特許第5713385号(P5713385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713385
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】粉体圧縮成形機
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/00 20060101AFI20150416BHJP
   B30B 11/08 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   B30B11/00 G
   B30B11/08 B
   B30B11/08 F
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-264587(P2010-264587)
(22)【出願日】2010年11月29日
(65)【公開番号】特開2012-110961(P2012-110961A)
(43)【公開日】2012年6月14日
【審査請求日】2013年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141543
【氏名又は名称】株式会社菊水製作所
(72)【発明者】
【氏名】采女 智樹
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−193297(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/028711(WO,A1)
【文献】 特開2006−193261(JP,A)
【文献】 特開平02−147518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/00−11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に貫通した臼孔を少なくとも一箇所有するテーブル(3a)と、
杵先が前記臼孔内を摺動して臼孔内に充填された粉体を圧縮成形する下杵及び上杵の対と、
前記臼孔から取り出された成形品を前記テーブルから回収する成形品回収機構(19)と、
前記成形品回収機構を介して回収した成形品を一時貯留する成形品貯留部(20)と、
前記成形品貯留部と接続端で接続し一時貯留された成形品を当該接続端から反対側にある排出端まで搬送する搬送通路(21、21X)と、
前記テーブル、前記下杵及び前記上杵、前記成形品回収機構、前記成形品貯留部、並びに前記搬送通路の成形品貯留部に接続している接続端を収容する筐体(1)とを備え、
前記排出端が前記接続端より上方に位置するときに、前記搬送通路が前記成形品を搬送可能である粉体圧縮成形機。
【請求項2】
前記搬送通路は、前記成形品をエアで搬送しながら当該成形品に付着した粉塵を除去する請求項1記載の粉体圧縮成形機。
【請求項3】
前記搬送通路が、前記成形品に付着した粉塵を吸引する集塵機に接続されたダクト(23)を備える請求項2記載の粉体圧縮成形機。
【請求項4】
前記搬送通路が、バケット式リフト又はベルト式コンベアである請求項1記載の粉体圧縮成形機。
【請求項5】
前記搬送通路は、略水平姿勢から略直立姿勢までの角度範囲で回動可能である請求項1乃至4記載の粉体圧縮成形機。
【請求項6】
前記搬送通路の接続端とは反対方にある成形品の排出端を前記筐体の内側に位置づけることができる請求項1乃至5記載の粉体圧縮成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を圧縮して医薬品の錠剤、食品、電子部品等の製品を成形するための粉体圧縮成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
テーブルに上下方向に貫通した臼孔を設け、各臼孔の上下に上杵及び下杵を上下摺動可能に保持させておき、臼孔内に充填された原料粉体を打錠、圧縮成形する粉体圧縮成形機が公知である(例えば、下記特許文献1を参照)。
【0003】
粉体圧縮成形機で打錠した成形品を取り出すにあたっては、成形品の表面に余剰の原料粉体や滑沢剤等の粉塵が付着して、あるいは成形品の表面に付着せずともそれらの粉塵が成形品とともに排出される。この粉塵を成形品から除去するために、加圧したエアにより成形品を搬送しながら粉塵を分離して集塵、回収する粉取り装置が使用されることが少なくない(例えば、下記特許文献2を参照)。
【0004】
特許文献2に記載されている粉取り装置は、粉体圧縮成形機から搬出した成形品を上方に持ち上げるリフタを兼ねている。これは、成形品を上方に持ち上げた後の振り分け工程、コーティング(フィルムコート、シュガーコート等)工程やパッケージング(缶詰等)工程その他種々の後工程を施す場合において、当該後工程を実施する装置に成形品を流し込む際の利便性を高める。
【0005】
上述の粉取り装置、あるいは粉取り機能を有さないリフタは、粉体圧縮成形機の外部に併設される。従って、その分だけ工場内のスペースを占有することとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−023083号公報
