特許第5713918号(P5713918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダニスコ・アクティーゼルスカブの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713918
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】キシラナーゼ活性を有するポリペプチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 9/42 20060101AFI20150416BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20150416BHJP
   C12R 1/07 20060101ALN20150416BHJP
【FI】
   C12N9/42ZNA
   C12N9/42
   !C12N15/00 A
   C12N9/42
   C12R1:07
【請求項の数】9
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2011-542678(P2011-542678)
(86)(22)【出願日】2009年12月23日
(65)【公表番号】特表2012-513206(P2012-513206A)
(43)【公表日】2012年6月14日
(86)【国際出願番号】DK2009050351
(87)【国際公開番号】WO2010072224
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年12月20日
(31)【優先権主張番号】08172749.7
(32)【優先日】2008年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/146,155
(32)【優先日】2009年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508122275
【氏名又は名称】ダニスコ・アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Danisco A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100144923
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 将之
(74)【代理人】
【識別番号】100156111
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100140497
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 信宏
(72)【発明者】
【氏名】オレ・シッベセン
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・フリスベク・セレンセン
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−543791(JP,A)
【文献】 国際公開第97/043409(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/146944(WO,A1)
【文献】 特表2003−525629(JP,A)
【文献】 J. Mol. Biol.,2000年,Vol.295,P.581-593
【文献】 Journal of BIOTECHNOLOGY,2007年,Vol.127,P.348-354
【文献】 Extremophiles,2004年,Vol.8,P.393-400
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 9/
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、当該ポリペプチドは、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の位置110においてアスパラギン(N)、グルタミン酸(E)、トリプトファン(W)、アラニン(A)およびシステイン(C)からなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基へのアミノ酸置換、ならびに、11F、12F、122D、113A、13Y、54Q、54W、113D、141Q、175L、122F、34K、99Y、104W、154R、159D、175K、81I、166F、162E、162D、164F、114D、114Y、114F、118V、175K、77L、77M、77S、77Vおよび77Yからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を有し、当該ポリペプチドは、配列番号1の野生型キシラナーゼを使用するときと比較して、改善されたふすま可溶化活性および/またはパン体積の増加により測定される改善されたベーキング性能を有する、ポリペプチド。
【請求項2】
配列番号1と少なくとも95%同一性を有する、請求項に記載のポリペプチド。
【請求項3】
β−ゼリーロール折り畳みを有する、請求項1−のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の位置110におけるアミノ酸置換が、グルタミン酸(E)、トリプトファン(W)、アラニン(A)およびシステイン(C)からなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基への置換である、請求項1−のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の位置110におけるアミノ酸置換がアラニン(A)への置換である、請求項に記載のポリペプチド。
【請求項6】
請求項1−のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法であって、該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列からなるDNAを発現させ、所望により発現後のポリペプチドを単離および/または精製することを含む方法。
【請求項7】
請求項1−のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列からなるDNA
【請求項8】
非毒性成分と混合された請求項1−のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項に記載の方法により製造されるポリペプチドまたは請求項に記載のDNAを含む組成物。
【請求項9】
植物原料を修飾する方法における、非毒性成分と混合された請求項1−のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項に記載の方法により製造されるポリペプチドまたは請求項に記載のDNA、または、請求項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドおよびその使用に関する。本発明は、また、キシラナーゼ活性および/またはふすま可溶化に影響を及ぼす、好ましくは増加させるために、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを修飾する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
長年、エンド−β−1,4−キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)(本明細書においてキシラナーゼと称する)は、植物細胞壁原料由来の複合炭水化物の修飾のために使用されている。(異なる微生物または植物由来の)異なるキシラナーゼの機能性は非常に異なっていることが当分野でよく知られている。構造および遺伝情報に基づいて、キシラナーゼは、種々のグリコシドヒドロラーゼファミリー(GH)に分類されている(Henrissat, 1991; Coutinho and Henrissat, 1999)。最近まで、全ての知られており、特徴付けられているキシラナーゼは、ファミリーGH10またはGH11に属していた。最近の研究によって、ファミリーGH5、GH7、GH8およびGH43に属するキシラナーゼの多数の他の型が同定された(Coutinho and Henrissat, 1999; Collinsら., 2005)。今までのところ、GH11ファミリーは、他の全てのGHと異なっており、キシラン特異的キシラナーゼのみからなる唯一のファミリーである。GH11キシラナーゼの構造は、β−ゼリーロール(jelly roll)構造として描写することができる(本明細書の図1参照)。
【0003】
US6,682,923は、キシラナーゼ活性タンパク質および核酸に関する。
【0004】
キシラナーゼの機能性を特徴付ける包括的な研究は、よく特徴付けられた純粋な基質上で行われている(Kormelinkら., 1992)。これらの研究は、異なるキシラナーゼがアラビノキシラン(AX)のキシロース骨格の置換に関して、異なる特定の要件を有することを示す。いくつかのキシラナーゼは、キシロース骨格を加水分解するために3つの置換されていないキシロース残基を必要とし;他のものは1または2つのみ必要とする。特異性におけるこれらの相違の理由は、回りまわってキシラナーゼの一次構造、すなわちアミノ酸配列に依存する触媒ドメイン内の三次元構造によると考えられる。しかしながら、今までに、キシラナーゼが複合環境、例えば、植物原料において作用する場合の、アミノ酸配列におけるこれらの相違のキシラナーゼの機能性における相違への翻訳は、証明されていない。
【0005】
小麦(小麦粉)において見出されたキシラナーゼ基質は、従来、2つの画分、すなわち、水で抽出不可能なAX(WU−AX)および水で抽出可能なAX(WE−AX)に分けられている。WU−AX:WE−AX比は、小麦粉において約70:30である。なぜAXに2つの異なる画分があるのかに関しては、多数の解釈が存在している。古い文献(D'Appolonia and MacArthur (1976) and Montgomery and Smith (1955))は、WE−AXとWU−AX間の置換の程度の極めて大きい違いを記載している。最も高い程度の置換が、WE−AXにおいて見出された。なぜいくつかのAXが抽出可能であるかを説明するために、これが使用された。低い置換の程度と比較して、高い程度の置換は、ポリマーを可溶性にし、それは、ポリマー間の水素結合および結果として沈降を引き起こした。
【0006】
異なるキシラナーゼの機能性間の違いは、キシラナーゼ特異性における違い、それによるWU−AXまたはWE−AX基質の選択によると考えられている。
【0007】
しかしながら、さらに最近の文献は、WE−AXとWU−AX間の置換の程度の同様の大きな違いを見つけていない。したがって、キシラナーゼ基質特異性よりも他のパラメーターが重要であり得る。これらのパラメーターは、古典的な基質特異性以外の方法により決定される、WE−AX 対 WU−AXのキシラナーゼ選択であり得る。このパラメーターは、基質選択性として文献において記載されているのを見ることができる。
【0008】
いくつかの適用(例えば、ベーカリー)において、WU−AX分画から高分子量(HMW)可溶性ポリマーを生産することが望ましい。このようなポリマーは、パン製造における容量増加と相関している(Rouau, 1993; Rouauら., 1994 and Courtinら., 1999)。
【0009】
他の適用において、WU−AXおよびWE−AXの両方を修飾して、WU−AXを可溶化し、分子量をより小さくし、それらの親水コロイド効果を減少させ、アラビノキシランオリゴ糖を生産し、他の細胞壁成分のさらなる分解を容易にする(例えば、クラッカー生産、穀穀粉分離、飼料適用、バイオエタノール生産、プレバイオティクスなどにおいて)ことが望ましい。
【0010】
種々の適用において使用されるキシラナーゼのすべての上記特性は、キシラナーゼ性能に向けられ、必要な機能性を成し遂げるために非常に重要である。しかしながら、特定の適用のための正しい特性を有するか、またはそれを成し遂げるために既知のキシラナーゼを操作するキシラナーゼの選択は、しばしば、効率の悪いキシラナーゼ分子、例えば、低い触媒活性(すなわち、分子ユニット/mgキシラナーゼタンパク質により特徴付けられる比活性)を有する分子をもたらす。これらの分子は商業的適用において使用されるべきであるため、できるだけ高い触媒活性を有することが非常に重要である。この特性の改良は、農業副産物、例えば、穀物ふすまの使用の増加またはセルロース性バイオエタノール生産における使用によって、将来的にこれらの酵素の商業的適用を成し遂げるために、ますます重要となるであろう。
【発明の概要】
【0011】
発明の概要
本発明は、配列番号1に示される枯草菌(B. subtilis)キシラナーゼポリペプチド配列と比較して位置110でキシラナーゼ活性を有するポリペプチドを修飾することにより、該酵素のふすま可溶化および/またはキシラナーゼ活性を増加させることが可能であるという驚くべき結果を前提とする。
【0012】
したがって、増加したキシラナーゼ活性および/またはふすま可溶化を有するキシラナーゼポリペプチドを生産することが可能であることが、本発明者らにより示されている。これは、例えば、セルロース系バイオエタノール生産に関連する穀物加工中にヘミセルロース性画分を加水分解することを可能にさせるか、または多くの適用、例えば、動物飼料、デンプン液化、ベーカリー、穀粉分離(湿潤製粉)、プレバイオティクスの生産および紙パルプ生産に必要なキシラナーゼの量の減少を可能にさせる。
【0013】
第1の局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するか、または配列番号2−22から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0014】
第2の局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0015】
第3の局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号2と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0016】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号3と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0017】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドを同定する方法であって、
(i)配列番号1と少なくとも88%同一性を有するか、または配列番号2−22から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一性を有するポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドを製造し、
(ii)該ポリペプチドのふすま可溶化および/またはキシラナーゼ活性を、最も高い同一性パーセントを有する配列番号1−22から選択されるアミノ酸配列のふすま可溶化および/またはキシラナーゼ活性と比較し、
(iii)最も高い同一性パーセントを有する配列番号1−22から選択されるアミノ酸配列と比較して、改良されたふすま可溶化および/または改良されたキシラナーゼ活性を有する該ポリペプチドを選択する
ことを含む方法に関する。
【0018】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドを製造する方法であって、該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現させ、所望により発現後のポリペプチドを単離および/または精製することを含む方法に関する。
【0019】
いくつかの態様において、ポリペプチドは、位置110のポリペプチドアミノ酸配列またはポリペプチドアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列における位置110のアミノ酸残基をコードするコドンのいずれかを修飾することにより製造され、位置110は配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列を基準に決定される。
【0020】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターに関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列または本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターで形質転換されている細胞に関する。
【0021】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列または本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターで形質転換されている宿主生物に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドを含む組成物に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明の方法にしたがって同定されるポリペプチドを含む組成物に関する。
【0022】
さらなる局面において、本発明は、本発明にしたがって製造されるポリペプチドを含む組成物に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組成物に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターを含む組成物に関する。
【0023】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で形質転換されている細胞を含む組成物に関する。
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターを含む組成物に関する。
さらなる局面において、本発明は、非毒性成分と混合された本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列または本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクターで形質転換されている生物を含む組成物に関する。
【0024】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物を含むドー(dough)に関する。
【0025】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物または本発明のドーを含むベーカリー産物に関する。
【0026】
さらなる局面において、本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物を含む動物飼料に関する。
【0027】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼを含む洗浄組成物に関する。いくつかの態様において、洗浄組成物は洗濯洗剤組成物であるが、他の態様において、洗浄組成物は食器用洗剤である。いくつかのさらなる態様において、食器用洗剤は自動食器洗い用洗剤である。いくつかのさらなる態様において、キシラナーゼを含む洗浄組成物は、1つ以上のさらなる酵素をさらに含む。いくつかの態様において、さらなる酵素は、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(pentosanase)、マラナーゼ(malanase)、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはそれらの混合物から選択される。いくつかの態様において、酵素の組合せの使用が見出される(すなわち、「カクテル」)。
【0028】
さらなる局面において、本発明は、植物細胞壁を分解または修飾する方法であって、該植物細胞壁を本発明のポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物と接触させることを含む方法に関する。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、植物原料を処理する方法であって、該植物原料を本発明のいずれか1つのポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物と接触させることを含む方法に関する。
【0030】
さらなる局面において、本発明は、植物原料を修飾する方法における本発明のポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物の使用に関する。
【0031】
さらなる局面において、本発明は、ベーキング、穀類加工、デンプン液化、セルロース性原料からのバイオエタノールの生産、動物飼料、木材加工、木材パルプの漂白の強化のいずれか1つまたはそれ以上における、本発明のポリペプチドまたは本発明にしたがって同定されるポリペプチドまたは本発明にしたがって製造されるポリペプチドまたは本発明のヌクレオチド配列または本発明のベクターまたは本発明の細胞または非毒性成分と混合された本発明の生物または本発明の組成物の使用に関する。
【0032】
さらなる局面において、本発明は、実施例および図面を基準に、実質的に上記のポリペプチドまたはフラグメントに関する。
さらなる局面において、本発明は、実施例および図面を基準に、実質的に上記の方法に関する。
【0033】
さらなる局面において、本発明は、実施例および図面を基準に、実質的に上記の組成物に関する。
さらなる局面において、本発明は、実施例および図面を基準に、実質的に上記の使用に関する。
【0034】
図面の簡単な説明
参照として、以下の図面を本明細書に包含させる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、枯草菌(Bacillus subtilis)XynA変異体キシラナーゼ(T110A)(黒色)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)Xyn2変異体キシラナーゼ(T120A)(濃い灰色)およびサーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)XynA変異体キシラナーゼ(T120A)(薄い灰色)を重ね合わせたものを示す。T110およびT120のそれぞれの変位した残基を強調する。
図2図2は、多数のアラインメントに対するデフォルトパラメーター(ギャップオープンペナルティ: 10 og ギャップ伸長ペナルティ 0.05)を用いるAlignXプログラム(vectorNTI suiteの一部)における配列番号1−22の複数の配列アラインメントを示す。配列の左の数は配列番号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
発明の詳細な説明
キシラナーゼ酵素は、植物、真菌および細菌を含む約100の異なる生物から報告されている。キシラナーゼ酵素は、グリコシルヒドロラーゼ酵素の40種以上のファミリーのいくつかに分類される。キシラナーゼ、マンナナーゼ、アミラーゼ、β−グルカナーゼ、セルラーゼおよび他のカルボヒドラーゼを含むグリコシルヒドロラーゼ酵素は、触媒部位のアミノ酸配列、三次元構造および形状のような特性に基づいて分類される(Gilkesら., 1991, Microbiol. Reviews 55: 303-315)。
【0037】
1つの局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号1−22のいずれか1つのアミノ酸配列と比較して、少なくとも3、例えば、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸置換を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸置換を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0038】
1つの局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するか、または2−22から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0039】
本発明のポリペプチド内の特定のアミノ酸の位置は、標準配列アラインメントツールを使用する配列番号1と該ポリペプチドのアミノ酸配列とのアラインメントにより、例えば、Smith−WatermanアルゴリズムまたはCLUSTALW2アルゴリズムを使用する2つの配列のアラインメントにより決定される(アラインメントスコアが最も高いとき、配列はアラインされていると言われる)。アラインメントスコアは、Wilbur, W. J. and Lipman, D. J. (1983) Rapid similarity searches of nucleic acid and protein data banks. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80: 726-730により記載されている方法にしたがって計算され得る。好ましくは、デフォルトパラメーターは、ClustalW2 (1.82)アルゴリズム:タンパク質ギャップオープンペナルティ=10.0;タンパク質ギャップ伸長ペナルティ=0.2;タンパク質マトリックス=Gonnet;タンパク質/DNA ENDGAP=−1;タンパク質/DNA GAPDIST=4で使用される。
【0040】
好ましくは、本発明のポリペプチド内の特定のアミノ酸の位置は、多数のアラインメントのためのデフォルトパラメーター(ギャップオープンペナルティ:10 og ギャップ伸長ペナルティ 0.05)でAlignXプログラム(VectorNTI suiteの一部)を使用して、配列番号1と該ポリペプチドのアミノ酸配列とのアラインメントにより決定される。本発明のいくつかの態様のために、アラインメントは、本明細書に記載されている図2を使用することにより作成され得る。
【0041】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0042】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号2と少なくとも75%同一性を有するポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0043】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号3と少なくとも75%同一性を有するポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0044】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号4と少なくとも75%同一性を有するポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0045】
