(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714557
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】6自由度を有する大型画面協調装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20150416BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
H04N5/64 581E
B25J9/06 A
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-267803(P2012-267803)
(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公開番号】特開2013-187896(P2013-187896A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2012年12月7日
(31)【優先権主張番号】201210062248.1
(32)【優先日】2012年3月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514231631
【氏名又は名称】ダリアン ワンダ グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100117444
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(72)【発明者】
【氏名】ライ ジァンイェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユェン
【審査官】
西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第101916532(CN,A)
【文献】
特開2000−112376(JP,A)
【文献】
特開2002−132173(JP,A)
【文献】
特開平10−164465(JP,A)
【文献】
特開2000−165778(JP,A)
【文献】
特開2008−080475(JP,A)
【文献】
特開2003−103491(JP,A)
【文献】
特開2000−297897(JP,A)
【文献】
特開2007−068065(JP,A)
【文献】
中国実用新案第202454193(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
B25J 9/06
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
6自由度を有する大型画面協調装置であって、
前記大型画面協調装置は、
等距離で平行に配置された3つの同じロボットアームを備え、
各ロボットアームは、コラム回転対偶と、コラムと、伸縮アームと、第1の回転アームと、第2の回転アームと、第3の回転アームとを備え、
前記コラム回転対偶が、Y軸周りに回転可能であり、
前記コラムには、垂直に設定される前記コラムの上面および底面に前記コラム回転対偶がそれぞれ設けられ、
前記伸縮アームの一端が、伸縮アーム回転対偶を介して前記コラムの側面と接続され、
前記第1の回転アームが、第1の回転対偶を介して前記伸縮アームの自由端と接続および適合され、前記伸縮アームと前記第1の回転アームとが、前記第1の回転対偶を介して接続され、
前記第2の回転アームが、第2の回転対偶を介して前記第1の回転アームの自由端と接続および適合され、
前記第3の回転アームが、第3の回転対偶を介して前記第2の回転アームの自由端と接続および適合され、
前記第3の回転アームが、画面回転対偶を介してディスプレイ画面と接続および適合され、前記伸縮アーム回転対偶、前記第1の回転対偶、および前記第2の回転対偶が、互いに平行に配置され、前記第2の回転対偶、前記第3の回転対偶、および前記画面回転対偶が、互いに垂直に配置されることを特徴とする6自由度を有する大型画面協調装置。
【請求項2】
前記伸縮アーム回転対偶、前記第1の回転対偶、および前記第2の回転対偶の全てが、Z軸に平行な軸周りに回転し、前記第3の回転対偶が、Y軸に平行な軸周りに回転し、前記画面回転対偶が、X軸に平行な軸周りに回転することを特徴とする、請求項1に記載の6自由度を有する大型画面協調装置。
【請求項3】
