(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713802
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】容器集合装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/31 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
B65G47/31 G
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-124235(P2011-124235)
(22)【出願日】2011年6月2日
(65)【公開番号】特開2012-250803(P2012-250803A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2013年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】505193313
【氏名又は名称】三菱重工食品包装機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(72)【発明者】
【氏名】青木 浩一
【審査官】
八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−143823(JP,A)
【文献】
特開2005−022846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/26 − 47/32
B65G 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入コンベアによって搬入される複数列の容器を、単列化集合して、搬出コンベヤへ搬出する、容器集合装置において、
複数列のカーブコンベヤを、前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとの間に隣接して並設し、
これら複数列のカーブコンベヤは、前記搬入コンベヤ側のカーブコンベヤから前記搬出コンベヤ側のカーブコンベヤに向かうに従って順次速度が大きく設定され、
前記複数のカーブコンベヤが、
内周側に向かうに従って前記速度が順次大きくなるようにカーブする第1のカーブと、
該第1のカーブの下流側に接続され、外周側に向かうに従って前記速度が順次大きくなるようにカーブする第2のカーブと、
が形成されたS字状をなしており、
前記第1のカーブと前記第2のカーブとにわたって、これら第1のカーブ及び第2のカーブの接線方向と適宜の角度をなして前記複数列のカーブコンベヤを横切るように、前記容器を接触摺動により速度の小さい前記カーブコンベヤ側から速度の大きい前記カーブコンベヤ側にガイドするカーブガイドを設け、
複数列で搬入されてくる容器を単列化集合するように構成したことを特徴とする、容器集合装置。
【請求項2】
請求項1に記載する容器集合装置において、前記カーブガイドの一部または全てを可動ベルト式ガイドとして、該可動ベルト式ガイドのベルト速度と前記カーブコンベヤの搬送速度に速度差をつけることにより、該可動ベルト式ガイドに接触摺動した容器に加速および回転を与えられるようにして、容器の方向規制ができるように構成したことを特徴とする容器集合装置。
【請求項3】
請求項2に記載する容器集合装置において、前記可動ベルト式ガイドを容器搬送方向で複数に分割した複式の可動ベルト式ガイドとして、該複式の可動ベルト式ガイドのベルト速度をそれぞれに速度差を設けられるように構成したことを特徴とする容器集合装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載する容器集合装置において、前記可動ベルト式ガイドのベルト速度と前記カーブコンベヤの搬送速度を、予め設定した条件に基づいて自動的に制御するようにした速度制御装置を設けたことを特徴とする容器集合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬入コンベヤによって搬入される複数列の容器を単列化集合して搬出コンベヤへ搬出する容器集合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器を複数列状態から単列化して集合する容器集合装置については、上流側で複数列の容器を搬入する搬入コンベヤと、下流側で単列の容器を搬出する搬出コンベヤとの間に、速度差を持った複数のコンベヤを並置し、該並置したコンベヤ間に斜めガイドを配置して、該斜めガイドに沿わせて多列状態から単列状態に容器を集合していた。(
