(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記駆動信号入力部は、上記複数のY軸ループコイルの他端に共通に接続された上記パルス駆動スイッチに、入力側の並列共振用コンデンサを接続することにより、オン動作した1の上記駆動入力スイッチを通じて上記Y軸ループコイルに流れるパルス駆動電流を当該1のY軸ループコイルと上記入力側並列共振用コンデンサとによって共振させることによって上記パルス駆動共振電流を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
上記位置検出信号出力部は、上記複数のX軸ループコイルの他端に共通に接続された上記共通接続ラインに出力側の並列共振用コンデンサを接続することにより、オン動作した1の上記位置検出出力スイッチを通じて上記X軸ループコイルに誘導された誘導電流を当該1のX軸ループコイルと上記出力側の並列共振用コンデンサとによって共振させることによって上記誘導共振電流を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
上記位置検出信号出力部は、上記出力側の並列共振用コンデンサの両端電圧を差動増幅器で構成された出力差動増幅回路の非反転入力端及び反転入力端に入力することにより、出力差動増幅回路の出力端に、指定位置を表わす検出出力を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の指定位置検出装置。
上記駆動信号入力部のパルス駆動共振電流の共振周波数と、上記位置指定具の同調共振電流の共振周波数と、上記位置検出信号出力部の誘導共振電流の共振周波数とが同じ周波数に選定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
上記駆動信号入力部は上記複数のY軸ループコイルに対して順次位置検出動作期間を割り当てて上記順次位置検出動作期間の前半部を駆動入力期間として上記複数のY軸ループコイルに駆動入力信号を与え、上記位置検出信号出力部は上記順次位置検出動作期間の後半部を検出出力期間として上記複数のX軸ループコイルから順次誘起された誘導共振電流に基づく検出出力を順次出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
上記駆動信号入力部は上記複数のY軸ループコイルに対して順次位置検出動作期間を割り当てて上記順次位置検出動作期間を駆動入力期間として上記複数のY軸ループコイルに駆動入力信号を与え、上記位置検出信号出力部は上記順次位置検出動作期間を検出出力期間として上記複数のX軸ループコイルから順次誘起された誘導共振電流に基づく検出出力を順次出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の指定位置検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0011】
(1)情報処理装置の全体構成
図1において、1は全体として第1の実施の形態における情報処理装置を示し、中央処理ユニット2がタブレット表示板部3との間に情報の交換をすることにより、タブレット表示板部3を含む指定位置検出部4において、ユーザが当該タブレット表示板部3のXY表示面上の特定の位置を、位置指定具5によって指定したとき、その指定位置を表す指定位置検出信号S1を指定位置検出制御部6から中央処理ユニット2に出力し、中央処理ユニット2が対応する情報の処理を実行するようになされている。
【0012】
タブレット表示板部3は、その表示面全体が重なり合うように配設されたX軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12を有し、Y軸ループコイル板部12を指定位置検出制御部6によって制御される駆動信号入力部13によって制御することにより、タブレット表示板部3上のY軸方向の信号入力制御を行うようになされている。
【0013】
これに加えて、X軸ループコイル板部11を指定位置検出制御部6によって制御をされる検出信号出力部14を用いて
制御することにより、X軸方向についての位置検出制御をするようになされている。
【0014】
(2)指定位置検出部
X軸ループコイル板部11は、
図2に示すように、X軸方向(
図2の横方向)に複数N個分(例えば32個分)のX軸ループコイルX1、X2……XNが、縦方向に縦長に延長しながら互いに平行になるように、横方向に順次配設されている。
【0015】
X軸ループコイルX1、X2……XNはそれぞれ直線状の導電性線材を縦方向に縦長な長方形状になるように、1回巻回された構成を有し、これによりX軸ループコイルX1、X2……XNのX軸方向における中心位置が、XY表示面上においてX軸方向に互いに等間隔にN個の座標位置を特定できるようになされている。
【0016】
この実施の形態の場合、X軸ループコイルX1、X2……XNは、X軸方向について、隣り合うX軸ループコイルに対して横幅方向にずれて一部が重なり合う関係(3つのX軸ループコイルが重なり合う関係)に位置決めされており、これにより位置検出信号をX軸方向に補間演算することにより、指定位置の検出精度を高めるようになされている。
