(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714105
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】吹き付け塗装装置用液体供給容器
(51)【国際特許分類】
B05B 7/24 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
B05B7/24
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-519746(P2013-519746)
(86)(22)【出願日】2011年7月11日
(65)【公表番号】特表2013-534473(P2013-534473A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】US2011043588
(87)【国際公開番号】WO2012009284
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2013年3月7日
(31)【優先権主張番号】13/050,928
(32)【優先日】2011年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/363,637
(32)【優先日】2010年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591033250
【氏名又は名称】イリノイ ツール ワークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,マーヴィン,ディーン
【審査官】
八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−503706(JP,A)
【文献】
米国特許第06698670(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0217201(US,A1)
【文献】
特開2000−074274(JP,A)
【文献】
特開2000−088163(JP,A)
【文献】
特開2000−088158(JP,A)
【文献】
特開平10−220670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00− 3/18
B05B 5/00− 5/16
B05B 7/00− 9/08
F16L 23/00−25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力送り吹き付け塗装装置であって、
液体注入口を含むボディと、
前記ボディと結合された握り部と、
前記ボディと結合された吹き付けヘッドと、
前記液体注入口から前記吹き付けヘッドにかけて延びている液体流路と、
前記液体注入口に隣接して配置された、非圧縮容器固着機構を含む重力送り容器固着機構と、を備える前記重力送り吹き付け塗装装置と、
液体吐出口及び圧縮嵌合アダプタを含む第1の重力送り液体供給容器であって、前記圧縮嵌合アダプタは、前記非圧縮容器固着機構を用いずに前記液体吐出口を前記液体注入口と圧縮嵌合させる、前記第1の重力送り液体供給容器と、
を備えるシステム。
【請求項2】
第2の重力送り液体供給容器を備え、前記第1及び第2の重力送り液体供給容器は、相互に排他的に、前記液体注入口と結合するように構成されており、前記第2の重力送り液体供給容器は、前記重力送り容器固着機構の前記非圧縮容器固着機構を介して前記液体注入口と結合するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記液体注入口と結合された液体注入口嵌合部を備え、前記液体注入口嵌合部は、前記非圧縮容器固着機構を有する前記重力送り容器固着機構を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記非圧縮容器固着機構は、ねじ部分、らせん状の溝、回転式継手、又はラッチを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧縮嵌合アダプタは、前記液体注入口と圧縮嵌合するように構成された圧縮インタフェースを有する管状部分を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記圧縮嵌合アダプタは、前記管状部分が前記液体注入口と結合された状態で前記第1の重力送り液体供給容器を前記重力送り吹き付け塗装装置に対して安定させるように構成された支持部材を含んでいる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記支持部材は、前記管状部分の周囲に配置された安定化スリーブ部分を含んでいる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記支持部材は、前記管状部分の周囲に配置された複数の安定化突起物を含んでいる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記管状部分は、前記重力送り容器固着機構の内側に延びて、前記圧縮インタフェースを前記液体注入口と結合し、前記支持部材は、前記重力送り容器固着機構の外側に延びる、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の重力送り液体供給容器は、使用回数に制限がある使い捨て容器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記使い捨て容器は、基本的にプラスチック製である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記使い捨て容器は、基本的に紙製である、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
