(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713356
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】封緘セット
(51)【国際特許分類】
G09F 3/03 20060101AFI20150416BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20150416BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20150416BHJP
B65D 27/28 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
G09F3/03 D
G09F3/00 S
B65D5/66 331A
B65D27/28
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-141787(P2012-141787)
(22)【出願日】2012年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-6373(P2014-6373A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2014年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150348
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】永友 伶奈
(72)【発明者】
【氏名】土肥 優
(72)【発明者】
【氏名】小▲崎▼ 花音
(72)【発明者】
【氏名】木村 友美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 優音
(72)【発明者】
【氏名】大石 来未
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−137397(JP,A)
【文献】
実開昭50−32400(JP,U)
【文献】
実開平6−37124(JP,U)
【文献】
実開平6−65220(JP,U)
【文献】
特開2000−72175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00−5/04
B65D 5/66
B65D 27/28
C09J 7/00−7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール基材の幅方向中間部とその両側の幅方向両側部との境界に、前記シール基材の長手方向に沿って2本の分断線が形成され、前記幅方向中間部は、裏面が非粘着面の開封用帯状部とされ、前記幅方向両側部は、裏面が粘着面の貼付け部とされ、前記幅方向中間部を、前記両分断線を介して前記幅方向両側部から分断可能とした封緘シールと、
前記開封用帯状部の一端部に結合可能な持ち手片と
を備える封緘セット。
【請求項2】
前記分断線が、ミシン目及び切込みの少なくともいずれかである、
請求項1に記載の封緘セット。
【請求項3】
前記シール基材が、テープ状に巻回されている、
請求項1または2に記載の封緘セット。
【請求項4】
前記開封用帯状部の表面にジッパー模様が形成されている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の封緘セット。
【請求項5】
前記持ち手片は、その裏面に粘着面を備えたシート片からなり、その粘着面を介して前記開封用帯状部の一端部に貼付け結合される、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の封緘セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒、包装袋、包装箱などの封緘に用いる封緘シー
ルを含む封緘セットに関する。
【背景技術】
【0002】
封筒などの封緘には封緘シールが用いられるが(例えば、特許文献1参照)、開封する際には、封緘シールを簡単に剥がすことができず、手で無理に剥がすと往々にして貼り付けた封筒までも破いてしまいやすいものであった。また、綺麗に開封するには、カッタやハサミなどの器具を用いればよいが、これら器具を準備する必要があると共に、開封に手間がかかるものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−22775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、開封を簡単かつ綺麗に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0006】
(1)本発明の封緘
セットは、シール基材の幅方向中間部とその両側の幅方向両側部との境界に、前記シール基材の長手方向に沿って2本の分断線が形成され、前記幅方向中間部は、裏面が非粘着面の開封用帯状部とされ、前記幅方向両側部は、裏面が粘着面の貼付け部とされ、前記幅方向中間部を、前記両分断線を介して前記幅方向両側部から分断可能としている
封緘シールと、前記開封用帯状部の一端部に結合可能な持ち手片とを備えている。
【0007】
本発明によると、対象物に貼り付けられた封緘シールにおける開封用帯状部を、その端部から分断線に沿って引き裂き除去することで、封緘シールを幅方向中間部で分断して簡単かつ綺麗に開封することができる。
また、封緘シールにおける開封用帯状部の一端部に持ち手片を予め結合して、対象物に封緘シールを貼り付けることで、開封用帯状部の引き裂き始め、および、その後の分断線に沿った引き裂きを、持ち手片を摘んで容易に行うことができる。特に、開封用帯状部にジッパー模様が付されている場合には、あたかもジッパーを開くような感覚で面白く開封することができる。
【0008】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記分断線が、ミシン目及び切込みの少なくともいずれかである。
【0009】
この実施態様によると、対象物に貼り付けられた封緘シールにおける開封用帯状部を、その端部からミシン目および切込みのいずれか一方に沿って引き裂き除去することで、封緘シールを幅方向中間部で簡単かつ綺麗に分断することができる。
【0010】
(3)本発明の他の実施態様では、前記シール基材が、テープ状に巻回されている。
【0011】
この実施態様によると、長尺のシール基材をコンパクトに巻回収納しておき、必要な長さだけシール基材を引き出して切断し、対象物の封止箇所に過不足なく貼り付けることができる。
【0012】
(4)本発明の他の実施態様では、前記開封用帯状部の表面にジッパー模様が形成されている。
【0013】
この実施態様によると、対象物の封緘箇所を見ると、ジッパー文様の開封用帯状部が目につき、興味深く開封操作を行うことになる。
