部206は、位置情報504の種類や滞留時間505の長さに基づいてユーザーの行動情報を定義する。即ち、推定部206は、所定のメモリーに予め記憶された第一の行動情報テーブルを参照する。前記第一の行動情報テーブル600には、
図6Aに示すように、動線の一部を示す位置情報601と、当該位置情報601における滞留時間602と、この位置情報601及び滞留時間602から推定されるユーザーの行動情報603とが関連付けて記憶されている。例えば、位置情報の「D1」と滞留時間の「2分以上」には、「最も左側で遅めに移動」の行動情報が記憶され、位置情報の「D1」と滞留時間の「2分未満」には、「最も左側で早めに移動」の行動情報が記憶され、位置情報の「D2>D3」と滞留時間の「5分以上」には、「立ち止まって確認」の行動情報が記憶される。尚、行動情報は、Wi−Fiセンサー11の設置位置等に基づいて適宜設定される。推定部206は、前記算出された位置情報504及び滞留時間505と、前記第一の行動情報テーブル600の位置情報601及び滞留時間602とを照合し、当該照合した位置情報601及び滞留時間602に対応する行動情報603を取得する。これにより、ユーザーが行った具体的な行動を概算することが出来る。尚、推定部206が、各機器ID毎にユーザーの行動情報を推定する。
【0042】
さて、推定部206が推定を完了すると、その旨を分析部207に通知し、当該通知を受けた分析部207は、前記推定された各機器ID毎のユーザーの行動情報と、各機器ID毎に予め設定された、Wi−Fiセンサー11の設置の属性を示す設置属性情報とに基づいて、前記ユーザーの嗜好性を含むユーザー属性情報を分析する(
図3:S107)。
【0043】
ここで、分析部207が分析する方法に特に限定は無い。例えば、分析部207が、ユーザーの行動情報の種類に基づいてユーザー属性情報を定義する。例えば、分析部207が、所定のメモリーに予め記憶された第一のユーザー属性情報テーブルを参照する。前記第一のユーザー属性情報テーブル604には、
図6Bに示すように、行動情報605と、当該行動情報605から分析されるユーザー属性情報606とが関連付けて記憶される。ここで、ユーザー属性情報606には、ユーザーの性別606a及び年齢層606bが記憶されている。例えば、一般に、男性は右側通行で、女性は左側通行であるため、行動情報の「右側で遅めの移動」には、「男性」のユーザー属性情報が記憶され、行動情報の「最も左側で遅めの移動」には、「女性」のユーザー属性情報が記憶される。又、通路の通行位置は、年齢層に対応し、一般に、通路の中央は若者層が通行し、通路の端側は高齢層が通行する。そのため、行動情報の「最も左側で遅めの移動」には、「高齢層」のユーザー属性情報が記憶され、行動情報の「左側で遅めの移動」には、「若年層」のユーザー属性情報が記憶される。又、一般に、中堅層の通行は速いため、行動情報の「最も左側で速めの移動」には、「中堅層」のユーザー属性情報が記憶される。分析部207は、前記推定された行動情報と、前記第一のユーザー属性情報テーブル604の行動情報605とを照合し、当該照合した行動情報605に対応するユーザー属性情報606(性別606a、年齢層606b)を取得する。これにより、ユーザーの具体的な行動から、ユーザーの性別及び年齢層を概算することが出来る。
【0044】
又、分析部207が、前記メモリーに予め記憶された第二のユーザー属性情報テーブルを参照する。前記第二のユーザー属性情報テーブル607には、
図6Bに示すように、行動情報608と、当該行動情報608に対応する機器ID609と、当該機器ID609に対応する設置属性情報610と、当該行動情報608及び設置属性情報610から分析されるユーザー属性情報611とが関連付けて記憶される。ここで、ユーザー属性情報611には、ユーザーの嗜好性611aが記憶されている。例えば、行動情報の「立ち止まって確認」と設置属性情報の「車」には、「車嗜好者」のユーザー属性情報が記憶される。分析部207は、前記推定された行動情報及び機器IDと、前記第二のユーザー属性情報テーブル607の行動情報608及び機器ID609とを照合し、当該照合した行動情報608及び機器ID609に対応するユーザー属性情報611(嗜好性611a)を取得する。これにより、ユーザーの具体的な行動とWi−Fiセンサー11の具体的な設置属性情報から、ユーザーの嗜好性を含むユーザー属性情報を具体的に分析することが出来る。
