【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の概略構成図であり、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1は、基本的には、未使用時にはロール式に巻き取り格納されるシートと、使用時には、当該シートを天井付き格納ボックスから引き出す吊り下げ用索具類と、格納ボックスから引き出されたシートを展開する展開用索具類の2種類の索具類から構成される。
【0015】
図1において、符号1は、実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備、2は、カーゴホールド、3は、船側外板、4は、ハッチカバー、5は、天井付格納ボックス、6は、シート、7a、7b、7cは、壁付ガイドレール、8〜10は、シート6の展開用の索具である壁付シャックル、滑車、展開ワイヤーであり、8は、壁付シャックル、9は、滑車、10は、展開ワイヤー、11a、11bは、前記シート6の引き出し側両端に設けられ、前記展開ワイヤー10が係合されるアイプレート、12は、吊り下げワイヤーである。
【0016】
本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6は、格納時には、前記カーゴホールド2の前端又は後端の天井裏に設けた前記天井付格納ボックス5内に格納されており、使用時には、デッキクレーンまたはデリックなどの既設の本船荷役装置(以後、「第1のクレーン」という)を利用する前記吊り下げワイヤー12に吊り下げられ、使用位置まで垂直方向に巻き取られた状態のシート6を降下させた後、前記壁付ガイドレール7に挿通させ水平方向にシート6を展開する。
【0017】
図2は、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6を第1クレーン等で吊り下げ、適宜の高さ位置に降下させる概略図であり、
図2において、6は、前述の巻き取られたシートであり、12は、吊り下げワイヤー、13は、前記第1のクレーン、14は、同第1のクレーン13のフックである。
【0018】
図2から明らかなように、巻き取られたシート6は、上述するように、前記天井付格納ボックス5内に格納されており、前記カーゴホールド2内に鋼材等の貨物が積み込まれ、当該貨物等を効率的に温度制御をしなければならない必要が生じたときには、前記第1のクレーン13の前記フック14を前記吊り下げワイヤー12に掛けて前記格納ボックス5から出して適宜の位置まで降下させる。
【0019】
ここで、適宜の高さ位置とは、また、
図1から明らかなように、前記カーゴホールド2の側壁、例えば、前記船側外板内壁と中央側壁には、高さ方向に一又は複数の前記壁付ガイドレール7a、7b、7c・・が設けられ、これらの壁付ガイドレール7a、7b、7c・・・は、同じ高さで前記シート6の幅方向反対側端部が対として挿通される構造となっている。そこで、適宜の高さ位置、例えば、前記壁付ガイドレール7aの高さ位置までシート6を降下させた後、次いで、上述するように、前記シート6の両端を側部に設けられる前記壁付ガイドレール7aに挿通支持させ、その状態で前記第2のクレーン等(図示外)により前記展開ワイヤー10を牽引して、前記シート6を展開する。展開後のシート6は、その前後端に設けられるアイプレート11a、11b、11c、11dによって固定し、船側側は前記壁付ガイドレール7によって拘束されて固定される。
【0020】
次に、適宜の高さ位置で、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6を水平方向への展開について説明する。
図3は、適宜の高さ位置で、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6を水平方向へ展開する概略を示す図であり、
図3において、符号6は、巻き取り状態から水平方向に展開されたシート、7は、壁付ガイドレール、8は、壁付シャックル、9は、滑車、10は、展開ワイヤー、11a、11b、11c、11dは、アイプレート、15は、前記シートの引き出し端に形成された硬棒、16は、第2のクレーン、17は、同フック、18c、18dは、壁付フックである。
【0021】
図3から明らかなように、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1において、前記シート6を展開するには、前記シート6の引き出し側両端に設けられる前記アイプレート11a、11bに前記展開ワイヤー10を係合させ、前記カーゴホールド2外に設けられる前記デッキクレーンまたはデリックなどの既設の他の本船荷役装置(以後、「第2のクレーン等16」という)を利用して、前記カーゴホールド2のハッチ口から前記展開ワイヤー10を引き上げ、前記シート6を水平方向に牽引することによって、断面コの字型に形成される前記壁付ガイドレール7に前記シート6の両幅端が支持され、展開される。
展開された後は、前記シート6の端部に形成される前記アイプレート11a、11b、11c、11dを前記壁付フック18a、18b、18c、18dでしっかりと固定する。
【0022】
また、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6は、使用されない場合には、内部に装着されるゼンマイバネ等によって巻き取られる構造に構成され、シート6が使用されない場合の前記天井付格納ボックス5への格納作業は、上述してきた展開作業の逆の手順となり、前記シート6は、シート6内部に組み込まれたゼンマイバネを駆動源として巻き取られる。
【0023】