さらなる局面において、本発明は、キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてグルタミン酸、トリプトファン、アラニンおよびシステインからなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基へのアミノ酸置換を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドに関する。
【0046】
他に記載のない限り、本明細書において使用されるアミノ酸に対する「配列同一性」なる用語は、(nref−ndif)・100/nrefとして計算される配列同一性(式中、ndifは、アラインされたとき、2つの配列中の同一でない残基の全数であり、nrefは、配列の一方における残基の数である)を示す。したがって、アミノ酸配列ASTDYWQNWTは、配列ASTGYWQAWTと80%の配列同一性を有する(ndif=2およびnref=10)。
【0047】
いくつかの態様において、配列同一性は、慣用の方法、例えば、Smith and Waterman, 1981, Adv. Appl. Math. 2:482により、Pearson & Lipman, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444の類似法の探索により、CLUSTAL W algorithm of Thompson et al., 1994, Nucleic Acids Res 22:467380を使用して、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行により(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer GroupにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)決定される。ソフトウェアがNational Center for Biotechnology Information www.ncbi.nlm.nih.gov/)から得られるBLASTアルゴリズム(Altschulら., 1990, Mol. Biol. 215:403-10)も使用され得る。任意の上記アルゴリズムを使用するとき、「ウインドウ」長、ギャップペナルティなどのためのデフォルトパラメーターが使用される。
【0048】
本明細書において使用される「修飾」なる用語は、いずれか1つのアミノ酸または配列番号1−22から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対する任意の化学的修飾、ならびにポリペプチドをコードするDNAの遺伝子操作を意味する。該修飾は、1つまたはそれ以上のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入ならびに1つまたはそれ以上のアミノ酸側鎖の置き換えであり得る。いくつかの態様において、ポリペプチドは、配列番号1−22と比較してアミノ酸置換を有するが、キシラナーゼ活性を有する。
【0049】
所定のポリペプチドにおける「修飾」は、この所定のポリペプチドと最も高い配列同一性パーセントを有する配列番号1−22から選択されるポリペプチドと比較すると理解すべきである。
【0050】
この記載において使用されるアミノ酸置換に関する用語は以下のとおりである。1文字目は、特定の配列の位置で天然に存在するアミノ酸を示す。次の数は、配列番号1と比較しての位置を示す。2文字目は、天然アミノ酸を置換する異なるアミノ酸を示す。例えば、D11F/R122D/T110Aは、配列番号1の位置11のアスパラギン酸がフェニルアラニンにより置換され、配列番号1の位置122のアルギニンがアスパラギン酸により置換され、位置110のスレオニンがアラニンにより置換されており、全3つの変異はキシラナーゼ活性を有する同じポリペプチドにある。
【0051】
本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドにおけるアミノ酸修飾を除けば、該ポリペプチドは、あまり重要でない性質のさらなるアミノ酸修飾、すなわち、タンパク質の折り畳みおよび/または活性に有意に影響しない保存アミノ酸置換または挿入;一般的に1から約30個のアミノ酸の小さい欠失;小さいアミノ−もしくはカルボキシル末端伸長、例えば、アミノ末端メチオニン残基;約20−25個までの残基の小さいリンカーペプチド;または、正味荷電または別の機能を変化させることにより精製を容易にする小さい伸長、例えば、ポリヒスチジントラクト、抗原エピトープまたは結合ドメインを有し得る。
【0052】
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシンおよびバリン)、芳香族性アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)および小さいアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニンおよびメチオニン)のグループ内である。一般的に比活性が変化しないアミノ酸置換は、当分野で知られており、例えば、H. Neurath and R. L. Hill, 1979, In, The Proteins, Academic Press, New Yorkにより記載されている。最も一般的に起こる交換は、AlaからSer、Valからlle、AspからGlu、ThrからSer、AlaからGly、AlaからThr、SerからAsn、AlaからVal、SerからGly、TyrからPhe、AlaからPro、LysからArg、AspからAsn、Leuからlle、LeuからVal、AlaからGluおよびAspからGlyである。
【0053】
20個の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン、6−/V−メチルリジン、2−アミノイソ酪酸、イソバリンおよびアルファ−メチルセリン)が、野生型ポリペプチドのアミノ酸残基を置換し得る。限定された数の非保存アミノ酸、遺伝子コードによってコードされないアミノ酸および非天然アミノ酸が、アミノ酸残基を置換し得る。「非天然アミノ酸」は、タンパク質合成後に修飾されており、および/または標準アミノ酸と異なる側鎖における化学構造を有する。非天然アミノ酸は、化学的に合成することができ、好ましくは市販されており、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−および4−メチルプロリンならびに3,3−ジメチルプロリンを含む。
【0054】
本明細書において使用される「宿主生物」なる用語は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸構築物または発現ベクターで形質転換、トランスフェクション、形質導入などを起こしやすいあらゆる細胞型を含む。
【0055】
本目的のために、キシラナーゼは、キシラナーゼ活性を有するタンパク質またはポリペプチドを意味する。
【0056】
本明細書において使用される「キシラナーゼ活性を有するポリペプチド」なる句は、本明細書に記載されているようなキシラナーゼアッセイにおいて活性を有するあらゆるタンパク質またはポリペプチドを示す。
【0057】
キシラナーゼ活性は、キシランにおいて1,4−ベータ−D−キシロシドエンド−結合を含む基質が使用される任意のアッセイを使用して測定することができる。アッセイに使用されるpHおよび温度は、問題になっているキシラナーゼに適合させるべきである。適当なpH値の例は、4、5、6、7、8、9、10または11である。適当な温度の例は、30、35、37、40、45、50、55、60、65、70または80℃である。違う種類の基質、例えば、Xylazyme錠剤(tablet)(架橋され、染色されたキシラン基質、Megazyme, Bray, Ireland)をキシラナーゼ活性の測定のために利用できる。
【0058】
好ましくは、キシラナーゼ活性は、以下のアッセイを使用して測定される。
【0059】
キシラナーゼアッセイ(エンド−β−1,4−キシラナーゼ活性)
このアッセイにおいてOD590=約0.7を得るように、サンプルをクエン酸(0.1M)−リン酸水素二ナトリウム(0.2M)バッファー、pH5.0に希釈した。サンプルの3つの異なる希釈物を5分40℃でプレインキュベートした。時間=5分で、1つのXylazyme錠剤(架橋され、染色されたキシラン基質、Megazyme, Bray, Ireland)を、1mlの反応容量の酵素溶液に加えた。時間=15分で、10mlの2%のTRIS/NaOH、pH12を加えることにより、反応を終了した。ブランクは、酵素溶液の代わりに1000μlのバッファーを使用して製造した。反応混合物を遠心し(1500×g、10分、20℃)、上清のODを590nmで測定した。1キシラナーゼユニット(XU)は、1分あたりOD590が0.025増加するキシラナーゼ活性として定義される。
【0060】
上記アッセイにおいて使用される基質(小麦から抽出された架橋され、染色されたアラビノキシラン)は、商業的適用における対応する基質に非常に近い。
【0061】
酵素は、さらに便覧(Enzyme Nomenclature from NC-IUBMB, 1992)に基づいて分類することができる、インターネットhttp://www.expasy.ch/enzyme/のENZYMEサイトも参照。ENZYMEは、酵素の命名に関する情報の貯蔵庫である。主にNomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUB-MB)の推奨に基づき、EC(Enzyme Commission)番号が提供されている特徴付けられている酵素のそれぞれの型を記載している(Bairoch A. The ENZYME database, 2000, Nucleic Acids Res 28:304-305)。このIUB−MB酵素命名は、それらの基質特異性および時折、それらの分子メカニズムに基づき、このような分類は、これらの酵素の構造的特徴を反映していない。
【0062】
本発明の1つの局面において、キシラナーゼは、EC 3.2.1.8に分類される酵素である。正式名称は、エンド−1,4−ベータ−キシラナーゼである。組織名は、1,4−ベータ−D−キシランキシラノヒドロラーゼである。他の名前は、例えば、エンド−(1−4)−ベータ−キシラナーゼ;(1−4)−ベータ−キシラン4−キシラノヒドロラーゼ;エンド−1,4−キシラナーゼ;キシラナーゼ;ベータ−1,4−キシラナーゼ;エンド−1,4−キシラナーゼ;エンド−ベータ−1,4−キシラナーゼ;エンド−1,4−ベータ−D−キシラナーゼ;1,4−ベータ−キシランキシラノヒドロラーゼ;ベータ−キシラナーゼ;ベータ−1,4−キシランキシラノヒドロラーゼ;エンド−1,4−ベータ−キシラナーゼ;ベータ−D−キシラナーゼを使用され得る。触媒される反応は、キシランにおける1,4−ベータ−D−キシロシド結合の内部加水分解(endohydrolysis)である。
【0063】
アミノ酸配列類似性に基づくファミリーにおける特定のグリコシドヒドロラーゼ酵素、例えば、エンドグルカナーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナ-ゼ、マンナナーゼ、デキストラナーゼおよびアルファ−ガラクトシダーゼの別の分類が、数年前に提案されている。それらは、現在、90個の異なるファミリーに分類される:CAZy(ModO)インターネットサイト参照(Coutinho, P.M. & Henrissat, B. (1999) Carbohydrate-Active Enzymes server:http://afmb.cnrs- mrs.fr/~cazy/CAZY/index.html)(対応する論文:Coutinho, P.M. & Henrissat, B. (1999) Carbohydrate-active Enzymes: an integrated database approach. In “Recent Advances in Carbohydrate Bioengineering”, HJ. Gilbert, G. Davies, B. Henrissat and B. Svensson eds., The Royal Society of Chemistry, Cambridge, pp. 3-12; Coutinho, P.M. & Henrissat, B. (1999) The modular structure of cellulases and other Carbohydrate -active Enzymes: an integrated database approach. In “Genetics, Biochemistry and Ecology of cellulose Degradation”., K. Ohmiya, K. Hayashi, K. Sakka, Y. Kobayashi, S. Karita and T. Kimura eds., Uni Publishers Co., Tokyo, pp. 15-23)。
【0064】
本発明の1つの局面において、本発明のキシラナーゼは、グリコシドヒドロラーゼ(hydrolyase)(GH)ファミリー11のキシラナーゼである。「グリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリー11」なる用語は、問題になっているキシラナーゼがGHファミリー11に分類されるか、または分類され得ることを意味する。
【0065】
タンパク質類似性探索(ProteinBlastのような、例えば、http://toolkit.tuebingen.mpg.de/prot_blast)は、未知の配列が実際にGH11キシラナーゼファミリーメンバーなる用語に分類されるか否かを必ずしも決定できないことを理解すべきである。ブラスト探索を使用して見出されるタンパク質配列は、比較的高い同一性/相同性を有し得るが、実際のキシラナーゼではなく、さらに、GH11に属するキシラナーゼではない。あるいは、タンパク質配列は、比較的低い一次アミノ酸配列同一性を有し得、未だGH11キシラナーゼファミリーメンバーである。未知のタンパク質配列が実際にGH11ファミリー内のキシラナーゼタンパク質であるか否かを決定するために、GH−ファミリー内の分類が3D折り畳みに頼るため、評価は、配列類似性においてだけでなく、3D構造類似性においてもまた行われるべきである。未知のタンパク質配列の3D折り畳みを予測するソフトウェアは、HHpredである(http://toolkit.tuebingen.mpg.de/hhpred)。タンパク質構造予測のためのこのソフトウェアの力は、鋳型として使用される既知の構造と相同の配列を同定することに頼る。構造は一次配列よりもさらにいっそうゆっくり分かれるため、これは非常にうまく働く。同じファミリーのタンパク質は、これらの配列が見分けのつかないほど分かれているときでさえ、非常に類似の構造を有し得る。
【0066】
実際には、未知の配列をFASTAフォーマットにおけるソフトウェアに貼り付けることができる(http://toolkit.tuebingen.mpg.de/hhpred)。これを行うと、探索に付すことができる。探索のアウトプットは、既知の3D構造を有する配列の一覧を示す。未知の配列が実際にGH11キシラナーゼであることを裏付けるために、GH11キシラナーゼは、>90の確率を有する相同体の一覧内に見出されるべきである。相同体として同定されるすべてのタンパク質がGH11キシラナーゼとして特徴付けられるとは限らないが、いくつかは特徴付けられる。後者のタンパク質は、それらをキシラナーゼとして同定する既知の構造および生化学的特性を有するタンパク質である。前者は、GH11キシラナーゼとして生化学的に特徴付けられていない。いくつかの文献は、このプロトコール、例えば、Soeding J. (2005) Protein homology detection by HMM-HMM comparison.Bioinformatics 21, 951-960 (doi:10.1093/bioinformatics/bti125)およびSoeding J, Biegert A, and Lupas AN. (2005) The HHpred interactive server for Protein homology detection and structure predictionを記載している。Nucleics Acids Research 33, W244--W248 (Web Server issue) (doi:10.1093/nar/gki40)。
【0067】
Cazy(ModO)サイトにしたがって、ファミリー11グリコシドヒドロラーゼは以下のとおりに特徴付けることができる:
既知の活性:キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)
メカニズム:維持
触媒求核原子/塩基:Glu(実験的)
触媒プロトン供与体:Glu(実験的)
3D構造状態:折り畳み:β−ゼリーロール
クラン:GH−C
【0068】
本明細書において使用される「クランC」は、共通の三次元折り畳みおよび同一の触媒機構を共有するファミリーのグループを示す(例えば、Henrissat, B. and Bairoch, A. , (1996) Biochem. J. ,316, 695-696参照)。
【0069】
本明細書において使用される「ファミリー11」は、Henrissat and Bairoch (1993) Biochem J.,293,781-788(Henrissat and Davies (1997) Current Opinion in Structural Biol. 1997, &:637-644も参照)により確立されている酵素のファミリーを示す。ファミリー11メンバーの一般的な特性は、高い遺伝的相同性、約20kDaのサイズおよび二重置換触媒メカニズムを含む(Tenkanenら., 1992; Wakarchukら., 1994参照)。ファミリー11キシラナーゼの構造は、β−鎖から作られる2つの大型のβ−シートおよびα−ヘリックスを含む。
【0070】
ファミリー11キシラナーゼは、黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)XynA、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)XynC、アスペルギルス・ツビゲンシス(Aspergillus tubigensis)XynA、バチルス・シルクランス(Bacillus circulans)XynA、バチルスプンジルス(Bacilluspunzilus)XynA、枯草菌XynA、ネオカリマスチクスフロンタリス(Neocalliniastix patriciarum)XynA、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)XynB、ストレプトミセス・リビダンスXynC、ストレプトミセス・ゼリノビオラセウス(Streptomyces therinoviolaceus)XynII、好熱性放線菌XynA、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)Xyn、トリコデルマ・リーゼイXynI、トリコデルマ・リーゼイXynII、トリコデルマビリデ(Trichoderma viride)Xynを含むが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書において使用される「野生型」は、自然または天然の配列またはタンパク質を示す。
【0072】
別の特定の態様において、本発明のキシラナーゼは、例えば、(i)グラム陽性細菌門;(ii)バチルス綱;(iii)バチルス目;(iv)パエニバチラセアエ(Paenibacillaceae)科;または(v)パエニバチルス(Paenibacillus)属の細菌;例えば、(vi)パエニバチルス・パブリ(Paenibacillus pabuli)、パエニバチルス・ポリミクサ(Paenibacillus polymyxa)またはパエニバチルスの種の細菌;例えば、(vii)パエニバチルス・パブリまたはパエニバチルス・ポリミクサの株由来の細菌キシラナーゼ由来である。
【0073】
上記において使用される表現「細菌キシラナーゼ由来のキシラナーゼ」は、問題になっている細菌から単離されるあらゆる野生型キシラナーゼ、ならびにキシラナーゼ活性を維持するそれらの変異体またはフラグメントを含む。
【0074】
さらなる特定の態様において、本発明のキシラナーゼは、真菌キシラナーゼ由来である。
【0075】
上記定義の「由来」(細菌キシラナーゼとの関連で)は、真菌キシラナーゼに対しても同様に適用される。
【0076】
ファミリー11グリコシドヒドロラーゼの真菌キシラナーゼの例は、以下の真菌属:アスペルギルス、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、エメリセラ(Emericella)、フザリウム(Fusarium)、ガエウマノミセス(Gaeumannomyces)、フミコーラ(Humicola)、レンチヌラ(Lentinula)、マグナポルテ(Magnaporthe)、ネオカリマスティクス(Neocallimastix)、ノカルジオプシス(Nocardiopsis)、オルピノミセス(Orpinomyces)、ペシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ピチア(Pichia)、スエヒロタケ、タラロミセス(Talaromyces)、サーモマイセス(Thermomyces)、トリコデルマ由来のものである。
【0077】
真菌キシラナーゼは、酵母菌および糸状菌キシラナーゼを含む。いくつかの態様において、キシラナーゼは、(i)子嚢菌門;(ii)チャワンタケ網;(iii)ユーロチウム(Eurotiomycetes)目;(iv)ユーロチウム亜目;(v)マユハキタケ科、例えば、栄養胞子形成マユハキタケ科;または(vi)アスペルギルス属の真菌;例えば、(vii)黒色アスペルギルスの株由来である。前記の種の定義は、知られている種名にかかわらず、完全および不完全な状態の両方、ならびに他の分類学的同等物、例えば、アナモルフ(anamorphs)を含むことが理解される。当業者は、適当な同等物の同一性を容易に認識する。
【0078】
上記細菌および真菌の株は、多くのカルチャー・コレクション、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)、ドイツ微生物細胞培養コレクション(DSMZ)、オランダ菌株コレクション(CBS)およびアグリカルチュアル・リサーチ・サービス・パラント・カルチャー・コレクション、ノーザーン・リージョナル・リサーチ・センター(NRRL)において容易に一般的に公開されている。
【0079】
分類に関する問題は、分類データベース、例えば、以下のインターネットサイト:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Taxonomy/taxonomyhome.html/で利用できるNCBI Taxonomy Browserを閲覧することにより解決することができる。しかしながら、好ましくは以下の便覧:Dictionary of the Fungi, 9th edition, edited by Kirk, P.M., P. F. Cannon, J. C. David & J.A. Stalpers, CAB Publishing, 2001; and Bergey's Manual of Systematic Bacteriology, Second edition (2005)を参照。
【0080】
本発明は、特定のアミノ酸位置の修飾に関する。これらの位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列を基準に記載されている。本発明において、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、配列番号1に示される枯草菌配列と比較して少なくとも位置110の修飾を有する。他のファミリー11キシラナーゼにおける同等の位置は、配列番号1と他のファミリー11キシラナーゼをアラインし、アミノ酸が配列番号1の特定のアミノ酸とアラインすると決定することにより見いだされ得る(例えば、実施例5参照)。このようなアラインメントおよび第1の参照としての1つの配列の使用は、当業者にとって簡単に日常的な事である。
【0081】
1つの局面において、本発明の変異体キシラナーゼは、「ふすま可溶化アッセイ」において測定されるとき、対応する野生型キシラナーゼまたは配列番号2−22から選択されるアミノ酸配列を含むいずれか1つのキシラナーゼの使用により得ることができるものよりも高い改善されたふすま可溶化活性を有する。
【0082】
1つの局面において、本発明のキシラナーゼは、位置110の修飾の結果として改善されたふすま可溶化活性を有する。
【0083】
適当には、キシラナーゼふすま可溶化活性は、本明細書において提供されるふすま可溶化アッセイを使用して測定され得る。したがって、増加したキシラナーゼ活性および/または増加したふすま可溶化活性を有するポリペプチドが提供され得る。多数の適用において高濃度で穀物ふすまを使用しているため、WU−AXに関する特異性の必要性はますます重要である。例えば、パン製造産業は、健康および栄養問題のために、多数の製品においてふすま濃度を増加させ、飼料産業は、バイオエタノール生産における穀物の使用のために、ふすま原料(線維、穀類蒸留粕(DDGS))の増量を取り入れている。したがって、増加した特異性、したがって、このふすま原料の可溶化における有効性を有する新規キシラナーゼを提供することは、利点がある。
【0084】
ふすま可溶化アッセイ
好ましくは、ふすま溶解度は、以下のアッセイを使用して測定される。
【0085】
(0.1M)−リン酸水素二ナトリウム(0.2M)バッファー、pH5.0中の小麦ふすまの懸濁液を、1,33%のふすまの濃度(w/w)に調製する。この懸濁液から、750μlのアリコートを撹拌下でエッペンドルフチューブに移す。それぞれの基質チューブを40℃で5分間予め加熱する。そこに、250μlの酵素溶液を加え、基質1%の最終濃度を作る。各測定時間(0、30、60および240分)に対し、酵素濃度を増加させて(0,33;1,0および3,0μgのキシラナーゼ/グラムふすま)、各キシラナーゼから3つの希釈物(デュプリケート)を作る。ブランクとして、キシラナーゼの熱変性した溶液を使用する。反応は、95℃でチューブをインキュベーターセットに移すことにより、所定の時間に終了する。全酵素反応が終了するまで、熱変性したサンプルを4℃で維持する。全酵素反応が終了したとき、エッペンドルフチューブを遠心し、透明な上清を得る。ふすまを可溶性にする酵素能力は、PAHBAHを使用して測定される末端基の還元の増加として示される(Lever、1972)。