圧縮嵌合アダプタを有する液体吐出口を含む重力送り液体供給容器であって、前記圧縮嵌合アダプタは、ハンドヘルド重力送り吹き付け塗装装置の非圧縮ベースの重力送り容器固着機構を、圧縮嵌合を可能にするように適合させるよう構成されている、前記重力送り液体供給容器
を備えるシステム。
【請求項14】
前記圧縮嵌合アダプタは、前記液体吐出口を、前記ハンドヘルド重力送り吹き付け塗装装置の液体注入口と圧縮嵌合させるように構成された圧縮インタフェースを有する管状部分を含んでいる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記圧縮嵌合アダプタは、前記管状部分が前記液体注入口と結合された状態で前記重力送り液体供給容器を前記ハンドヘルド重力送り吹き付け塗装装置に対して安定させるように構成された支持部材を含んでいる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記支持部材は、前記管状部分の周囲に配置された安定化スリーブ部分を含んでいる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記支持部材は、前記管状部分の周囲に配置された複数の安定化突起物を含んでいる、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記管状部分は、前記非圧縮ベースの重力送り容器固着機構の内側に延びて、前記圧縮インタフェースを前記液体注入口と結合し、前記支持部材は、前記非圧縮ベースの重力送り容器固着機構の外側に延びる、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
重力送り液体供給容器を備えるシステムであって、前記重力送り液体供給容器は、
カップ部分と、
前記カップ部分内の液体吐出口と、
圧縮嵌合アダプタと、を含み、前記圧縮嵌合アダプタは、
前記液体吐出口の周囲に配置された管状部分であって、前記カップ部分から突出しており、重力送り吹き付け塗装装置の液体注入口嵌合部の内側と圧縮嵌合するように構成された前記管状部分と、
前記管状部分の周囲に配置された安定化スリーブ部分であって、前記カップ部分から突出しており、前記液体注入口嵌合部の周囲に延びて前記重力送り液体供給容器を前記重力送り吹き付け塗装装置に対して支持するように構成された前記安定化スリーブ部分と、を含む、
システム。
【請求項20】
前記圧縮嵌合アダプタは、前記液体注入口嵌合部の非圧縮容器固着機構を使用せずに前記管状部分と圧縮嵌合することを可能にするよう、前記液体注入口嵌合部を適合させるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2010年7月12日に出願された米国特許仮出願第61/363,637号(件名「カップアタッチメント(Cup Attachment)」)の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、主に、重力送り吹き付け塗装装置に関し、特に、吹き付け塗装装置用重力送り液体供給容器に関する。
【背景技術】
【0003】
吹き付け塗装装置は、液体(ペンキ、透明塗料、その他の液体塗料)を生地の表面に吹き付けることに使用される。吹き付け塗装装置は、吹き付け塗装装置と結合された液体供給管又は液体供給容器から液体を受け取ることが可能である。例えば、液体供給容器を吹き付け塗装装置の上側に取り付けて、容器から吹き付け塗装装置への液体の重力送りを行わせることが可能である。しかしながら、液体供給容器は、接続機構が、例えば、ねじ式接続、ツイストロック接続などのように、タイプごとに異なる場合がある。その結果、作業者が、あるタイプの液体供給容器(例えば、再利用可能な容器)から別のタイプの液体供給容器(例えば、使い捨ての容器)に切り替えようとする場合、作業者は、吹き付け塗装装置上の接続を、アダプタにより変更することが必要になる場合がある。例えば、作業者は、ある接続アダプタを別の接続アダプタに取り替えることが必要になる場合がある。このように、タイプの異なる複数の液体供給容器に、単一のアダプタで対応することは不可能である。
【0004】
そこで、吹き付け塗装装置上の接続機構の如何に関わらず、吹き付け塗装装置への取り付けが可能な液体供給容器が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の実施形態は、重力送り吹き付け塗装装置を含むシステムである。この重力送り吹き付け塗装装置は、液体注入口があるボディと、ボディと結合された握り部と、ボディと結合された吹き付けヘッドと、液体注入口から吹き付けヘッドにかけて延びている液体流路と、液体注入口に隣接して配置された重力送り容器固着機構と、を有する。この重力送り容器固着機構は、非圧縮容器固着機構を含む。このシステムは又、液体吐出口及び圧縮嵌合アダプタを有する第1の重力送り液体供給容器を含み、圧縮嵌合アダプタは、非圧縮容器固着機構を用いずに液体吐出口を液体注入口と圧縮嵌合させる。
