特許第5714561号(P5714561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許5714561フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板
<>
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000002
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000003
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000004
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000005
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000006
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000007
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000008
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000009
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000010
  • 特許5714561-フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714561
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】フリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20150416BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   G02F1/1368
   G02F1/1343
【請求項の数】19
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-286989(P2012-286989)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-186470(P2013-186470A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2012年12月28日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0022501
(32)【優先日】2012年3月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, デヒョン
(72)【発明者】
【氏名】シン, チャンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】シン, エギョン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ルダ
【審査官】 弓指 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−216963(JP,A)
【文献】 特開2008−191669(JP,A)
【文献】 再公表特許第2008/026344(JP,A1)
【文献】 特開平10−339887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に交差した複数のゲート配線及びデータ配線によって定義される複数の画素領域を備えた表示領域と、前記表示領域の周辺に第1ないし第4非表示領域とが定義され、前記各画素領域にはスイッチング薄膜トランジスタと、それに接続した板状の画素電極とが設けられ、前記画素電極上の前記表示領域全面に、前記画素電極に対面して複数のバー形状の開口を持つ共通電極が設けられたフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板において、
前記第1ないし第4非表示領域には前記表示領域を囲んで複数の検査用画素領域が備えられ、
前記各検査用画素領域には、検査用薄膜トランジスタと、当該検査用薄膜トランジスタに接続し、前記共通電極が設けられた層と同じ層に、前記共通電極と同一物質からなり、前記共通電極と離隔した検査用電極とが設けられ、更に
前記表示領域の最外殻に位置する画素領域と前記検査用画素領域との間には、前記スイッチング薄膜トランジスタと前記画素電極を含むダミー画素領域が備えられ、
当該ダミー画素領域には共通電極が設けられない、あるいは、ダミー画素領域の一部領域に対してのみ共通電極が設けられることにより、画素領域の共通電極と検査用画素領域の検査用電極との間のショートを防止する
ことを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項2】
前記第2及び第4非表示領域には、前記ゲート配線と並んで設けられた第1及び第2検査用ゲート配線と、前記第1及び第3非表示領域には、前記データ配線と並んで設けられた第1及び第2検査用データ配線のそれぞれが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項3】
前記表示領域を介して相互に向かい合った前記第1及び第3非表示領域には、それぞれ前記第1及び第2検査用データ配線が設けられ、前記第1及び第2検査用データ配線は、前記第1及び第3非表示領域にそれぞれ設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのソース電極に接続したことを特徴とする請求項2に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項4】
前記第1及び第3非表示領域に設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのゲート電極は、前記表示領域に備えられた複数のゲート配線に接続したことを特徴とする請求項3に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項5】
前記表示領域を介して相互に向かい合った前記第2及び第4非表示領域には、前記第1及び第2検査用ゲート配線が設けられ、前記第1及び第2検査用ゲート配線は、前記第2及び第4非表示領域にそれぞれ設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのゲート電極に接続したことを特徴とする請求項2に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項6】
