特許第5714504号(P5714504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714504
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】モータ−ポンプ組立体
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20150416BHJP
   F04B 45/047 20060101ALI20150416BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   F04B39/00 101R
   F04B45/047
   F04B39/12 101C
   F04B39/00 103B
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-541394(P2011-541394)
(86)(22)【出願日】2009年12月15日
(65)【公表番号】特表2012-512985(P2012-512985A)
(43)【公表日】2012年6月7日
(86)【国際出願番号】EP2009067202
(87)【国際公開番号】WO2010069963
(87)【国際公開日】20100624
【審査請求日】2012年11月29日
(31)【優先権主張番号】102008064151.0
(32)【優先日】2008年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102009054502.6
(32)【優先日】2009年12月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500030596
【氏名又は名称】コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】クレブス、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】リューファー、マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】バハー、イエンス
(72)【発明者】
【氏名】クレー、ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ミリジク、ラツァー
(72)【発明者】
【氏名】ザイツ、カールハインツ
(72)【発明者】
【氏名】ケニヒ、ハラルト
(72)【発明者】
【氏名】コレルス、ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴンツァレツ、ヨゼ
(72)【発明者】
【氏名】ユルギンク、ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ニーペンベルク、マルセル
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/090764(WO,A1)
【文献】 特開昭62−157285(JP,A)
【文献】 特開2007−154806(JP,A)
【文献】 特開2000−145646(JP,A)
【文献】 特表2009−526162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04B 39/12
F04B 45/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ(2)とこのポンプ(2)を駆動する電動モータ(3)とを備え、このポンプ(2)は、互いに対向配置されてそれぞれがポンプハウジング(5)と作動スペースカバー(6)との間に把持され、これにより、作動スペース(7)を区画し、偏心部材(9)と連接棒(10)とを有するクランク駆動装置(8)で移動可能な2つの作動ダイアフラム(4)を有するダブルダイアフラムポンプとして形成され、前記作動スペース(7)はそれぞれ入口弁を有する入口通路と出口弁を有する出口通路とを設けられ、前記出口通路は、作動スペースカバー(6)とポンプハウジング(5)とに、前記作動スペース(7)から放出された空気が、前記クランク駆動装置を囲む、前記ポンプハウジング(5)の内部スペース(22)に案内されるように、配置されて設けられ、更に、空気を逸らすことにより、内部スペース(22)から低騒音での空気の放出を可能とする空気出口ユニット(13)が設けられる、負圧ブレーキブースタである空圧ブレーキブースタを有する自動車ブレーキシステムのブレーキ作動装置のための圧力を形成するモータ−ポンプ組立体であって、前記偏心部材(9)はそれぞれ、焼結部材として設けられる偏心部材(9)上に一体的に成型されて設けられた不平衡ウェイト(25)を有することを特徴とするモータ−ポンプ組立体。
【請求項2】
前記連接棒(10)は、焼結部材として設けられることを特徴とする請求項1に記載のモータ−ポンプ組立体。
【請求項3】