【0086】
副活性、例えば、アミラーゼ活性が上記アッセイを妨げ得るため、ふすま可溶化アッセイは、精製されたキシラナーゼサンプルで実施されるべきである(実施例2参照)。
【0087】
1つの局面において、本発明のキシラナーゼは、いずれか1つの野生型キシラナーゼまたは配列番号2−22から選択されるアミノ酸配列を含むいずれか1つのキシラナーゼと比較して、キシラナーゼ阻害剤に対する減少した感度を有する。
【0088】
さらなる局面において、本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、アミノ酸位置11、12、13、34、54、77、81、99、104、113、114、118、122、141、154、159、162、164、166および175のいずれか1つまたはそれ以上での1つまたはそれ以上の修飾と組み合わせて位置110の修飾の結果として、キシラナーゼ阻害剤に対する減少した感度を有する。
【0089】
該阻害剤は、植物組織において天然に見出される阻害剤であり得る。
【0090】
本明細書において使用される「キシラナーゼ阻害剤」なる用語は、役割が複合炭水化物、例えば、植物細胞壁において見出されるアラビノキシランの脱重合をコントロールすることである化合物、一般的にタンパク質を示す。これらのキシラナーゼ阻害剤は、天然キシラナーゼ酵素ならびに真菌または細菌起源のものの活性を減少させることが可能である。けれども、キシラナーゼ阻害剤の存在は、穀物種子において報告されている(例えば、McLauchlanら 1999a; Rouau and Suget 1998参照)。
【0091】
McLauchlanら(1999a)は、2つのファミリー−11キシラナーゼに結合し、阻害する小麦由来のタンパク質の単離および特性を記載している。同様に、WO98/49278は、全てファミリー11キシラナーゼとして分類される微生物キシラナーゼのグループの活性に対する小麦粉抽出物の効果を証明している。Debyserら.(1999)は、また、両方ともファミリー11キシラナーゼのメンバーである黒色アスペルギルスおよび枯草菌由来のエンドキシラナーゼが、TAXIと呼ばれる小麦キシラナーゼ阻害剤により阻害されることを記載している。McLauchlanら(1999b)は、市販の穀粉、例えば、小麦、大麦、ライ麦およびトウモロコシ由来の抽出物が、ファミリー10および11キシラナーゼの両方を阻害することが可能であることを示唆している。
【0092】
キシラナーゼ阻害剤は、任意の適当なキシラナーゼ阻害剤であり得る。例として、キシラナーゼ阻害剤は、WO−A−98/49278に記載されている阻害剤および/またはRouau, X. and Surget, A. (1998)、McLauchlan, R., ら. (1999)により記載されているキシラナーゼ阻害剤および/または英国特許出願番号9828599.2(1998年12月23日出願)、英国特許出願番号9907805.7(1999年4月6日出願)および英国特許出願番号9908645.6(1999年4月15日出願)において記載されているキシラナーゼ阻害剤であり得る。
【0093】
先行技術に記載されている阻害剤は、また、キシラナーゼ阻害剤に対する本発明の変異体ポリペプチドの感度を測定するためのアッセイにおいて使用され得る。それらは、また、キシラナーゼの機能性を調節するために以下に記載されるとおりに使用され得る。
【0094】
キシラナーゼ阻害剤アッセイ
好ましくは、キシラナーゼ阻害活性は、以下のアッセイを使用して測定される。
【0095】
100μlの阻害剤調製物(種々の濃度のキシラナーゼ阻害剤を含む(定量化のために、以下のキシラナーゼ阻害剤定量化を参照))、250μlのキシラナーゼ溶液(12 XU キシラナーゼ/mlを含む)および650μlのバッファー(0.1Mのクエン酸−0.2Mのリン酸水素二ナトリウムバッファー、1%のBSA(Sigma-Aldrich, USA)、pH5.0)を混合した。混合物を40.0℃で5分間調温した。時間=5分に、1つのXylazyme錠剤を加えた。時間=15分に、10mlの2%TRIS/NaOH、pH12を加えることにより、反応を終了させた。反応混合物を遠心し(1500×g、10分、20℃)、上清を590nmで測定した。キシラナーゼ阻害を、ブランクと比較して、%で残存活性として計算した。
【0096】
使用される内因性エンド−β−1,4−キシラナーゼ阻害剤は小麦粉から得ることができる。阻害剤は、約40kDaのMW(SDS−PAGEまたは質量分析により測定)および約8から約9.5のpIを有するジペプチドである。これまでの配列分析によって、阻害剤は配列番号24として示される配列を有するか、またはそれと高い相同性であることが示されている。
【0097】
所定の阻害剤調製物における阻害剤濃度を定量する方法は、実施例3において見出すことができる。
ブランクは、阻害剤溶液を水と置き換えているが、同じ方法で製造した。
【0098】
本発明は、また、コントロール配列と適合性である条件下で、適当な宿主細胞におけるコード配列の発現を指向する1つまたはそれ以上のコントロール配列に作動可能に連結したヌクレオチド配列を含む本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に関する。本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ポリペプチドの発現を提供するように、種々の方法において操作され得る。発現ベクターにもよるが、ベクターへの挿入の前のポリヌクレオチドの配列の操作が望ましいか、または必要であり得る。組換えDNA方法を利用するポリヌクレオチド配列を修飾するための技術は、当分野でよく知られている。
【0099】
コントロール配列は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のための宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列である適当なプロモーター配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を介在する転写コントロール配列を含む。プロモーターは、変異、切断およびハイブリッドプロモーターを含む選択された宿主細胞において転写活性を示す任意のヌクレオチド配列であり得、宿主細胞に対して同種または異種のいずれかの細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
【0100】
とりわけ細菌宿主細胞における本発明の核酸構築物の転写を指向するための適当なプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトミセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor) アガラーゼ遺伝子(dagA)、枯草菌 レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis) アルファ−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus) マルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens) アルファ−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニフォルミス ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、枯草菌 xylAおよびxylB遺伝子ならびに原核生物ベータ−ラクタマーゼ遺伝子(Villa-Kamaroffら., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、ならびにtacプロモーター(DeBoerら., 1983, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80: 21-25)から得られるプロモーターである。さらなるプロモーターは、Scientific American, 1980, 242: 74-94の“Useful proteins from recombinant bacteria”;およびSambrookら., 1989(上記)に記載されている。
【0101】
糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構築物の転写を指向するための適当なプロモーターの例は、アスペルギルスオリザエ(Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、リゾムコールミーヘイ(Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテイナーゼ、黒色アスペルギルス 中性アルファ−アミラーゼ、黒色アスペルギルス 酸安定アルファ−アミラーゼ、黒色アスペルギルスまたはアスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori) グルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコールミーヘイ リパーゼ、アスペルギルスオリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギルスオリザエ トリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギルスニデュランス(Aspergillus nidulans) アセタミダーゼ(acetamidase)、フザリウムベネナツム(Fusarium venenatum) アミログルコシダーゼ(WO00/56900)、フザリウムベネナツムダリア(Fusarium venenatum Daria)(WO00/56900)、フザリウムベネナツムクイン(Fusarium venenatum Quinn)(WO00/56900)、フザリウムオキシスポラム(Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787)、トリコデルマ・リーゼイベータ−グルコシダーゼ、トリコデルマ・リーゼイ セロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・リーゼイ セロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・リーゼイ エンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ エンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ エンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ エンドグルカナーゼIV、トリコデルマ・リーゼイ エンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ ベータ−キシロシダーゼの遺伝子から得られるプロモーター、ならびにNA2−tpiプロモーター(黒色アスペルギルス 中性アルファ−アミラーゼおよびアスペルギルスオリザエ トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子由来のプロモーターのハイブリッド);ならびにそれらの変異、切断およびハイブリッドプロモーターである。
【0102】
酵母菌宿主において、有用なプロモーターは、出芽酵母 エノラーゼ(ENO−1)、出芽酵母 ガラクトキナーゼ(GAL1)、出芽酵母 アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH1、ADH2/GAP)、出芽酵母 トリオース(those)リン酸イソメラーゼ(TPI)、出芽酵母 メタロチオネイン(CUP1)および出芽酵母 3−phosphoglycerate キナーゼに対する遺伝子から得られる。酵母菌宿主細胞に対する他の有用なプロモーターは、Romanosら., 1992, Yeast 8: 423-488に記載されている。
【0103】
コントロール配列は、また、転写を終了するように宿主細胞により認識される配列である適当な転写ターミネーター配列であり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’末端に作動可能に連結している。選択された宿主細胞において機能するあらゆるターミネーターが本発明において使用され得る。
【0104】
糸状菌宿主細胞に対するターミネーターは、アスペルギルスオリザエ TAKAアミラーゼ、黒色アスペルギルス グルコアミラーゼ、アスペルギルスニデュランス アントラニル酸塩合成酵素、黒色アスペルギルス アルファ−グルコシダーゼおよびフザリウムオキシスポラム トリプシン様プロテアーゼに対する遺伝子から得ることができる。酵母菌宿主細胞に対するターミネーターは、出芽酵母 エノラーゼ、出芽酵母 シトクロムC(CYC1)および出芽酵母 グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼに対する遺伝子から得ることができる。酵母菌宿主細胞に対する他の有用なターミネーターは、Romanosら., 1992(上記)に記載されている。
【0105】
コントロール配列は、また、宿主細胞による翻訳に重要であるmRNAの非翻訳領域である適当なリーダー配列であり得る。リーダー配列はポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に作動可能に連結している。選択された宿主細胞において機能するあらゆるリーダー配列が本発明において使用され得る。
【0106】
糸状菌宿主細胞に対するリーダーは、アスペルギルスオリザエ TAKAアミラーゼおよびアスペルギルスニデュランス トリオースリン酸イソメラーゼに対する遺伝子から得ることができる。
【0107】
酵母菌宿主細胞に対する適当なリーダーは、出芽酵母 エノラーゼ(ENO−1)、出芽酵母 3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、出芽酵母 アルファ因子および出芽酵母 アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)に対する遺伝子から得られる。
【0108】
コントロール配列は、また、転写されるとき、ポリアデノシン残基を転写されたmRNAに付加するためのシグナルとして宿主細胞により認識される、ヌクレオチド配列の3’末端に作動可能に連結した配列であるポリアデニル化配列であり得る。選択された宿主細胞において機能するあらゆるポリアデニル化配列が本発明において使用され得る。
【0109】
糸状菌宿主細胞に対するポリアデニル化配列は、アスペルギルスオリザエ TAKAアミラーゼ、黒色アスペルギルス グルコアミラーゼ、アスペルギルスニデュランス アントラニル酸塩合成酵素、フザリウムオキシスポラム トリプシン様プロテアーゼおよびアスペルギルス n/gerアルファ−グルコシダーゼに対する遺伝子から得ることができる。
【0110】
酵母菌宿主細胞に有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990に記載されている。
【0111】
コントロール配列は、また、ポリペプチドのアミノ末端に連結したアミノ酸配列をコードし、コードされたポリペプチドを細胞の分泌経路へ指向するシグナルペプチドコード領域であり得る。ヌクレオチド配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳リーディングフレームにおいて天然に連結しているシグナルペプチドコード領域を本質的に含み得る。あるいは、コード配列の5’末端は、コード配列にとって異質であるシグナルペプチドコード領域を含み得る。外来シグナルペプチドコード領域は、コード配列がシグナルペプチドコード領域を天然に含まないとき必要であり得る。あるいは、外来シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの分泌を増強するために、天然シグナルペプチドコード領域と簡単に置き換えられ得る。しかしながら、発現されたポリペプチドを選択された宿主細胞の分泌経路に指向する(すなわち、培養培地に分泌される)あらゆるシグナルペプチドコード領域が本発明において使用され得る。
【0112】
細菌宿主細胞に対する有効なシグナルペプチドコード領域は、バチルス属 NCIB 11837 マルトース生成アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラス アルファ−アミラーゼ、バチルス・リケニフォルミス サブチリシン、バチルス・リケニフォルミス ベータ−ラクタマーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラス 中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)および枯草菌 prsAに対する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、Simonen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137に記載されている。
【0113】
糸状菌宿主細胞に対する有効なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギルスオリザエ TAKA アミラーゼ、黒色アスペルギルス 中性アミラーゼ、黒色アスペルギルス グルコアミラーゼ、リゾムコールミーヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens) セルラーゼ、フミコーラ・インソレンス エンドグルカナーゼ Vおよびフミコーラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)リパーゼに対する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。
【0114】
酵母菌宿主細胞に対する有用なシグナルペプチドは、出芽酵母 アルファ因子および出芽酵母 インベルターゼに対する遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos et a/., 1992(上記)により記載されている
【0115】
コントロール配列は、また、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られたポリペプチドは、プロ酵素またはプロポリペプチド(または、いくつかの場合において酵素前駆体)として知られている。プロポリペプチドは、一般的に不活性であり、プロポリペプチドからプロペプチドの触媒的または自己触媒的開裂により成熟活性ポリペプチドに変換することができる。プロペプチドコード領域は、枯草菌 アルカリプロテアーゼ(aprE)、枯草菌 中性プロテアーゼ(nprf)、出芽酵母 アルファ因子、リゾムコールミーヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼおよびミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila) ラッカーゼ(WO95/33836)に対する遺伝子から得ることができる。
【0116】
シグナルペプチドおよびプロペプチド領域の両方がポリペプチドのアミノ末端に存在するとき、プロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、シグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0117】
また、宿主細胞の増殖と比較して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することが望ましい場合もある。調節系の例は、調節化合物の存在を含む化学または物理刺激に対する応答をオンまたはオフにさせる遺伝子の発現を引き起こすものである。原核生物系における調節系は、lac、tecおよびtipオペレーター系を含む。酵母において、ADH2系またはGAL1系が使用され得る。糸状菌において、TAKA アルファ−アミラーゼプロモーター、黒色アスペルギルス グルコアミラーゼプロモーターおよびアスペルギルスオリザエ グルコアミラーゼプロモーターが調節配列として使用され得る。調節配列の他の例は、遺伝子増幅を可能にするものである。真核系において、これらは、メトトレキサートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子および重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子を含む。これらの場合において、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、調節配列と作動可能に連結される。
【0118】
本発明は、また、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、プロモーターならびに転写および翻訳停止シグナルを含む組換え発現ベクターに関する。本明細書に記載されている種々の核酸およびコントロール配列を互いに結合させ、1つ以上の便利な制限酵素認識部位を含み、このような部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入または置換を可能にし得る組換え発現ベクターを生産してもよい。あるいは、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列または該配列を含む核酸構築物を発現のための適当なベクターに挿入することにより発現させてもよい。発現ベクターの創造において、コード配列は、コード配列が発現のための適当なコントロール配列と作動可能に連結するようにベクター中に配置する。
【0119】
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利に付すことができ、ヌクレオチド配列の発現を引き起こすことができるあらゆるベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。ベクターの選択は、一般的に、ベクターが導入される宿主細胞とベクターの互換性に依存する。ベクターは、直鎖または閉環プラスミドであり得る。
【0120】
ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、複製が染色体複製と独立している染色体外物、例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体または人工染色体として存在するベクターであり得る。ベクターは、自己複製を保証するためのあらゆる手段を含み得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞に形質導入されたとき、ゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであり得る。さらに、宿主細胞のゲノムに形質導入されたDNA全体を共に含む単一のベクターもしくはプラスミドまたは2つ以上のベクターもしくはプラスミド、またはトランスポゾンが使用され得る。
【0121】
本発明のベクターは、好ましくは、形質転換された、トランスフェクトされた、形質導入されたなどの細胞の容易な選択を可能にする1つ以上の選択可能なマーカーを含む。選択可能なマーカーは、殺生物剤またはウイルス耐性、重金属耐性、栄養要求体に対する原栄養体などを提供する産物の遺伝子である。
【0122】
細菌の選択可能なマーカーの例は、枯草菌またはバチルス・リケニフォルミス由来のdal遺伝子、または抗生物質耐性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリン耐性を与えるマーカーである。酵母菌宿主細胞に対する適当なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。糸状菌宿主細胞において使用するための選択可能なマーカーは、amdS(アセタミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)およびtrpC(アントラニル酸塩合成酵素)、ならびにそれらの同等物を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、アスペルギルスニデュランスまたはアスペルギルスオリザエのamdSおよびpyrG遺伝子ならびにストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)のbar遺伝子が、アスペルギルス細胞において使用される。
【0123】
本発明のベクターは、好ましくは、宿主細胞のゲノムへのベクターの組み込み、またはゲノムと独立している細胞におけるベクターの自己複製を可能にするエレメントを含む。宿主細胞ゲノムへの組み込みにおいて、ベクターは、相同または非相同組換えによるゲノムへの組み込みのためのベクターのポリペプチドまたは他の任意のエレメントをコードするポリヌクレオチドの配列に頼ってもよい。あるいは、ベクターは、染色体における正確な位置の宿主細胞のゲノムへの相同組換えによる組み込みを指向するためのさらなるヌクレオチド配列を含み得る。正確な位置への組み込みの可能性を増加させるために、組み込みエレメントは、好ましくは、相同組換えの確率を高めるための対応する標的配列と高度の同一性を有する十分な数の核酸、例えば、100から10,000塩基対、好ましくは400から10,000塩基対、より好ましくは800から10,000塩基対を含むべきである。組み込みエレメントは、宿主細胞のゲノムにおける標的配列と相同性であるあらゆる配列であり得る。さらに、組み込みエレメントは、ヌクレオチド配列をコードしなくてもよく、またはコードしてもよい。他方では、ベクターは、非相同組換えにより宿主細胞のゲノムに組み込まれ得る。自己複製のために、ベクターは、ベクターが問題になっている宿主細胞において自己複製することが可能である複製起点をさらに含み得る。複製起点は、細胞において機能する自己複製を介在するあらゆるプラスミド自己複製子であり得る。「複製起点」または「プラスミド自己複製子」なる用語は、プラスミドまたはベクターがインビボで複製可能であるようにするヌクレオチド配列として本明細書において定義される。
【0124】
細菌の複製起点の例は、大腸菌において複製を可能にするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177およびpACYC184、ならびにバチルス属において複製を可能にするpUB1 10、pE194、pTA1060およびpAMβiの複製起点である。
【0125】
酵母菌宿主細胞において使用するための複製起点の例は、2ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1およびCEN3の組合せ、ならびにARS4およびCEN6の組合せである。