【0017】
これに対してY軸ループコイル板部12には、
図2において縦方向に複数M個分(例えば20個分)のY軸ループコイルY1、Y2……YMが、横方向に横長に延長しながら互いに平行になるように、Y軸方向に順次配設されている。
【0018】
Y軸ループコイルY1、Y2……YMは、それぞれ直線状の導電性線材を横方向に縦長な長方形状になるように、1回巻回された構成を有し、これによりY軸ループコイルY1、Y2……YMのY軸方向における中心位置が、XY表示面上においてY軸方向に互いに等間隔にM個の座標位置を特定できるようになされている。
【0019】
この実施の形態の場合、Y軸ループコイルY1、Y2……YMは、Y軸方向について、隣り合うY軸ループコイルに対して横幅方向にずれて一部が重なり合う関係(3つのY軸ループコイルが重なり合う関係)に位置決めされており、これにより位置検出信号をY軸方向に補間演算することにより、指定位置の検出精度を高めるようになされている。
【0020】
実際上X軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12は、間に絶縁材料層を挟んで互いに重ね合されており、これによりX軸ループコイルX1、X2……XNとY軸ループコイルY1、Y2……YMとが互いに格子状に直交するように位置決めされている。
【0021】
この結果、位置指定具5によってユーザがタブレット表示板部3上の任意のXY座標位置を指定したとき、当該指定位置の座標を、X軸方向についてX軸ループコイルX1、X2……XNの配置位置に基づいて決めることができると共に、Y軸方向についてY軸ループコイルY1、Y2……YMの配置位置によって特定できるようになされている。
【0022】
Y軸ループコイル板部12のY軸ループコイルY1、Y2……YMの一端は、駆動信号入力部13に設けられた駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMを介して接地に接続されている。
【0023】
この駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMはそれぞれ指定位置検出制御部6から与えられる順次切換信号S2Y1、S2Y2……S2YMによって、
図3(B1)、(B2)……(BM)に示すタイミングでオンオフ制御される。
【0024】
この実施の形態の場合、Y軸ループコイルY1、Y2……YMには、
図3(A)に示すように、所定の長さの位置検出動作期間TY1、TY2……TYMが順次割り当てられ、その前半区間を駆動入力期間TY11、TY21……TYM1として順次切換信号S2Y1、S2Y2……S2YMがオン制御レベルに動作することにより(
図3(B1)、(B2)……(BM))、当該前半区間においてY軸ループコイルY1、Y2……YMに駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YM(
図3(C1)、(C2)……(CM))を供給する。
【0025】
Y軸ループコイルY1、Y2……YMの一端は駆動信号入力部13に設けられたパルス駆動スイッチ22を通じて指定位置検出制御部6から電源VDDを受ける電源端子に接続される。
【0026】
パルス駆動スイッチ22は、指定位置検出制御部6から供給されるパルス制御信号S3によって所定のパルス周期でオンオフ制御され、これにより
図3(B1)、(B2)……(BM)に示すように、駆動入力信号S2Y1、S2Y2……S2YMによって駆動入力スイッチ
21Y1、
21Y2……
21YMがそれぞれオン制御されたとき、
図3(C1)、(C2)……(CM)で示すタイミングで駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YMを共通接続点P1を介して順次Y軸ループコイルY1、Y2……YMに供給する。
【0027】
パルス駆動スイッチ22とY軸ループコイルY1、Y2……YMとの共通接続点P1は、入力側共振用コンデンサ25を通じて接地に接続され、これにより駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YMがY軸ループコイルY1、Y2……YMに供給されたとき、Y軸ループコイルY1、Y2……YMがそれぞれ入力側共振用コンデンサ25と共に並列共振回路を形成する。
【0028】
この実施の形態の場合、Y軸ループコイルY1、Y2……YMには、
図3(A)に示すように、所定の長さの位置検出動作期間TY1、TY2……TYMが順次割り当てられ、その前半区間が駆動入力期間TY11、TY21……TYM1として順次切換信号S2Y1、S2Y2……S2YMがオン制御レベルに動作することにより(
図3(B1)、(B2)……(BM))、当該前半区間においてY軸ループコイルY1、Y2……YMに駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YM(
図3(C1)、(C2)……(CM))を供給する。
【0029】
