(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車載機と携帯機器とが互いに接続され、前記携帯機器に表示される操作画面を前記車載機に表示して前記車載機側で前記携帯機器に対する操作が行われる車載システムにおいて、
前記携帯機器は、
第1の表示手段に操作画面を表示する第1の表示処理手段と、
前記第1の表示手段に表示された操作画面の一部が利用者によって指し示されたときにこの指し示された位置を検出する第1のタッチパネルと、
前記第1のタッチパネルによって検出された操作画面上の位置に応じて操作指示内容を判定する第1の入力処理手段と、
前記携帯機器が前記車載機に接続されたときに前記第1のタッチパネルを用いた操作を無効にするタッチパネル無効処理手段と、
前記タッチパネル無効処理手段によって前記第1のタッチパネルを用いた操作が無効にされたときに、操作無効を示すメッセージを操作画面に重ねて表示する無効メッセージ表示処理手段と、
操作のロック状態を検出するロック状態検出手段と、
前記ロック状態検出手段によってロック状態にあることが検出されたときにこのロック状態を解除するロック解除手段と、
を備え、前記ロック解除手段によってロック状態が解除された後に、前記タッチパネル無効処理手段によって前記第1のタッチパネルを用いた操作が無効にされ、
前記車載機は、
第2の表示手段に前記無効メッセージを含まない前記携帯機器の操作画面を表示する第2の表示処理手段と、
前記第2の表示手段に表示された操作画面の一部が利用者によって指し示されたときにこの指し示された位置を検出する第2のタッチパネルと、
前記第2のタッチパネルによって検出された操作画面上の位置に応じて操作指示内容を判定する第2の入力処理手段と、
前記第2の入力処理手段によって判定された操作指示内容を前記携帯機器に向けて送信する指示内容送信手段と、を備えることを特徴とする車載システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では、車載機の画面上から携帯機器の操作が可能となるターミナルモードと称されるインタフェース規格が実用化段階にある。このターミナルモードでは、携帯機器に備わったタッチパネルの表示内容と同じ内容を車載機の画面に表示することで、車載機のタッチパネルを用いて携帯機器に対する各種の操作が可能となる。このようにして、携帯機器のタッチパネルを用いた操作内容を、車載機のタッチパネルを用いた場合に再現することができ、いつも見慣れた操作画面を用いた操作が可能になることによる操作性の向上が可能となる。また、車載機側では、車載機に固有の操作画面を携帯機器用に用意する必要がなくなる利点もある。
【0005】
ところで、携帯機器のタッチパネルを用いた操作内容と車載機のタッチパネルを用いた操作内容を同じにしてどちらの機器を用いても操作が可能である場合には、携帯機器による誤操作のおそれがあるという問題があった。例えば、携帯機器をホルダ等の所定位置に設置して操作を車載機のみで行うようにすればこのような誤操作は生じないが、携帯機器を服のポケットに入れたおいた場合やシートや荷物の間に置いた場合などでは、運転者自身あるいは同乗者が誤って携帯機器のタッチパネルを触ってしまうことがあり、接触箇所に操作アイコンが配置されていると、この操作アイコンに対応する動作が開始されることになる。
【0006】
このような誤操作は、上述した特許文献1に開示された手法を用いることで回避することができる。しかし、この手法を用いると、車載機に接続された際に携帯機器のタッチパネルを用いた操作を含む全ての操作ができなくなるため、タッチパネルに誤って触れた際に生じる誤操作を防止する際に必要以上に操作を制限することになるという問題があった。