(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の1つの例を示すものであって、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。また同一の構成要素には同一の参照符号を付けて、重複する説明を省略する。
【0010】
<1.第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る建物の床の構造を示す断面図である。
図1(A)は、冬期に行われる暖房モードを示し、
図1(B)は、夏期に行われる冷房モードを示す。
図2は、
図1に示される床の構造を示す平面図である。
【0011】
図1に示されるように、第1の実施形態に係る建物の床の構造は、第1の板11と、第2の板12と、第3の板13と、第4の板14と、蓄熱部材20と、ペルチェユニット30と、を具備している。ペルチェユニット30は、ペルチェ素子15と、送風ファン31と、送風ファン32と、モーター33と、モーター34とを含む。
【0012】
第1の板11は、基礎(図示せず)と根太16との間に配置された板であり、第1の板11より下は床下空間となっている。本明細書において、床下空間は屋外に属するものとして説明する。
【0013】
第2の板12は、第1の板11より上(屋内側)に、第1の板11に対向して配置されている。第2の板12は、開口部を有しており、この開口部にペルチェ素子15が嵌め込まれている。ペルチェ素子15は、直流電源に接続されることにより第2の板12の厚さ方向(上下方向)に熱移動するように配置されている。
【0014】
第3の板13は、第2の板12より上(屋内側)に、第2の板12に対向して配置されている。
第4の板14は、第3の板13より上(屋内側)に、第3の板13に対向して配置されている。第4の板14は、例えばフローリングを構成する板であってもよい。
【0015】
蓄熱部材20は、第3の板13と第4の板14との間に配置されている。蓄熱部材20は、潜熱蓄熱部材であってもよい。潜熱蓄熱部材は、例えば、固相と液相との間の相変化において、一定の温度を保ちつつ大量の熱を吸収又は放出する部材である。例えば、相変化温度が約20℃である潜熱蓄熱部材を用いた場合には、外部の気温が25℃から15℃に変化したときでも、潜熱蓄熱部材は20℃未満になりにくく、長時間にわたって約20℃の状態を維持できる。あるいは、蓄熱部材20は、顕熱蓄熱部材であってもよい。顕熱蓄熱部材として、セラミックスが用いられてもよい。セラミックスは、ムライト、コージライト、ジルコニア、SiC、ゼオライト、シラスのうちのいずれかを含むものが好ましい。あるいは、蓄熱部材20は、化学蓄熱部材であってもよい。
【0016】
ペルチェ素子15は、直流電源(図示せず)に接続されることにより、一方の面から他方の面への熱移動を行う。上記一方の面が吸熱面(低温)となり、上記他方の面が放熱面(高温)となる。直流電源によるペルチェ素子15への印加電圧の極性を反転させることにより、吸熱面と放熱面とを入れ替えることができる。
図1(A)は、上側を放熱面とすることにより冬期の暖房を実現する場合を示し、
図1(B)は、上側を吸熱面とすることにより夏期の冷房を実現する場合を示している。ペルチェ素子15は、放熱面及び吸熱面となる面に複数のひだ(図示せず)を有していてもよい。
【0017】
第1の空気流発生装置としての送風ファン31は、第1の板11と第2の板12との間に、ペルチェ素子15に近接して配置されている。第2の空気流発生装置としての送風ファン32は、第2の板12と第3の板13との間に、ペルチェ素子15に近接して配置されている。送風ファン31は、モーター33に連結され、送風ファン32は、モーター34に連結されている。モーター33及び34がそれぞれ送風ファン31及び32を回転させることにより、送風ファン31及び32は、ペルチェ素子15の吸熱面の付近と放熱面の付近とに空気流を発生させる。空気流により、ペルチェ素子15の吸熱面による吸熱が促進され、放熱面による放熱が促進される。
【0018】
第1の実施形態においては、送風ファン31及び32が、第2の板12に対する平面視でペルチェ素子15と重なる位置に、ペルチェ素子15を挟んで配置され(
