(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記作業時間に基づいて、点滅して発光している前記レーザー光の点滅1回当たりの発光時間および所定時間当たりの点滅回数の少なくとも一方が変化するように前記発光部を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のフォークリフト。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
図面を参照しながら、本発明の実施例である第1実施形態を説明する。なお、図中の矢印Xで示す前後方向Xと、図中の矢印Yで示す左右方向Yと、図中の矢印Zで示す上下方向Zとは、互いに直交する方向である。
【0016】
図1に示すように、リーチ式フォークリフト(以下、「フォークリフト1」)は、平面上を走行する車体10、車体10の前方に設けられた昇降装置20、および昇降装置20の前方に設けられた荷役装置30等を備える。また、フォークリフト1は、昇降装置20とともに荷役装置30を前後方向Xに移動させる機構(図示略)を備える。
【0017】
車体10には、フォークリフト1を運転するオペレータ(図示略)が搭乗する搭乗部11、前方に向けて張り出したストラドルレッグ12、搭乗部11の上方に配置されるヘッドガード13、およびオペレータにより操作されるレバー14等が設けられている。
【0018】
昇降装置20は、マスト21およびリフトブラケット22等により構成される。マスト21は、上下方向Zにおいて伸縮可能な伸縮マストにより構成されている。リフトブラケット22は、マスト21に沿って移動可能に構成されている。リフトブラケット22は、マスト21が伸びることによって、より高い位置まで上昇する。
【0019】
荷役装置30は、フォーク31および発光部32等を備える。荷役装置30は、リフトブラケット22に固定されており、リフトブラケット22とともに昇降可能に設けられている。フォーク31は、前後方向Xに延びる部分であるブレードを有しており、荷物が載置されるパレット9(
図3参照)を支持する。発光部32は、フォーク31の後方に配置されており、フォーク31の高さを示すレーザー光(
図2参照)をフォーク31が延びる前方に向けて発する。
【0020】
図2および
図3を参照して、発光部32によるレーザー光の照射態様を説明する。なお、
図2におけるヘッドガード13の図示は省略する。
図2および
図3に示すように、発光部32が発するレーザー光は、フォーク31の後方から前方に向かうにつれて、水平方向である左右方向Yに広がり、フォーク31の前方に位置する物体に照射される。
図3に示すように、フォーク31がパレット9と同じ高さに位置するとき、レーザー光はパレット9に対して照射される。パレット9に照射されたレーザー光は、パレット9に対するフォーク31の差し込み位置の目印となる。したがって、オペレータは、荷役作業を行う際にレーザー光を見ることによって、パレット9に対するフォーク31の位置決めを容易に行うことができる。
【0021】
図4を参照して、発光部32を制御するためにフォークリフト1が備える構成について説明する。
フォークリフト1は、発光スイッチ41、測温部42、計時部43、記憶部44、および制御部45を備えている。
【0022】
発光スイッチ41は、レーザー光の発光を開始させるための指示およびレーザー光の発光を停止させるための指示が手動操作で入力される操作部として機能する。本実施形態においては、発光スイッチ41は、レバー14の近傍に設けられたトグルスイッチ(
図2参照)により構成されている。発光スイッチ41をオンにすることにより、発光を指示する発光指示信号が制御部45に入力され、発光スイッチ41をオフにすることにより、発光の停止を指示する発光停止指示信号が制御部45に入力される。
【0023】
測温部42は、冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内へのフォークリフト1の進入を検出するために、フォークリフト1の周囲の気温を測定する温度センサにより構成される。測温部42は、気温の測定結果を示す気温測定結果信号を制御部45に出力する。
【0024】
計時部43は、冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内へのフォークリフト1の進入時間、すなわち庫内における荷役作業の作業時間を計測するためのカウンタ回路により構成される。計時部43は、時間を示す信号を制御部45に出力する。
【0025】
記憶部44は、制御部45によって実行されるプログラムや、制御部45の動作に必要な情報を記憶するためのメモリにより構成される。例えば、記憶部44は、発光部32によりレーザー光を発する条件に係る情報や、庫内における作業時間に応じたレーザー光の発光態様に係る情報を記憶する。
【0026】
制御部45は、発光部32を制御するための集積回路により構成される。制御部45は、気温測定結果信号に基づいて冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内へのフォークリフト1の進入を検出する庫内進入検出部として機能する。制御部45は、測温部42で所定温度以下の気温が測定されることにより、冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内へのフォークリフト1の進入を検出する。また、制御部45は、測温部42で所定温度を超える気温が測定されることにより、冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫外へのフォークリフト1の退出を検出する。庫内へのフォークリフト1の進入を検出した制御部45は、計時部43を用いて庫内への進入時間である荷役作業の作業時間を計測する。そして、制御部45は、冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内における荷役作業の作業時間に基づいて、レーザー光の発光態様が変化するように発光部32を制御する。本実施形態においては、制御部45は、庫内における作業時間に基づいて、レーザー光の色が変化するように発光部32を制御する。
