特許第5713471号(P5713471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713471
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】振動発生装置
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/06 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
   B06B1/06 Z
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-84280(P2013-84280)
(22)【出願日】2013年4月12日
(65)【公開番号】特開2014-108426(P2014-108426A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2013年4月12日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0139256
(32)【優先日】2012年12月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オー、ファ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ドン ス
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン ジン
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−206634(JP,A)
【文献】 特開平05−191988(JP,A)
【文献】 特開平05−122952(JP,A)
【文献】 特開2012−165155(JP,A)
【文献】 特開2009−038901(JP,A)
【文献】 特開2012−100042(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/026736(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を備えるハウジングと、
前記内部空間に配置されるように前記ハウジングに装着される方向転換部材と、
前記方向転換部材に第1の方向の変形が拘束されるように固定され、前記第1の方向の変形によって前記方向転換部材の形状を変形させる圧電素子と
前記方向転換部材に固定され、前記圧電素子の前記第1の方向の変形によって前記第1の方向に垂直な第2の方向の変位が発生する振動子と、を含み、
前記方向転換部材は、
前記ハウジングに固定される固定端と、
前記固定端から前記第1の方向の両側に延びる第1の部分と、
前記第1の部分の前記第1の方向の外側から前記第2の方向の一方側に延びる第2の部分と、
前記第2の部分の前記第2の方向の一方側から前記第1の方向の両側に延びて、前記第1の方向の両側に前記振動子が固定される変位拡張部と、を含む、振動発生装置。
【請求項2】
前記圧電素子は、前記第1の部分と前記第2の部分が形成する空間に備えられる、請求項に記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記圧電素子は、前記第1の部分に前記第2の方向の他方側が付着される、請求項に記載の振動発生装置。
【請求項4】
前記圧電素子は、前記第2の部分に前記第1の方向の両端が付着される、請求項または請求項3に記載の振動発生装置。
【請求項5】
前記圧電素子は、前記第1の部分及び前記第2の部分に前記第2の方向の他方側及び前記第1の方向の両端が付着される、請求項から請求項4の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項6】
前記変位拡張部は、前記第2の部分と結合される部分が前記振動子に固定される部分より前記第2の方向の一方側に備えられる、請求項から請求項5の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項7】
前記変位拡張部は、両端が前記第1の方向と平行に備えられる結合部を含む、請求項に記載の振動発生装置。
【請求項8】
前記第1の部分と前記第2の部分は直角を成すように結合される、請求項から請求項7の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項9】
前記圧電素子の前記第1の方向の変形によって前記第1の部分の反りが発生する、請求項から請求項8の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記方向転換部材が装着されるブラケットと、前記ブラケットを覆いながら前記ブラケットと合体して内部空間を提供するケースと、を含む、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項11】
前記内部空間に位置するように前記ブラケットに付着され、前記圧電素子に電源を供給する基板をさらに含む、請求項10に記載の振動発生装置。
【請求項12】
前記振動子は高比重材質のウェイトである、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項13】
前記ウェイトは、前記第1の方向において前記圧電素子より長く備えられる、請求項12に記載の振動発生装置。
【請求項14】
前記ウェイトは、前記ウェイトの外側端から前記第2の方向の一方側向きに延びる重量追加部を備える、請求項13に記載の振動発生装置。
