(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予め定められたルールは、前記判別対象の前記体動とその前後の前記体動との間の前記運動状態の遷移において、起こり得るものとは異なる異常遷移を、非異常遷移に補正するルールである、請求項1に記載の運動検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
本実施の形態においては、運動検出装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量(運動量ともいう)も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、この発明の実施の形態における活動量計100の外観図である。
図1を参照して、活動量計100は、本体部191と、クリップ部192とから主に構成される。クリップ部192は、活動量計100をユーザの着衣などに固定するために用いられる。
【0019】
本体部191には、後述する操作部130の一部を構成する表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133、ならびに、後述する表示部140の一部を構成するディスプレイ141が設けられる。
【0020】
本実施の形態においては、ディスプレイ141は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid
Crystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0021】
図2は、この実施の形態における活動量計100の使用状態を示す図である。
図2を参照して、活動量計100は、たとえば、ユーザの腰部のベルトに、クリップ部192を用いて装着される。
【0022】
なお、これに限定されず、活動量計100は、ユーザの体の他の部分に装着されて用いられるように設計されてもよいし、ユーザがカバン等に入れて所持して用いられるように設計されてもよい。
【0023】
図3は、この実施の形態における活動量計100の構成の概略を示すブロック図である。
図3を参照して、活動量計100は、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、加速度センサ170と、気圧センサ180と、電源190とを含む。また、活動量計100は、音を出力する報音部や外部のコンピュータと通信するためのインターフェイスを含むようにしてもよい。
【0024】
制御部110、メモリ120、操作部130、表示部140、加速度センサ170、気圧センサ180、および、電源190は、
図1で説明した本体部191に内蔵される。
【0025】
操作部130は、
図1で説明した表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号を制御部110に送信する。
【0026】
加速度センサ170は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ170は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号を制御部110に出力する。しかし、加速度センサ170は、3軸のものに限定されず、1軸または2軸のものであってもよい。
【0027】
気圧センサ180は、MEMS技術のものが用いられるが、これに限定されず、他の方式のものであってもよい。気圧センサ180は、周辺の気圧値(本実施の形態においては絶対圧)を示す検出信号を制御部110に出力する。
【0028】
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)(たとえば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)(たとえば、SDRAM(synchronous Dynamic Random Access Memory))などの揮発性メモリを含む。
【0029】
メモリ120は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの所定時間ごと(たとえば日ごと)の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0030】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶さ
れた活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、加速度センサ170および気圧センサ180からの検出信号に基づいて、メモリ120、および、表示部140を制御する。
【0031】
表示部140は、
図1で説明したディスプレイ141を含み、制御部110からの制御信号に従った所定の情報を、ディスプレイ141に表示するよう制御する。
【0032】
電源190は、取替可能な電池を含み、電池からの電力を活動量計100の制御部110などの動作するのに電力が必要な各部に供給する。
【0033】
図4は、この実施の形態における活動量計100の機能の概略を示す機能ブロック図である。
図4を参照して、活動量計100の制御部110は、歩行検出部111と、大気圧平滑化部112と、大気圧変化量評価部113と、行動評価部114と、識別行動補正部115と、運動強度評価部116と、運動量評価部117とを含む。
【0034】
なお、本実施の形態においては、制御部110に含まれるこれらの各部は、制御部110によって、
図5から
図9までで後述する処理を実行するためのソフトウェアが実行されることによって、制御部110に構成されることとする。
【0035】
しかし、これに限定されず、制御部110に含まれるこれらの各部は、ハードウェア回路として制御部110の内部に構成されるようにしてもよい。
