【実施例】
【0054】
以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。実施例、比較例及び参考例にて得られた錠剤について、下記(1)〜(3)の試験法によって、崩壊時間、錠剤強度、及び製剤密度の確認を行った。
(1)崩壊性(崩壊時間)
第十六改正日本薬局方崩壊試験法に準じ、6錠の崩壊時間を測定し、その平均値を算出した。崩壊時間は、120秒以内、更に好ましくは90秒以内を基準とした。
(2)錠剤強度
錠剤硬度計(PC−30、岡田精工株式会社製)を用いて錠剤硬度を、シックネスゲージ(SM−528、株式会社テクロック製)を用いて錠剤直径及び錠剤厚みを、それぞれ10錠について測定した。その平均値より、以下の計算式にて錠剤強度を算出した。錠剤強度は、1.8N/mm
2以上、更に好ましくは2.0N/mm
2以上を基準とした。
錠剤強度(N/mm
2)=硬度平均(N)/破断面積(mm
2)
(3)製剤密度
電子天秤(XS−204、メトラートレド製)を用いて錠剤質量を、シックネスゲージ(SM−528、株式会社テクロック製)を用いて錠剤直径及び錠剤厚みを、それぞれ10錠について測定した。その平均値より、以下の計算式にて錠剤密度を算出した。
製剤密度(mg/mm
3)=質量平均(mg)/平均錠剤体積(mm
3)
(4)口腔内崩壊試験
健康な成人男性にて、水を口に含まずに口腔内に錠剤が入ってから錠剤が完全に崩壊又は溶解するまでの時間を測定し、その平均値を算出した。口腔内崩壊時間は45秒以内を基準とした。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例及び比較例の錠剤は、以下の方法で、打錠圧等の調製により、製剤密度が1.1〜1.3mg/mm
3となるように製造した。
(実施例1)
各成分を表1の含有量に従い量り取り、篩にて篩過後、V型混合機(徳寿工作所製)にて混合し、打錠機(VIRG、株式会社菊水製作所製)を用いて、1錠あたり200mgの錠剤を製した。このとき、丸型の形状で、直径が8.5mmの杵を用いた。錠剤の形状は杵の形状と対応する。尚、有効成分としてミグリトールを使用した。ミグリトールは、一般的に口腔内における速やかな崩壊性と高い錠剤強度とを併せ持つ口腔内崩壊錠の設計が難しい水溶性のものである。ミグリトールの1gを溶かすために要する水の量は10mL未満である。後述するように、実施例1で用いたトウモロコシデンプンのアミロース含有量は25〜30質量%であり、そのアルファー化度は10%未満である。
(実施例2)
実施例2の錠剤は、実施例1の無機賦形剤(合成ヒドロタルサイト)に加えてその他賦形剤(クロスポピドン)を用い、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例1)
比較例1の錠剤は、実施例1の無機賦形剤をその他賦形剤(クロスポピドン)に置き換え、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例2)
比較例2の錠剤は、実施例1から無機賦形剤を除いたもので、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例3)
比較例3の錠剤は、実施例1のデンプンを無機賦形剤及びその他賦形剤(クロスポピドン)に置き換え、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例4〜6)
比較例4〜6の錠剤は、実施例2のデンプンを糖アルコールに置き換え、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例7〜8)
比較例7〜8の錠剤は、本発明処方に従来技術でしばしば使用されている結晶セルロースを加えた処方として、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例9〜10)
比較例9〜10の錠剤は、本発明処方に従来技術でしばしば使用されている糖アルコールを加えた処方として、表1の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例1〜2及び比較例1〜10の錠剤評価結果を表2に示す。有効成分、特定のデンプン、及び特定の無機賦形剤から構成される実施例1は、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と良好であった。更にクロスポビドンを加えた実施例2においても、実施例1と同様、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と良好であった。実施例1の処方から合成ヒドロタルサイト又はトウモロコシデンプンを除きクロスポピドンに置き換えた比較例1及び比較例3においては、錠剤強度は2.0N/mm
2以上と良好なものの、崩壊時間の延長が認められた。実施例1の処方から合成ヒドロタルサイトを除いた比較例2においては、崩壊時間は良好なものの、錠剤強度が0.64N/mm