図4、特許文献1)
また、前記斜めガイドを駆動されたサイドベルトとして、容器集合装置の長さ短縮化の工夫がなされている。(特許文献2)
近年、搬送容器の断面形状が丸型ばかりでなく、角型、或いは、長方形型等の容器が多く使われるようになり、角型、或いは、長方形型等の容器の場合には、容器集合の際に容器が転倒することが多く、容器転倒を少なくしようとすると容器集合装置の長さが長くなってしまうため、容器転倒を生じさせずに容器集合装置の長さを極小にする要求が強まっている。さらに、特に長方形型の容器の場合には容器を確実に効率よく方向規制できるようにする要求も強まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−301624号公報(
図1)
【特許文献2】特開2005−22846号公報(
図2、
図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器を複数列状態から単列化へ集合する従来の容器集合装置について、
図4に基づいて説明する。
図4は、従来の容器集合装置の平面図である。
容器集合装置3は、搬入コンベヤ5によって上流のF1方向から複数列(図示では2列)で搬入されてくる容器Pが、前記搬入コンベヤ5に順次並置された速度差コンベヤ3a、速度差コンベヤ3b、速度差コンベヤ3c、速度差コンベヤ3dによる搬送と、該速度差コンベヤ3a、速度差コンベヤ3b、速度差コンベヤ3c、速度差コンベヤ3d上を角度αの直線に近い状態で斜めに横断する集合ガイド3gによる接触摺動によって順次単列化集合されながら、前記速度差コンベヤ3dに並置された搬出コンベヤ6により単列でF2の方向へ搬出されるようになっている。
【0005】
なお、前記速度差コンベヤ3a、速度差コンベヤ3b、速度差コンベヤ3c、速度差コンベヤ3d、および、前記搬入コンベヤ5、前記搬出コンベヤ6の速度を、それぞれV3a、V3b、V3c、V3d、V1、V2とすると、これらの速度については、
V1≦V3a<V3b<V3c<V3d≦V2
の速度差となっている。
【0006】
このような従来の容器集合装置3においては、搬入コンベヤ5と搬出コンベヤ6の間に並置された速度差コンベヤが直線状であり、容器Pを転倒することなく複数列状態から単列化集合しようとすると、集合ガイド3gの斜め横断角度αを小さくする必要があり、これに伴って速度差コンベヤ3aの入口端と速度差コンベヤ3dの出口端との距離L0が長くなって、容器集合装置を設置するスペースが大きくなってしまうという恐れがある。
【0007】
また、前記特許文献1によれば、容器整列(容器集合)を、横断面長方形の容器群を供給する搬入コンベヤよりも速い速度差コンベヤを3段階に設けて、順次速度を速くし、容器を曲線ガイドに接触摺動させて容器を1列状態にするとしている。
しかしながら、前記特許文献1の技術では、直線状の第1段階の速度差コンベヤを搬入コンベヤに隣接して設け、次いで、順次第2、第3段階の速度差コンベヤをそれぞれ第1、第2段階のコンベヤに隣接して設ける配置としているので、容器を転倒することなく整列しようとすると、特に速度が速い第3段階の速度差コンベヤでは、該速度差コンベヤの搬送方向に緩やかな傾斜をした直線に近い曲線を形成する曲線ガイドとすることが必要であり、容器整列装置の長さが長くなって容器整列装置を設置するスペースが大きくなってしまうという恐れがある。
【0008】
さらに、前記特許文献2によれば、容器集合を、複数列の容器を供給する供給コンベヤに順次高速化する集合コンベヤを隣接して、供給コンベヤおよび集合コンベヤ上を斜めに横切って容器を誘導する駆動されたサイドベルトを複数配置して、サイドベルトに接触摺動する容器を容器より高速で進行するサイドベルトで回転並びに加速することにより、容器を集合するとしている。