【0036】
歩行検出部111は、加速度センサ170からの3軸方向の加速度、つまり、X軸加速度、Y軸加速度、および、Z軸加速度の値に基づいて、活動量計100を装着または所持するユーザの歩行を検出する。そして、歩行検出部111は、検出した歩行のタイミングを、大気圧平滑化部112および行動評価部114に出力する。
【0037】
歩行検出部111は、歩行が検出されなかった場合、所定時間T(たとえば、1)秒ごとに、その旨を、大気圧平滑化部112および行動評価部114に出力する。
【0038】
大気圧平滑化部112は、気圧センサ180からの大気圧の値P、および、歩行検出部111からの歩行のタイミングに基づいて、判別対象のタイミングの2歩前から2歩後までの5歩の範囲の大気圧の値の平均値を、平滑化大気圧P
maとして、判別対象のタイミングごとに算出する。ここで、判別対象のタイミングは、歩行のタイミングの1歩ごとである。
【0039】
大気圧平滑化部112は、歩行検出部111から歩行が検出されていない旨を受けた場合、判別対象のタイミングの2T秒前から2T秒後の4T秒の範囲の大気圧の値の平均値を、平滑化大気圧P
maとして、T秒ごとの判別対象のタイミングごとに算出する。
【0040】
なお、ここでは、5歩(4T秒)の範囲の大気圧の平均値を算出するようにしたが、これに限定されず、平均値を算出する範囲は、M
frame(歩)(M
frameは自然数)の範囲であってもよい。
【0041】
また、1歩(T秒)ごとの平滑化大気圧を算出するようにしたが、これに限定されず、平滑化大気圧を算出するのは、N
frame(歩)(N
frameは自然数)ごとであってもよい。
【0042】
図5は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の大気圧平滑化部112および大気圧変化量評価部113で行なわれる処理の一例を示すグラフである。
図5を参照して、4つのグラフの横軸は、時間t(s)を示す。1段目のグラフの縦軸は、気圧センサ180から制御部110に入力される大気圧の値P(hPa)の変化を示す。
【0043】
2段目のグラフの縦軸は、平滑化大気圧P
ma(hPa)の変化を示す。大気圧平滑化部112によって、1段目のグラフにおけるM
frame=5歩の範囲の平均値が、2段目のグラフのプロットで示される平滑化大気圧Pmaとして算出される。
【0044】
図4に戻って、大気圧変化量評価部113は、大気圧平滑化部112からの平滑化大気圧に基づいて、判別対象のタイミングの1歩前の平滑化大気圧から判別対象のタイミングの平滑化大気圧への変化量P
diff(hPa)を算出する。
【0045】
大気圧変化量評価部113は、歩行が検出されていない場合、大気圧平滑化部112からの平滑化大気圧に基づいて、判別対象のタイミングの所定時間T秒前の平滑化大気圧から判別対象のタイミングの平滑化大気圧への変化量P
diff(hPa)を算出する。
【0046】
図5に進んで、3段目のグラフの縦軸は、変化量P
diffの変化を示す。3段目のグラフにおいて、閾値Th
up,Th
downは、1歩ごとの、平地歩行または停止と、上昇または下降との、平滑化大気圧の変化量P
diffの閾値である。本実施の形態においては、Th
up=-0.01,Th
down=0.01とする。
【0047】
図4に戻って、大気圧変化量評価部113は、判別対象のタイミングの変化量P
diffが、閾値Th
up未満である場合、気圧変化識別結果Act
diffの値を1とする、つまり、判別対象のタイミングの動作状態が上昇である可能性が高い動作状態であるとする。
【0048】
また、大気圧変化量評価部113は、判別対象のタイミングの変化量P
diffが、閾値Th
up以上、かつ、閾値Th
down以下である場合、気圧変化識別結果Act
diffの値を0とする、つまり、判別対象のタイミングの動作状態が平地歩行または停止である可能性が高い動作状態であるとする。
【0049】
また、大気圧変化量評価部113は、判別対象のタイミングの変化量P
diffが、閾値Th
downより大きい場合、気圧変化識別結果Act
diffの値を−1とする、つまり、判別対象のタイミングの動作状態が下降である可能性が高い動作状態であるとする。
【0050】
図5に進んで、4段目のグラフの縦軸は、気圧変化識別結果Act
diffの変化を示す。3段目のグラフにおいて、1〜5,7,11,13〜15番目のプロットが、閾値Th
up以上、かつ、閾値Th
down以下の範囲であるので、4段目のグラフにおいて、これらのプロットに対応する気圧変化識別結果Act
diffの値が0とされる。
【0051】
3段目のグラフにおいて、6,8〜10番目のプロットが、閾値Th
downより大きい範囲であるので、4段目のグラフにおいて、これらのプロットに対応する気圧変化識別結果Act
diffの値が−1とされる。
【0052】
3段目のグラフにおいて、12番目のプロットが、閾値Th
up未満の範囲であるので、4段目のグラフにおいて、このプロットに対応する気圧変化識別結果Act
diffの値が1とされる。
【0053】
図4に戻って、大気圧変化量評価部113は、気圧変化識別結果Act
diffに基づいて、判別対象のタイミングの2歩前から2歩後までの5歩の範囲の平均値を、識別結果移動平均Act
maとして、判別対象のタイミング、つまり、歩行のタイミングの1歩ごとに算出する。
【0054】
大気圧変化量評価部113は、歩行が検出されていない場合、判別対象のタイミングの2T秒前から2T秒後までの4T秒の範囲の平均値を、識別結果移動平均Act
maとして、T秒ごとの判別対象のタイミングごとに算出する。
【0055】
図6は、この実施の形態における活動量計の制御部110の大気圧変化量評価部113で行なわれる処理の一例の続きを示すグラフである。