2と低いものであった。実施例2の処方のデンプンを糖アルコールに置き換えた比較例4〜6においては、打錠工程にて顕著な打錠障害(キャッピング)が確認され、比較例6については錠剤の製造が困難であった。また、比較例4〜5において、錠剤強度は1.7N/mm
2程度と、低いものであった。一方、結晶セルロースの含有量が10質量%である比較例7〜8では、期待する錠剤強度は得られなかった。
【0059】
以上の結果より、口腔内崩壊錠においては、前記(b)特定のデンプン及び前記(c)特定の無機賦形剤の組み合わせが特に重要であり、いずれかを他の賦形剤に置き換えた場合と比較して優れた物性値を得ることができることが判明した。また、このような組み合わせにおいては、結晶セルロースを過度に加えることは、口腔内崩壊錠としての錠剤物性に、好ましくない影響を与え得ることが判明した。尚、結晶セルロースの含有量が0質量%の実施例において高い錠剤強度が得られたことから、結晶セルロースの含有量が概ね5質量%以下程度であれば、口腔内崩壊錠としての錠剤物性に実質的な影響を与えないと考えられる。
【0060】
(デンプンの検討1)
デンプンのアミロース含有量による効果の違いを検討した。
【0061】
【表3】
【0062】
(実施例3)
各成分を表3の含有量に従い量り取り、実施例1と同様の条件にて実施例3の錠剤を製した。
(実施例4)
実施例4の錠剤は、実施例3のトウモロコシデンプンをバレイショデンプンに置き換え、表3の含有量に従い、実施例3と同様の条件にて製した。
(比較例11)
比較例11の錠剤は、実施例3のトウモロコシデンプンをコメデンプンに置き換え、表3の含有量に従い、実施例3と同様の条件にて製した。
【0063】
【表4】
【0064】
実施例3〜4及び比較例11の錠剤評価結果を表4に示す。アミロースの含有量が20〜30質量%のデンプンを用いた実施例3〜4では、いずれも錠剤強度1.8N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と良好であった。アミロース含有量が15〜20質量%のデンプンを用いた比較例11では、錠剤強度は良好なものの、崩壊時間が著しく遅延した。このことから、アミロースの含有量が20〜30質量%のデンプンであれば、高い錠剤強度と速やかな崩壊性が得られることが確認された。
【0065】
(デンプンの検討2)
デンプンのアルファー化度による効果の違いを検討した。
【表5】
【0066】
(実施例5)
実施例5の錠剤は、各成分を表5の含有量に従い量り取り、実施例1と同様の条件にて製した。
(比較例12〜13)
比較例12〜13の錠剤は、実施例5のトウモロコシデンプンを部分アルファー化デンプン又はアルファー化デンプンに置き換え、表5の含有量に従い、実施例5と同様の条件にて製した。
【0067】
【表6】
【0068】
実施例5及び比較例12〜13の錠剤評価結果を表6に示す。デンプンのアルファー化度が高くなるにつれて、崩壊時間の著しい延長が認められた。また、デンプンのアルファー化度が高くなると、同じ条件で打錠しているにも関わらず、打錠工程にて顕著な圧力上昇が認められた。このことから、アルファー化度が10%未満のデンプンであれば、口腔内での速やかな崩壊性が得られると確認された。
【0069】
(無機賦形剤の検討1)
無機賦形剤の種類による効果の違いを検討した。
【0070】
【表7】
【0071】
(実施例6)
実施例6の錠剤は、各成分を表7の含有量に従い量り取り、実施例1と同様の条件にて製した。
(実施例7)
実施例7の錠剤は、実施例6の無機賦形剤である合成ヒドロタルサイトをケイ酸マグネシウムに置き換え、表7の含有量に従い、実施例6と同様の条件にて製した。
(実施例8)
実施例8の錠剤は、実施例6の無機賦形剤である合成ヒドロタルサイトをケイ酸カルシウムに置き換え、表7の含有量に従い、実施例6と同様の条件にて製した。
(比較例14)
比較例14の錠剤は、実施例6の無機賦形剤である合成ヒドロタルサイトを無水リン酸水素カルシウムに置き換え、表7の含有量に従い、実施例6と同様の条件にて製した。
【0072】
【表8】
【0073】
実施例6〜8及び比較例14の錠剤評価結果を表8に示す。無機賦形剤として合成ヒドロタルサイト、ケイ酸マグネシウム、又はケイ酸カルシウムを用いた実施例6〜8において、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と錠剤特性が良好であった。無機賦形剤として無水リン酸水素カルシウムを用いた比較例14では、崩壊性は良好なものの、錠剤強度が1.45N/mm
2と低いものであった。このことより、無機賦形剤の中でも特に、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸マグネシウム、及びケイ酸カルシウムが好ましい無機賦形剤であることが示された。
【0074】
(無機賦形剤の検討2)
無機賦形剤の含有量による効果の違いを検討した。
【0075】
【表9】
【0076】
(実施例5)
前述のとおり、各成分を表9の含有量に従い量り取り、実施例1と同様の条件にて実施例5の錠剤を製した。