【請求項15】
前記振動子と前記ハウジングの内部面が対向する部分の少なくとも何れか一つには、ダンパが備えられる、請求項1から請求項14の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項16】
前記ダンパは、前記振動子の外側端またはそれと対向するハウジングの内部面に配置される、請求項15に記載の振動発生装置。
【請求項17】
前記ダンパは、ウレタンフォーム、シリコンフォーム及びゴムのうち少なくとも何れか一つを含む材質である、請求項15に記載の振動発生装置。
【請求項18】
前記ダンパは弾性体であり、且つノイズ吸収材質からなる、請求項15に記載の振動発生装置。
【請求項19】
前記ダンパは少なくとも一つのコイルバネである、請求項15に記載の振動発生装置。
【請求項20】
前記圧電素子は、前記第1の方向の長さが前記第2の方向の長さより長い四角柱状である、請求項1から請求項19の何れか1項に記載の振動発生装置。
【請求項21】
前記ハウジングは、前記第1の方向の長さが前記第2の方向の長さより長い四角柱状である、請求項20に記載の振動発生装置。
【請求項22】
前記方向転換部材は、
前記ハウジングに固定される固定端と、
前記固定端から前記第1の方向に延びる少なくとも二つの第1の部分と、
前記第1の部分の前記第1の方向の外側から前記第2の方向の一方側に延びる第2の部分と、
前記第2の部分の前記第2の方向の一方側から前記第1の方向の両側に延びて、前記第1の方向の両側に前記振動子が固定される変位拡張部と、を含む、請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項23】
前記圧電素子は、前記第1の部分と前記第2の部分とが形成する空間に備えられる、請求項22に記載の振動発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
振動発生装置は、電磁気的力の発生原理を利用して電気的エネルギーを機械的振動に変換する部品であって、携帯電話に搭載されて無音着信報知用として用いられている。
【0003】
また、携帯電話市場の急速な膨脹により、様々な機能が携帯電話に付加される傾向にある。このような傾向に応えるべく、携帯電話部品の小型化、高品質化が求められている状況で、振動発生装置においても、既存製品の欠点を改善し、品質を画期的に改善させることができる新しい構造の製品開発が要求されている。
【0004】
近年、大きいLCD画面を備える携帯電話の発売の急増に伴い、タッチスクリーン方式が採択されており、タッチ時に振動を発生させる用途としても振動発生装置が採用されている。
【0005】
また、タッチスクリーンが採用された携帯電話に用いられる振動発生装置は、第一に、着信時の振動発生に比べ使用回数が多いため動作寿命時間が増加されなければならず、第二に、タッチスクリーンをタッチする速度に応じた速い応答速度を要する。
【0006】
このような寿命及び応答性の要求に応じて、現在タッチスクリーンを採用する携帯電話にはリニア振動子が用いられている。
【0007】
リニア振動子は、モータの回転原理を利用するのでなく、振動子の内部に設けられる弾性部材に連結された重量体を用いて、コイルとマグネットの電磁気力でバネに吊り下げられた可動子を直線共振運動させることにより振動を発生させることができる。
【0008】
または、圧電素子をアクチュエータとして、圧電素子の収縮及び膨張によって可動子を直線共振運動させることにより振動を発生させることができる。
【0009】
また、上記の弾性部材としては、通常バネが用いられており、板バネやコイルバネなどが用いられている。しかし、バネの破断などによって寿命が限定されるという問題がある。また、気候環境などによってバネの物性が変化すると、バネがさらに破断しやすくなるという問題がある。
【0010】
さらに、バネの異常モード(反り、左右揺れなど)が発生する場合、振動が弱くなったり騷音が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の問題点を解消するためのものであって、圧電素子をアクチュエータとして活用するとともに、直線状の弾性部材を用いて、速い応答性を実現することができる振動発生装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例による振動発生装置は、内部空間を備えるハウジングと、上記内部空間に配置されるように上記ハウジングに装着される方向転換部材と、上記方向転換部材に水平方向変形が拘束されるように固定され、水平方向変形によって上記方向転換部材の形状を変形させる圧電素子を含む圧電アクチュエータと、上記方向転換部材に固定され、上記圧電アクチュエータの水平方向変形によって垂直方向変位が発生する振動子と、を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記方向転換部材は、上記ハウジングに固定される固定端と、上記固定端から水平方向両側に延びる水平部と、上記水平部の水平方向外側から垂直方向下側に延びる垂直部と、上記垂直部の垂直方向下側から水平方向両側に延びて、水平方向両側に上記振動子が固定される変位拡張部と、を含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータは、上記水平部と上記垂直部が形成する空間に備えられることができる。
【0015】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータは、上記水平部に垂直方向上部が付着されることができる。
