(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像を画面に表示する画像表示部と、指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力するタッチパネルと、該タッチパネルに接触した当該指によって与えられる押圧力を検出する押圧力検出部とを備えており、当該画像に対応する投影像を投影対象に映出するための信号を生成するユーザインタフェース装置であって、
当該指が前記タッチパネルに接触したか否かを判定する接触判定手段と、
前記押圧力が所定閾値以上であるか否かを判定する押圧力判定手段と、
前記接触判定手段が真の判定を行った際、接触した当該指による操作に対応した動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御し、さらに、当該指を接触させたまま押し込むことによって前記押圧力判定手段が真の判定を行った際、当該指による接触したままの押し込み操作に対応した動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御する動作・画像制御手段と、
前記接触判定手段が真の判定を行った際、前記投影対象に映出された投影像内の位置であって、当該指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを映出するためのポインタ情報を生成するポインタ情報生成手段と、
前記ポインタ情報と、前記動作・画像制御手段によって制御された画像であって、接触した当該指による操作に対応した動作、及び当該指による接触したままの押し込み操作に対応した動作に応じて表示された画像とを前記投影対象に投影するための投影像信号を生成する投影像信号生成手段と
を有することを特徴とするユーザインタフェース装置。
前記接触判定手段が当該オブジェクトの表示位置範囲に関して真の判定を行った際、前記動作・画像制御手段は、当該オブジェクトを選択する操作が行われたとして対応する動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御することを特徴とする請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
前記投影像信号を、外部のプロジェクタに出力するための投影像信号出力端子をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
ユーザの操作から見て、前記投影対象に映出された前記ポインタの指し示す位置を見て確認しつつ当該指による操作を実行することができるように、前記投影像信号生成手段は、該ポインタに対応するポインタ情報を含む投影像信号を生成することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
画像を画面に表示する画像表示部と、指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力するタッチパネルと、該タッチパネルに接触した当該指によって与えられる押圧力を検出する押圧力検出部とを備えており、当該画像に対応する投影像を投影対象に映出するための信号を生成するユーザインタフェース装置に搭載されたプログラムであって、
当該指が前記タッチパネルに接触したか否かを判定する接触判定手段と、
前記押圧力が所定閾値以上であるか否かを判定する押圧力判定手段と、
前記接触判定手段が真の判定を行った際、接触した当該指による操作に対応した動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御し、さらに、当該指を接触させたまま押し込むことによって前記押圧力判定手段が真の判定を行った際、当該指による接触したままの押し込み操作に対応した動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御する動作・画像制御手段と、
前記接触判定手段が真の判定を行った際、前記投影対象に映出された投影像内の位置であって、当該指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを映出するためのポインタ情報を生成するポインタ情報生成手段と、
前記ポインタ情報と、前記動作・画像制御手段によって制御された画像であって、接触した当該指による操作に対応した動作、及び当該指による接触したままの押し込み操作に対応した動作に応じて表示された画像とを前記投影対象に投影するための投影像信号を生成する投影像信号生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするユーザインタフェース装置用のプログラム。
画像を画面に表示する画像表示部と、指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力するタッチパネルと、該タッチパネルに接触した当該指によって与えられる押圧力を検出する押圧力検出部とを備えており、当該画像に対応する投影像を投影対象に映出するための信号を生成するユーザインタフェース装置における画像投影方法であって、
当該指が前記タッチパネルに接触したか否かを判定する第1のステップと、
第1のステップで真の判定がなされた際、接触した当該指による操作に対応した動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御する第2のステップと、
前記押圧力が所定閾値以上であるか否かを判定する第3のステップと、
第1のステップで真の判定がなされ且つ当該指を接触させたまま押し込むことによって第3のステップで真の判定がなされた際、当該指による接触したままの押し込み操作に対応した動作を発動させ、該動作に応じて前記画面に表示された画像を制御する第4のステップと、
第1のステップで真の判定がなされた際、前記投影対象に映出された投影像内の位置であって、当該指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを映出するためのポインタ情報を生成する第5のステップと、
前記ポインタ情報と、第2のステップ及び第4のステップで制御された画像であって、接触した当該指による操作に対応した動作、及び当該指による接触したままの押し込み操作に対応した動作に応じて表示された画像とを前記投影対象に投影するための投影像信号を生成する第6のステップと
