特許第5713981号(P5713981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5713981
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20150416BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   G06F1/00 312U
   G06F1/00 312J
   G06F1/00 312E
   G06F3/02 310A
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-236095(P2012-236095)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-85959(P2014-85959A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2014年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 実
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−327759(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0105452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部筐体と下部筐体とを接合して構成する筐体と、
前記筐体内に設けられた、メモリ基板が実装された回路基板と、
前記上部筐体上に設けられたキーボードと、を有する情報処理装置であって、
前記キーボード配下に、前記メモリ基板が位置しており、
前記上部筐体は、前記メモリ基板が位置する領域の周囲に前記回路基板に向かって起立したリブを有しており、前記リブの高さは、前記回路基板上から前記キーボード側に突出した前記メモリ基板の高さよりも高く、前記リブの端部の一部が前記回路基板上に当接している、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記リブは、前記メモリ基板の外形形状に沿って前記上部筐体に設けられている、ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記リブは、板状になっており、前記メモリ基板の外形形状に沿って連なっている、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記リブは、前記リブの端部が前記回路基板上に当接した部分の面積よりも、前記上部筐体と連結した部分の断面積が大きい形状で構成している、ことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノートPC(Personal Computer)などの情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートPCなどの情報処理装置は、多機能化や高速処理化が進むと共に、操作フィーリングを向上させる工夫がされている。操作フィーリングを向上させる工夫としては、例えば、キーボードのキーを押す感覚も重要視するようになってきている。
【0003】
図6は、従来の情報処理装置の一例であるノートPCの外観を示す。図6に示すように、ノートPCは、キーボード103を備えた第1の筐体101と、液晶ディスプレイ104を備えた第2の筐体102と、から構成されている。第1の筐体101と第2の筐体102とは、ヒンジ機構によって回動可能に結合している。
【0004】
図7は、図6における一点鎖線X部の断面図であるが、明瞭に図示するために部分断面図としている。なお、図7において、第1の筐体101内に配されているマザーボードなどの回路基板、CPU(Central Processing Unit)などの電子部品の図示は省略している。図7に示すように、第1の筐体101は、上部筐体101aと下部筐体101bとから構成されている。キーボード103は、上部筐体101a上に配されている。また、キーボード103が配された上部筐体101aは、下部筐体101bに形成された一部のボス及びリブ(不図示)によって支持されている。
【0005】
ノートPCは、筐体を薄肉に形成して軽量化を図ることが多い。しかし、図7に示す上部筐体101aを薄肉に形成すると、上部筐体101aに支持されたキーボード103を操作者が矢印Yに示す方向に指で押圧操作した場合、キーボード103の下部にはキーボード103及び上部筐体101aを支持する部材がないため、図8に示すようにキーボード103と共に上部筐体101aが撓んで沈み込んでしまう。よって、キーボード103を構成している個々のキーにクリック感を持たせたとしても、キー操作時に上部筐体101aが撓んで沈み込むため、キーのクリック感が損なわれることになる。
【0006】