図6を参照して、3つのグラフの横軸は、時間t(s)を示す。1段目のグラフは、
図5の4段目のグラフと同一である。
【0056】
2段目のグラフの縦軸は、識別結果移動平均Act
maの変化を示す。大気圧変化量評価部113によって、1段目のグラフにおける5歩の範囲の平均値が、2段目のグラフのプロットで示される識別結果移動平均Act
maとして算出される。
【0057】
図4に戻って、大気圧変化量評価部113は、判別対象のタイミングの識別結果移動平均Act
maが、閾値0.5より大きい場合、昇降状態識別結果Act
adjの値を1とする、つまり、判別対象のタイミングの補正前の昇降状態が上昇であるとする。なお、識別結果移動平均Act
maの閾値は、0.5に限定されず、他の値であってもよい。
【0058】
また、大気圧変化量評価部113は、判別対象のタイミングの識別結果移動平均Act
maが、閾値0.5以下、かつ、閾値-0.5以上である場合、昇降状態識別結果Act
adjの値を0とする、つまり、判別対象のタイミングの補正前の昇降状態が非昇降であるとする。
【0059】
また、大気圧変化量評価部113は、判別対象のタイミングの識別結果移動平均Act
maが、閾値-0.5未満である場合、昇降状態識別結果Act
adjの値を-1とする、つまり、判別対象のタイミングの補正前の昇降状態が下降であるとする。
【0060】
図6に進んで、3段目のグラフの縦軸は、昇降状態識別結果Act
adjの変化を示す。2段目のグラフにおいて、1〜6,11〜13,15番目のプロットが、閾値0.5以下、かつ、閾値-0.5以上の範囲であるので、3段目のグラフにおいて、これらのプロットに対応する昇降状態識別結果Act
adjの値が0とされる。
【0061】
2段目のグラフにおいて、7〜10番目のプロットが、閾値-0.5未満の範囲であるので、3段目のグラフにおいて、これらのプロットに対応する昇降状態識別結果Act
adjの値が-1とされる。
【0062】
2段目のグラフにおいて、14番目のプロットが、閾値0.5より大きい範囲であるので、3段目のグラフにおいて、このプロットに対応する昇降状態識別結果Act
adjの値が1とされる。
【0063】
図4に戻って、行動評価部114は、歩行検出部111からの歩行のタイミングまたは歩行が検出されていない旨、および、大気圧変化量評価部113からの昇降状態識別結果Act
adjに基づいて、動作状態(「行動種別」ともいう)を識別する。
【0064】
図7は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の行動評価部114による行動種別の識別の条件を示す図である。
図7を参照して、判別対象のタイミングの動作状態について、大気圧変化量評価部113によって昇降状態が上昇であると識別された場合、歩行検出が有る場合は、動作状態が階段上昇であると識別される。
【0065】
また、歩行検出が無い場合、判別対象のタイミングの所定時間前からの大気圧の変化量Sが大きい、つまり、閾値S
th以上であれば、エレベータでの上昇、変化量Sが小さい、つまり、閾値S
th未満であれば、エスカレータでの上昇であると識別される。
【0066】
判別対象のタイミングの動作状態について、大気圧変化量評価部113によって昇降状態が下降であると識別された場合、歩行検出が有る場合は、動作状態が階段下降であると識別される。
【0067】
また、歩行検出が無い場合、判別対象のタイミングの所定時間前からの大気圧の変化量Sが大きい、つまり、閾値S
th以上であれば、エレベータでの下降、変化量Sが小さい、つまり、閾値S
th未満であれば、エスカレータでの下降であると識別される。
【0068】
判別対象のタイミングの動作状態について、大気圧変化量評価部113によって昇降状態が非昇降であると識別された場合、歩行検出が有る場合は、動作状態が平地歩行であると識別される。また、歩行検出が無い場合、停止であると識別される。
【0070】
表1を参照して、歩行検出が有る場合、歩行状態が1とされる。歩行状態が1の場合において、階段上昇であると識別された場合、昇降状態が1とされ、階段下降であると識別された場合、昇降状態が-1とされ、平地歩行であると識別された場合、昇降状態が0とされる。
【0071】
また、歩行検出が無い場合、歩行状態が0とされる。歩行状態が0の場合において、エレベータでの上昇であると識別された場合、昇降状態が2とされ、エスカレータでの上昇であると識別された場合、昇降状態が1とされ、停止であると識別された場合、昇降状態が0とされ、エスカレータでの下降と識別された場合、昇降状態が-1とされ、エレベータでの下降であると識別された場合、昇降状態が-2とされる。
【0072】
図4に戻って、識別行動補正部115は、行動評価部114からの各判別対象タイミングの行動種別(動作状態)に基づいて、行動種別を補正する。
【0073】
図8は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の識別行動補正部115による補正の基礎的な考え方を説明するための第1の図である。
図9は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の識別行動補正部115による補正の基礎的な考え方を説明するための第2の図である。
【0074】
図8および
図9を参照して、動作状態が「平地歩行」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「平地歩行」)、「静止(停止、エレベータ昇降、エスカレータ昇降)」、「階段上昇」、または、「階段下降」に遷移し得る。
【0075】
動作状態が「階段上昇」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「階段上昇」)、「静止(停止)」、「平地歩行」、または、「階段下降」に遷移し得る。