釣り合いおもり装置が、前記第1の回転アームに設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の6自由度を有する大型画面協調装置。
【請求項4】
釣り合いおもり装置が、前記伸縮アームの前端に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の6自由度を有する大型画面協調装置。
【請求項5】
距離センサが、前記ディスプレイ画面の周囲に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の6自由度を有する大型画面協調装置。
【請求項6】
機械的装置が、衝突を避けるために前記ディスプレイ画面の周囲に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の6自由度を有する大型画面協調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型画面協調装置に関する。詳細には、本発明は、6自由度を有する大型画面協調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、大型画面および大規模な6自由度を有するビデオディスプレイは、市販されていない。高い協調精度で移動することができ、困難が多い様々な移動の組み合わせを達成することができる3つの画面は、未だに見られていない。高い精度の制御を有する6自由度の最大重量負荷は、15000N/mである。しかし、6自由度を有するディスプレイの最大重量負荷は低く、したがって、ディスプレイの最も大きい有効表示寸法は、数10mである。これによって、大劇場のような大きい鑑賞会場では乏しい鑑賞体験になる。加えて、従来技術における大型画面のLED画面は、6自由度の移動を実現することができず、ましていくつか組み合わせた画面の協調移動もできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解決し、6自由度を有する大型画面の移動を実現することができると共に、いくつか組み合わせた大型画面の協調移動さえも実現することができる6自由度を有する大型画面協調装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の目的を達成するために、6自由度を有する大型画面協調装置は、この大型画面協調装置が、等距離で平行に配置された3つの同じロボットアームを備えることを特徴とする。ロボットアームの各々は、コラムであって、Y軸周りに回転できるコラム回転対偶が、垂直に設定される前記コラムの上面および底面にそれぞれ設けられるコラムと、伸縮アームであって、伸縮アームの一端が、伸縮アーム回転対偶を介して前記コラムの側面と接続される伸縮アームと、第1の回転対偶を介して前記伸縮アームの自由端と接続および適合される第1の回転アームと、第2の回転対偶を介して前記第1の回転アームの自由端と接続および適合される第2の回転アームと、第3の回転対偶を介して第2の回転アームの自由端と接続および適合される第3の回転アームとを備え、この第3の回転アームが、画面回転対偶を介してディスプレイ画面と接続および適合される。伸縮アーム回転対偶、第1の回転対偶、および第2の回転対偶が、互いに平行に配置される。第2の回転対偶、第3の回転対偶、および画面回転対偶が、互いに垂直に配置される。
【0005】
好ましくは、伸縮アーム回転対偶、第1の回転対偶、および第2の回転対偶の全てが、Z軸に平行な軸周りに回転する。第3の回転対偶が、Y軸に平行な軸周りに回転し、画面回転対偶が、X軸に平行な軸周りに回転する。
【0006】
好ましくは、釣り合いおもり装置が、第1の回転アームに設けられる。
【0007】
好ましくは、釣り合いおもり装置が、伸縮アームの前端に設けられる。
【0008】
好ましくは、距離センサが、ディスプレイ画面の周囲に設けられる。
【0009】
好ましくは、機械的装置が、衝突を避けるために前記ディスプレイ画面の周囲に設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の有利な効果は、6自由度を有する大型画面協調装置が、いくつか組み合わせた画面の協調移動を実現するように6自由度を有する大型画面のLED画面の移動を実現するために適用できることである。さらに、釣り合いおもり装置が、第1の回転アームに設けられて実行のためのパワーを減少させ、それによってエネルギー効率の効果がもたらされる。加えて、釣り合いおもり装置を伸縮アームの前端に付加することによって、油シリンダのパワーおよび引抜き力(drawing force)を減少させることができる。サーボ周波数変換器は、駆動部として使用して、画面の共役精度(screen conjugating precision)を改善し、鑑賞体験を向上させるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明において提供される6自由度を有する大型画面協調装置の正面図である。