前記第2及び第4非表示領域に設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのソース電極は、前記表示領域に設けられた複数のデータ配線に接続したことを特徴とする請求項5に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項7】
前記第1及び第2検査用ゲート配線の一端には、それぞれ前記第1ないし第4非表示領域のうち、1つに設けられた検査用ゲートパッド電極が備えられ、
前記第1及び第2検査用データ配線の一端には、それぞれ前記第1ないし第4非表示領域のうち、他の1つに設けられた検査用データパッド電極が備えられたことを特徴とする請求項1に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項8】
各検査用画素領域に備えられた検査用トランジスタのドレイン電極上には、保護層が備えられ、
前記保護層は、前記検査用トランジスタのドレイン電極を露出するドレインコンタクトホールを有することを特徴とする請求項1に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項9】
前記検査用画素領域の検査用電極は、対応するドレインコンタクトホールを介して前記検査用トランジスタのドレイン電極に接触したことを特徴とする請求項8に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項10】
前記スイッチング薄膜トランジスタ及び前記検査用薄膜トランジスタは、それぞれ順次積層した形でゲート電極と、ゲート絶縁膜と、半導体層と、相互に離隔したソース電極及びドレイン電極とからなることを特徴とする請求項1に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項11】
前記画素領域に設けられた前記画素電極は、前記ゲート絶縁膜上に設けられ、前記スイッチング薄膜トランジスタのドレイン電極は、前記画素電極の一端上面まで延長して設けられたことを特徴とする請求項10に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項12】
検査用画素領域と特定方向に隣り合った画素領域との間の幅は、前記特定方向に相互に隣り合った画素領域同士の間隔と同じか、または狭いことを特徴とする請求項1に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項13】
前記各ゲート配線及び前記各データ配線の一端には、それぞれゲートパッド電極及びデータパッド電極が設けられ、
前記各ゲートパッド電極に接触して第1駆動IC(Integrated Circuit)が実装され、前記各データパッド電極に接触して第2駆動ICが実装されたことを特徴とする請求項1に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項14】
映像を表示し、スイッチング薄膜トランジスタが設けられた、相互に交差した複数のゲート配線及びデータ配線によって定義される複数の画素領域を備えた表示領域と、
前記表示領域を部分的に囲む、少なくとも1つの非表示領域を備え、
前記少なくとも1つの非表示領域は、行または列の検査用画素領域を備え、
前記各画素領域には前記スイッチング薄膜トランジスタと、それに接続した板状の画素電極とが設けられ、前記画素電極上の前記表示領域全面に、前記画素電極に対面して複数のバー形状の開口を持つ共通電極が設けられたフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板において、
前記各検査用画素領域には、検査用薄膜トランジスタと、当該検査用薄膜トランジスタに接続し、前記共通電極が設けられた層と同じ層に、前記共通電極と同一物質からなり、前記共通電極と離隔した検査用電極とが設けられ、
前記検査用画素領域の検査は、前記スイッチング薄膜トランジスタの欠陥を検出するために用いられ、更に
前記表示領域の最外殻に位置する画素領域と前記検査用画素領域との間には、前記スイッチング薄膜トランジスタと前記画素電極を含むダミー画素領域が備えられ、
当該ダミー画素領域には共通電極が設けられない、あるいは、ダミー画素領域の一部領域に対してのみ共通電極が設けられることにより、画素領域の共通電極と検査用画素領域の検査用電極との間のショートを防止する
ことを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項15】
前記検査用画素領域は画素電極を備えないことを特徴とする請求項14に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項16】
前記検査用画素領域は、対応する検査用薄膜トランジスタを覆保護層を備え、
前記保護層は、その内部に設けられた検査用ドレインコンタクトホールを備え、
各検査用画素領域の検査用電極は、前記保護層上に設けられ、前記検査用ドレインコンタクトホールを介して対応する検査用薄膜トランジスタのドレイン電極に接触したことを特徴とする請求項14に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項17】
前記少なくとも1つの非表示領域は、前記表示領域の第1ないし第4側にそれぞれ備えられ、前記表示領域を囲む第1ないし第4非表示領域を備え、
前記第1ないし第4非表示領域は、それぞれ前記行または列の検査用画素領域を備えたことを特徴とする請求項14に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項18】
前記行または列の検査用画素領域の数は、前記表示領域に設けられたデータ配線またはゲート配線の数に対応することを特徴とする請求項17に記載のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板。
【請求項19】
映像を表示する表示領域を備えたアレイ基板と、
カラーフィルター及びブラックマトリクスを備えたカラーフィルター基板と、
前記アレイ基板と前記カラーフィルター基板との間に液晶層を備え、
前記アレイ基板は、
前記映像を表示し、スイッチング薄膜トランジスタが備えられた、相互に交差した複数のゲート配線及びデータ配線によって定義される複数の画素領域を備えた表示領域と、
前記表示領域を部分的に囲む少なくとも1つの非表示領域を備え、
前記少なくとも1つの非表示領域は、行または列の検査用画素領域を備え、
前記各画素領域には前記スイッチング薄膜トランジスタと、それに接続した板状の画素電極とが設けられ、前記画素電極上の前記表示領域全面に、前記画素電極に対面して複数のバー形状の開口を持つ共通電極が設けられたフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板において、
前記各検査用画素領域には、検査用薄膜トランジスタと、当該検査用薄膜トランジスタに接続し、前記共通電極が設けられた層と同じ層に、前記共通電極と同一物質からなり、前記共通電極と離隔した検査用電極とが設けられ、
前記検査用画素領域の検査は、前記スイッチング薄膜トランジスタの欠陥を検出するために用いられ、更に
