(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2弁室は、前記流体貯蔵室との連通路に介在されたピストン弁と、前記第2流路を開閉するように設けられたゴムパッド弁とを含むことを特徴とする請求項7に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態を添付する図面を参照して本発明の技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、更に詳細に説明するが、これは例示に過ぎないものであり、本発明がこれに制限されるものではない。
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態による温度感応型流体流れ断続装置の構成を示し、
図2は、
図1の温度感応型流体流れ断続装置で温度感応流体の温度が設定温度に到達する場合、温度感応器が膨張する動作を示している。
【0010】
図1に示すように、本発明の第1実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、一部が外部に露出される開放部220が形成され、内部に流体(以下、「流れ流体」という)が流れる流体流れ管120、140の流入部と排出部との間に設けられるハウジング200と、ハウジング200内の流れ流体を流入し、内部圧力の変化に応じて少量の流れ流体を流体排出室240を通じてハウジング200の開放部220と連通するように、ハウジング200内に設けられる弁ブロック300と、温度感応流体471の温度変化に応じて弁ブロック300内に圧力差を発生させる温度感応器を含む。本発明の実施形態において、ハウジング200内の流れ流体が温度感応流体471の温度が外部に排出される設定温度に到達すると、弁ブロック300内に圧力差が発生して弁ブロック300内の流れ流体をハウジング200の開放部220と連通する流体排出室240を通じて外部に排出する。ここで、設定温度とは、ハウジング200内の流れ流体が凍る前の温度を意味する。本発明では外部の気温が低くなり、温度感応流体の温度が設定温度になる度に流体流れ管内の流れ流体の少量を外部に排出することによって、流体流れ管の凍破を防止する。
【0011】
温度感応器は、弁ブロック300とキャップ形状の温度感応部420を含む。弁ブロック300は、その内部に互いに連通する弁室340と反応室320とを含む。温度感応部420は、その内部に温度感応流体471が充填されてホルダ402により、弁ブロック300の上部に設けられる。反応室320は温度感応部420と連通し、温度感応部420内には温度感応流体471の凝縮と膨張によって膨張したり、収縮する皺部440が設けられ、温度感応部420内に充填される温度感応流体417の温度はハウジング200内の流れ流体の温度よりも常に低い状態であることが好ましい。皺部440の内部には皺部440の膨張と収縮によって昇降するピストン部材460が設けられ、ピストン部材460にはバネ480が外部面に嵌合されてピストン部材460を下方へ加圧するようになっている。
【0012】
弁ブロック300の反応室320では温度感応部420のピストン部材460が昇降する。反応室320は、第1流路310を通じて弁室340と連通し、弁室340は排出管360を通じて流体排出室240と連通し、反応室320と排出管360との間には第2流路314が連結されている。
【0013】
弁室340にはピストン弁328が介在されてハウジング200内の流れ流体を流入する上部流入通路322と、排出管360を覆うように設けられたゴムパッド弁324と、ゴムパッド弁324の開放時に排出管360と連通するように設けられた下部流入通路326が提供される。図面において、ゴムパッド弁324下部の説明を省略した符号316はシーリングである。ピストン弁328は、バネ342により常に下方へ加圧されることが好ましい。ピストン弁328は、所定の規定圧力、例えば、1〜3kgf/m
2の圧力でゴムパッド弁324を加圧しなければならない。若し、この圧力以下、例えば0.5kgf/m
2の圧力でゴムパッド弁324を押すと、ピストン弁328が持ち上げられて流れ流体が漏れる現象が発生するので、これを防止するためである。
【0014】
また、反応室320にはピストン部材460の昇降によって昇降することにより、第1流路310を開閉するように設けられた第1弁体380が介在されている。第1弁体380は中空部材382と、この中空部材382の下部に挿入された弾性のゴム部材384と、中空部材382の上部に順次挿入されたバネ386と接触部材388とを含む。接触部材388はピストン部材460の下端部と弾性的に当接している。ゴム部材384は、第1流路310の気密性を高めるためのものである。
【0015】
一方、温度感応部420内の温度感応流体471が膨張しすぎると、この膨張した圧力によりピストン部材460が下降し、第1弁体380下部のゴム部材384を過度に押す現象が発生し、ゴム部材384の破損による気密性の低下と押された程度だけの流れ流体の排出時点が変わるようになる。本発明は、温度感応流体471の過度な膨張により、ピストン部材460が第1弁体380を必要以上の圧力で押しても、バネ386が必要以上の圧力を吸収して、ゴム部材384と第1弁体380の損傷を防止することになる。
【0016】
一方、流体排出室240には排出管360を開閉するように設けられた第2弁体260が提供され、第2弁体260は中空部材262と、この中空部材262の下部に一端が挿入され、ハウジング200の開放部220に他端が付着されて上方へ加圧するように付着されたバネ264と、中空部材262の上部に挿入された弾性のゴム部材266を含む。ゴム部材266も排出管360の気密性を高めるためのものである。
【0017】
温度感応部420には温度感応流体471としてガスが充填されている。このようなガスは、一般に冷却器で用いられるフレオン系、非フレオン系冷媒ガスを含んでもよい。外部の温度が低くなってガスが凝縮すると、温度感応部420内に空間が生じることにより、ピストン部材460に嵌合されていたバネ480によりピストン部材460が上昇する。その結果、皺部440も膨張するようになる。しかし、これとは反対に、温度が高くなってガスが膨張すると、ピストン部材460が下降して皺部440も収縮する。このように、温度が高くなると膨張し、温度が低くなると収縮する性質を有するならば、前述したガス以外の他の温度感応流体、例えば、アセトン(acetone)、アルコール(alcohol)、エタノール(ethanol)、メタノール(methanol)などが温度感応部420内に充填され得るのはもちろんである。このように構成された本発明の温度感応型流体流れ断続装置は、温度感応部420に充填された温度感応流体471の温度が設定温度に到達して凝縮すると、