しかしながら、前記特許文献2の技術では、直線状の集合コンベヤを隣接配置しており、また、サイドベルトを集合コンベヤの走行方向に対して横断角度をもって集合コンベヤ上で斜めに横切る構成として、前記横断角度をα>β>γ>δとし、δを小さな角度としているので、容器集合装置の長さが長くなって、容器整列装置を設置するスペースが大きくなってしまうという恐れがあり、また、搬送容器の断面形状が長方形型等の異形容器の場合には、容器の向きを長方形の長手方向に整列するに当って、前記横断角度をさらに小さくして容器をサイドベルトに長い距離で接触させることが必要となり、容器集合装置の長さが長くなってしまうという恐れがある。
【0009】
本発明は、複数列の容器を搬入する搬入コンベヤと単列化した容器を搬出する搬出コンベヤの間で、並置した複数列コンベヤとそれを横断して容器を接触摺動させる容器ガイドによって、容器を複数列から単列化集合する容器集合装置において、容器集合装置の長さ(距離)を短縮して、スペース効率のよい容器集合装置を提供すること、さらに、搬送容器の断面形状が長方形型等の異形容器の場合に、容器を転倒させずに効率よく方向規制しながら単列化集合できる容器集合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の容器集合装置は、搬入コンベヤによって搬入される複数列の容器を単列化集合して搬出コンベヤへ搬出する容器集合装置において、前記搬入コンベヤ側から前記搬出コンベヤ側へ順次速度差を有する複数列のカーブコンベヤを前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとの間に隣接して並設し、該複数列のカーブコンベヤにカーブ部の接線方向と適宜の角度をなして該複数列のカーブコンベヤをほぼ横切って容器を接触摺動によりガイドするカーブガイドを設けて、複数列で搬入されてくる容器を単列化集合するように構成したことを特徴とする。
【0011】
(2)第2の手段の容器集合装置は、前記第1の手段の容器集合装置において、前記カーブガイドの一部または全てを可動ベルト式ガイドとして、該可動ベルト式ガイドのベルト速度と前記カーブコンベヤの搬送速度に速度差をつけることにより、該可動ベルト式ガイドに接触摺動した容器に加速および回転を与えられるようにして、容器の方向規制ができるように構成したことを特徴とする。
【0012】
(3)第3の手段の容器集合装置は、前記第2の手段の容器集合装置において、前記可動ベルト式ガイドを容器搬送方向で複数に分割した複式の可動ベルト式ガイドとして、該複式の可動ベルト式ガイドのベルト速度をそれぞれに速度差を設けられるように構成したことを特徴とする。
【0013】
(4)第4の手段の容器集合装置は、前記第2および第3の手段の容器集合装置において、前記可動ベルト式ガイドのベルト速度と前記カーブコンベヤの搬送速度を、予め設定した条件に基づいて自動的に制御するようにした速度制御装置を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の容器集合装置は、搬入コンベアによって搬入される複数列の容器を、単列化集合して、搬出コンベヤへ搬出する、容器集合装置において、複数列のカーブコンベヤを、前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとの間に隣接して並設し、
これら複数列のカーブコンベヤは、前記搬入コンベヤ側のカーブコンベヤから前記搬出コンベヤ側のカーブコンベヤに向かうに従って順次速度が大きく設定され、前記複数のカーブコンベヤが、内周側に向かうに従って前記速度が順次大きくなるようにカーブする第1のカーブと、該第1のカーブの下流側に接続され、外周側に向かうに従って前記速度が順次大きくなるようにカーブする第2のカーブと、が形成されたS字状をなしており、前記第1のカーブと前記第2のカーブとにわたってこれら第1のカーブ及び第2のカーブの接線方向と適宜の角度をなして前記複数列のカーブコンベヤを横切るように、前記容器を接触摺動により速度の小さい前記カーブコンベヤ側から速度の大きい前記カーブコンベヤ側にガイドするカーブガイドを設け、複数列で搬入されてくる容器を単列化集合するように構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係わる本発明は、前記請求項1に記載する容器集合装置において、前記カーブガイドの一部または全てを可動ベルト式ガイドとして、該可動ベルト式ガイドのベルト速度と前記カーブコンベヤの搬送速度に速度差をつけることにより、該可動ベルト式ガイドに接触摺動した容器に加速および回転を与えられるようにして、容器の方向規制ができるように構成したことにより、搬送容器の断面形状が長方形型の異形容器で、長方形の縦横比が大きい場合でも、容器を転倒させずに、容器を効率よく方向規制しながら単列化集合できるという効果を有する。