前記表示領域の最外殻に位置する画素領域と前記検査用画素領域との間には、前記スイッチング薄膜トランジスタと前記画素電極を含むダミー画素領域が備えられ、
当該ダミー画素領域には共通電極が設けられない、あるいは、ダミー画素領域の一部領域に対してのみ共通電極が設けられることにより、画素領域の共通電極と検査用画素領域の検査用電極との間のショートを防止する
ことを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)に関するものであって、特に表示領域に設けられた薄膜トランジスタの特性を測定できるフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、一般的に液晶の光学的異方性と分極特性によって駆動される。液晶は細長い構造をしているため、分子の配列に方向性があり、液晶に電界を人為的に印加することで分子配列の方向を制御することができる。
【0003】
従って、液晶の分子配列の方向を人為的に制御することにより、液晶の分子配列が変化し、光学的異方性によって光が液晶の分子配列の方向に屈折して、画像情報を表現することができる。
【0004】
現在は、薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタに接続された画素電極とがマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型の液晶表示装置(以下、液晶表示装置と略す)が、解像度及び動画を具現化する能力から最も注目を集めている。
【0005】
液晶表示装置は、共通電極が設けられたカラーフィルター基板と、画素電極が設けられたアレイ基板と、両基板の間に介在された液晶とからなる。そして、共通電極と画素電極との間に、両基板に対して垂直方向にかかる電界によって液晶が駆動される方式であって、透過率と開口率などの特性に優れている。
【0006】
しかし、垂直方向にかかる電界による液晶駆動は、視野角特性が劣るという短所を有する。
【0007】
そこで、前記のような短所を克服するため、視野角特性に優れた横電界型の液晶表示装置が提案された。
【0008】
以下、図1を用いて一般的な横電界型の液晶表示装置について詳しく説明する。
【0009】
図1は、一般的な横電界型の液晶表示装置の断面図である。
【0010】
図1に示すように、一般的な横電界型の液晶表示装置は、カラーフィルター基板の上部基板9とアレイ基板の下部基板10が互いに離隔対向し、その間に液晶層11が介在される。
【0011】
下部基板10上には、共通電極17と画素電極30が同一平面上に設けられ、液晶層11は、共通電極17と画素電極30による水平電界Lによって駆動される。
【0012】
図2A及び図2Bは、一般的な横電界型の液晶表示装置のオン・オフ状態における動作をそれぞれ示す断面図である。
【0013】
まず、電圧が印加されたオン状態における液晶の配列状態を示す図2Aを参照する。共通電極17及び画素電極30に対応する位置の液晶11aにおける相変位はないが、共通電極17と画素電極30との間に位置する液晶11bは、両電極間に電圧が印加されたことで形成される水平電界Lによって、水平電界Lと同じ方向に配列されることになる。即ち、横電界型の液晶表示装置は、液晶が水平電界によって駆動されるため、視野角が広くなるという特性を有する。
【0014】
従って、横電界型の液晶表示装置を正面から見たとき、上下左右に約80度ないし89度の方向においても反転現象なく見ることができる。
【0015】
次に、図2Bを参照すると、液晶表示装置に電圧が印加されていないオフ状態にあって、共通電極と画素電極との間に水平電界が形成されないため、液晶層11の配列状態は変わらない。
【0016】
しかし、このような構成を持つ横電界型の液晶表示装置は、視野角特性を向上させるが、透過率及び開口率が低いという短所を有する。
【0017】
そこで、前記のような短所を改善するため、フリンジフィールドによって液晶が駆動されることを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置が提案された。
【0018】
図3は、従来のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板における1つの画素領域の中央部を切断した断面図である。
【0019】
図3に示すように、従来のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板41には、ゲート絶縁膜45を介在して、その下部及び上部で相互に交差して複数の画素領域Pを定義するゲート配線(不図示)とデータ配線47が設けられ、各画素領域(不図示)にはゲート配線(不図示)及びデータ配線47に接続して薄膜トランジスタTrが設けられる。
【0020】
また、ゲート絶縁膜45上部の各画素領域(不図示)には、薄膜トランジスタTrのドレイン電極51に接触する板状の画素電極55が設けられる。画素電極55はデータ配線47と同じ層、即ち、ゲート絶縁膜45上に設けられ、データ配線47とのショックを防止するために、データ配線47と一定間隔離隔して設けられる。
【0021】
また、データ配線47と画素電極55の上部の表示領域全面には、保護層60が備えられ、保護層60上の全面に、各画素領域(不図示)に対応して、一定間隔離隔したバー形状の複数の開口oaを持つ共通電極65が設けられる。
【0022】
前述した構成を持つ従来のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板41は完成した後、薄膜トランジスタTrの不良有無及び特性点検のため、完成検査を行わなければならない。
【0023】
しかし、表示領域全面に対応して共通電極65が設けられたフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板45の特性上、表示領域を構成する各画素領域P内部に設けられた薄膜トランジスタTrの特性検査は不可能なのが現状である。更に、薄膜トランジスタTrに接続したゲート配線やデータ配線が正常通りに動作するか、または設けられたかを確認することも不可能である。
【0024】
アレイ基板の各画素領域内に設けられた薄膜トランジスタTrの特性を検査するためには、まず、薄膜トランジスタTrの駆動のため、ゲート電極43とソース電極49を介してそれぞれゲート信号電圧とデータ信号電圧を印加し、ドレイン電極51を介して印加されたデータ信号電圧によって変化された信号電圧または電流を出力しなければならない。
【0025】
しかし、前述した構成を持つ従来のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板41において、薄膜トランジスタTrのドレイン電極51は画素電極55に接続するが、画素電極55は保護層60及び共通電極65によって覆われた状態になるため、薄膜トランジスタTrに接続したゲート配線(不図示)とデータ配線47を介してそれぞれゲート信号とデータ信号を入力しても、ドレイン電極51自体またはドレイン電極51に接触した画素電極55との接触が不可能であるため、表示領域内部における各画素領域P内に設けられた薄膜トランジスタTrの特性を出力することが不可能となる。
