(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714484
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】端末の動作モードに依存した無線アクセス技術優先度設定の受信
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20150416BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20150416BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20150416BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W48/18 111
H04W88/06
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-514533(P2011-514533)
(86)(22)【出願日】2009年6月12日
(65)【公表番号】特表2011-525090(P2011-525090A)
(43)【公表日】2011年9月8日
(86)【国際出願番号】SE2009050728
(87)【国際公開番号】WO2009154550
(87)【国際公開日】20091223
【審査請求日】2012年5月11日
(31)【優先権主張番号】61/073,488
(32)【優先日】2008年6月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】ベリクヴィスト, イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン, トマス
(72)【発明者】
【氏名】スチリヴァ−ベルトリング, パウル
【審査官】
伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−232124(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01860903(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0209263(US,A1)
【文献】
特開2008−042913(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0287468(US,A1)
【文献】
特開2007−124642(JP,A)
【文献】
特表2002−517963(JP,A)
【文献】
特表2009−525674(JP,A)
【文献】
特開2001−352576(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/123170(WO,A1)
【文献】
国際公開第2004/100460(WO,A2)
【文献】
国際公開第2008/011420(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上りリンクチャネル(17)および下りリンクチャネル(16)で複数のユーザ装置(18)と通信する通信ネットワークノード(10;15)を備える電気通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理するユーザ装置(18)における方法であって、
前記ユーザ装置(18)がどの動作モードにあるかに依存して異なる動作モードの各々について異なる無線アクセス技術優先度設定を受信するステップを有し、
前記ユーザ装置がパケット転送モードにある場合、前記受信するステップでは、さらに実行中のサービスの種類に基づいて無線アクセス技術優先度設定を受信することを特徴とする方法。
【請求項2】
測定を実行すべきは、どの無線アクセス技術か、およびどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信ネットワークノード(10;15)に送信する測定報告に含めるべきは、どの無線アクセス技術か、およびどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、前記受信した無線アクセス技術優先度設定を使用するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
受信した前記無線アクセス技術優先度設定に基づき、セル再選択を実行するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ装置がパケット転送モードにある場合、通信ネットワーク制御ノード(10)が生成する優先度リストとして前記無線アクセス技術優先度設定を受信するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ装置(18)がネットワーク制御セル再選択モードにある場合、測定を実行すべきは、どの無線アクセス技術か、およびどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、前記受信した無線アクセス技術優先度設定を使用するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ装置(18)がネットワーク制御セル再選択モードにある場合、前記通信ネットワークノード(10;15)に送信する測定報告に含めるべきは、どの無線アクセス技術か、およびどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、前記受信した無線アクセス技術優先度設定を使用するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ装置(18)がユーザ装置制御セル再選択モードにある場合、セル再選択をトリガすべきは、どの無線アクセス技術に対してか、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループに対してか、またはそのいずれかを決定するため、前記受信した無線アクセス技術優先度設定を使用するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記無線アクセス技術優先度設定を報知チャネルで受信するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記無線アクセス技術優先度設定をシグナリングメッセージで受信するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
上りリンクチャネル(17)および下りリンクチャネル(16)で複数のユーザ装置(18)と通信する通信ネットワークノード(10;15)を備える電気通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する通信ネットワークノード(10;15)における方法であって、
ユーザ装置(18)がどの動作モードにあるかに依存して異なる動作モードの各々について異なる無線アクセス技術優先度設定を前記ユーザ装置(18)に送信するステップを有し、
前記ユーザ装置がパケット転送モードにある場合、前記送信するステップでは、さらに実行中のサービスの種類に基づいて無線アクセス技術優先度設定を送信する
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
送信した前記無線アクセス技術優先度設定に基づき、無線アクセス技術、および周波数若しくは周波数グループ、またはそのいずれかの測定報告を、前記ユーザ装置(18)から受信するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ装置(18)がパケット転送モードにある場合、
パケットフローコンテキストのためのサービス品質またはサービスUTRANセル変更オーダまたは構成データのうちの少なくとも一つに基づき、前記無線アクセス技術優先度設定を備える優先度リストを生成し、
前記ユーザ装置(18)に前記優先度リストを送信する
ステップを更に有する
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
パケットフローコンテキストを追加または削除する場合、前記優先度リストを更新するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記無線アクセス技術優先度設定を報知チャネルで送信するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記無線アクセス技術優先度設定をシグナリングメッセージで送信するステップを更に有する
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
上りリンク(17)および下りリンク(16)チャネルで複数のユーザ装置(18)と通信する通信ネットワークノード(10;15)を備える電気通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理するユーザ装置(18)内の装置であって、
前記ユーザ装置(18)がどの動作モードにあるかに基づいて異なる動作モードの各々について異なる無線アクセス技術優先度設定を受信するよう構成した受信ユニット(47)と、
受信した前記無線アクセス技術優先度設定を用いて、測定の実行と測定報告の送信とセルの再選択とのうち少なくともひとつを制御するよう構成した処理ユニットと
を備え、
前記ユーザ装置がパケット転送モードにある場合、前記受信ユニットは、さらに実行中のサービスの種類に基づいて無線アクセス技術優先度設定を受信することを特徴とする装置。
【請求項18】
上りリンクチャネル(17)および下りリンクチャネル(16)で複数のユーザ装置(18)と通信する通信ネットワークノード(10;15)を備える電気通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する通信ネットワークノード(10;15)内の装置であって、
ユーザ装置がどの動作モードにあるかに基づいて、前記ユーザ装置の異なる動作モードの各々について異なる無線アクセス技術優先度設定を生成するよう構成した処理ユニットと、
生成した前記無線アクセス技術優先度設定をユーザ装置(18)に送信するよう構成した送信ユニット(42;44)を備え、
前記ユーザ装置がパケット転送モードにある場合、前記送信ユニットは、さらに実行中のサービスの種類に基づいて無線アクセス技術優先度設定を送信する
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信システムにおける方法と装置、具体的には異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理できる装置と、同じくそのような処理のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
E−UTRANと呼ばれ、またロングタームエボルーション(LTE)として知られる新しい無線アクセス技術(RAT)を導入するため、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内で現在作業が進行中である。E−UTRANとその他の既存の無線アクセス技術、主としてGSM/EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)およびUMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)との間の相互作用を如何に処理するかを明確に示す。その一部として、いわゆる"無線アクセス技術の優先度"を定める。
