特許第5713358号(P5713358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713358
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】放射能測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 7/00 20060101AFI20150416BHJP
   G01T 1/167 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   G01T7/00 A
   G01T1/167 C
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-178333(P2012-178333)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-35332(P2014-35332A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2013年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】710002462
【氏名又は名称】セイコー・イージーアンドジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】板津 英輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸嗣
【審査官】 秋田 将行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−034763(JP,A)
【文献】 特開平09−129857(JP,A)
【文献】 特開平09−243792(JP,A)
【文献】 特開2000−121735(JP,A)
【文献】 特開2000−131443(JP,A)
【文献】 特開2002−022841(JP,A)
【文献】 特開2004−177250(JP,A)
【文献】 特開2006−041517(JP,A)
【文献】 特開2008−209294(JP,A)
【文献】 特開2011−075464(JP,A)
【文献】 特開2011−128052(JP,A)
【文献】 特開2012−073186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00−7/12
G21F 1/00−7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線検出器と、該放射線検出器を内部に収容して放射線を遮蔽する遮蔽体と、を備える放射能測定装置であって、
前記遮蔽体は分割可能な複数の部材を備え、
前記複数の部材の各々は、各表面を被覆する非導電性の塗膜を備え、
前記放射線検出器と前記複数の部材とを同電位にする導通部を備えることを特徴とする放射能測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放射能測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、放射線検出器および測定部を物理的かつ電気的に保護する保護ケース内に収容し、保護ケースの内面を成す金属層と、放射線検出器の共通電位の電圧線と、測定部の共通電位の電圧線とを、接地電極に接地する放射線モニタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば、放射線を遮蔽する遮蔽体の内部に放射線検出器および試料容器を収容し、遮蔽体および試料容器を同電位かつ放射線検出器に対して絶縁し、遮蔽体および試料容器と放射線検出器とを、測定部接地線と検出部接地線とによって、互いに独立に接地する放射性ガスモニタが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−209294号公報
【特許文献2】特開2011−128052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る放射線モニタおよび放射性ガスモニタにおいては、箱型の筐体を保護ケースおよび遮蔽体とし、この筐体と、この筐体の内部に収容された収容物とを、共通電位に接地するだけであり、筐体を絶縁性被膜を有する複数の部材に分割可能とした場合の複数の部材の接地については何等考慮されていない。
例えば、鉛および鋼材などの遮蔽材からなる放射線の遮蔽体の重量が増大することに伴い、遮蔽体が複数の部材に分割可能とされ、各部材の表面が腐食防止用などの非導電性の塗膜によって被覆されている場合には、単に複数の部材を組み合わせて遮蔽体を組み立てるだけでは、複数の部材を同電位にすることができない虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、遮蔽体を形成する複数の部材を同電位とし、ノイズ耐性を向上させることが可能な放射能測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1の発明に係る放射能測定装置は、放射線検出器(例えば、実施の形態での放射線検出器11)と、該放射線検出器を内部に収容して放射線を遮蔽する遮蔽体(例えば、実施の形態での放射線遮蔽体15)と、を備える放射能測定装置であって、前記遮蔽体は分割可能な複数の部材(例えば、実施の形態での遮蔽体本体31、遮蔽体開閉扉32、ヒンジ33、遮蔽体プラグ34、架台37、ベース38、検出器台39、第1部材51、第2部材52、第3部材53)を備え、前記複数の部材の各々は、各表面を被覆する非導電性の塗膜を備え、前記放射線検出器と前記複数の部材とを同電位にする導通部(例えば、実施の形態での接続線25、電線26、接地部30、ボルト71、電線72、ワッシャ73、プレート74、第2ボルト75、被覆層76、導電性被覆77、スペーサー部材78、導電性突出部79、接地部材80)を備えることを特徴とする放射能測定装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の第1の発明に係る放射能測定装置によれば、遮蔽体を形成する複数の部材のそれぞれの表面が腐食防止用などの非導電性の塗膜によって被覆されている場合であっても、導通部を備えることによって、放射線検出器と複数の部材とを同電位にすることができる。