を有することを特徴とする画像投影方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このプロジェクタ機能を備えた携帯型情報機器において、タッチパネルに対して指で操作を行いながら画像を投影する際、ユーザにとって不都合が生じ易い。
【0008】
一般に、プロジェクタ機能を利用する状況では、ユーザは、映出された投影像を見ながら指による操作を行いたい場合も少なくない。例えば、投影像が実際にどのような状態で映出されているかを見て確認しながら、その投影像について説明する場合もある。また、投影像の映出先を選びながら又は移動させながら、同時に指による操作を行う場合もある。さらに、プロジェクタ機能を利用したプレゼンテーションの際には、映出された投影像と参加者とに向かいながら説明を行うのが通常である。
【0009】
これに対して、例えば、ディスプレイの画面に表示された画像にアイコンが含まれており、ユーザの指がこのアイコンに接触する場合を考える。スクリーン等の投影対象には、このアイコン(のイメージ)を含む投影像が映出されている。しかしながら、ユーザの指が画面内のアイコンの表示位置付近に接触したとしても、この投影像には、指の接触に関するイメージは何ら現れない。
【0010】
従って、ユーザは、指による操作の際、ディスプレイの画面を見て、指の接触位置を確認しなければならない。さもなければ、指が意図しないアイコンを選択して不要のアプリケーションが起動したり、指をブラインドで移動させることになって所望の機能を発動させるのに時間がかかったりする可能性が高い。
【0011】
このように、プロジェクタ機能を利用する際、映出された投影像を見ながら、タッチパネルに対して指で操作を行うことが困難となっている。しかしながら、特許文献1乃至4に開示されたような従来の携帯型プロジェクタ分野では、このようなユーザインタフェース及び操作性に関する問題に十分に取り組んでこなかったことは否めない。
【0012】
そこで、本発明は、映出された投影像を見て確認しながら、タッチパネルに対する指での操作を適切に実行することができるユーザインタフェース装置、画像投影方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、画像を画面に表示する画像表示部と、指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力するタッチパネルと、このタッチパネルに接触した指によって与えられる押圧力を検出する押圧力検出部とを備えており、画像に対応する投影像を投影対象に映出するための信号を生成するユーザインタフェース装置であって、
指がタッチパネルに接触したか否かを判定する接触判定手段と、
押圧力が所定閾値以上であるか否かを判定する押圧力判定手段と、
接触判定手段が真の判定を行った際、接触した指による操作に対応した動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御し、さらに
、指を接触させたまま押し込むことによって押圧力判定手段が真の判定を行った際、指による
接触したままの押し込み操作に対応した動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御する動作・画像制御手段と、
接触判定手段が真の判定を行った際、投影対象に映出された投影像内の位置であって、指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを映出するためのポインタ情報を生成するポインタ情報生成手段と、
ポインタ情報と、動作・画像制御手段によって制御された画像
であって、接触した指による操作に対応した動作、及び指による接触したままの押し込み操作に対応した動作に応じて表示された画像とを投影対象に投影するための投影像信号を生成する投影像信号生成手段と
を有するユーザインタフェース装置が提供される。
【0014】
また、本発明によるユーザインタフェース装置によれば、接触判定手段は、指の接触位置が
画像表示部に表示された画像に含まれる操作対象であるオブジェクトの表示位置範囲と重畳したか否かを判定し、
動作・画像制御手段は、接触判定手段がオブジェクトの表示位置範囲に関して真の判定を行い且つ押圧力判定手段が真の判定を行った際、オブジェクトの機能を発動させる操作が行われたとして対応する動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御することも好ましい。
【0015】
また、この実施形態において、接触判定手段がオブジェクトの表示位置範囲に関して真の判定を行った際、動作・画像制御手段は、オブジェクトを選択する操作が行われたとして対応する動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御することも好ましい。
【0016】
また、本発明によるユーザインタフェース装置によれば、投影像信号を、外部のプロジェクタに出力するための投影像信号出力端子をさらに有することも好ましい。
【0017】
さらに、本発明によるユーザインタフェース装置によれば、ポインタ情報と、動作・画像制御手段によって制御された画像とを投影対象に投影するプロジェクタ光学系と、
投影像信号を入力し、この投影像信号に応じてプロジェクタ光学系を制御するプロジェクタ制御手段と
をさらに有することも好ましい。
【0018】
さらにまた、本発明によるユーザインタフェース装置によれば、ユーザの操作から見て、投影対象に映出されたポインタの指し示す位置を見て確認しつつ指による操作を実行することができるように、投影像信号生成手段は、ポインタに対応するポインタ情報を含む投影像信号を生成することも好ましい。
【0019】
本発明によれば、さらに、画像を画面に表示する画像表示部と、指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力するタッチパネルと、このタッチパネルに接触した指によって与えられる押圧力を検出する押圧力検出部とを備えており、画像に対応する投影像を投影対象に映出するための信号を生成するユーザインタフェース装置に搭載されたプログラムであって、
指がタッチパネルに接触したか否かを判定する接触判定手段と、
押圧力が所定閾値以上であるか否かを判定する押圧力判定手段と、
接触判定手段が真の判定を行った際、接触した指による操作に対応した動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御し、さらに