【0027】
本実施形態においては、発光部32は、赤色のレーザー光を発する赤色レーザー発光器と、青色のレーザー光を発する青色レーザー発光器とにより構成されている。すなわち、発光部32は、互いに異なる色のレーザー光を発する複数のレーザー発光器により構成されている。本実施形態に係る制御部45は、下記(A1)〜(A3)の制御を行う。
(A1):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合に、青色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
(A2):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオフになっている場合に、レーザー光を発しないように発光部32を制御する。
(A3):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過した後であって、かつ、発光スイッチ41がオンまたはオフになっている場合に、赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
【0028】
上記(A1)〜(A3)の制御が行われることによるレーザー光の発光態様の変化を
図5(A)に示す。
図5(A)に示すように、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過していない場合には、制御部45は、発光指示信号または発光停止指示信号に基づいて、すなわち発光スイッチ41に入力された指示内容に基づいて発光部32を制御する。一方、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過している場合には、制御部45は、レーザー光の発光を停止させるための指示が発光スイッチ41に入力されているときであっても、レーザー光を発するように発光部32を制御する。
【0029】
フォークリフト1が冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内における荷役作業に用いられる場合における、上記構成による作用について説明する。
フォークリフト1が冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内に進入したとき、制御部45は、測温部42を用いて庫内へのフォークリフト1の進入を検出するとともに、計時部43を用いて庫内における荷役作業の作業時間の計測を開始する。作業時間が30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合には、発光部32は、青色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。作業時間が30分を経過した後は、発光スイッチ41のオン・オフに拘わらず、発光部32は、赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。
【0030】
本実施形態のフォークリフト1においては以下の効果が得られる。
(1)フォークリフト1は、パレット9を支持するための昇降可能なフォーク31と、フォーク31の高さを示すレーザー光をフォーク31が延びる前方に向けて発する発光部32と、庫内における荷役作業の作業時間に基づいて、レーザー光の発光態様が変化するように発光部32を制御する制御部45とを備える。この構成によれば、発光部32が発するレーザー光はフォーク31の高さを示すため、フォーク31の高さを把握しようとするフォークリフト1のオペレータはレーザー光を目視する。また、発光部32はフォーク31が延びる前方に向けてレーザー光を発するため、オペレータが荷役作業に集中している場合であっても、フォーク31の前方を確認する必要のあるオペレータはレーザー光を認知し易い。したがって、オペレータはレーザー光の発光態様が変化したことを認知し易いため、庫内における荷役作業の作業時間に基づいてレーザー光の発光態様が変化するように発光部32が制御されることにより、荷役作業の作業時間が所定時間を経過したことをフォークリフト1のオペレータが気づき易い方法で報知することができ、庫内における荷役作業の作業時間をオペレータに容易に認知させることができる。
【0031】
(2)制御部45は、庫内における荷役作業の作業時間に基づいてレーザー光の色が変化するように発光部32を制御する。この構成によれば、フォークリフト1のオペレータは、レーザー光の色が変化したことを認知することにより、庫内における荷役作業の作業時間の経過を認知することができる。
【0032】
(3)発光部32は、互いに異なる色のレーザー光を発する複数のレーザー発光器により構成される。この構成によれば、制御部45は、レーザー光を発するレーザー発光器を切り替えることにより、発光部32が発するレーザー光の色を容易に変化させることができる。