Y軸ループコイルY1、Y2……YM及び入力側共振用コンデンサ25によって形成される並列共振回路の共振周波数は、パルス駆動スイッチ22を通じて与えられている電源VDDのオンオフ周波数に選定され、これにより、各Y軸ループコイルY1、Y2……YMが各並列共振回路を形成したときそれぞれ大電流を流すことができ、これにより位置検出動作期間TY1、TY2……TYMの前半部の駆動入力期間TY11、TY12……TYM2において、Y軸ループコイルY1、Y2……YMから強い駆動磁界を発生させることができる。
【0030】
X軸ループコイル板部11のX軸ループコイルX1、X2……XNの一端は、位置検出信号出力部14にそれぞれ対応するように設けられた位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNを通じ、さらに共通接続ライン34L1を通じて出力用差動増幅回路32の非反転入力端に接続されていると共に、X軸ループコイルX1、X2……XNの他端は、互いに共通に接続されて共通接続ライン34L2を通じて出力用差動増幅回路32の反転入力端に接続されている。
【0031】
位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNには、指定位置検出制御部6から供給される順次切換信号S5X1、S5X2……S5XNが与えられ、
図3(D1)、(D2)……(DM)に示すように、位置検出動作期間TY1、TY2……TYMの後半の検出出力期間TY12、TY22……TYM2において順次オン動作したとき、X軸ループコイルX1、X2……XNに生じた誘導電圧が位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNをそれぞれ通じて出力用差動増幅回路32の非反転入力端及び反転入力端間に入力される。
【0032】
この実施の形態の場合、X軸ループコイルX1、X2……XNの一端及び他端の共通接続ライン34L1及び34L2間には、出力側共振用コンデンサ31が接続されており、これによりX軸ループコイルX1、X2……XNが順次オン動作したとき当該X軸ループコイルX1、X2……XN及び出力側共振用コンデンサ31が順次並列共振回路を形成して行き、このとき出力側共振用コンデンサ31の両端に生成された誘導共振電圧が出力用差動増幅回路32の非反転入力端及び反転入力端に位置検出出力として与えられる。
【0033】
位置指定具5は、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42でなる共振ループで構成され、
図3について上述したように、Y軸ループコイルY1、Y2……YMについて設けられた位置検出動作期間TY1、TY2……TYMにおいて、それぞれ駆動入力期間TY11、TY21……TYM1において駆動入力S2Y1、S2Y2……S2YMが与えられてY軸ループコイルY1、Y2……YMに共振電流が流れることにより磁界が発生したとき、当該磁界に同調する同調共振電流が同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に流れることにより、同調共振エネルギーが蓄えられる。
【0034】
この実施の形態の場合、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42の同調周波数は、Y軸ループコイルY1、Y2……YMの共振電流の共振周波数と一致する値に選定され、これによりY軸ループコイルY1、Y2……YMの共振電流の共振エネルギーを効率良く同調共振ループに蓄積できる。
【0035】
これにより同調用コイル41及び同調用コンデンサ42には、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42によって決まる共振周波数の同調共振電流が、駆動入力期間TY11、TY21……TYM1に続く検出出力期間TY12、TY22……TYM2において流れ続けることにより、当該共同調振電流に基づく誘導起電力をX軸ループコイルX1、X2……XNに誘導させる。
【0036】
当該X軸ループコイルX1、X2……XNに誘導された誘導電流は、
図3(D1)、(D2)……(DM)について上述したように、各検出出力期間TY12、TY22……TYM2において、位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNがオン動作したとき、それぞれ出力側共振用コンデンサ31と共に共振動作し、その結果出力側共振用コンデンサ31の両端に得られる共振電圧が、出力用差動増幅回路32を介し、さらに同期検波回路37を介して、位置検出出力信号S6として順次送出される。
【0037】
(3)指定位置検出動作
以上の構成において、ユーザが位置指定具5によってタブレット表示板部3のX軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12のXY座標のうち、例えば座標位置(Xn、Y2)位置に近接させることにより位置を指定すると、Y軸ループコイル板部12について、指定位置検出制御部6が駆動信号入力部13の順次切換信号S2Y2によって駆動入力スイッチ21Y2をオン動作させると共に、パルス駆動スイッチ22をパルス出力駆動動作させることにより、
図3の位置検出動作期間TY2の前半部分である駆動入力期間TY21においてY軸ループコイルY2と入力側共振用コンデンサ25とによって共振入力電流をY軸ループコイルY2に流す。