、指を接触させたまま押し込むことによって押圧力判定手段が真の判定を行った際、指による
接触したままの押し込み操作に対応した動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御する動作・画像制御手段と、
接触判定手段が真の判定を行った際、投影対象に映出された投影像内の位置であって、指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを映出するためのポインタ情報を生成するポインタ情報生成手段と、
ポインタ情報と、動作・画像制御手段によって制御された画像
であって、接触した指による操作に対応した動作、及び指による接触したままの押し込み操作に対応した動作に応じて表示された画像とを投影対象に投影するための投影像信号を生成する投影像信号生成手段と
してコンピュータを機能させるユーザインタフェース装置用のプログラムが提供される。
【0020】
本発明によれば、さらにまた、画像を画面に表示する画像表示部と、指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力するタッチパネルと、このタッチパネルに接触した指によって与えられる押圧力を検出する押圧力検出部とを備えており、画像に対応する投影像を投影対象に映出するための信号を生成するユーザインタフェース装置における画像投影方法であって、
指がタッチパネルに接触したか否かを判定する第1のステップと、
第1のステップで真の判定がなされた際、接触した指による操作に対応した動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御する第2のステップと、
押圧力が所定閾値以上であるか否かを判定する第3のステップと、
第1のステップで真の判定がなされ且つ
指を接触させたまま押し込むことによって第3のステップで真の判定がなされた際、指による
接触したままの押し込み操作に対応した動作を発動させ、この動作に応じて画面に表示された画像を制御する第4のステップと、
第1のステップで真の判定がなされた際、投影対象に映出された投影像内の位置であって、指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを映出するためのポインタ情報を生成する第5のステップと、
ポインタ情報と、第2のステップ及び第4のステップで制御された画像
であって、接触した指による操作に対応した動作、及び指による接触したままの押し込み操作に対応した動作に応じて表示された画像とを投影対象に投影するための投影像信号を生成する第6のステップと
を有する画像投影方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明のユーザインタフェース装置、画像投影方法及びプログラムによれば、映出された投影像を見て確認しながら、タッチパネルに対する指での操作を適切に実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
本発明による、ディスプレイ及びタッチパネルを備えたユーザインタフェース装置は、
(1)ディスプレイ画面に表示された画像を投影するための投影像信号を生成する
ことができる装置である。また、
(2)スクリーン等の投影対象に、ディスプレイ画面に表示された画像を投影するプロジェクタ機能を有する
ことも好ましい。この本発明によるユーザインタフェース装置では、投影対象に映出された投影像内の位置であって、ディスプレイ画面内の指の接触位置に相当する位置を指し示すポインタを、投影対象に投影するための投影像信号を生成する点に特徴を有する。
【0025】
これにより、ユーザは、映出された投影像に表示されたポインタを見て、その指し示す位置を確認することができる。その結果、投影像を見て確認しつつ、タッチパネルに対する指での操作を適切に実行することができる。
【0026】
ここで、「画像」とは、ユーザインタフェース装置のディスプレイ画面に表示された、静止画及び動画を含むイメージである。また、「投影像信号」は、「画像」情報を含み、この「画像」をスクリーン等の投影対象に投影するためにプロジェクタ部またはプロジェクタ装置に出力される信号である。さらに、「投影像」とは、「投影像信号」を入力したプロジェクタ部またはプロジェクタ装置から放射された投射光が、スクリーン等の投影対象上に形成するイメージである。
【0027】
また、本発明によるユーザインタフェース装置では、ユーザの指がタッチパネルに接触することによって情報が入力される。このため、当該装置の多くは、片手又は両手で携帯して指での操作が可能となる、スマートフォンやタブレット型コンピュータのような携帯型情報機器である。従って、以下、本発明の実施形態として、携帯型情報機器を説明する。
【0028】
図1は、本発明によるプロジェクタ機能を備えた携帯型情報機器と、投影対象とを示す概略図、並びに、ディスプレイ画面に表示された画像を示す携帯型情報機器の前面図、及び投影対象に映出された投影像を示すスクリーンの正面図である。
【0029】
図1(A)は、プロジェクタ機能を備えた携帯型情報機器1から投射光が放射され、投影対象であるスクリーン200に投影像201が映出された状態を示している。この図によれば、携帯型情報機器1は、画像を画面に表示するディスプレイ101と、ディスプレイ101の画面上に配置されたタッチパネル100とを備えている。ユーザは、タッチパネル100に対して指による入力操作を行う。この入力操作に応じて動作が発動し、この発動した動作に対応した画像が、ディスプレイ101の画面に表示される。
【0030】
尚、以下、指を直接接触させて入力操作を行う形態を説明するが、指の代わりに、スタイラス等の接触器具を用いて入力することも可能である。この場合、以下に説明する実施形態において、指の接触位置が、接触器具の先端の接触位置に置き換わることになる。
【0031】
携帯型情報機器1は、さらに、プロジェクタ機能を有するプロジェクタ光学系13を内蔵している。ディスプレイ101の画面に表示される画像の情報は、同時に、投影像信号に変換される。この投影像信号は、プロジェクタ光学系13を制御するプロジェクタ制御部130(
図5(A))に出力される。この投影像信号に基づいてプロジェクタ光学系13が制御され、プロジェクタ光学系13の出力部となる投射レンズ133から、ディスプレイ101の画面に表示される画像の情報を含む投射光が放射される。その結果、スクリーン200に、この画像に対応した投影像201が映出される。