【0045】
特に、本発明では、ユーザー端末10からユーザーの具体的な個人情報を取得する必要が無いため、マーケティングシステム1において個人情報の抵触無く、簡単に実施することが出来る。更に、無線機器11は、建物内や店舗内でも有効であるため、従来のマーケティングシステムでは捕捉しきれなかったユーザーの行動履歴及びユーザーの嗜好性を具体的に推定・分析することが可能となる。又、無線機器11の通信速度は速く、更に、無線機器11の電波受信圏は、比較的広範囲であることから、電波強度の経時的変化を把握することで、ユーザーの嗜好性を簡単に分析することが可能となる。
【0046】
さて、分析部207が分析を完了すると、その旨を通知部208に通知し、当該通知部208は、前記分析されたユーザー属性情報(ターゲット)に基づいて、当該ユーザー属性情報のユーザーに関連する関連情報を特定し、当該特定した関連情報における通知情報を、ネットワーク12を介して、前記ユーザー端末10が存在するエリアのWi−Fiセンサー11の近傍にある電子機器(デジタルサイネージ14)又は当該ユーザー端末10に通知し表示させる(
図3:S108)。
【0047】
ここで、通知部208が通知する方法に特に限定は無い。例えば、通知部208は、所定のメモリーに予め記憶された第一の関連情報テーブルを参照する。前記第一の関連情報テーブル700には、
図7Aに示すように、性別701a、年齢層701b、嗜好性701cを組み合わせたユーザー属性情報701と、当該ユーザー属性情報701のユーザーが興味を示すと考えられる関連情報702とが関連付けて記憶されている。例えば、性別「男性」と年齢層「中堅層」と嗜好性「車嗜好者」のユーザー属性情報には、「車買い替え情報」が記憶され、性別「男性」と年齢層「若者層」と嗜好性「車嗜好者」のユーザー属性情報には、「新車情報」が記憶される。通知部208は、前記分析された性別、年齢層、嗜好性のユーザー属性情報と、前記第一の関連情報テーブル700のユーザー属性情報701とを照合し、当該照合したユーザー属性情報701に対応する関連情報702を取得する。そして、通知部208は、予め登録されているデータベースを参照して、当該参照したデータベースから、前記取得した関連情報702に関連付けられたお知らせ情報、広告情報を通知情報として取得する。ここで、通知情報には、商品、サービス、エリア、売り場のリニューアル情報、クーポン情報、告知情報等が含まれる。
【0048】
尚、サーバー13がネットワーク12を介して他の端末装置のデータベースから情報を取得出来る場合、例えば、通知部208が、前記取得した関連情報702をキーワードにして、サーバー13又は他のサーバー上のデータベースから、当該関連情報702に関連付けられたお知らせ情報、広告情報を通知情報として検索して取得しても良い。
【0049】
さて、通知部208が前記通知情報を取得すると、当該通知情報を、ネットワーク12を介して、前記ユーザー端末10が存在するエリアのWi−Fiセンサー11に連動するデジタルサイネージ14に通知する。例えば、第二のWi−Fiセンサー11を通過したユーザーが、第三のWi−Fiセンサー11の電波受信圏内に入った場合、上述と同様に、当該第三のWi−Fiセンサー11とユーザー端末10が新たに近距離無線通信をする。すると、第三のWi−Fiセンサー11の送信部203を介して通信情報が収集部204へ送信される。そこで、通知部208は、これを検知して、デジタルサイネージの表示を制御する制御端末15を介して、前記第三のWi−Fiセンサー11にある第三のデジタルサイネージ14に通知情報を通知する。当該第三のデジタルサイネージ14の映像表示部209は、
図7Bに示すように、前記通知情報に対応する映像703(画面)を表示させる。これにより、ユーザーの過去の行動履歴(オフライン行動履歴)により分析された通知情報を、ユーザーのオンライン行動に合わせて表示させることが可能となり、効果的な宣伝広告を実現することが出来る。
【0050】
又、従来、駅、展示場、歩道等の所定のエリアに設けられたデジタルサイネージは、予め設定された映像や画面を一律に表示するため、ユーザーにとって目新しさに欠ける。本発明では、ユーザーの過去の行動履歴から分析したユーザーの嗜好性に合う映像や画面を表示させるため、ユーザーへインパクトのある情報提供を行うことが出来る。