図2参照)、且つ、送風ファン31及び32が第2の板12の厚さ方向と平行な方向に空気流を発生させるように配置されている。これによれば、送風ファン31及び32がペルチェ素子15に強い空気流を当てることができる。送風ファン31は、送風ファン32よりも大きく、送風能力の高いファンであることが望ましい。
【0019】
図1(A)に示されるように上側を放熱面とした場合は、第2の板12と第3の板13との間の空間が、ペルチェ素子15により暖められる。そして、第3の板13を介した熱伝導により、蓄熱部材20に熱が供給され、蓄熱部材20に熱が蓄えられる。蓄熱部材20に蓄えられた熱は、時間をかけて床上空間に放出され、床上空間の暖房が実現される。第1の実施形態による暖房は、温風の発生による暖房効果よりも、蓄熱部材20から床上空間への輻射による暖房効果を主としている。このような輻射による暖房効果により、利用者の身体への悪影響が小さく身体に優しい暖房を実現できる。また、ペルチェ素子15を用いた暖房は、電流によって発生するジュール熱だけでなく、吸熱面において吸収した熱も用いているので、小さなエネルギーで高い暖房効果を得ることができる。
【0020】
図1(A)において、第1の板11と第2の板12との間の空間は、ペルチェ素子15により冷却される。第1の板11と第2の板12との間の空間に、温度センサー(図示せず)が設けられてもよく、床下空間にも、別の温度センサー(図示せず)が設けられてもよい。第1の板11と第2の板12との間の空間の温度が、床下空間の温度より低くなった場合には、第1の板11に設けられた換気口(図示せず)を開いて、第1の板11と第2の板12との間の空間を換気してもよい。第1の板11と第2の板12との間の空間を強制的に排気する送風ファン35が設けられてもよい。送風ファン35は、第1の板11と第2の板12との間の空間における空気の循環を助けるものであってもよい。
【0021】
第1の板11と第2の板12との間隔は、第2の板12と第3の板13との間隔よりも大きくなっている。これにより、第1の板11と第2の板12との間の空間とペルチェ素子15との間の熱移動を効率よく行うことができる。
【0022】
第2の板12と第3の板13との間の空間には、温度センサー(図示せず)が設けられてもよく、床上空間にも、別の温度センサー(図示せず)が設けられてもよい。第2の板12と第3の板13との間の空間の温度が、床上空間の温度より十分に高くなった場合には、給気口(図示せず)を開いて、第2の板12と第3の板13との間の空間から床上空間に暖気を供給してもよい。
【0023】
図1(B)に示されるように上側を吸熱面とした場合は、第2の板12と第3の板13との間の空間が、ペルチェ素子15により冷却される。そして、蓄熱部材20に蓄えられていた熱は、第3の板13を介した熱伝導により、第2の板12と第3の板13との間の空間に放熱される。これにより、蓄熱部材20が冷却され、床上空間の冷房が実現される。第1の実施形態による冷房は、冷風の発生による冷房効果よりも、蓄熱部材20から床上空間への輻射が小さいことによる冷房効果を主としている。輻射が小さいことによる冷房効果とは、次のような意味である。あらゆる物体は、その温度と放射率とに応じて輻射熱を発しているが、物体から身体に向けて発せられる輻射熱が小さい場合には、身体に冷房効果が得られる。この冷房効果は、例えば、トンネルの内部とトンネルの外部とで気温が同じであっても、トンネルの内部では涼しく感じられるのと同じ原理による。このような、輻射が小さいことによる冷房効果により、利用者の身体への悪影響が小さく身体に優しい冷房を実現できる。また、ペルチェ素子15を用いた冷房は、同じ気温でも涼しく感じられるので、小さなエネルギーで高い冷房効果を得ることができる。
【0024】
図1(B)において、第1の板11と第2の板12との間の空間は、ペルチェ素子15により加熱される。第1の板11と第2の板12との間の空間の温度が、床下空間の温度より高くなった場合には、第1の板11に設けられた換気口(図示せず)を開き、必要に応じて送風ファン35を稼働させて、第1の板11と第2の板12との間の空間を換気してもよい。
【0025】