【0076】
動作状態が「階段下降」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「階段下降」)、「静止(停止)」、「平地歩行」、または、「階段上昇」に遷移し得る。
【0077】
動作状態が「静止(停止)」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「静止(停止、エレベータ上昇、エレベータ下降)」)、「平地歩行」、「階段上昇」、または、「階段下降」に遷移し得る。
【0078】
動作状態が「静止(エレベータ上昇)」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「静止(停止、エレベータ上昇)」)、または、「平地歩行」に遷移し得る。
【0079】
動作状態が「静止(エレベータ下降)」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「静止(停止、エレベータ下降)」)、または、「平地歩行」に遷移し得る。
【0080】
動作状態が「静止(エスカレータ上昇)」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「静止(エスカレータ上昇)」)、または、「平地歩行」に遷移し得る。
【0081】
動作状態が「静止(エスカレータ下降)」である場合は、次の動作状態として、同じ動作状態(「静止(エスカレータ下降)」)、または、「平地歩行」に遷移し得る。
【0082】
本実施の形態においては、ある所定数の単位歩行の範囲において、最初および最後の単位歩行の動作状態が同一であり、かつ、最初および最後の単位歩行の動作状態と異なる動作状態の単位歩行がその範囲に含まれる単位歩行の半数未満含まれる場合の動作状態の遷移を異常遷移であるとする。
【0083】
この異常遷移を、ある所定数の単位歩行の範囲において、最初および最後の単位歩行の動作状態が同一であり、かつ、その範囲に含まれる単位歩行の動作状態が同一である遷移である非異常遷移に補正するといったルールを定める。
【0084】
具体的には、単位歩行を1歩とし、所定数を5歩とすると、次のとおりである。5歩の範囲において、1歩目および5歩目の動作状態(平地歩行、階段上昇、または、階段下降)が同一であり、かつ、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が2.5歩未満(1歩以上)含まれる場合の動作状態の遷移を異常遷移であるとする。
【0085】
この異常遷移を、5歩の範囲において、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、その範囲に含まれる動作状態が同一である遷移である非異常遷移に補正するといったルールを定める。
【0086】
図10は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の識別行動補正部115によって動作状態を補正する場合の例を示す図である。
図10(A)を参照して、この動作状態の遷移は、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が1歩(3歩目)であり、2.5歩未満(1歩以上)含まれるため、異常遷移である。
【0087】
このため、この異常遷移を、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、その範囲に含まれる動作状態が同一である非異常遷移に補正する。つまり、3歩目の動作状態を1,2,4,5歩目と同一の動作状態に補正する。
【0088】
また、
図10(B)を参照して、この動作状態の遷移は、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が2歩(2歩目と3歩目)であり、2.5歩未満(1歩以上)含まれるため、異常遷移である。
【0089】
このため、この異常遷移を、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、その範囲に含まれる動作状態が同一である非異常遷移に補正する。つまり、2歩目および3歩目の動作状態を1,4,5歩目と同一の動作状態に補正する。
【0090】
図11は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の識別行動補正部115によって動作状態を補正しない場合の例を示す図である。
図11(A)を参照して、この動作状態の遷移は、1歩目および5歩目の動作状態が同一でないので、異常遷移ではない。このため、補正はしない。
【0091】
また、
図11(B)を参照して、この動作状態の遷移は、1歩目および5歩目の動作状態が同一であるが、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が3歩(2〜4歩目)であり、2.5歩以上含まれるので、異常遷移とはしない。このため、補正はしない。
【0092】
図12は、この実施の形態における活動量計100の制御部110の識別行動補正部115で行なわれる処理の一例を示すグラフである。
図12を参照して、2つのグラフの横軸は、時間t(s)を示す。1段目のグラフは、
図6の3段目のグラフと同一である。
【0093】
2段目のグラフの縦軸は、動作状態識別補正結果Actの変化を示す。1段目のグラフにおいて、1〜5番目および2〜6番目のプロットについては、1歩目および5歩目の動作状態が同一であるが、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が含まれないため、異常遷移ではない。このため、補正はしない。したがって、昇降状態識別結果Actadjの値が、そのまま、動作状態識別補正結果Actの値とされる。