これにより、放射線検出器に対する外来ノイズの混入を防止し、放射線検出器の検出分解能および検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る放射能測定装置の構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係る放射線遮蔽体および放射線検出器の配置を示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る放射線遮蔽体および放射線検出器の配置を示す断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る放射線遮蔽体の平面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る放射線遮蔽体の一部を示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る放射線遮蔽体に設けられた接地部を示す平面図および断面図である。
図7】本発明の実施の形態の第1変形例に係る放射線遮蔽体に設けられた接地部を示す平面図および断面図である。
図8】本発明の実施の形態の第2変形例に係る放射線遮蔽体の一部を示す断面図である。
図9】本発明の実施の形態の第3変形例に係る放射線遮蔽体の一部を示す断面図である。
図10】本発明の実施の形態の第4変形例に係る放射線遮蔽体の一部を示す断面図である。
図11】本発明の実施の形態の第5変形例に係る放射線遮蔽体の一部を示す断面図である。
図12】本発明の実施の形態の第6変形例に係る放射線遮蔽体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る放射能測定装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による放射能測定装置10は、例えば図1に示すように、放射線検出器11と、入力装置12と、出力装置13と、波高分析装置14と、放射線遮蔽体15と、を備えて構成されている。
【0010】
放射線検出器11は、例えば、ゲルマニウム半導体検出器やシリコン半導体検出器などの半導体検出器である。
放射線検出器11は、例えば、垂直型などのクライオスタット21において、放射線の入射窓(図示略)を有するエンドキャップハウジング21aの内部の真空領域に、放射線に対して有感なゲルマニウム結晶やシリコン結晶などの半導体結晶を保持している。
【0011】
クライオスタット21の内部は、デュワー22の内部に貯溜された液体窒素に浸漬された銅からなる冷却棒(図示略)との熱的な接触により冷却されている。
半導体結晶に形成された結晶電極(図示略)はエンドキャップハウジング21aの内部に収容された電荷型前置増幅器(図示略)に接続されている。
電荷型前置増幅器は半導体結晶に入射した放射線のエネルギーに応じた波高値を有する出力信号パルスを外部に露出した出力端子(図示略)から出力する。
【0012】
入力装置12は、例えば操作者の入力操作に応じた信号を出力する各種のスイッチおよびキーボードなどを備えて構成され、操作者の入力操作に応じた各種の指令信号を波高分析装置14へ出力する。
出力装置13は、例えばスピーカおよび表示装置などを備えて構成され、波高分析装置14から出力される各種の情報を出力する。
【0013】
波高分析装置14は、例えばマルチチャンネルアナライザであって、放射線検出器11から出力される出力信号パルスの波高分布、つまり波高値に応じて設定された複数のチャンネル毎の計数値を算出する。例えば、放射線のエネルギーに応じた波高値を有する出力信号パルスが放射線検出器11から出力されると、波高分析装置14は放射線検出器11の出力信号パルスの波高分布として、エネルギースペクトルを作成する。
【0014】
放射線検出器11と入力装置12と出力装置13と波高分析装置14とは、例えば、互いの電位基準点(図示略)が同軸ケーブルなどの接続線25を介して接続されることによって、接地電位が同電位とされている。
さらに、放射線検出器11と入力装置12と出力装置13と波高分析装置14とのうち、少なくとも何れか1つの接地端子(例えば、波高分析装置14の接地端子14aなど)は、電線26によって直接に、あるいは電源ラインの接地極(図示略)などを介して、放射線遮蔽体15に設けられた接地部30に接続されている。これによって、放射線検出器11および入力装置12および出力装置13および波高分析装置14の各電位基準点と、放射線遮蔽体15とは、同電位とされている。
【0015】
放射線遮蔽体15は、放射線検出器11および測定対象の試料を保持する容器などを内部に収容可能であって、放射線検出器11をバックグラウンド放射線から遮蔽する。
放射線遮蔽体15は、例えば図2図4に示すように、後述する接地部30と、遮蔽体本体31と、遮蔽体開閉扉32と、ヒンジ33と、遮蔽体プラグ34と、第1内張35と、第2内張36と、架台37と、ベース38と、検出器台39と、高さ調整機構40と、スライド機構41と、を備えている。
【0016】
遮蔽体本体31は、複数の部材に分解可能とされ、例えば、複数の部材として、一体に形成された側面部31Aおよび背面部31Bをなす第1部材51と、上面部31Cをなす第2部材52と、下面部31Dをなす第3部材53と、を備えている。
第1〜第3部材51,52,53は、例えば、遮蔽体本体31の前面開口部31Eを形成している。
【0017】
第1部材51は、例えば、上下方向(つまり鉛直方向)の両側から第2部材52および第3部材53によって挟み込まれるようにして配置されている。
第1部材51は、例えば、前面開口部31Eを閉塞可能な遮蔽体開閉扉32をヒンジ33によって支持している。
第3部材53は、例えば、放射線検出器11のクライオスタット21(例えば、エンドキャップハウジング21a)が配置される貫通孔53aを備え、この貫通孔53aの一部(前面開口部31E側の部分)および前面開口部31Eの一部を成す遮蔽体プラグ34が着脱可能とされている。
【0018】