また、上部筐体101aは、薄肉化に伴い強度が低下するため、表面に強い押圧力が加わると、上部筐体101aが撓み、筐体内部に配されている各種部品が破損してしまう可能性がある。
【0007】
このようなことから、特許文献1(特開2009-80800号公報)には、図9に示すように、下部筐体101bは、その内部底面112dに立設された壁部113dと、壁部113dに一体的に形成され壁部113dから内部底面112dに略平行な方向へ形成された支持面113aと、を備え、支持面113aは、キーボード103の操作面の裏面を支持可能な位置に配された情報処理装置について開示されている。特許文献1では、支持部113の支持面113aが、キーボード103の操作面の裏面を支持可能な位置に配されているため、キーボード103の撓みを抑制し、キーボード103のキーの操作フィーリングが低下することを防止することを可能にしている。また、筐体内部に配されている各種部品が破損してしまうことを防止している。101aは、上部筐体、105は、バッテリ、106は、ドライブユニットであり、バッテリ105及びドライブユニット106は、支持部113に形成された凹部113cに着脱可能に配置されている。また、下部筐体101bの底面に、CPUやメモリなどの各種の電子部品を実装した回路基板が固定されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−80800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1のように、下部筐体101bの上面に支持部113を設けた場合は、情報処理装置の厚みが厚くなってしまう。
【0010】
なお、通常の情報処理装置の筐体内には、マザーボードなどの回路基板が広い範囲に亘って配設され、キーボードは、この回路基板上に対向して配置される。
【0011】
また、キーボードのキーを押圧した時に、キーボードが撓むのを低減するため、例えば、キーボードの底面に板金を設けることにしている。また、板金を設けず、回路基板上に複数のリブを設け、キーボードを下から支持することにしている。
【0012】
しかし、キーボードの底面に板金を設ける場合は、情報処理装置の軽量化、低コスト化を図る観点から好ましくない。
【0013】
また、板金を設けず、回路基板上に複数のリブを設ける場合は、回路基板上に実装される多数の電子部品の領域確保のため、リブを設けることが可能な領域が限られてしまい、リブを用いて、キーボードを下から安定して支持することができない場合がある。特に、省スペースを実現しなければならないノートPCなどの情報処理装置では、回路基板上にDIMM(Dual Inline Memory Module)等のメモリ基板を実装しており、そのメモリ基板を実装した領域の回路基板上には、リブを設けることができない。DIMMは、増設メモリ用に特別に設計されたメモリ基板である。
【0014】
上述したメモリ基板は、ある程度大きな形状で構成しているため、メモリ基板を回路基板上に実装すると、回路基板上の領域を大きく占有してしまうことになる。その結果、メモリ基板が実装された領域の回路基板上にリブを設けることができず、そのメモリ基板が実装された領域のキーボードを押すたびにキーボードが撓み、キーの押し心地が悪くなってしまう。また、キーボード配下のメモリ基板にキーボードが接触し、メモリ基板が破損してしまうおそれがある。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、キーボードの撓みを抑制し、回路基板上に実装されたメモリ基板を保護することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
【0017】
<情報処理装置>
本発明にかかる情報処理装置は、
上部筐体と下部筐体とを接合して構成する筐体と、
前記筐体内に設けられた、メモリ基板が実装された回路基板と、
前記上部筐体上に設けられたキーボードと、を有する情報処理装置であって、
前記キーボード配下に、前記メモリ基板が位置しており、
前記上部筐体は、前記メモリ基板が位置する領域の周囲に前記回路基板に向かって起立したリブを有しており、前記リブの高さは、前記回路基板上から前記キーボード側に突出した前記メモリ基板の高さよりも高く、前記リブの端部の一部が前記回路基板上に当接している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上部筐体のリブの端部の一部が回路基板上に当接しており、そのリブの高さが、回路基板上からキーボード側に突出したメモリ基板の高さよりも高いため、キーボードの撓みを抑制し、回路基板上に実装されたメモリ基板を保護することができる。
また、リブの端部の一部を回路基板上に当接し、メモリ基板の周囲をリブで全て覆わないようにしているため、メモリ基板で発生した熱を周囲に放出し、メモリ基板の周囲に熱がこもるのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態のノートPC10の構成例を示す図である。