【0094】
1段目のグラフにおいて、3〜7番目、4〜8番目、5〜9番目、6〜10番目、7〜11番目、8〜12番目、9〜13番目および10〜14番目のプロットについては、1歩目および5歩目の動作状態が異なるので、異常遷移とはしない。このため、補正はしない。したがって、昇降状態識別結果Actadjの値が、そのまま、動作状態識別補正結果Actの値とされる。
【0095】
1段目のグラフにおいて、11〜15番目のプロットについては、1歩目のおよび5歩目の動作状態が同一であり、かつ、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が1歩(4歩目)であり、2.5歩未満(1歩以上)含まれるため、異常遷移である。
【0096】
このため、この異常遷移を、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、その範囲に含まれる動作状態が同一である非異常遷移に補正する。つまり、4歩目(14番目のプロット)の動作状態を1〜3,5歩目(11〜13,15番目のプロット)と同一の動作状態である「0」、つまり、「平地歩行」に補正する。したがって、昇降状態識別結果Actadjの値が、補正されて、動作状態識別補正結果Actの値とされる。
【0097】
運動強度評価部116は、識別行動補正部115によって特定された各判別対象のタイミングの動作状態に応じた運動強度を特定する。具体的には、たとえば、参考文献(運動所要量・運動指針の策定検討会,「健康づくりのための運動指針2006」,平成18年7月)の記載に基づいて、階段上昇、平地歩行、および、階段下降のそれぞれの運動強度が、8.0メッツ、3.0メッツ、および、3.0メッツであることとする。また、停止(立位)、および、自動機による昇降は、1.2メッツであることとする。
【0098】
運動量評価部117は、運動強度評価部116で特定したそれぞれの動作状態の運動強度をE
s(メッツ)、それぞれの動作状態の継続時間E
T(時間)とした場合に、運動量E
V(エクササイズ(Ex))=Σ(E
s×E
T)の式に基づいて、所定周期(たとえば、1分)ごとの運動量E
Vを算出する。算出された運動量E
Vはメモリ120に記憶される。また、運動量E
Vはメモリ120から読出されて表示部140に表示される。
【0099】
図13から
図17は、それぞれ、この実施の形態における活動量計100の制御部110によって実行される行動識別処理の流れを示す第1から第5のフローチャートである。
図13を参照して、まず、ステップS101で、活動量計100の制御部110は、変数i,n,k,jの初期値をそれぞれ、0,0,K,Jに設定する。
【0100】
ここで、変数iは、歩数を示す。変数nは、後述する気圧記録データPl(n)の番号を示す。変数kは、気圧変化識別結果の一時格納変数D
diff(k)の番号を示す。定数Kは、D
diff(k)のメモリサイズを示す。変数jは、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(j)の番号を示す。定数Jは、D
adj(j)のメモリサイズを示す。
【0101】
次に、ステップS102で、制御部110は、歩行検出処理を実行する。歩行検出処理においては、次のような処理が行なわれる。制御部110は、加速度センサ170からの加速度の値に基づいて、活動量計100を装着または所持するユーザの歩行を検出する。歩行が検出されない場合、歩行の検出を繰返す。歩行が1歩検出された場合、歩行検出処理を終了する。
【0102】
ステップS111では、制御部110は、変数iの値を1加算する。次に、ステップS112で、制御部110は、気圧センサ180から気圧データを変数P(m)に読込む。なお、気圧データP(m)は、気圧データが読込まれるたびに、順次、変数mの値が1加算されて、気圧データP(m)のメモリサイズに達した場合は、m=0から気圧データが読込まれる。
【0103】
ステップS113で、制御部110は、気圧記録データPl(n)に気圧データP(m)の値を代入する。ステップS114で、制御部110は、歩行フラグ取得時番号N
iに変数nの値を代入する。
【0104】
ステップS115で、制御部110は、変数nの値が定数N以下(n<=N)であるか否かを判断する。定数Nは、気圧記録データPl(n)のメモリサイズを示す。n<=N(ステップS115でYES)であれば、ステップS116で、制御部110は、変数nの値を1加算する。n>N(ステップS115でNO)であれば、ステップS117で、制御部110は、変数nの値を0にリセットする。
【0105】
これにより、気圧記録データPl(n)は、気圧データP(m)の値が代入されるたびに、順次、変数nの値が1加算されて、気圧記録データPl(n)のメモリサイズに達した場合は、n=0から気圧データP(m)の値が代入される。
【0106】
ステップS116およびステップS117の後、ステップS118で、制御部110は、変数iの値が6以上(i>=6)であるか否かを判断する。i<6(ステップS118でNO)であれば、制御部110は、実行する処理をステップS102の処理に戻す。一方、i>=6(ステップS118でYES)であれば、ステップS119で、制御部110は、平滑化大気圧P
ma(i)=mean(Pl(N
i-5):Pl(N
i-1))を算出する。
【0107】
なお、前述の
図4においては、判別対象のタイミングの2歩前から2歩後までの5歩の範囲の大気圧の値の平均値を、平滑化大気圧P
maとした。しかし、本フローチャートで示される行動識別処理においては、或るタイミングの歩行に対する補正した動作状態が得られるタイミングが次の歩行のタイミングよりも前となるような実時間処理とするため、判別対象のタイミングの5歩前から1歩前までの5歩の範囲の大気圧の値の平均値を、平滑化大気圧P
ma(i)とする。
【0108】