【0032】
図1(B)は、ディスプレイ101の画面に表示された画像と、スクリーンに映出された投影像201との対応関係を示している。この図によれば、ディスプレイ101の画面に表示された画像には、複数のアイコン104が表示されている。アイコン104は、アプリケーションを起動させるための、ユーザにとっての操作対象(オブジェクト)である。ユーザは、指を直接アイコン104に接触させることによって、アイコン104を選択することができる。
【0033】
図1(B)において、ユーザの指は、接触位置105で、タッチパネル100に接触している。ここで、ディスプレイ101の画面にxy座標系の第一象限を導入し、この指の接触位置105の座標を(x
1,y
1)とする。また、
図1(B)における画面左下隅を原点(0,0)とする。この指の接触位置105に基づいて、後述するポインタ情報生成部123(
図5(A))により、ポインタ情報106が生成される。ポインタ情報106は、投影像201内にポインタ205を映出するための画像情報(イメージデータ)である。
【0034】
ポインタ情報106において、先端106aの座標は、指の接触位置105の座標(x
1,y
1)と一致するように設定される。すなわち、ポインタ情報106がディスプレイ101の画面に表示されたとすると、そのポインタ情報106のイメージは、指の接触位置105を指すことになる。すなわち、先端106aが指の接触位置と一致する。尚、ポインタ情報106は、本実施形態において、ディスプレイ101の画面に表示されない。しかしながら、スクリーンに映出されたポインタ205と互いに対応する形で、ポインタ情報106がディスプレイ101の画面に表示されてもよい。
【0035】
次いで、形成されたポインタ情報106と、ディスプレイ101の画面に表示される画像の情報とが合成されて、スクリーン200に投影するための投影像信号が生成される。この投影像信号に応じた投射光が放射され、その結果、ポインタ情報106と、ディスプレイ101の画面に表示される画像の情報とに対応した投影像201が、スクリーン200に映出される。
【0036】
同じく
図1(B)において、スクリーン200に映出された投影像201は、ポインタ情報106に対応したポインタ205と、複数のアイコン104に対応した複数のアイコンイメージ204とを含む。ポインタ205は、投影像201内における、ディスプレイ101の画面内での指の接触位置105に相当する位置を指し示す。すなわち、ポインタ205の先端205aの位置が、この投影像201内における指の接触位置105に相当する位置と一致する。
【0037】
ここで、スクリーン200の投射面は平坦であって、投影レンズ133から放射される投射光の光軸に垂直であるとする。また、これにより、投影像201は、ディスプレイ101の画面(に表示された画像全体)と相似形、または縦横比がこの画面とは異なる矩形をなしているとする。さらに、スクリーン200の投影面にXY座標系の第一象限を導入し、ポインタ205の先端205aの位置の座標を(X
1,Y
1)とする。また、
図1(B)における投影像201左下隅を原点(0,0)とする。
【0038】
この場合、指の接触位置105の座標(x
1,y
1)と、先端205a位置の座標(X
1,Y
1)とには、以下の関係が存在する。
(a) X
1=α・x
1、 Y
1=β・y
1
ここで、
(b) α=(投影像201のX軸方向での幅)/(画面のx軸方向での幅)
(c) β=(投影像201のY軸方向での高さ)/(画面のy軸方向での高さ)
である。例えば、投影像201とディスプレイ101の画面(に表示された画像全体)とが相似である場合、α=β(=拡大率)となる。
【0039】
このように、ポインタ205は、その先端205aによって、投影像201内における、指の接触位置105に相当する位置を指し示す。これにより、ユーザは、ディスプレイ101の画面を見なくとも、投影像201内での先端205aの位置を見ることによって、画面内での指の接触位置105を確認することができる。従って、映出された投影像201内におけるポインタ205の先端205aを見て確認しながら、タッチパネル100に対する指での操作を適切に実行することが可能となる。
【0040】
また、言い換えると、プロジェクタ光学系13に出力される投影像信号は、ユーザの操作から見て、スクリーン200に映出されたポインタ205の指し示す位置を確認しつつ指による操作を実行することができるように、ポインタ205に対応するポインタ情報106を含む信号となっている。
【0041】
尚、ポインタ205は、必ずしも矢印形状のイメージに限られるものではない。例えば、頂点が明確な二等辺三角形、人差し指のみを伸ばした片手のイメージ、又はドット若しくは星形等の微小面積イメージ等、1つの点を指し示していることが認識されるイメージならば、種々の形態がポインタ205として採用可能となる。また、ポインタ205は、半透明であることも好ましい。これにより、投影像201内に表示された他のイメージ(アイコンイメージ204等)が、ポインタ205に遮られて確認し難くなる事態を回避することができる。
【0042】
また、スクリーン200の投影面が投影レンズ133から放射される投射光の光軸に垂直な場合においても、投影像201は、必ずしも矩形に限られるものではない。例えば、ディスプレイ101の画面に、円形の画像が表示され、その画像内に複数のアイコンが表示されている場合、投影像201は、この画像に応じて、複数のアイコンイメージを含む円形のイメージとすることもできる。または、このような円形のイメージを含む、ディスプレイ101の画面に対応した矩形のイメージであってもよい。
【0043】
さらに、ユーザは、携帯型情報機器1を片手(
図1(B)では右手)で保持することも可能である。この場合、ユーザは、片手で保持した携帯型情報機器1の投影レンズ133をスクリーン200に向け、映出された投影像201を見ながら、この保持した片手の指(親指)で適切な操作を行うことも可能となる。
【0044】
以下、タッチパネル100に対して行うことができる指による操作の形態を示し、操作に対応した投影像201の様子を説明する。この指による操作の例として、
(1) 「フォーカス」操作:アイコン等のオブジェクトを選択する、
(2) 「クリック」操作:オブジェクトの機能を発動させる、