【0003】
RAT優先とはネットワークからユーザ装置に報知すべき設定であり、待機モードにおける一時滞留の選択ためにユーザ装置はどの無線アクセス技術を優先すべきかということについて情報を提供する。それ故、通信事業者はユーザ装置に一般的な一時的滞留の優先度を定めてもよい。通常、通信事業者は、ユーザ装置がE−UTRANの機能とサービス圏を持つ場合、E−UTRANに一時的に留まることを、優先させるであろう。また無線アクセス技術当りの周波数レベルまたは周波数グループレベルで、これらの優先度を定義してもよいということに注目することもできる。
【0004】
ユーザ装置がGERANで動作しており、進行中の回線交換(CS)呼およびパケットセッションまたはそのいずれかを持っている場合、即ち、それが専用モードまたは二重転送モードまたはパケット転送モードにある場合、ユーザ装置に対しては制限された測定間隙のみがあるので、全ての異なる無線アクセス技術について測定を実行するのに問題があるであろう。また、ユーザ装置がネットワークへの測定報告に含める可能性のある隣接セル数に関して制限がある。従って、幾つかの異なる無線アクセス技術の中で、ユーザ装置にとって良好な無線品質を有する隣接セルがあっても、そのような全てのセルを測定し、かつネットワークにそれらのすべてに報告を送信すること、またはそのいずれかを行うことは、可能ではないであろう。
【0005】
あるユーザ装置が実行中のサービス形式に依存して、多くの場合、E−UTRANへ、または他の無線アクセス技術へさえ、ユーザ装置がセルの再選択を実行するということは好まれないであろう。例えば、CS音声呼が進行中の専用モードにユーザ装置がある場合、呼の継続期間、ユーザ装置をGERAN内に保つことが、一般的には好ましいであろう。
【0006】
専用のGERANまたは二重転送モードにある間のE−UTRAN隣接セルのために、測定報告を、そして恐らく実際の測定さえをも開始/終了する手順を導入する提案が、3GPP TS GERAN内で完了していた。開始/終了コマンドは、アサイメントコマンド(ASSIGNMENT COMMAND)、周波数再定義(FREQUENCY REEDEFINITION)、測定情報(MEASUREMENT INFORMATION)、拡張測定オーダ(EXTENDED MEASUREMENT ORDER)またはハンドオーバコマンド(HANDOVER COMMAND)のメッセージおよび対応するDTMメッセージにおいて、ネットワークからユーザ装置に送信するよう提案された。しかしながら、GERANからE−UTRANへのCSハンドオーバは実際的には望ましくないにもかかわらず、ユーザ装置がE−UTRANサービス圏のみの領域に入る場合、そのようなハンドオーバは依然として必要とされるであろう。加えて、一般的には、UTRANはまた、待機モードでの一時的滞留の優先度については、GERANより高い優先度を持っているであろうが、もしサービス圏の理由で必要でないなら、音声呼の間に、UTRANへのCSハンドオーバを実行することは依然として好ましくないであろう。
【0007】
また、欧州特許出願EP1860903には、無線セル監視システムの制御方法が記載されており、文書「無線アクセス技術間の資源管理用ドライバ("Drivers for inter-RAT Radio Resource Management")」(3GPPドラフト、R2−071351)は、更なる背景技術を規定している。
また、パケット転送モードで動作している場合、あるサービス形式に対しては、転送の間の無線アクセス技術間でのセル再選択を回避するため、ユーザ装置をGERANに保つことは望ましいことであろう。それ故、多くの場合、待機モードにある場合に一時的に留まる目的のために望まれる優先度と、専用モードまたは二重転送モードまたはパケット転送モードの動作のために望まれる優先度との間には相違がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の実施形態の一つの目的は、上りリンクおよび下りリンクチャネルの複数のユーザ装置と通信する通信ネットワークノードを備える電気通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する、改善した方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態の第一の側面によれば、請求項1の特徴部分で定めるように、ユーザ装置における方法を通してこの目的を実現し、前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術の優先度設定を受信するステップを実行するという方法により、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する、ということを明記している。
【0010】
本発明の実施形態の第二の側面によれば、請求項11の特徴部分で定めるように、通信ネットワークノードにおける方法を通してこの目的を実現し、前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術優先度設定をユーザ装置に送信するステップを実行するという方法により、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する、ということを明記している。
【0011】