上述のように、第1の板11と第2の板12との間隔は、第2の板12と第3の板13との間隔よりも大きくなっている。これにより、第1の板11と第2の板12との間の空間とペルチェ素子15との間の熱移動を効率よく行うことができる。
【0026】
ペルチェ素子15は、吸熱面において吸熱する熱量よりも、放熱面において放熱する熱量が約1.5倍となるので、夏期の冷房運転時には、放熱面から効率的に放熱させることが必要である。本実施形態によれば、第1の板11と第2の板12との間隔は、第2の板12と第3の板13との間隔の1.2倍以上、2.5倍以下とされ、好ましくは、1.5倍とされる。さらに、送風ファン31は、送風ファン32よりも大きく、送風能力の高いファンとされる。これにより、夏期の冷房運転時には、放熱面から効率的に放熱させることができる。第1の板11を取り外し、第2の板12より下の空間を床下としてもよい。
【0027】
第2の板12と第3の板13との間の空間の温度が、床上空間の温度より低くなった場合には、給気口(図示せず)を開いて、第2の板12と第3の板13との間の空間から床上空間に冷気を供給してもよい。
【0028】
<2.第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る壁の構造を示す。
図3(A)は断面図であり、
図3(B)は正面図である。第2の実施形態においては、蓄熱部材22が、第2の板12と第3の板13との間の空間において、第3の板13に取り付けられている。第4の板14(
図1)は、なくてもよい。第3の板13と第4の板との間に配置された蓄熱部材20(
図1)も、なくてもよい。第3の板13の屋内側の面には、内装仕上材13aが塗布されている。また、第1の板11の屋外側の面には、外装仕上材11aが、第1の板11と間隔を空けて、第1の板11と対向して設けられている。第1の板11と外装仕上材11aとの間の空間には、断熱材(図示せず)が配置されていてもよい。第1の板11と第3の板13との間の空間には、柱19が配置されていてもよい。
【0029】
蓄熱部材22としては、顕熱蓄熱部材である珪藻土と漆喰とシラスとの混合物に、小石程度の大きさのカプセルに封入された化学蓄熱部材が練り込まれたものが、用いられてもよい。なお、シラスは、マグマが岩石となる前に粉末となった物質である。シラスは、九州南部一帯の地層から採取することができる。珪藻土と漆喰とシラスとの混合物は、湿度調節機能や、有害ガス又は臭気の吸収機能にも優れている。例えば、第3の板13に型枠22aを取り付け、この型枠22aの内側に、珪藻土と漆喰とシラスとの混合物を塗り付けて乾燥させることにより、蓄熱部材22を施工してもよい。また、珪藻土と漆喰とシラスとの混合物を、内装仕上材13aとして用いることにより、内装仕上材13aに、蓄熱機能、湿度調節機能、及び、有害ガス又は臭気の吸収機能を発揮させてもよい。
【0030】
図3において、蓄熱部材22が第3の板13に取り付けられているが、蓄熱部材22は、第2の板12と第3の板13との間の空間において、第2の板12に取り付けられてもよい。また、蓄熱部材22は、第2の板12と第3の板13との両方に接していてもよい。
他の点については、第1の実施形態に示された床の構造と同様である。
【0031】
<3.第3の実施形態>
図4は、本発明の第3の実施形態に係る壁の構造を示す。
図4(A)は断面図であり、
図4(B)は正面図である。第3の実施形態においては、第3の板13の屋内側の面には、内装仕上材13bが、第3の板13と間隔を空けて、第3の板13と対向して設けられている。また、第1の板11の屋外側の面には、外装仕上材11bが、第1の板11と間隔を空けて、第1の板11と対向して設けられている。
【0032】
第3の板13には、開口13xが形成されている。この開口13xにより、暖房運転時には暖気が、冷房運転時には冷気が、第3の板13と内装仕上材13bとの間の空間に流入することができる。第3の板13と内装仕上材13bとの間の空間に流入した暖気又は冷気は、内装仕上材13bに形成される別の開口(図示せず)を介して、屋内の空間に流入できるようになっていてもよい。暖気又は冷気が屋内に流入しても、内装仕上材13bによって空気流が和らげられるので、空気流による身体への悪影響を低減することができる。