【0026】
そのため、実質的に従来のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板41の場合、それを完成した後、薄膜トランジスタTrの特性を測定するなどの検査が不可能という問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は前述した問題を解決するためのものであって、表示領域に設けられた薄膜トランジスタの特性を測定できるフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前述したような目的を達成するために、本発明は、相互に交差した複数のゲート配線及びデータ配線によって定義される複数の画素領域を備えた表示領域と、前記表示領域の周辺に第1ないし第4非表示領域とが定義され、前記各画素領域にはスイッチング薄膜トランジスタと、それに接続した板状の画素電極とが設けられ、前記画素電極上の前記表示領域全面に、前記画素電極に対面して複数のバー形状の開口を持つ共通電極が設けられたフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板において、前記第1ないし第4非表示領域には前記表示領域を囲んで複数の検査用画素領域が備えられ、前記各検査用画素領域には、検査用薄膜トランジスタと、それに接続し、前記共通電極が設けられた同じ層に同一物質からなり、前記共通電極と離隔した検査用電極とが設けられたことを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板を提供する。
【0029】
前記第2及び第4非表示領域には、前記ゲート配線と並んで設けられた第1及び第2検査用ゲート配線と、前記第1及び第3非表示領域には、前記データ配線と並んで設けられた第1及び第2検査用データ配線がそれぞれ設けられたことを特徴とする。
【0030】
前記表示領域を介して相互に向かい合った前記第1及び第3非表示領域には、前記第1及び第2検査用データ配線が設けられ、前記第1及び第2検査用データ配線は、前記第1及び第3非表示領域にそれぞれ設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのソース電極に接続したことを特徴とする。
【0031】
前記第1及び第3非表示領域に設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのゲート電極は、前記表示領域に備えられた複数のゲート配線に接続したことを特徴とする。
【0032】
前記表示領域を介して相互に向かい合った前記第2及び第4非表示領域には、前記第1及び第2検査用ゲート配線が設けられ、前記第1及び第2検査用ゲート配線は、前記第2及び第4非表示領域にそれぞれ設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのゲート電極に接続したことを特徴とする。
【0033】
前記第2及び第4非表示領域に設けられた複数の検査用薄膜トランジスタのソース電極は、前記表示領域に設けられた複数のデータ配線に接続したことを特徴とする。
【0034】
前記第1及び第2検査用ゲート配線の一端には、それぞれ前記第1ないし第4非表示領域のうち、1つに設けられた検査用ゲートパッド電極が備えられ、前記第1及び第2検査用データ配線の一端には、それぞれ前記第1ないし第4非表示領域のうち、他の1つに設けられた検査用データパッド電極が備えられたことを特徴とする。
【0035】
各検査用画素領域に備えられた検査用トランジスタのドレイン電極上には、保護層が備えられ、前記保護層は、前記検査用トランジスタのドレイン電極を露出するドレインコンタクトホールを有することを特徴とする。
【0036】
前記検査用画素領域の検査用電極は、対応するドレインコンタクトホールを介して前記検査用トランジスタのドレイン電極に接触したことを特徴とする。
【0037】
前記スイッチング薄膜トランジスタ及び前記検査用薄膜トランジスタは、それぞれ順次積層した形でゲート電極と、ゲート絶縁膜と、半導体層と、相互に離隔したソース電極及びドレイン電極とからなることを特徴とする。
【0038】
前記画素領域に設けられた前記画素電極は、前記ゲート絶縁膜上に設けられ、前記スイッチング薄膜トランジスタのドレイン電極は、前記画素電極の一端上面まで延長して設けられたことを特徴とする。
【0039】
検査用画素領域と特定方向に隣り合った画素領域との間の幅は、前記特定方向に相互に隣り合った画素領域同士の間隔と同じか、または狭いことを特徴とする。
【0040】
前記表示領域の最外郭に位置する画素領域と前記検査用画素領域との間には、前記スイッチング薄膜トランジスタと前記画素電極を含むダミー画素領域が備えられたことを特徴とする。
【0041】
前記各ゲート配線及び前記各データ配線の一端には、それぞれゲートパッド電極及びデータパッド電極が設けられ、前記各ゲートパッド電極に接触して第1駆動IC(Integrated Circuit)が実装され、前記各データパッド電極に接触して第2駆動ICが実装されたことを特徴とする。
【0042】
また、本発明は、映像を表示し、スイッチング薄膜トランジスタが設けられた複数の画素領域を備えた表示領域と、前記表示領域を部分的に囲む、少なくとも1つの非表示領域とを備え、前記少なくとも1つの非表示領域は、行または列の検査用画素領域を備え、前記検査用画素領域は、検査用薄膜トランジスタと前記検査用薄膜トランジスタに接続した検査用電極とを備え、前記検査用画素領域の検査は、前記スイッチングトランジスタの欠陥を検出するために用いられることを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板を提供する。
【0043】
前記検査用画素領域は、画素電極を備えないことを特徴とする。
【0044】
前記検査用画素領域は、対応する検査用薄膜トランジスタを覆保護層を備え、前記保護層は、その内部に設けられた検査用ドレインコンタクトホールを備え、各検査用画素領域の検査用電極は、前記保護層上に設けられ、前記検査用ドレインコンタクトホールを介して対応する検査用薄膜トランジスタのドレイン電極に接触したことを特徴とする。
【0045】
前記少なくとも1つの非表示領域は、前記表示領域の第1ないし第4側にそれぞれ備えられ、前記表示領域を囲む第1ないし第4非表示領域を備え、前記第1ないし第4非表示領域は、それぞれ前記行または列の検査用画素領域を備えたことを特徴とする。
【0046】
前記行または列の検査用画素領域の数は、前記表示領域に設けられたデータ配線またはゲート配線の数に対応することを特徴とする。
【0047】