図14を参照して、ステップS118の後、ステップS121で、制御部110は、変数iの値が7以上(i>=7)であるか否かを判断する。i<7(ステップS121でNO)であれば、ステップS126で、制御部110は、平滑化大気圧P
ma(i)の値を平滑化大気圧の一時格納変数D
ma1に格納して、実行する処理を
図13のステップS102の処理に戻す。
【0109】
一方、i>=7(ステップS121でYES)であれば、ステップS122で、制御部110は、平滑化大気圧P
ma(i)の値を平滑化大気圧の一時格納変数D
ma2に格納する。そして、ステップS123で、制御部110は、判別対象のタイミングの1歩前の平滑化大気圧から判別対象のタイミングの平滑化大気圧への変化量P
diff(i)=D
ma2-D
ma1を算出する。
【0110】
次に、ステップS124で、制御部110は、平滑化大気圧の一時格納変数D
ma2の値を平滑化大気圧の一時格納変数D
ma1に移行する。
【0111】
次いで、ステップS125で、制御部110は、判別対象のタイミングの変化量P
diff(i)の値に応じて、気圧変化識別結果Act
diff(i)の値を定める。具体的には、P
diff(i)<Th
upである場合、Act
diff(i)の値を1とする。Th
up<=P
diff(i)<=Th
downである場合、Act
diff(i)の値を0とする。P
diff(i)>Th
downである場合、Act
diff(i)の値を-1とする。
【0112】
図15を参照して、ステップS125の後、ステップS131で、制御部110は、変数kが定数Kより小さい(k<K)か否かを判断する。k<K(ステップS131でYES)であれば、ステップS132で、制御部110は、変数kの値を1加算する。k>=K(ステップS131でNO)であれば、ステップS133で、制御部110は、変数kの値を0にリセットする。
【0113】
ステップS132およびステップS133の後、ステップS134で、気圧変化識別結果Act
diff(i)の値を、気圧変化識別結果の一時格納変数D
diff(k)に格納する。
【0114】
これにより、気圧変化識別結果の一時格納変数D
diff(k)は、気圧変化識別結果Act
diff(i)の値が代入されるたびに、順次、変数kの値が1加算されて、気圧変化識別結果の一時格納変数D
diff(k)のメモリサイズに達した場合は、k=0から気圧変化識別結果Act
diff(i)の値が代入される。
【0115】
次に、ステップS141で、制御部110は、変数iの値が11より
大きい(i
>11)か否かを判断する。i<=11(ステップS141でNO)であれば、ステップS142で、制御部110は、iが11(i==11)であるか否かを判断する。変数iの値が11でなければ(ステップS142でNOであれば)、制御部110は、実行する処理を
図13のステップS102に戻す。
【0116】
一方、変数iの値が11であれば(ステップS142でYESであれば)、ステップS143で、制御部110は、気圧変化識別結果の一時格納変数D
diff(k-4)の値を、昇降状態識別結果Act
adj(i-2)に代入する。また、気圧変化識別結果の一時格納変数D
diff(k-3)の値を、昇降状態識別結果Act
adj(i-1)に代入する。
【0117】
ステップS143の後、および、i>11(ステップS141でYES)である場合、ステップS144で、識別結果移動平均Act
ma(i)=mean(D
diff(k-4):D
diff(k))を算出する。
【0118】
なお、前述の
図4においては、判別対象のタイミングの2歩前から2歩後までの5歩の範囲の平均値を、識別結果移動平均Act
maとした。しかし、本フローチャートで示される行動識別処理においては、或るタイミングの歩行に対する補正した動作状態が得られるタイミングが次の歩行のタイミングよりも前となるような実時間処理とするため、判別対象のタイミングの4歩前から当該タイミングまでの5歩の範囲の気圧変化識別結果の値の平均値を、識別結果移動平均Act
ma(i)とする。
【0119】
次いで、ステップS145で、制御部110は、判別対象のタイミングの識別結果移動平均Act
ma(i)の値に応じて、昇降状態識別結果Act
adj(i)の値を定める。具体的には、Act
ma(i)>0.5である場合、Act
adj(i)の値を1とする。0.5>=Act
ma(i)>=-0.5である場合、Act
adj(i)の値を0とする。Act
ma(i)<-0.5である場合、Act
adj(i)の値を-1とする。
【0120】
図16を参照して、ステップS145の後、ステップS151で、制御部110は、変数jの値が定数Jより小さい(j<J)か否かを判断する。j<J(ステップS151でYES)であれば、ステップS152で、制御部110は、変数jの値を1加算する。j>=J(ステップS151でNO)であれば、ステップS153で、制御部110は、変数jの値を0にリセットする。
【0121】
ステップS152、および、ステップS153の後、ステップS154で、制御部110は、変数iの値が12以上(i>=12)であるか否かを判断する。i<12(ステップS154でNO)であれば、ステップS156で、制御部110は、昇降状態識別結果Act
adj(i-2)〜Act
adj(i)の値を、それぞれ、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(0)〜D
adj(3)に代入する。
【0122】
一方、i>=12(ステップS154でYES)であれば、ステップS155で、制御部110は、昇降状態識別結果Act
adj(i)の値を、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(j)に代入する。
【0123】