【0033】
蓄熱部材23、24及び25が、第2の板12と第3の板13との間の空間に配置されていてもよい。蓄熱部材23、24及び25は、互いに異なる相転移温度を有している。例えば、蓄熱部材23は、夏期の冷房の設定温度として推奨される28℃付近に相転移温度を有していてもよい。また、蓄熱部材24は、冬期の暖房の設定温度として推奨される20℃付近に相転移温度を有していてもよい。また、蓄熱部材25は、夏期と冬期とに共用できるように、24℃付近に相転移温度を有していてもよい。例えば、パラフィンを含む潜熱蓄熱部材を用いる場合に、パラフィンの炭素数を選択することによって、所望の相転移温度を得ることができる。
【0034】
そして、夏用の蓄熱部材23は上方に、冬用の蓄熱部材24は下方に配置されることが望ましい。共用の蓄熱部材25は、蓄熱部材23と蓄熱部材24との間の位置に配置されてもよいし、複数の蓄熱部材23の間と、複数の蓄熱部材24の間との両方に配置されてもよい。
【0035】
第1の板11及び外装仕上材11bには、それぞれ開口が形成されている。第1の板11と外装仕上材11bとの間には、第1の板11の開口と外装仕上材11bの開口とを接続する通気管11cが設けられている。通気管11cにより、第1の板11と第2の板12との間の空間を換気することができる。
【0036】
第2の板12の両面には、断熱材12a及び12bが配置されてもよい。これにより、ペルチェ素子15の作用によって形成された第2の板12の両面の温度差が、第2の板12における熱伝導によって失われることを抑制できる。
あるいは、符号12a及び12bで示されるものは、それぞれ除湿シートであってもよい。これにより、第2の板12の両面の温度差により結露が生じても、その悪影響を抑制できる。除湿シートは、第1の板11や第3の板13に貼り付けられてもよい。
あるいは、符号12a及び12bで示されるものは、熱反射シートであってもよい。これにより、例えば冬季の暖房時に、蓄熱部材24又は蓄熱部材25から放射される輻射熱を屋内側に反射することができる。熱反射シートは、符号12bで示されるように、第2の板12の第3の板13側の面に配置されることが特に望ましい。熱反射シートは、アルミニウムなどの金属の薄膜層を含むシートであることが望ましい。
他の点については、第2の実施形態と同様とすることができる。
【0037】
<4.第4の実施形態>
図5は、本発明の第4の実施形態に係る壁の構造を示す断面図である。第4の実施形態においては、換気装置40が設けられている。外装仕上材11b、第1の板11、第2の板12、第3の板13及び内装仕上材13bには、それぞれ開口が形成されている。換気装置40は、スリーブ管42を含む。スリーブ管42は、外装仕上材11bの開口から内装仕上材13bの開口までの各開口を接続している。スリーブ管42は、第1の板11の開口から第2の板12の開口まで又は第3の板13の開口までの各開口を接続するものであってもよい。
【0038】
スリーブ管42の内部には、送風ファン37と、多孔蓄熱部材38とが設けられている。多孔蓄熱部材38は、屋内側と屋外側との間で貫通した多数の孔を有する。多孔蓄熱部材38は、例えばハニカム状、すなわち多数の六角形の孔を有する構造体である。このような多孔蓄熱部材38は、例えばセラミックスで構成される。
【0039】
送風ファン37は、モーター39に連結されている。モーター39は、第1の回転方向と、第1の回転方向と反対の第2の回転方向とに、回転方向を一定時間ごとに切り換えて送風ファン37を回転させることができるようになっている。上記一定時間は、例えば、1分から3分程度である。
【0040】
換気装置40において、1分から3分程度の間、モーター39が送風ファン37を第1の回転方向に回転させると、スリーブ管42を通して、屋内から屋外へ排気が行われる。このとき、暖房運転時であれば、多孔蓄熱部材38を通過する空気の熱の一部が多孔蓄熱部材38に蓄えられる。次に、1分から3分程度の間、モーター39が送風ファン37を第2の回転方向に回転させると、スリーブ管42を通して、屋外から屋内へ給気が行われる。このとき、多孔蓄熱部材38を通過する空気が、多孔蓄熱部材38に蓄えられている熱によって加熱される。これを繰り返すことにより、熱交換を行いながら屋内の空気を換気することができる。冷房運転時であれば、熱の移動方向が逆になるが、熱交換を行いながら屋内の空気を換気できる点は同様である。