を以下に説明する。
【0045】
尚、当然に、上記以外の従来の操作、例えばドラッグ操作、フリック操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作等も、タッチパネル100を介して実行し得るように設定することもできる。ピンチイン操作およびピンチアウト操作のように、指の接触点が同時に2つ又はそれ以上存在する場合、これらの指の接触位置のそれぞれに対応した複数の位置を、それぞれ指し示す複数のポインタが、投影像201内に映出されることも好ましい。
【0046】
図2は、「フォーカス」操作及びそれに対応した投影像201の様子を説明するための、携帯型情報機器1の前面図及びスクリーン200の正面図、並びに指による操作を示す概略図である。
【0047】
図2(A)及び(B)は、「フォーカス」操作を示している。
図2(A)によれば、ユーザの指が、タッチパネル100に接触し、接触を保ちながらタッチパネル100上をなぞるように移動(スライド)している。ここで、アイコン104を含む画像全体は、指の移動にもかかわらず移動せず、固定された状態となっている。
【0048】
ユーザは、指を接触させたまま移動させ、位置が固定されたアイコン104に順次触れていく。これに応じて、スクリーン200に映出された投影像201内のポインタ205も移動し、同じく位置が固定されたアイコンイメージ204を順次指し示していく。また、後述する接触判定部121(
図5(A))が、指の移動中も、指の接触位置105とアイコン104の表示位置範囲とが重畳したか否かを判定している。すなわち、ディスプレイ101の画面に表示された画像全体を固定した状態で、指の接触位置105がモニタされている。
【0049】
ユーザは、指で画面に表示された画像(タッチパネル100)をなぞりつつ、画像内に所望のアイコン104が存在するか否かを確かめながら、所望のアイコン104の表示位置範囲まで指を進める。ここで、ユーザは、指を移動(スライド)させるためにディスプレイ101を見る必要はなく、接触位置を確認するために投影像201内のポインタ205を見ていればよい。従って、このような指での操作は、携帯型情報機器1においてプロジェクタ機能を発動させた場合に非常に適したものとなっている。
【0050】
ユーザは、その後、所望のアイコン104を探し出し、対応するアイコン104の表示位置範囲内に指を進める。このように、指の接触位置をアイコン104の表示位置範囲に重畳させる操作を、以後、「フォーカス」操作と称する。「フォーカス」操作は、ユーザがアイコン104を選択する操作であり、その後のアイコン104の機能を発動させる操作を確実に行うための準備動作としての役割を果たす。
【0051】
この指による「フォーカス」操作に対応して、投影像201内のポインタ205が、所望のアイコン104に対応したアイコンイメージ204を指し示す(ポインタ205の先端205aが、アイコンイメージ204の表示位置範囲と重畳する)。従って、ユーザは、ポインタ205(の先端205a)のアイコンイメージ204に対する位置を見て確認することによって、画面内での指の接触位置105をアイコン104の表示位置範囲に重畳させることができる。すなわち、ディスプレイ101の画面を見なくとも、「フォーカス」操作を適切に実行することが可能となる。
【0052】
ここで、「フォーカス」操作によって選択されたアイコン104は、表示位置範囲がより強く光る、又は周囲より浮き上がって見える等、強調表示されることも好ましい。この場合、投影像201に表示された対応するアイコンイメージ204も強調表示される。これにより、ユーザは、ディスプレイ101の画面を見なくとも、「フォーカス」操作が適切に実行されたことを確認することができる。
【0053】
また、指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲に重畳した際には、後述する触覚応答機構部102(
図5(A))が、指に、物理的な押下ボタンの存在を感じさせる振動を与えることができる。これにより、ユーザは、投影像201を見ながらであっても、指による「フォーカス」操作が受け入れられたことを確認でき、安定した確実な操作感を得ることができる。
【0054】
図3は、「クリック」操作及びそれらに対応した投影像201の様子を説明するための、携帯型情報機器1の前面図及びスクリーン200の正面図である。
【0055】
図3によれば、指が、所望のアイコン104の位置まで進み、その結果、指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲と重畳する。すなわち、「フォーカス」操作が行われる。これに対応して、投影像201内におけるポインタ205の先端205aの位置も、アイコンイメージ204の表示位置範囲に重畳する。この状態から、ユーザが指をタッチパネル100に押し込むと、対応するアイコン104の機能が発動する。このように、アイコン104の機能を発動させるために指でアイコン104(タッチパネル100)を押し込む操作を、以後、「クリック」操作と称する。
【0056】
尚、アイコン104の機能、例えば、電子メール・アプリケーションが起動すると、ディスプレイ101の画面に表示された画像は、例えば、送信メール作成画面のイメージとなる。これに対応して、スクリーン200に映出された投影像201も、アイコンイメージ104が表示された状態から、送信メール作成画面のイメージに変化する。すなわち、投影像201は、アイコン104の機能発動前後を含めて常時、ディスプレイ101の画面に表示された画像を反映したものとなっている。
【0057】
ここで、「クリック」操作と判定される条件を説明する。最初に、指の接触位置105が、所望のアイコン104の表示位置範囲と重畳する。すなわち「フォーカス」操作が行われる。次いで、この状態から、ユーザが指を強く押し込み、指による押圧力p
Cが所定の押圧力閾値p
TH以上となる場合(p
C≧p
TH)、後述する動作・画像制御部124(
図5(A))で、「クリック」操作が行われたと判断され、アイコン104の機能が発動する。このように、押圧力p
Cが所定閾値p
TH以上であることが、「クリック」操作と判断される条件となる。尚、押圧力閾値p
THは、例えば、0.5N(ニュートン)乃至2.0Nの範囲内の値に設定可能である。
【0058】