前記連接棒(10)の連結用アイレット(26)が焼結部材として設けられ、プラスチック製の連接棒軸部(27)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ−ポンプ組立体。
【請求項4】
前記連結用アイレット(26)に対する連接棒軸部(27)の取付けは、射出成型により前記連結用アイレット(26)の延長部(28)を封入することにより設けられることを特徴とする請求項3に記載のモータ−ポンプ組立体。
【請求項5】
前記作動ダイアフラム(4)は、摩擦溶接により、前記連接棒(10)に取付けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のモータ−ポンプ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分によるモータ−ポンプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つの負圧チャンバと1つの作動チャンバとに内部が分割される空圧ブレーキブースタのための真空圧を利用可能とするために、負圧チャンバから残留する空気を吸引し、これを大気中に排出する真空圧ポンプが用いられている。自動車産業界では、一般にベーンタイプのポンプまたは回転ベーンタイプのポンプがこのために使用されている。このようなポンプは、内包する原理により、大きな摩擦が発生し、使用寿命を容認可能なものとするために、潤滑することが必要である。自動車の内燃機関で駆動され、ベーンを有する真空圧ポンプは、したがって、内燃機関の潤滑油回路に接続される。しかし、内燃機関による出力される動力のかなりの部分がこのポンプを駆動するために使用することが必要である。排気すべきチャンバ内の真空圧が完全に形成された場合でも同様である。この理由により、真空圧ポンプを電気エネルギで作動し、負圧チャンバ内の絶対圧力が所定の値より上昇したときにのみ、これを作動することが適切である。
【0003】
更に、電気駆動又はハイブリッド駆動の車両では、内燃機関により真空ポンプを駆動することができないか、又は、特定のときに駆動できない。このため、電気的に駆動される真空ポンプがこのような車両に用いられている。
【0004】
このような電動駆動ポンプに潤滑回路を設け、又は、このようなポンプにこのような回路を接続することは、極めて大きな費用が必要となる。このため、乾式作動(dry-running)の真空ポンプだけが、電動真空ポンプを有するブレーキシステムを備えた自動車に使用することが可能である。ベーンタイプのポンプでは、自己潤滑性の材料であるグラファイトがこのために使用されており、これらのベーンは、高コストで必要な精度を持ってグラファイトで製造されている。このために、制動用の真空圧を電気的に得ることを可能とするため、ダイアフラムポンプを使用することの努力が行われている。
【0005】
一般的な形式のモータ−ポンプ組立体は、例えば特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ特許公報DE10 2007 005 223A1
【発明の概要】
【0007】
製造コスト及び搭載費用を減少するための労力が常に払われている。このことから、本発明の目的は、一般的な形式の従来の組立体に比して少ない搭載費用を必要とする、低騒音でコスト低減されたモータ−ポンプ組立体を利用可能とすることである。更に、部材数を減少すべきである。
【0008】
本発明によりこの目的が達成され、不平衡ウェイトを有する偏心部材が、焼結部材として設けられる。これは、吸気ユニットの装着を極めて簡略化し、部材の数を減少することを可能とする。
【0009】
本発明の他の特徴、利点及び利用可能性は、例示的な実施形態の以下の説明及び図面から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明によるモータ−ポンプ組立体を立体的に示す。
図2図2は、図1のモータ−ポンプ組立体を長手方向断面で示す。
図3図3は、クランク駆動装置と共に図1及び2のモータ−ポンプ組立体の作動ダイアフラムを示す。
図4図4は、モールド成型された不平衡ウェイトを有する図3のクランク駆動装置の偏心部材を示す。
図5図5は、図3によるクランク駆動装置の連接棒を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明によるモータ−ポンプ組立体1を展開して示し、このモータ−ポンプ組立体1は、ポンプハウジング5を有するポンプ2と、ポンプ2を駆動する電動モータ3とを備え、この電動モータ3は例えば直流モータとして具体化することができる。
【0012】
ポンプ2は、図2の断面図から明らかなように、2つの作動ダイアフラム4を有するダブルダイアフラムポンプとして形成されており、これらのダイアフラムは、互いに対向して配置されかつそれぞれがポンプハウジング5と作動スペースカバー6との間に把持され、これにより、作動スペース7を区画している。これらの作動ダイアフラム4は、クランク駆動装置8により、反対方向に移動することができ、このクランク駆動装置は、ダイアフラム4ごとに、偏心部材9と連接棒10とを備えている。作動スペースカバー6は上カバー11と下カバー12とを有し、これらのカバーは、互いに気密状態に溶接され、リベット留めされ、又は、ねじ留めされる。コスト低減のために、上カバー11をプラスチック製で設け、下カバー12は穴あき部材(punched part)又は焼結部材(sintered part)として形成されている。アルミニュームダイカストによる費用効率の高い製品とすることも可能である。