これにより、貫通孔53aに放射線検出器11のクライオスタット21が配置される際には、先ず、遮蔽体開閉扉32による遮蔽体本体31の前面開口部31Eの閉塞が解除され、遮蔽体プラグ34が遮蔽体本体31から取り外される。そして、遮蔽体プラグ34が取り外されたことによって生成された遮蔽体本体31の欠損部分に放射線検出器11のクライオスタット21が挿入される。そして、遮蔽体プラグ34が遮蔽体本体31に装着されることにより、遮蔽体プラグ34および遮蔽体本体31により形成される貫通孔53aに放射線検出器11のクライオスタット21(例えば、エンドキャップハウジング21a)が配置される。
【0019】
遮蔽体本体31および遮蔽体開閉扉32およびヒンジ33および遮蔽体プラグ34は、例えば図5に示すように、鉛を有する鉛遮蔽部61と、鉛遮蔽部61の表面を被覆するように設けられた鋼材からなる鋼材遮蔽部62と、鋼材遮蔽部62の表面を被覆する腐食防止用などの非導電性の塗膜63と、を備えている。
遮蔽体本体31および遮蔽体開閉扉32および遮蔽体プラグ34の内面上には、例えば、無酸素銅からなる第1内張35と、アクリルなどの樹脂からなる第2内張36と、が装着されている。
【0020】
架台37は、例えば、腐食防止用などの非導電性の塗膜によって被覆された表面を有する鋼材などによって箱型に形成され、上面37Aに載置された遮蔽体本体31を支持し、放射線検出器11のデュワー22を内部に収容可能である。
【0021】
ベース38は、例えば、腐食防止用などの非導電性の塗膜によって被覆された表面を有する鋼材などによって板状に形成され、表面上に載置された架台37を支持する。
【0022】
架台37の内部において、例えば、アルミニウムなどの金属によって板状に形成された検出器台39は表面上に載置された放射線検出器11のデュワー22を支持する。
高さ調整機構40は、例えば、検出器台39の鉛直方向の高さ位置を調整可能である。
スライド機構41は、例えば、検出器台39の水平方向のスライド移動によって、放射線検出器11のデュワー22を架台37の内部に搬入または内部から搬出する。
【0023】
放射線遮蔽体15に設けられた接地部30は、例えば、放射線遮蔽体15に装着された複数の導電性のボルト71と、適宜の組み合わせのボルト71,71間などを接続する電線72と、を備えている。
ボルト71は、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材同士、例えば、遮蔽体本体31とヒンジ33、ヒンジ33と遮蔽体開閉扉32、遮蔽体本体31と遮蔽体プラグ34、遮蔽体本体31と架台37、架台37とベース38、架台37と検出器台39、遮蔽体本体31における第1〜第3部材51,52,53間など、を電気的に同電位にするとともに固定する。
電線72は、例えば、適宜の組み合わせのボルト71,71間に加えて、放射線検出器11の電位基準点(図示略)とクライオスタット21とデュワー22とのうち少なくとも何れかと、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材の何れか(例えば、架台37など)とを、電気的に同電位に接続する。
これらによって、放射線検出器11は、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材と同電位になっている。
【0024】
例えば図6(A),(B)に示すように、互いの非導電性の塗膜63,63を接触させる第1部材51と第2部材52を固定するボルト71は、第1部材51の鋼材遮蔽部62に電気的に接触する導電性のワッシャ73に座面71aを接触させることによって第1部材51に電気的に接続されている。さらに、ボルト71は、例えば、第1部材51の貫通孔51aには接触せずに、先端部71bを、第2部材52の鉛遮蔽部61および鋼材遮蔽部62に設けられたボルト孔52aに締結させることによって第2部材52に電気的に接続されている。
なお、ワッシャ73は、例えば、第1部材51の表面上において塗膜63の一部が除去されて露出した鋼材遮蔽部62の表面62A、あるいは、この露出した表面62Aを被覆する導電性の金属めっき層または導電性塗膜の表面など、に電気的に接触している。
【0025】
上述したように、本実施の形態による放射能測定装置10によれば、放射線遮蔽体15を形成する複数の部材(例えば、遮蔽体本体31、遮蔽体開閉扉32、ヒンジ33、遮蔽体プラグ34、架台37、ベース38、第1〜第3部材51,52,53など)のそれぞれの表面が腐食防止用などの非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)によって被覆されている場合であっても、接地部30および接続線25および電線26を備えることによって、放射線検出器11と各装置12〜14と放射線遮蔽体15を形成する複数の部材とを同電位にすることができる。これにより、放射線検出器11に対する外来ノイズの混入を防止し、放射線検出器11の検出分解能および検出精度を向上させることができる。
【0026】
なお、上述した実施の形態においては、ボルト71およびワッシャ73によって2つの部材(例えば、第1部材51と第2部材52など)を同電位に固定する際に非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)の一部から導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)を露出させるとしたが、これに限定されず、例えば図7(A),(B)に示す第1変形例のように、導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)を露出させなくてもよい。
【0027】
この第1変形例では、例えば、互いの非導電性の塗膜63,63を接触させる第1部材51と第2部材52を固定するボルト71は、例えば、第1部材51の貫通孔51aには接触せずに、先端部71bを、第2部材52の鉛遮蔽部61および鋼材遮蔽部62に設けられたボルト孔52aに締結させることによって第2部材52に電気的に接続されている。
さらに、ボルト71は、例えば、導電性のプレート74に座面71aを接触させることによって、このプレート74に座面75aを接触させるとともに第1部材51の鉛遮蔽部61および鋼材遮蔽部62に設けられたボルト孔51bに先端部75bを締結させる第2ボルト75を介して第1部材51に電気的に接続されている。