図2に示すように、バネ480の弾性によりピストン部材460が上昇することによって、皺部440が伸ばされると同時に、第1流路310を閉鎖していた第1弁体380が反応室320内で上昇して第1流路310が開放されて、弁室340の上部流入通路322を通じて流入し、弁室340と第1流路310とに充填されていた流れ流体が反応室320に流入し始める。
【0018】
ところが、上部流入通路322にはピストン弁328が介在されているため、弁室340から第1流路310を通じて反応室320に流入する流れ流体の量よりも上部流入通路322を通じて弁室340に流入する量が遥かに少ない。これにより、弁室340の水圧、即ち、ゴムパッド弁324上部の水圧は低くなる。反面、ゴムパッド弁324の下部はゴムパッド弁324の下部に形成された下部流入通路326を通じて流入していた流れ流体により圧力がかかっているため、ゴムパッド弁324を中心にその上下部の間で圧力差が発生する。その結果、ゴムパッド弁324が、
図2に示すように上昇し、下部の流入通路326と排出管360とが互いに連通するようになる。これにより、ハウジング200内の流れ流体が排出管360に流入して流体排出口240の第2弁体260を下降させて、排出管360を開放させることによって開放部220を通じて流れ流体を排出する。その結果、流体流れ管120、140内の流れ流体の温度を常に設定温度以上に維持することになり、流体流れ管120、140の凍破を防止するのである。
【0019】
一方、ゴムパッド弁324が上昇することによって、上部流入通路322に介在されているピストン弁328を押し上げて、上部流入通路322を閉鎖する。そして、第1弁体380が次第に上昇して第2流路314を開放すると、弁室340から反応室320に流入する流れ流体は第2流路314を通じて排出管360に流入する。
【0020】
代表的に流体流れ管を水道管とすれば、通常、水道管の水圧は2〜3kgf/cm
2程度の値であるため、流れ流体、即ち、水が外部に排出される時の流速は非常に速い。従って、ベルヌーイの原理により流れ流体の排出時に第2流路314を通じて排出管360に流入する流れ流体も全て排出されるため、上部流入通路322が閉鎖された弁室340と、貯蔵室320及び第2流路314の内部は常に流れ流体がない空いている状態に維持される。
【0021】
ところが、温度感応部420内の温度感応流体471が設定温度以下になると、ハウジング200の開放部220を通じて流体流れ管120、140内の流れ流体が一定時間少量排出される。しかし、排出初期に規定された排出量の100%が排出されなくなった場合、排出される流れ流体が凍結して開放部220を閉鎖することもあり得る。従って、これを防止する時点と、排出される時点と排出を止める時点との間隙を減らすこと、即ち、排出を円滑に開始し停止させることが排出水の消耗を最小化できるという点が好ましい。これは、本発明の第1実施形態において、反応室320内でピストン部材460に押されていた第1弁体380と、流体排出室240の第2弁体260により達成される。即ち、第1弁体380の接触部材388がバネ386に弾止された状態でピストン部材460により押されているため、ピストン部材460を迅速に上昇させることで、排出の開始を円滑にできる。また、第2弁体260もバネ264により上方へ加圧されることによって、排出管360を迅速に閉鎖して流れ流体の排出の止めを円滑に行える。
【0022】
図3は、本発明の第2実施形態による温度感応型流体流れ断続装置の構成を示しており、
図4は、
図3の流体流れ断続装置で温度感応流体の温度が設定温度に到達する場合、温度感応器が膨張する動作を示している。
【0023】
図3及び
図4に示す本発明の第2実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は初期に流れ流体を排出する時、その排出流量を調節できるように、
図1及び
図2に示す第1実施形態の流体排出室の代りに、排出流量調節器の構成が追加されたものであるので、
図1及び
図2の実施形態と同一の構成には同じ図面符号を付し、それに関する詳細な説明は省略した。
【0024】
第2実施形態において、
図1及び
図2に示す第2流路314に排出流量調節器が設けられる。排出流量調節器は、流体貯蔵室520とこの流体貯蔵室520と連通する第2弁室540とからなる。本実施形態において、排出管360は中央がオリフィス管のように構成され、その上部は第2弁室540と連通しており、その下部は流体貯蔵室520と連通している。
【0025】
流体貯蔵室520は第2流路314を開閉するように設けられた弁部材522とこの弁部材522を下方へ加圧するように設けられたバネ524とを含み、弁部材522が上昇すると、反応室320内の流れ流体が第2流路314を通じて流入する。
【0026】
また、流体貯蔵室520には所定の高さに下部の排出管360と連通する第3流路362が提供され、弁部材522が所定の高さ以上上昇すると、第3流路362を通じて流入した流れ流体が下部の排出管360を通じて排出される。
【0027】
一方、第2弁室540は弁室340と類似する構成を有する。第2弁室540は、流体貯蔵室520に流入した流れ流体を流入するように、流体貯蔵室520との連通路542に介在されてピストン弁544と、第2流路314を覆うように設けられたゴムパッド弁346とを含む。ところが、ゴムパッド弁346が開放されと、排出管360を通じて排出される流れ流体の流速により第2弁室540に負圧が生じ、流れ流体の一部が第2流路314を通じて吸い込まれる。その後、バネ524によりピストン弁544が下降しながら、ゴムパッド弁346が閉じられる。
【0028】
この過程で、流体の速度が速ければ、下部流入通路326を通じて排出管360に流入する流れ流体が十分でないため、ハウジング200内部の流れ流体の温度が次第に低くなり、凍結が発生する。これを防止するための方法として、
図5に示すように、流れ流体の排出を遅延させるために、上部排出管360と第2弁室540との間の第2流路314には抵抗用シャフト620が作動する緩衝室600が形成されることが好ましい。
【0029】