【特許文献2】特許第4315905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に鑑みてなされた本発明は、工場内で占有するスペースの削減を図ることを所期の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上下方向に貫通した臼孔を少なくとも一箇所有するテーブルと、杵先が前記臼孔内を摺動して臼孔内に充填された粉体を圧縮成形する下杵及び上杵の対と、前記臼孔から取り出された成形品を前記テーブルから回収する成形品回収機構と、前記成形品回収機構を介して回収した成形品を一時貯留する成形品貯留部と、前記成形品貯留部と接続端で接続し一時貯留された成形品を当該接続端から反対側にある排出端まで搬送する搬送通路と、前記テーブル、前記下杵及び前記上杵、前記成形品回収機構、前記成形品貯留部、並びに前記搬送通路の成形品貯留部に接続している接続端を収容する筐体とを備え、前記排出端が前記接続端より上方に位置するときに、前記搬送通路が前記成形品を搬送可能である粉体圧縮成形機を構成した。また、当該粉体圧縮成形機では、搬送通路が、バケット式リフト又はベルト式コンベアであるものであっても良い。ここで、粉体、粉塵はそれぞれ、微小固体の集合体を言い、いわゆる顆粒や、粒体より小なる形状の粉末を含む概念である。このようなものであれば、機外に粉取り装置やリフタを別途併設する必要がなく、省スペース化を図り得る。
【0009】
前記搬送通路は、例えば、前記成形品をエアで搬送しながら当該成形品に付着した粉塵を除去するエア搬送通路とする。また、当該搬送通路は、前記成形品に付着した粉塵を吸引する集塵機に接続されたダクトを備えるものが好ましい。
【0010】
前記搬送通路を、前記成形品貯留部に接続している接続端側を中心として回動可能とし、接続端とは反対方にある成形品の排出端の高さ位置を変更し得るものとすれば、後工程の有無やその種類に応じて排出端の高さを任意に設定できる。
【0011】
前記搬送通路は、略水平姿勢から略直立姿勢までの角度範囲で回動可能とすることが好ましい。
【0012】
また、前記搬送通路は、伸縮できる構成であってもよい。
【0013】
前記搬送通路の接続端とは反対方にある成形品の排出端を前記筐体の内側に位置づけ得るものとすれば、より一層の省スペース化が要請されている場合や、粉体圧縮成形機自体の移動時等に、搬送通路を筐体内に収められる。
【0014】
前記回収機構としては、例えば、前記臼孔から取り出された成形品を前記テーブルの盤面上から落下させる成形品シュートを設けることが考えられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、工場内で占有するスペースの削減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の粉体圧縮成形機の本体を示す側断面図。
図2】同実施形態の粉体圧縮成形機の本体の要部平面図。
図3】同実施形態の粉体圧縮成形機の本体における杵とロールとの関係を示す円筒図。
図4】同実施形態の粉体圧縮成形機の全体構成を模式的に示す正面図。
図5】同実施形態の粉体圧縮成形機の全体構成を模式的に示す正面図。
図6】同実施形態の粉体圧縮成形機の全体構成を模式的に示す正面図。
図7】本発明の変形例の全体構成を模式的に示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の粉体圧縮成形機は、いわゆる回転式の打錠機に粉取り装置を一体的に設けたものである。本実施形態の粉体圧縮成形機は、上下方向に貫通した臼孔4を少なくとも一箇所有するテーブル3aと、各臼孔4の上下に配置した下杵6及び上杵5の対と、臼孔4に原料粉体を充填するフィードシュー16を含む粉体供給機構と、臼孔4内で圧縮打錠して成形した成形品をテーブル3aから回収する成形品回収機構と、回収した成形品を一時貯留する成形品貯留部20と、成形品貯留部20に貯留した成形品をエアで搬送しながら当該成形品に付着した粉塵を除去する搬送通路21と、これらテーブル3a、杵5、6、粉体供給機構、成形品回収機構、成形品貯留部20並びに搬送通路21等を収容する筐体1とを備える。
【0018】
図1ないし図3に、成形機本体を示している。詳述すると、成形機本体の筐体1は、土台となるフレーム1aと、フレーム1aの上方に存在する内部空間を四方から囲繞する外装体1bと、内部空間を上方から閉止する頂板1cとを要素する。その内部空間には、回転軸となる立シャフト2を立設しており、立シャフト2の上部に接続部2aを介して回転盤3を取り付けている。
【0019】
回転盤3は、立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち自転する。回転盤3は、テーブル(臼ディスク)3aと、上杵保持部3bと、下杵保持部3cとからなる。図2に示すように、テーブル3aは略円板状をなしており、その外周部に回転方向に沿って所定間隔で複数の臼孔4を設けてある。臼孔4は、テーブル3aを上下方向に貫通している。テーブル3aは、複数のプレートに分割されるものであってもよい。また、テーブル3a自体に直接臼孔4を形成するのではなく、テーブル3aとは別体をなしテーブル3aに対し着脱可能な複数個の臼部材をテーブル3aに装着し、それら臼部材の各々に上下方向に貫通した臼孔を穿っている構成をとることもできる。