【0033】
(4)フォークリフト1は、レーザー光の発光を開始させるための指示およびレーザー光の発光を停止させるための指示が手動操作で入力される操作部(発光スイッチ41)を備え、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間を経過していない場合には、制御部45は、操作部に入力された指示内容に基づいて発光部32を制御する。そして、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間を経過している場合には、制御部45は、レーザー光の発光を停止させるための指示が操作部に入力されているときであっても、レーザー光を発するように発光部32を制御する。この構成によれば、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間を経過していない場合には、操作部に入力された指示内容に基づいて発光部32が制御されるため、フォークリフト1のオペレータは、操作部を手動操作することにより、レーザー光の発光をオン・オフすることができる。また、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間を経過している場合には、レーザー光の発光を停止させるための指示が操作部に入力されているときであっても、庫内における荷役作業の作業時間をオペレータに認知させることができる。
【0034】
(第2実施形態)
本発明の実施例である第2実施形態を説明する。本実施形態に係る構成は、制御部45の動作を除いて上記実施形態と同様の構成である。上記実施形態と同様の構成については、上記実施形態と同じ符号を付し、その構成の説明を省略する。
【0035】
本実施形態においては、発光部32は、赤色のレーザー光を発する赤色レーザー発光器と、黄色のレーザー光を発する黄色レーザー発光器と、青色のレーザー光を発する青色レーザー発光器とにより構成されている。本実施形態に係る制御部45は、下記(B1)〜(B4)の制御を行う。
(B1):庫内における荷役作業の作業時間が25分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合に、青色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
(B2):庫内における荷役作業の作業時間が25分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオフになっている場合に、レーザー光を発しないように発光部32を制御する。
(B3):庫内における荷役作業の作業時間が25分を経過した後であり30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンまたはオフになっている場合に、黄色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
(B4):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過した後であって、かつ、発光スイッチ41がオンまたはオフになっている場合に、赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
【0036】
上記(B1)〜(B4)の制御が行われることによるレーザー光の発光態様の変化を
図5(B)に示す。
図5(B)に示すように、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(25分)を経過していない場合には、制御部45は、発光スイッチ41に入力された指示内容に基づいて発光部32を制御する。一方、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(25分)を経過している場合には、制御部45は、レーザー光の発光を停止させるための指示が発光スイッチ41に入力されているときであっても、レーザー光を発するように発光部32を制御する。
【0037】
上記構成による作用について説明する。
フォークリフト1が冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内に進入したとき、制御部45は、測温部42を用いて庫内へのフォークリフト1の進入を検出するとともに、計時部43を用いて庫内における荷役作業の作業時間の計測を開始する。作業時間が25分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合には、発光部32は、青色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。作業時間が25分を経過した後は、発光スイッチ41のオン・オフに拘わらず、発光部32は、黄色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。さらに、作業時間が30分を経過した後は、発光部32は、赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。
【0038】
本実施形態のフォークリフト1においては、上記(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(5)制御部45は、庫内における荷役作業の作業時間に基づいて、レーザー光の色が所定の色(青色)から他の色(赤色)に変化する前に、さらに他の色(黄色)のレーザー光を発するように発光部32を制御する。この構成によれば、フォークリフト1のオペレータは、3色にわたるレーザー光の色の変化を認知することにより、庫内における荷役作業の作業時間をより細かに認知することができる。