【
図2】
図1に示すような6自由度を有する大型画面協調装置の上面図である。
【
図3】
図1に示すような6自由度を有する大型画面協調装置の左側図、および3つの異なる位置におけるこの協調装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、添付図面および特定の実施形態を組み合わせることによって詳細にさらに示される。
【0013】
図1〜
図3に示すように(
図3中のラベルAおよびラベルBは、ディスプレイが空間内の2つの異なる位置にあるときのロボットアームの概略図を示す)、6自由度を有する大型画面協調装置は、等距離で平行に配置された3つのロボットアームを備える。これら3つのロボットアームの構造は、同じである。ロボットアームの各々は、コラム2、伸縮アーム5、第1の回転アーム9、第2の回転アーム11、および第3の回転アーム14を備える。
【0014】
詳細には、このコラム2は、垂直にセットされる。Y軸周りに回転できるコラム回転対偶1は、コラム2の上面および底面にそれぞれ設けられる。コラム回転対偶1は、モータ減速器によって駆動され、それによってコラム2は、ステージ周りに水平に回転することができる。そのようにして、ディスプレイ画面3は、幅広い範囲内でコラム2周りに回転することができ、左右に向かって移動することもできる。
【0015】
伸縮アーム5の一端は、伸縮アーム回転対偶4を介してコラム2の側面と接続される。第1の回転アーム9は、第1の回転対偶8を介して伸縮アーム5の自由端と接続および適合される。伸縮アーム回転対偶4および第1の回転対偶8は、Z軸に平行な軸周りに共に回転することができる。伸縮油シリンダまたは他の伸縮機器が、第1の回転アーム9に近い伸縮アーム5上の場所に設けられ、伸縮アーム5が、水平面に垂直な面内で、コラム2と接続される伸縮アーム回転対偶4周りに回転することができるようになっている。コラム2の軸および伸縮アーム5の軸は、上記面を通り抜ける。このようにして、ディスプレイ画面3は、垂直面内で回転することができ、垂直面内で上下前後に移動することもできる。さらに、釣り合いおもり装置7が、第1の回転アーム9に設けられており、すなわち、第1の回転アーム9は、支持アームおよび釣り合いおもりアームで構成される。第1の回転対偶8は、モータ減速器または油圧モータによって駆動される。モータ減速器のねじれおよびパワーを低減させるために、釣り合いおもりアームおよび釣り合いおもりのような釣り合いおもり装置7が加えられて、エネルギー効率の良い効果を実現する。
【0016】
第2の回転アーム11は、第2の回転対偶10を介して第1の回転アーム9の自由端と接続および適合される。第3の回転アーム14は、第3の回転対偶12を介して第2の回転アーム11と接続および適合される。第3の回転アーム14は、画面回転対偶13を介してディスプレイ画面3と接続および適合される。第2の回転対偶10、伸縮アーム回転対偶4、および第1の回転対偶8は、互いに平行に配置され、第2の回転対偶10、第3の回転対偶12、および画面回転対偶13は、互いに垂直に配置される。好ましくは、第1の回転対偶8および第2の回転対偶10は、Z軸に平行な軸周りに共に回転する。第3の回転対偶12は、Y軸に平行な軸周りに回転し、画面回転対偶13は、X軸に平行な軸周りに回転する。したがって、第1の回転アーム9は、垂直面内でやはり回転することができ、第1の回転アーム9と伸縮アーム5の組み合わせによって、ディスプレイ画面3が、空間内の並進運動に関して3自由度で大きい範囲内で移動することが可能になる。さらに、3自由度を有するディスプレイ画面3の回転は、第2の回転対偶10、第3の回転対偶12、および画面回転対偶13の垂直な配置によって実現することができる。したがって、各ロボットアームは、6自由度を有する移動を実現することができ、6自由度を有するこの協調装置は、コンピュータおよび関連した同期制御技術によって実現することができる。
【0017】