【0020】
各臼孔4の上下には、上杵5及び下杵6を、それぞれが個別に臼孔4に対して上下方向に摺動可能であるように、上杵保持部3bと下杵保持部3cとで保持させている。上杵5の杵先53は、臼孔4に対して出入りする。下杵6の杵先63は、常時臼孔4に挿入してある。上杵5及び下杵6は、回転盤3とともに立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち公転する。
【0021】
立シャフト2の下端側には、ウォームホイール7を取り付けている。ウォームホイール7には、ウォームギア10が噛合する。ウォームギア10は、モータ8により駆動されるギア軸9に固定している。モータ8が出力する駆動力は、ベルト11によってギア軸9に伝わり、ウォームギア10、ウォームホイール7を介して立シャフト2ひいては回転盤3及び杵5、6を回転駆動する。
【0022】
図2及び図3に示すように、杵5、6の立シャフト2の軸回りの公転軌道上には、杵5、杵6を挟むようにして上下に対をなす予圧上ロール12及び予圧下ロール13、本圧上ロール14及び本圧下ロール15が存在している。予圧上ロール12及び予圧下ロール13、並びに本圧上ロール14及び本圧下ロール15は、フィードシュー16により臼孔4内に充填された原料粉体を杵先53、63を以て上下から圧縮するべく、上下両杵5、6を互いに接近させる方向に付勢する。
【0023】
上杵5、下杵6はそれぞれ、ロール12、13、14、15によって押圧される頭部51、61と、この頭部51、61よりも細径な軸部52、62とを有する。軸部52、62の先端部位は、臼孔4内に挿入可能であるように、それ以外の部位と比べて一層細く、臼孔4の内径に略等しい直径となっている。杵5、6の公転により、ロール12、13、14、15は杵5、6の頭部51、61に接近し、頭部51、61に乗り上げるようにして接触する。さらに、ロール12、13、14、15は頭部51、61上を転動しながら水平に変位し、その際に上杵5を下方に押し下げ、または下杵6を上方に押し上げる。ロール12、13、14、15が杵5、6上の平坦面に接している期間は、杵5、6が臼孔4内の粉体に対して一定の圧力を加え続ける。
【0024】
本圧上ロール14及び本圧下ロール15による加圧位置から、回転盤3及び杵5、6の回転方向に沿って先に進んだ位置には、製品取出部17を構成している。製品取出部17では、下杵6の杵先63の先端面が臼孔4の上端即ちテーブル3aの上面と略同じ高さとなるまで下杵6が上昇し、臼孔4内にある成形品を臼孔4から押し出す。
【0025】
この製品取出部17には、臼孔4から押し出された成形品を案内する案内部材18を設置している。臼孔4を出た成形品は、回転盤3の回転により案内部材18に接触し、案内部材18に沿って成形品回収位置にある成形品シュート19に向かって移動する。因みに、案内部材18に替えて、臼孔4から押し出された成形品を成形品シュート19に向けて吹き流すエア噴出装置等を配設しても構わない。成形品シュート19は、臼孔4から取り出された成形品をテーブル3aの盤面上から落下させる。つまり、本実施形態では、案内部材18(または、エア噴出装置等)及び成形品シュート19によって成形品回収機構を構成している。
【0026】
成形品シュート19を経由して落下した成形品は、成形品貯留部20に一時貯留される。成形品貯留部20に貯留された成形品は、粉取り装置を兼ねる搬送通路21を経由して、粉体圧縮成形機の機外へと搬出される。搬送通路21は、概ね円筒状をなし、成形品貯留部20に接続している。搬送通路21は、伸縮できるものであってもよい。
【0027】
この搬送通路21の接続端側には、チューブ22を介してコンプレッサー(図示せず)を接続する。コンプレッサーが吐出する高圧のエアは、チューブ22を流通した後、搬送通路21の内周面に沿う方向、換言すれば搬送通路21の延伸方向に伸びる軸回りの方向に向けてチューブ22から吹き出させる。結果、成形品貯留部20が真空状態となるため、成形品貯留部20からエアと成形品とが搬送通路21内に吸い込まれる。吸い込まれたエアと成形品とは搬送通路21の内周面に沿って螺旋状に旋回しながら、接続端の反対方に流れてゆく。
【0028】
搬送通路21における、接続端の反対方にある排出端は、成形品よりも径の小さい多数の孔を穿った蓋体24によって閉塞してある。この蓋体の外側に、撓み変形可能なダクト23を介して集塵機(図示せず)を接続する。その上で、排出端近傍の周壁に、成形品排出口25を開設している。成形品貯留部20に貯留された成形品や、成形品に付着した粉塵は、エアによって押し流され、螺旋状に旋回しながら排出端近傍まで到達する。この過程で、成形品に付着していた粉塵が成形品から剥離される。そして、集塵機が発生させる負圧により、粉塵は蓋体24の孔を通過してダクト23に吸引される。他方、粉塵から分離された成形品は、蓋体24の孔を通過することはできず、成形品排出口25を通じて搬送通路21の外に排出される。
【0029】