【0051】
尚、制御端末15による通知情報の送信(映像配信)は、通常、放送信号を一般的な映像信号に変換するSTB(Set Top Box)を用いている。そのため、サーバー13と制御端末15との連動を円滑にするために、Webコンテンツを構成するテキスト、画像等のデジタルコンテンツを管理配信するCMS(Content Management System)を構築して、サーバー13から制御端末15へデジタルコンテンツ等のサービスをネットワーク12経由で提供するASP(Application Service Provider)提供としてもよい。
【0052】
又、前記第三のデジタルサイネージ14に第三のWi−Fiセンサー11が設けられていることから、当該第三のデジタルサイネージ14(第三のWi−Fiセンサー11)へのユーザー(ユーザー端末10)の近接度の程度に応じて、映像表示部209が、前記通知情報に対応する映像703を他の映像704に切り換えるよう構成しても良い。これにより、映像に対するユーザーの関心度を更に高めることが出来る。
【0053】
又、通知部208は、前記通信情報の端末IDに基づいて、当該端末IDのユーザー端末10に直接通知情報を通知し表示させても良い。例えば、通知部208が、前記通知情報を、ネットワーク12を介して、前記ユーザー端末10に通知すると、当該ユーザー端末10の表示部210が、前記通知情報を表示させる。ここで、前記表示される通知情報(画面)には、
図7Bに示すように、例えば、新車のお知らせ情報705(広告)である。これにより、ユーザーの嗜好性に応じた通知情報を効果的に通知することが可能となり、購買効果、集客効果の高い情報提供を行うことが出来る。
【0054】
又、上述のデジタルサイネージ14による映像(画面)の表示に対応させて、通知部208が、前記映像で表示出来ない(伝えきれない)通知情報を、前記ユーザー端末10の表示部210に表示させる。これにより、木目細かい情報提供が可能となる。
【0055】
又、通知部208は、ユーザー属性情報から導かれる言語(例えば、Wi−Fiセンサー11の設置属性情報から特定される言語)又はユーザー端末10に予め設定された言語に対応して、前記通知情報を翻訳し、当該翻訳後の通知情報を通知するよう構成しても良い。これにより、ユーザーが、例えば、観光客として様々な国へ旅行に行ったとしても、このマーケティングシステム1のあるエリアでは自分の言語で通知情報を確実に確認することが出来る。
【0056】
尚、ユーザー端末10の表示部210による通知情報の表示は、個人情報の取り扱いとの兼ね合いにより、例えば、特定のアプリケーションがダウンロードされたユーザー端末10のみに限定してもよい。
【0057】
ところで、上述した通信情報は、各端末ID毎に区別することが出来るため、サーバー13の分析部207は、所定の機器IDに対して、当該機器IDのWi−Fiセンサー11にユーザーが近接したことを示す電波強度(例えば、「Near」、「Immediate」)が関連付けられた端末IDの数を各機器ID毎に算出することで、各機器ID毎の端末IDの数を、当該機器IDの設置属性情報に対するユーザーの関心度として分析しても良い。例えば、第一のデジタルサイネージ14の画面が、第二のデジタルサイネージ14の画面よりも、ユーザーにとって魅力的であれば、当該第一のデジタルサイネージ14の第一のWi−Fiセンサー11に接近したユーザー端末10の数は、前記第二のデジタルサイネージ14の第二のWi−Fiセンサー11に接近したユーザー端末10の数よりも多くなる。このように、従来のデジタルサイネージでは解析できなかった接近したユーザーの数を概算することで、各デジタルサイネージ14毎の画面(コンテンツ)の集客効果を視覚的に算出することが可能となる。又、接近したユーザー端末10のユーザー属性情報を掛け合わせれば、各デジタルサイネージ14毎の画面に対して、どのような属性のユーザーが集まり易いかを把握・分析することが可能となる。尚、上述では、ユーザー属性情報として、性別、年齢層、嗜好性を含んだが、性別又は嗜好性のみでも構わない。
【0058】
ところで、上述したマーケティングシステム1は、展示会のデジタルサイネージ14に応用することが出来る。例えば、