【0006】
別の実施形態は、圧縮嵌合アダプタがある液体吐出口を有する重力送り液体供給容器を含むシステムである。圧縮嵌合アダプタは、ハンドヘルド重力送り吹き付け塗装装置の非圧縮ベースの重力送り容器固着機構を、圧縮嵌合を可能にするように適合させるよう構成されている、
【0007】
別の実施形態は、カップ部分と、カップ部分内の液体吐出口と、圧縮嵌合アダプタと、を有する重力送り液体供給容器を含むシステムである。圧縮嵌合アダプタは、液体吐出口の周囲に管状部分が配置されており、この管状部分は、カップ部分から突出しており、重力送り吹き付け塗装装置の液体注入口嵌合部の内側と圧縮嵌合するように構成されている。圧縮嵌合アダプタは又、管状部分の周囲に安定化スリーブ部分が配置されており、この安定化スリーブ部分は、カップ部分から突出しており、液体注入口嵌合部の周囲に延びて重力送り液体供給容器を重力送り吹き付け塗装装置に対して支持するように構成されている。
【0008】
以上及び他の、本開示の特徴、態様、及び利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。図面全体を通して、同じ文字は同じ構成要素を表している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】吹き付け塗装システムの一実施形態の分解斜視図であり、重力送り吹き付け塗装銃から分解された3種類の重力送り液体供給容器を含む図である。
【
図2】非圧縮容器固着機構を有する重力送り吹き付け塗装銃の一実施形態の側面断面図であり、非圧縮容器固着機構を使用せずに圧縮嵌合アダプタを介して取り付けられた液体供給容器を示している図である。
【
図3】
図2の圧縮嵌合アダプタの一実施形態の、線3−3の内側部分の側面部分断面図であり、圧縮インタフェースを有する管状部分の周囲に同心円状に配置された安定化スリーブを示している図である。
【
図4】
図2の圧縮嵌合アダプタの一実施形態の、線3−3の内側部分の側面部分断面図であり、圧縮インタフェースを有する管状部分の周囲に同心円状に配置された、スナップ嵌合リップを有する安定化スリーブを示している図である。
【
図5】
図2の圧縮嵌合アダプタの一実施形態の、線3−3の内側部分の側面部分断面図であり、追加の安定化機構が全くない圧縮インタフェースを有する管状部分を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本開示の1つ以上の具体的な実施形態を説明する。それらの実施形態の説明を簡潔にするために、本明細書では、実際の実装の特徴の一部の説明を省略する場合がある。当然のことながら、そのようないかなる実際の実装の開発においても、あらゆる開発や設計のプロジェクトがそうであるように、開発者の固有の目標を達成するためには、実装ごとに異なる場合がある、システム関連やビジネス関連の制約に従うことなどの、様々な実装固有の決定を行わなければならない。更に、当然のことながら、そのような開発作業は、複雑で時間のかかるものとなりうるが、本開示の便益が得られる当業者にとっては、設計、組み立て、及び製造の日常的な作業である。
【0011】
本開示の様々な実施形態の各要素を紹介する場合、冠詞の「a」、「an」、「the」、及び「said」は、それらの要素が1つ以上あることを意味するものとする。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は包含的であるものとし、列挙された要素以外の要素が更に存在してよいことを意味する。
【0012】
本開示の各種実施形態では、液体供給容器に圧縮嵌合アダプタを取り付ける。圧縮嵌合アダプタは、現在のコネクタを変更することなく、液体供給容器を様々な吹き付け塗装装置に接続することを可能にする。例えば、圧縮嵌合アダプタは、吹き付け塗装装置上の所定の位置に配されたままの非圧縮容器固着機構を使用せずに、単純に吹き付け塗装装置との圧縮嵌合(又は干渉嵌合)を形成することが可能である。具体的には、非圧縮容器固着機構は、ねじ式接続、ツイストロック接続、又は他の接続があり、これらは、嵌合する非圧縮容器固着機構を有する別の液体供給容器を固定することに用いられる。本開示の実施形態の圧縮嵌合アダプタは、非圧縮容器固着機構の内側及び/又は外側と嵌合して圧縮嵌合を形成することにより、液体供給容器を吹き付け塗装装置に流体的に結合することが可能である。例えば、圧縮嵌合アダプタは、圧縮インタフェースを有する管状部分を含んでよく、この管状部分を吹き付け塗装装置の液体注入口(例えば、非圧縮容器固着機構の内側)に差し込むことが可能である。更なる例として、圧縮嵌合アダプタは、管状部分の周囲に延びうる(例えば、管状部分と同心の)安定化部材又は支持部材を含んでよい。更に、液体供給容器は、液体の重量が容器と吹き付け塗装装置との間の圧縮嵌合の維持を支援しうるような重力送り液体供給容器であってよい。このように、圧縮嵌合アダプタは、現在付いている、タイプの異なる複数のコネクタとの間で、現在付いているコネクタを取り外さずに圧縮嵌合(又は干渉嵌合)を形成するように構成されており、これによって、液体供給容器の迅速且つ容易な接続が可能になる。実施形態によっては、液体供給容器は、使い捨ての液体供給容器(例えば、使い捨ての紙容器や使い捨てのプラスチック容器)であってよい。従って、作業者は、圧縮嵌合アダプタを介して、使い捨ての液体供給容器を吹き付け塗装装置に素早く取り付けることが可能であり、これによって、既に付いている接続機構を取り替えることが不要になる。