以上に述べた「クリック」操作は、あくまで指による押し込みの強さを変えて行う操作である。従って、ユーザは、ディスプレイ101を見て確認せずに、「クリック」操作を適切に実行することができる。このように、「クリック」操作は、携帯型情報機器1においてプロジェクタ機能を発動させた場合に、非常に実行し易い操作となることが理解される。
【0059】
また、後述する触覚応答機構部102(
図5(A))が、「クリック」操作を行った指に、物理的な押下ボタンを実際に押下したかのような感覚を付与する振動を与えることもできる。これにより、ユーザは、投影像201を見ながらであっても、指による「クリック」操作が受け入れられたことを確認でき、安定した確実な操作感を得ることができる。
【0060】
図4は、本発明による携帯型情報機器における他の実施形態を示す概略図である。
【0061】
図4(A)において、携帯型情報機器3は、タブレット型コンピュータである。ユーザは、携帯型情報機器3を一方の手(同図では左手)で保持しながら、他方の手の指(同図では右手の人差し指)をタッチパネル30に接触させて操作することができる。このような携帯型情報機器3においても、指の接触位置35に基づいてポインタ情報が生成される。また、指による操作に対応した動作が発動し、この動作に応じてディスプレイ31の画面に表示される画像が制御される。次いで、このポインタ情報と、制御された画像とをスクリーン40に投影するための投影像信号が生成される。
【0062】
生成された投影像信号は、制御部を介して、携帯型情報機器3に内蔵されたプロジェクタ光学系32に出力され、プロジェクタ光学系32の投射レンズ320から、この投影像信号に対応した投射光が放射される。この投射光がスクリーン40に投射されて、ディスプレイ31の画面に表示される制御された画像に対応した投影像41が形成される。この投影像41は、さらに、ポインタ情報に対応したポインタであって、指の接触位置35に相当する投影像41上の位置を指し示すポインタ45を含む。
【0063】
ユーザは、ディスプレイ31の画面を見なくとも、投影像41内でのポインタ45(の先端)を見ることによって、画面内での指の接触位置35を確認することができる。従って、投影像41内におけるポインタ45(の先端)を見て確認しながら、タッチパネル30に対する指での操作を適切に実行することが可能となる。
【0064】
図4(B)において、携帯型情報機器5は、ディスプレイ51の画面に表示された画像を投影するための投影像信号を生成することができる装置である。但し、この投影像信号を受けてこの画像を投影するプロジェクタ光学系及びその制御部は、設けられていない。携帯型情報機器5は、生成した投影像信号を、外部のプロジェクタ6に出力するための投影像信号出力端子52を備えている。
【0065】
プロジェクタ6は、投影像信号出力端子52と接続される投影像信号入力端子60と、投影像信号入力端子60を介して投影像信号を入力するプロジェクタ制御部61と、プロジェクタ制御部61によって制御され、投影像信号に係る画像を投影するプロジェクタ光学系62とを備えている。
【0066】
ユーザは、保持した片手の指(同図では右手の親指)をタッチパネル50に接触させて、携帯型情報機器5を操作する。このような携帯型情報機器5においても、指の接触位置55に基づいてポインタ情報が生成される。また、指による操作に対応した動作が発動し、この動作に応じてディスプレイ51の画面に表示される画像が制御される。次いで、このポインタ情報と、制御された画像とをスクリーン70に投影するための投影像信号が生成される。
【0067】
生成された投影像信号は、投影像信号出力端子52を介して携帯型情報機器5から出力され、投影像信号入力端子60を介してプロジェクタ6に入力される。プロジェクタ制御部61は、プロジェクタ光学系62を制御し、投射レンズ620から、入力した投影像信号に対応した投射光を放射させる。この投射光がスクリーン70に投射されて、ディスプレイ51の画面に表示される制御された画像に対応した投影像71が形成される。この投影像71は、さらに、ポインタ情報に対応したポインタであって、指の接触位置55に相当する投影像71上の位置を指し示すポインタ75を含む。
【0068】
ユーザは、ディスプレイ51の画面を見なくとも、投影像71内でのポインタ75(の先端)を見ることによって、画面内での指の接触位置55を確認することができる。従って、映出された投影像71内におけるポインタ75(の先端)を見て確認しながら、タッチパネル50に対する指での操作を適切に実行することが可能となる。
【0069】
以上述べたように、投影像信号の形成機能(携帯型情報機器5)を、画像投影機能(プロジェクタ6)から分離することによって、携帯型情報機器5が、小型・軽量化される。また、例えば、複数ユーザによるプレゼンテーションの際、各ユーザは、自らのプレゼンテーションデータを自らの携帯型情報機器5に保有したまま、定位置に設置されたプロジェクタ6を用いて、プレゼンテーションを、輪番で且つ同一スクリーン70で行うことができる。
【0070】
図5は、本発明による携帯型情報機器1の構成を概略的に示す斜視図及び機能構成図、並びに本発明による携帯型情報機器5(
図4(B))の構成の一部を概略的に示す機能構成図である。
【0071】
図5(A)は、携帯型情報機器1の構成を示している。同図によれば、携帯型情報機器1は、タッチパネル100と、ディスプレイ101と、触覚応答機構部102と、押圧力検出部103と、プロセッサ・メモリとを備えている。携帯型情報機器1は、さらに、プロジェクタ光学系13を備えている。ここで、プロセッサ・メモリは、プログラムを実行することによってその機能を実現させる。
【0072】
ディスプレイ101は、画面に画像を表示する。また、タッチパネル100は、ディスプレイ100の画面上に配置されており、ユーザの指の接触位置を時間経過に応じて逐次出力する。このタッチパネル100として、投影型静電容量方式タッチパネル、表面型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜方式タッチパネル、超音波表面弾性波方式タッチパネル、又は赤外線走査方式タッチパネル等を採用することができる。
【0073】
触覚応答機構部102は、タッチパネル100に接触した指に対して、タッチパネル100を振動させることにより触覚応答を与える。例えば、上述した「フォーカス」操作時、及び/又は「クリック」操作時に、操作内容に応じた種類及び強度の振動を指に与える。触覚応答機構部102は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料を用いて形成された圧電アクチュエータとすることができる。