【0039】
(第3実施形態)
本発明の実施例である第3実施形態を説明する。本実施形態に係る構成は、制御部45の動作を除いて上記実施形態と同様の構成である。上記実施形態と同様の構成については、上記実施形態と同じ符号を付し、その構成の説明を省略する。
【0040】
本実施形態においては、発光部32は、赤色のレーザー光を発する赤色レーザー発光器のみにより構成されている。本実施形態に係る制御部45は、下記(C1)〜(C3)の制御を行う。
(C1):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合に、赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
(C2):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオフになっている場合に、レーザー光を発しないように発光部32を制御する。
(C3):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過した後であって、かつ、発光スイッチ41がオンまたはオフになっている場合に、点滅する赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
【0041】
上記(C1)〜(C3)の制御が行われることによるレーザー光の発光態様の変化を
図5(C)に示す。
図5(C)に示すように、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過していない場合には、制御部45は、発光スイッチ41に入力された指示内容に基づいて発光部32を制御する。一方、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過している場合には、制御部45は、レーザー光の発光を停止させるための指示が発光スイッチ41に入力されているときであっても、レーザー光を発するように発光部32を制御するとともに、レーザー光の発光が点滅するように発光部32を制御する。
【0042】
上記構成による作用について説明する。
フォークリフト1が冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内に進入したとき、制御部45は、測温部42を用いて庫内へのフォークリフト1の進入を検出するとともに、計時部43を用いて庫内における荷役作業の作業時間の計測を開始する。作業時間が30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合には、発光部32は、赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。作業時間が30分を経過した後は、発光スイッチ41のオン・オフに拘わらず、発光部32は、点滅する赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。
【0043】
本実施形態のフォークリフト1においては、上記(1)および(4)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(6)制御部45は、庫内における荷役作業の作業時間に基づいてレーザー光の発光が点滅するように発光部32を制御する。この構成によれば、フォークリフト1のオペレータは、点灯していたレーザー光の発光が点滅することを認知することにより、庫内における荷役作業の作業時間の経過を認知することができる。
【0044】
(第4実施形態)
本発明の実施例である第4実施形態を説明する。本実施形態に係る構成は、制御部45の動作を除いて上記実施形態と同様の構成である。上記実施形態と同様の構成については、上記実施形態と同じ符号を付し、その構成の説明を省略する。
【0045】
本実施形態においては、発光部32は、赤色のレーザー光を発する赤色レーザー発光器のみにより構成されている。本実施形態に係る制御部45は、下記(D1)〜(D4)の制御を行う。
(D1):庫内における荷役作業の作業時間が25分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合に、赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
(D2):庫内における荷役作業の作業時間が25分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオフになっている場合に、レーザー光を発しないように発光部32を制御する。
(D3):庫内における荷役作業の作業時間が25分を経過した後であり30分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンまたはオフになっている場合に、ゆっくり点滅する赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
(D4):庫内における荷役作業の作業時間が30分を経過した後であって、かつ、発光スイッチ41がオンまたはオフになっている場合に、速く点滅する赤色のレーザー光を発するように発光部32を制御する。
【0046】
上記(D1)〜(D4)の制御が行われることによるレーザー光の発光態様の変化を
図5(D)に示す。