図8Aに示すように、展示会800の各ブース毎にデジタルサイネージ14及びWi−Fiセンサー11を設置する。ここで、デジタルサイネージ14の画面(設置属性情報)と、Wi−Fiセンサー11の機器IDとを予め関連付けておく。そして、この展示会800に来たユーザーがユーザー端末10を持って、所定数のデジタルサイネージ14を閲覧すると、分析部207が、前記ユーザーが閲覧したデジタルサイネージ14をユーザー属性情報として分析する。そして、このユーザーが、所定のデジタルサイネージ14(Wi−Fiセンサー11)に接近した際に、通知部208が、前記ユーザーの行動情報と、前記ユーザー属性情報とに基づいて、前記ユーザーが閲覧していないデジタルサイネージ14の画面を関連情報として特定し、当該デジタルサイネージ14の画面を通知情報として、今ユーザーが接近したデジタルサイネージ14に通知する。これにより、ユーザーに、閲覧していないデジタルサイネージ14の画面をタイミングよく表示させることが可能となる。
【0059】
又、上述したマーケティングシステム1は、デジタルサイネージ14を用いた遊びに応用することが出来る。例えば、
図8Bに示すように、所定の会場801の入口にデジタルサイネージ14及びWi−Fiセンサー11を設置するとともに、当該会場801内の所定位置にWi−Fiセンサー11(及びデジタルサイネージ14)を複数設置する。ここで、ユーザー端末10を有するユーザーが入口のデジタルサイネージ14(Wi−Fiセンサー11)に接近すると、分析部207が、前記ユーザーの性別を含むユーザー属性情報を分析し、通知部208は、当該ユーザー属性情報に応じて異なる画面を前記デジタルサイネージ14に通知する。この画面は、ユーザーに対するミッション映像であり、このミッション映像を見たユーザーは、ユーザー端末10に、当該ミッション映像のQRコード(登録商標)で指示されたアプリケーションをダウンロードする。そして、ユーザーは、このアプリケーションを使って、会場801内の特定のWi−Fiセンサー11を見つける(近づく)と、このミッションは完了する。特定のWi−Fiセンサー11の識別は、設置属性情報によりなされる。ミッション開始からミッション完了(発見)までの時間をユーザー端末10毎に計測して、ランキング表示しても良い。
【0060】
ところで、無線機器11がBeacon端末である場合について説明する。この場合であっても、上述と同様の作用効果を有する。先ず、
図1、
図2に示すように、所定のエリアに設けられたBeacon端末11の第二の通信部202は、当該Beacon端末11の機器IDを含む電波を定期的に発信している(
図3:S101)。
【0061】
ユーザー端末10を携帯したユーザーが前記エリアに入ると、当該ユーザー端末10の第一の通信部201が、前記発信される電波を受信し(
図3:S102)、ユーザー端末10の第一の通信部201とBeacon端末11の第二の通信部202とが近距離無線通信(BLE通信)をする。
【0062】
ここで、ユーザー端末10の第一の通信部201が前記電波を受信すると、その旨をユーザー端末10の送信部203に通知し、当該送信部203は、上述と同様に、前記ユーザー端末10の端末IDと、前記機器IDと、前記電波強度(RSSI)とを含む通信情報をネットワーク12を介してサーバー13に送信する(
図3:S103)。
【0063】
このユーザー端末10とサーバー13との通信は、例えば、LTE(Long Term Evolution)による通信、3G(3rd Generation)回線経由の通信、無線LANによる通信等を挙げることが出来る。LTEとは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて標準化された第3世代の移動体通信システムの通信規格であり、3G回線は、第3世代の携帯電話方式の総称である。
【0064】
ここで、送信部203は、前記受信された電波に含まれる機器ID(例えば、MACアドレス、「AAA」)を取得するとともに、当該電波強度(例えば、「Far」)を取得する。次に、送信部203は、ユーザー端末10の所定のメモリーに予め記憶された端末ID(「aaa」)を取得し、これらを含む通信情報をネットワーク12を介してサーバー13に送信する。
【0065】