【0017】
(
5)本発明の好ましい実施態様では、前記持ち手片は、その裏面に粘着面を備えたシート片からなり、その粘着面を介して前記開封用帯状部の一端部に貼付け結合される。
【0018】
この実施態様によると、持ち手片を開封用帯状部の一端部に簡単な操作で結合することができる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、貼り付けられた封緘シールにおける開封用帯状部を、その端部から分断線に沿って引き裂き除去することで、封緘シールを幅方向中間部で分断して簡単かつ綺麗に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は本発明に係る封緘シールの外観斜視図である。
【
図2】
図2は封緘シールの一部と持ち手片を示す平面図である。
【
図4】
図4は持ち手片の保持状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は持ち手片の結合操作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に、本発明の一実施形態に係る封緘シールの外観が、また、
図2に、封緘シールの一部がそれぞれ示されており、
図3に、縦断正面図が示されている。
【0023】
この実施形態の封緘シール1は、ロール状に巻回されており、この巻回された封緘シールと複数の持ち手片2とが封緘セットとして、包装箱や包装袋に入れてユーザーに販売提供される。
【0024】
封緘シール1は、紙製あるいは樹脂フィルムからなるテープ状のシール基材3の幅方向中間部の両側に、長手方向に沿う2本の分断線としてのミシン目4を形成し、これらミシン目4の両側における貼付けシート部3aの裏面に粘着面5を備え、裏面全体を剥離紙6で被覆したものである。両ミシン目4の間に形成される開封用帯状部3bをミシン目4に沿って引き裂き除去することで、シート基材3を幅方向の中間部で分断することができるようになっている。
【0025】
なお、ミシン目4は、周知の仕様のものを適宜選択することができるが、引き裂きミスの発生が無く、確実に連続して引き裂くことができると共に、開封の感触を得られるものとして、例えば、
図2中に示すように、Y形の切込みを縦列形成したものが好適である。分断線は、ミシン目に限らず、切込みやスリットなどであってもよい。
【0026】
シート基材3における貼付けシート部3aの表面には、デニム地などの布地を想起させる色合い、あるいは、織り目模様に印刷されると共に、両貼付けシート部3aの間に位置する開封用帯状部3bの表面には、その長手方向に沿ってジッパー模様Zが印刷されている。
【0027】
持ち手片2は、
図4に示すように、表面が剥離面に形成された台紙7に貼付け保持されたシート片として構成されており、その表面には、ジッパーに付けられる持ち手が、その表裏を展開した状態で印刷されていると共に、裏面には粘着面8が備えられている。
【0028】
この持ち手片2の製作においては、
図4に示すように、表面に持ち手が印刷されると共に、裏面全体が粘着面8に構成された素材用シート9を台紙7に貼り合せた上で、素材シート9上から持ち手片2bの外形に沿ったハーフカット加工が施される。なお、
図4は、10枚の持ち手片2を貼付け保持した台紙7を二つ折りした状態が示されている。
【0029】
この実施形態の封緘シールおよび封緘セットは以上のように構成されており、ロール巻きされた封緘シール1を必要長さだけ繰り出して切断する。切断した封緘シール1の剥離紙6をめくり取って、貼付けシート部3aの粘着面5を露出させると共に、切断した封緘シール1における開封用帯状部3bの一端に、台紙7からめくり取った持ち手片2を貼付け結合する。
【0030】
この場合、
図5に示すように、表裏展開状態の持ち手片2をその中間部で裏面側に二つ折りし、開封用帯状部3bの端部を挟み込んで貼合せ結合する。この場合、二つ折りにする中間部にミシン目を形成して折り易くするのが好ましい。
【0031】
このように所望の長さに切断して持ち手片2を取り付けた封緘シール1を、封緘箇所に貼付ける。例えば、封筒の封緘においては、
図6(a)に示すように、封筒本体10の裏面と折り重ね片10aに亘って封緘シール1を貼付ける。このように貼り付けた封緘シール1は、持ち手片2をつまんでシール長手方向に引くことで、開封用帯状部3bがミシン目4に沿って引き裂かれながら取り除かれ、
図6(b)に示すように、封緘シール1はその幅方向中間において貼付けシート部分3aを貼付け対象箇所に残したまま分断される。これによってカッターやハサミなどの器具を要することなく簡単かつ綺麗に開封することができる。
【0032】
また、包装箱の封緘においては、
図7に示すように、包装箱11のフラップ11aの突き合わせ辺に沿って封緘シール1を貼り付ける。
【0033】
この場合、開封用帯状部3bにはジッパー模様Zが付されていると共に、その端部に持ち手片2が備えられているので、あたかもジッパーを引き開くような感覚で開封することができる。また、ミシン目4の切り裂きの感触や音が心地よく響き、心楽しく開封操作を行うことができる。
【0034】
なお、添付された持ち手片2を使い切っても、封緘シール1だけを貼付け使用することはできる。この場合、開封に際しては、最初に開封用帯状部3bの一端を手指で引き裂いてめくり上げる手間は必要となるが、以降の開封操作は上記と同様に簡単かつ軽快に行うことができる。
【0035】
また、開封した後には、開封用帯状部3bがミシン目4で分断されるので、再び、封緘することは困難であり、不正な開封を防止することもできる。
【0036】
〔他の実施形態〕
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0037】
(1)封緘シール1を、裏面に剥離紙6を備えないものに製作し、芯材に封緘シール1を巻回して、貼付けシート部分3aの粘着面5を介してロール状に貼り合せ積層することもできる。
【0038】
(2)封緘シール1の製造では、裏面全体に粘着剤を塗布した後に、開封用帯状部3bに対応する幅方向中間部に対応するように、非粘着剤を塗布してもよいし、あるいは、裏面の幅方向の両側部のみに粘着剤を塗布して粘着面としてもよい。
【0039】
(3)本発明に係る封緘シールはその長さに制約はないが、その横幅は、例えば、10〜数十mm程度のものを複数種用意して、広汎な封緘対象に対応できるようにするとよい。
【0040】
(4)本発明の封緘シールは主として封筒、包装袋、包装箱、などの封緘に利用されるものであるが、
図8に示すように、左右から折り込んだ広告やダイレクトメールにおける綴じ込みに利用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 封緘シール
2 持ち手片
3 シート基材
3a 貼付けシート部
3b 開封用帯状部
4 ミシン目
5 粘着面
7 台紙
8 粘着面
Z ジッパー模様