本発明の実施形態の第三の側面によれば、請求項17の特徴部分で定めるユーザ装置における装置を通してこの目的を実現し、前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術優先度設定を受信するよう構成した受信ユニットを備える装置により、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する、ということを明記している。
【0012】
本発明の実施形態の第四の側面によれば、請求項18の特徴部分で定めるように、通信ネットワークノードにおける装置を通してこの目的を実現し、前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術優先度設定を送信するよう構成した送信ユニットを備える装置により、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する、ということを明記している。
【0013】
従属する特許請求項には更なる実施形態を記載している。
【0014】
異なる動作モードに異なる無線アクセス技術優先度設定を提供することが可能になる方法と装置の提供の結果、各動作モードに対するモビリティ動作が実現される。一つの無線アクセス技術、例えば、GERANから他の、例えば、E−UTRANへのハンドオーバは、パケット転送の進行中は回避されて、不要な中断はより少なくなる。更に、ハンドオーバ/再選択が必要でないか好ましくない場合には、無線アクセス技術間ハンドオーバ/再選択のために関連するシグナリングが回避される。
【0015】
更に、本発明の実施形態のその他の目的と特徴は、添付の図面と関連して考察する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、理解すべきであるが、図面は単に説明を目的にしたものであり、本発明の制限を定めるとして設計しておらず、本発明ためには添付の特許請求項を参照すべきある。さらに理解すべきであるが、必ずしも拡大縮小して図面を描いていなく、別に示していない限り、それらは、本明細書で説明する構造と手順を概念的に示すことを単に意図している。
【0016】
図面では、そこでの同様の参照文字は、幾つかの図を通して類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による通信ネットワークアーキテクチャを示す。
【
図2】ユーザ装置における本発明の方法を示すフローチャートである。
【
図3】通信ネットワークノードにおける本発明の方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明のユーザ装置と通信ネットワークノードの簡略化したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、GSM/EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)アーキテクチャなどの無線アクセスネットワーク(RAN)を含む通信システムを示し、一つ以上の基地局制御装置(BSC)10に接続した少なくとも一つの基地局(BTS)15(
図1では2個を示す)を備える。無線アクセスネットワークはコアネットワーク(CN)12に接続する。それぞれが下りリンク(DL)チャネル16と上りリンク(UL)チャネル17とを使用する複数のユーザ装置(UE)18のために、無線アクセスネットワークとコアネットワーク12は通信と制御を提供する。明確化の理由で、一つのみの上りリンクチャネルを17で示し、一つの下りリンクチャネルを16で示す。下りリンクチャネル16で、基地局15は各ユーザ装置18にデータを送信する。上りリンクチャネル17で、ユーザ装置18は基地局15にデータを送信する。
【0019】
ユーザ装置18は、移動電話機("セルラ"電話機)および移動端末と一緒のラップトップのような移動局であってもよく、それ故、例えば、RANと音声および/またはデータを通信する、携帯型、ポケット型、ハンドヘルド型、計算機内蔵または自動車搭載のデバイスであってもよい。
【0020】
本発明の典型的な実施形態では、無線アクセス技術、例えば、GERAN内での異なる動作モードに対して、特定の無線アクセス技術優先度設定を導入する。GERANにおける異なる動作モードの例は、待機モードおよび専用モード、二重転送モード、パケット転送モードである。その結果、そのモードにおける希望の動作に依存して、異なる無線アクセス技術優先度設定は異なるモードに適用してもよい。
【0021】
専用モードおよび二重転送モードにいる時に使用すべき無線アクセス技術優先度設定は、報知制御チャネル(BCCH)またはパケット報知制御チャネル(PBCCH)で送信するシステム情報でネットワークから報知する可能性があるか、または、ユーザ装置が専用モード/二重転送モードに入る時、あるいは、例えば、アサイメントコマンド、周波数再定義、測定情報、拡張測定オーダまたはハンドオーバコマンドのメッセージおよび対応する二重転送モードメッセージにおけるモビリティ手順の間、ネットワークからユーザ装置に送信する可能性があるかのどちらかである。
【0022】
ユーザ装置が専用モードまたは二重転送モードにあり、そのモードに特有の無線アクセス技術優先度設定を受信完了した場合、ユーザ装置はそれらの設定を使用して、以下のことをしなければならない。
【0023】
−ユーザ装置が測定を実行しなければならないものは、どの無線アクセス技術なのか、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループなのか、またはそのいずれかを決定し、
−ユーザ装置がネットワークに送信した測定報告に含めなければならないものは、どの無線アクセス技術なのか、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループなのか、またはそのいずれかを決定する。
【0024】