また、携帯機器の操作が制限された際にタッチパネルの操作内容(操作アイコン等)をそのまま表示すると、利用者(特に、携帯機器や車載機の所有者でない搭乗者など)は同じ操作内容が表示された携帯機器と車載機のいずれに対して操作指示を行えばよいかわからず、実際に携帯機器のタッチパネルを操作してみてはじめて操作が制限されていることを知ることになり、改めて車載機のタッチパネルを操作することになるため、操作性が悪いという問題があった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、タッチパネルの誤操作を防止するために操作を制限する範囲を少なくするとともに、携帯機器側の操作が制限されていることがわかるようにして操作性を向上させることができる車載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の車載システムは、車載機と携帯機器とが互いに接続され、携帯機器に表示される操作画面を車載機に表示して車載機側で携帯機器に対する操作が行われる車載システムにおいて、携帯機器は、第1の表示手段に操作画面を表示する第1の表示処理手段と、第1の表示手段に表示された操作画面の一部が利用者によって指し示されたときにこの指し示された位置を検出する第1のタッチパネルと、第1のタッチパネルによって検出された操作画面上の位置に応じて操作指示内容を判定する第1の入力処理手段と、携帯機器が車載機に接続されたときに第1のタッチパネルを用いた操作を無効にするタッチパネル無効処理手段と、タッチパネル無効処理手段によって第1のタッチパネルを用いた操作が無効にされたときに、操作無効を示すメッセージを操作画面に重ねて表示する無効メッセージ表示処理手段とを備える。車載機は、第2の表示手段に無効メッセージを含まない携帯機器の操作画面を表示する第2の表示処理手段と、第2の表示手段に表示された操作画面の一部が利用者によって指し示されたときにこの指し示された位置を検出する第2のタッチパネルと、第2のタッチパネルによって検出された操作画面上の位置に応じて操作指示内容を判定する第2の入力処理手段と、第2の入力処理手段によって判定された操作指示内容を携帯機器に向けて送信する指示内容送信手段と、を備える。
【0009】
携帯機器と車載機とが接続されたときに、携帯機器のタッチパネルを用いた操作が無効になるため、タッチパネルの誤操作を防止することができる。また、操作を無効にする範囲をタッチパネルを用いた操作に限定することにより、誤操作防止のために操作を制限する範囲を少なくすることができる。さらに、その際に携帯機器に操作無効を示すメッセージを表示することにより、利用者に対して携帯機器側の操作が制限されていることがわかるようにして操作性を向上させることができる。
【0010】
また、上述した第1の表示処理手段に
表示される操作画面には、利用者による操作対象となる操作アイコンが含まれており、無効メッセージ処理手段は、操作アイコンの表示位置と重ならない位置に操作無効を示すメッセージを表示することが望ましい。これにより、メッセージを表示することに伴って操作画面の視認性が悪化することを防止することができ、操作対象となる操作アイコンの把握が容易となる。
【0011】
また、上述した携帯機器は、第1のタッチパネルを用いずに利用者の操作指示を受け付ける操作手段をさらに備えており、タッチパネル無効処理手段によって第1のタッチパネルを用いた操作が無効にされた場合であっても操作手段を用いた操作指示が可能であることが望ましい。これにより、携帯機器におけるタッチパネルの誤操作のみを防止することができ、それ以外の操作手段を用いた操作を有効にして携帯機器と車載機のそれぞれの操作を併用することにより操作性の向上が可能となる。
【0012】
また、上述した携帯機器は、操作のロック状態を検出するロック状態検出手段と、ロック状態検出手段によってロック状態にあることが検出されたときにこのロック状態を解除するロック解除手段とをさらに備え、ロック解除手段によってロック状態が解除された後に、タッチパネル無効処理手段によって第1のタッチパネルを用いた操作が
無効にされる。これにより、携帯機器の操作がロックされている場合にこのロック状態を解除してタッチパネルの操作のみを無効にすることができる。
【0013】
また、上述した携帯機器は、
車載機との間の接続の有無を監視する接続監視手段をさらに備え、接続監視手段によって接続の切断が検出されたときに、タッチパネル無効処理
手段は、第1のタッチパネルを用いた操作無効を解除し、第
1の表示処理手段は、操作無効を示すメッセージの表示を終了させることが望ましい。これにより、携帯機器と車載機との接続が解除された際にタッチパネルを用いた操作を速やかに再開することができ、操作性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態の車載システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の車載システムの全体構成を示す図である。