図2】上部筐体16を取り外した下部筺体15の内部の構造を示す図である。
図3図1に示すノートPC10のA-A断面図である。
図4】冷却ファンユニット42の周囲の構造を示す図である。
図5】上部筐体16の裏面側の構成例を示す図である。
図6】従来のノートPCの構成例を示す第1の図である。
図7】従来のノートPCの構成例を示す第2の図である。
図8】従来のノートPCの構成例を示す第3の図である。
図9】特許文献1のノートPCの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明にかかる情報処理装置10の実施形態の概要)
まず、図1図3を参照しながら、本発明にかかる情報処理装置10の実施形態の概要について説明する。図1は、本発明にかかる情報処理装置10の一構成例を示す図であり、図3は、図1に示す情報処理装置10のA-A断面図である。
【0021】
本発明にかかる情報処理装置10は、上部筐体16と下部筐体15とを接合して構成する筐体14と、筐体14内に設けられた、メモリ基板40が実装された回路基板50と、上部筐体16上に設けられたキーボード20と、を有する情報処理装置10である。
【0022】
本発明にかかる情報処理装置10は、キーボード20配下に、メモリ基板40が位置しており、上部筐体16は、メモリ基板40が位置する領域の周囲に回路基板50に向かって起立したリブ80を有しており、リブ80の高さは、回路基板50上からキーボード20側に突出したメモリ基板40の高さよりも高く、リブ80の端部の一部が回路基板50上に当接していることを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる情報処理装置10は、上部筐体16のリブ80の端部の一部が回路基板50上に当接しており、そのリブ80の高さが、回路基板50上からキーボード20側に突出したメモリ基板40の高さよりも高いため、キーボード20の撓みを抑制し、回路基板50上に実装されたメモリ基板40を保護することができる。また、リブ80の端部の一部を回路基板50上に当接し、メモリ基板40の周囲をリブ80で全て覆わないようにしているため、メモリ基板40で発生した熱を周囲に放出し、メモリ基板40の周囲に熱がこもるのを回避することができる。以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる情報処理装置10の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、情報処理装置10としてノートPC10を例に説明する。
【0024】
<ノートPC10の構成例>
図1図5を参照しながら、本実施形態のノートPC10の構成例について説明する。
【0025】
図1は、本実施形態のノートPC10の構成例を示す図である。図2は、上部筐体16を取り外した下部筺体15の内部の構造を示す図である。図3は、図1に示すノートPC10のA-A断面図であり、冷却ファンユニット42、メモリ基板40の周囲の構造を示す図である。図4は、冷却ファンユニット42の周囲の構造を示す図である。図5は、上部筐体16の裏面側の構成例を示す図である。
【0026】
本実施形態のノートPC10は、機器本体ユニット12と、機器本体ユニット12に支持されたディスプレイユニット13と、を有して構成する。機器本体ユニット12は、筐体14を有している。筐体14は、矩形状の底壁を有する下部筐体15と、矩形状の上壁を有する上部筐体16と、で構成し、下部筐体15と上部筐体16とを接合して構成している。筐体14は、例えば、合成樹脂により形成されている。
【0027】
上部筐体16は、上部筐体16の中央部及び後部に亘って矩形状の溝部19(図3参照)が形成されており、溝部19上にキーボード20が設けられている。また、上部筐体16の前部にパームレスト22が設けられており、パームレスト22の中央部には、ポインティングデバイスを操作するための操作部24が設けられている。パームレスト22は、上部筐体16から取り外し可能になって設けられている。パームレスト22の配下には、ドライブユニット(図示せず)が筐体14内に設けられている。
【0028】
上部筐体16の後部の端には、筐体14の長手方向に離間して一対のヒンジ部28が設けられており、ヒンジ部28を介して機器本体ユニット12とディスプレイユニット13とが回動可能に連結している。また、上部筐体16の後部の端には、バッテリ31が設けられている。バッテリ31は、上部筐体16から取り外し可能に設けられている。
【0029】
ディスプレイユニット13は、偏平な矩形状の筐体30と、筐体30に収容された液晶ディスプレイ32と、を有している。
【0030】
本実施形態のノートPC10は、ディスプレイユニット13が、パームレスト22やキーボード20を含む筐体14の上面を上方から覆うように倒される閉塞位置と、筐体14の上面及び液晶表示ディスプレイ32を露出させるように起立する開き位置と、に亘って回動可能となっている。