【0038】
このとき位置指定具5は、Y軸ループコイルYnに近接した位置に位置決めされていることにより、Y軸ループコイルY2に流れる駆動共振電流によって発生される磁界に同調用コイル41が磁気結合することにより、位置指定具5に駆動入力エネルギーが与えられる。
【0039】
この状態において、
図3(D2)に示すように、Y軸ループコイルY2の位置検出動作期間TY2の検出出力期間TY22において、位置検出信号出力部14が順次切換信号S5X1、S5X2、……S5Xn、……S5XNによって位置検出出力スイッチ33X1、33X2、……33Xn、……33XNを順次オン動作させていく。
【0040】
このとき位置指定具5の同調用コイル41はユーザによって指定されたX軸ループコイルXnに同調共振電流を発生させるのに対して、他のX軸ループコイルX1、X2、……Xn−1、Xn+1、……XNは位置指定具5には近接しない位置に位置決めされていることにより、当該X軸ループコイルXn以外のX軸ループコイルについては同調共振電流を生じさせる状態にはなっていない。
【0041】
そこで、位置検出信号出力部14の位置検出出力スイッチ33Xnがオン動作されたとき、当該X軸ループコイルXnに誘導された誘起電流が出力側共振用コンデンサ31によって誘導共振電流を流す状態を維持する。
【0042】
そこで位置検出信号出力部14の出力側共振用コンデンサ31の両端には共振動作によって大きな誘導共振電圧が形成されることにより、これが出力用差動増幅回路32を介し、さらに同期検波回路37を介して位置検出出力信号S6として送出される。
【0043】
これに対して、位置検出出力スイッチ33Xnを除く他の位置検出出力スイッチ33X1、33X3、……33XNがオン動作したとき、対応するX軸ループコイルX1、X3、……XNには位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42の共振電流に基づいて生ずる誘導共振電圧は反転入力端の電圧に対して大きい値にならないので、出力用差動増幅回路32の出力端の電圧レベルは小さくなる。
【0044】
また、位置指定具5が指定された座標(Xn、Y2)以外のY軸ループコイルY1、Y3……YMについて、駆動入力スイッチ21Y1、21Y2……21YMがオン動作して入力側共振用コンデンサ25から共振電流が流れたとしても、位置指定具5が当該Y軸ループコイルY1、Y3、……YMに近接した位置に位置決めされていないので、位置指定具5の同調用コイル41が同調動作をすることができないために、同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に十分な値の同調共振電流を流す状態が得られない。
【0045】
従って、これらのY軸ループコイルY1、Y3、……YMについて、位置検出出力スイッチ33X1、33X3、……33XNがオン動作して出力側共振用コンデンサ31との共振回路が形成されても、位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42から当該X軸ループコイルX1、X3、……XNと出力側共振用コンデンサ31との間に形成される並列共振回路に十分な大きさの誘起共振電流が流れることはないので、実質上、出力用差動増幅回路32から検出出力が得られることはない。
【0046】
この結果、位置検出信号出力部14からは、
図3(E)に示すように、位置指定具5が指定した座標(Xn、Y2)に対応するY軸ループコイルY2と鎖交するX軸ループコイルXnについて、検出出力期間TY22の期間内のうち、X軸ループコイルXnがオン動作したタイミングで位置検出出力信号S6(Xn、Y2)が出力されることになる。
【0047】
ここで、出力用差動増幅回路32に得られるX軸ループコイルX1、X2……XNから得られる検出出力は、X軸ループコイルX1、X2……XN及びY軸ループコイルY1、Y2……YMの横幅内の指定位置の中央位置からの偏り方によって指定位置近傍の複数のX軸ループコイルから複数の検出出力が得られるので、中央処理ユニット2に設けられた座標位置補間手段によって当該検出出力から補間演算することにより、指定された位置に対応する指定位置検出信号を求める。
【0048】
以上の構成によれば、タブレット表示板部3上の座標位置をユーザが位置指定具5によって指定したとき、当該指定位置にある位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に対して駆動信号入力部13から同調エネルギーを供給することによって位置指定具5から位置検出信号出力部14に接続されたX軸ループコイルXnに同調共振電流を誘起させるようにしたことにより、位置指定具5が指定した座標位置(Xn、Y2)を表す検出出力を得ることができる。
【0049】
かくするにつき、入力側のY軸ループコイルY1、Y2、……Yn、……YN側の入力側共振用コンデンサ25から共振電流を流すことにより簡易な構成によって位置指定具5に対して大きなエネルギーを与えることにより同調共振動作をさせることができると共に、当該位置指定具5の同調共振動作によって出力用のX軸ループコイルX1、X2、……XNが出力側共振用コンデンサ31との誘導共振動作によって、位置決めした座標位置(Xn、Y2)に対応する大きな値の検出出力を確実に得ることができる。