【0016】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータは、上記垂直部に水平方向両端が付着されることができる。
【0017】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータは、上記水平部及び上記垂直部に垂直方向上部及び水平方向両端が付着されることができる。
【0018】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記変位拡張部は、上記垂直部と結合される部分が上記振動子に固定される部分より垂直方向に低く備えられることができる。
【0019】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記変位拡張部は、両端がが水平方向と平行に備えられる結合部を含むことができる。
【0020】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記水平部と上記垂直部は直角を成すように結合されることができる。
【0021】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータの水平方向変形によって上記水平部の反りが発生することができる。
【0022】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ハウジングは、上記方向転換部材が装着されるブラケットと、上記ブラケットを覆い上記ブラケットと合体して内部空間を提供するケースと、を含むことができる。
【0023】
本発明の一実施例による振動発生装置は、上記内部空間に位置するように上記ブラケットに付着され、上記圧電アクチュエータに電源を供給する基板をさらに含むことができる。
【0024】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記振動子は高比重材質のウェイトであることができる。
【0025】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ウェイトは、水平方向に上記圧電アクチュエータより長く備えられることができる。
【0026】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ウェイトは、上記ウェイトの外側端から垂直方向に下向きに延びる重量追加部を備えることができる。
【0027】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記振動子と上記ハウジングの内部面が対向する部分の少なくとも何れか一つには、ダンパが備えられることができる。
【0028】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ダンパは、上記振動子の外側端またはそれと対向するハウジングの内部面に配置されることができる。
【0029】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ダンパは、ウレタンフォーム、シリコンフォーム及びゴムのうち少なくとも何れか一つを含む材質であることができる。
【0030】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ダンパは弾性体であり、且つノイズ吸収材質からなることができる。
【0031】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ダンパは少なくとも一つのコイルバネであることができる。
【0032】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータは、水平方向の長さが垂直方向の長さより長い四角柱状であることができる。
【0033】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記ハウジングは、水平方向の長さが垂直方向の長さより長い四角柱状であることができる。
【0034】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記方向転換部材は、上記ハウジングに固定される固定端と、上記固定端から水平方向に延びる少なくとも二つの水平部と、上記水平部の水平方向外側から垂直方向下側に延びる垂直部と、上記垂直部の垂直方向下側から水平方向両側に延びて、水平方向両側に上記振動子が固定される変位拡張部と、を含むことができる。
【0035】
本発明の一実施例による振動発生装置において、上記圧電アクチュエータは、上記水平部と上記垂直部とが形成する空間に備えられることができる。
【0036】
本発明の一実施例による振動発生装置は、内部空間を備えるハウジングと、上記内部空間に配置されるように上記ハウジングに装着される方向転換部材と、上記方向転換部材に一方向変形が拘束されるように固定され、上記一方向変形によって上記方向転換部材の形状を変形させる圧電素子を含む圧電アクチュエータと、上記方向転換部材に固定され、上記圧電アクチュエータの上記一方向変形によって上記一方向に垂直な方向に変位が発生する振動子と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、圧電素子をアクチュエータとして活用するとともに、直線状の弾性部材を用いて、速い応答性を実現することができる振動発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施例による振動発生装置の斜視図である。