【0074】
押圧力検出部103は、指によってタッチパネル100に与えられる押圧力p
Cを検出する。押圧力検出部103は、例えば、タッチパネル100の四隅下に設置されており、指を押し付けられて撓んだタッチパネル100が自身に及ぼす押圧の合計を、押圧力p
Cとして検出する。この押圧力検出部103が出力する押圧力信号は、後述する押圧力判定部122に入力される。押圧力検出部103は、例えば、PZT等の圧電材料を用いて形成された圧電センサとすることができる。また、圧電アクチュエータで構成された触覚応答機構部102を設ける代わりに又は設けると共に、押圧力検出部103を触覚応答機構部として利用することも可能である。
【0075】
プロセッサ・メモリは、タッチパネル100から出力される指の接触位置信号と、押圧力検出部103から出力される押圧力信号とを入力し、これらの信号に基づいてユーザの指による操作を認定し、この操作に対応した動作を発動させる。また、この動作に応じてディスクプレイ101の画面に表示された画像を制御する。
【0076】
さらに、プロセッサ・メモリは、スクリーン200にポインタ205を映出するためのポインタ情報106を生成する。さらに、プロセッサ・メモリは、このポインタ情報と、制御された画像とを投影するための操作対応投影像信号を生成し、この信号に基づいて、プロジェクタ光学系13を制御する。以下、同じく
図5(A)を用いて、このプロセッサ・メモリの機能構成を説明する。
【0077】
図5(A)によれば、プロセッサ・メモリは、接触判定部121と、押圧力判定部122と、ポインタ情報生成部123と、動作・画像制御部124と、投影像信号生成部125と、触覚応答制御部126と、プロジェクタ制御部130と、画面表示制御部111と、アプリケーション処理部112とを有する。
【0078】
接触判定部121は、タッチパネル100から出力される指の接触位置信号を入力し、指がタッチパネル100に接触したか否かを判定して、この判定結果及び指の接触位置情報を、ポインタ情報生成部123及び動作・画像制御部124に出力する。また、この接触判定部121が、指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲と重畳したか否かを判定し、この判定結果を動作・画像制御部124に出力することも好ましい。
【0079】
押圧力判定部122は、押圧力検出部103からの押圧力信号を入力し、指による押圧力p
Cが所定の押圧力閾値p
TH以上であるか否かを判定する。さらに、この判定結果を、動作・画像制御部124へ出力する。
【0080】
ポインタ情報生成部123は、接触判定部122から出力される、接触の有無についての判定結果及び指の接触位置情報を入力する。次いで、スクリーン200に映出された投影像201内における、指の接触位置105に相当する位置を指し示すポインタ205を映出するためのポインタ情報(ポインタイメージデータ)106を生成する。ここで、ポインタ情報106は、投影像201内におけるポインタ205の先端205aの位置が、ディスプレイ101の画面内における指の接触位置105に対応するように生成される。ポインタ情報生成部123は、この生成したポインタ情報106を、投影像信号生成部125に出力する。
【0081】
動作・画像制御部124は、接触判定部122から、接触の有無についての判定結果及び指の接触位置情報を入力し、さらに、押圧力判定部122から判定結果を入力する。動作・画像制御部124は、これらの入力情報を基に、接触した指による操作(例えば、「フォーカス」操作又は「クリック」操作)を認定し、認定した操作に対応した動作を発動させる。さらに、この発動させた動作に応じてディスプレイ101の画面に表示された画像を制御するように、画面表示制御部111に動作指示情報を出力する。
【0082】
具体的に、動作・画像制御部124は、指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲と重畳した場合に、「フォーカス」操作が行われたとして対応する動作を発動させることも好ましい。さらに、指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲と重畳し且つ押圧力p
Cが所定の閾値p
TH以上である場合、「クリック」操作が行われたとして対応する動作を発動させることも好ましい。
【0083】
さらに、動作・画像制御部124は、発動させた動作に応じて制御された(ディスプレイ101の画面に表示される)画像情報を、投影像信号生成部125に出力する。
【0084】
投影像信号生成部125は、ポインタ情報生成部123からポインタ情報106を入力し、動作・画像制御部124から制御された画像情報を入力する。投影像信号生成部125は、これらポインタ情報106と制御された画像情報とをスクリーン200に投影するための投影像信号を生成する。また、生成した投影像信号を、プロジェクタ制御部130に出力する。
【0085】
触覚応答制御部126は、動作・画像制御部124から出力される動作指示情報を入力する。次いで、この情報に基づいて、タッチパネル100に接触した指に対して触覚応答を与えるべく、触覚応答機構部102を制御する。
【0086】
画面表示制御部111は、アプリケーション処理部112からのアプリケーション処理情報を入力して、アプリケーションの実行に応じた画像をディスプレイ101に表示させる。また、画面表示制御部111は、動作・画像制御部124から出力される動作指示情報を入力し、指示された動作に応じた画像をディスプレイ101に表示させる。
【0087】
プロジェクタ制御部130は、投影像信号生成部125から入力した投影像信号に基づいて、プロジェクタ光学系13を制御する。
【0088】
プロジェクタ光学系13は、光源131と、MEMS(微小電気機械系)ミラー光学系132と、投射レンズ133とを備えている。光源131は、スクリーン200に投射する投射光用の光源である。この光源131には、それぞれR(赤)、G(緑)及びB(青)の光を放射する3種のLED(発光ダイオード)、又はそれぞれR,G及びBの光を放射する3種のダイオードチップが一体化したLEDを用いることができる。
【0089】