【0031】
機器本体ユニット12の筐体14内には、図2図3に示すように、マザーボードを意味する回路基板50、冷却ファンユニット42、配線ケーブル60、ドライブユニット(図示せず)、種々のコネクタ(図示せず)などが配設されている。回路基板50は、下部筐体15の底壁15aに立設された図示しない複数のボスにねじ止め固定され、下部筐体15の底面に対して隙間を置いてほぼ平行に対向している。また、回路基板50は、キーボード20の配下の領域を含み、下部筐体15に亘って設けられている。また、回路基板50の上面及び下面には、多数の電子部品、コネクタなどが実装されている。本実施形態のノートPC10は、回路基板50の上面にDIMM(Dual Inline Memory Module)を意味するメモリ基板40が実装されている。メモリ基板40は、下部筐体15の後部中央に位置するように回路基板50に実装され、回路基板50の所定の領域を占有している。
【0032】
上部筐体16は、上部筐体16の中央部及び後部に亘って矩形状の溝部19が形成されており、その溝部19が回路基板50及び冷却ファンユニット42と対向している。この溝部19上にキーボード20が配置されている。このため、キーボード20の配下に、回路基板50及び冷却ファンユニット42が位置することになる。また、回路基板50にはメモリ基板40が実装されているため、キーボード20の配下にメモリ基板40が位置することになる。上部筐体16は、冷却ファンユニット42、メモリ基板40、配線ケーブル60、各種電子部品が位置する部分を除いて、複数個所が回路基板50にねじ止めされ、回路基板50に支持されている。
【0033】
回路基板50には、発熱量の多いCPU(図示せず)が実装されている。このCPUを冷却する冷却ファンユニット42が回路基板50の外側で、筐体14の側壁の近傍に配置されている。冷却ファンユニット42は、図3に示すように、ファン43及びファン43を囲んだファンケース41を備えている。ファンケース41は、隙間を置いて対向するトップカバー46a及びロワーカバー46bと、トップカバー46a及びロワーカバー46bの外周に沿って、そのトップカバー46a及びロワーカバー46bと接続されたサイドフレーム44と、を有して構成している。トップカバー46aとロワーカバー46bとの間には、ファン43及びファンモータ48が設けられ、ファンモータ48は、例えば、ロワーカバー46bに支持されている。トップカバー46aには、吸込み口46cが形成されている。また、ファンケース41の排気口には、放熱部材として機能する多数の放熱フィン49が設けられている。
【0034】
冷却ファンユニット42は、ファン47の回転軸が下部筐体15の底壁15aとほぼ直交するよう配設されている。トップカバー46aは、上部筐体16の溝部19と隙間を置いてほぼ平行に対向し、ロワーカバー46bは、底壁15aと隙間を置いてほぼ平行に対向している。ファンケース41の排気口及び放熱フィン49は、筐体14の側壁に形成された排気口51に対向している。
【0035】
冷却ファンユニット42の周囲は、筐体14の内面及び回路基板50に接触しておらず、冷却ファンユニット42は、周囲に対して浮いた状態、つまり、フローティング状態で、筐体14内で支持されている。但し、フローティング状態は一例であり、冷却ファンユニット42は、任意の状態で筐体14内で支持することが可能である。
【0036】
冷却ファンユニット42は、回路基板50よりもキーボード20側に突出しており、そのキーボード20側に突出した冷却ファンユニット42のサイドフレーム44に沿って配線ケーブル60が回路基板50上に配置されている。配線ケーブル60は、機器本体ユニット12とディスプレイユニット13とを結ぶ制御線であり、制御線の周囲をゴムで覆って構成している。本実施形態のノートPC10は、配線ケーブル60を介して機器本体ユニット12とディスプレイユニット13との間で情報の送受信を行うことになる。配線ケーブル60は、ヒンジ部28を経由してディスプレイユニット13と接続している。本実施形態のノートPC10は、2つの配線ケーブル60が冷却ファンユニット42のサイドフレーム44に沿って回路基板50上に配置されて構成している。
【0037】
回路基板50上に配置された配線ケーブル60は、図3に示すように、冷却ファンユニット42よりもキーボード20側に突出しているため、上部筐体16に接触し易くなっている。
【0038】
本実施形態のノートPC10は、キーボード20が設けられた上部筐体16の撓みにより上部筐体16が配線ケーブル60に接触するのを回避するため、冷却ファンユニット42の外形形状に沿って配線ケーブル60を回路基板50に配置し、且つ、冷却ファンユニット42が位置する領域に、上部筐体16から冷却ファンユニット42に向かって突出した山状のリブ70を設け、そのリブ70を冷却ファンユニット42上に当接し、上部筐体16が配線ケーブル60に接触しないように構成している。但し、リブ70の高さは、冷却ファンユニット42からキーボード20側に突出した部分の配線ケーブル60の高さよりも高く形成する必要がある。これにより、上部筐体16は、リブ70と冷却ファンユニット42とで支持され、上部筐体16が撓んでも、上部筐体16が配線ケーブル60に接触するのを回避することができる。