さらに、ディスプレイは、面積が画面当たり(11.28m×6.74m)である軽量LED画面を使用する。ディスプレイ画面3の支持体は、軽量鋼構造15を使用する。ディスプレイ画面3と鋼構造15の総重量は、6500kg未満に調整される。画面回転対偶13は、電気モータによって駆動され、環状歯車回転部が、支持体として使用される。サーボモータが、電気モータとして使用される。サーボ周波数変換器が、周波数変換器として使用される。第3の回転対偶12は、電気モータによって駆動され、環状歯車回転部が、支持体として使用される。サーボモータが、電気モータとして使用される。ダブルモータ減速機が、ギヤの駆動力を分散させるために使用される。サーボ周波数変換器が、周波数変換器として使用される。第2の回転対偶10は、サーボモータによって駆動され、環状歯車回転部が、支持体として使用される。サーボモータが、電気モータとして使用される。ダブルモータ減速機は、ギヤの駆動力を分散させるために使用される。サーボ周波数変換器が、周波数変換器として使用される。
【0018】
大きい断面を有する箱型はり構造の第1の回転アーム9が、その剛性を増大させるために使用される。根元から前端へ断面は、徐々に減少して重量を減らしている。箱型はりは、薄鋼板を使用する。穴が、側板などに開けられる。第1の回転対偶8は、サーボモータによって駆動され、環状歯車回転部が、支持体として使用される。サーボモータが、電気モータとして使用される。4つのサーボモータ減速機が、ギヤの駆動力を分散させるために使用される。サーボ周波数変換器が、周波数変換器として使用される。箱型はり構造の伸縮アーム5が、やはり選択される。第1の回転アーム9の釣り合いおもりアームのための空間を節約するために、Y軸の方向に沿って伸縮アーム5の上板および下板の中央にスロットが開いており、第1の回転アーム9の釣り合いおもりアームが、通過できるようになっている。伸縮アーム5は、2つの油シリンダによって伸縮される。
図2中の伸縮アーム釣り合いおもり16およびその鋼線ロープ17に示すように、釣り合いおもりの引張りスポットが、上記伸縮アーム5の前端に設けられて油シリンダの引張り力およびパワーを減少させる。鋼線ロープ17は、定滑車を迂回し、伸縮アーム釣り合いおもり16と接続される。この伸縮アーム釣り合いおもり16の別の安全保護機能は、このロボットアームが運転を停止し、折り畳まれるときに、固定ピンが、釣り合いおもりの端部に加えられてもよく、それによってロボットアームが運転を停止したときの油シリンダの引張り力を減少させることである。加えて、大型アームは、油シリンダが一部不調を有する場合に下に落ちない。コラム2の底端部は、大きい支持強度で回転支持体によって支持される。外部のギヤ回転支持体が使用される。サーボモータが、電気モータとして使用される。2つのサーボモータ減速機が、ギヤの駆動力を分散させるために使用される。サーボ周波数変換器が、周波数変換器として使用される。底部回転支持体と同じ軸を有するコラム回転対偶1が、コラム2の上部にやはり設けられるべきである。2つのコラム回転対偶1が、長い距離を有するので、上側コラム回転対偶は、鋼構造の製造から生じる誤差によって引き起こされる滑らかでない回転に打ち勝つために、わずかに移動できるナックルベアリングに変更されてもよい。Y方向に関する自由度を解放することも必要である。
【0019】
同じ構造を有する3つのロボットアームの精確な協調動作を実現するために、高性能の中央制御装置が使用される。高精度のエンコーダが、各対偶の速度を検出するために使用される。速度および位置の閉ループ制御が、この制御装置を用いて構成される。高精度の比例弁が、油シリンダの電磁弁に用いられる。各制御システムは、機械的システムと協働され、それによって各制御システムは、所望の性能効果を実現するために、所定のプログラムを用いて迅速に実行することができる。
【0020】
この装置の実行中の事故を避けるために、距離センサも、各ディスプレイ画面3の周囲に設けられ、ディスプレイ画面3が近付くときに警告信号を発することができる。加えて、機械的装置が、衝突を避けるためにディスプレイ画面の周囲に設けられ、動作中の画面の安全を保証する。
【0021】
本明細書に記載の全ての実施形態は、本出願の好ましい実施形態であり、本発明の範囲を限定することを意図しない。本出願のクレームされた範囲に従ってなされた全ての均等な変更形態および修正形態は、本発明の技術的範囲内である。
【符号の説明】
【0022】
1 コラム回転対偶
2 コラム
3 ディスプレイ画面
4 伸縮アーム回転対偶
5 伸縮アーム
7 釣り合いおもり装置
8 第1の回転対偶
9 第1の回転アーム
10 第2の回転対偶
11 第2の回転アーム
12 第3の回転対偶
13 画面回転対偶
14 第3の回転アーム
15 軽量鋼構造、鋼構造
16 伸縮アーム釣り合いおもり
17 鋼線ロープ