また、本発明は、映像を表示する表示領域を備えたアレイ基板と、カラーフィルター及びブラックマトリクスを備えたカラーフィルター基板と、前記アレイ基板と前記カラーフィルター基板との間に液晶層を備え、前記アレイ基板は、前記映像を表示し、スイッチング薄膜トランジスタが備えられた複数の画素領域を備えた表示領域と、前記表示領域を部分的に囲む少なくとも1つの非表示領域とを備え、前記少なくとも1つの非表示領域は、行または列の検査用画素領域を備え、前記検査用画素領域は、検査用薄膜トランジスタと前記検査用薄膜トランジスタに接続した検査用電極とを備え、前記検査用画素領域の検査は、前記スイッチングトランジスタの欠陥を検出するために用いられることを特徴とするフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板は、表示領域全面に対応して最上層に設けられる共通電極が完成した状態で、薄膜トランジスタの不良有無及び特性を測定することができるというメリットを有する。
【0049】
更に本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板は、薄膜トランジスタの特性測定及び出力が可能な構成を持つ複数の検査用画素が、各ゲート配線及びデータ配線に接続する横・縦画素ラインの始まりと終わりに設けられることにより、表示領域内における上下左右の特性の差の分布までも、ある程度把握することができ、その結果を製造工程に反映することができるため、優秀な品質のアレイ基板を提供する効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】一般的な横電界型の液晶表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
図2】Aは、一般的な横電界型の液晶表示装置のオン状態における動作を示す断面図である。Bは、一般的な横電界型の液晶表示装置のオフ状態における動作を示す断面図である。
図3】従来のフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板における1つの画素領域の中央部を切断した部分を示す断面図である。
図4】本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板を示す平面図である。
図5図4のA領域を拡大して示す面図である。
図6図4のB領域を拡大して示す面図である。
図7】本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板における表示領域内の画素領域を示す断面図であって、図5の切断線VII−VIIに沿って切断した部分を示す。
図8】本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板における検査用画素領域を示す断面図であって、図6の切断線VIII−VIIIに沿って切断した部分を示す。
図9】本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置を示す断面図である。
図10】本発明の実施例に係るダミー画素領域が備えられたフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、図面を用いて本発明の望ましい実施例を説明する。
【0052】
図4は、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板を示す平面図であって、画像を表示する表示領域と共に、表示領域周辺の非表示領域を示し、図5及び図6は、それぞれ図4のA領域とB領域を拡大して示す平面図である。説明の都合上、各画素領域Pにおいてスイッチング素子である薄膜トランジスタTrが設けられる部分をスイッチング領域TrAと定義し、非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4は、表示領域AAを基準に、左右側に位置した部分をそれぞれ第1非表示領域NA1、第3非表示領域NA3と、上下側に位置した部分をそれぞれ第2非表示領域NA2、第4非表示領域NA4と定義する。
【0053】
図面に示すように、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101の表示領域AAには、低抵抗金属物質、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウムネオジウム(AlNd)のようなアルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金、モリブデン(Mo)、モリチタン(MoTi)のうち、いずれかの1つまたは2つ以上からなる複数のゲート配線105が、第1方向に延長して設けられる。また、低抵抗物質からなり、第2方向に延長して複数の各ゲート配線105と交差し、複数の画素領域Pを定義する複数のデータ配線130が設けられる。
【0054】
複数のゲート配線105及びデータ配線130は、その端部が表示領域AA外側の非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4まで延長して設けられ、その一端または他端にはそれぞれパッド電極GP、DPが設けられる。また、ゲートパッド電極GPとデータパッド電極DPは駆動回路IC(D−IC)に接続される。
【0055】
一方、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101において特徴的な構成の1つは、表示領域AA外側の非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4のうち、相互に向かい合った第1非表示領域NA1と第3非表示領域NA3には、データ配線130と並んでそれぞれ1つの検査用データ配線、即ち、第1検査用データ配線IDL1と第2検査用データ配線IDL2が設けられ、第2非表示領域NA2と第4非表示領域NA4には、ゲート配線105と並んでそれぞれ1つの検査ゲート配線、即ち、第1検査ゲート配線IGL1と第2検査ゲート配線IGL2が設けられるということである。
【0056】
第1検査ゲート配線IGL1と第2検査ゲート配線IGL2のそれぞれの端部に接続して第1検査パッド電極IP1と第2検査パッド電極IP2がそれぞれ設けられ、第1検査データ配線IDL1と第2検査データ配線IDL2のそれぞれの端部に接続して第3検査パッド電極IP3と第4検査パッド電極IP4がそれぞれ設けられる。
【0057】
一方、表示領域AA内の各画素領域Pには、ゲート配線105及びデータ配線130に接続して、ゲート電極107と、ゲート絶縁膜(不図示)と、純粋非晶質シリコンのアクティブ層120aと不純物非晶質シリコンのオーミックコンタクト層(不図示)とからなる半導体層(不図示)と、相互に離隔したソース電極133及びドレイン電極136aとからなるスイッチング薄膜トランジスタSTrが設けられる。
【0058】
また、各画素領域Pには、スイッチング薄膜トランジスタSTrのドレイン電極136に接触する板状の画素電極125が設けられる。
【0059】