【0016】
請求項3に係わる本発明は、前記請求項2に記載する容器集合装置において、前記可動ベルト式ガイドを搬送方向で複数に分割した複式の可動ベルト式ガイドとして、該複式の可動ベルト式ガイドのベルト速度をそれぞれに速度差を設けられるように構成したことにより、断面形状が長方形型等の異形容器の場合の容器単列化集合をさらに効率よく行うことができるという効果を有する。
【0017】
請求項4に係わる本発明は、前記請求項2および3に記載する容器集合装置において、前記可動ベルト式ガイドのベルト速度と前記カーブコンベヤの搬送速度を、予め設定した条件に基づいて自動的に制御するようにしたことにより、容器集合装置を上下流の装置の稼働状況に応じて適切で良好な条件で自動運転を行うことができ、これに伴って、容器を転倒させることなく単列化集合を効率的にでき、また、容器集合装置の前後の装置を含めたライン全体の稼働率を高められるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係わる容器集合装置の平面図である。
【
図2】本発明の第2の実施の形態に係わる容器集合装置の平面図である。
【
図3】
図2のA部拡大図で、容器集合状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
(本発明の第1の実施の形態)
【0020】
本発明の第1の実施の形態を
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる容器集合装置の平面図である。
図1において、従来技術として説明した
図4と同じ構造のものについては同じ記号を付して分り易くしてある。
【0021】
図1において、容器集合装置1は、搬入コンベヤ5によって上流のF1方向から複数列(図示では2列)で搬入されてくる容器Pが、ガイド5gでガイドされた後、前記搬入コンベヤ5と搬出コンベヤ6の間に隣接して順次並置されたカーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1d(ここでは複数列のカーブコンベヤを4列としてある)上を、図示のように各カーブコンベヤのカーブ部の接線方向と適宜の角度(容器が転倒することなく、効率よく単列化集合できる角度)をなして、前記カーブコンベヤ1a側から前記カーブコンベヤ1d側へ横断するカーブガイド1gに接触摺動によりガイドされながら順次単列化集合されて、前記搬出コンベヤ6上へガイド6gにガイドされながら単列でF2の方向へ搬出されるように構成されている。
【0022】
前記カーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1dの速度を、それぞれV1a、V1b、V1c、V1dとし、前記搬入コンベヤ5と前記搬出コンベヤ6の速度をそれぞれV1およびV2とすると、これらの速度については、V1≦V1a<V1b<V1c<V1d≦V2の速度差となっている。
なお、前記カーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1dの速度、および、前記搬入コンベヤ5と前記搬出コンベヤ6の速度は、速度制御装置7の指令に基づいて、単列化集合が効率よく制御されるように設定されている。
【0023】
次に、本発明の第1の実施の形態に係わる容器集合装置1の作用を説明する。
搬入コンベヤ5によって上流からF1の方向へ複数列(ここでは2列)で搬入されてくる容器Pは、ガイド5gにガイドされてカーブコンベヤ1aへ乗り移っていき、さらに、搬送されていくと、カーブガイド1gに接触摺動によりガイドされながら、カーブコンベヤ1aからカーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、さらにカーブコンベヤ1dへと乗り移っていく。
この際、カーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1dの速度が、V1≦V1a<V1b<V1c<V1d≦V2の速度差になっていて、速度制御装置7からの指令により適宜の速度に設定されていることにより、カーブガイド1gに接触摺動する容器Pは、回転および加速されながらカーブコンベヤ1dで単列化集合されていき、カーブコンベヤ1dからはガイド6gにガイドされて搬出コンベヤ6へ乗り移って矢印F2方向へ搬出されていく。