【0013】
作動スペースカバー6に、入口弁および出口弁(図示しない)が設けられる。吐出された空気は、出口弁から作動スペースカバー6内の出口通路を介して、ポンプハウジング5内の出口通路に案内され、これらの出口通路は、シール形成部材により気密状態に接続されている。ポンプハウジング5内の2つの出口通路は、クランクスペースと称されるポンプハウジング5の内部スペース22内に開口しており、このポンプハウジングはクランク駆動装置8を囲んでいる。
【0014】
空気出口ユニット13がポンプハウジング5内に設けられており、この空気出口ユニットはフィルタハウジング14と、中間床部15と、空気出口カバー16とを備え、中間スペース22から低騒音での空気の放出を可能とし、これにより、騒音減衰スペースとして作用する。更に、空気出口ユニット13は、単一部材又は複数部材からなる弁ボディを有する逆止弁(図示しない)を備え、既に吐出された空気の逆流を阻止し、液状又はガス状物質が内部スペース22内に入るのを阻止する。
【0015】
更に、空気が内部スペース22から出るときの空気派生の騒音(air-borne sound)が減少され、これは、空気が空気出口ユニット13を介して流れるときに、繰返して逸らされ、その過程で2つのフィルタ部材17,18を介して流れ、この後、空気出口ユニット13を出る、という事実によるものである。
【0016】
ポンプハウジング5はプラスチックで形成されており、費用効率の高い製品とすることができる。図1および2から明らかなように、モータ金属板(motor laminate)19がモータ3とポンプハウジング5との間に配置されており、このモータ金属板はポンプハウジング5のモータフランジ側20に取付けられ、モータ3により出力される電磁干渉(EMC radiation)を阻止する。
【0017】
モータ3およびモータ金属板19は、ポンプハウジング5に直接ねじ込まれるねじ部材21により、ポンプハウジング5に取付けられる。
【0018】
更に、図1に示されており、これを介して、接続されたブレーキブースタが排気される接続部23が、ポンプハウジング5に設けられている。
【0019】
更に、図2から、モータシャフト24が、同時に、偏心部材9と連接棒10とを有するクランク駆動装置8を支える偏心軸としても作用することが、明らかである。しかし、モータシャフトと偏心軸とが分離した実施形態も可能である。
【0020】
図3は、立体的に展開した状態で、作動ダイアフラム4をクランク駆動装置8と共に示し、このクランク駆動装置は偏心部材9と連接棒10とを有し、これらの偏心部材9と連接棒10との拡大した図が図4および5に記載してある。
【0021】
図4から明らかなように、偏心部材(eccentric)9は、振動の最適化を目的として、一体的にモールド成型された不平衡ウェイト(unbalance weight)25を有し、これらの偏心部材9および不平衡ウェイト25は、焼結部材として製造される。偏心部材9のこの構造は、偏心部材9にねじ留め、溶接等により不平衡ウェイト25を別個に装着することを省略することができるため、一方において、費用対効果に優れた製品とし、簡略化した装着を可能とし、他方において、部材数を更に減少させることを可能とする。
【0022】
更に費用を最適化するため、連接棒10の連結用アイレット(connecting eyelet)26が焼結部材として形成され、連接棒軸部27がプラスチックで形成される。連結用アイレット26に対する連接棒軸部27の取付けは、連結用アイレット26上に延長部(extension)28を射出成型して封入する(encapsulation)ことにより行われる。
【0023】
作動ダイアフラム4は、連接棒軸部27に、摩擦溶接(friction welding)することにより容易に取付けることができる。ボール軸受29が連結用アイレット26内にプレス嵌めされる。
【0024】
図示しない本発明の実施形態では、連接棒10は焼結部材として一部材(one piece)で製造される。
【0025】
(符号の説明)
1 モータ−ポンプ組立体
2 ポンプ
3 モータ
4 作動ダイアフラム
5 ポンプハウジング
6 作動スペースカバー
7 作動スペース
8 クランク駆動装置
9 偏心部材
10 連接棒
11 上カバー
12 下カバー
13 空気出口ユニット
14 フィルタハウジング
15 中間床部
16 空気出口カバー
17 フィルタ部材
18 フィルタ部材
19 モータ金属板
20 モータフランジ側
21 ねじ部材
22 内部スペース
23 接続部
24 モータシャフト
25 不平衡ウェイト
26 連結用アイレット
27 連接棒軸部
28 延長部
29 ボール軸受
図1
図2
図3
図4
図5