本発明の実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、以上のような動作の繰り返しにより流体流れ管で常に流体が流れるようにすることで、外部の気温が低くなっても外部の動力供給なしに流体流れ管内部の流体が凍らないことにより、流体流れ管の凍破を防止する。
【0030】
図6は、本発明の第3実施形態による温度感応型流体流れ断続装置の構成を示す。
【0031】
図6に示すように、本発明の第3実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、一部が外部に露出される開放部722が形成され、内部に流れ流体が流れる流体流れ管712、714の流入部712と排出部714との間に設けられるハウジング720と、ハウジング720内の流れ流体を流入し、内部圧力の変化に応じて少量の流れ流体を流体排出口724を通じてハウジング720の開放部722と連通するように、ハウジング720内に設けられる弁ブロック730と、温度感応流体771の温度変化に応じて前記弁ブロック730内に圧力差を発生させる温度感応器とを含む。
【0032】
本発明の第3実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、温度感応流体771の温度が設定温度に到達すると、温度感応部774により弁ブロック730内に圧力差が発生して弁ブロック730内の流れ流体をハウジング720の開放部722と連通する流体排出口724を通じて外部に排出するように構成されている。ここで、設定温度とは、ハウジング720内の流れ流体が凍る前の温度を意味し、本発明では外部の気温が低くなり、温度感応流体771の温度が設定温度と同一になる度に少量の流れ流体を外部に排出することで、流体流れ管712、714内の流れ流体の温度を常に設定温度以上に維持するようになって、流体流れ管712、714の凍破を防止する。
【0033】
弁ブロック730には温度感応室740と、圧力解除室750及び弁室760が提供される。温度感応室740はハウジング720の開放部722に設けられ、上部に皺部772が形成された温度感応部774と、温度感応部774の皺部772を中心に上下に区画するホルダ776と、温度感応室740の上部及び下部のそれぞれを流体排出口724と連通するように設けられた上部及び下部連通管777、779とを含んで、温度感応器として作用する。温度感応部774の内部には温度感応流体771が充填され、温度感応流体771の温度はハウジング720内の流れ流体の温度よりも常に低い状態であることが好ましい。
【0034】
ハウジング720内に流入した流れ流体により圧力が加えられる圧力解除室750には温度感応室740と連通する連通路752を開閉するように第1ピストン弁754が設けられる。一方、弁室760には第2ピストン弁762が介在されてハウジング720内に流れ流体を流入する上部流入通路764と、圧力解除室750と連結される連結管766と、流体排出口724を覆うように上部流入通路764と連結管766の下部に設けられたゴムパッド弁768と、ゴムパッド弁768の開放時に流体排出口724と連通するように設けられた下部流入通路769とが形成される。
【0035】
温度感応部774の皺部772の上部と第1ピストン弁754との間には一定の間隔が形成されており、温度感応部774内には温度感応流体771として流れ流体、例えば、水が充填されている。本実施形態の温度感応流体771は外部の温度が低くなると膨張し、温度が高くなると収縮する特性を有する。従って、外部の温度が低くなって温度感応流体771が膨張すると、皺部772が膨張して第1ピストン弁754を上昇させ、温度が高くなると、温度感応流体771が再び収縮して第1ピストン弁754が下降する。このように、温度が低くなると膨張し、温度が高くなると収縮する性質を有するならば、前述した流体以外の他の温度感応流体が温度感応部774内に充填され得るのはもちろんである。また、温度感応流体771の熱容量が流体流れ管内の熱容量よりも小さくなければ、同一の熱エネルギーが抜け出る場合に温度感応部774内の温度感応流体の温度が流体流れ管内部の流れ流体の温度よりも常に低い状態とならないため、温度感応部774の大きさは流体流れ管712、714の大きさよりも小さいことが好ましい。
【0036】
一方、第1ピストン弁754が上昇して圧力解除室750の圧力が解除されると、連結管766を通じて圧力解除室750と連結された弁室760には上部流入通路764を通じてハウジング720内の流れ流体が流入する。しかし、上部流入通路764で微細な間隙をおいて第2ピストン弁762が介在されているため、上部流入通路764を通じて弁室760に流入する流れ流体の量は微量である。その結果、弁室760では連結管766を通じて圧力解除室750に移動する量よりも遥かに少ない量が流入する。これにより、弁室760の水圧、即ち、ゴムパッド弁768上部の水圧は低くなる反面、ゴムパッド弁768の下部はゴムパッド弁768の下部に形成された下部流入通路769を通じて流入していた流れ流体により水圧がかかっているため、ゴムパッド弁768を中心にその上下の水圧差が発生する。このように水圧差が発生すると、ゴムパッド弁768は、
図7に示すように、上方へ膨張するようになって下部流入通路769と流体排出口724がと互いに連通し、これにより、ハウジング720内の流れ流体は流体排出口724に流入し、次いで流体排出口724に連結された下部流入通路769を通じてハウジング720の開放部722に形成された温度感応室740の下部に排出される。
【0037】
このようなゴムパッド弁768の開閉と連動して第2ピストン弁762が上部流入通路764に沿って昇降する。従って、上部流入通路764の壁面と第2ピストン弁762との間に蓄積され得る異物が除去されることが可能となるため、本発明の流れ流体断続装置の寿命及び作動の信頼性を向上させる。図面において、説明を省略した符号751と761はそれぞれ圧力解除室750の第1ピストン弁754と、弁室760の第2ピストン弁762が開閉される部分に気密を提供するために備えられるゴムリングを示す。
【0038】
本発明の第3実施形態において、具体的に図示してはいないが、弁室760の上部流入通路764には一方向弁を設置して、上部流入通路764を通じて流入する流れ流体が逆流して排出されるのを防止し、装置の信頼性を向上させることができるのはもちろんである。
【0039】
また、本発明の第3実施形態は設定温度を可変できるように、設定温度可変装置を更に含んで第1ピストン弁776の開閉時期を調節できる。設定温度可変装置780は、