【0126】
糸状菌細胞に有用な複製起点の例は、AMA1およびANSIである(Gemsら., 1991, Gene 98: 61-67; Cullenら., 1987, Nucleic Acids Research 15: 9163-9175;WO00/24883)。AMA1遺伝子の単離および該遺伝子を含むプラスミドまたはベクターの構築は、WO00/24883に記載されている方法にしたがって成し遂げることができる。
【0127】
本発明のポリヌクレオチドの2コピー以上が、遺伝子産物の生産を増加させるために宿主細胞に挿入され得る。該ポリヌクレオチドのコピー数の増加は、配列の少なくとも1つのさらなるコピーを宿主細胞ゲノム中へ組み込むことにより、またはポリヌクレオチドと共に増幅可能な選択可能なマーカー遺伝子を含むことにより得ることができ、ここで、選択可能なマーカー遺伝子の増幅されたコピー、それによるポリヌクレオチドのさらなるコピーを含む細胞は、適当な選択可能な薬剤の存在下で細胞を培養することにより選択することができる。
【0128】
本発明の組換え発現ベクターを構築するための上記エレメントを結合するために使用される方法は、当業者によく知られている(例えば、Sambrookら., 1989(上記)参照)。
【0129】
本発明は、また、ポリペプチドの組換え生産において有利に使用される本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞に関する。本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターは、ベクターが染色体成分として、または前記のとおりの自己複製染色体外ベクターとして維持するように、宿主細胞に形質導入される。「宿主細胞」なる用語は、複製中に起こる変異によって親細胞と同一でない親細胞のあらゆる後代を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子およびその供給源に依存して、かなりの範囲まで決定される。
【0130】
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば、原核生物、または非単細胞微生物、例えば、真核生物であり得る。有用な単細胞微生物は、細菌細胞、例えば、グラム陽性細菌、バチルス細胞、例えば、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルスブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・シルクランス、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ロータス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス、枯草菌およびバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis);または、ストレプトミセス細胞、例えば、ストレプトミセス・リビダンスおよびストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus)、またはグラム陰性細菌、例えば、大腸菌およびシュードモナス(Pseudomonas)属を含むが、これらに限定されない。1つの局面において、細菌宿主細胞は、バチルス・レンタス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ステアロサーモフィラスまたは枯草菌細胞である。別の局面において、バチルス属細胞は好アルカリ性バチルス属である。細菌宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、コンピテント細胞(例えば、Young and Spizizen, 1961, Journal of Bacteriology 81 : 823-829、またはDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221参照)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751参照)または接合(例えば、Koehler and Thome, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278参照)を使用する、プロトプラスト形質転換(例えば、Chang and Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168: 111-115参照)により達成され得る。
【0131】
宿主細胞は、また、真核生物、例えば、哺乳動物、昆虫、植物または真菌細胞であり得る。
【0132】
1つの局面において、宿主細胞は真菌細胞である。本明細書において使用される「真菌」は、子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門および接合菌門(Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにおいてHawksworthらにより定義されているとおり)ならびに卵菌門(Hawksworthら., 1995, supra, page 171において引用されるとおり)およびすべての栄養胞子形成真菌(Hawksworthら., 1995(上記))を含む。別の局面において、真菌宿主細胞は酵母細胞である。本明細書において使用される「酵母菌」は、有子嚢胞子酵母(エンドミケス)、担子菌酵母および不完全菌類に属する酵母(不完全酵母)を含む。酵母菌の分類が将来に変化することがあり得るため、本発明の目的のために、酵母菌はBiology and Activities of Yeastに記載されているとおりに定義される(Skinner, F. A., Passmore, S. M., and Davenport, R.R., eds, Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980)。
【0133】
さらなる局面において、酵母菌宿主細胞は、カンジダ(Candida)、ハンゼヌラ(Hansenula)、クルイウェロマイセス(Kluyveromyces)、ピチア、サッカロマイセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)またはヤロウイア(Yarrowia)細胞である。
【0134】
1つの特定の局面において、酵母菌宿主細胞は、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、出芽酵母、サッカロマイセス・ダイアスタティカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)またはサッカロマイセス・オビフォルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。別の局面において、酵母菌宿主細胞はキラー酵母細胞である。別の局面において、酵母菌宿主細胞はアルカン資化酵母細胞である。
【0135】
別の局面において、真菌宿主細胞は糸状菌細胞である。「糸状菌」は、下位部門の真菌類および卵菌門の全ての糸状型を含む(Hawksworthら., 1995(上記)により定義されるとおり)。糸状菌は、一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン、および他の複合多糖から構成される菌糸壁により特徴付けられる。栄養増殖は菌糸伸長により、炭素異化は偏性好気性である。対照的に、酵母菌、例えば、出芽酵母による栄養増殖は単細胞性葉状体の出芽により、炭素異化は発酵であり得る。
【0136】
別の局面において、糸状菌宿主細胞は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス、アウレオバシジウム、ヤケイロタケ、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フザリウム、フミコーラ、マグナポルテ、ムコール(Mucor)、ミセリオフィソーラ、ネオカリマスティクス、ノイロスポラ(Neurospora)、ペシロミセス、ペニシリウム、ファネロキーテ(Phanerochaete)、フレビア(Phlebia)、ピロミセス(Piromyces)、ヒラタケ、スエヒロタケ、タラロミセス、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)またはトリコデルマ細胞である。
【0137】
別の局面において、糸状菌宿主細胞は、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フォエティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルスニデュランス、黒色アスペルギルスまたはアスペルギルスオリザエ細胞である。別の局面において、糸状菌宿主細胞は、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンセ(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミヌム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウムオキシスポラム、フザリウム・レチクラツム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サンブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテキオイデス(Fusarium trichothecioides)またはフザリウムベネナツム細胞である。別の局面において、糸状菌宿主細胞は、ヤケイロタケ、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベスセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブヴェルミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、ウシグソヒトヨタケ、アラゲカワラタケ、フミコーラ・インソレンス、フミコーラ・ラヌギノーサ、ムコール・ミーハイ(Mucor miehei)、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ、アカパンカビ、ペニシリウム・パルロゼラム(Penicillium purpurogenum)、ファネロキーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、コガネシワウロコタケ、エリンギ、チエラビア・テルレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビローサ(Trametes villosa)、カワラタケ、トリコデルマ・ハルジアナム、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイまたはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)細胞である。真菌細胞は、それ自体既知の方法におけるプロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換および細胞壁の再生を含む工程により形質転換され得る。アスペルギルスおよびトリコデルマ宿主細胞の形質転換のための適当な手段は、EP 238 023およびYelton et al., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81 : 1470-1474に記載されている。フザリウム種を形質転換するための適当な方法は、Malardierら., 1989, Gene 78: 147-156およびWO96/00787により記載されている。酵母菌は、Becker and Guarente, In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York; ltoら., 1983, Journal of Bacteriology 153: 163;およびHinnenら., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75; 1920により記載されている手段を使用して形質転換され得る。
【0138】
本発明は、また、(a)ポリペプチドの生産のために貢献する条件下で、ポリペプチドを生産することが可能である野生型形態における細胞を培養すること;および(b)ポリペプチドを回収することを含む、本発明のポリペプチドを生産するための方法に関する。好ましくは、細胞はアスペルギルス属、さらに好ましくはアスペルギルス・フミガーツスのものである。
【0139】
本発明は、また、(a)ポリペプチドの生産のために貢献する条件下で宿主細胞を培養すること;および(b)該ポリペプチドを回収することを含む本発明のポリペプチドを生産するための方法に関する。
【0140】
本発明の生産方法において、細胞は、当分野でよく知られている方法を使用してポリペプチドの生産に適当な栄養培地において培養される。例えば、細胞は、適当な培地中で、ポリペプチドが発現され、および/または単離される条件下で行われる、振とうフラスコ培養および研究室または産業発酵槽中の小規模または大規模発酵(連続的な、バッチ、フェドバッチまたは固体発酵を含む)により培養され得る。培養は、当分野で知られている方法を使用して、炭素および窒素供給源ならびに無機塩を含む適当な栄養培地中で行う。適当な培地は、市販の供給者から入手できるか、または公開された組成(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログ)にしたがって製造され得る。ポリペプチドが栄養培地に分泌されるとき、ポリペプチドは、培地から直接、回収することができる。ポリペプチドが培地に分泌されないとき、それは、細胞溶解物から回収することができる。
【0141】
該ポリペプチドは、ポリペプチドに対して特異的である当分野で知られている方法を使用して検出され得る。これらの検出方法は、特異的抗体の使用、酵素生成物の形成または酵素基質の消失を含み得る。
【0142】
例えば、酵素アッセイは、本明細書に記載されているポリペプチドの活性を測定するために使用され得る。
【0143】
得られるポリペプチドは、当分野で知られている方法を使用して回収され得る。例えば、ポリペプチドは、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈降を含むが、これらに限定されない慣用の処理により、栄養培地から回収され得る。本発明のポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドを得るために、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマト分画およびサイズ排除)、電気泳動処理(例えば、分取用等電点電気泳動)、示差溶解度(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGEまたは抽出(例えば、Protein Purification, J. -C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989参照)を含むが、これらに限定されない当分野で知られている種々の処理により精製され得る。
【0144】
1つの局面において、位置110におけるアミノ酸修飾はアミノ酸置換である。
1つの局面において、位置110におけるアミノ酸修飾はアミノ酸欠失である。
1つの局面において、位置110におけるアミノ酸修飾はアミノ酸挿入である。
【0145】
いくつかの態様において、配列同一性は、配列番号1と比較して測定される(ここで、配列番号1のアミノ酸配列は、シグナルペプチド配列、例えば、その天然シグナルペプチド配列をさらに含む)。
【0146】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、配列番号1と少なくとも90、92または95%同一性を有する。
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、配列番号2−22から選択される最も高い同一性パーセントを有する配列と少なくとも76、78、80、85、90、95、98または95%同一性を有する。
【0147】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、配列番号2と少なくとも76、78、80、85、90、95、98または95%同一性を有する。
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、配列番号3と少なくとも76、78、80、85、90、95、98または95%同一性を有する。
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、β−ゼリーロール折り畳みを有する。
【0148】
本発明のいくつかの態様において、位置110におけるアミノ酸修飾は、アミノ酸置換である。
【0149】
本発明のいくつかの態様において、位置110におけるアミノ酸修飾は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基への置換である。
【0150】
本発明のいくつかの態様において、位置110におけるアミノ酸修飾は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基への置換である。
【0151】
本発明のいくつかの態様において、位置110におけるアミノ酸修飾は、グルタミン酸、トリプトファン、アラニンおよびシステインからなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基への置換である。
本発明のいくつかの態様において、位置110におけるアミノ酸修飾は、アラニンへの置換である。
【0152】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、全250未満のアミノ酸、例えば、240未満、例えば、230未満、例えば、220未満、例えば、210未満、例えば、200未満のアミノ酸、例えば、160から240の範囲、例えば、160から220の範囲のアミノ酸を有する。
【0153】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、アミノ酸位置11、12、13、34、54、77、81、99、104、113、114、118、122、141、154、159、162、164、166および175のいずれか1つまたはそれ以上で1つまたはそれ以上の修飾を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0154】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、11F、12F、54Q、54W、122D、113A、13Y、113D、175L、122F、34K、99Y、104W、141Q、154R、159D、175K、81I、166F、162E、162D、164F、114D、114Y、114F、118V、175K、77L、77M、77S、77Vおよび77Yからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0155】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、D11F、G12F、N54Q、R122D、Y113A、G13Y、Y113D、N141Q、Q175L、R122F、G34K、K99Y、T104W、K154R、N159D、Q175K、V81I、Y166F、S162E、S162D、W164F、N114D、N114Y、N114F、I118V、I77L、I77M、I77S、I77VおよびI77Yからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0156】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、13、99、104、113、122、154、159および175の1つまたはそれ以上のアミノ酸位置で1つまたはそれ以上の修飾を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0157】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、13、99、104、113、122、154、159および175のアミノ酸位置で置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0158】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、114および166の1つまたはそれ以上のアミノ酸位置で1つまたはそれ以上の修飾をさらに含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0159】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、114および166の1つまたはそれ以上のアミノ酸位置で1つまたはそれ以上の置換をさらに含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0160】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸位置13、99、104、113、114、122、154、159、166および175の少なくとも4つで置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0161】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、13、99、104、113、114、122、154、159および175のアミノ酸位置で置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0162】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、13、99、104、113、122、154、159、166および175のアミノ酸位置で置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0163】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、13、99、104、113、122、154、159および175のアミノ酸位置で置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0164】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、13Y、99Y、104W、110A、113D、114D、114F、122F、154R、159D、166F、175Kおよび175Lからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0165】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、最も高い同一性を有する配列番号1−22から選択される配列と比較して、少なくとも5、6、7、8、9または10個のアミノ酸置換を有する。
【0166】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、少なくとも9または10個のアミノ酸置換を有する。
【0167】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a.D11F、R122DおよびT110A;
b.D11F、R122D、T110AおよびY113A;
c.G13Y、T110A、Y113D、R122DおよびQ175L;
d.G13Y、T110A、Y113D、R122FおよびQ175L;
e.G13Y、G34K、T110A、Y113D、R122DおよびQ175L;
f.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
g.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159D、Q175およびV81I;
h.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159D、Y166FおよびQ175L;
i.G13Y、T110A、Y113D、R122D、K154R、N159DおよびQ175L;
j.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
k.G13Y、T110A、Y113D、R122D、S162EおよびQ175L;
l.G13Y、T110A、Y113D、R122D、S162DおよびQ175L;
m.G13Y、T110A、Y113D、R122D、W164FおよびQ175L;
n.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
o.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114Y、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
p.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
q.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、I118V、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
r.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114Y、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
s.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
t.G13Y、I77L、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
u.G13Y、I77M、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
v.G13Y、I77S、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
w.G13Y、I77V、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