図4は、所定の回転方向に回転復帰するゼンマイバネ板を所定間隔で内部に配置した前記シート6を概略を示す図であり、
図4において、6は、前記シート、7は、前記壁付ガイドレール、11a、11b、11c、11dは前記アイプレート、18a、18b、18c、18dは、前記壁付フック、19a、19b、19c、19dは、ゼンマイバネ板である。
【0024】
図4から明らかなように、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6は、内部には引き出し方向に対し所定間隔で所定幅の前記ゼンマイバネ板19a、19b、19c、19dが設けられ、当該ゼンマイバネ板19a、19b、19c、19dは、前記アイプレート11a、11b、11c、11dが前記壁付フック18a、18b、18c、18dの固定が外され、前記シート6が、前記第1のクレーン13に係合された前記吊り下げワイヤー12で上方に引かれると、前記壁付ガイドレール7の挿通から抜け出た前記シート6は、前記ゼンマイバネ板19a、19b、19c、19dの回転復帰により、自然に巻き取り動作が生じ、前記シート6が巻き取り状態となる。巻き取り完了後の巻き取られたシート6は、上述するように、前記第1のクレーン13により、前記天井付格納ボックス5内に格納される。
【0025】
なお、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6の巻き取り方向は、
図1及び
図2では、図からにみて時計廻りに巻き取られる巻き取りゼンマイバネ板19a、19b、19c、19dを使用したが、これは反時計回りに巻き取られるゼンマイバネ板19a、19b、19c、19dであっても良く、また、回動復帰の機能を有するゼンマイバネ板構造ではなく、一端の中心軸を中心にモータ駆動等(図示外)で回動して巻き取る巻き取り構造のものであっても良い。
さらに、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1の前記シート6について、シート材料を防熱材料とすれば、温度制御効果が一層高まることとなる。
【0026】
図5は、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1によるカーゴホールド内の温度制御区画内の温風の循環状態の概略を示す図であり、
図5において、1は、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備、2は、カーゴホールドであり、
図6、
図7で説明してきたカーゴホールド100と同じものである。また、4は、ハッチカバーであり、
図6、
図7では、ハッチカバー102として説明した。その余の103〜108は、
図6、
図7で説明した同じ部材であり、
図6、
図7で示したと同様に、カーゴホールド2内を循環する温風を太矢印で示している。
【0027】
本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1は、カーゴホールド2内の温度制御の必要のないときには、前記天井付格納ボックス5に巻き取り状のシート6を格納しておく一方、前記船側外板内壁と中央側壁には、高さ方向に一又は複数の前記壁付ガイドレール7a、7b、7c・・を設け、積載する貨物の量に応じた区域の温度制御を行うときには、前記巻き取られたシート6を前記第1クレーン13及び前記吊り下げワイヤー12を使用して、積載する貨物の量に応じた高さ位置の前記壁付ガイドレール(例えば、壁付ガイドレール7a)まで吊り降ろし、しかる後、その位置で、前記シート6の引き出し端に設けられた前記アイプレート11a、11bに前記展開ワイヤー10を係合させ、かつ、当該シート6の幅両端を前記壁付ガイドレール7aに挿通させた後、水平方向に牽引して前記シート6を展開させ、所定の高さ位置で当該カーゴホールド2を区切るようにする。
【0028】
なお、シート6の展開の際には、当該シート6の巻心が牽引方向に流れないように、図示してないが、水平方向への牽引の反対側の壁の適宜の高さ位置(例えば、前記壁付ガイドレール7a、7b・・等の高さ位置)に壁付フック(図示外)を設け、当該シート6を支えるようにしても良い。
シート6の展開の後は、前記アイプレート11a、11b、11c、11dの近傍の前記壁付フック18a、18b、18c、18dに係合させて固定する。
このようにシート6は、温度制御を必要とする適宜の高さ位置で展開されることにより、
図5に示すように、前記ヒーター104及び前記ファン105を駆動することにより、前記カーゴホールド2内において、特に、温度制御を必要とする区画での温風が循環することを可能とした。
【0029】
この結果、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1では、1層甲板船であっても、狭い領域の温度制御が可能となり、温風の供給口107から排出口108に直接温風が通り抜けてしまうショートサーキットが発生することなく、また、貨物の積載量に応じた温度制御が必要な区域だけに温風を送り込むことができるために、本実施例1に係る船舶のカーゴホールド加熱装置の補助設備1では、船倉用の温風装置を極めて効率的なシステムとし構成することができ、これにより、船舶の消費燃料の低減、経済的な運航を達成することができる。また、シート6に防熱材料を使用することで、放熱量が抑えられるので、必要とされる熱量を大きく減じることが可能であり、大きな燃費削減効果があり、さらには、シート6を前記壁付ガイドレール7に挿通させる構造としたので、外気の侵入を少なくし、昼の高温多湿の外気侵入を防ぐことができ、夜間の外気温が低減した場合でも積荷鋼材等の結露を防止することができることとなる。