図8に示すように、温度感応室740の内壁にネジ調節可能に形成されたホルダ776と、ホルダ776の外側面に形成されたネジ部が温度感応室58の内壁に形成されたネジ部に結合された構成とを含み、ネジ調節により圧力解除室750内の流れ流体が温度感応室740に流入する時期を調節できる。即ち、ネジ調節により皺部772上部と第1ピストン弁754との間の間隔を
図8に実線で示すように縮小すれば、温度感応部774内に充填された温度感応流体771が少しだけ膨張しても、流れ流体の圧力により連通路752を閉鎖していた第1ピストン弁754が上昇する。その結果、圧力解除室750に流入した流れ流体が温度感応室740に流入する時期が早くなる。これとは反対に、間隔を
図8に点線で示すように、広く調節すれば、温度感応部774内に充填された温度感応流体771がより多く膨張しなければ、連通路752を閉鎖していた第1ピストン弁754が上昇しない。そのため、圧力解除室750の流れ流体が温度感応室740に流入する時期が遅れる。
【0040】
代表的に、流体流れ管を水道管とすれば、通常、水道管の水圧は2〜3kgf/cm
2程度の値であるため、流体が外部に排出される時の流速は非常に速い。従って、ベルヌーイの原理により流体排出後の流体排出口724には負圧が発生し、このとき、流体排出口724と温度感応室740の上部とは上部連通管777により連通しているため、流体排出口724と温度感応室740上部との間の圧力差により温度感応室740の上部にあった流れ流体も上部連通管777を通じて流体排出口724に移動して流体排出口724を通じて排出される。このように、温度感応室740内の流体が流体排出口724を通じて全て排出されるため、上部連通管777は常に清潔な状態に維持される。
【0041】
以下、前述したように構成された本発明の第3実施形態による温度感応型流体流れ断続装置の作動を説明すれば、以下の通りである。
【0042】
外部の温度が設定温度以上の場合には、
図6に示すように、流体流れ管の流入部712を通じてハウジング720の内部に流入した流れ流体は、水圧により弁室760と圧力解除室750に充填され、温度感応部774内に充填された温度感応流体771は一定の体積を有し、第1ピストン弁754は温度感応部774上部の皺部772と一定の間隙を維持しており、圧力解除室750に充填された流れ流体によりゴムリングと密着して連通路752を閉鎖している。この状態で、外部の気温が低くなり、温度感応部774内に充填された温度感応流体771の温度がハウジング720内の流れ流体、即ち水が凍る前に排出されるようにする設定温度に到達すると、これを温度感応部774が感知する。即ち、温度感応部774の大きさが流体流れ管の大きさよりも小さくなっているため、温度感応部774内の温度感応流体771の温度が流体流れ管内の流れ流体の温度よりも低い状態で、外部の温度が低くなって流れ流体が凍る温度(0℃)になれば、温度感応部774内の温度感応流体771が流れ流体よりも先に凍り始める。ところが、凍った温度感応流体771の密度が流れ流体の密度よりも約10%低いので(同じ質量で氷の体積が水の体積よりも約10%大きいので)、凍りが生成されるだけ温度感応流体の体積が増加して皺部772を膨張させる。このように、皺部772の所定の間隙以上の膨張により、第1ピストン弁754を押し上げることで、第1ピストン弁754が上昇して連通路752を開放するようになる。すると、圧力解除室750内の流れ流体は連通路752を通じて温度感応室740内に流入し、次いで上部連通管777を通じて流体排出口724に排出される。このとき、圧力解除室750は弁室760と連結管766により連通しているため、弁室760内に充填されていた流れ流体は連結管766を通じて圧力解除室750に移動する。
【0043】
一方、上部流入通路764を通じて弁室760に流入する流れ流体量は、第2ピトン弁762が上部流入通路764に介在されているため、上部流入通路764を通じて流入する流体は第2ピストン弁26との間隙を通じて流入する。従って、弁室760では連結管766を通じて圧力解除室750に移動する量よりも遥かに少ない量が流入する。これにより、弁室760の水圧、即ち、ゴムパッド弁768上部の水圧は低くなる。しかし、ゴムパッド弁768の下部はゴムパッド弁768の下部に形成された下部流入通路769に流入していた流体により水圧がかかっているので、ゴムパッド弁768を中心にその上下の水圧差が発生する。これにより、ゴムパッド弁768は、
図7に示すように、上方へ膨張するようになって下部流入通路769と流体排出口724が互いに連通する。これにより、ハウジング720内の流れ流体は下部流入通路769に流入して流体排出口724に排出されて下部連通管79を通じて温度感応室740の下部に排出される。
【0044】
このとき、通常、水道管と言える流体流れ管の水圧は2〜3kgf/cm
2程度であるため、流体が外部に排出される時の流速は非常に速い。従って、ベルヌーイの原理により流体排出後の流体排出口724には負圧が発生する。このとき、流体排出口724と温度感応室740の上部とは上部連通管777により連通しているため、流体排出口724と温度感応室740上部との間の圧力差により温度感応室740の上部にあった流体も上部連通管777を通じて流体排出口724に移動して下部連通管79を通じて温度感応室740の下部に排出される。
【0045】
このように、温度感応室740上部の流れ流体とハウジング720内の流れ流体が流体排出口724に排出されて、下部連通管779を通じて温度感応室740の下部に排出される流れ流体は温度感応部774の下部に当接する。排出される流れ流体の温度は、温度感応部774内の温度感応流体771の温度よりも高いため、このような排出された流れ流体の温度感応部774下部との接触により、温度感応部774内に凍っていた氷が溶ける。これにより、温度感応部774内部の流れ流体の体積が減少して皺部772も収縮するようになり、その結果、これ以上第1ピストン弁754を押し上げなくなる。従って、第1ピストン弁754は連通路752を再び閉鎖する。また、弁室760の水圧も次第に増加し、ゴムパッド弁768上下の水圧差がなくなると、ゴムパッド弁768は元の状態に戻り、流体排出口724を閉鎖するようになって流れ流体の排出を中断する。
【0046】
本発明の温度感応型流体流れ断続装置は、以上のような動作の繰り返しにより流体流れ管で常に流体が流れるようにすることで、外部の気温が低くなっても外部の動力供給なしに流体流れ管内部の流体が凍らないようにすることにより、流体流れ管の凍破を防止する。
【0047】