x.G13Y、I77Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L
y.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、N141Q、K154R、N159D、Q175L;
z.G13Y、N54Q、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、N141Q、K154R、N159D、Q175;
aa.G13Y、N54W、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、141Q、K154R、N159D、175L;
bb.G13Y、N54Q、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、K154R、N159D、Q175L;
cc.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、141Q、K154R、N159D、Q175L;ならびに
dd.G13Y、54Q、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、141Q、K154R、N159D、Q175L;
からなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0168】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
b.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159D、Y166FおよびQ175L;
c.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
d.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
e.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
からなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含み、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0169】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、ふすま可溶化活性を有する。
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、単離された形態である。
【0170】
本明細書において使用される「単離された」なる用語は、ポリペプチドが、自然界においてその配列が本来結合している少なくとも1つの他の成分から少なくとも実質的に遊離していることを意味する。
【0171】
本発明のいくつかの態様において、位置110におけるアミノ酸修飾は、T110Dではない。
いくつかの態様において、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、位置110においてアスパラギン酸を有さない。
【0172】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、キシラナーゼ活性アッセイにおいて測定されるとき、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列と比較して、改善されたキシラナーゼ活性を有する。
【0173】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、位置110の修飾の結果として改善されたキシラナーゼ活性を有する。
【0174】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、ふすま可溶化活性アッセイにおいて測定されるとき、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列と比較して、改善されたふすま可溶化活性を有する。
【0175】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、位置110の修飾の結果として、改善されたふすま可溶化活性を有する。
【0176】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、キシラナーゼ阻害剤に対する減少した感度を有する。
【0177】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a)13/110/113/122/154/159/175;
b)13/99/104/110/113/122/154/159/166/175;
c)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
d)13/110/113/122/175;
e)13/99/104/110/113/122/154/159/175;
f)13/99/104/110/113/122/154/159/175;
g)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
h)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
i)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
j)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
k)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
l)13/81/99/104/110/113/122/154/159/175;
m)13/110/113/122/164/175;
n)13/110/113/122/162/175;
o)13/110/113/122/175;
p)11/122/110/113;
q)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
r)11/122/110;
s)13/34/110/113/122/175;
t)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
u)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
v)13/99/104/110/113/118/122/154/159/175;
w)13/110/113/122/162/175;
x)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
y)13/99/104/110/113/122/141/154/159/175;
z)13/54/99/104/110/113/122/141/154/159/175;
aa)13/54/99/104/110/113/122/141/154/159/175;
bb)13/54/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
cc)13/99/104/110/113/114/122/141/154/159/175;および
dd)13/54/99/104/110/113/114/122/141/154/159/175;
からなる一覧から選択される位置の修飾を含むアミノ酸配列を有し、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0178】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a)13Y/110A/113D/122D/154R/159D/175L;
b)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/166F/175L;
c)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
d)13Y/110A/113D/122F/175L;
e)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
f)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175K;
g)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175K;
h)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175L;
i)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175L;
j)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175K;
k)13Y/77L/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
l)13Y/81I/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
m)13Y/110A/113D/122D/164F/175L;
n)13Y/110A/113D/122D/162D/175L;
o)13Y/110A/113D/122D/175L;
p)11F/122D/110A/113A;
q)13Y/77Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
r)11F/122D/110A;
s)13Y/34K/110A/113D/122D/175L;
t)13Y/77V/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
u)13Y/77M/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
v)13Y/99Y/104W/110A/113D/118V/122F/154R/159D/175L;
w)13Y/110A/113D/122D/162E/175L;
x)13Y/77S/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
y)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
z)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
aa)13Y/54W/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
bb)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
cc)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L;および
dd)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L;
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を有し、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0179】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a)G13Y/T110A/Y113D/R122D/K154R/N159D/Q175L;
b)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Y166F/Q175L;
c)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
d)G13Y/T110A/Y113D/R122F/Q175L;
e)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
f)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
g)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
h)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175L;
i)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
j)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175K;
k)G13Y/I77L/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
l)G13Y/V81I/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
m)G13Y/T110A/Y113D/R122D/W164F/Q175L;
n)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162D/Q175L;
o)G13Y/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
p)D11F/R122D/T110A/Y113A;
q)G13Y/I77Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
r)D11F/R122D/T110A;
s)G13Y/G34K/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
t)G13Y/I77V/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
u)G13Y/I77M/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
v)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/I118V/R122F/K154R/N159D/Q175L;
w)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162E/Q175L;および
x)G13Y/I77S/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L
y)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
z)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
aa)G13Y/N54W/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/141Q/K154R/N159D/175L;
bb)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
cc)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L;および
dd)G13Y/54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を有する。
【0180】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a)13Y/110A/113D/122D/154R/159D/175L;
b)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/166F/175L;
c)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
d)13Y/110A/113D/122F/175L;
e)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
f)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175K;
g)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175K;
h)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175L;
i)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175L;
j)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175K;
k)13Y/77L/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
l)13Y/81I/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
m)13Y/110A/113D/122D/164F/175L;
n)13Y/110A/113D/122D/162D/175L;
o)13Y/110A/113D/122D/175L;
p)11F/122D/110A/113A;
q)13Y/77Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
r)11F/122D/110A;
s)13Y/34K/110A/113D/122D/175L;
t)13Y/77V/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
u)13Y/77M/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
v)13Y/99Y/104W/110A/113D/118V/122F/154R/159D/175L;
w)13Y/110A/113D/122D/162E/175L;
x)13Y/77S/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
y)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
z)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
aa)13Y/54W/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
bb)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
cc)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L;および
dd)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L、
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換からなるアミノ酸配列を有し、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定される。
【0181】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
a)G13Y/T110A/Y113D/R122D/K154R/N159D/Q175L;
b)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Y166F/Q175L;
c)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
d)G13Y/T110A/Y113D/R122F/Q175L;
e)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
f)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
g)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
h)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175L;
i)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
j)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175K;
k)G13Y/I77L/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
l)G13Y/V81I/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
m)G13Y/T110A/Y113D/R122D/W164F/Q175L;
n)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162D/Q175L;
o)G13Y/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
p)D11F/R122D/T110A/Y113A;
q)G13Y/I77Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
r)D11F/R122D/T110A;
s)G13Y/G34K/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
t)G13Y/I77V/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
u)G13Y/I77M/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
v)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/I118V/R122F/K154R/N159D/Q175L;
w)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162E/Q175L;および
x)G13Y/I77S/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L
y)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
z)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
aa)G13Y/N54W/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/141Q/K154R/N159D/175L;
bb)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
cc)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L;および
dd)G13Y/54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換からなる配列番号1のアミノ酸配列を有する。
【0182】
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、配列番号25ではない。
いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、
国際特許出願WO0238746の配列番号57;
国際特許出願WO0238746の配列番号62;
国際特許出願WO0238746の配列番号59;
国際特許出願WO0238746の配列番号53;
国際特許出願WO0238746の配列番号65;
国際特許出願WO0238746の配列番号56;
国際特許出願WO0238746の配列番号64:
国際特許出願WO0238746の配列番号52;
国際特許出願WO0238746の配列番号63;
国際特許出願WO0238746の配列番号61;
国際特許出願WO0238746の配列番号60;
国際特許出願WO0238746の配列番号58;
国際特許出願WO0238746の配列番号55;
国際特許出願WO0238746の配列番号12;
国際特許出願WO0238746の配列番号11;
国際特許出願WO0068396の配列番号21;および
国際特許出願WO0068396の配列番号22
からなる一覧から選択される配列を有さない。
【0183】
本発明のいくつかの態様において、アミノ酸配列は大規模適用のために使用される。
【0184】
好ましくは、アミノ酸配列は、宿主生物の培養後の全細胞培養容量が1g/リットルから約100g/リットルの量で生産される。
【0185】
本発明は、また、本明細書に記載されているキシラナーゼをコードするアミノ酸配列および/またはヌクレオチド配列を含む組成物に関する。
【0186】
本発明の組成物は、匂い、香味、口当たりのよい、一貫性、質感、こく、食感、硬度、粘度、ゲルの破壊、構造および/または官能特性ならびに該組成物を含む消費用産物の栄養摂取の改善をもたらすことができる。さらに、本発明の組成物は、また、該改良を送達するために他の消費用産物の成分と組み合わせて使用することができる。
【0187】
本発明の組成物は、匂い、香味、口当たりのよい、一貫性、質感、こく、食感、硬度、粘度、ゲルの破壊、構造、表面の滑らかさおよび/または官能特性ならびに該組成物を含む消費用産物の栄養摂取を改善するために使用されることが好ましいが、本発明は、また、消費者へ医薬的または生理学的利益を送達するために他の成分との医薬組合せの成分として、本発明の組成物を使用することを包含する。
【0188】
したがって、本発明の組成物は、他の成分と組み合わせて使用され得る。
【0189】
他の成分の例は、1つ以上の増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、結合剤、結晶修飾剤、甘味剤(人工甘味剤を含む)、レオロジー修飾剤、安定剤、酸化防止剤、色素、酵素、担体、ビヒクル、賦形剤、希釈剤、滑剤、香味剤、着色物質、懸濁剤、崩壊剤、造粒結合剤などを含む。これらの他の成分は天然であり得る。これらの他の成分は、化学および/または酵素技術の使用により製造され得る。
【0190】
本明細書において使用される「増粘剤またはゲル化剤」なる用語は、不混和液体、気体または不溶性固体の小滴のいずれかの粒子の動きをゆっくりにするか、または防止することにより、分離を防止する産物を示す。増粘は、個々の水和分子が粘度の増加を引き起こすときに起こり、分離をゆっくりにする。ゲル化は、水和分子が粒子をトラップする三次元ネットワークを形成するために連結するときに起こり、それによりそれらを固定する。
【0191】
本明細書において使用される「安定剤」なる用語は、時間による変化から産物(例えば、食品)を維持する成分または成分の組合せとして定義される。
【0192】