図1に示す車載システムは、互いに接続される携帯機器10と車載機50とを含んで構成されており、携帯機器10に表示される操作画面を同時に車載機50にも表示して車載機50側で携帯機器10に対する各種の操作が行われる。
【0016】
携帯機器10は、例えば一般にはスマートフォンと称される携帯端末装置が用いられ、携帯電話機と携帯情報端末の機能を有する。この携帯機器10は、制御部12、操作部13A、タッチパネル13B、入力処理部14、表示部16、表示処理部17、電話処理部18、メモリ20、通信インタフェース部(通信IF)22、ターミナルモード処理部(TM処理部)24を備えている。
【0017】
制御部12は、携帯機器10の全体を制御するためのものであり、CPUを含んで構成されている。操作部13Aは、テンキーやその他のキーおよび各種のスイッチを含んでいる。タッチパネル13Bは、表示部16の画面の一部が利用者によって指し示されたときにその指示位置を検出する。利用者は、タッチパネル13Bあるいは操作部13Aを用いて、各種の操作指示や各種の入力を行うことができる。入力処理部14は、操作部13Aおよびタッチパネル13Bの操作内容を監視し、利用者による操作内容を検出する。
【0018】
表示部16は、LCD(液晶表示装置)等で構成されている。表示処理部17は、複数の操作アイコンが含まれる操作画面や制御部12によって作成された画面を表示部16に表示する。電話処理部18は、携帯電話機としての処理を行う。例えば、電話処理部18は、基地局との間で発着信処理を行って通話処理やインターネット接続処理等を行う。
【0019】
メモリ20は、制御部12によって実行される制御プログラムや、各種のアプリケーションプログラムを格納する。本実施形態では、例えば、複数のアプリケーションプログラムとしてアプリ21A、21B、21C、22が格納されている。この中で、アプリ22は、本発明に特有な処理を行うためのものであり、アプリ22を実行して行われる処理内容の具体例については後述する。
【0020】
通信インタフェース部22は、ブルーツース(Bluetooth)によって車載機50との間で無線接続を行って各種データの送受信を行う通信装置(ブルーツース機器)である。なお、無線接続を行う代わりに有線接続、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルやIEEE1394ケーブルを介して接続するようにしてもよい。また、これら複数の通信インタフェース部22を同時に実装するようにしてもよい。
【0021】
ターミナルモード処理部24は、ターミナルモードに対応する処理を行う。このターミナルモード(Terminal Mode)とは、車載電子制御ユニット(ECU)と携帯機器間のインタフェースの標準化組織CE4A(Consumer Electronics for Automotive)が定めたインタフェース規格である。なお、実際には、このターミナルモード処理部24は、ターミナルモードに対応する処理を行う専用プログラムをメモリ20あるいはその他の記憶装置(他のメモリ等)から読み出して制御部12により実行することにより実現されており、必要に応じて専用プログラムの修正、変更などが行われる。また、本実施形態では、携帯機器10と車載機50との間を接続した際のインタフェース規格としてターミナルモードを用いたが、同等の表示や操作を行うことができれば、他のインタフェース規格や、規格化されていない専用の接続インタフェースを用いるようにしてもよい。この点は、後述する車載機50のターミナルモード処理部54についても同様である。
【0022】
図2は、メモリ20に格納されているアプリ22を実行することにより実現される制御部12の具体的な構成を示す図である。アプリ22を実行することにより、制御部12は、操作ロック状態検出部12A、ロック解除部12B、タッチパネル無効処理部12C、無効メッセージ表示処理部12D、操作画面転送領域設定部12E、接続監視部12Fとして動作する。これら各部の動作については後述する。
【0023】
図3は、車載装置50の詳細構成を示す図である。
図3に示すように、車載装置50は、通信インタフェース部(通信IF)52、ターミナルモード処理部(TM処理部)54、操作部55A、タッチパネル55B、入力処理部56、表示部58、表示処理部59、制御部60を備えている。
【0024】