図9は、本発明の第4実施形態による温度感応型流体流れ断続装置の構成を示し、
図10は、
図9の温度感応器の変形実施形態であって、温度変化に応じてシャフトが昇降するようにシャフトに付着された変形部材を示し、
図11は、
図9の上部流入通路に取り付けられた一方向弁を示す図であり、
図12は、流体排出口に水道蛇口が取り付けられたことを示す図であり、
図13は、
図9の構成に追加され得る設定温度可変装置の構成を示しいる。
【0048】
図9に示すように、本発明の第4実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、内部に流れ流体が流れる流体流れ管812、814の流入部812と排出部814との間に設けられるハウジング820と、ハウジング820内の流れ流体を流入し、内部圧力の変化に応じて少量の流れ流体を流体排出口822を通じてハウジング820の外部に排出するように連通管882が形成されてハウジング820内に設けられる弁ブロック880と、ハウジング820内の流れ流体の温度変化に応じて弁ブロック880内の圧力を増減するように、弁ブロック880の連通管882に設けられる温度感応器890とを含む。
【0049】
本発明の第4実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、ハウジング820内の流れ流体の温度が設定温度に到達すれば、温度感応器890の収縮により弁ブロック880内の圧力を増加させて弁ブロック880内の流れ流体を流体排出口822を通じてハウジング820の外部に排出するように構成されている。ここで、設定温度とは、ハウジング200内の流れ流体が凍る前の温度を意味する。本発明では外部の気温が低くなり、ハウジング820内の流れ流体の温度が設定温度と同一になる度に少量の流れ流体を外部に排出することで、流体流れ管812、814内の流体の温度を常に設定温度以上に維持するようになって、流体流れ管812、814の凍破を防止する。
【0050】
弁ブロック880は連通管882と連通する流体貯蔵タンク830と、この流体貯蔵タンク830と連通部832を通じて連通する圧力解除室840と、連通部832にヒンジ固定されたシーソー部材850と、圧力解除室840と連結管836を通じて連結された弁室870とを含む。ハウジング820内の流れ流体は弁室870の一側に形成された上部流入通路872を通じて流入して弁室870、連結管836及び圧力解除室840に充填されている。
【0051】
圧力解除室840には連通部832を開閉するように第1ピストン弁842が備えられており、シーソー部材850は連通部832を開閉するように、その一端852は温度感応部890の収縮及び膨張と連動し、他端854は圧力解除室840の第1ピストン弁842の開閉に連動する。
【0052】
温度感応器890は、弁ブロック880の連通管882を通じて昇降するように設けられたシャフト892と、シャフト892を一方向に加圧する圧力補償バネ894と、温度変化に応じて収縮及び膨張する温度感応流体871としてガスが貯蔵されるガス貯蔵室896と、温度感応流体871の収縮及び膨張によりシャフト892が昇降するようにシャフトに付着されたベローズ898とを含む。ベローズ898は、ガス貯蔵室896内に貯蔵されたガスが連通管882を通らないように封止されるように設けられることが好ましい。
【0053】
本実施形態ではハウジング820内の流れ流体の温度に感応するものと説明したが、これとは異なり、外部遠隔地の温度に感応して流体の流れを断続することもできる。この場合には、ガス貯蔵室896に貯蔵されるガス871は遠隔地に位置する温度感応ガス源910からガス連結管895を通じて供給される。本実施形態において、ガス貯蔵室896内に貯蔵されるガスは、原理的には温度に応じて圧力が変わるあらゆるガスが使用でき、使用温度範囲で飽和状態(液体と気体が共に存在する状態)にあるガスが好ましい。このようなガスとしては一般的に冷却器で用いられるフレオン系、非フレオン系冷媒ガスが使用できる。
【0054】
流体流れ管812、814の外部の気温が低くなり、ハウジング820内の流れ流体の温度が設定温度になると、ガス貯蔵室896内部に充填された温度感応流体871が凝縮する。それにより、圧力補償バネ894とベローズ898が伸張してベローズ898の皺が伸ばされることにより、シャフト892とシーソー部材850の一端852がヒンジ軸851を中心に上方へ上昇する。反面、シーソー部材850の他端854はヒンジ軸851を中心に下方へ下降し、流れ流体の流入圧力により連通部832を閉鎖していた状態の第1ピストン弁842を押す。それにより、連通部832を開放することで、圧力解除室840内に充填されていた流れ流体が連通部832を通じて流体貯蔵タンク830に流入して貯蔵される。
【0055】
これとは反対に、流体流れ管812、814の外部の気温が高くなってハウジング820内の流れ流体の温度が設定温度よりも高くなると、ガス貯蔵室896内部に充填された温度感応流体871が膨張する。それにより、圧力補償バネ894とベローズ898が再び圧縮されてベローズ898に皺が生じることによって、シャフト892とシーソー部材850の一端852がヒンジ軸851を中心に再び下降するのに対して、シーソー部材850の他端854はヒンジ軸851を中心に上方へ上昇する。これにより、開放されていた第1ピストン弁842は流れ流体の流入圧力により上昇して連通部832を閉鎖することで、圧力解除室840内に充填されていた流れ流体が連通部832を通じて流体貯蔵タンク830に流入するのが阻止される。
【0056】
図10は、ガスを温度感応流体として用いる温度感応器の変形実施形態を示す。
図10に示すように、変形実施形態の温度感応器890は、温度変化に応じて変形される変形部材900をシャフト892及び支持部材902に付着してシャフト892を昇降するようにしても前述の実施の様態と同様に作動するので、その詳細な説明は省略する。変形部材900としては、例えばバイメタル、形状記憶合金、又は熱膨張係数が大きい材料が使用できる。
【0057】
また、
図10において、シャフト892と第1ピストン弁842はシーソー部材850により連動するものとして構成されている。しかし、本変形実施形態の場合には直接的に図示してはいないが、変形部材900の収縮及び膨張時にその動きの方向を上下に変えることができるため、シーソー部材850の構成なしにシャフト892と第1ピストン弁842が連動するようにすることができるのはもちろんである。
【0058】
更に、