図2a図1のA‐A'部の断面図である。
図2b図1のA‐A'部の断面図である。
図2c図1のA‐A'部の断面図である。
図3】本発明の一実施例による振動発生装置の結合斜視図である。
図4】本発明の一実施例による振動発生装置の分解斜視図である。
図5a】本発明の一実施例による振動発生装置の作動を示す説明図である。
図5b】本発明の一実施例による振動発生装置の作動を示す説明図である。
図6】本発明の他の実施例による振動発生装置の概略断面図である。
図7】本発明の他の実施例による振動発生装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除等によって、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができ、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0040】
また、各実施例の図面に示す同一の思想の範囲内における機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を用いて説明する。
【0041】
図1は本発明の一実施例による振動発生装置の斜視図であり、図2aから図2cは図1のA‐A'部の断面図であり、図3は本発明の一実施例による振動発生装置の結合斜視図であり、図4は本発明の一実施例による振動発生装置の分解斜視図である。
【0042】
図1から図4を参照すると、本発明の一実施例による振動発生装置100は、上記振動発生装置100の外観を形成するハウジング110と、電源を供給するための基板120と、電源の供給によって水平方向に収縮及び膨張する圧電アクチュエータ130と、上記ハウジング110に固定され、上記圧電アクチュエータ130が装着される方向転換部材140と、上記方向転換部材140に固定され、上記圧電アクチュエータ130の水平方向変形によって垂直方向変位が発生する振動子150(ウェイト)と、を含むことができる。
【0043】
また、図6及び図7を参照して後述するが、上記振動発生装置100は選択的に、ダンパ161、162及びコイルバネ171、172などを備えることができる。
【0044】
まず、方向に関する用語を定義すると、図2aから図2cを参照して、水平方向は、左右方向、即ち圧電アクチュエータ130または振動子150の一端から他端に向かう方向(即ち、長さ方向)を意味し、垂直方向は、上下方向、即ち、圧電アクチュエータ130または振動子150の底面から上面に向かう方向(即ち、高さ方向)を意味することができる。但し、上記水平方向は、特定方向を意味するものではなく、水平に向かう方向であれば何れの方向であってもよく、上記垂直方向は、上記水平方向に対して垂直な方向であれば何れの方向であってもよい。また、水平方向は第1の方向の一例であってよく、垂直方向は第2の方向の一例であってよい。
【0045】
一方、幅方向は、横と縦のうち何れか一つが、より長い部材に比べ短い長さを有する方向を意味することができる。例えば、横が縦より長い場合、縦方向が幅方向であることができる。
【0046】
また、主面は、所定部材、例えば、圧電アクチュエータ130または振動子150において最も広い面を意味することができる。
【0047】
また、所定部材の外側は、上記振動子150の略中心を基準として水平方向に左右方向を意味し、所定部材の内側は、反対に、水平方向に左右から上記振動子150の略中心方向を意味することができる。
【0048】
ハウジング110は内部空間を有しており、振動発生装置100の外形を形成する。上記ハウジング110は、ブラケット112と、ケース114と、を備えることができる。上記ブラケット112には方向転換部材140が装着されることができる。また、上記ブラケット112には基板120が装着されることができる。
【0049】
また、上記ケース114は、上記ブラケット112を覆って上記ブラケット112と合体して、内部空間を提供することができる。
【0050】
ここで、本発明の一実施例では、上記ブラケット112に基板120または方向転換部材140が装着される形状を図示しているが、上記基板120または方向転換部材140は上記ケース114に装着されていてもよい。
【0051】
上記ブラケット112は、その内部に部材が容易に装着されるように、板状に備えられることができる。また、上記ケース114は、上記ブラケット112を全体的に覆うことができるように、下面が開口された箱状、即ち、六面体状を有するように備えられることができる。
【0052】
勿論、上記ブラケット112または上記ケース114の形状はこれに限定されず、様々な形状に備えられることができる。例えば、上記ブラケットは円形の板で備えられ、上記ケースは、上記円形の板を覆って内部空間を提供する円柱状で備えられることができる。
【0053】
上記ブラケット112には基板120が固定装着されることができる。上記基板120は、上記ハウジング110の内部空間に位置するように上記ハウジング110の内部面に装着されるか、または上記ハウジング110の外部面に装着されることができる。上記基板120は、印刷回路基板、より詳細には、フレキシブル印刷回路基板であることができる。以下では、上記基板120が上記ハウジング110の内部面に装着される場合を実施例として説明する。
【0054】
また、上記基板120が上記ハウジング110の内部面に装着される場合、上記ハウジング110の外部に露出される端子連結部121を備えることができる。
【0055】