【0039】
冷却ファンユニット42の中央には、ファン43、ファンモータ48、吸込み口46cが設けられているため、冷却ファンユニット42の中央付近には、リブ70を当接することができない。このため、リブ70は、図5に示すように、冷却ファンユニット42の外形形状に沿って上部筐体16に設け、そのリブ70が冷却ファンユニット42の外形形状に沿って冷却ファンユニット42上に当接するようにしている。これにより、冷却ファンユニット42の機能に支障をきたさずに、冷却ファンユニット42上に位置する上部筐体16を撓み難くすることができる。図5は、上部筐体16の裏面側の構成例を示す図である。70は、山状のリブであり、80は、板状のリブであり、71は、ネジ穴である。本実施形態の上部筐体16は、ネジ穴71にネジを挿入し、上部筐体16が、回路基板50や下部筐体15と接続することになる。図5に示すリブ70は、上部筐体16と下部筐体15とを接合した際に、冷却ファンユニット42の外形形状に沿ってリブ70の頂が冷却ファンユニット42に当接するように設けられている。また、リブ80は、上部筐体16と下部筐体15とを接合した際に、メモリ基板40の周囲に沿ってリブ80の端部が回路基板50に当接するように設けられている。
【0040】
リブ70は、図3に示すように、上部筐体16から冷却ファンユニット42に向かって突出した山状になっており、そのリブ70の山状の頂は、図5に示すように、冷却ファンユニット42の外形形状に沿って連なっており、図3に示すように、リブ70の頂が冷却ファンユニット42上に当接している。このため、リブ70を冷却ファンユニット42に安定して当接し、冷却ファンユニット42上に位置する上部筐体16を撓み難くすることができる。また、リブ70が連なっているため、リブ70の剛性を向上させることができる。また、リブ70の頂は、平坦な面形状で構成しており、その平坦な面が冷却ファンユニット42上に当接するため、リブ70を安定して冷却ファンユニット42に当接することができる。具体的には、リブ70の頂がファンケース41のトップカバー46aの外形形状に沿って当接することになる。即ち、冷却ファンユニット42の外形形状とは、トップカバー46aの外形形状を意味することになる。
【0041】
本実施形態の上部筐体16には、山状のリブ70が2つ設けられており、その2つのリブ70が冷却ファンユニット42の外形形状に沿って設けられている。2つのリブ70は、冷却ファンユニット42の外形形状のうち、回路基板50側に設けられている。冷却ファンユニット42の外形形状のうち、筐体14の側壁側は、上部筐体16と下部筐体15とが接合するため、上部筐体16が所定の強度を有し、上部筐体16が撓み難くなっている。しかし、回路基板50側は上部筐体16を支持しなければ、上部筐体16が撓み易くなっている。このため、冷却ファンユニット42の外形形状のうち、回路基板50側に2つのリブ70を、冷却ファンユニット42の外形形状に沿って設けるようにしている。また、2つのリブ70は、直線形状で構成し、その直線形状の2つのリブ70を冷却ファンユニット42の外形形状に沿って設けるようにしている。また、2つのリブ70の間に隙間を設け、気体の流通経路を確保するようにしている。
【0042】
また、本実施形態のノートPC10は、回路基板50に実装されたメモリ基板40を保護するため、メモリ基板40が位置する領域の周囲に、上部筐体16から回路基板50に向かって起立した板状のリブ80を設け、そのリブ80の一部を回路基板50上に当接し、上部筐体16がメモリ基板40に接触しないように構成している。但し、リブ80の高さは、回路基板50上からキーボード20側に突出したメモリ基板40の高さよりも高く形成する必要がある。これにより、上部筐体16は、リブ80と回路基板50とで支持され、メモリ基板40の上方の上部筐体16が撓んでも、上部筐体16がメモリ基板40に接触するのを回避することができる。但し、板状のリブ80は、起伏しているため、リブ80の最も高い箇所の高さが回路基板50上からキーボード20側に突出したメモリ基板40の高さよりも高くなっている。
【0043】