一方、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101において、また他の特徴的な構成の1つとして、非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4における第1検査ゲート配線IGL1及び第2検査ゲート配線IGL2と複数のデータ配線130とが交差する部分と、第1検査データ配線IDL1及び第2検査データ配線IDL2と複数のゲート配線105とが交差する部分には、それぞれ画素領域Pに設けられたスイッチング薄膜トランジスタSTrと同じ構成を持つ検査用薄膜トランジスタITr1、ITr2、ITr3、ITr4が設けられる。
【0060】
特に、複数の検査用トランジスタTr1は、第1検査データ配線IDL1と複数のゲート配線105とが交差する部分に設けられる。同様に、複数の検査用トランジスタTr3は、第2検査データ配線IDL2と複数のゲート配線105とが交差する部分に設けられる。また、複数の検査用トランジスタTr2は、第1検査ゲート配線IGL1と複数のデータ配線130とが交差する部分に設けられる。同様に、複数の検査用トランジスタTr4は、第2検査ゲート配線IGL2と複数のデータ配線130とが交差する部分に設けられる。結果的に、検査用トランジスタTr1、Tr3のゲート電極は、ゲート配線105に接続する。そして、検査用トランジスタTr2、Tr4のソース電極は、データ配線130に接続する。
【0061】
従って、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101は、表示領域AAを囲む形で、各ゲート配線105及びデータ配線130に接続して検査用薄膜トランジスタITrが設けられたことを特徴とする。
【0062】
即ち、検査用薄膜トランジスタITrは、各ゲート配線105において最左側に位置する画素領域Pが始まる前段と、最右側に位置する画素領域Pの後段にそれぞれ設けられ、各データ配線130においても最上側に位置する画素領域Pが始まる前段と、最下側に位置する画素領域Pの後段にそれぞれ設けられたことを特徴とする。
【0063】
第1非表示領域NA1に設けられた全ての検査用薄膜トランジスタ(以下、第1検査用薄膜トランジスタITr1と称する)は、第1検査用データ配線IDL1及びそれに接続した第3検査用パッドIP3に接続し、第2非表示領域NA2に設けられた全ての検査用薄膜トランジスタ(以下、第2検査用薄膜トランジスタITr2と称する)は、第1検査用ゲート配線IGL1及びそれに接続した第1検査用パッドIP1に接続する。また、第3非表示領域NA3に設けられた全ての検査用薄膜トランジスタ(以下、第3検査用薄膜トランジスタITr3と称する)は、第2検査用データ配線IDL2及びそれに接続した第4検査用パッドIP4に接続し、第4非表示領域NA4に設けられた全ての検査用薄膜トランジスタ(以下、第4検査用薄膜トランジスタITr4と称する)は、第2検査用ゲート配線IGL2及びそれに接続した第2検査用パッドIP2に接続する。
【0064】
一方、表示領域AAには、絶縁物質からなる保護層(不図示)を介在して画素電極125に対面し、各画素領域Pに対応してそれぞれ複数のバー形状を持つ開口opを設けた板状の透明共通電極170が設けられる。
【0065】
共通電極170は、表示領域AAに対応して備えられた画素領域Pに対してのみ、それと重なって設けられ、検査用薄膜トランジスタITr1、ITr2、ITr3、ITr4が設けられた非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4に対しては設けられないことを特徴とする。
【0066】
また、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101には、非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4に設けられた各検査用薄膜トランジスタITr1、ITr2、ITr3、ITr4に対応して、保護層(不図示)上に、透明共通電極170と同じ物質で、画素領域P毎に設けられた画素電極125と同じ形で、各検査用薄膜トランジスタITr1、ITr2、ITr3、Tr4のドレイン電極136bにそれぞれ接続して検査用電極175が設けられたことを特徴とする。
【0067】
検査用電極175を設けた各検査用画素領域IPAは、表示領域AA内に備えられた画素領域Pと同じ大きさ及び面積を持つように設けられても良い。隣り合った検査用画素領域IPA同士の間隔は、表示領域AA内の隣り合った画素領域P同士の間隔と同じでも良い。また、第1非表示領域NA1及び第3非表示領域NA3において、隣り合った検査用画素領域IPA同士の間隔は、隣り合ったゲート配線105同士の間隔と同じでも良い。同様に、第2非表示領域NA2及び第4非表示領域NA4において、隣り合った検査用画素領域IPA同士の間隔は、隣り合ったデータ配線130同士の間隔と同じでも良い。一方、第1非表示領域NA1及び第3非表示領域NA3における各検査用画素領域IPAのゲート配線方向の幅は、表示領域AAにおける各画素領域Pのゲート配線方向の幅と同じか、または狭くても良い。また、第2非表示領域NA2及び第4非表示領域NA4における各検査用画素領域IPAのデータ配線方向の幅は、表示領域AAにおける各画素領域Pのデータ配線方向の幅と同じか、または狭くても良い。例えば、検査用画素領域IPAと特定方向に隣り合った画素領域Pとの間の幅は、前記特定方向に隣り合った画素領域P同士の間隔と同じか、または狭くても良い。一方、検査用画素領域IPAと前記特定方向と垂直した方向に隣り合った画素領域Pとの間の幅は、前記特定方向と垂直した方向に隣り合った画素領域P同士の間隔と同じか、または狭くても良い。
【0068】
一方、各検査用薄膜トランジスタITr1、ITr2、ITr3、ITr4のドレイン電極136bと検査用電極175は、保護層(不図示)に設けられ、検査用薄膜トランジスタITr1、ITr2、ITr3、ITr4のドレイン電極136bを露出するドレインコンタクトホール165を介して、相互に接触した構成を持つことを特徴とする。
【0069】
従って、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101は、かかる構成的特徴により、第1非表示領域NA1に設けられた全ての第1検査用薄膜トランジスタITr1が、第3検査パッド電極IP3を介して印加されるデータ信号電圧と、各ゲート配線105を介して印加されるゲート信号電圧によってオンになり、いずれかの1つの第1検査用薄膜トランジスタITr1に接続した検査用電極175に対してプローブピンを接触させると、第1検査用薄膜トランジスタITr1及び該当検査用画素領域の特性が出力され、確認することができる。前述のような第1検査用薄膜トランジスタITr1の検査用電極175を確認することは、対応するゲート配線が正常通りに形成され、動作するかどうかを示す。
【0070】