【0041】
スリーブ管42の内部及び通気管11cの内部には、それぞれ、邪魔板36が配置されている。邪魔板36は、屋外における突風により壁の内部の構造体が損傷されることを防止する効果がある。
【0042】
第3の板13及び内装仕上材13bには、それぞれ開口が形成されている。第3の板13と内装仕上材13bとの間には、第3の板13の開口と内装仕上材13bの開口とを接続する通気管13cが設けられている。通気管13cにより、暖房運転時には暖気が、冷房運転時には冷気が、屋内に流入することができる。
【0043】
第4の実施形態においては、屋内の空気、あるいは、第2の板12と第3の板13との間の空気を、屋外の空気との間で熱交換しながら換気する場合について説明したが、温度の異なる屋内同士を換気してもよい。例えば、居室と廊下とを隔てる壁又はドアに換気装置40を取り付け、居室と廊下との間で熱交換しながら換気してもよい。
【0044】
他の点については、第3の実施形態と同様とすることができる。なお、
図5には第2の板12と第3の板13との間に蓄熱部材23のみが図示されているが、第3の実施形態において説明されたように、第2の板12と第3の板13との間に、蓄熱部材24及び25がさらに設けられていてもよい。
【0045】
また、蓄熱部材23、24、25として、多孔蓄熱部材38のような多数の孔を有するセラミックスの構造体が用いられてもよい。この場合の多数の孔は、第2の板12の厚さ方向に貫通する孔であることが望ましい。蓄熱部材23、24、25が多数の孔を有する場合には、ペルチェ素子15と蓄熱部材23、24、25との間の熱交換の効率を高めることができる。また、多数の孔を有するセラミックスの構造体を用いることにより、蓄熱部材を含む壁の重量を低減することができる。
【0046】
図6は、
図5の変形例を示す断面図である。
図6に示される変形例においては、換気装置40が、スリーブ管42の内部に、多孔蓄熱部材38より屋内側に配置された送風ファン37及びモーター39だけでなく、多孔蓄熱部材38より屋外側に配置された送風ファン37a及びモーター39aを有していてもよい。送風ファン37及びモーター39に加えて送風ファン37a及びモーター39aを有することにより、屋外において強い風が吹いている場合であっても、吸気及び排気を円滑に行うことができる。また、通気管11cの内部に、送風ファン37a及びモーターを有していてもよい。送風ファン37a及びモーターを有することにより、屋外において強い風が吹いている場合であっても、吸気及び排気を円滑に行うことができる。
図5に示される第4の実施形態は、地上4階程度までの壁の構造として用いられ、
図6に示される変形例は、地上5階程度以上の壁の構造として用いられてもよい。
【0047】
<5.その他>
上述の説明において、第1の実施形態は床の構造、第2〜第4の実施形態は壁の構造を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の実施形態の構造を、壁の構造に適用してもよい。また、第2〜第4の実施形態の構造を、床の構造に適用してもよい。また、第1〜第4の実施形態の構造を、天井の構造に適用してもよい。第1〜第4の実施形態の構造を天井の構造に適用する場合に、第1の実施形態における「床下」は天井裏に相当し、第1の実施形態における「床上」は屋内に相当する。また、第1〜第4の実施形態は、建物の床又は壁として固定された構造部分として説明したが、引き戸、吊り戸、あるいは開き戸などの可動な構造としてもよい。第1〜第4の実施形態は、一般住宅だけでなく、オフィスビルや、工場のクリーンルーム等にも適用できる。
【解決手段】建物の壁、床又は天井の構造が、第1の板と、第1の板より屋内側に、第1の板に対向して配置され、且つ、開口部を有する第2の板と、第2の板より屋内側に、第2の板に対向して配置された第3の板と、第2の板の開口部に配置され、且つ、電源に接続されることにより第2の板の厚さ方向に熱移動するように配置されたペルチェ素子と、第2の板と第3の板との間に配置された蓄熱部材と、を具備する。