【0013】
図1は、重力送り吹き付け塗装システム10の一例示的実施形態を示しており、システム10は、吹き付け塗装銃12と、切り離されている3種類の重力送り液体供給容器14と、を含んでいる。以下で詳述するように、図示された各容器14は、銃12に既に付いているコネクタを取り替えることなく、圧縮嵌合により、吹き付け塗装銃と接続されるように構成されている。更に、図示された各容器14は、使い捨ての、且つ/又は、再利用可能な容器であってよく、これらは、紙、プラスチック、又は他の好適な材料で作成してよい。従って、図示された各容器14は、様々な吹き付け塗装銃12との素早い圧縮嵌合によってセットアップ時間を短縮することが可能であり、同時に、容器14の使用後の廃棄及び/又は再利用を可能にすることにより、洗浄時間を短縮することも可能である。
【0014】
吹き付け塗装システム10は、多様な用途、液体、対象物、及び/又は吹き付け塗装銃12のタイプ/構成に適用可能である。例えば、吹き付け塗装銃12は、対象物及び液体塗料に対応すべく、様々に異なる構成要素及び吹き付け形成機構を含んでもよい。液体塗料は、用途に応じて、様々な塗装タイプ、色、テクスチャ、及び各種材料(金属や木材など)に対する特性を含んでよい。そこで、図示された各容器14は、液体塗料を頻繁に変更することを伴う用途に特に好適であってよい。
【0015】
図示された吹き付け塗装銃12は、握り部16と、空気取入口18と、装置を起動させたり停止させたりするように構成されたトリガアセンブリ20と、液体供給アセンブリ22と、装置の前部に位置して、吹き付け塗装銃12の起動時に生地表面に液体を吹き付ける吹き付け先端アセンブリ24と、を含んでいる。吹き付け塗装銃12は又、液体弁調節器26及び空気弁調節器28を含んでよく、これらは、それぞれ、液体供給アセンブリ22から供給されている液体塗料の流量、並びに、空気取入口18から供給されている空気の流れを制御すべく回転自在に調節可能である。図示された実施形態では、銃の上部の液体供給アセンブリ22は、注入口嵌合部25を含んでおり、注入口嵌合部25は、吹き付け塗装銃12に入る液体塗料の経路を与える内側液体注入口を有している。図示された実施形態では、注入口嵌合部25は、圧縮嵌合以外の何らかの接続方法(例えば、らせん状の溝、ねじ、回転式継手、バヨネット接続、スナップ接続、ラッチ、ツイストロック接続など)を用いて液体供給容器を吹き付け塗装銃12の上部に取り付けるように設計されている。言い換えると、注入口嵌合部25は、非圧縮容器固着機構として定義してよく、或いは、非圧縮容器固着機構を含んでよい。従って、注入口嵌合部25は、容器14との圧縮嵌合を形成するようには設計されていない。
【0016】
本開示の実施形態の液体供給容器14は、注入口嵌合部25の制約に関わらず、注入口嵌合部25の非圧縮容器固着機構を使用せずに注入口嵌合部25との圧縮嵌合を形成することにより、吹き付け塗装銃12と圧縮嵌合するように構成されている。言い換えると、図示された各容器14は、ねじ、ツイストロック接続、又は他の、注入口嵌合部25の一部として特に設計された非圧縮接続をまったく使用しない。各容器14は、銃12に取り付けた場合には、上部取り付け式の銃上構成として説明されうる。更に、各容器14の重量、及び各容器14内に配置された任意の液体塗料の重量は、圧縮嵌合を更に保持する方向に働く。これは、それらの重量が、圧縮嵌合全体の保持を推進する力を維持する為である。
【0017】
各液体供給容器14は、材料組成が様々であってよい。実施形態によっては、各液体供給容器14の構成要素の全て又は一部が、使い捨ての、且つ/又は再利用可能な材料で作成されてよく、例えば、透明又は半透明のプラスチック、繊維質又はセルロース系の材料、非金属材料、又はこれらの何らかの組み合わせから作成されてよい。例えば、各液体供給容器14は、全体又は実質部分(例えば、75、80、85、90、95、99パーセント超、又は100パーセント)が使い捨ての、且つ/又は再利用可能な材料で作成されてよい。プラスチックの液体供給容器14の実施形態は、基本的、又は全体的にポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)からなる材料組成を含んでよい。繊維質の液体供給容器14の実施形態は、基本的、又は全体的に、天然繊維(例えば、植物繊維、木部繊維、動物繊維、又は鉱物繊維)、又は合成/人工繊維(例えば、セルロース、ミネラル、又はポリマー)からなる材料組成を含んでよい。セルロース繊維の例として、モダル又は竹がある。ポリマー繊維の例として、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、アラミド、ポリエチレン、エラストマー、ポリウレタンなどがある。実施形態によっては、各液体供給容器14は、使い切り用途用に設計されてよく、使用時の液体(例えば、液体塗料混合物)の保管に使用されてよい。他の実施形態では、各液体供給容器14は、複数回使用してから廃棄するように設計されてよい。実施形態によっては、各液体供給容器14は、半透明の材料から作成することが望ましい場合があるが、実施形態によっては、光に敏感である可能性がある液体塗料に使用する為に不透明の材料から作成されてよい。
【0018】