【0024】
前記説明のように、カーブコンベヤ1aからカーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1dに向けて順次高速化するように速度差を設け、各カーブコンベヤのカーブ部の接線方向と適宜の角度をなすカーブガイド1gを設けて、容器Pをカーブガイド1gに接触摺動によりガイドするようにしたことにより、容器Pの各カーブコンベヤへの前記乗り移りが容器の転倒を伴わず効率的に行われ、
図1に示すカーブコンベヤ1aの入口端とカーブコンベヤ1dの出口端との距離Lは、
図4で示す従来の直線状の速度差コンベヤ3aの入口端と速度差コンベヤ3dの出口端との距離L0より短くなり、容器集合装置を設置するスペースを小さくすることができて、容器の単列化集合を効率的に行うことができる。
【0025】
なお、
図1では容器Pを断面形状が丸型の場合を示しているが、断面形状が角型、長方形型のような丸型でない場合でもよいことは勿論である。
容器Pの断面形状が長方形等のような異形容器で、長方形の縦横比が適正範囲の場合等においては、容器集合装置1は、単に単列化するだけでなく、容器を方向規制しながら、即ち、容器を方向整列しながら単列化することもできる。
(本発明の第2の実施の形態)
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態を
図2および
図3を基に説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係わる容器集合装置の平面図である。
図3は、
図2のA部拡大図で、容器集合状態を説明する図である。
図2および
図3において、
図1と同じ構造のものは同じ記号を付して分り易くしてある。
図において、容器集合装置2は、搬入コンベヤ5によって搬入されてくる断面形状が異形で長方形の容器P0が、ガイド5gにガイドされてカーブコンベヤ1aに乗り移った後、カーブガイド1g1、および、該カーブガイド1g1に続いて、カーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1d上を、図示のように各カーブコンベヤのカーブ部の接線方向と適宜の角度をなして、前記カーブコンベヤ1a側から前記カーブコンベヤ1d側へ横断する可動ベルト式ガイド2gによって接触摺動によりガイドされ、引続きガイド6gにガイドされて搬出コンベヤ6に乗り移るような構成となっている。
なお、カーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1dはそれぞれV1a、V1b、V1c、V1dの速度で、搬入コンベヤ5および搬出コンベヤ6はそれぞれV1およびV2の速度で速度制御装置8からの指令に基づいて走行されるようになっている。
【0027】
前記可動ベルト式ガイド2gは、2式の可動ベルト式ガイド2g1と可動ベルト式ガイド2g2によって構成されている。
なお、容器P0は、該可動ベルト式ガイド2g1と可動ベルト式ガイド2g2の間のスペースガイド2sによって前記可動ベルト式ガイド2g1から可動ベルト式ガイド2g2へスムーズに搬送されるようになっている。
【0028】
前記可動ベルト式ガイド2g1は、エンドレスベルト(1例としてタイミングベルト)2b1が、図示しないベルトガイドによって図示のようなカーブ状となるようにしてあり、一対のプーリー(1例としてタイミングプーリー)2r1によって張設され、速度制御装置8からの指令により図示しない駆動装置によって速度Vb1で巡回するようになっている。なお、前記エンドレスベルト2b1は、容器P0と接触した際の摩擦係数が大きいものが望ましい。
前記可動ベルト式ガイド2g2も、同様にエンドレスベルト2b2が、図示しないベルトガイドによって図示のようなカーブ状となるように、一対のプーリー2r2によって張設され、速度制御装置8からの指令により図示しない駆動装置によって速度Vb2で巡回するようになっている。なお、前記エンドレスベルト2b2は、容器P0と接触した際の摩擦係数が大きいものが望ましい。