通信インタフェース部52は、ブルーツースによって携帯機器10との間で無線接続を行って各種データの送受信を行う通信装置(ブルーツース機器)である。なお、無線接続を行う代わりに有線接続、例えばUSBケーブルやIEEE1394ケーブルを介して接続するようにしてもよい。ターミナルモード処理部54は、ターミナルモードに対応する処理を行う。
【0025】
操作部55Aは、車載機50の筐体に備わったテンキーやその他のキーおよび各種のスイッチを含んでいる。タッチパネル55Bは、表示部58の画面の一部が利用者によって指し示されたときにその指示位置を検出する。利用者は、タッチパネル55Bあるいは操作部55Aを用いて、各種の操作指示や各種の入力を行うことができる。入力処理部56は、操作部55Aおよびタッチパネル55Bの操作内容を監視し、利用者による操作内容を検出する。表示部58は、LCD等で構成されている。表示処理部59は、複数の操作アイコンが含まれる操作画面や制御部60によって作成された画面を表示部58に表示する。
【0026】
制御部60は、車載機50の全体を制御するためのものであり、CPUを含んで構成されている。図示しないメモリに格納された制御プログラムを実行することにより、接続監視部62およびその他の各構成(図示せず)の動作が実現される。接続監視部62は、通信インタフェース52を介して携帯機器10の接続の有無を監視する。なお、車載機50は、ナビゲーション装置やオーディオ装置あるいはこれらの機能を併せ持つヘッドユニットなどとして実現されるものであるが、これらの装置に特有の構成については本発明の説明と直接関係しないため、
図2に示した構成では省略されている。
【0027】
上述した表示処理部17が第1の表示処理手段に、タッチパネル13Bが第1のタッチパネルに、入力処理部14が第1の入力処理手段に、操作部13Aが操作手段に、タッチパネル無効処理部12Cがタッチパネル無効処理手段に、無効メッセージ表示処理部12Dが無効メッセージ表示処理手段に、ロック状態検出部12Aがロック状態検出手段に、ロック解除部12Bがロック解除手段にそれぞれ対応している。また、上述した表示処理部59が第2の表示処理手段に、タッチパネル55Bが第2のタッチパネルに、入力処理部56が第2の入力処理手段に、ターミナルモード処理部54が指示内容送信手段に、接続監視部62が接続監視手段にそれぞれ対応している。
【0028】
本実施形態の車載システムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
図4は、車載機50の動作手順を示す流れ図であり、携帯機器10との間の接続を検出してターミナルモードの動作を開始し、その後接続解除を検出してターミナルモードの動作を終了させる動作手順が示されている。
【0029】
車載機50が起動されると、接続監視部62は、通信インタフェース部52を介して携帯機器10が接続されたか否かを判定する(ステップ100)。未接続の場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、携帯機器10が接続された場合にはステップ100の判定において肯定判断が行われる。なお、携帯機器10を最初に接続する際には車載機50との間でペアリングを行う必要があり、この場合にはペアリングの後にステップ100の判定で肯定判断が行われ、2回目以降の接続時には携帯機器10との間の接続が自動的に確立するようになっている。
【0030】
次に、接続監視部62は、携帯機器10に向けてコマンドを送信する(ステップ102)。このコマンドを送ることにより、携帯機器10のメモリ20に格納されているアプリ22の起動が指示される。
【0031】
また、ターミナルモード処理部54は、ターミナルモードの動作を行う(ステップ104)。なお、一般的なターミナルモードの動作は、携帯機器10の表示画面と同じ内容の画面を車載機50の表示部58に表示するものであるが、本実施形態では、表示内容の一部に変更(操作無効を示す無効メッセージの有無)が加えられている。この変更点については後述する。また、ターミナルモードの動作において車載機50の表示部58に操作画面が表示され、この操作画面に含まれるいずれかの操作アイコンが選択されると、この選択されたアイコンに対応する所定の処理(携帯機器10のアプリ21Aの実行など)が行われるが、これらの動作説明は省略するものとする。
【0032】