ここで、無線機器11がBeacon端末11である場合は、ユーザー端末10が送信部203を備えるため、当該無線機器11は第二の通信部202のみを備えていれば足りることになる。言い換えると、無線機器11に複雑な機能や配線が不要となる。又、電波を定期的に発信する第二の通信部202に要する消費電力は、BLE通信により、他の部と比較して少なくて済む。例えば、乾電池だけでも、無線機器11の第二の通信部202の電波発信は、数年間継続することが出来る。一方、第一の通信部201と送信部203と表示部208は、ユーザー端末10に予め設けられている部材やアプリケーションソフトの駆動により代替することが出来る。そのため、無線機器11がBeacon端末である場合は、本発明に係るマーケティングシステム1を更に簡単に実施することが可能となる。尚、この後のS104〜S108の処理は、上述と同様であるため、省略する。
【0066】
ところで、上述では、デジタルサイネージ14と無線機器11とを組み合わせたマーケティングシステム1について説明したが、デジタルサイネージ14が無くても構わない。例えば、無線機器11が、店舗における商品の売り場の近傍に設置された場合は、下記のようになる。例えば、
図9Aに示すように、所定の店舗(例えば、百貨店)の売り場の各エリア毎にBeacon端末11が設置されている。当該Beacon端末11の第二の通信部202は、定期的に電波を発信している(
図3:S101)。ユーザー端末10を有するユーザーが、第一の売り場900に入ると、当該ユーザー端末10の第一の通信部201が、前記第一のBeacon端末11の第二の通信部202の電波を受信し(
図3:S102)、ユーザー端末10の送信部203が、当該ユーザー端末の端末IDと、前記Beacon端末11の機器IDと、当該電波強度とを含む通信情報をネットワーク12を介してサーバー13へ送信する(
図3:S103)。収集部204は、前記受信した通信情報の端末IDにおける電波強度の経時的な変化を各機器ID毎に収集する(
図3:S104)。
【0067】
ここで、ユーザーが、第一の売り場900に入り、前記第一のBeacon端末11の電波強度が「Near」である所定の商品(例えば、プラモデル)の商品棚へ移動し、特定の商品を選択して、前記第一のBeacon端末11の電波強度が「Immediate」であるレジへ行ったとする。すると、収集部204は、前記第一のBeacon端末11の機器ID(「AAA」)における電波強度の変化に応じて、
図9Bに示すように、第二の通信情報テーブル400の電波強度「Near」に、これに対応する受信時刻「17:03」を記憶させ、電波強度「Immediate」に、これに対応する受信時刻「17:25」を記憶させる。
【0068】
又、レジへ行ったユーザーが前記商品を購入して、第一の売り場900を立ち去り、
図9Aに示すように、第二の売り場901へ入り、第二のBeacon端末11の電波強度が「Far」である商品棚の商品(例えば、高解像度カメラ)を眺めて、立ち去ったとする。すると、収集部204は、前記第二のBeacon端末11の機器ID(「BBB」)における電波強度の変化に応じて、
図9Bに示すように、第二の通信情報テーブル400の電波強度「Far」に、この受信時刻「20:00」を記憶させ、電波強度「Far_out→Unknown」に、この受信時刻「20:15」を記憶させる。
【0069】
そして、算出部205は、前記収集された各機器ID毎の電波強度の経時的な変化に基づいて、前記ユーザーの動線及び滞留時間を各機器ID毎に算出し(
図3:S105)、
図9Bに示すように、算出した動線の一部(位置情報)504(例えば、「AAA+D2>D3」)及び滞留時間505(例えば、「20分」)を前記第二の通信情報テーブル400に記憶させる。
【0070】
ここで、商品の売り場における第二の行動情報テーブル1000には、
図10Aに示すように、位置情報の「D1>D2」と滞留時間の「10分以上」には、「商品の確認(閲覧)」の行動情報が記憶され、位置情報の「D3>」と滞留時間の「1分以上」には、「商品の購入」が記憶される。推定部206が、前記第二の行動情報テーブル1000を参照し、前記算出された各機器ID毎のユーザーの動線及び滞留時間に基づいて前記ユーザーの行動情報を各機器ID毎に推定する(
図3:S106)。特に、ユーザーの動線及び滞留時間から、ユーザーが現実に行った具体的な行動(購入)を推定することで、例えば、POS(Point of Sale)との連携も不要となる。