そのため、上記ハウジング110には、上記端子連結部121が外部に露出されるように貫通孔114aが備えられることができる。特に、上記貫通孔114aは、上記ケース114の水平方向の端部に備えられることができる。尚、上記ブラケット112には、上記貫通孔114aが備えられる位置と対応する位置に、外部に突出して備えられる端子受部112aが備えられており、上記端子受部112aの上面に上記端子連結部121が延びることができる。
【0056】
一方、上記基板120は上記ブラケット112の上面に固定装着されることができる。本発明において、振動子が内部空間で振動するため、上記基板120は、上記振動子と接触しないように上記ブラケット112に固定された状態で、圧電アクチュエータ130が位置する部分まで延びて上記圧電アクチュエータ130に連結されることができる。
【0057】
また、上記ブラケット112は、上記方向転換部材140が固定装着される連結部112bを備えることができる。より詳細には、上記方向転換部材140の構成のうち、後述する固定端142が上記連結部112bに結合されることができる。上記連結部112bは、上記ブラケット112の略中心に備えられることができ、上記ブラケット112の幅方向両側に、垂直方向上側に突出された板状で備えられることができる。勿論、上記固定端142は上記連結部112bに対応する形状で備えられることができる。上記連結部112bと上記固定端142は、溶接、接着剤などの結合手段により連結されることができる。
【0058】
上記ハウジング110には、方向転換部材140が内部空間に位置するように装着されることができる。上記方向転換部材140の上部には、後述する振動子150(ウェイト)が装着される。上記方向転換部材140は、内部に装着された圧電アクチュエータ130の水平方向変形(膨張または収縮)によって、上部に装着される振動子150の垂直方向変位を発生させることができる。
【0059】
本発明の一実施例による方向転換部材140は、上記振動発生装置100の略中心を基準として水平方向外側に延びる弾性部材を備えており、上記弾性部材に装着される圧電素子の水平方向変形によって上記弾性部材が垂直方向に変形するように備えられることができる。
【0060】
より詳細に説明すると、上記方向転換部材140は、一実施例として、上記ハウジング110に固定される固定端142と、上記固定端142から水平方向に延びる少なくとも二つの水平部144と、上記水平部144の水平方向外側から垂直方向下側に延びる垂直部146と、上記垂直部146の垂直方向下側から水平方向両側に延びて、水平方向両側に上記振動子150が固定される変位拡張部148と、を含むことができる。
【0061】
ここで、上記圧電アクチュエータ130に備えられる圧電素子は、上記水平部144と上記垂直部146が形成する空間に備えられることができる。
【0062】
本実施例によると、上記水平部144は二つ以上備えられることができる。これにより、上記水平部144から延びて備えられる垂直部146及び変位拡張部148も同様に、二つ以上備えられることができる。
【0063】
以下では、説明の便宜上、上記水平部144が二つ備えられた場合を例示し、図面を参照して説明する。
【0064】
本実施例による上記方向転換部材140は、上記ハウジング110に固定される固定端142と、上記固定端142から水平方向両側に延びる水平部144と、上記水平部144の水平方向外側から垂直方向下側に延びる垂直部146と、上記垂直部146の垂直方向下側から水平方向両側に延びて、水平方向両側に上記振動子150が固定される変位拡張部148と、を含むことができる。
【0065】
上記固定端142は、上記ブラケット112に備えられる連結部112bに固定装着されることができる。上記固定端142は、上記連結部112bに対応する形状で備えられることができる。
【0066】
上記水平部144は、上記固定端142から水平方向両側に延びるように備えられることができる。上記水平部144は反り変形することができる。上記水平部144は、水平方向に略平行に備えられることができる。水平部は第1の部分の一例であってよく、垂直部は第2の部分の一例であってよい。
【0067】
次に、上記垂直部146は、上記水平部144の水平方向外側から垂直方向下側に延びるように備えられることができる。上記水平部144は上記垂直部146と直角を成すように結合されることができる。
【0068】
ここで、上記水平部144は、容易に弾性変形できるように、幅方向の長さが上記垂直部146の幅方向の長さより短く備えられることができる。
【0069】
上記水平部144と上記垂直部146が形成する空間には上記圧電アクチュエータ130が備えられることができる。即ち、上記圧電アクチュエータ130は、上記水平部144と上記垂直部146が形成する空間に水平方向変形が拘束されるように固定されて、水平方向変形によって上記方向転換部材140の形状を変形させることができる。そのため、上記圧電アクチュエータ130は、上記水平部144に垂直方向の上部が付着されることができる(図2b参照)。また、上記圧電アクチュエータ130は、上記垂直部146に水平方向両端が付着されることができる(図2c参照)。または、上記圧電アクチュエータ130は、上記水平部144及び上記垂直部146に垂直方向上部及び水平方向両端が付着されることもできる(図2a参照)。
【0070】
一方、上記変位拡張部148は、上記垂直部146の垂直方向下側から水平方向外側に延びて、水平方向外側に上記振動子150が固定されることができる。即ち、上記変位拡張部148は、上記垂直部146の垂直方向下部から水平方向外側に延びるように備えられて、上記振動子150の垂直方向変位が拡大されるようにすることができる。即ち、上記垂直部146は上記水平部144と結合されており、上記水平部144は垂直方向に反り変形するため、上記垂直部146において最大に水平方向外側に延びる部分が垂直方向に最大に反り変形されることができる。