本実施形態にあって、搬送通路21は、その接続端側を中心として上下に回動可能であり、排出端ひいては成形品排出口25の高さ位置を変更することができるものとなっている。図4に示しているように、搬送通路21を略直立姿勢とした場合、排出端及び成形品排出口25は筐体1内、外装体1bよりも内側方に収まる。この場合、成形品は、頂板1cに設けた出入口を介して上方に取り出す等することとなる。翻って、図5に示すように、搬送通路21を傾斜させれば、排出端及び成形品排出口25を筐体1外、外装体1bよりも外側方に露出させることができる。因みに、図中符号0にて指し示しているのは金属検知機であり、成形品排出口25から排出された成形品のうち、金属片が混入しているものを検出して振り分け、不良品回収容器に集積する既知の装置である。さらに、図6に示すように、搬送通路21を略水平姿勢をとるように倒してしまうことで、排出端及び成形品排出口25をより低く位置づけることも可能である。何れの場合にも、搬送通路21の接続端は筐体1内に所在している。
【0030】
本実施形態によれば、上下方向に貫通した臼孔4を少なくとも一箇所有するテーブル3aと、杵先が前記臼孔4内を摺動して臼孔4内に充填された粉体を圧縮成形する下杵6及び上杵5の対と、前記臼孔4から取り出された成形品を前記テーブル3aから回収する成形品回収機構と、前記成形品回収機構を介して回収した成形品を一時貯留する成形品貯留部20と、前記成形品貯留部20と接続し一時貯留された成形品をエアで搬送しながら当該成形品に付着した粉塵を除去する搬送通路21と、前記テーブル3a、前記下杵6及び前記上杵5、前記成形品回収機構、前記成形品貯留部20、並びに前記搬送通路21の成形品貯留部20に接続している接続端を収容する筐体1とを備える粉体圧縮成形機を構成したため、機外に粉取り装置やリフタを別途併設する必要がなく、省スペース化を図り得る。
【0031】
前記搬送通路21を、前記成形品貯留部20に接続している接続端側を中心として回動可能とし、接続端とは反対方にある成形品の排出端の高さ位置を変更し得るものとしているため、後工程の有無やその種類に応じて排出端の高さを任意に設定できる。
【0032】
前記搬送通路21は、略水平姿勢から略直立姿勢までの角度範囲で回動可能であるため、必要な場合には搬送通路21の排出端を筐体1外に大きく引き出せる。
【0033】
前記搬送通路21の接続端とは反対方にある成形品の排出端を前記筐体1の内側に位置づけ得るものとしており、より一層の省スペース化が要請されている場合や、粉体圧縮成形機自体の移動時等に、搬送通路21を完全に筐体1内に収められる。
【0034】
前記回収機構として、前記臼孔4から取り出された成形品を前記テーブル3aの盤面上から落下させる成形品シュート19を設けているため、回収機構が徒に複雑化せず、メンテナンスも容易である。
【0035】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、成形品貯留部20に貯留している成形品を搬送する搬送通路21は、エア搬送通路には限定されない。図7に示すように、エア搬送通路21に替えて、バケット式リフタやベルト式コンベア、またはチューブ状の通路内を往復動する部材によって成形品を排出端(の成形品排出口25)に向けて送る機械式搬送機構を包有する搬送通路21Xを実装してもよい。通常、搬送機構21Xには、成形品に付着した粉塵を除去する機能はない。
【0036】
そして、この場合の搬送通路21Xもまた、成形品貯留部20に接続している接続端側を中心として回動可能であり、接続端とは反対方にある排出端の高さ位置を変更し得るように構成する。図7に示しているように、搬送通路21Xは、成形品の排出端を筐体1の内側に位置づけることができるものとする。搬送通路21Xは、略水平姿勢から略直立姿勢までの角度範囲で回動可能であることが望ましいが、搬送機構の態様如何によっては必ずしも略水平姿勢から略直立姿勢までの角度範囲で回動可能とはならない(バケット式リフタやベルト式コンベア等)。
【0037】
上記実施形態の成形機本体はテーブル3a及び杵5、6が公転する回転式の打錠機であったが、成形機本体がテーブル3a及び杵5、6が公転せずにフィードシュー16が公転する態様の打錠機、あるいは(回転式でない)いわゆる竪型(レシプロ型)の打錠機等であってもよいことは言うまでもない。
【0038】
成形品回収機構として、成形品シュート19に替えて、または成形品シュート19とともに、成形品を移送する円板式コンベアやベルト式コンベア等を設けても構わない。
【0039】
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形できる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、粉体を圧縮して医薬品の錠剤、食品、電子部品等の製品を製造するための粉体圧縮成形機として利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…筐体
3a…テーブル
4…臼孔
5、6…杵
19…成形品シュート
20…成形品貯留部
21…搬送通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7