また、第2非表示領域NA2に設けられた全ての第2検査用薄膜トランジスタITr2も、第1検査パッド電極IP1を介して印加されるゲート信号電圧と、各データ配線130を介して印加されるデータ信号電圧によってオンになり、いずれかの1つの第2検査用薄膜トランジスタITr2の検査用電極175に対してプローブピンを接触させると、第2検査用薄膜トランジスタITr2の特性及び該当検査用画素領域の特性が出力され、確認することができる。前述のような第2検査用薄膜トランジスタITr2の検査用電極175を確認することは、対応するゲート配線が正常通りに形成され、動作するかをどうかを示す。
【0071】
また、第3非表示領域NA3と第4非表示領域NA4に設けられた全ての第3検査用薄膜トランジスタITr3と第4検査用薄膜トランジスタITr4も、それぞれ第4検査パッド電極IP4とゲート配線105、第2検査パッド電極IP2とデータ配線130を介してオンになるようにして、いずれかの1つの第3検査用薄膜トランジスタITr3または第4検査用薄膜トランジスタITr4の検査用電極175に対してプローブピンを接触させると、それに接続した第3検査用薄膜トランジスタITr3または第4検査用薄膜トランジスタITr4及び該当検査用画素領域の特性が出力され、確認することができる。前述のような第3検査用薄膜トランジスタITr3及び第4検査用薄膜トランジスタITr4の検査用電極175を確認することは、対応するゲート配線及びデータ配線が正常通りに形成され、動作するかどうかを示す。
【0072】
このように本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101は、共通電極170が完成した状態で、表示領域AA内に設けられた行方向や列方向のスイッチング薄膜トランジスタSTrの不良有無及び特性を間接的に測定することができるというメリットを有する。
【0073】
更に、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101は、特性測定及び出力が可能な構成を持つ複数の検査用画素領域IPAが、各ゲート配線105とデータ配線130に接続した横・縦画素ラインの始まりと終わりに備えられることにより、表示領域AA内における上下左右の画素の出力特性の差の分布までも、ある程度把握することができ、その結果を製造工程に反映することができるため、優秀な品質のアレイ基板101を提供する効果を持つ。
【0074】
一方、本発明の実施例に係る変形例として、図10を参照すると、表示領域AAを囲む複数の検査用画素領域IPAと表示領域AAとの間に、画素領域Pと同じ構成要素を持つダミー画素領域DPAを備えることができる。例えば、所定の幅を持つダミー画素領域DPAが、各検査用画素領域IPAと表示領域AAとの間に備えられる。
【0075】
ダミー画素領域DPAにおいて、共通電極170は設けられないか、または一部領域に対してのみ設けられる。
【0076】
このように検査用画素領域IPAと実際の画素領域Pとの間にダミー画素領域DPAを備えた理由は、ダミー画素領域DPAを介して、同一物質で同じ層に設けられる共通電極170と検査用電極175とのショートを防止するためである。即ち、工程の誤差範囲より広い幅を持つダミー画素領域DPAを備えることで、工程誤差が発生しても共通電極170と検査用電極175が相互に接触してショートに至ることを防止するためである。例えば、ダミー画素領域DPAは、表示領域AAの画素領域Pと同じ幅を持つことができる。
【0077】
以下、前述したような平面構成を持つ本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101の断面構造について説明する。
【0078】
図7は、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板における表示領域内の画素領域を示す断面図であって、図5の切断線VII−VIIに沿って切断した部分を示す。図8は、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板における検査用画素領域を示す断面図であって、図6の切断線VIII−VIIIに沿って切断した部分を示す。説明の都合上、画素領域Pと検査用画素領域IPAの内に、それぞれスイッチング薄膜トランジスタSTrと検査用薄膜トランジスタITrが設けられる領域をスイッチング領域TrAと称する。スイッチング領域TrAに設けられたスイッチング薄膜トランジスタSTrと検査用薄膜トランジスタITrの構成要素は、実質的に同一であるため、それら両薄膜トランジスタSTr、ITrの構成要素に対しては、ドレイン電極136a、136bを除いて同じ図面符号を付け、スイッチング薄膜トランジスタSTrのドレイン電極には136a、検査用薄膜トランジスタITrのドレイン電極には136bの図面符号を付ける。
【0079】
図面に示すように、透明絶縁基板101上の各スイッチング領域TrAにはゲート電極107が設けられ、表示領域AAと第1非表示領域及び第3非表示領域(図4のNA1、NA3)においては、画素領域Pと第1検査用画素領域及び第3検査用画素領域IPAに設けられたゲート電極107に接続して、ゲート配線(図4の105)が設けられる。また、第2非表示領域及び第4非表示領域(図4のNA2、NA4)においては、第2検査用画素領域及び第4検査用画素領域IPAに設けられたゲート電極107に接続して、第1検査用ゲート配線及び第2検査用ゲート配線(図4のIGL1、IGL2)が設けられる。
【0080】
ゲート配線(図4の105)と、第1検査用ゲート配線及び第2検査用ゲート配線(図4のIGL1、IGL2)と、ゲート電極107は、低抵抗特性を持つ金属物質、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウムネオジウム(AlNd)のようなアルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金、モリブデン(Mo)、モリチタン(MoTi)のうち、いずれかの1つの金属物質からなる単層構造、または2つ以上からなる多層構造を持つ。図面においては単層構造を持つことを一例として示す。
【0081】
ゲート配線(図4の105)と、第1検査用ゲート配線及び第2検査用ゲート配線(図4のIGL1、IGL2)と、ゲート電極107上の基板101全面に、無機絶縁物質、例えば酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)のゲート絶縁膜110が設けられる。
【0082】
また、ゲート絶縁膜110上の表示領域AAに備えられた各画素領域Pに対応して、変形例の場合は、各画素領域P及びダミー画素領域(図10のDPA)に対応して、板状の画素電極125が設けられる。各検査用画素領域IPAには、画素電極125が設けられないことを特徴とする。
【0083】
ゲート絶縁膜110上の各スイッチング領域TrAにおいては、各ゲート電極107に対応して、純粋非晶質シリコンのアクティブ層120aと不純物非晶質シリコンのオーミックコンタクト層120bとからなる半導体層120が設けられる。オーミックコンタクト層120bは、アクティブ層120aの上部で相互に離隔し、アクティブ層120aの中央部を露出する。