これにより、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(j)は、昇降状態識別結果Act
adj(i)の値が代入されるたびに、順次、変数jの値が1加算されて、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(j)のメモリサイズに達した場合は、j=0から昇降状態識別結果Act
adj(i)の値が代入される。
【0124】
ステップS155、および、ステップS156の後、ステップS157で、制御部110は、変数iの値が13以上(i>=13)であるか否かを判断する。i<13(ステップS157でNO)であれば、制御部110は、実行する処理を
図13のステップS102の処理に戻す。一方、i>=13(ステップS157でYES)であれば、制御部110は、実行する処理を、
図17のステップS161の処理に進める。
【0125】
図17を参照して、ステップS161では、制御部110は、D
adj(j)の値が、D
adj(j-4)の値に等しい(D
adj(j)==D
adj(j-4))か否かを判断する。等しくない(ステップS161でNO)と判断した場合、制御部110は、実行する処理をステップS171の処理に進める。
【0126】
一方、D
adj(j)の値が、D
adj(j-4)の値に等しい(ステップS161でYES)と判断した場合、ステップS162で、制御部110は、D
adj(j)の値が、D
adj(j-1)の値に等しい(D
adj(j)==D
adj(j-1))か否かを判断する。
【0127】
D
adj(j)の値が、D
adj(j-1)の値に等しい(ステップS162でYES)と判断した場合、ステップS163で、制御部110は、D
adj(j-3)およびD
adj(j-2)の値を、それぞれ、D
adj(j)の値と等しくする。その後、制御部110は、実行する処理をステップS171の処理に進める。
【0128】
D
adj(j)の値が、D
adj(j-1)の値に等しくない(ステップS162でNO)と判断した場合、ステップS164で
、制御部110は、D
adj(j)の値が、D
adj(j-2)の値に等しい(D
adj(j)==D
adj(j-2))か否かを判断する。
【0129】
D
adj(j)の値が、D
adj(j-2)の値に等しい(ステップS164でYES)と判断した場合、ステップS165で、制御部110は、D
adj(j-3)およびD
adj(j-1)の値を、それぞれ、D
adj(j)の値と等しくする。その後、制御部110は、実行する処理をステップS171の処理に進める。
【0130】
D
adj(j)の値が、D
adj(j-2)の値に等しくない(ステップS164でNO)と判断した場合、ステップS166で
、制御部110は、D
adj(j)の値が、D
adj(j-3)の値に等しい(D
adj(j)==D
adj(j-3))か否かを判断する。
【0131】
D
adj(j)の値が、D
adj(j-3)の値に等しい(ステップS166でYES)と判断した場合、ステップS167で、制御部110は、D
adj(j-2)およびD
adj(j-1)の値を、それぞれ、D
adj(j)の値と等しくする。その後、制御部110は、実行する処理をステップS171の処理に進める。
【0132】
ステップS171では、制御部110は、変数iの値が13である(i==13)か否かを判断する。i==13(ステップS171でYES)であれば、ステップS172で、制御部110は、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(0)の値を、動作状態識別補正結果Act(1)〜Act(4)に代入する。
【0133】
i==13でない(ステップS171でNO)と判断した場合、および、ステップS172の後、ステップS173で、制御部110は、昇降状態識別結果の一時格納変数D
adj(j-4)の値を、動作状態識別補正結果Act(i-8)に代入する。その後、制御部110は、実行する処理をこの行動識別処理の呼出元の処理に戻す。
【0134】
[閾値Th
up,Th
downの決定方法]
次に、前述した閾値Th
up,Th
downの決定方法について説明する。まず、前述の活動量計100の気圧センサ180を装着した男女複数名について、平地歩行、階段上昇、階段下降を、様々な歩調で行なった場合の、大気圧の値の変化のデータを測定して記録する。また、それぞれの歩行のタイミングにおける動作状態(平地歩行、階段上昇または階段下降)も併せて観測して記録する。この記録された値に基づいて、様々な歩調の場合の1歩ごとの平滑化大気圧の変化量P
diffを計算する。
【0135】
動作状態を判別するための閾値を決定および検証するために、閾値を変化させながら動作状態の識別率の変化のデータを取得する。閾値ごとの階段上昇の識別率は、階段上昇の識別率(%)=(その閾値によって階段上昇と識別される平滑化大気圧の変化量P
diffのデータの数)/(実際に階段上昇であった平滑化大気圧の変化量P
diffのデータの数)の式で算出される。なお、その閾値によって階段上昇と識別される平滑化大気圧の変化量P
diffのデータとは、閾値の値をTh
nとすると、P
diff>Th
nを満たすデータである。階段上昇の識別率は、閾値Th
nを-0.1から増加させていくと、単調増加し、0を少し超えた辺りで、100%に達する。
【0136】
閾値ごとの平地歩行の識別率は、平地歩行の識別率(%)=(その閾値によって平地歩行と識別される平滑化大気圧の変化量P
diffのデータの数)/(実際に
平地歩行であった平滑化大気圧の変化量P
diffのデータの数)の式で算出される。なお、その閾値によって平地歩行と識別される平滑化大気圧の変化量P
diffのデータとは、閾値の値をTh
nとすると、−|Th
n|≦P
diff≦|Th