【0071】
又、第三のユーザー属性情報テーブル1001には、
図10Bに示すように、行動情報の「商品の選択」及び「商品の購入」に対応する機器IDの「AAA」と位置情報の「D2>D3」に、「玩具」の設置属性情報が記憶され、行動情報の「商品の選択」に対応する機器IDの「BBB」と位置情報の「D1>D2」に、「カメラ」の設置属性情報が記憶される。尚、行動情報の「商品の購入」だけでは、ユーザーが何を商品として購入したか分析することが出来ないため、例えば、分析部207が、「商品の購入」の直近の「商品の選択」の行動情報とこの機器IDと位置情報とを用いて、ユーザーが商品を選択していた商品棚(設置属性情報)を分析する。所定の機器IDにおいて「商品の購入」の行動情報が存在する場合、この機器IDにおいて「商品の選択」の行動情報に対応する商品をユーザーが全て購入したと分析しても良い。そして、2つの設置属性情報(「玩具」、「カメラ」)に対応して、「オタク」のユーザー属性情報が記憶される。この「オタク」とは、アニメやパソコン等の玩具やサブカルチャーのファンを意味する。例えば、ユーザーが、プラモデルを購入し、カメラを見回ると、このユーザーはオタクと分析される。
【0072】
又、行動情報の「商品の選択」及び「商品の購入」に対応する機器IDの「CCC」と位置情報の「D1>D2」に、「美容器」の設置属性情報が記憶され、行動情報の「商品の選択」に対応する機器IDの「DDD」と位置情報の「D2>D3」に、「掃除機」の設置属性情報が記憶される。そして、この2つの設置属性情報(「美容器」、「掃除機」)に対応して、「綺麗好き」のユーザー属性情報が記憶される。この「綺麗好き」とは、美容や掃除に興味のある人を意味する。例えば、ユーザーが、美容肌スチーマを購入し、掃除機を見回ると、このユーザーは綺麗好きと分析される。このように、複数の具体的な行動情報と、これに対応する機器IDの設置属性情報とを考慮することで、ユーザーの嗜好性を精度高く分析することが可能となる。
【0073】
そして、第二の関連情報テーブル1100には、
図11Aに示すように、「オタク」のユーザー属性情報(嗜好性)に、「アニメ」の関連情報が記憶され、「綺麗好き」のユーザー属性情報に、「美容」の関連情報が記憶される。通知部208は、前記第二の関連情報テーブル1100を用いて、前記分析されたユーザー属性情報に対応する関連情報(例えば、「アニメ」)を特定し、当該特定した関連情報における通知情報を、ネットワーク12を介して、前記ユーザー端末10に通知する(
図3:S108)。
【0074】
ここで、通知部208が通知するタイミングに特に限定は無い。例えば、ユーザーが、ユーザー端末10の表示部210を用いて特定のウェブサイトを閲覧した際に、通知部208が、当該特定のウェブサイトの閲覧を検知して、このユーザー端末10に前記通知情報を送信する。前記ユーザー端末10の表示部210は、前記特定のウェブサイト上に前記通知情報を表示する。ここで、前記表示させる通知情報(画面)は、例えば、
図11Bに示すように、「アニメ」に対応して、特定のアニメの新商品の販売情報1101やアニメ専門店の特定のアニメグッツの割引情報1102(広告)である。これにより、ユーザーの嗜好性(趣向)に応じた通知情報を効果的に通知することが可能となり、購買効果、集客効果の高い情報提供を行うことが出来る。
【0075】
又、例えば、「オタク」のユーザーが、再度、売り場900に入った際に、通知部208が、第一のBeacon端末11を介して、収集部204から端末ID(「aaa」)を含む通信情報を検知する。次に、通知部208が、当該端末ID(「aaa」)を用いて、前記ユーザー端末10の通知先情報(例えば、メールアドレス、電話番号等)を特定し、当該特定したユーザー端末10の通知先情報に対応して、前記通知情報を送信可能な電子データ(例えば、電子メール、Cメール等)に変換する。そして、通知部208は、前記通知先情報のユーザー端末10に前記変換した電子データを送信する。これを受けたユーザー端末10の表示部210は、前記電子データに対応する通知情報を表示する。これにより、再度、来店したユーザーにリアルタイムに前記通知情報をプッシュ送信することが可能となり、より効果の高い情報提供を行うことが可能となる。又、ユーザーのオフライン行動履歴により分析されたユーザー属性情報を効率よく活用することが出来る。