ターミナルモードの動作と並行して、接続監視部62は、接続が解除されたか否かを判定する(ステップ106)。接続が解除される場合とは、例えば、携帯機器10が車載機50から離れて通信範囲から外れた場合や、車載機50あるいは携帯機器10において接続解除の操作がなされた場合、携帯機器10の電源が切断された場合などが考えられる。接続が継続中の場合にはステップ106の判定において否定判断が行われ、ステップ104に戻ってターミナルモードの動作が繰り返される。また、接続が解除されるとステップ106の判定において肯定判断が行われる。この場合には、ターミナルモード処理部54は、一連のターミナルモードの動作を終了する。
【0033】
図5は、携帯機器10の動作手順を示す流れ図であり、車載機50と接続された際にターミナルモードの動作を開始し、その後接続解除を検出してターミナルモードの動作を終了させる動作手順が示されている。また、
図5には、車載機50からアプリ22の起動を指示するコマンドが送信(
図4のステップ102)された後の動作手順が示されている。
【0034】
車載機50から送られてきたコマンドに応じてアプリ22が携帯機器10の制御部12によって実行されると、
図3に示した操作ロック状態検出部12A等による動作が可能になる。まず、操作ロック状態検出部12Aは、携帯機器10の操作ロック状態を検出する(ステップ200)。利用者による手動操作により、あるいは、所定の条件を満たしたとき(例えば、無操作状態で一定時間が経過したとき)に自動的に、利用者の操作を受け付けないロック状態に移行する場合が考えられる。携帯機器10がこのようなロック状態にある場合にはステップ200の判定において肯定判断が行われ、ロック解除部12Bは、携帯機器10のロック状態を解除する(ステップ204)。
【0035】
ロック状態解除後、あるいは、ロック状態にない場合にはステップ202の判定において否定判断が行われた後、タッチパネル無効処理部12Cは、タッチパネル13Bを用いた操作を無効化する(ステップ206)。例えば、タッチパネル無効処理部12Cは、入力処理部14に指示を送ってタッチパネル13Bを用いた操作のみを無効にする。なお、本実施形態では、操作無効の対象となるのはタッチパネル13Bのみであって、操作部13Aを用いた各種操作は行うことができる。
【0036】
また、無効メッセージ表示処理部12Dは、タッチパネル13Bを用いた操作が無効であることを示す無効メッセージの表示領域を決定する(ステップ208)。例えば、複数の操作アイコンが含まれる操作画面において、無効メッセージ表示処理部12Dは、これら複数の操作アイコンの表示位置と重ならない所定範囲の位置を無効メッセージの表示領域として決定する。
【0037】
図6は、操作画面における無効メッセージの表示領域の具体例を示す図である。
図6に示す操作画面には、複数の操作アイコンSが含まれている。これらの各操作アイコンSを利用者が指などで指し示すことにより、操作アイコンの選択が行われ、選択された操作アイコンに対応する動作(アプリ21Aの起動等)が開始される。本実施形態では、操作画面の下部に操作アイコンSが表示されない領域Dが含まれており、無効メッセージ表示処理部12Dは、この領域を無効メッセージの表示領域として決定する。
【0038】
次に、表示処理部17は、無効メッセージを含む操作画面を表示する(ステップ210)。なお、この操作画面自体は、携帯機器10に実装されたオペレーティングシステム(OS)によって作成され、表示処理部17を通して表示部16に表示される。表示処理部17は、オペレーティングシステムによって作成された操作画面の所定位置(無効メッセージ表示処理部12Dによって決定された表示領域)に無効メッセージを重ねて表示する。
【0039】
図7は、無効メッセージの表示例を示す図である。
図7に示す操作画面では、
図6に示した操作画面内の領域Dに、無効メッセージ「タッチ操作は無効です」が重ねて表示されている。
【0040】
次に、操作画面転送領域設定部12Eは、
図6に示した操作画面において、車載機50における表示対象となる領域(表示領域)を決定する(ステップ212)。
図6に示す例では、操作画面内の領域Dを除く領域が車載機50における表示領域として設定される。ターミナルモード処理部24は、この表示領域に対応する操作画面を対象に、ターミナルモードの動作を行う。以後、この表示領域に対応する操作画面が車載機50の表示部58に表示される。