また、前記速度Vb1および速度Vb2は、Vb1>V1b、Vb2>V1d>V1cとなっており、速度制御装置8からの指令に基づいて設定されるようになっている。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる容器集合装置2の作用を説明する。
一般的に、容器の断面形状が長方形等の異形の場合には、容器P0の向きを容器の進行方向に対して例えば縦横比が大きい長方形の長手方向へ方向規制する際に、前記第1の実施の形態で説明した容器集合装置1のカーブガイド1gのような固定のガイドでは、速度差のあるカーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b等のカーブコンベヤによる搬送で容器P0がカーブガイド1gに接触摺動した場合、カーブガイドとの摩擦等により、容器P0の長手方向への方向規制が十分でないという恐れがある。
【0030】
図3に基づいて、容器集合装置2の容器集合状態を詳しく説明すると、図示容器P1(ここでは説明の便宜上、容器P0を容器P1と記載している。)は、E1点がエンドレスベルト2b1に接触摺動しながらカーブコンベヤ1bで搬送されている状態を示しているが、エンドレスベルト2b1の速度Vb1がカーブコンベヤ1bの速度V1bより速いため、容器P1のE1点がエンドレスベルト2b1との摩擦力により引きずられ、容器P1がE1点を支点として図示y1のような回転作動をしながら搬送されるので、図示二点鎖線のP1xの状態のようにエンドレスベルト2b1に沿った方向に方向規制される。
【0031】
同様に、図示容器P2(ここでは説明の便宜上、容器P0を容器P2と記載している。)は、E2点がエンドレスベルト2b2に接触摺動しながらカーブコンベヤ1bとカーブコンベヤ1cで搬送されている状態を示しているが、エンドレスベルト2b2の速度Vb2がカーブコンベヤ1bおよびカーブコンベヤ1cの速度V1bおよび速度V1cより速いため、容器P2のE2点がエンドレスベルト2b2との摩擦力により引きずられ、容器P2がE2点を支点として図示y2のような回転作動をしながら搬送されるので、図示二点鎖線のP2xの状態のようにエンドレスベルト2b2に沿った方向に方向規制される。
【0032】
さらに、図示容器P3(ここでは説明の便宜上、容器P0を容器P3と記載している。)は、E3点がエンドレスベルト2b2に接触摺動しながらカーブコンベヤ1cとカーブコンベヤ1dで搬送されている状態を示しているが、エンドレスベルト2b2の速度Vb2がカーブコンベヤ1cおよびカーブコンベヤ1dの速度V1cおよび速度V1dより速いため、容器P3のE3点がエンドレスベルト2b2との摩擦力により引きずられ、容器P3がE3点を支点として図示y3のような回転作動をしながら搬送されるので、図示二点鎖線のP3xの状態のようにエンドレスベルト2b2に沿った方向に方向規制される。
【0033】
前記説明では、可動ベルト式ガイド2gを2式の可動ベルト式ガイドとした場合を説明したが、可動ベルト式ガイド2gを、1式としても、また、3式以上としてもよく、容器の断面形状等により容器集合に適した式数を選択することができる。
また、前記説明では、可動ベルト式ガイド2gの上流側に固定のカーブガイド1g1を設けた場合を説明したが、固定のカーブガイド1g1を設けないで、全てを可動ベルト式ガイドで構成してもよい。
【0034】
前記説明のように、容器集合装置2では、カーブガイドが可動ベルト式ガイド2gで構成されており、カーブコンベヤ1a、カーブコンベヤ1b、カーブコンベヤ1c、カーブコンベヤ1d、および、可動ベルト式ガイド2gのエンドレスベルト2b1、エンドレスベルト2b2に適切な速度差を設けていることにより、エンドレスベルト2b1またはエンドレスベルト2b2に接触摺動した容器P0が、前記エンドレスベルト2b1またはエンドレスベルト2b2との摩擦力によって回転および加速されながら搬送されていくので、容器P0を容器の進行方向に対して長方形の長手方向へ確実にまた容易に方向規制しながら単列化集合することができる。
【符号の説明】
【0035】
1、2 容器集合装置
1a、1b、1c、1d カーブコンベヤ
1g、1g1 カーブガイド
2b1、2b2 エンドレスベルト
2g 可動ベルト式ガイド
2g1、2g2 可動ベルト式ガイド
2r1、2r2 (一対の)プーリー
2s スペースガイド
5 搬入コンベヤ
5g ガイド
6 搬出コンベヤ
6g ガイド
7、8 速度制御装置
P 容器
P0 (断面形状が長方形の)容器