n|を満たすデータである。平地歩行の識別率は、閾値|Th
n|を0.01から増加させていくと、単調増加し、0.1になったときには、100%近くに達する。
【0137】
ある閾値における階段上昇の識別率と平地歩行の識別率とから、それぞれの識別率が最適となる閾値Th
upを決定することができる。この範囲(Th
up>0)においては、階段上昇の識別率は、閾値Th
upが大きくなるほど、大きくなるが、逆に平地歩行の識別率は、低くなる。このため、単純にそれぞれの識別率のグラフを記載し、単純にその交点から閾値Th
upを決定しても良い。Th
downも同様に決定できる。
【0138】
図18は、動作状態を判別するための閾値を決定および検証するときの決定された閾値を用いたときの動作状態の識別率を示すグラフである。
図18を参照して、気圧のみを用いて補正を行なわない場合に比べて、補正を行なって求めた動作状態の識別率が飛躍的に向上し、すべての場合において、90%以上の識別率となった。
【0139】
[まとめ]
(1) 以上説明したように、本実施の形態における活動量計100は、本体部191と、制御部110と、メモリ120と、本体部191の変位を示す値を検出する加速度センサ170および気圧センサ180とを備える。活動量計100によれば、加速度センサ170および気圧センサ180によって検出された或る判別対象タイミングにおける値に基づいて本体部191を装着または所持するユーザの動作状態を判別する判別過程において、検出された判別対象タイミングの前後のタイミングの値が用いられて、
図10および
図11で説明した予め定められたルールに基づいた補正が判別過程のデータに施されて、動作状態が判別され、判別された動作状態がメモリ120に記憶される。これにより、ユーザの動作状態の誤判別を減少させることができる。
【0140】
(2) さらにまた、予め定められたルールは、
図10および
図11で説明したように、判別対象タイミングとその前後のタイミングとの間の動作状態の遷移において、起こり得る遷移とは異なる異常遷移を、非異常遷移に補正するルールである。これにより、異常な動作状態の遷移を異常でない動作状態の遷移に補正することができる。
【0141】
(3) さらにまた、判別対象タイミングの前後それぞれ2歩の範囲において、その範囲の1歩ごとの動作状態について、異常遷移は、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、1歩目および5歩目の動作状態と異なる動作状態が2.5歩未満含まれる場合の遷移であり、非異常遷移は、1歩目および5歩目の動作状態が同一であり、かつ、その範囲の動作状態が同一である遷移である。
【0142】
(4) また、動作状態は、歩行が有るか無いかの歩行状態、および、上昇、下降または非昇降の昇降状態の組合せである。
【0143】
(5) また、加速度センサ170によって、3軸方向の加速度の値がそれぞれ検出され、判別過程において、加速度センサ170によって検出された加速度の値に基づいてユーザの動作状態のうち歩行状態が判別される。
【0144】
(6) また、気圧センサ180によって、絶対圧の値が検出され、判別過程において、気圧センサ180によって検出された絶対圧の値に基づいてユーザの動作状態のうち昇降状態が判別される。
【0145】
(7) また、判別対象タイミングおよびその前後のタイミングは、単位歩行である1歩ごとのタイミングである。これにより、1歩ごとの歩行について、動作状態を補正することができる。
【0146】
(8) 判別対象タイミングおよびその前後のタイミングは、歩行が検出されない場合は、所定時間T(たとえば、1)秒ごとのタイミングである。これによって、歩行が検出されない場合であっても、動作状態を補正することができる。
【0147】
(9) また、メモリ120に記憶された動作状態に基づいて運動強度E
s(メッツ)が特定され、メモリ120に記憶された動作状態それぞれの継続時間E
T(時間)、および、特定された運動強度E
sが用いられて運動量E
V(エクササイズ(Ex))=Σ(E
s×E
T)が算出される。
【0148】
次に、上述した実施の形態の変形例について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、
図10および
図11で説明したルールで動作状態を補正するようにした。しかし、これに限定されず、次のようにしてもよい。
【0149】
図8および
図9で説明したように、ある動作状態から絶対に遷移しない動作状態がある。たとえば、エスカレータ上昇またはエスカレータ下降からは、停止、階段昇降、および、エレベータ昇降の動作状態には遷移しない。
【0150】
このため、エスカレータ上昇の動作状態と判別されたタイミングから数歩または所定時間T秒の数倍の時間、停止、階段昇降、または、エレベータ昇降の動作状態と判別されるタイミングを経て、再び、エスカレータ上昇の動作状態と判別されるような場合、その間の動作状態をエスカレータ上昇の動作状態に補正するようにしてもよい。
【0151】
つまり、ある範囲に含まれるタイミングの最初および最後の動作状態が同一で、その間のタイミングの動作状態として、最初および最後の動作状態からは遷移しない動作状態が含まれる場合、最初および最後の動作状態に補正するといったルールで動作状態を補正するようにしてもよい。
【0152】
(2) 前述した実施の形態において、識別行動補正部115によって特定された各判別対象のタイミングの動作状態を、表示部140に表示させるようにしてもよい。
【0153】
(3) 前述した実施の形態においては、活動量計100の装置の発明として説明した。しかし、これに限定されず、活動量計100を制御するための制御方法の発明として捉えることができる。
【0154】
(4) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。