更に、各液体供給容器14は、構造的又は機能的な特徴が様々であってよい。実施形態によっては、各液体供給容器14は、各種液体塗料の調製及び計量の為の計量用指標、目盛り付きマーキング、又は他の計量ガイド又は混合ガイドを外側表面に沿って有してよい。実施形態によっては、各液体供給容器14は、折りたたみ式であってよい。即ち、中身の液体が出ていくにつれて、液体供給容器14の1つ以上の壁が折りたたまれてよい。他の実施形態では、各液体供給容器14は、重力送り動作を促進する為のフィルタ付き通気口、空気源、又は圧力平衡器を含んでよい。更に、実施形態によっては、液体塗料が液体供給容器36から出て吹き付け塗装銃12に入る際に液体塗料中の固形不純物を除去する為のフィルタ、メッシュ、又はスクリーンを備えてよい。
【0019】
図1に示された実施形態の各液体供給容器14は全て、液体塗料を収容するカップ部分30を含んでいる。各カップ部分30の上部には、蓋を取り付ける為の1つ以上のリップ32(例えば、環状リブ)があってよい。各カップ部分30の底部には、吹き付け塗装銃12の液体供給アセンブリ22の注入口嵌合部25との圧縮嵌合(又は干渉嵌合)を可能にするように構成された圧縮嵌合アダプタ34がある。
図1に示したように、各実施形態の液体供給容器14は、様々な圧縮嵌合アダプタ34を含んでいる。
【0020】
液体供給容器36の一実施形態では、圧縮嵌合アダプタ34は、カップ部分30の底部にあるテーパ部分38から延びている。圧縮嵌合アダプタ34は、同心のリング又は管状部分のペア(例えば、内側管状部分40及び外側管状部分42)を含んでいる。内側管状部分40は、吹き付け塗装装置12の液体供給アセンブリ22の注入口嵌合部25の内側と圧縮嵌合(又は干渉嵌合)するように構成されている。従って、アダプタ34の内側管状部分40は、カップ部分30から吹き付け塗装銃12の注入口嵌合部25へ液体塗料を出力するように構成された液体送出管40として機能することが可能である。アダプタ34の外側管状部分42は、安定化スリーブ42として機能するように構成されている。従って、外側管状部分42は、容器36を吹き付け塗装銃12に対して安定させるべく、注入口嵌合部25の外面の周囲に延びている。従って、注入口嵌合部25を内側管状部分40と外側管状部分42とで挟み込むことにより、吹き付け塗装銃12の動作中の圧縮嵌合を維持することが可能である。実施形態によっては、外側管状部分42は、略円形又は略楕円形状であってよく、液体供給容器36の、外側管状部分42以外の部分とは異なる材料(例えば、より丈夫な、且つ/又は、より硬い材料)で作成されてよい。実施形態によっては、外側管状部分42は、液体供給容器36のカップ部分30より実質的に厚い、且つ/又は、硬い壁を有してよい。一実施形態では、外側管状部分42は、外側管状部分42の底部より上部が略厚い壁(即ち、テーパ状の壁)を有してもよい。吹き付け塗装装置12の液体供給アセンブリ22に圧縮嵌合アダプタ34が接続されると、内側管状部分40(例えば、液体送出管)は、注入口嵌合部25の内側と圧縮嵌合して液体流路を与え、一方、外側管状部分42(例えば、安定化スリーブ)は、注入口嵌合部25の外側に巻き付くことにより、液体供給容器36を吹き付け塗装装置12に対して支持する。
【0021】
別の実施形態の液体供給容器44では、圧縮嵌合アダプタ34は、単一の管状部分40(例えば、液体送出管)のみを含んでいる。容器36と異なり、容器44には外側管状部分42(例えば、安定化スリーブ)がない。管状部分40は、吹き付け塗装装置12の液体供給アセンブリ22の注入口嵌合部25の内側と圧縮嵌合(又は干渉嵌合)するように構成されている。従って、アダプタ34の管状部分40は、カップ部分30から吹き付け塗装銃12の注入口嵌合部25へ液体塗料を出力するように構成された液体送出管40として機能することが可能である。管状部分40は又、容器44を吹き付け塗装銃12に対して支持及び安定化するように構成されている。実施形態によっては、管状部分40は、容器44の、管状部分40以外の部分より実質的に厚く、且つ/又は、硬くてよく、これによって、吹き付け塗装銃12との圧縮嵌合インタフェースが確実に安定する。例えば、管状部分40は、内部リブ又は補強材を含んでよい。
【0022】
別の実施形態の液体供給容器46では、圧縮嵌合アダプタ34は、単一の管状部分40(例えば、液体送出管)が複数の安定化突起物48によって取り囲まれている。この場合も、管状部分40は、吹き付け塗装装置12の液体供給アセンブリ22の注入口嵌合部25の内側と圧縮嵌合(又は干渉嵌合)するように構成されている。従って、アダプタ34の管状部分40は、カップ部分30から吹き付け塗装銃12の注入口嵌合部25へ液体塗料を出力するように構成された液体送出管40として機能することが可能である。安定化突起物48は、容器46において、外側管状部分42(例えば、安定化スリーブ)に取って代わり、外側管状部分42と同等の機能を果たす。従って、安定化突起物48は、容器46を吹き付け塗装銃12に対して安定させるべく、注入口嵌合部25の外面の周囲に延びている。従って、注入口嵌合部25を安定化突起物48と管状部分40とで挟み込むことにより、吹き付け塗装銃12の動作中の圧縮嵌合を維持することが可能である。安定化突起物48は、管状部分40の周囲に均等に配置してよく、突起物48の数、サイズ、及び形状は任意であってよい。例えば、突起物48の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上であってよい。図示された実施形態では、アダプタ34は、4個の安定化突起物48が均等に配置されており、突起物48間の間隔はかなり広い。