【0028】
この第1変形例によれば、腐食防止用などの非導電性の塗膜から導電性部材の表面を露出させずに、放射線遮蔽体15を形成する複数の部材を同電位に固定することができ、放射線遮蔽体15の腐食などの発生を抑制することができる。
【0029】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図8に示す第2変形例のように、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材同士は、互いの非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)の一部を除去して露出させた導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)を被覆する導電性の被覆層76(例えば、金属めっき層または導電性塗膜など)を介して電気的に接触してもよい。
例えば、第1部材51と第2部材52は、図8に示すように、互いの非導電性の塗膜63が除去されて鋼材遮蔽部62の表面62A上に設けられた導電性の被覆層76を介して電気的に接触する。
【0030】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図9に示す第3変形例のように、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材同士は、非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)の代わりに、互いの導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)上を被覆する腐食防止用などの導電性被覆77を介して電気的に接触してもよい。
例えば、第1部材51と第2部材52は、図9に示すように、鋼材遮蔽部62の表面62A上に設けられた金属めっき層または導電性塗膜などの導電性被覆77を介して電気的に接触する。
【0031】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図10に示す第4変形例のように、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材同士は、互いの非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)の一部を除去して露出させた導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)、あるいは、この露出した表面(例えば、表面62Aなど)を被覆する導電性の金属めっき層または導電性塗膜、に接触する導電性のスペーサー部材78を介して電気的に接触してもよい。
例えば、第1部材51と第2部材52は、図10に示すように、互いの非導電性の塗膜63の一部を除去して露出させた鋼材遮蔽部62の表面62A、あるいは、この露出した表面62Aを被覆する導電性の金属めっき層または導電性塗膜、によって挟み込まれる導電性のスペーサー部材78を介して電気的に接触する。
【0032】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図11(A),(B)に示す第5変形例のように、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材同士は、少なくとも一方の導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)から突出する導電性突出部79が、部材同士の接触時に互いの非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)を突き破って、他方の導電性部材の表面(例えば、鋼材遮蔽部62の表面62Aなど)に接触することによって電気的に接触してもよい。
例えば、第1部材51と第2部材52は、図11(A),(B)に示すように、第1部材51の鋼材遮蔽部62の表面62Aから突出する突出部62aが互いの非導電性の塗膜63を突き破って、第2部材52の鋼材遮蔽部62の表面62Aに接触することによって電気的に接触する。
【0033】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図12に示す第6変形例のように、放射線遮蔽体15を構成する複数の部材同士は、互いの非導電性の塗膜(例えば、塗膜63など)の表面上に固定されて、互いの導電性部材(例えば、鋼材遮蔽部62など)に電気的に接触する導電性の接地部材80と、互いの接地部材80同士を接続する電線72と、によって電気的に接触してもよい。
【0034】
なお、上述した実施の形態において、放射線遮蔽体15は、放射線検出器11に加えて、入力装置12および出力装置13および波高分析装置14のうちの少なくとも何れか1つを内部に収容可能であってもよい。
【0035】
以上、説明した本実施形態は、本発明を実施するうえでの一例を示すものであり、本発明が前記した実施形態に限定して解釈されるものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0036】
10…放射能測定装置 11…放射線検出器 12…入力装置 13…出力装置 14…波高分析装置 15…放射線遮蔽体(遮蔽体) 25…接続線(導通部) 26…電線(導通部) 30…接地部(導通部) 31…遮蔽体本体(部材) 32…遮蔽体開閉扉(部材) 33…ヒンジ(部材) 34…遮蔽体プラグ(部材) 37…架台(部材) 38…ベース(部材) 39…検出器台(部材) 51…第1部材(部材) 52…第2部材(部材) 53…第3部材(部材) 71…ボルト(導通部) 72…電線(導通部) 73…ワッシャ(導通部) 74…プレート(導通部) 75…第2ボルト(導通部) 76…被覆層(導通部) 77…導電性被覆(導通部) 78…スペーサー部材(導通部) 79…導電性突出部(導通部) 80…接地部材(導通部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12