図9を参照すれば、弁室870には第2ピストン弁876が介在されている上部流入通路872が形成され、この上部流入通路872は、圧力解除室840と連結管836を通じて連結されている。このような上部流入通路872と連結管836の下部には流体排出口822を開閉するように、ゴムパッド弁860が設けられ、このゴムパッド弁860の開放時に流体排出口822と連通するように下部流入通路858が形成されている。上部流入通路872を通じてハウジング820内の流れ流体が弁室870に流入するが、上部流入通路872で微細な間隙をおいて第2ピストン弁876が介在されているため、上部流入通路872を通じて弁室870に流入する流れ流体の量は微量である。このとき、ゴムパッド弁860の開閉と連動して第2ピストン弁876が上部流入通路872に沿って昇降することが好ましい。このようなゴムパッド弁860の開閉と連動する第2ピストン弁876の上部流入通路872の昇降により上部流入通路872の壁面と第2ピストン弁876との間に蓄積され得る異物も除去されることが可能となるため、本発明の流体流れ断続装置の寿命及び作動の信頼性を向上させることになる。図面において、説明を省略した符号744と778はそれぞれ圧力解除室840の第1ピストン弁842と弁室870の第2ピストン弁876が開閉される部分に気密を提供するために備えられるゴムリングとを示している。
【0059】
弁室870の上部流入通路872には、
図11に示すように、一方向弁862が提供されて上部流入通路872を通じて流入する流れ流体が逆流するのを防止する。このような一方向弁862は弁とこれを支持するバネで構成され、この時に用いられるバネは弾性係数が低いものを用いることによって、ハウジング820内の流れ流体が上部流入通路872を通じて流入はするものの、弁室870内の流れ流体はハウジング820に逆流するのを防止することで、装置の信頼性を向上させる。
【0060】
図12のように、流体排出口822がハウジング820の外部に通じず、流体流れ管の流入部812又は排出部814に提供された水道蛇口810に連結され得る。
【0061】
一方、本発明の実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、ハウジング820内の流れ流体が排出される設定温度が可変できる。最も簡単な方法として互いに異なる弾性係数値を有する圧力補償バネ894を用いることが挙げられる。しかし、所定の弾性係数値を有する圧力補償バネ894が既に設けられた場合、本発明の実施形態による温度感応型流体流れ断続装置は、設定温度が可変できる設定温度可変装置を更に含むこともできる。
【0062】
設定温度可変装置920は、
図13に示すように、温度感応器890のシャフト892の下端部に結合された弁ブロック880のシーソー部材850の勾配を調整するように、シャフト892の下部側面に形成されたガイド孔884にシーソー部材850の一端852が挿入され、シャフト892の下端に形成されたネジ溝886にネジで組み立てられた調節スクリュー922で構成されてもよい。
【0063】
調節スクリュー922をネジ調節することによって、シャフト892の孔884に挿入されたシーソー部材850の一端はガイド孔884内でガイドされて昇降することによって、シーソー部材850はそのヒンジ軸851を中心に勾配が調節される。このような構成によって、シーソー部材850の一端852がヒンジ軸851を中心に更に傾いてその一端851が上方へ更に上昇するように調節スクリュー922を調節すると、その他端854は下方へ更に下降する。それにより、流体流れ管812、814の外部が若干寒くなってハウジング820内の流れ流体の温度が少しだけ下がってもシャフト892の上昇時点が早くなる。従って、流れ流体の圧力により連通部832を閉鎖していた状態の第1ピストン弁842の開放時点が早くなる。反対に、シーソー部材850の勾配が低くなるように、調節スクリュー922を調節すると、第1ピストン弁842の開放時点が遅れる。
【0064】
流体貯蔵タンク830は、外部空気と連通する空気通路834を通じて外部空気と連通し、排出通路838を通じて流体排出口822と連通して流体排出口822で負圧が発生すれば、流体貯蔵タンク830内部の流れ流体は排出通路838を通じて流体排出口822に流入して排出される。流体貯蔵タンク830内部の流れ流体の排出が完了すると、空気通路834を通じて流入する外部空気は、排出通路838を通じて流体排出口822に流れるようになる。従って、排出通路838に残留する流れ流体まで全て排出するため、排出通路838は常に清潔な状態に維持される。
【0065】
以下、前述したように構成された本発明の第4実施形態による温度感応型流体流れ断続装置の作動を
図14〜
図17を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0066】
ハウジング820内部の流れ流体は、水圧により弁室870と圧力解除室840に充填されている。この状態で図示された
図9の装置で外部の気温が低くなり、ハウジング820内の流れ流体の温度が設定温度に到達すると、これを温度感応器890が感知する。即ち、ガス貯蔵室896内のガス871が凝縮して圧力補償バネ894とベローズ898は、
図14に示すように伸張し、これと同時に、シャフト892とシーソー部材850の一端852とは、
図15に示すように、上方へ上昇するようになる。反面、シーソー部材850の他端854は、ヒンジ軸851を中心に下降して圧力解除室840に流入する流れ流体の圧力により連通部832を閉鎖していた第1ピストン弁842を押すようになって、第1ピストン弁842は、
図16に示すように、下降して連通部832を開放する。すると、第1ピストン弁842の下降によって圧力解除室840は連通部832を通じて流体貯蔵タンク830と通じるようになるため、圧力解除室840内の流体が流体貯蔵タンク830に移送される。これと同時に、弁室870内の流れ流体も連結管836を通じて圧力解除室840に移動するようになる。
【0067】
一方、第2ピストン弁876が上部流入通路872に介在されているため、上部流入通路872を通じて弁室870に流入する流れ流体は、上部流入通路872を通じて、また、第2ピストン弁876との間隙を通じて流入する。従って、弁室870では連結管836を通じて圧力解除室830に移動する量よりも遥かに少ない量が流入する。これにより、弁室870の水圧、即ち、ゴムパッド弁860上部の水圧は低くなる。しかし、ゴムパッド弁860の下部はゴムパッド弁860の下部に形成された下部流入通路874に流入していた流れ流体により水圧がかかっているため、ゴムパッド弁860を中心にその上下の水圧差が発生する。これにより、ゴムパッド弁860は、