他の実施形態では、突起物48の間隔がより小さくてもよい。例えば、突起物48を形成するにあたり、容器36の外側管状部分42に複数のスリットを作成して、密集した突起物48としてよい。実施形態によっては、安定化突起物48は、液体供給容器46の、突起物48以外の部分と異なる材料(例えば、より丈夫な、且つ/又は、より硬い材料)から作成してよい。更に、安定化突起物48は、液体供給容器46のカップ部分30より実質的に厚い構造であってよい。吹き付け塗装装置12の液体供給アセンブリ22に圧縮嵌合アダプタ34が接続されると、管状部分40(例えば、液体送出管)は、注入口嵌合部25の内側と圧縮嵌合して液体流路を与え、一方、安定化突起物48は、注入口嵌合部25の外側の周囲に延びることにより、液体供給容器46を吹き付け塗装装置12に対して支持する。
【0023】
図2は、吹き付け塗装銃12及び取り付けられた液体供給容器36の一例示的実施形態を示す。図に示すように、容器36は、注入口嵌合部25の内側に内側管状部分40が差し込まれることにより、吹き付け塗装銃12と圧縮嵌合しており、容器36は、注入口嵌合部25を取り囲む外側管状部分42によって安定化されている。圧縮嵌合インタフェースの実施形態については、後で
図3から
図5を参照して詳述する。
【0024】
図2に示したように、吹き付け塗装銃12は、ボディ102と結合された吹き付け先端アセンブリ100を含んでいる。吹き付け先端アセンブリ100は、液体送出先端アセンブリ104を含んでおり、液体送出先端アセンブリ104は、ボディ102のレセプタクル106に、取り外し可能に差し込まれてよい。吹き付け先端アセンブリ100は又、液体送出先端アセンブリ104と結合された吹き付け形成アセンブリ108を含んでいる。吹き付け形成アセンブリ108は、様々な吹き付け形成機構を含んでよく、例えば、空気式、回転式、及び/又は静電式の機構を含んでよい。しかしながら、図示された吹き付け形成アセンブリ108は、止め輪112を介してボディ102に取り外し可能に固定された空気噴霧キャップ110を含んでいる。空気噴霧キャップ110は、様々な空気噴霧オリフィスを含んでおり、例えば、液体送出先端アセンブリ104から液体先端出口116の周囲に配置された中央噴霧オリフィス114を含んでいる。空気噴霧キャップ110は又、1つ以上の吹き付け整形オリフィスを有してよく、例えば、強制的な吹き付けにより所望の吹き付けパターン(例えば、フラット吹き付け)を形成する吹き付け整形オリフィス118を有してよい。吹き付け形成アセンブリ108は又、所望の吹き付けパターン及び液滴分布を与える、他の様々な噴霧機構を含んでよい。
【0025】
吹き付け塗装銃12のボディ102は、吹き付け先端アセンブリ100用の様々な制御つまみ及び供給機構を含んでいる。図に示したように、ボディ102は、注入口嵌合部25から液体送出先端アセンブリ104に延びる液体流路128を有する液体供給アセンブリ22を含んでいる。液体供給アセンブリ22は又、液体流路128を通って液体送出先端アセンブリ104に達する液体の流れを制御する液体弁アセンブリ132を含んでいる。図示された液体弁アセンブリ132は、ボディ102を通って液体送出先端アセンブリ104と液体弁調節器26との間に移動可能に延びるニードル弁134を有している。液体弁調節器26は、ニードル弁134の後部140と、液体弁調節器26の内側部分142との間に配置されたばね138に対して回転自在に調節可能である。ニードル弁134は又、トリガ20と結合されており、トリガ20を、ピボットジョイント146を中心に反時計回りに回転させると、ニードル弁134は、液体送出先端アセンブリ104から遠ざかって内側に動くことが可能である。しかしながら、内側又は外側に開くことが可能な任意の好適な弁アセンブリであれば、本開示の実施形態の範囲内で使用可能である。液体弁アセンブリ132は又、ニードル弁134とボディ102との間に様々なパッキングアセンブリ及びシールアセンブリ(例えば、パッキングアセンブリ148)が配置されていてよい。
【0026】
ボディ102内には又、空気源アセンブリ150が配置されており、これは、吹き付け形成アセンブリ108での噴霧化を促進する。図示された空気源アセンブリ150は、空気取入口18の空気取入口継手152から空気流路154及び156を介して空気噴霧キャップ110まで延びている。空気源アセンブリ150は又、吹き付け塗装銃12を通る空気の圧力及び流れを維持及び調整すべく、様々なシールアセンブリ、空気弁アセンブリ、及び空気弁調節器を含んでいる。例えば、図示された空気源アセンブリ150では、トリガ20に空気弁アセンブリ158が結合されていて、トリガ20がピボットジョイント146を中心に回転すると、空気弁アセンブリ158が開いて、空気が空気流路154から空気流路156に流れるようになっている。空気源アセンブリ150は又、空気噴霧キャップ110への空気の流れを調整すべく、空気弁調節器28を含んでいる。図に示したように、トリガ20は、液体弁アセンブリ132及び空気弁アセンブリ158の両方と結合されており、トリガ20をボディ102の握り部16に向かって引いたときに、液体及び空気が同時に吹き付け先端アセンブリ100に流れるようになっている。トリガが引かれると、吹き付け塗装銃12は、所望の吹き付けパターン及び液滴分布で噴霧化された吹き付けを形成する。