【0084】
また、各スイッチング領域TrAにおいて半導体層120上部、更に正確には相互に離隔したオーミックコンタクト層120b上のそれぞれに、アクティブ層120aの中央部を露出するソース電極133とドレイン電極136a、136bが設けられる。表示領域AA内の各画素領域Pと変形例に備えられたダミー画素領域DPAにおいては、スイッチング領域TrAに設けられたドレイン電極136aが延長して、各画素領域P及びダミー画素領域DPAに設けられた画素電極125に接触するように構成されることを特徴とする。
【0085】
非表示領域NA1、NA2、NA3、NA4に備えられた検査用画素領域IPAにおいては、画素電極125が設けられないため、画素電極125には接触しないが、検査用画素領域IPAに設けられたドレイン電極136bは、それに対応してドレイン電極136bを覆う保護層160にドレインコンタクトホール165が設けられるため、画素領域Pに設けられたドレイン電極136aより大きい面積を持ち、検査用画素領域IPAの中央部の方に延長して設けられたことを特徴とする。これは、検査用画素領域IPAは実質的に画像を具現する必要がないため、ドレイン電極136bの面積を大きく設けても開口率などに影響を与えないためである。図8に示すように、検査用トランジスタITrに対するドレインコンタクトホール165は、ドレイン電極136bを覆う保護層160に設けられ、ドレイン電極136bの一部を露出する。保護層160の上部に直接設けられた検査用電極175は、ドレインコンタクトホール165を介してドレイン電極136bに接触することになる。
【0086】
ゲート絶縁膜110上部には、表示領域AAと第2非表示領域及び第4非表示領域(図4のNA2、NA4)において、画素領域Pと第2検査用画素領域及び第4検査用画素領域IPAに設けられたソース電極133に接続してデータ配線130が設けられ、第1非表示領域と第3非表示領域(図4のNA1、NA3)においては、第1検査用画素領域及び第3検査用画素領域IPAに設けられたソース電極133に接続して第1検査用データ配線IDL1と第2検査用データ配線IDL2が設けられる。
【0087】
一方、各スイッチング領域TrAに順次積層されたゲート電極107と、ゲート絶縁膜110と、半導体層120と、相互に離隔したソース電極133及びドレイン電極136a、136bは、薄膜トランジスタSTr、ITrを構成する。
【0088】
薄膜トランジスタSTr、ITrと画素電極125上の表示領域AA全面と、非表示領域(図4のNA1、NA2、NA3、NA4)の検査用画素領域IPAとに対しては、無機絶縁物質、例えば酸化シリコン(SiO)もしくは窒化シリコン(SiN)、または有機絶縁物質、例えばベンゾシクロブテンもしくはフォトアクリルからなる保護層160が備えられる。保護層160は無機絶縁物質と有機絶縁物質との二層構造を持つこともできる。
【0089】
図面においては、保護層160が有機絶縁物質からなる単層構造を持ち、更に平らな表面を持つことを一例として示す。
【0090】
本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101は、保護層160に、検査用画素領域IPAに対応して検査用薄膜トランジスタITrのドレイン電極136bを露出するドレインコンタクトホール165を設けたことを特徴とする。
【0091】
保護層160上に透明導電性物質、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)からなる透明共通電極170が、表示領域AA全面に対応して板状に設けられる。共通電極170には、表示領域AA内に備えられた各画素領域Pに対応し、更に正確には各画素電極125に対応してバー形状を持つ複数の開口opが一定間隔離隔して設けられる。
【0092】
表示領域AA外側の非表示領域(図4のNA1、NA2、NA3、NA4)においては、各検査用画素領域IPAに対応して保護層160上に、共通電極170と同一物質で、共通電極170と離隔し、検査用画素領域IPA毎に分離して、ドレインコンタクトホール165を介して検査用薄膜トランジスタITrのドレイン電極136bに接触する検査用電極175が設けられる。
【0093】
従って、かかる構成のように、本発明の実施例に係るフリンジフィールドスイッチングモードの液晶表示装置に用いられるアレイ基板101は、検査用薄膜トランジスタITrに接続した検査用電極175が最上層に設けられた構成を持つことで、検査用薄膜トランジスタITrに信号電圧を印加して薄膜トランジスタITrの特性を含んだ信号が出力され、確認することができるため、完成検査を行うことができる。全ての検査用電極175に対する検査は、同時に、選択的に、独立に、順次に、グループ毎に、または他の方式で行うことができる。
【0094】
なお、複数の検査用画素領域IPAが表示領域AAを囲んで備えられることにより、横方向の画素ラインと縦方向の画素ラインのそれぞれに対し、始部と終部に共に備えられる結果となるため、表示領域AA内の位置別特性分布まで把握することができる。そして、その結果を製造工程に反映することができるため、優秀な品質のアレイ基板101を提供する効果を持つ。
【0095】
一方、前述した通りに製造された液晶表示装置に用いられるアレイ基板と、それに対応する対向基板として例えばカラーフィルター基板とを、液晶層を介在させて貼り合わせることによって、図9に示すような液晶表示装置が製造される。
【0096】
図9を参照すると、アレイ基板101上には、液晶層250を介在してカラーフィルター基板201が位置する。
【0097】
カラーフィルター基板201の内側上には、画素領域Pの周辺に沿ってブラックマトリクス210が設けられる。そして、画素領域Pに対応してカラーフィルター220が構成される。一方、カラーフィルター基板201を平坦化するための平坦化膜が、ブラックマトリクス210及びカラーフィルター220上に設けられても良い。
【0098】
一方、本発明は前述した実施例及び変形例に限らず、本発明の技術的思想の範囲内で多様な変化及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0099】
101・・・アレイ基板、
105・・・ゲート配線、
130・・・データ配線、
170・・・共通電極、
175・・・検査用電極、
AA・・・表示領域、
D−IC・・・駆動IC、
DP・・・データパッド電極、
GP・・・ゲートパッド電極、
IP1、IP2、IP3、IP4・・・第1、第2、第3、第4検査用パッド、
IDL1、IDL2・・・第1、第2検査用データ配線、
IGL1、IGL2・・・第1、第2検査用ゲート配線、
IPA・・・検査用画素領域、
ITr1、ITr2、ITr3、ITr4・・・第1、第2、第3、第4検査用薄膜トランジスタ、
NA1、NA2、NA3、NA4・・・第1、第2、第3、第4非表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10