(実施例9〜10)
実施例9〜10の錠剤は、実施例5における無機賦形剤の含有量を変えて、表9の含有量に従い、実施例5と同様の条件にて製した。
(参考例1〜2)
実施例5における活性成分と合成ヒドロタルサイトの一部を、トウモロコシデンプンに置き換え、表9の含有量に従い、実施例5と同様の条件にて参考例1〜2の錠剤を製した。この参考例1〜2は、有効成分の影響をできるだけ排除して、合成ヒドロタルサイトの下限値を見極めるために、有効成分の含有量を小さくしたものであるが、有効成分の含有量が微量の場合の実施例と見なすことができる。
【0077】
【表10】
【0078】
錠剤評価結果を表10に示す。無機賦形剤の含有量が15〜40質量%である実施例5、9〜10において、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と錠剤物性が良好であった。また、無機賦形剤の含有量が5質量%及び10質量%である参考例1及び2においても、実施例1と同様に、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と錠剤物性が良好であった。このことから、無機賦形剤の含有量が概ね3質量%以上であれば、期待される錠剤物性が得られることが明らかとなった。
【0079】
無機賦形剤の含有量の範囲について考察すると、実施例10における無機賦形剤の含有量は40質量%であるが、この実施例10から有効成分であるミグリトールを除いても、やはり口腔内崩壊錠としての特性は失われないと考えられる。従って、無機賦形剤の含有量が概ね60質量%以下、55質量%以下、又は50質量%以下であれば、特に優れた錠剤物性が得られると考えられる。尚、参考例1及び2の結果から、口腔内崩壊錠としての特性を得るためには、有効成分は必ずしも必須ではないといえる。従って、有効成分を含有する内核と、特定のデンプン及び特定の無機賦形剤を含む外層部とから構成される有核型の口腔内崩壊錠も、良好な錠剤物性を有することが可能であることがわかる。
【0080】
(デンプン及び有効成分の検討)
デンプン及び有効成分の含有量による効果の違いを検討した。
【0081】
【表11】
【0082】
(実施例2)
前述のとおり、各成分を表11の含有量に従い量り取り、実施例1と同様の条件にて実施例2の錠剤を製した。
(実施例11〜12)
実施例11〜12の錠剤は、実施例2における有効成分とデンプンの含有量を変えて、表11の含有量に従い、実施例2と同様の条件にて製した。
(参考例1)
前述のとおり、表11の含有量に従い、実施例2と同様の条件にて参考例1の錠剤を製した。これは、実施例2における活性成分、クロスポビドン、及び合成ヒドロタルサイトの一部を、トウモロコシデンプンに置き換えたものと考えることができる。
【0083】
【表12】
【0084】
実施例2、11〜12、及び参考例1の錠剤評価結果を表12に示す。有効成分の含有量が5〜25質量%であり、デンプンの含有量が49〜69質量%である実施例2及び実施例11において、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と良好であった。有効成分の含有量が50質量%であり、デンプンの含有量が24質量%である実施例12において、錠剤強度は2.0N/mm
2以上と良好であり、崩壊時間も120秒以内と許容範囲であった。有効成分の含有量が0質量%であり、デンプンの含有量が94質量%である参考例1において、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と良好であった。このことより、口腔内崩壊錠は、有効成分含有量が製剤全体の60質量%以下であり、更に有効成分含有量に応じデンプンの含有量は20〜95質量%であるとき、特に良好な物性値を示すといえる。
【0085】
(他の有効成分における確認)
有効成分について種類を変更し検討した。
【0086】
【表13】
【0087】
(実施例13)
実施例13の錠剤は、有効成分をテオフィリンに置き換え、表13の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。テオフィリンの1gを溶かすために要する水の量は、1,000mL未満である。
(実施例14)
実施例14の錠剤は、有効成分をニフェジピンに置き換え、表13の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて製した。ニフェジピンの1gを溶かすために要する水の量は、10,000mL以上である。
(実施例15)
核粒子である結晶セルロース粒(商品名:セルフィアCP−203,旭化成ケミカルズ株式会社製)26.3質量%に対し、クエン酸トリエチル(商品名:シトロフレックス、森村商事株式会社製)5.3質量%、タルク(商品名:日本薬局方タルク、松村産業株式会社製)15.8質量%、及びメタクリル酸コポリマーLD(商品名:オイドラギットL30D−55,EVONIC INDUSTRIES製)52.6質量%(固形分として)からなるコーティング液を、流動層造粒乾燥コーティング機FLO−5(フロイント産業株式会社製)にて噴霧した。その後、乾燥し、得られたコーティング顆粒を用い、表13の含有量に従い、実施例1と同様の条件にて実施例15の錠剤を製した。実施例15の錠剤は、有効成分を含まないが、コーティング顆粒は、仮想の有効成分としての結晶セルロース粒に放出制御及び苦味マスキング等を目的とした、製剤的加工を施して得られる有効成分含有粒子と見なすことができる。