図17に示すように、上方へ膨張するようになって下部流入通路874と流体排出口822が互いに連通し、これにより、ハウジング820内の流れ流体は下部流入通路874に流入して流体排出口822を通じて外部への流体排出が起こる。
【0068】
代表的に、流体流れ管を水道管とすれば、通常、水道管の水圧は2〜3kgf/cm
2程度の値であるため、流体が外部に排出される時の流速は非常に速い。従って、ベルヌーイの原理により流体排出後の流体排出口822には負圧が発生する。このとき、流体排出口822と流体貯蔵タンク830は、排出通路838を通じて連通しているため、流体排出口822と流体貯蔵タンク830との間の圧力差により流体貯蔵タンク830にあった流体も排出通路838を通じて流体排出口822に移動して流体排出口822を通じて排出される。このように流体貯蔵タンク830内の流体が流体排出口822を通じて全て排出されると、流体貯蔵タンク830は排出通路838により外部空気と連通しているため、外部空気が空気通路834を通じて流体排出口822に通じるようになる。このような空気の流れによって、排出通路838に残留する流体を全て掃除するため、排出通路838は常に清潔な状態に維持される。
【0069】
外部の気温が上昇するか、圧力解除室840に十分に流れ流体が流入するか、またベローズ898内の圧力補償バネ894の弾性により伸ばされていたベローズ898が収縮すると、第1ピストン弁842は連通管832を次第に閉鎖する。これにより、弁室870の水圧も次第に上昇し、ゴムパッド弁860下端の水圧と同一になって水圧差がなくなると、ゴムパッド弁860が収縮することによって、下部流入通路874と流体排出口822との連通を遮断するため、流体の排出が中断される。
【0070】
本発明の温度感応型流体流れ断続装置は、以上のような動作の繰り返しにより流体流れ管で常に流体が流れるようにすることで、外部の気温が低くなっても外部の動力供給なしに流体流れ管内部の流体が凍らないようにすることにより、流体流れ管の凍破を防止する。
【0071】
以上、本発明による温度感応型流体流れ断続装置の具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎないものであって、本発明はこれに限定されず、本明細書に開示された基礎思想による最広の範囲を有するものと解釈されるべきであり、当業者であれば各構成要素の材質、大きさなどを適用分野によって容易に変更できる。
【0072】
また、開示された実施形態を組み合わせ/置換して適示されていない構造を採択できるが、これも本発明の範囲から逸脱しないものである。これ以外にも当業者は本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更又は変形でき、このような変更又は変形も本発明の権利範囲に属することは明白である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]温度感応型流体流れ断続装置であって、内部に流れ流体が流れる流体流れ管の流入部と排出部との間に設けられるハウジングと、前記ハウジング内に流れ流体を流入し、内部圧力の変化に応じて前記流れ流体の一部を前記ハウジングの外部に排出するように前記ハウジング内に設けられる弁ブロックと、内部に充填された温度感応流体の温度変化に応じて前記弁ブロック内に圧力差を発生させる温度感応器と、を含む温度感応型流体流れ断続装置。
[2]前記温度感応器は、前記温度感応流体が充填されて前記弁ブロックの上部に設けられた温度感応部と、前記温度感応部と連通するように前記弁ブロックの内部に設けられた反応室と、前記ハウジングに前記流れ流体を流入するように前記弁ブロックの内部に設けられた弁室と、前記ハウジングと連通する弁管と、前記反応室と前記弁室とを連通する第1流路と、前記反応室と前記排出管とを連通する第2流路とを含み、前記温度感応流体が設定温度に到達すると、前記弁室に流入した流れ流体を前記温度感応部の作動により前記反応室に流入して、前記弁室で発生した圧力差により前記弁室に流入する前記ハウジング内の流れ流体を前記排出管に排出することを特徴とする[1]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[3]前記温度感応部は、前記温度感応流体の凝縮と膨張によって膨張及び収縮するように設けられた皺部と、前記皺部の内部に前記皺部の膨張と収縮によって昇降するように設けられたピストン部材と、前記ピストン部材の外部面に嵌合されて前記ピストン部材を加圧するバネと、を含むことを特徴とする[2]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[4]前記反応室は、中空部材と、前記中空部材の下部に挿入された弾性のゴム部材と、前記中空部材の上部に順次挿入されたバネ及び接触部材で構成されて、前記ピストン部材の昇降によって昇降して前記第1流路を開閉するように設けられた第1弁体を含み、前記接触部材は前記ピストン部材の下端部と弾性的に当接し、前記第2流路は前記第1弁体の昇降によって開閉されることを特徴とする[3]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[5]前記弁室は、ピストン弁が介在されて前記ハウジング内に前記流れ流体を流入する上部流入通路と、前記排出管を開閉するように設けられたゴムパッド弁と、前記ゴムパッド弁の開放時に前記排出管と連通するように設けられた下部流入通路で構成されることを特徴とする[2]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[6]前記温度感応流体は温度が低くなると収縮し、温度が高くなると膨張する流体を含むことを特徴とする[2]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[7]前記排出管は前記排出管を開閉するように設けられた第2弁体を有する流体排出管を含み、前記第2弁体は、中空部材と、前記中空部材の下部に一端が挿入され、前記ハウジングの開放部に他端が付着されて上方へ加圧するように付着されたバネと、前記中空部材の上部に挿入された弾性のゴム部材で構成されることを特徴とする[2]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[8]前記第2流路は、流体貯蔵