本明細書において使用される「乳化剤」なる用語は、エマルジョンの分離を防止する成分(例えば、食品成分)を示す。エマルジョンは、一方がもう一方に包含されて小滴形態において存在する2つの不混和物質である。エマルジョンは、小滴または分散相が油であり、そして連続的な相が水である水中油型、または水が分散相になり、そして連続的な相が油である油中水型からなることができる。液体中気体型である泡、および液体中固体型である懸濁液は、また、乳化剤の使用を介して安定させることができる。エアレーションは、気体が液体油により取り込まれ、次に、乳化剤で安定化された凝集脂肪結晶により安定される三相系となることができる。乳化剤は、水に対して親和性(親水性)を有する極性基および油に引かれる(親油性)非極性基を有する。それらは、2つの物質の接合部分で吸収され、界面膜作用を提供し、エマルジョンを安定させる。乳化剤の親水性/親油性特性は、分子の構造により影響を受ける。これらの特性は、親水性/親油性バランス(HLB)値により同定される。低いHLB値は、油中水型エマルジョンを安定させるために使用されるより良い親油性傾向を示す。高いHLB値は、一般的に水中油型エマルジョンにおいて使用される親水性乳化剤に割り当てられる。これらの値は、簡単なシステム由来である。食物は、しばしば、乳化特性に影響を及ぼす他の成分を含むため、HLB値は、いつも、乳化剤選択のための確かな指標であるとは限らない。
【0193】
本明細書において使用される「結合剤」なる用語は、物理的または化学的反応を介して、産物と結合する成分(例えば、食物成分)を示す。「イレーション(elation)」中に、例えば、水を吸収し、結合効果を提供する。しかしながら、結合剤は、他の液体、例えば、油を吸収し、産物内にそれらを維持することができる。本発明の文脈において、結合剤は、一般的に、固体または低水分産物、例えば、ベーキング産物:ペストリー、ドーナツ、パンおよび他のものにおいて使用される。
【0194】
本明細書において使用される「結晶修飾剤」なる用語は、脂肪または水のいずれかの結晶化に影響を及ぼす成分(例えば、食物成分)を示す。氷晶の安定化は2つの理由のために重要である。第1は、分離観点から産物安定性に直接関連する。凍結融解サイクルに産物が遭遇すればするほど、より大きな氷晶となる。これらの大型結晶は、細胞壁の場合のように天然の、または「イレーション」により創造される、産物構造を破壊し得る。水がもはや適所に支えられていないため、産物は、解凍後、シネレシス、または浸出を示し得る。
【0195】
第2に、消費される産物が凍っている場合、これらの大型結晶は望ましくないザラザラした食感をもたらす。
【0196】
「担体」または「ビヒクル」は、化合物投与のために適当な原料を意味し、非毒性であり、有害な様式で組成物の何らかの成分と相互作用しない当分野で知られているあらゆる原料、例えば、あらゆる液体、ゲル、溶媒、液体希釈剤、可溶化剤などを含む。
【0197】
栄養的に許容される担体の例は、例えば、水、塩溶液、アルコール、シリコーン、ワックス、ワセリン、植物油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、リポソーム、糖、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペトロエスラル(petroethral)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル−セルロース、ポリビルピロリドンなどを含む。
【0198】
賦形剤の例は、1つ以上の微結晶セルロースおよび他のセルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、グリシン、デンプン、乳糖および高分子量ポリエチレングリコールを含む。
【0199】
崩壊剤の例は、1つ以上のデンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロースナトリウムおよび特定の複合珪酸塩を含む。
【0200】
造粒結合剤の例は、1つ以上のポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、マルトース、ゼラチンおよびアカシアを含む。
【0201】
滑剤の例は、1つ以上のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクを含む。
【0202】
希釈剤の例は、1つ以上の水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリンならびにそれらの組合せを含む。
【0203】
他の成分は、同時に(例えば、それらが一緒に混合物であるとき、または、それらが異なる経路により送達されるとき)または連続して(例えば、それらが異なる経路により送達されもよい)使用され得る。
【0204】
本明細書において使用される「動物またはヒト消費のために適当な成分」なる用語は、栄養利益、ファイバー代替物であり得るか、または一般的に消費者に対して有益な効果を有する補助食品として、本発明の組成物に加えられるか、または加えることができる化合物を意味する。該成分は、不必要な粘度を加えることなく、ゲル化、キメ出し(texturising)、安定化、懸濁、皮膜形成および構造化、みずみずしさの保持を必要とする多種多様の産物において使用することができる。好ましくは、該成分は、生存可能な培養物の貯蔵寿命および安定性を改善することができる。
【0205】
例として、成分は、プレバイオティクス、例えば、アルギン酸塩、キサンタン、ペクチン、イナゴマメガム(LBG)、イヌリン、グアーガム、ガラクトオリゴ糖(GOS)、フラクトオリゴ糖(FOS)、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、パラチノース、イソマルトオリゴ糖、グルコースオリゴ糖およびキシロオリゴ糖であり得る。
【0206】
本発明の組成物は、食物として、またはそれらの製造において使用され得る。ここで、「食物」なる用語は、広い意味において使用され、ヒトのための食物ならびに動物のための食物(すなわち、えさ)を含む。好ましい局面において、食物はヒト消費のためである。
【0207】
食物は、使用および/または適用様式および/または投与経路に依存して、溶液形態において、または固体としてであり得る。
【0208】
食物、例えば、機能性食品として、またはそれらの製造において使用されるとき、本発明の組成物は、1つ以上の栄養的に許容される担体、栄養的に許容される希釈剤、栄養的に許容される賦形剤、栄養的に許容されるアジュバント、栄養的に活性な成分と組み合わせて使用され得る。
本発明の組成物は、食物成分として使用され得る。
【0209】
本明細書において使用される「食物成分」なる用語は、栄養補助食品および/または食物繊維補助食品として機能性食品または食料品に加えられるか、または加えることができる製剤を含む。本明細書において使用される食物成分なる用語は、また、粘度を加えることなく、ゲル化、キメ出し、安定化、懸濁、皮膜形成および構造化、みずみずしさの保持ならびに食感の改善を必要とする多種多様の産物において低レベルで使用することができる製剤を示す。
【0210】
食物成分は、使用および/または適用様式および/または投与経路に依存して、溶液形態において、または固体としてであり得る。
【0211】
本発明の組成物は、食物補助食品であってもよく、またはそれに加えられてもよい。
本発明の組成物は、機能性食品であってもよく、またはそれに加えられてもよい。
【0212】
本明細書において使用される「機能性食品」なる用語は、栄養効果および/または味の満足感を提供することができるだけでなく、消費者にさらなる有益な効果を送達することも可能である食物を意味する。
【0213】
したがって、機能性食品は、純粋な栄養効果以外の特定の機能、例えば、医薬的または生理学的利点を食物に与える、食物に包含されている要素または成分(例えば、本明細書に記載されているもの)を有する普通の食物である。
【0214】
機能性食品の法的な定義はないが、分野における多数の関係者が、特定の健康への影響を有するとして市販されている食物と一致する。
【0215】
いくつかの機能性食品は栄養補助食品である。本明細書において「栄養補助食品」なる用語は、栄養効果および/または味の満足感を提供することができるだけでなく、消費者に治療(または他の有益な)効果を送達することも可能である食物を意味する。栄養補助食品は、食物と医薬の従来の境界線を交差する。
【0216】
調査により、消費者が心臓疾患に関する機能性食品に最も重点を置いていることが示唆されている。癌の予防は、栄養摂取の別の局面であり、多くの消費者に関心をもたせているが、興味深いことに、わずかにコントロールできると消費者が感じている領域である。事実、世界保健機関によると、少なくとも35%の癌の原因は食事関連である。骨粗鬆症、消化管の健康および肥満効果に関連するさらなる要求は、また、機能性食品購入を刺激し、市場開発を動かす可能性のある重要な因子である。
【0217】
本発明の組成物は、食品の製造物、例えば、1つ以上のジャム、マーマレード、ゼリー、乳製品(例えば、ミルクまたはチーズ)、肉製品、鳥肉製品、魚製品およびベーカリー産物において使用することができる。
【0218】
例として、本発明の組成物は、清涼飲料、乳漿タンパク質を含む果汁または飲料、ヘルスティー(health tea)、ココア飲料、ミルク飲料および乳酸菌飲料、ヨーグルトおよび飲料ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、水氷およびデザート、菓子、ビスケットケーキおよびケーキ粉末食品、スナック食品、朝食用の穀物、即席めんおよびカップめん、即席スープおよびカップスープ、バランスのとれた食物および飲料、甘味剤、質感が改善されたスナック食品の棒状物、繊維棒状物、焼きに安定なフルーツ充填物、保護グレーズ(care glaze)、チョコレートベーカリー充填物、チーズケーキ香味付け充填物、フルーツ香味付けケーキ充填物、ケーキおよびドーナツの砂糖衣、熱安定なベーカリー充填物、即席ベーカリー充填物クリーム、クッキー用の充填物、すぐに食べられるベーカリー充填物、低カロリー充填物、成人用栄養飲料、酸性大豆/汁飲料、無菌/レトルトチョコレート飲料、棒状物の粉末食品、飲料粉末、カルシウム強化大豆/プレーン(plaim)およびチョコレートミルク、カルシウム強化コーヒー飲料に対する成分として使用することができる。
【0219】
本発明の組成物は、さらに、食品、例えば、アメリカンチーズソース、粉&細切りチーズのための凝固阻止剤、チップディップ、クリームチーズ、乾燥混合ホイップティップ(whip topping)脂肪非含有サワークリーム、凍結/解凍された乳製品ホイッピング・クリーム、凍結/解凍された安定なホイップティップ(whipped tipping)、低脂肪&低カロリーのナテュラルチェダー・チーズ、低脂肪スイススタイル(Swiss style)ヨーグルト、気泡含有(aerated)凍結デザート、およびノベルティーバー(novelty bars)、ハードパックアイスクリーム、ラベルフレンドリー(label friendly)、経済的に改善された&インダルジェンス(indulgence)のハードパックアイスクリーム、低脂肪アイスクリーム:ソフトクリーム、バーベキューソース、チーズディップソース、カッテージ・チーズドレッシング、乾燥混合物アルフレド(Alfredo)ソース、ミックスチーズソース、乾燥混合物トマトソースおよび他のものの中の成分として使用することができる。
【0220】
ある局面において、好ましくは、食料品は飲料である。
ある局面において、好ましくは、食料品はベーカリー産物、例えば、パン、デニッシュ・ペストリー、ビスケットまたはクッキーである。
【0221】
本発明は、また、食物または食物成分を製造する方法であって、本発明のプロセスにより生産されるキシラナーゼまたは本発明の組成物を別の食物成分とともに含む方法を提供する。製造方法または食物成分も、また、本発明の別の局面である。
【0222】
一般的な意味において、本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、アラビノキシランを含む不溶性の植物細胞壁原料を可溶性にする、および/または分解し、植物細胞壁原料を含む溶液または系において、ヘミセルロースまたはアラビノキシランの存在由来の粘度を改変する、例えば、減少させるために使用され得る。一般的に、該植物細胞壁原料は、1つ以上のキシラナーゼ阻害剤を含む。
【0223】
具体的には、本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、食料品、例えば、動物飼料として使用するための植物原料の処理、デンプン生産、ベーキング、セルロース性原料からのバイオエタノールの生産および紙を作るための木材パルプの処理において使用され得る。
【0224】
本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、植物原料、例えば、動物飼料を含む食料品において使用される穀物を処理するために使用され得る。本明細書において使用される「穀物」なる用語は、食物のために使用される穀粒のあらゆる種類、および/またはこの穀粒、例えば、限定はしないが、小麦、粉砕小麦、大麦、メイズ、モロコシ、ライ麦、カラスムギ、ライコムギおよびコメのいずれか1つまたはそれらの組合せを生産するあらゆる植物体を意味する。1つの好ましい態様において、穀物は小麦穀物である。
【0225】
食物および/または飼料補助食品におけるキシランは、キシランを本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドと接触させることにより修飾されている。
【0226】
本明細書において使用される「接触」なる用語は、食物および/または飼料補助食品に本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドを噴霧する、食物および/または飼料補助食品を本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドでコーティングする、含浸するまたは層を成すことを含むが、これらに限定されない。
【0227】
1つの態様において、本発明の食物および/または飼料補助食品は、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを食物および/または飼料補助食品と直接混合することにより製造され得る。例として、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、穀物ベース食物および/または飼料補助食品、例えば、粉砕小麦、メイズまたは大豆穀粉に接触させ得る(例えば、噴霧することにより)。
【0228】
後に本発明の食物および/または飼料補助食品に加えられる第2の(および異なる)食物および/または飼料または飲料水にキシラナーゼ活性を有するポリペプチドを包含させることも可能である。したがって、本発明により提供されるキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、穀物ベース食物および/または飼料補助食品それ自体に包含されることは必須ではないが、このような包含が本発明の特に好ましい局面を形成する。
【0229】
本発明の1つの態様において、食物および/または飼料補助食品は、他の食物および/または飼料成分と混合され、穀物ベース食物および/または飼料を生産し得る。このような他の食物および/または飼料成分は、1つ以上の他の(好ましくは熱安定な)酵素補助食品、ビタミン食物および/または飼料補助食品、ミネラル食物および/または飼料補助食品およびアミノ酸食物および/または飼料補助食品を含み得る。恐らくいくつかの異なる型の化合物を含む、得られる(混合された)食物および/または飼料補助食品は、次に、他の食物および/または飼料成分、例えば、穀物およびタンパク質補助食品と適当な量で混合され、ヒト食物および/または動物飼料を形成することができる。
【0230】
1つの好ましい態様において、本発明の食物および/または飼料補助食品は、適当な活性を有する異なる酵素と混合することにより、酵素混合物を生産することができる。例として、例えば、粉砕小麦またはメイズから形成される穀物ベース食物および/または飼料補助食品は、キシラナーゼ酵素および適当な活性を有する他の酵素と同時に、または連続してのいずれかで接触させられ得る(例えば、噴霧により)。これらの酵素は、任意の1つ以上のアミラーゼ、グルコアミラーゼ、マンナナーゼ、ガラクトシダーゼ、フィターゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、グルカナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フェルロイルエステラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼおよびキシラナーゼを含み得るが、これらに限定されない。所望の活性を有する酵素は、例えば、これらの酵素を穀物ベース食物および/または飼料補助食品と接触させる前に、本発明のキシラナーゼと混合させてもよく、あるいは、このような酵素は、このような穀物ベース補助食品と同時に、または連続して接触させてもよい。次に、食物および/または飼料補助食品は、穀物ベース食物および/または飼料と同様に混合させ、最終食物および/または飼料を製造する。また、個々の酵素活性の溶液として食物および/または飼料補助食品を調製し、次に、この溶液を食物および/または飼料原料と混合させ、食物および/または飼料補助食品をペレットに、またはマッシュ(mash)として処理することも可能である。
【0231】
本発明は、食料品を製造するためのプロセスにおける本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドの使用を提供する。本発明における典型的なベーカリー(ベークド)産物は、パン、例えば、ローフ、ロールパン、丸いパン、ピザベースなど、プレッツェル、トルティヤ、ケーキ、クッキー、ビスケット、クラッカーなどを含む。食料品、例えば、ベーカリー産物の製造は、当分野でよく知られている。ドー生産は、例えば、実施例4に記載されている。ベーキング性能を変える本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドの使用は、実施例4に記載されている。
【0232】
本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、また、穀物および塊茎、例えば、ジャガイモ由来の植物原料からのデンプン生産において使用され得る。
【0233】
本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、また、木材加工パルプ、例えば、紙の製造において使用され得る。
【0234】
バイオエタノール生産のためのセルロース性原料の処理
本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、また、バイオエタノールに対する発酵性の糖の生産のためのセルロース性植物原料の加水分解において使用され得る。
【0235】
いくつかの特定の態様において、本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、ドー処理温度、例えば、約20℃から約40℃の範囲で最適なキシラナーゼ活性を有する。いくつかの態様において、本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、ベーキング処理中、不活性である。
【0236】
いくつかのほかの態様において、本発明のキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、対応する野生型酵素と比較して、熱安定性および/または最適温度が増加しており、熱処理後に安定性を維持する。両方の特性が当業者に知られている。
【実施例】
【0237】
実施例
実施例1−キシラナーゼの部位特異的変異誘発および発現
枯草菌キシラナーゼの特異的変異体を、シグナル配列なしの野生型キシラナーゼ遺伝子(atggctagcacagactactggcaa−−−−−−−−tggtaa)と融合したpET24a由来のリボソーム結合部位(ctagaaataattttgtttaactttaagaaggagatatacat)を含む構築物を使用して得て、それをベクターpCRBlunt(InVitrogen, Carlsbad, CA, USA)に移入した。これは、構築されたベクターで形質転換後、TOP10細胞(InVitrogen)におけるキシラナーゼの構成的発現をもたらした(ただし、遺伝子の方向は「時計回り」方向である)。次に、遺伝子における部位特異的変異を、製造業者のプロトコールにしたがって、「クイックチェンジ(QuickChange)」変異誘発キット(Stratagene, La Jolla, CA, USA)の使用により得た。変異体は、シーケンシングにより立証した。立証された変異体の十分な生産を1L規模における形質転換されたTOP10細胞の増殖により得た。
【0238】
実施例2−キシラナーゼ変異体のふすま可溶化試験
小麦ふすまは商業的適用において使用されているので、本発明者らは、キシラナーゼ変異体の比活性を評価するために、基質として小麦ふすまを使用した。
【0239】
ふすま基質:
実施例において、ふすまは、小麦を小麦粉およびふすまに製粉するために、供給者により提供されるセッティングおよび条件を使用する研究室規模のChopin CD Auto Mill(Chopin Technologies, France)を使用して、小麦の乾式製粉から得られた小麦ふすまである。得られたふすま画分を、ふすま可溶化アッセイにおける基質として使用し得る。本実施例において、小麦を穀物供給源として使用した。
【0240】
ふすま可溶化アッセイ:
(0.1M)−リン酸水素二ナトリウム(0.2M)バッファー、pH5.0中の小麦ふすまの懸濁液を、1,33%のふすまの濃度(w/w)に調製する。この懸濁液から、750lのアリコートを撹拌下でエッペンドルフチューブに移す。それぞれの基質チューブを40℃で5分間予め加熱する。そこに、250μlの酵素溶液を加え、基質1%の最終濃度を作る。各測定時間(0、30、60および240分)に対し、酵素濃度を増加させて(0,33;1,0および3,0μgのキシラナーゼ/グラムふすま)、各キシラナーゼから3つの希釈物(デュプリケート)を作る。ブランクとして、キシラナーゼの熱変性した溶液を使用する。反応は、95℃でチューブをインキュベーターセットに移すことにより、所定の時間に終了する。全酵素反応が終了するまで、熱変性したサンプルを4℃で維持する。全酵素反応が終了したとき、エッペンドルフチューブを遠心し、透明な上清を得る。ふすまを可溶性にする酵素能力は、PAHBAH試薬を使用して末端基の還元の増加により測定されるOD410増加として示される(Lever、1972)。
【0241】
要するに、還元末端基がPAHBAHと反応し、OD OD410で定量することができる着色反応産物を形成する。
【0242】
上記ふすま可溶化アッセイは、ふすま基質中の残存デンプンに対して活性な酵素の副活性(side activity)に対して感知する。
【0243】
枯草菌キシラナーゼの精製プロトコール:
キシラナーゼを発現している大腸菌TOP10細胞を、遠心分離(20分、3500×g、20℃)により回収し、50mMのTris、2mMのEDTA、pH7.4に再懸濁した。細胞を1mg/mlのリゾチーム(ICN Biomedicals, Costa Mesa, CA, US, cat. No. 100831)の添加により開き、スラリーを環境温度で2時間撹拌し、凍結および解凍、次に超音波処理した。pHを1MのHClを使用して4.0に調節し、次に遠心分離(20分、3500×g、20℃)した。キシラナーゼを含む上清を、50mMの酢酸ナトリウム、pH4.5中で平衡化し、溶離される使い捨てPD−10脱塩カラム(Amersham Bioscience, Sweden)を使用して脱塩した。脱塩サンプルを、50mMの酢酸ナトリウム、pH4.5であらかじめ平衡にした10mlのSOURCE15Sカラム(Amersham Bioscience, Sweden)上に負荷した。次に、カラムを平衡バッファーで洗浄し、直線NaCl勾配(50mMの酢酸ナトリウム、0−0.35MのNaCl、pH4.5)で溶離した。キシラナーゼ活性を含む画分をプールし、さらなる分析のために使用した。
【0244】
同様のプロトコールを、枯草菌XynAと有意に異なるpIを有する非枯草菌XynA由来のキシラナーゼ変異体に適応させてもよい。
表1.キシラナーゼ変異体の最大光学濃度、スロープインデックス、キシラナーゼBS1(配列番号1として示される枯草菌酵素)およびキシラナーゼBS3(配列番号23として示される枯草菌変異体)と比較しての相対光学濃度およびスロープとして示されるキシラナーゼのふすま可溶化活性
【表1-1】
【表1-2】
【0245】
実施例3−キシラナーゼ活性および穀物キシラナーゼ阻害剤による相対阻害の試験
実施例2の変異体を、以下に示されているプロトコールおよび以下の教示にしたがって、キシラナーゼ活性およびキシラナーゼ阻害剤に対する相対感度について試験した。
【0246】
キシラナーゼアッセイ(エンド−β−1,4−キシラナーゼ活性)
このアッセイにおいてOD590=約0.7を得るように、サンプルをクエン酸(0.1M)−リン酸水素二ナトリウム(0.2M)バッファー、pH5.0に希釈した。サンプルの3つの異なる希釈物を5分40℃でプレインキュベートした。時間=5分で、1つのXylazyme錠剤(架橋され、染色されたキシラン基質、Megazyme, Bray, Ireland)を、1mlの反応容量の酵素溶液に加えた。時間=15分で、10mlの2%のTRIS/NaOH、pH12を加えることにより反応を終了した。ブランクは、酵素溶液の代わりに1000μlのバッファーを使用して調製した。反応混合物を遠心し(1500×g、10分、20℃)、上清のODを590nmで測定した。1つのキシラナーゼユニット(XU)は、1分あたりOD590が0.025増加するキシラナーゼ活性として定義される。
【0247】
比活性決定:
精製されたサンプルの280nmでの光学濃度を、キシラナーゼタンパク質濃度を決定するために測定した。理論的に計算される、0.25ユニット/mg×mlの特異的OD280(Gasteigerら., 2003)を、枯草菌XynA由来変異体の比活性計算のために使用した。キシラナーゼ活性は上記のように測定した。
【0248】
キシラナーゼ阻害剤アッセイ
100μlの阻害剤調製物(種々の濃度のキシラナーゼ阻害剤を含む(定量化のために、以下のキシラナーゼ阻害剤定量化を参照))、250μlのキシラナーゼ溶液(12 XU キシラナーゼ/mlを含む)および650μlのバッファー(0.1Mのクエン酸−0.2Mのリン酸水素二ナトリウムバッファー、1%のBSA(Sigma−Aldrich、USA)、pH5.0)を混合した。混合物を40.0℃で5分間調温した。時間=5分に、1つのXylazyme錠剤(架橋され、染色されたキシラン基質、Megazyme, Bray, Ireland)を加えた。時間=15分に、10mlの2%TRIS/NaOH、pH12を加えることにより、反応を終了させた。反応混合物を遠心し(1500×g、10分、20℃)、上清を590nmで測定した。キシラナーゼ阻害を、ブランクと比較して、%で残存活性として計算した。阻害剤溶液を水と置き換えたが、ブランクを同じ方法で調製した。