【0050】
これにより全体として比較的簡易な構成によって高い精度で位置指定具5によって指定された座標位置(Xn、Y2)を表す位置検出出力信号S6を得ることができる。
【0051】
(4)第2の実施の形態
上述した第1の実施の形態における位置検出信号出力部14は、
図3の位置検出動作期間TY1、TY2……TYMの前半部の駆動入力期間TY11、TY12……TYM1においてY軸ループコイルY1、Y2……YMに対して駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YMを供給した後(
図3(C1)、(C2)……(CM))、続く後半部の検出出力期間TY12、TY22……TYM2においてX軸ループコイルX1、X2……XNに対応する順次切換信号S5X1、S5X2……S5XNを与えることにより位置検出出力信号S6を得るようになされている。
【0052】
これに対して第2の実施の形態においては、
図4に示すように、駆動信号入力部13は、位置検出動作期間TY1、TY2……TYMを駆動入力期間TY11、TY21……TYM1(
図4(B1)、(B2)……(BM))として、駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YM(
図4(C1)、(C2)……(CM))をY軸ループコイルY1、Y2…YMに入力するのに対して、位置検出信号出力部14は位置検出動作期間TY1、TY2……TYMを検出出力期間TY12、TY22……TYM2として順次切換信号S5X1、S5X2……S5XNを位置検出出力スイッチ33X1、33X2……33XNに与える(
図4(D1)、(D2)……(DM))。
【0053】
以上の構成によれば、Y軸ループコイルY1、Y2……YMに駆動パルス信号S4Y1、S4Y2……S4YMが流れることにより位置指定具5の同調用コイル41及び同調用コンデンサ42に同調共振電流が生起されている状態において、これと同時に位置指定具5が近接しているX軸ループコイルX1、X2……XNから対応する位置検出出力信号S6を得る(
図4(E))。
【0054】
これにより、Y軸ループコイルY1、Y2……YMに駆動入力信号を与えたとほぼ同時に、X軸ループコイルX1、X2……XNから位置検出出力を得ることができることにより、全体として位置検出動作時間を短縮し得る指定位置検出装置を実現できる。
【0055】
この実施の形態の場合は、駆動入力信号を与えたと同時に位置検出動作を実行することにより、位置検出出力に駆動入力信号に基づくノイズ成分が含まれているが、このノイズ成分は出力用差動増幅回路32および同期検波回路37に設けられたノイズ除去手段によって除去するようになされている。
【0056】
(5)他の実施の形態
(5−1)第1の実施の形態においては、X軸方向及びY軸方向について、X軸ループコイルX1、X2……XN及びY軸ループコイルY1、Y2……YMを、それぞれ3つのX軸ループコイル及びY軸ループコイルが重なり合う関係にずらした構成を有するようにしたが、重なり合う数としては3個以上とし、又は0個(重なり合うようにずらさない)とするようにしても、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(5−2)第1の実施の形態においては、X軸ループコイルX1、X2、……XN、及びY軸ループコイルY1、Y2、……YMとして、導電性線状体を、縦長形状に、2巻回分巻回した構成のものを適用したが、導電性材料としては、帯状、又は板状のものを用いても良く、巻回数としては1回又は3回以上にしても良い。
【0058】
(5−3)上述の実施の形態においては、X軸ループコイルX1、X2、……XNの個数として、N=32個に選定し、かつY軸ループコイルY1、Y2、……YM個数として、M=20個に選定した場合について述べたが、当該個数の値は、必要に応じて任意に選定しても良い。
【0059】
(5−4)上述の実施の形態においては、タブレット表示板部3の構成として、X軸ループコイル板部11及びY軸ループコイル板部12を絶縁材層を間に挟んで積層したが、これに限らず種々の構成のものを適用し得、要は、位置指定具5を近接させたときに座標位置を特定できるようにしたものであれば良い。
【0060】
(5−5)上述の実施の形態において各スイッチ部は、例えば半導体スイッチ回路により構成されれば良い。具体的には、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、アナログスイッチやトランジスタ等が利用可能である。
駆動信号入力部13からY軸ループコイルY1、Y2……YMに流したパルス駆動共振電流に基づいて、1のY軸ループコイルに近接位置決めされた位置指定具5に同調共振電流を流し、当該同調共振電流に基づいて位置指定具5が位置決めされた1のX軸ループコイルX1、X2……XNに誘導共振電流を流すことにより、当該位置指定具5が位置決めされた座標位置を表す位置検出出力信号S6を得るようにし、これにより各構成要素の共振動作を利用した簡易な構成によって特定の位置決め対象座標位置から、他の座標位置とは明確に区別できる位置検出信号を得ることができる。