メモリ基板40は、ある程度大きな形状で構成しているため、メモリ基板40を回路基板50上に実装すると、回路基板50上の領域を大きく占有してしまうことになる。その結果、メモリ基板40が実装された領域にリブ80を当接することができず、メモリ基板40の上方の上部筐体16が撓み易くなってしまう。このため、リブ80は、図5に示すように、メモリ基板40の外形形状に沿って上部筐体16に設け、そのリブ80がメモリ基板40の外形形状に沿って回路基板50上に当接するようにしている。これにより、メモリ基板40の機能に支障をきたさずに、メモリ基板40上に位置する上部筐体16を撓み難くすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、上部筐体16に板状のリブ80を設け、その板状のリブ80の一部を回路基板50上に当接するようにしているため、多くの電子部品が実装される回路基板50であっても、リブ80を回路基板50上に当接し、メモリ基板40の上方の上部筐体16を支持することができる。また、板状のリブ80の一部を回路基板50上に当接するようにしているため、回路基板50上に当接するリブ80の当接領域を低減することができる。
【0045】
また、上部筐体16に、板状のリブ80を連なって設けているため、板状のリブ80の剛性を向上させることができる。即ち、本実施形態の板状のリブ80は、リブ80の端部が回路基板50上に当接した部分の面積(当接面積)よりも、上部筐体16と連結した部分の断面積が大きい形状で構成しているため、板状のリブ80であっても、リブ80の剛性を向上させることができる。
【0046】
また、メモリ基板40の外形形状に沿って板状のリブ80が連なって上部筐体16に設けられているが、そのリブ80の端部の一部を回路基板50上に当接し、メモリ基板40の周囲をリブ80で全て覆わないようにしている。このため、メモリ基板40で発生した熱を周囲に放出し、メモリ基板40の周囲に熱がこもるのを回避することができる。即ち、本実施形態では、板状のリブ80の一部を回路基板50上に当接するように構成しているため、メモリ基板40の周囲に開口部が形成され、その開口部からメモリ基板40で発生した熱を周囲に放出し、メモリ基板40の周囲に熱がこもるのを回避することができる。開口部は、板状のリブ80が起伏しているため、その起伏した箇所で形成される。リブ80の形状において回路基板50と当接する当接部は、図5に示す81であり、リブ80の端部の中で最も高さが高い箇所で構成している。開口部は、図5に示す82であり、リブ80の端部の中で回路基板50と当接しない部分で構成している。
【0047】
なお、リブ80は、リブ80の端部の一部を回路基板50上に当接する当接部81がメモリ基板40を介して対向するように構成することが好ましい。これにより、メモリ基板40を間に介在した両側の位置でリブ80が回路基板50上に当接するため、メモリ基板40の上方の上部筐体16を安定して支持し、上部筐体16を撓み難くすることができる。
【0048】
なお、本実施形態では、2つの山状のリブ70の間に隙間を設けているが、その隙間に位置する板状のリブ80を回路基板50上に当接するようにしている。これにより、上部筐体16の短手方向において、山状のリブ70、板状のリブ80、山状のリブ70で上部筐体16を支持することになるため、上部筐体16を撓み難くすることができる。
【0049】
<本実施形態のノートPC10の作用・効果>
このように、本実施形態のノートPC10は、上部筐体16に形成された板状のリブ80の端部の一部が回路基板50上に当接しており、そのリブ80の高さが、回路基板50上からキーボード20側に突出したメモリ基板40の高さよりも高いため、キーボード20が配置された上部筐体16の撓みを抑制し、上部筐体16がメモリ基板40に接触しないようにすることができる。その結果、回路基板50上に実装されたメモリ基板40を保護することができる。また、リブ80の端部の一部を回路基板50上に当接し、メモリ基板40の周囲をリブ80で全て覆わないようにしているため、メモリ基板40で発生した熱を周囲に放出し、メモリ基板40の周囲に熱がこもるのを回避することができる。
【0050】
また、回路基板50よりもキーボード20側に突出した部分の冷却ファンユニット42の外周に沿って、配線ケーブル60が回路基板50に配置されており、また、上部筐体16に形成された山状のリブ70の端部が冷却ファンユニット42上に当接しており、そのリブ70の高さが、冷却ファンユニット42からキーボード20側に突出した部分の配線ケーブル60の高さよりも高いため、キーボード20が配置された上部筐体16の撓みを抑制し、上部筐体16が配線ケーブル60に接触しないようにすることができる。その結果、回路基板50上に配置された配線ケーブル60を保護することができる。
【0051】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 ノートPC(情報処理装置の一例)
12 機器本体ユニット
13 ディスプレイユニット
14 筐体
15 下部筐体
16 上部筐体
19 溝部
20 キーボード
22 パームレスト
24 操作部
28 ヒンジ部
31 バッテリ
40 メモリ基板
41 ファンケース
42 冷却ファンユニット
43 ファン
44 サイドフレーム
46a トップカバー
46b ロワーカバー
46c 吸込み口
49 放熱フィン
50 回路基板
51 排気口
60 配線ケーブル
70 リブ
80 リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9