【0088】
【表14】
【0089】
実施例13〜15の錠剤評価結果を表14に示す。有効成分としてテオフィリン又はニフェジピンを用いた実施例13〜14において、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と錠剤物性が良好であった。有効成分含有粒子の例としてコーティングを施した結晶セルロース粒(コーティング顆粒)を用いた実施例15において、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と錠剤物性が良好であった。これらの結果より、特定のデンプンと特定の無機賦形剤との組み合わせは、一般に口腔内崩壊錠としての設計が難しいといわれている水溶性有効成分を含有する場合に好ましい物性を示すだけでなく、水不溶性の有効成分を含有する場合には更に好ましい物性を示すことが判明した。従って本発明の口腔内崩壊錠は、有効成分又は有効成分含有顆粒の性質にかかわらず良好な物性を示すと考えられる。
【0090】
(有核型口腔内崩壊錠の検討)
前記参考例1及び2の考察をもとに、実際に、口腔内崩壊錠を有核型口腔内崩壊錠とすることができるかどうか検討した。
【0091】
【表15】
【0092】
(実施例16)
内核成分を表16の含有量に従い量り取った後混合し、内核用粉粒体を得た。また、外層成分を表16の含有量に従い量り取った後混合し、外層部用粉粒体を得た。次に、内径6.0mm、外径8.0mmの2重構造を持ち押圧可能な丸型の杵を用い、WO01/98067の
図1に記載される有核錠の製造方法により、第一外層部が20質量%、内核が12.5質量%、第二外層部が67.5質量%となるような割合でそれぞれの粉末を設置後、仮圧縮し、最終的にオートグラフ(AG-1,島津製作所製)を用いて約10kN/錠の圧縮圧で打錠し、1錠あたり200mgの有核型口腔内崩壊錠を製した。尚、内核と外層部の比率は、内核12.5質量%に対し、外層部87.5質量%である。
(実施例17)
実施例17の錠剤は、実施例16の外層成分の無機賦形剤をケイ酸カルシウムに置き換え、表16の含有量に従い、実施例16と同様の条件にて製した。
(実施例18)
実施例18の錠剤は、実施例16の外層成分のデンプンの一部をその他賦形剤(クロスポピドン)に置き換え、表16の含有量に従い、実施例16と同様の条件にて製した。
【0093】
【表16】
【0094】
実施例16〜18の錠剤評価結果を表17に示す。有効成分、デンプン、及び無機賦形剤から構成される実施例16〜18の有核錠である口腔内崩壊錠は、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と良好であった。更に外層部の成分のうちデンプンの一部をクロスポビドンに置き換えた実施例18においても、実施例16及び17と同様、錠剤強度2.0N/mm
2以上、崩壊時間90秒以内と錠剤物性が良好であった。これらの結果より、本発明の口腔内崩壊錠においては、特定のデンプンと特定の無機賦形剤との組み合わせにより、口腔内崩壊錠としての特性が得られるため、特定のデンプンと特定の無機賦形剤により外層を構成し、有効成分又は有効成分を含有する粒子の全量を含有する内核を有する有核錠の場合においても、口腔内崩壊錠としての好ましい物性が得られることが判明した。尚、実施例16〜18の内核用粉粒体である、無水カフェインとトウモロコシデンプンとステアリン酸マグネシウムとの混合物は、極めて成形性の低い粉粒体であり、これらの実施例は、まさしく、WO03/028706、WO2010/134540、及びWO2011/071139等に記載された、内核が不完全成形物からなる有核型口腔内崩壊錠、又は、内核が成形性の低い粉粒体である有核型口腔内崩壊錠である。
【0095】
(第十六改正日本薬局方崩壊試験法と口腔内崩壊試験との関連性)
上記実施例及び比較例の一部について、健康な成人男性6名(25才〜39才)による口腔内での崩壊時間の測定を実施した。
【0096】
【表17】
【0097】
実施例1、2、11、12及び比較例1〜3の評価結果を表15に示す。第十六改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間が120秒以内であった実施例1、2、11、12及び比較例2では、口腔内崩壊時間45秒以内と、良好な結果であった。一方、同法による崩壊時間が120秒以上であった比較例1及び3は、口腔内崩壊時間が45秒以上であった。このことより、第十六改正日本薬局方崩壊試験法における崩壊時間が120秒以内であれば、口腔内崩壊時間が45秒以内になるという関連性があることが示された。