室と、前記流体貯蔵室と連通する第2弁室からなる排出流量調節器とを含み、前記排出管は中央がオリフィス管のように構成され、その上部が前記第2弁室と連通しており、その下部は前記流体貯蔵室と連通することを特徴とする[2]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[9]前記流体貯蔵室には、前記第2流路を開閉するように設けられた弁部材と、前記弁部材を下方へ加圧するように設けられたバネと、前記排出管の下部と連通する第3流路が提供され、前記反応室内の流れ流体に一定の圧力が生じて前記弁部材の上昇時に、前記反応室内の流れ流体が前記第2流路を通じて流入したり、前記第3流路を通じて前記下部の排出管を通じて排出されることを特徴とする[8]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[10]前記第2弁室は、前記流体貯蔵室との連通路に介在されたピストン弁と、前記第2流路を開閉するように設けられたゴムパッド弁とを含むことを特徴とする[8]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[11]前記温度感応器は、前記温度感応流体が充填され、前記温度感応流体の温度が前記ハウジング内の流れ流体の温度よりも低いように皺部が形成されて、前記充填された温度感応流体の温度変化に応じて前記弁ブロック内に圧力差を発生させる温度感応部を含むことを特徴とする[1]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[12]前記弁ブロックは、前記温度感応部が設けられ、前記温度感応部の皺部を中心に上下に区画されるように前記温度感応部を支持するホルダ、及び前記流体排出口と上部及び下部のそれぞれが連通するように設けられた上部及び下部連通管を含む温度感応室と、前記温度感応室と連通する連通路を開閉するように設けられた第1ピストン弁を備えて、前記ハウジング内に流入した流れ流体により圧力がかかるように構成された圧力解除室と、第2ピストン弁が介在されて前記ハウジング内に流れ流体を流入する上部流入通路と、前記圧力解除室と連結される連結管と、前記流体排出口を覆うように前記上部流入通路と前記連結管の下部に設けられたゴムパッド弁及び前記ゴムパッド弁の開放時に前記流体排出口と連通するように設けられた下部流入通路が形成された弁室とを含むことを特徴とする[11]に記載の温度感応型流れ流体断続装置。
[13]前記温度感応部の大きさは前記流れ流体の温度よりも前記温度感応流体の温度が低く維持されるように前記流れ流体管の大きさよりも小さく形成することを特徴とする[11]に記載の温度感応型流れ流体断続装置。
[14]設定温度を可変できるように設定温度可変装置を更に含むことを特徴とする[12]に記載の温度感応型流れ流体断続装置。
[15]前記設定温度可変装置は、前記温度感応室の内壁にネジ調節可能なように形成された前記ホルダであることを特徴とする[14]に記載の温度感応型流れ流体断続装置。
[16]前記温度感応流体は温度が低くなると膨張し、温度が高くなると収縮する流体を含むことを特徴とする[11]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[17]前記弁ブロックは、前記ハウジングの外部に前記流れ流体を排出するように形成された連通管と、前記連通管に連通し、前記ハウジング内に流入した流れ流体を貯蔵する流体貯蔵タンクと、前記ハウジング内に流入した流れ流体が充填されて、前記流体貯蔵タンクと連通する前記連通部を開閉するように設けられた第1ピストン弁を備える圧力解除室と、一端が前記温度感応部の収縮膨張と連動し、他端が前記圧力解除室の第1ピストン弁の開閉に連動するように前記連通部内にヒンジ固定されたシーソー部材と、第2ピストン弁が介在されて前記ハウジング内の流れ流体を流入する上部流入通路と、前記圧力解除室と連結される連結管と、前記流体排出口を覆うように前記上部流入通路と前記連結管の下部に設けられたゴムパッド弁と、前記ゴムパッド弁の開放時に前記流体排出口と連通するように形成された下部流入通路を有する弁室と、を含むことを特徴とする[1]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[18]前記温度感応器は、前記連通管に設けられ、前記連通管を通じて昇降するように設けられたシャフトと、前記シャフトを一方向に加圧する圧力補償バネと、温度変化に応じて収縮及び膨張するガスが貯蔵されるガス貯蔵室と、前記ガスの収縮及び膨張によって前記シャフトが昇降するように前記シャフトに付着されたベローズとを含むことを特徴とする[17]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[19]前記温度感応器は前記連通管に設けられ、前記連通管を通じて昇降するように設けられたシャフトと、温度変化に応じて前記シャフトが昇降するように前記シャフトに付着された変形部材とを含むことを特徴とする[17]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[20]前記変形部材はバイメタル、形状記憶合金、又は大きい熱膨張係数を有する物質のいずれか1つであることを特徴とする[19]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[21]前記温度感応流体は温度が低くなると収縮し、温度が高くなると膨張する流体を含むことを特徴とする[17]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[22]前記設定温度を可変できるように設定温度可変装置を更に含むことを特徴とする[18]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[23]前記設定温度可変装置は、前記温度感応部の前記シャフトの下端部に結合され、前記弁ブロックのシーソー部材の勾配を調整する調節スクリューを含むことを特徴とする[22]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。
[24]前記流体貯蔵タンクには外部空気と連通する空気通路と、前記流体排出口と連通する排出通路が提供され、前記流体貯蔵タンクの内部に貯蔵した流れ流体は前記流体排出口で発生する負圧により前記排出通路を通じて前記流体排出口に流入して排出されることを特徴とする[17]に記載の温度感応型流体流れ断続装置。