図5(D)に示すように、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(25分)を経過していない場合には、制御部45は、発光スイッチ41に入力された指示内容に基づいて発光部32を制御する。一方、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(25分)を経過している場合には、制御部45は、レーザー光の発光を停止させるための指示が発光スイッチ41に入力されているときであっても、レーザー光を発するように発光部32を制御するとともに、レーザー光の発光が点滅するように発光部32を制御する。また、制御部45は、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過していない場合と、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過していない場合とで、レーザー光の点滅態様を変化させる。具体的には、本実施形態に係る制御部32は、庫内における荷役作業の作業時間が所定時間(30分)を経過したとき、点滅して発光しているレーザー光の点滅1回当たりの発光時間を短くするとともに所定時間当たりの点滅回数が多くなるように発光部32を制御する。このようにして、制御部45は、点滅して発光しているレーザー光の点滅1回当たりの発光時間および所定時間当たりの点滅回数が変化するように発光部32を制御する。
【0047】
上記構成による作用について説明する。
フォークリフト1が冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内に進入したとき、制御部45は、測温部42を用いて庫内へのフォークリフト1の進入を検出するとともに、計時部43を用いて庫内における荷役作業の作業時間の計測を開始する。作業時間が25分を経過する前であって、かつ、発光スイッチ41がオンになっている場合には、発光部32は、赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。作業時間が25分を経過した後は、発光スイッチ41のオン・オフに拘わらず、発光部32は、点滅する赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。さらに、作業時間が30分を経過した後は、発光部32は、より速く点滅する赤色のレーザー光をフォーク31の前方に向けて発する。
【0048】
本実施形態のフォークリフト1においては、上記(1)、(4)、および(6)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7)制御部45は、庫内における荷役作業の作業時間に基づいて、点滅して発光しているレーザー光の点滅1回当たりの発光時間および所定時間当たりの点滅回数が変化するように発光部32を制御する。この構成によれば、フォークリフト1のオペレータは、レーザー光の点滅態様の変化を認知することにより、庫内における荷役作業の作業時間をより細かに認知することが可能である。
【0049】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、上記構成を適宜変更することもできる。例えば、以下のように変更して実施することもでき、以下の変更を組み合わせて実施することもできる。
【0050】
・上記第4実施形態においては、制御部45は、点滅して発光しているレーザー光の点滅1回当たりの発光時間および所定時間当たりの点滅回数が変化するように発光部32を制御するが、制御部45は、レーザー光の点滅1回当たりの発光時間および所定時間当たりの点滅回数の一方のみが変化するように発光部32を制御してもよい。レーザー光の点滅1回当たりの発光時間および所定時間当たりの点滅回数の少なくとも一方が変化するように発光部32が制御される構成であれば、上記(7)の効果が得られる。
【0051】
・レーザー光の発光態様の変化は、上記実施形態に限られず、適宜変更してもよい。例えば、制御部45が、庫内における荷役作業の作業時間に基づいて、レーザー光の色が変化するとともに、レーザー光の発光が点滅するように発光部32を制御してもよい。すなわち、上記各実施形態を組み合わせてもよい。また、レーザー光の色が4色以上変化するように構成してもよい。
【0052】
・上記実施形態においては、制御部45は測温部42を用いて庫内へのフォークリフト1の進入を検出するが、他の方法により庫内へのフォークリフト1の進入を検出することもできる。例えば、フォークリフト1が車体10の位置を計測する車体位置計測部(図示略)を備え、制御部45が、車体位置計測部による車体10の位置の計測結果に基づいて冷蔵倉庫または冷凍倉庫の庫内へのフォークリフト1の進入を検出してもよい。
【0053】
・上記実施形態においては、庫内進入検出部は制御部45により構成されたが、制御部45とは異なる集積回路により庫内進入検出部を構成してもよい。また、上記実施形態においては、操作部はトグルスイッチである発光スイッチ41により構成されたが、これ以外のマンマシンインタフェースにより操作部を構成してもよい。
【0054】
・上記実施形態においては、発光部32はリフトブラケット22とともに昇降可能に設けられているが、フォーク31の高さを示すレーザー光を発することができるのであれば、発光部32の構成や配置等を適宜変更してもよい。
【0055】
・上記実施形態においては、フォークリフト1は、リーチ式のフォークリフトであるが、リーチ式フォークリフト以外のフォークリフト(例えば、カウンタバランス式のフォークリフト)に本発明を適用してもよい。