パケット転送モードにある場合に使用すべき無線アクセス技術優先度設定は、幾つかの異なる方法でネットワークからユーザ装置に送信してもよい。第一の代替手段として、パケットセル変更オーダおよびパケット測定オーダまたはそのいずれかのメッセージで、優先度設定を送信する。
【0025】
第二の代替手段として、報知制御チャネルまたはパケット報知制御チャネルで送信するシステム情報で、パケット転送モードに特有の無線アクセス技術優先度設定を報知する。その結果、パケット転送モードにあるユーザ装置は、新しい設定を受信するまでに報知設定を最初に使用しなければならない。
【0026】
第三の代替手段として、このシグナリングのためにネットワークからユーザ装置に新しいメッセージを導入する。
【0027】
ユーザ装置がパケット転送モードにあり、パケット転送モードに特有の無線アクセス技術優先度設定の受信を完了した場合、それらの設定の使用は、ユーザ装置がいるネットワーク制御モードに依存する。
【0028】
NC2即ちネットワーク制御セル再選択モードでは、無線アクセス技術優先度設定を以下のように使用すべきである。
【0029】
−ユーザ装置が測定を実行しなければならないものは、どの無線アクセス技術なのか、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループなのか、またはそのいずれかを決定し、そして、
−ユーザ装置がネットワークに送信した測定報告に含めなければならないものは、どの無線アクセス技術なのか、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループなのか、またはそのいずれかを決定する。
【0030】
その他のネットワーク制御モード、例えば、ユーザ装置制御セル再選択モードでは、ユーザ装置がセル再選択をトリガしなければならないものは、どの無線アクセス技術なのか、またはそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループなのか、またはそのいずれかに関して決定するよう、無線アクセス技術優先度設定を使用してもよい。換言すれば、そのセル再選択決定のユーザ装置が無線アクセス技術優先度設定を使用してもよい。
【0031】
また、パケット転送モードにある場合に使用する無線アクセス技術優先度設定は、実行しているサービス形式に依存してもよい。パケットフローを追加または削除する場合、例えば、パケット転送のため新しいサービス形式を追加するか、既存のものを削除する場合には、ネットワークは無線アクセス技術優先度設定を更新してもよい。
【0032】
本発明の実施形態によれば、上りリンクチャネルおよび下りリンクチャネルの複数のユーザ装置と通信する通信ネットワークノードを備える通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理するユーザ装置における手順は、
図2に示すように、以下の通りである。
−前記ユーザ装置がどの動作モードにいるかに依存して無線アクセス技術優先度設定を受信し(ステップ21)、
−幾つかの実施形態により、受信した前記無線アクセス技術優先度設定に基づきセル再選択を実行し(ステップ22)、
−前記ユーザ装置がパケット転送モードに入る場合で、もしパケットフローコンテキスト(PFC)の追加を完了したなら、通信ネットワーク制御ノードが生成した優先度リストとして前記無線アクセス技術優先度設定を受信し(ステップ23)、
−前記受信した優先度リストに基づきセル再選択を実行し(ステップ24)、
−パケットフローコンテキストを追加または削除する場合、更新した優先度リストを受信し(ステップ23)、
−最後のパケットフローコンテキストの削除を完了した場合、ユーザ装置は待機モードに入る。
【0033】
幾つかの実施形態によれば、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用して、測定を実行すべきはどの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定する。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用して、前記通信ネットワークノードに送信する測定報告に含めるべきは、どの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定する。
【0035】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がネットワーク制御セル再選択モードにある場合、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用して、測定を実行すべきはどの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定する。
【0036】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がネットワーク制御セル再選択モードにある場合、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用して、前記通信ネットワークノードに送信する測定報告に含めるべきは、どの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定する。
【0037】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がユーザ装置制御セル再選択モードにある場合、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用して、セル再選択をトリガすべきは、どの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループに向けてか、またはそのいずれかを決定する。