【0076】
又、例えば、「オタク」のユーザーが、「アニメ」に関係する売り場に入った際に、当該売り場に設置されたBeacon端末11を介して、通知部208が、前記端末ID(「aaa」)を含む通信情報を検知し、当該ユーザーのユーザー端末10に前記通知情報を通知する。これにより、ユーザーの売り場での現実の行動に合わせて、当該ユーザーの嗜好性に合う最適な通知情報を提供することが可能となる。
【0077】
又、分析部207は、更に、他の分析方法を採用しても良い。例えば、分析部207は、前記端末ID(「aaa」)に基づいて、ユーザーが前記ユーザー端末10を用いてネットワーク12上で現実に行った操作を示す操作情報を抽出する。この操作情報は、例えば、ネットワーク12上のウェブサイトの閲覧履歴(例えば、アニメ「KKK」のHP)、ネットワーク12上のアプリケーションのダウンロード履歴(例えば、アニメ「KKK」のゲームアプリケーション)を含む。そして、分析部206は、前記抽出した操作情報と、各機器ID毎のユーザーの行動情報と、各機器ID毎の設置属性情報とに基づいて、前記ユーザーのユーザー属性情報を分析する。
【0078】
例えば、分析部207が、前記操作情報から、一部又は全部の操作情報に共通するキーワード(例えば、アニメ「KKK」)を抽出するとともに、第三のユーザー属性情報テーブル1001から、「オタク」のユーザー属性情報を取得する。そして、分析部207は、前記抽出したキーワード(アニメ「KKK」)とユーザー属性情報(「オタク」)とを掛け合わせることで、当該ユーザー属性情報を当該キーワードの分野に限定する。
【0079】
又、「綺麗好き」のユーザーが、自己のユーザー端末10を用いて、美容系の機器の記事のウェブサイトを閲覧している場合、分析部207は、この閲覧履歴(美容系の機器のHP)から、共通のキーワード(「美容系の機器」)を抽出し、当該抽出したキーワード(「美容系の機器」)の分野に前記「綺麗好き」を限定する。
【0080】
これにより、ユーザーの現実の行動情報とネットワーク12上の操作情報(履歴情報)を考慮して、更に詳細にユーザー属性情報を分析することが可能となる。そして、通知部208が、このキーワードの分野(アニメ「KKK」)に限定されたユーザー属性情報(「オタク」)の関連情報(「アニメ」)に対応して、所定の通知情報(アニメ「KKK」の最新広告)を通知する。これにより、ユーザーの一番購買意欲のある情報をより効果的に提供することが可能となる。
【0081】
又、分析部207は、前記端末IDのユーザー端末10に予め設定されたユーザー設定情報を抽出し、当該抽出したユーザー設定情報を用いて前記ユーザー属性情報を分析しても良い。ここで、ユーザー設定情報は、例えば、ユーザーが自ら入力した性別、年齢、所在地、国籍等を挙げることが出来る。又、分析部207が、前記無線機器11の機器IDに基づいて、当該無線機器11が設置されたエリアの店舗の店舗属性情報を抽出し、当該抽出した店舗属性情報を用いて前記ユーザー属性情報を分析しても良い。ここで、店舗属性情報は、例えば、店舗の分類、種類、品数、商品性質、サービス性質等を挙げることが出来る。
【0082】
又、本発明の実施形態では、無線機器11がWi−Fiセンサーである場合とBeacon端末である場合とで区別した構成としたが、他の構成でも構わない。例えば、Wi−FiセンサーとBeacon端末とを切り換え可能な無線機器11も存在するため、これを利用すれば、同じ無線機器11で、Wi−Fiセンサーにおける処理でも、Beacon端末における処理でも対応することが可能となる。
【0083】
尚、上述の売り場では、1つの無線機器11を設置するよう構成したが、例えば、1つの売り場に存在する複数の商品棚のそれぞれに1つの無線機器11を設置しても良い。これにより、ユーザーの行動位置をより詳細に推定することが出来て、ユーザーの動線情報を得やすくなる。又、一つの売り場にWi−FiセンサーとBeacon端末とを組み合わせて設置しても良い。例えば、一つの売り場のうち、レジの近傍には、送信部203を有するWi−Fiセンサーを設置し、各商品棚には、安価なBeacon端末をそれぞれ設置しても良い。Wi−Fiセンサーによりユーザーの商品の購入を確実に捕捉するとともに、Beacon端末によりユーザーの商品への興味(関心、閲覧)をきめ細かく検出することが可能となる。