図2に示した実施形態では、空気源160が、空気導管162を介して、空気取入口継手152と結合されている。空気源160の実施形態は、空気圧縮機、圧縮空気タンク、圧縮不活性ガスタンク、又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0027】
図示された重力送り液体供給容器36は、略円筒形状又は略円錐形状である。しかしながら、液体供給容器36は、個々の用途に応じた任意の好適な形状であってよい。液体供給容器36は、容器36のカップ部分30を覆うシーリングカバー又は蓋164の取り付けが容易になるように、1つ以上のリップ32(例えば、環状リブ)を含んでいる。例えば、蓋164は、リップ32を介してカップ部分30にスナップ嵌合してよい。一実施形態では、シーリング蓋164は、液体供給容器36の、シーリング蓋164以外の部分と同様の材料から作成されており、1回の使用又は限定された回数の使用の後に使い捨て及び/又は再利用が可能であってよい。カップ部分30は、液体吐出口166及び圧縮嵌合アダプタ34まで延びている。
図1を参照して既に説明したように、容器36の圧縮嵌合アダプタ34は、内側管状部分40及び外側管状部分42を含んでおり、内側管状部分40は、液体送出管として機能し、外側管状部分42は、安定化スリーブとして機能する。従って、内側管状部分40は、注入口嵌合部25内まで延びて、注入口嵌合部25との干渉嵌合又は圧縮嵌合を形成する。外側管状部分42は、注入口嵌合部25の外面の周囲に延びて、注入口嵌合部25と内側管状部分40との間の圧縮嵌合を維持する為の支持及び安定性を与える。例えば、外側管状部分42は、注入口嵌合部25に対する容器36の横方向の動き、回転、又は旋回を実質的に抑制又は阻止することが可能である。この圧縮嵌合のインタフェースが形成されると、圧縮嵌合アダプタ34の内側管状部分40(例えば、液体送出管40)は、液体供給容器36内に配置された液体塗料168が注入口嵌合部25を通って液体供給アセンブリ22の液体流路128に流入する為の流路を与える。実施形態によっては、液体吐出口166及び/又は内側管状部分40は、液体塗料168が容器36から吹き付け塗装銃12に流れる際に液体塗料168中の固形不純物を除去する為のフィルタ、メッシュ、又はスクリーンを含んでよい。
【0028】
図3は、吹き付け塗装銃12の液体供給アセンブリ22に液体供給容器202が結合されているシステム200の一例示的実施形態を示す。図示された実施形態では、液体供給容器202のカップ部分30が、テーパ部分38まで延びていて、更に、圧縮嵌合アダプタ34及び液体吐出口166まで延びている。
図1の容器36と同様に、圧縮嵌合アダプタ34は、内側管状部分40及び外側管状部分42を含んでおり、これらは、同軸又は同心の配置で容器202の底面から突出している。図に示したように、外側管状部分42は、内側管状部分40を、あるオフセット距離をおいて取り囲むことにより、中間環状空間204を定義している。注入口嵌合部25は、中間環状空間204にちょうど収まることにより、注入口嵌合部25とアダプタ34との間に、安定した圧縮嵌合インタフェースを達成する。
【0029】
液体供給アセンブリ22の注入口嵌合部25は、内側部分206(例えば、内側表面又は液体流路)及び外側部分208(例えば、外側表面)を含んでいる。注入口嵌合部25の内側部分206は、吹き付け塗装銃12の液体流路128内につながっており、これによって、液体塗料が液体供給容器202から吹き付け塗装銃12に流れる為の流路210が与えられる。注入口嵌合部25の外側部分208は、非圧縮容器固着機構(例えば、ねじ、ロック用スロット又は溝、又は他の非圧縮型留め具)を有しており、これは、特定容器(図示せず)上の、嵌合する非圧縮容器固着機構と特定的に接続される。例えば、外側部分208は、その接続がねじ式接続であるように、別の容器(図示せず)にある雌ねじとインタフェースするように設計された雄ねじを含んでよい。別の例として、外側部分208は、その接続がツイストロック接続であるように、別の容器(図示せず)にある、嵌合するツイストロック機能(例えば、一対のピン)とインタフェースするように設計されたツイストロック機能(例えば、弧状スロット)を含んでよい。いずれの場合も、外側部分208は、注入口嵌合部25と容器とを接続する圧縮嵌合(又は干渉嵌合)に依存するようには設計されていない。
【0030】
それにもかかわらず、図示された圧縮嵌合アダプタ34は、注入口嵌合部25と容器202との間の圧縮嵌合インタフェース(又は干渉嵌合インタフェース)を可能にする。例えば、内側管状部分40(例えば、液体送出管)は、注入口嵌合部25の内側部分206にちょうど収まるように構成された圧縮インタフェース212を含んでいる。実施形態によっては、圧縮インタフェース212は、表面が円柱状、円錐状、又は略テーパ状であってよい。例えば、圧縮インタフェース212は、内側管状部分40の先端214から基部216にかけて直径が小さくなってよい。圧縮インタフェース212の実施形態によっては、先端214と基部216との間のテーパ角度がおおよそ1度から10度、又は1度から5度、又は1度から2度であってよい。このように、圧縮インタフェース212は、内側管状部分40と注入口嵌合部25の内側部分206との間の圧力(又は圧縮嵌合)を徐々に強くすることが可能である。更に、先端214から基部216にかけて、内側管状部分40の壁厚218を徐々に増やしてよい。その結果、内側管状部分40は、先端214の近くでは、より弾性があるか、より圧縮可能であることになり、基部216の近くでは、徐々に硬くなり、圧縮しにくくなることになる。このように、壁厚218は、内側管状部分40と注入口嵌合部25の内側部分206との間の印加圧力(又は圧縮嵌合)を更に強くすることが可能である。