【0249】
キシラナーゼ阻害剤定量化:
1XIU(キシラナーゼ阻害剤ユニット)を、以下に記載される条件下で枯草菌XynAキシラナーゼ(配列番号 1)の1XUを0.5XUに減少させる阻害剤の量として定義する。
【0250】
12XU/mlを含む250μlのキシラナーゼ溶液、約100μlのキシラナーゼ阻害剤溶液および1000μlの反応容量に達するためのMcIlvaineバッファー、pH5を、40℃で5分間プレインキュベートする。t=5分で、1個のXylazyme錠剤を反応混合物に加える。t=15分で、10mlの2%のTRIS/NaOH、pH12を加えることにより反応を終了させる。溶液を濾過し、上清の吸光度を590nmで測定する。上記アッセイにおいていくつかの異なる濃度の阻害剤を選択することにより、OD 対 阻害剤濃度のプロットを作成することが可能である。このプロットからの傾き(a)および切片(b)ならびにキシラナーゼの濃度を使用して、与えられた阻害剤溶液中のXIUの量を計算することが可能である(方程式1)。
方程式1 XIU=((b/2)/−a)/x
X=アッセイにおけるキシラナーゼユニット(XU)
【0251】
阻害剤調製:
粗阻害剤調製物(TAXIおよびXIPの両方を含む、以下、阻害剤製造物と称する)を1kgの小麦(Triticum aestivum)穀粉から調製した。阻害剤調製物は、1:3比(w/w)の水を使用して穀粉から抽出し、次に遠心分離した(3500×g、20分、4℃)。抽出物を65℃で40分間維持し、遠心し(3500×g、20分、4℃)、20mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH7で予め平衡にした使い捨てPD−10脱塩カラム(Amersham Bioscience, Sweden)を使用して脱塩した。阻害剤調製物中のTAXI濃度を上記のように測定した。TAXIの精製および定量化のためのプロトコールは、ほかにも記載されている(Sibbesen and Soerensen, 2001)。一例として、調製物中のTAXIは、配列番号24またはそれと90%同一性を有する配列であることができた。
【0252】
表2−キシラナーゼ活性(XU/mg)およびキシラナーゼ阻害剤濃度増加時の残存キシラナーゼ活性として示される変異体のキシラナーゼ阻害剤感度(XIU/mlアッセイ)。
【表2-1】
【表2-2】
【0253】
実施例4−変異体のベーキング性能
ベーキングを、小麦粉または全粒小麦穀粉のいずれかを使用して、縮小したデニッシュロール(Danish Roll)のレシピ(表3)を使用して行った。
表3−パンの生産のために使用されるレシピ。
【表3】
注意:水は、穀粉のFarinograph分析により測定される400BUでの水分吸収である(すなわち、400ベーカー吸収度(bakers absorbance)−Brabrender Farinograph, Brabender, Germanyを使用する水分吸収測定にしたがって加えられた水)。酵素をドーに加えるとき、それらは同量の水の代わりに液体溶液として加える。
【0254】
ドー作りおよびベーキング
穀粉および乾燥成分を50グラムのFarinograph(Brabender, Duisburg, Germany)中で1分間混合し、その後、水を加え、混合をさらに5分間続けた。
【0255】
混合後、それぞれ10グラムの穀粉を含む4つのドーの塊を計量した。手動成形機を使用して、これらをパンに成形した。ローフ(Loaves)を焼き型に入れ、密閉した容器(ふたを有する)に置き、室温で10分間置いた。その後、パンを34℃で85%の相対湿度(RH)で45分間発酵させ、最後にBagoオーブン(Bago-line, Faaborg, Denmark)で230℃で5分間焼いた。
【0256】
パンを、評価(重量、体積測定、身および皮の評価)の前に20分間冷やした。
表4−変異体のベーキング性能−パン体積(ml/g)ならびに対照(酵素無添加)および枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)と比較して優れたベーキング性能を示すBS3(修飾D11FおよびR122Dを有する配列番号1)と比較しての相対体積増加。
【表4】
【0257】
実施例5−枯草菌XynAキシラナーゼ(配列番号1)における残基110または他のファミリー11キシラナーゼにおける同等位置に対する修飾の効果
キシラナーゼ:
本実施例において変異させるキシラナーゼは、枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)、トリコデルマ・リーゼイXyn2キシラナーゼの変異体(配列番号2)およびサーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼ(配列番号3)である。
【0258】
変異させた残基は、枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)におけるT110、トリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼ(配列番号2)における同等の位置であるT120およびサーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼ(配列番号3)における同等の位置であるT120である。以下の変異を枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)において作った:T110H、T110Y、T110S、T110R、T110F、T110Q、T110G、T110K、T110L、T110M、T110I、T110T、T110N、T110E、T110W、T110AおよびT110C。トリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼ(配列番号2)およびサーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼ(配列番号3)の両方において、同等の位置であるT120を変異させた。該変異は、アミノ酸アラニンである。
【0259】
野生型キシラナーゼまたはそれらの変異体の変異、発現、精製および比活性の測定を、実施例1、2および3に記載されているとおりに実施する。トリコデルマ・リーゼイ変異体キシラナーゼ、サーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼおよびそれらのT120A変異体の精製を除いて、ここで、それらのpIを反映するために、精製プロトコールを修飾した。
【0260】
表5.枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)、枯草菌XynA変異体キシラナーゼ(T110A)、トリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼ(配列番号2)、トリコデルマ・リーゼイXyn2変異体キシラナーゼ(T120A)、サーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼ(配列番号3)およびサーモミセス・ラヌギノサスXynA変異体キシラナーゼ(T120A)のキシラナーゼタンパク質1mgあたりのXU(XU/mg)として測定される比活性
【表5】
【0261】
全ての場合において、枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)における変異T110Aまたはトリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼ(配列番号2)もしくはサーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼ(配列番号3)における同等位置(T120)は、有意な比活性の増加をもたらす。
【0262】
枯草菌XynA野生型キシラナーゼ(配列番号1)において、変異T110E、T110N、T110WおよびT110Cも比活性の増加をもたらす。
【0263】
上記明細書において記載されている全ての刊行物を、出典明示により本明細書に包含させる。記載されている方法および本発明の系の種々の修飾および変化は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は特定の好ましい態様に関連して記載されているが、本発明が過度にこのような特定の態様に制限されないと理解すべきである。実際に、生化学および生物工学または関連分野における当業者に明らかである本発明を実施するために記載されている様式の種々の修飾が、以下の特許請求の範囲内であると意図する。
【0264】
実施例6 水不溶性基質 対 不溶性基質に対するキシラナーゼ変異体の活性
BACSU_XynAおよびTRIRE_Xyn2のキシラナーゼ変異体を、キシラナーゼの部位特異的変異誘発および大腸菌における発現を使用して産生した。
【0265】
水で抽出不可能な基質における活性であるWU−AX act(不溶性基質)を測定するためのアッセイ:
このアッセイにおいてOD590=約0.7を得るように、サンプルをクエン酸(0.1M)−リン酸水素二ナトリウム(0.2M)バッファー、pH5.0に希釈した。サンプルの3つの異なる希釈物を5分40℃でプレインキュベートした。時間=5分で、1つのXylazyme錠剤(架橋され、染色されたキシラン基質、Megazyme, Bray, Ireland)を、1mlの反応容量の酵素溶液に加えた。時間=15分で、10mlの2%のTRIS/NaOH、pH12を加えることにより反応を終了した。ブランクは、酵素溶液の代わりに1000μlのバッファーを使用して調製した。反応混合物を遠心し(1500×g、10分、20℃)、上清のODを590nmで測定した。1つのキシラナーゼユニット(WU−AX act)は、1分あたりOD590が0.025増加するキシラナーゼ活性として定義される。
【0266】
上記アッセイにおいて使用される基質(小麦から抽出される架橋され、染色されたアラビノキシラン)は、商業的適用における対応する基質に非常に近い。
【0267】
以下のアッセイを水で抽出可能な基質における活性であるWE−AX act(可溶性基質)を測定するために使用した。
使用される方法は、Lever(Lever, M. Analytical Biochemistry. 47, 273-279, 1972)により記載されている方法の修飾されたバージョンである。可溶性小麦アラビノキシラン(平均粘度、Megazyme, Bray, Irelandから得られる)を、50mMのNaOAc、pH5を含むバッファー系中で基質として使用した。基質濃度は0.5%であった。キシラナーゼ活性を、PAHBAH試薬を使用して還元末端の形成を定量することにより測定した。形成された還元末端の量およびそれによるキシラナーゼ活性を、キシロース標準曲線から決定した。本明細書においてWE−AX actと称する。
【0268】
新規変異体を開発するために使用した骨格:
表6は使用されるキシラナーゼ変異体骨格を示す。Y5は配列番号2に相当する。
【表6】
【0269】
導入された変異および得られた結果を表7において説明する。
表7.導入された変異および得られた結果。使用された骨格は太字である。
【表7】
【0270】
配列表(太字のアミノ酸は、配列番号1のT110に対応するアミノ酸である):
成熟体枯草菌野生型キシラナーゼのアミノ酸配列(配列番号1):
【表8】
【0271】
本明細書においてY5とも称される、成熟体トリコデルマ・リーゼイ キシラナーゼのアミノ酸配列(配列番号2):
【表9】
【0272】
成熟体サーモミセス・ラヌギノサスXynA野生型キシラナーゼのアミノ酸配列(配列番号3):
【表10】
【0273】
成熟体ストレプトマイセス・ビリドスポラス(Streptomyces viridosporus)キシラナーゼのアミノ酸配列(配列番号4):
【表11】
【0274】
配列番号5(gi|139868|sp|P18429.1|XYNA_BACSU RecName:完全=エンド−1,4−ベータ−キシラナーゼA;Short=キシラナーゼA;AltName:完全=1,4−ベータ−D−キシラン キシラノヒドロラーゼA):
【表12】
【0275】
配列番号6(gi|2302074|emb|CAA03092.1|名前のないタンパク質産物[同定されていない]):
【表13】
【0276】
配列番号7(gi|167246404|gb|ABZ24364.1|特許US7314743の配列5):
【表14】
【0277】
配列番号8(gi|5969551|gb|AAE10889.1|特許US5817500の配列2):
【表15】
【0278】
配列番号9(gi|76059070|emb|CAJ30753.1|名前のないタンパク質産物[パエニバチルス・パブリ]):
【表16】
【0279】
配列番号10(gi|74197761|emb|CAJ29666.1|名前のないタンパク質産物[バチルス・ハロデュランス(bacillus halodurans)]):
【表17】
【0280】
配列番号11(gi|4756811|emb|CAB42305.1|名前のないタンパク質産物[同定されていない]):
【表18】
【0281】
配列番号12(gi|2293951|emb|CAA02246.1|名前のないタンパク質産物[枯草菌]枯草菌:(US5306633)):
【表19】
【0282】
配列番号13(gi|42688917|gb|AAS31735.1|特許US6682923の配列14):
【表20】
【0283】
配列番号14(gi|10040204|emb|CAC07798.1|名前のないタンパク質産物[ペニシリウムフニクロスム(Penicillium funiculosum)]):
【表21】
【0284】
配列番号15(gi|2302074|emb|CAA03092.1|名前のないタンパク質産物[同定されていない]):
【表22】
【0285】
配列番号16(gi|167246404|gb|ABZ24364.1|特許US7314743の配列5):
【表23】
【0286】
配列番号17(gi|76059070|emb|CAJ30753.1|名前のないタンパク質産物[パエニバチルス・パブリ]):
【表24】
【0287】
配列番号18(gi|74197761|emb|CAJ29666.1|名前のないタンパク質産物[バチルス・ハロデュランス]):
【表25】
【0288】
配列番号19(gi|4756811|emb|CAB42305.1|名前のないタンパク質産物):
【表26】
【0289】
配列番号20(gi|2293951|emb|CAA02246.1|名前のないタンパク質産物[枯草菌]枯草菌:(US5306633)):
【表27】
【0290】
配列番号21(gi|42688917|gb|AAS31735.1|特許US6682923の配列14):
【表28】
【0291】
配列番号22(gi|10040204|emb|CAC07798.1|名前のないタンパク質産物[ペニシリウムフニクロスム]):
【表29】
【0292】
配列番号23は成熟体の枯草菌キシラナーゼ変異体であるBS3(D11F/R122D変異を有する野生型)のアミノ酸配列を示す:
【表30】
【0293】
配列番号24は成熟体の小麦キシラナーゼ阻害剤の配列を示す:
【表31】
【0294】
配列番号25(US6,682,923の配列11):
【表32】
【0295】
発明の態様:
1. キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するか、または配列番号2−22から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0296】
2. キシラナーゼ活性を有し、配列番号1と少なくとも88%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0297】
3. キシラナーゼ活性を有し、配列番号2と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0298】
4. キシラナーゼ活性を有し、配列番号3と少なくとも75%同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0299】
5. 配列番号1と少なくとも90、92または95%同一性を有する、態様2に記載のポリペプチド。
【0300】
6. 配列番号2−22から選択される最も高い同一性パーセントを有する配列と少なくとも76、78、80、85、90、95、98または95%同一性を有する、態様1および3−4のいずれかに記載のポリペプチド。
【0301】
7. 配列番号2と少なくとも76、78、80、85、90、95、98または95%同一性を有する、態様3に記載のポリペプチド。
【0302】
8. 配列番号3と少なくとも76、78、80、85、90、95、98または95%同一性を有する、態様4に記載のポリペプチド。
【0303】
9. β−ゼリーロール折り畳みを有する態様1−6のいずれかに記載のポリペプチド。
【0304】
10. 位置110におけるアミノ酸修飾がアミノ酸置換である、態様1−9のいずれかに記載のポリペプチド。
【0305】
11. 位置110におけるアミノ酸修飾が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、チロシンおよびバリンからなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基への置換である、態様1−10のいずれかに記載のポリペプチド。
【0306】
12. 位置110におけるアミノ酸修飾が、グルタミン酸、トリプトファン、アラニンおよびシステインからなる群から選択されるいずれか1つの異なるアミノ酸残基への置換である、態様1−11のいずれかに記載のポリペプチド。
【0307】
13. 位置110におけるアミノ酸修飾がアラニンへの置換である、態様12に記載のポリペプチド。
【0308】
14. 全250未満のアミノ酸、例えば、240未満、例えば、230未満、例えば、220未満、例えば、210未満、例えば、200未満のアミノ酸、例えば、160から240の範囲、例えば、160から220の範囲のアミノ酸を有する、態様1−13のいずれかに記載のポリペプチド。
【0309】
15. アミノ酸位置11、12、13、34、54、77、81、99、104、113、114、118、122、141、154、159、162、164、166および175のいずれか1つまたはそれ以上で1つまたはそれ以上の修飾を含む態様1−14のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0310】
16. 11F、12F、54Q、54W、122D、113A、13Y、113D、141Q、175L、122F、34K、99Y、104W、154R、159D、175K、81I、166F、162E、162D、164F、114D、114Y、114F、118V、175K、77L、77M、77S、77Vおよび77Yからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含む態様1−15のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0311】
17. D11F、G12F、N54Q、R122D、Y113A、G13Y、Y113D、N141Q、Q175L、R122F、G34K、K99Y、T104W、K154R、N159D、Q175K、V81I、Y166F、S162E、S162D、W164F、N114D、N114Y、N114F、I118V、I77L、I77M、I77S、I77VおよびI77Yからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含む態様2、5、9−16のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0312】
18. 13、99、104、113、122、154、159および175の1つまたはそれ以上のアミノ酸位置で1つまたはそれ以上の修飾を含む態様1−17のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0313】
19. 13、99、104、113、122、154、159および175のアミノ酸位置で置換を含む態様1−18のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0314】
20. 114および166の1つまたはそれ以上のアミノ酸位置で1つまたはそれ以上の修飾をさらに含む態様18−19のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0315】
21. 114および166の1つまたはそれ以上のアミノ酸位置で1つまたはそれ以上の置換をさらに含む態様18−19のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0316】
22. 以下のアミノ酸位置13、99、104、113、114、122、154、159、166および175の少なくとも4つで置換を含む態様18−19のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0317】
23. 13、99、104、113、114、122、154、159および175のアミノ酸位置で置換を含む態様18−22のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0318】
24. 13、99、104、113、122、154、159、166および175のアミノ酸位置で置換を含む態様18−22のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0319】
25. 13、99、104、113、122、154、159および175のアミノ酸位置で置換を含む態様18−20のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0320】
26. 13Y、99Y、104W、110A、113D、114D、114F、122F、154R、159D、166F、175Kおよび175Lからなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含む態様22−25のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0321】
27. ポリペプチドのアミノ酸配列が、最も高い同一性を有する配列番号1−22から選択される配列と比較して、少なくとも5、6、7、8、9または10個のアミノ酸置換を有する、態様1−26のいずれかに記載のポリペプチド。
【0322】
28. ポリペプチドのアミノ酸配列が、少なくとも9または10個のアミノ酸置換を有する、態様27に記載のポリペプチド。
【0323】
29. a.D11F、R122DおよびT110A;
b.D11F、R122D、T110AおよびY113A;
c.G13Y、T110A、Y113D、R122DおよびQ175L;
d.G13Y、T110A、Y113D、R122FおよびQ175L;
e.G13Y、G34K、T110A、Y113D、R122DおよびQ175L;
f.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
g.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159D、Q175およびV81I;
h.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159D、Y166FおよびQ175L;
i.G13Y、T110A、Y113D、R122D、K154R、N159DおよびQ175L;
j.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
k.G13Y、T110A、Y113D、R122D、S162EおよびQ175L;
l.G13Y、T110A、Y113D、R122D、S162DおよびQ175L;
m.G13Y、T110A、Y113D、R122D、W164FおよびQ175L;
n.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
o.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114Y、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
p.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
q.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、I118V、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
r.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114Y、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
s.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
t.G13Y、I77L、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
u.G13Y、I77M、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
v.G13Y、I77S、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
w.G13Y、I77V、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
x.G13Y、I77Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L
y.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、N141Q、K154R、N159DおよびQ175L;
z.G13Y、N54Q、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、N141Q、K154R、N159DおよびQ175;
aa.G13Y、N54W、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、141Q、K154R、N159Dおよび175L;
bb.G13Y、N54Q、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