【0071】
ここで、上記変位拡張部148は、小型で備えられる場合、本実施例による振動発生装置100の空間活用を極大化するために、上記垂直部146と結合される部分が上記振動子150に固定される部分より垂直方向に低く備えられるようにすることができる。即ち、上記変位拡張部148が上記垂直部146と結合される部分から水平方向外側に向かって垂直方向上側に傾斜するように備えることができる。
【0072】
また、上記変位拡張部148の水平方向外側には上記振動子150が固定されることができる。そのため、上記変位拡張部148は、上記振動子150が固定される水平方向外側が水平方向に平行に備えられる結合部148aを備えることができる。
【0073】
一方、上記変位拡張部148は、容易に弾性変形できるように、多数の孔を有する形状に備えられることができる。
【0074】
以下、上記圧電アクチュエータが上記水平部144と垂直部146に結合される構造による水平部144の反り変形のメカニズムを説明する。
【0075】
上記水平部144に上記圧電アクチュエータの垂直方向上部が付着される場合(図2cの場合)、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に変形されると、上記圧電アクチュエータ130が拘束された上記水平部144に反り変形が発生することができる。即ち、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に変形される場合、長さが変形されない上記水平部144に反り変形を発生させるのである。この場合、上記水平部144の反り変形は、上記圧電アクチュエータの中心を基準として両端が垂直方向上部または下部に反るように発生することができる。換言すれば、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に増加すると、上記水平部144の両端が垂直方向上部に反る。また、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に減少すると、上記水平部144の両端が垂直方向下部に反る。
【0076】
上記垂直部146に上記圧電アクチュエータの水平方向両端が付着される場合(図2bの場合)、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に変形されると、上記圧電アクチュエータが拘束された上記垂直部146は、上記圧電アクチュエータの中心を基準として水平方向両側に押されたり引っ張られるようになる。この場合、上記垂直部146は上記水平部144の外側端から垂直方向下側に延びるように備えられるため、上記水平部144には、上記水平部144と上記垂直部146が接する部分を中心にトルクが発生して、上記水平部144に反り変形が発生することができる。この場合、上記水平部144の反り変形は、上記圧電アクチュエータの中心を基準として両端が垂直方向上部または下部に反るように発生することができる。換言すれば、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に増加すると、上記垂直部146が外側に押されるようになるため、上記水平部144の両端が垂直方向上部に反る。また、上記圧電アクチュエータの長さが水平方向に減少すると、上記垂直部146が内側に引っ張られるため、上記水平部144の両端が垂直方向下部に反る。
【0077】
上記水平部144及び上記垂直部146に上記圧電アクチュエータの垂直方向上部及び水平方向両端が付着される場合(図2aの場合)は、上述の二つの場合が複合的に発生することができる。即ち、上記水平部144と上記圧電アクチュエータの水平方向変形の差による上記水平部144の反り変形と、垂直部146の両側への変位による上記水平部144の反り変形が同時に発生することができる。この場合、上記方向転換部材140の垂直方向変形がより効率的である。
【0078】
図面を参照してさらに詳細に説明すると、図5aは圧電アクチュエータ130が水平方向に膨張した様子を示しており、図5bは圧電アクチュエータ130が水平方向に収縮した様子を示している。
【0079】
図5aを参照すると、上記圧電アクチュエータ130が水平方向に膨張することにより、上記水平部144の水平方向外側端が垂直方向上部に反り変形し、上記水平部144に垂直部146を介して水平方向に延びるように備えられる変位拡張部148の水平方向外側が垂直方向上側に上がる。これにより、上記変位拡張部148の水平方向外側に結合される振動子150が垂直方向上側に変位される。
【0080】
図5bを参照すると、上記圧電アクチュエータ130が水平方向に収縮することにより、上記水平部144の水平方向外側端が垂直方向下部に反り変形し、上記水平部144に垂直部146を介して水平方向に延びるように備えられる変位拡張部148の水平方向外側が垂直方向下側に下がる。これにより、上記変位拡張部148の水平方向外側に結合される振動子150が垂直方向下側に変位される。
【0081】
図5a及び図5bに図示されたように、上記圧電アクチュエータ130が水平方向に膨張または収縮を繰り返すことにより、上記方向転換部材140の上端に装着される振動子150が垂直方向下側または上側に振動する。
【0082】