【0031】
圧縮嵌合アダプタ34の外側環状部分42(例えば、安定化スリーブ)は、液体供給容器202を、吹き付け塗装銃12に対して支持及び安定化すべく、注入口嵌合部25の外側部分208を取り囲んでいる。例えば、外側環状部分42は、注入口嵌合部25の外側部分208の非圧縮容器固着機構を特に使用しないが、この非圧縮容器固着機構の周囲に延びてよい。例えば、外側部分208がねじを含む場合、外側管状部分42は、ねじを含まなくてよい。別の例として、外側部分208がツイストロック機能を含む場合、外側管状部分42は、嵌合するツイストロック機能を含まなくてよい。代わりに、外側管状部分42は、注入口嵌合部25の外側部分208を押さえ込むだけで、矢印220で示されるような横方向の動きを阻止することが可能である。このように、内側管状部分40及び外側管状部分42は、基本的に注入口嵌合部25を押さえ込むことにより、圧縮嵌合インタフェースをより安定させることが可能である。
【0032】
図4は、吹き付け塗装銃12の液体供給アセンブリ22に液体供給容器242が結合されているシステム240の一例示的実施形態を示す。図示された実施形態では、液体供給容器202のカップ部分30が、テーパ部分38まで延びていて、更に、圧縮嵌合アダプタ34及び液体吐出口166まで延びている。
図3の容器202と同様に、圧縮嵌合アダプタ34は、内側管状部分40及び外側管状部分42を含んでおり、これらは、同軸又は同心の配置で容器242の底面から突出している。図に示したように、外側管状部分42は、内側管状部分40を、あるオフセット距離をおいて取り囲むことにより、中間環状空間204を定義している。注入口嵌合部25は、中間環状空間204にちょうど収まることにより、注入口嵌合部25とアダプタ34との間に、安定した圧縮嵌合インタフェースを達成する。更に、図示された実施形態では、外側管状部分42は、ロック機能又はポジティブストップ244(例えば、リップ、リブ、又は突起物)を含んでいる。
【0033】
図示されたロック機能244は、アダプタ34の外側管状部分42が注入口嵌合部25の外面上をスライドしていくと所定位置でカチッとロックされるように構成されている。実施形態によっては、ロック機能244は、外側管状部分42(例えば、安定化スリーブ)の先端部分246に配置されてよく、アダプタ34の軸248に向かって半径方向内向きに延びてよい。ロック機能244は、外側管状部分42の内面を巡って配置された単一の環状リブであってよい。或いは、ロック機能244は、外側管状部分42の内面を巡って配置された1つ以上の離散的なリップ又は突起物を含んでよい。更に、ロック機能244は、湾曲形状(例えば、U字形断面)、又はテーパ形状(例えば、V字形断面)、又は矩形形状であってよい。アダプタ34が注入口嵌合部25と接続されている間、外側管状部分42は、注入口嵌合部25の外側部分208の周囲に弾性的に延びることが可能であり、これによって、ロック機能244が外側部分208に沿ってスライドすることが可能になる。ロック機能244は、注入口嵌合部25の棚状突起又は突き当たり面250に達すると、外側管状部分42の弾力によってカチッとロックされることが可能である(即ち、軸248に向かって半径方向内向きに動くことが可能である)。こうして、ロック機能248は、アダプタ34が嵌合部25から抜けるのを防ぐことにより、内側管状部分40と内側部分206との圧縮嵌合の維持を支援することが可能である。
【0034】
図5は、吹き付け塗装銃12の液体供給アセンブリ22に液体供給容器282が結合されているシステム280の一例示的実施形態を示す。図示された実施形態では、液体供給容器282のカップ部分30が、テーパ部分38まで延びていて、更に、圧縮嵌合アダプタ34及び液体吐出口166まで延びている。
図1〜4の容器と同様に、圧縮嵌合アダプタ34は、管状部分40を含んでおり、管状部分40は、基部216から先端214にかけて容器282の底面から突出している。しかしながら、図示された圧縮嵌合アダプタ34には、外側管状部分42(例えば、安定化スリーブ)がなく、注入口嵌合部25との圧縮嵌合の形成を管状部分40にのみ依存している。
【0035】
図1から
図5に図示し、ここまで詳細に説明してきたように、本開示の実施形態は、使い捨ての、且つ/又は、再利用可能な容器を、様々な吹き付け塗装銃とともに、シンプル且つタイムリーに使用することを可能にする。特に、本開示の実施形態は、非圧縮容器固着機構との接続が可能な圧縮嵌合を採用している。その結果、作業者は、固着機構を取り替えることが不要であり、むしろ、非圧縮容器固着機構を所定場所に残したまま、一時的な圧縮嵌合を形成することが可能である。圧縮嵌合アダプタを有する容器の使用後、その容器を、洗浄せずに廃棄しよく、その後、作業者は、非圧縮容器固着機構と特定的にインタフェースする別のタイプの容器に戻してよい。
【0036】
本明細書では、本発明の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば、様々な修正や変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのような修正や変更のうち、本発明の真の趣旨の範囲内にあるものをすべて包含するものであると理解されたい。