cc.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、141Q、K154R、N159DおよびQ175L;
dd.G13Y、54Q、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、141Q、K154R、N159DおよびQ175L;
からなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含む態様1−28のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0324】
30. a.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175K;
b.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159D、Y166FおよびQ175L;
c.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
d.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114D、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
e.G13Y、K99Y、T104W、T110A、Y113D、N114F、R122F、K154R、N159DおよびQ175L;
からなる群から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を含む態様1−29のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0325】
31. ふすま可溶化活性を有する、態様1−30のいずれかに記載のポリペプチド。
【0326】
32. 単離された形態における、態様1−31のいずれかに記載のポリペプチド。
【0327】
33. 位置110におけるアミノ酸修飾がT110Dではない、態様1−32のいずれかに記載のポリペプチド。
【0328】
34. キシラナーゼ活性アッセイにおいて測定されるとき、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列と比較して、改善されたキシラナーゼ活性を有する、態様1−33のいずれかに記載のポリペプチド。
【0329】
35. 位置110の修飾の結果として改善されたキシラナーゼ活性を有する、態様1−34のいずれかに記載のポリペプチド。
【0330】
36. ふすま可溶化活性アッセイにおいて測定されるとき、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列と比較して、改善されたふすま可溶化活性を有する、態様1−35のいずれかに記載のポリペプチド。
【0331】
37. 位置110の修飾の結果として、改善されたふすま可溶化活性を有する、態様1−36のいずれかに記載のポリペプチド。
【0332】
38. キシラナーゼ阻害剤に対する減少した感度を有する、態様1−37のいずれかに記載のポリペプチド。
【0333】
39. a)13/110/113/122/154/159/175;
b)13/99/104/110/113/122/154/159/166/175;
c)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
d)13/110/113/122/175;
e)13/99/104/110/113/122/154/159/175;
f)13/99/104/110/113/122/154/159/175;
g)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
h)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
i)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
j)13/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
k)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
l)13/81/99/104/110/113/122/154/159/175;
m)13/110/113/122/164/175;
n)13/110/113/122/162/175;
o)13/110/113/122/175;
p)11/122/110/113;
q)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
r)11/122/110;
s)13/34/110/113/122/175;
t)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
u)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
v)13/99/104/110/113/118/122/154/159/175;
w)13/110/113/122/162/175;
x)13/77/99/104/110/113/122/154/159/175;
y)13/99/104/110/113/122/141/154/159/175;
z)13/54/99/104/110/113/122/141/154/159/175;
aa)13/54/99/104/110/113/122/141/154/159/175;
bb)13/54/99/104/110/113/114/122/154/159/175;
cc)13/99/104/110/113/114/122/141/154/159/175;および
dd)13/54/99/104/110/113/114/122/141/154/159/175、
からなる一覧から選択される位置の修飾を含むアミノ酸配列を有する態様1−38のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0334】
40. a)13Y/110A/113D/122D/154R/159D/175L;
b)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/166F/175L;
c)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
d)13Y/110A/113D/122F/175L;
e)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
f)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175K;
g)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175K;
h)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175L;
i)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175L;
j)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175K;
k)13Y/77L/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
l)13Y/81I/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
m)13Y/110A/113D/122D/164F/175L;
n)13Y/110A/113D/122D/162D/175L;
o)13Y/110A/113D/122D/175L;
p)11F/122D/110A/113A;
q)13Y/77Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
r)11F/122D/110A;
s)13Y/34K/110A/113D/122D/175L;
t)13Y/77V/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
u)13Y/77M/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
v)13Y/99Y/104W/110A/113D/118V/122F/154R/159D/175L;
w)13Y/110A/113D/122D/162E/175L;
x)13Y/77S/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
y)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
z)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
aa)13Y/54W/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
bb)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
cc)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L;および
dd)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L;
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を有する態様1−39のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0335】
41. a)G13Y/T110A/Y113D/R122D/K154R/N159D/Q175L;
b)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Y166F/Q175L;
c)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
d)G13Y/T110A/Y113D/R122F/Q175L;
e)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
f)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
g)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
h)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175L;
i)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
j)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175K;
k)G13Y/I77L/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
l)G13Y/V81I/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
m)G13Y/T110A/Y113D/R122D/W164F/Q175L;
n)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162D/Q175L;
o)G13Y/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
p)D11F/R122D/T110A/Y113A;
q)G13Y/I77Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
r)D11F/R122D/T110A;
s)G13Y/G34K/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
t)G13Y/I77V/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
u)G13Y/I77M/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
v)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/I118V/R122F/K154R/N159D/Q175L;
w)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162E/Q175L;および
x)G13Y/I77S/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L
y)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
z)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
aa)G13Y/N54W/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/141Q/K154R/N159D/175L;
bb)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
cc)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L;および
dd)G13Y/54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を有する態様1−40のいずれかに記載のポリペプチド。
【0336】
42. a)13Y/110A/113D/122D/154R/159D/175L;
b)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/166F/175L;
c)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
d)13Y/110A/113D/122F/175L;
e)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
f)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175K;
g)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175K;
h)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175L;
i)13Y/99Y/104W/110A/113D/114D/122F/154R/159D/175L;
j)13Y/99Y/104W/110A/113D/114Y/122F/154R/159D/175K;
k)13Y/77L/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
l)13Y/81I/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
m)13Y/110A/113D/122D/164F/175L;
n)13Y/110A/113D/122D/162D/175L;
o)13Y/110A/113D/122D/175L;
p)11F/122D/110A/113A;
q)13Y/77Y/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
r)11F/122D/110A;
s)13Y/34K/110A/113D/122D/175L;
t)13Y/77V/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
u)13Y/77M/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L;
v)13Y/99Y/104W/110A/113D/118V/122F/154R/159D/175L;
w)13Y/110A/113D/122D/162E/175L;および
x)13Y/77S/99Y/104W/110A/113D/122F/154R/159D/175L
y)13Y/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
z)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
aa)13Y/54W/99Y/104W/110A/113D/122F/141Q/154R/159D/175L;
bb)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/154R/159D/175L;
cc)13Y/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L;および
dd)13Y/54Q/99Y/104W/110A/113D/114F/122F/141Q/154R/159D/175L
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換からなるアミノ酸配列を有する態様1−41のいずれかに記載のポリペプチドであって、該位置は、配列番号1に示される枯草菌アミノ酸配列の対応する位置として決定されるポリペプチド。
【0337】
43. a)G13Y/T110A/Y113D/R122D/K154R/N159D/Q175L;
b)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Y166F/Q175L;
c)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
d)G13Y/T110A/Y113D/R122F/Q175L;
e)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
f)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
g)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175K;
h)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175L;
i)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
j)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114Y/R122F/K154R/N159D/Q175K;
k)G13Y/I77L/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
l)G13Y/V81I/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
m)G13Y/T110A/Y113D/R122D/W164F/Q175L;
n)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162D/Q175L;
o)G13Y/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
p)D11F/R122D/T110A/Y113A;
q)G13Y/I77Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
r)D11F/R122D/T110A;
s)G13Y/G34K/T110A/Y113D/R122D/Q175L;
t)G13Y/I77V/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
u)G13Y/I77M/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L;
v)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/I118V/R122F/K154R/N159D/Q175L;
w)G13Y/T110A/Y113D/R122D/S162E/Q175L;および
x)G13Y/I77S/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/K154R/N159D/Q175L
y)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
z)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/N141Q/K154R/N159D/Q175L;
aa)G13Y/N54W/K99Y/T104W/T110A/Y113D/R122F/141Q/K154R/N159D/175L;
bb)G13Y/N54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/K154R/N159D/Q175L;
cc)G13Y/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L;および
dd)G13Y/54Q/K99Y/T104W/T110A/Y113D/N114F/R122F/141Q/K154R/N159D/Q175L
からなる一覧から選択されるアミノ酸置換からなる配列番号1のアミノ酸配列を有する態様1−42のいずれかに記載のポリペプチド。
【0338】
44. 配列番号25ではない、態様1−43のいずれかに記載のポリペプチド。
【0339】
45. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドを同定する方法であって、
(i)配列番号1と少なくとも88%同一性を有するか、または配列番号2−22から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一性を有するポリペプチドであって、位置110においてアミノ酸修飾を有し、該位置110はアラインメントにより配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列の位置110に対応する位置として決定されるポリペプチドを製造し、
(ii)該ポリペプチドのふすま可溶化および/またはキシラナーゼ活性を、最も高い同一性パーセントを有する配列番号1−22から選択されるアミノ酸配列のふすま可溶化および/またはキシラナーゼ活性と比較し、
(iii)最も高い同一性パーセントを有する配列番号1−22から選択されるアミノ酸配列と比較して、改良されたふすま可溶化、および/または改良されたキシラナーゼ活性を有する該ポリペプチドを選択する
ことを含む方法。
【0340】
46. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法であって、該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現させ、所望により発現後のポリペプチドを単離および/または精製することを含む方法。
【0341】
47. ポリペプチドが、位置110のポリペプチドアミノ酸配列またはポリペプチドアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列における位置110のアミノ酸残基をコードするコドンのいずれかを修飾することにより製造される態様46に記載の方法であって、位置110は配列番号1に示される枯草菌キシラナーゼ配列を基準に決定される方法。
【0342】
48. 態様1から44のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列。
【0343】
49. 態様48に記載のヌクレオチド配列を含むベクター。
【0344】
50. 態様48のヌクレオチド配列または態様49のベクターで形質転換されている細胞。
【0345】
51. 態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターで形質転換されている宿主生物。
【0346】
52. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物を含む組成物。
【0347】
53. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物を含むドー。
【0348】
54. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物または態様53に記載のドーを含むベーカリー産物。
【0349】
55. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物を含む動物飼料。
【0350】
56. 態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドを含む洗浄組成物。
【0351】
57. 植物細胞壁を分解または修飾する方法であって、該植物細胞壁を態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物と接触させることを含む方法。
【0352】
58. 植物原料を処理する方法であって、該植物原料を態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様47に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物と接触させることを含む方法。
【0353】
59. 植物原料を修飾する方法における、態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物の使用。
【0354】
60. ベーキング、穀類加工、デンプン液化、セルロース性原料からのバイオエタノールの生産、動物飼料、木材加工、木材パルプの漂白の強化から独立して選択されるいずれか1つまたはそれ以上における、または洗浄組成物としての、態様1−44のいずれかに記載のポリペプチドまたは態様45の記載にしたがって同定されるポリペプチドまたは態様46−47の記載にしたがって製造されるポリペプチドまたは態様48に記載のヌクレオチド配列または態様49に記載のベクターまたは態様50に記載の細胞または非毒性成分と混合された態様51に記載の生物または態様52に記載の組成物の使用。
【0355】
61. 実施例および図面を基準に実質的に上記のポリペプチドまたはそのフラグメント。
【0356】
62. 実施例および図面を基準に実質的に上記の方法。
【0357】
63. 実施例および図面を基準に実質的に上記の組成物。
【0358】
64. 実施例および図面を基準に実質的に上記の使用。
【0359】
参考文献
【表33】
【表34】
【表35】
図1
図2-1】
図2-2】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]