上記方向転換部材140には圧電アクチュエータ130が装着されることができる。より詳細に説明すると、上記圧電アクチュエータ130は、上記水平部144と垂直部146が形成する空間に配置されることができる。本発明における上記圧電アクチュエータ130は、電極及び圧電素子を含むことができる。上記電極に電源を印加することにより、上記圧電素子が水平方向に膨張及び収縮を繰り返すことができる。電源は、外部の電源線と連結された上記基板120から供給されることができる。上記圧電アクチュエータ130は水平方向に長く装着されることができる。
【0083】
また、上記圧電アクチュエータは、上記水平部144と上記垂直部146が形成する空間に水平方向変形が拘束されるように固定され、水平方向変形によって上記方向転換部材140の形状を変形させることができる。そのため、上記圧電アクチュエータは上記水平部144に垂直方向上部が付着されることができる(図2c参照)。また、上記圧電アクチュエータは上記垂直部146に水平方向両端が付着されることができる(図2b参照)。または、上記圧電アクチュエータは、上記水平部144及び上記垂直部146に垂直方向上部及び水平方向両端が付着されることもできる(図2a参照)。
【0084】
上記圧電素子は、圧電物質、好ましくはPZT(Lead Zirconate Titanate)セラミック材料などからなることができるが、これに限定するものではない。
【0085】
上記方向転換部材140(より詳細には、上記変位拡張部148の外側端である結合部148a)の上部には振動子150が配置されることができる。上記振動子150は、高比重材質のウェイトであることができる。上記振動子150は黄銅などの銅系またはタングステン材質であることができる。
【0086】
上記振動子150は水平方向に長く配置されることができる。即ち、上記振動子150は、水平方向に上記圧電アクチュエータ130より長く配置され、上記圧電アクチュエータ130の外側端の外方に突出される部分を備えることができる。
【0087】
上記振動子150は、振動子150の外側端から垂直方向に下向きに延びる重量追加部152を備えることができる。上記重量追加部152は、上記振動子150と一体に備えられてもよく、別に備えられて付着されてもよい。
【0088】
上記変位拡張部148は、水平方向外側の結合部148aが上記圧電アクチュエータ130の略中心から最大限遠く備えられることができる。これは、本実施例による振動発生装置100の垂直方向変位を最大化するためである。そのため、上記振動子150の水平方向の両側が上記結合部148aに結合されることができる。より詳細には、上記重量追加部152が備えられる部分が上記結合部148aに結合されることができる。
【0089】
一方、上記振動子150と上記方向転換部材140(より詳細には、上記変位拡張部148の外側端である結合部148a)との間にはホルダ155が介在されることができる。上記ホルダ155は、上記振動子150を囲む形状で備えられることができる。
【0090】
図6及び図7は本発明の他の実施例による振動発生装置の概略断面図である。以下、図1から図5bを参照して説明した本発明の一実施例による振動発生装置100にさらに備えられる部材について説明する。以下では、図1から図5bを参照して説明した本発明の一実施例による振動発生装置100と異なる部分についてのみ説明し、残りの部分は上述の説明に代替する。
【0091】
図6を参照すると、本発明の一実施例による振動発生装置200は、ハウジング110の内部面にダンパ161、162を備えることができる。即ち、上記ハウジング110の内部空間に振動子150が配置されて垂直方向の上下に振動するため、上記振動子150は、上記ハウジング110の内部面と垂直方向の上下で接触することができる。
【0092】
従って、上記ハウジング110の内部面にはダンパ161、162が垂直方向に備えられることができる。
【0093】
図6では、上記ダンパがハウジング110の内部面に備えられる場合のみを図示しているが、上記ダンパは振動子150の垂直方向の上部面または下部面にも備えられることができる。
【0094】
上記ダンパ161、162は、特に、上記振動子150の外側端またはこれと対向するハウジング110の内部面に配置されることができる。
【0095】
上記ダンパ161、162は、弾性体であり、騷音を吸収するようにウレタンフォーム、シリコンフォーム及びゴムのうち少なくとも何れか一つを含む材質であることができる。特に、上記ダンパ161、162はポロン(PORON(登録商標))であることができる。
【0096】
図7を参照すると、本発明の一実施例による振動発生装置300は、ハウジング110の内部面と振動子150との間に配置される追加弾性部材をさらに含むことができる。
【0097】
上記追加弾性部材はコイルバネ171、172であることができる。上記コイルバネ171、172は、上記振動子150の外側端とこれに対向するハウジング110の内部面との間に少なくとも一つ以上装着されることができる。
【0098】
上記コイルバネ171は上記振動子150の上面と上記ハウジング110の天面(ケース114)との間に備えられ、上記コイルバネ172は上記振動子150の下面と上記ハウジング110の底面(ブラケット112)との間に備えられることができる。
【0099】
上記追加弾性部材は、圧電アクチュエータ130によって発生する振動に加えて、振動子150に振動力を付加したり、ダンパの役割をすることができる。
【符号の説明】
【0100】
100、200、300 振動発生装置
110 ハウジング
120 基板
130 圧電アクチュエータ
140 方向転換部材
150 振動子
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7