MEMSミラー光学系132は、例えばDMD(Digital Micro mirror Device、登録商標)素子を備えていて、DLP(Digital Light Processing、登録商標)方式により、投影像信号から投射光を形成する光学系である。DMD素子は、2次元に配列しており鏡面の傾斜角が個別に制御される多数のマイクロミラーを有している。
【0090】
DLP方式では、プロジェクタ制御部130が、入力した投影像信号に対してDMD素子に合わせた解像度変換等を施し、これにより、多数のマイクロミラー駆動用の信号を形成する。次いで、この駆動用信号によってDMD素子を制御駆動させる。また、プロジェクタ制御部130は、個々のマイクロミラー駆動のタイミングに合わせて(同期させて)光源131を制御し、光源131からR、G又はBの光を適宜放射させる。
【0091】
光源131から放射された光は、所定の光学系を介してDMD素子に照射され、同素子で反射して、多数のマイクロミラーの傾斜角に対応した多数の画素からなる画像に相当する投射光を形成する。この投射光は、所定の光学系を介して投射レンズ133から、スクリーン200に向けて放射される。これにより、(投影像信号生成部125が生成した)ポインタ情報106を含む投影像信号に対応した投影像201が、スクリーン200に映出される。
【0092】
図5(B)は、
図4(B)に示す携帯型情報機器5の構成を示している。携帯型情報機器5も、携帯型情報機器1(
図5(A))と同様、タッチパネルと、ディスプレイと、触覚応答機構部と、押圧力検出部と(以上図示せず)、プロセッサ・メモリとを備えている。しかしながら、プロジェクタ光学系及びその制御部は設けられていない。また、携帯型情報機器5は、生成した投影像信号を、外部のプロジェクタ6(
図4(B))に出力するための投影像信号出力端子52を備えている。
【0093】
また、携帯型情報機器5のプロセッサ・メモリも、携帯型情報機器1(
図5(A))と同様、接触判定部と、押圧力判定部と、ポインタ情報生成部と、動作・画像制御部と、触覚応答制御部と、画面表示制御部と、アプリケーション処理部と(以上図示せず)、投影像信号生成部525とを有する。しかしながら、プロジェクタ制御部は設けられていない。
【0094】
このような携帯型情報機器5においても、外部のプロジェクタ6を利用することによって、(投影像信号生成部525が生成した)ポインタ情報を含む操作対応投影像信号に対応した投影像71が、スクリーン70に映出される。
【0095】
図6は、本発明によるユーザインタフェース装置における画像投影方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0096】
図6によれば、最初に、ディスプレイ101の画面に、アイコン104を含む画像が表示される(ステップS600)。次いで、タッチパネル100に対する指の接触の有無が測定される(ステップS601)。次いで、接触判定部121によって、指がタッチパネル100に接触したか否かが判定される(ステップS602)。
【0097】
ここで、真の判定、すなわち指が接触しているとの判定がなされた場合、指による接触・押し込み操作ループ(ステップS610乃至ステップS622)に入り、動作・画像制御部124が、画像全体を固定した状態で、指の接触位置をモニタ(監視)する(ステップS611)。一方、指が接触していないとの判定がなされた場合、再度、ステップS601に戻り、指の接触の有無をモニタする。
【0098】
ステップS611の後、接触判定部121は、指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲と重畳したか否かを判定する(ステップS612)。接触判定部121が真の判定、すなわち指の接触位置105がアイコン104の表示位置範囲と重畳したとの判定を行った際、動作・画像制御部124は、「フォーカス」操作が行われたと判断して、アイコン104の選択動作を発動させる(ステップS613)。さらに、この発動した動作に応じてディスプレイ101の画面に表示された画像を制御(更新)する(ステップS614)。一方、接触判定部121が偽の判定を行った際、直ちにステップS619に進み、指の接触位置105に応じてポインタ情報が生成される。
【0099】
ステップS614の後、押圧力検出部103が、指によるタッチパネル100に対する押圧力p
Cを測定する(ステップS615)。ここで、押圧力判定部122によって、指による押圧力p
Cが所定の閾値p
TH以上であるか否かが判定される(ステップS616)。押圧力判定部122が真の判定、すなわち押圧力p
Cが所定の閾値p
TH以上であるとの判定を行った際、動作・画像制御部124は、「クリック」操作が行われたと判断して、アイコン104の機能に対応した動作を発動させる(ステップS617)。さらに、この発動した動作に応じてディスプレイ101の画面に表示された画像を制御(更新)する(ステップS618)。一方、押圧力判定部122が偽の判定を行った際、直ちにステップS619に進み、指の接触位置105に応じてポインタ情報が生成される。
【0100】
ステップS618の後、ポインタ情報生成部123が、指の接触位置105に応じてポインタ情報を生成する(ステップS619)。次いで、投影像信号生成部125が、生成されたポインタ情報と、制御(更新)された画像とをスクリーン200に投影するための投影像信号を生成する(ステップS620)。次いで、プロジェクタ光学系13及びプロジェクタ制御部130によって、ポインタ情報と制御(更新)された画像とをスクリーン200に投影し、投影像201が映出される(ステップS621)。
【0101】
次いで、接触判定部121によって、指がタッチパネル100に接触しているか否かが判定される(ステップS622)。ここで、指が接触していると判定された場合、以上に述べたステップS610乃至ステップS622からなる指による接触・押し込み操作ループが繰り返される。一方、指が接触していないと判定された場合、ユーザの指による操作が終了したものとして、本画像投影方法は終了する。
【0102】
以上、詳細に説明したように、本発明のユーザインタフェース装置、画像投影方法及びプログラムによれば、映出された投影像201に、指の接触位置105に相当する位置を指し示すポインタ205が表示される。これにより、映出された投影像201を見て確認しながら、タッチパネル100に対する指での操作を適切に実行することができる。
【0103】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。