【0038】
幾つかの実施形態によれば、報知チャネルで前記無線アクセス技術優先度設定を受信する。
【0039】
幾つかの実施形態によれば、シグナリングメッセージで前記無線アクセス技術優先度設定を受信する。
【0040】
本発明の実施形態によれば、上りリンクチャネルおよび下りリンクチャネルの複数のユーザ装置と通信する通信ネットワークノードを備える電気通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理する通信ネットワークノードにおける手順は、
図3に示すように、以下の通りである。
−前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、ユーザ装置に無線アクセス技術優先度設定を送信し(ステップ31)、
−前記ユーザ装置がパケット転送モードに入る場合で、もしPFCを追加するなら、パケットフローコンテキストのためのサービス品質、サービスUTRANセル変更オーダ(CCO)または構成データのうちの少なくとも一つに基づき、前記無線アクセス技術優先度設定を備える優先度リストを生成し(ステップ32)、
−前記ユーザ装置に前記無線アクセス技術優先度設定を送信し(ステップ33)、
− パケットフローコンテキスト(PFC)を追加または削除する場合、前記優先度リストを更新し(ステップ32)、
−前記ユーザ装置に更新した無線アクセス技術優先度設定を備える更新した前記優先度リストを送信し(ステップ33)、
−パケットフローコンテキストの削除を完了した場合、ユーザ装置は待機モードに入る。
【0041】
幾つかの実施形態によれば、前記送信された無線アクセス技術優先度設定に基づき、無線アクセス技術およびそれらの無線アクセス技術内の周波数または周波数グループまたはそのいずれかの前記ユーザ装置から測定報告を受信する。
【0042】
幾つかの実施形態によれば、報知チャネルで前記無線アクセス技術優先度設定を送信する。
【0043】
幾つかの実施形態によれば、シグナリングメッセージで前記無線アクセス技術優先度設定を送信する。
【0044】
図4は、ユーザ装置18と、基地局(BTS)のような通信ネットワークノード15と、基地局制御装置(BSC)のようなもう一つの通信ネットワークノードとを示すブロック図であり、上りリンクおよび下りリンクチャネルの複数のユーザ装置と通信する通信ネットワークノードを備える通信システムにおいて、異なる無線アクセス技術間の相互作用を処理するためのものである。
【0045】
(通信ネットワークノードである)基地局15には、無線送信器を含む送信ユニット42と、受信器を含む受信ユニット41とを備える。送信器42は、下りリンクチャネル16で無線インタフェースを介してユーザ装置18の受信器48にデータを送信している。受信器41は、上りリンクチャネル17でユーザ装置18からデータを受信している。前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術優先度設定をユーザ装置に送信するよう、送信ユニット42を更に構成する。
【0046】
幾つかの実施形態によれば、前記送信された無線アクセス技術優先度設定に基づき、無線アクセス技術およびそれらの無線アクセス技術内の周波数または周波数グループまたはそのいずれかを有する前記ユーザ装置18から測定報告を受信するよう、受信ユニット41を構成する。
【0047】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置18がパケット転送モードにある場合、パケットフローコンテキストのサービス品質、サービスUTRANセル変更オーダまたは構成データのうちの少なくとも一つに基づき、基地局15は前記無線アクセス技術優先度設定を含む優先度リストを生成するよう構成した処理ユニット43を更に備え、前記無線アクセス技術優先度設定を含む前記生成された優先度リストを前記ユーザ装置18に送信するよう前記送信ユニットを更に構成する。
【0048】
幾つかの実施形態によれば、パケットフローコンテキストを追加または削除する場合には前記優先度リストを更新するよう前記処理ユニット43を更に構成する。
【0049】
幾つかの実施形態によれば、前記無線アクセス技術優先度設定を報知チャネルで受信するよう前記受信ユニット41を更に構成する。
【0050】
幾つかの実施形態によれば、前記無線アクセス技術優先度設定をシグナリングメッセージで受信するよう前記受信ユニット41を更に構成する。
【0051】
(通信ネットワークノードである)基地局制御装置10には送信器を含む送信ユニット44を備える。基地局制御装置10には受信器を含む受信ユニット45を更に備える。送信器44は、基地局15を経由してユーザ装置18の受信器48にデータを送信している。受信器45は、基地局15を経由してユーザ装置18からデータを受信している。前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術優先度設定をユーザ装置に送信するよう、送信ユニット44を更に構成する。
【0052】
幾つかの実施形態によれば、送信された前記無線アクセス技術優先度設定に基づき、無線アクセス技術およびそれらの無線アクセス技術内の周波数または周波数グループ、またはそのいずれかを有する前記ユーザ装置から測定報告を受信するよう、受信ユニット45を構成する。
【0053】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置18がパケット転送モードにある場合、パケットフローコンテキストのサービス品質、サービスUTRANセル変更オーダまたは構成データのうちの少なくとも一つに基づき、基地局制御装置10は前記無線アクセス技術優先度設定を含む優先度リストを生成するよう構成した処理ユニット49を更に備え、前記無線アクセス技術優先度設定を含む前記生成された優先度リストを前記ユーザ装置18に送信するよう前記送信ユニットを更に構成する。