【0041】
図8は、車載機50における操作画面の表示例を示す図である。
図8に示す表示画面は、左右2分割された分割表示の例である。左側領域には、自車位置周辺の地図画像が表示されている。また、右側領域には、携帯機器10に表示された操作画面(
図7)の中の無効メッセージを除く領域(操作画面転送領域設定部12Eによって設定された表示領域)に対応する操作画面が表示されている。車載機50では、タッチパネル55Bを用いた操作が無効になっていないため、利用者は、
図8に示す画面の右側領域に表示された操作画面に含まれる各操作アイコンを指等で直接触って選択することにより、携帯機器10に対してアプリの起動等の各種指示を行うことが可能となる。
【0042】
また、接続監視部12Fは、携帯機器10と車載機50との間の接続が解除されたか否かを判定する(ステップ214)。接続が継続中の場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、接続が解除されるとステップ214の判定において肯定判断が行われる。次に、表示処理部17は、無効メッセージを含まない操作画面(
図6に示した全体の操作画面)を表示する(ステップ216)。また、タッチパネル無効処理部12Cは、タッチパネル13Bを用いた操作の無効化を解除する(ステップ218)。以後、利用者は、タッチパネル13Bを用いて各種の操作を行うことができる。
【0043】
このように、本実施形態の車載システムでは、携帯機器10と車載機50とが接続されたときに、携帯機器10のタッチパネル13Bを用いた操作が無効になるため、タッチパネル13Bの誤操作を防止することができる。
【0044】
また、操作を無効にする範囲をタッチパネル13Bを用いた操作に限定することにより、誤操作防止のために操作を制限する範囲を少なくすることができる。特に、携帯機器10におけるタッチパネル13Bの誤操作のみを防止することができ、それ以外の操作部13Aを用いた操作を有効にして携帯機器10と車載機50のそれぞれの操作を併用することにより操作性の向上が可能となる。
【0045】
また、その際に携帯機器10に操作無効を示す無効メッセージを表示することにより、利用者に対して携帯機器10側の操作が制限されていることがわかるようにして操作性を向上させることができる。特に、操作アイコンの表示位置と重ならない位置に無効メッセージを表示することにより、無効メッセージを表示することに伴って操作画面の視認性が悪化することを防止することができ、操作対象となる操作アイコンの把握が容易となる。
【0046】
また、携帯機器10がロック状態にあるときにこのロック状態を解除した後、タッチパネル13Bを用いた操作を無効にしているため、携帯機器10の操作全体がロックされている場合であってもこのロック状態を解除してタッチパネル13Bの操作のみを無効にすることができる。
【0047】
また、携帯機器10において車載機50との間の接続状態を監視しており、携帯機器10と車載機50との間の接続が解除された際に携帯機器10のタッチパネル13Bを用いた操作を速やかに再開することができ、操作性をさらに向上させることができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、操作画面の一部の領域に無効メッセージを重ねて表示する場合(
図7)に、無効メッセージを含む所定範囲についてはその下側の操作画面の一部の表示が隠れるようにしたが、
図9に示すように、無効メッセージとしての文字列のみを操作画面内に重ねて、操作アイコンに重ならないように表示してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、電話機能を備えた携帯機器10について説明したが、電話機能を備えていない携帯機器を用いる場合にも本発明を適用することができる。例えば、スマートフォンと称される携帯端末装置よりも一回り大きいタブレット端末を車載機50と接続する場合に本発明を適用する場合などが考えられる。
【0050】
また、上述した実施形態では、車載機50において携帯機器10との間の接続を検出したときに携帯機器10に向けてコマンドを送信し、コマンドを受信した携帯機器10においてアプリ22を実行して
図5に示す動作手順を実施するようにしたが、携帯機器10自身が車載機50との間の接続を検出して
図5に示す動作手順を実施するようにしてもよい。