【0084】
又、複数の異なる無線機器11の電波受信圏の一部を相互に重なるように複数の無線機器11を各エリア毎に設置し、複数の無線機器11の通信情報を利用すれば、ユーザーの動線の全部又は一部を更に詳細に算出することが出来る。例えば、
図12に示すように、所定の無線機器11の電波受信圏の「Far」が、異なる二つの他の無線機器11の電波受信圏の「Near」と重複するとともに、当該無線機器11の電波受信圏の「Near」が、異なる二つの他の無線機器11の電波受信圏の「Far」と重複している。この場合、重複する電波受信圏にユーザーのユーザー端末10が入ると、同一(同等)の受信時刻において、当該ユーザー端末10の同一の端末ID(「aaa」)に対して、複数(3つ)の通信情報が得られる。例えば、この通信情報は、機器IDが「AAA」で、電波強度が「Near」であり、機器IDが「BBB」で、電波強度が「Far」であり、機器IDが「CCC」で、電波強度が「Far」である。そこで、算出部205が、それぞれの機器IDの無線機器11を中心に、それぞれの電波強度に対応する距離を半径とする複数の円1200、1201、1202を仮想的に描く。電波強度が「Near」であれば、距離「D2>D3」を半径とし、電波強度が「Far」であれば、距離「D1>D2」を半径とする。そして、算出部205は、描いた複数の円1200、1201、1202の重なる部分1203の重心位置1204を、特定の受信時刻におけるユーザーの動線の一部(位置情報)として算出する。これにより、ユーザーの動線の一部を具体的に特定することが出来る。
【0085】
又、特定の受信時刻において2つの異なる通信情報が存在する場合であっても、算出部205が、各機器ID毎の電波強度の経時的な変化を利用して、前記ユーザーの動線の一部(位置情報)を概ね算出することは可能である。特定の受信時刻において3つ以上の複数の異なる通信情報が存在すると、前記描いた複数の円の重なる部分が一箇所に限定されるため、好ましい。
【0086】
又、前記ユーザーの動線の一部又は全部が精度高く算出することが出来れば、当該ユーザーの行動情報を関連付け易くなる。例えば、ユーザーの動線の一部が特定のデジタルサイネージ14又は商品棚の近傍にあったことを算出することで、ユーザーが単に通りがかっただけなのか、ユーザーが現実にデジタルサイネージ14や商品棚に立ち寄って確認したのかを区別して、具体的に特定することが可能となる。そのため、ユーザー属性情報をより具体的に分析することが出来る。
【0087】
尚、上述では、ユーザーの動線の一部(位置情報)を、機器IDと電波強度の距離との組み合わせで表示しているが、他の構成でも良い。例えば、機器IDに対して、当該機器IDの無線機器11が設置された具体的な位置情報(例えば、経度及び緯度、GPS座標値等)を予め関連付けておけば、機器IDの位置情報と電波強度の距離とに基づいた具体的なユーザーの位置情報(数値)を、前記ユーザーの動線の一部として絞り込むことが出来る。
【0088】
又、本発明の実施形態では、マーケティングシステム1のユーザー端末10、無線機器11、サーバー13が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを装置に読み出させ、当該装置が前記各部を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各部が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【解決手段】送信部203は、無線機器11とユーザー端末10とが電波を介して近距離無線通信をすると、ユーザー端末10の端末IDと、無線機器11の機器IDを含む通信情報をネットワーク12を介してサーバー13へ送信する。収集部204は、端末IDにおける電波強度の経時的な変化を各機器ID毎に収集する。算出部205は、所定の機器IDの無線機器のエリアでユーザーが移動した動線及び当該動線の一部に滞留した滞留時間を算出する。推定部206は、所定の機器IDの無線機器のエリアでユーザーが行った行動情報を各機器ID毎に推定する。分析部207は、推定された各機器ID毎のユーザーの行動情報と、各機器ID毎に予め設定された設置属性情報とに基づいて、ユーザーの嗜好性を含むユーザー属性情報を分析する。