【0054】
幾つかの実施形態によれば、パケットフローコンテキストを追加または削除する場合、前記優先度リストを更新するよう前記処理ユニット49を更に構成する。
【0055】
幾つかの実施形態によれば、前記無線アクセス技術優先度設定を報知チャネルで受信するよう前記受信ユニット45を更に構成する。
【0056】
幾つかの実施形態によれば、前記無線アクセス技術優先度設定をシグナリングメッセージで受信するよう前記受信ユニット45を更に構成する。
【0057】
ユーザ装置18には無線送信器を含む送信ユニット47を備える。無線インタフェースを介して上りリンクチャネル17で基地局15の受信器41に、または、基地局15を経由して基地局制御装置10の受信器45にデータパケットを送信するよう、無線送信器を構成する。下りリンクチャネル16で基地局15の送信器42から、または、基地局15を経由して基地局制御装置10の送信器44から送信したデータパケットを受信するよう、受信器を構成する。前記ユーザ装置がどの動作モードにあるかに依存して、無線アクセス技術優先度設定を受信するよう、受信ユニット47を更に構成する。
【0058】
幾つかの実施形態によれば、ユーザ装置は、測定を実行すべきはどの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用するよう構成した処理ユニット48を更に備える。
【0059】
幾つかの実施形態によれば、前記通信ネットワークノードに送信する測定報告に含めるべきは、どの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用するよう処理ユニット48を構成する。
【0060】
幾つかの実施形態によれば、受信した前記無線アクセス技術優先度設定に基づきセル再選択を実行するよう処理ユニット48を構成する。
【0061】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がパケット転送モードにある場合、通信ネットワーク制御ノードが生成した優先度リストとして前記無線アクセス技術優先度設定を受信するよう前記受信ユニット47を更に構成する。
【0062】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がネットワーク制御セル再選択モードにある場合、測定を実行すべきはどの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、受信した無線アクセス技術優先度設定を使用するよう処理ユニット48を構成する。
【0063】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がネットワーク制御セル再選択モードにある場合、前記通信ネットワークノードに送信する測定報告に含めるべきは、どの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループか、またはそのいずれかを決定するため、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用するよう処理ユニット48を構成する。
【0064】
幾つかの実施形態によれば、前記ユーザ装置がユーザ装置制御セル再選択モードにある場合、セル再選択をトリガすべきは、どの無線アクセス技術か、およびそれらの無線アクセス技術内のどの周波数または周波数グループに向けてか、またはそのいずれかを決定するため、受信した前記無線アクセス技術優先度設定を使用するよう処理ユニット48を構成する。
【0065】
幾つかの実施形態によれば、報知チャネルで前記無線アクセス技術優先度設定を受信するよう前記受信ユニット47を更に構成する。
【0066】
幾つかの実施形態によれば、シグナリングメッセージで前記無線アクセス技術優先度設定を受信するよう前記受信ユニット47を更に構成する。
【0067】
それらの好ましい実施形態に適用して本発明の基本的な新しい特徴を示し、説明し、指摘したが、理解すべきは、示したデバイスの形式と詳細における、およびそれらの動作における各種の削除と置換と変更とを、本発明の精神から逸脱すること無しに当業者が行うことが可能である、ということである。例えば、明白に意図していることは、同じ結果を達成するため、実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を実行する、それらの要素および方法のステップまたはそのいずれかの全ての組合せは、本発明の範囲内にある、ということである。更に、本発明の全ての開示した形式または実施形態に関連して示した、または説明した構造および要素および方法のステップまたはそれらの少なくもいずれかは、一般的な設計選択問題として、任意のその他の開示したまたは説明したまたは暗示した形式または実施形態に包含される可能性がある、ということを認識すべきである。従って、添付した特許請求の範囲が示すようにのみ制限されることが意図するところである。
【0068】
本発明の実施形態を説明し、特許請求するために使用した"含む"、"備える"、"包含する"、"から成る"、"持つ"、"である"というような表現は、非排他的方法で解釈される、即ち、存在するとも明確に説明していない項目、構成部品または要素を許容することを意図している。また、単数への参照は複数に関連すると解釈すべきであり、逆も同様である。
【0069】
添付の特許請求項の括弧内に含む数字は、特許請求項の理解を援けることを意図しており、これらの特許請求項が請求する対象を制限すると決して解釈すべきでない。