特許第5714587号(P5714587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5714587界面活性剤性能向上ポリマーを含む洗剤組成物
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  • 特許5714587-界面活性剤性能向上ポリマーを含む洗剤組成物 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714587
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】界面活性剤性能向上ポリマーを含む洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20150416BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 1/06 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 1/28 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20150416BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   C11D3/37
   C11D17/08
   C11D1/04
   C11D1/22
   C11D1/14
   C11D1/29
   C11D1/06
   C11D1/28
   C11D3/10
   C11D17/04
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-528869(P2012-528869)
(86)(22)【出願日】2010年9月8日
(65)【公表番号】特表2013-503964(P2013-503964A)
(43)【公表日】2013年2月4日
(86)【国際出願番号】US2010048067
(87)【国際公開番号】WO2011034761
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2012年3月7日
(31)【優先権主張番号】09170255.5
(32)【優先日】2009年9月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 保孝
(72)【発明者】
【氏名】レギーネ、ラベク
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/005737(WO,A1)
【文献】 特表2008−545590(JP,A)
【文献】 特開平10−060496(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/138054(WO,A1)
【文献】 国際公開第02/046348(WO,A1)
【文献】 特開昭62−095399(JP,A)
【文献】 特開2002−332391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 3/37
C11D 1/04
C11D 1/06
C11D 1/14
C11D 1/22
C11D 1/28
C11D 1/29
C11D 3/10
C11D 17/04
C11D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパクト液体洗剤組成物であって、前記組成物の重量の25%未満の水を含み、界面活性剤、界面の表面張力の低下勾配を少なくとも15%上昇させる界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を含み、
前記脂肪酸が、C12〜C18飽和及び/又は不飽和脂肪酸であり、
前記界面活性剤が、脂肪酸またはその石鹸を含まず、
前記界面活性剤性能向上ポリマーが、前記界面活性剤性能向上ポリマーの25重量%〜60重量%の、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される親水性主鎖及び前記界面活性剤性能向上ポリマーの75重量%〜40重量%の、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル並びにこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖を含み、かつ
水溶性パウチに封入されている、コンパクト液体洗剤組成物。
【請求項2】
コンパクト液体洗剤組成物であって、前記組成物の重量の25%未満の水を含み、界面活性剤、界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を更に含み、
前記脂肪酸が、C12〜C18飽和及び/又は不飽和脂肪酸であり、
前記界面活性剤が、脂肪酸またはその石鹸を含まず、
前記界面活性剤性能向上ポリマーが、前記界面活性剤性能向上ポリマーの25重量%〜60重量%の、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される親水性主鎖及び前記界面活性剤性能向上ポリマーの75重量%〜40重量%の、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル並びにこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖を含み、かつ
水溶性パウチに封入されている、コンパクト液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤性能向上ポリマーが、前記界面活性剤性能向上ポリマーの25重量%〜50重量%の親水性主鎖及び前記界面活性剤性能向上ポリマーの50重量%〜75重量%の疎水性側鎖を含む、請求項1又は2に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤性能向上ポリマーが、40%のエチレンオキシド及び60%の酢酸ビニルを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤性能向上ポリマーが、3000〜100,000の重量平均分子量Mを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤性能向上ポリマーの多分散性M/Mが、1〜3である、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記コンパクト液体洗剤組成物が、前記組成物の0.1重量%〜10重量%の界面活性剤性能向上ポリマーを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C10〜C20分岐鎖及びアルキルサルフェート(AS)、C10〜C18アルキルエトキシサルフェート(AES)(式中xは1〜30である)、1〜5個のエトキシ単位を有するC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩、変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、C12〜C20メチルエステルスルホネート(MES)、C10〜C18 α−オレフィンスルホネート(AOS)、C〜C20スルホサクシネート、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項9】
前記コンパクト液体洗剤が、組成物の1重量%〜80重量%の界面活性剤を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)であり、前記コンパクト液体洗剤組成物が、前記組成物の4重量%〜30重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項11】
前記コンパクト液体洗剤組成物が、前記組成物の2重量%〜18重量%の脂肪酸又はその塩を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【請求項12】
乳白剤及び酸化防止剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のコンパクト液体洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤及び界面活性剤性能向上ポリマーを含む、洗濯洗浄で用いられるコンパクト液体洗剤に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯洗浄で用いるための洗剤組成物は、様々な種類の洗濯機で機能することが必要とされている。より重要なことには、様々な洗浄サイクルで用いられる希釈及び濃縮洗浄溶液の両方で機能することが必要とされている。従来の配合は、希釈洗浄溶液の濃度では機能するが、濃縮洗浄溶液においては疎水性の染みの除去に悪影響がある。
【0003】
このような配合の別の制限は、洗剤全体の体積である。出願人は、含有する水の量を減らし、単位用量体積を小さく維持しながら、更に洗剤化学物質を送達したいと考えている。これは、水が全く添加されていない配合を有するという要件を生じさせる。脂肪酸は、添加される水の量を低減するために、また洗濯物の白さを改善するために溶媒として用いられている。しかし、高濃度の脂肪酸は、疎水性の染みの除去に悪影響がある場合がある。
【0004】
この問題に取り組む中で、出願人は、界面活性剤を界面活性剤性能向上ポリマーと組み合わせることによって、脂肪酸及び界面活性剤の量が低減されたコンパクト液体洗剤を提供できることを見出した。得られる組成物は、改善された、疎水性の染みの除去及び洗濯物の白さを提供する。更に、本発明の組成物は、希釈及び濃縮洗浄溶液の両方において機能する。
【0005】
洗浄組成物中へ組み込むためのポリマー成分は、公知である。例えば、国際公開第06/130442号及び同第06/130575号(Procter & Gamble Company)は、洗浄ポリマーを含む洗剤組成物について開示している。国際公開第91/09932号(Unilever)では、分散性の向上した粒状洗剤組成物を提供するために、洗剤組成物粒子中に組み込まれる解膠ポリマーというポリマーについて記載されている。例えば、国際公開第07/138053号(BASF Aktiengesellschaft)及び同第07/138054号(Procter & Gamble Company)に記載されているように、洗剤組成物に組み込むためのグラフトポリマーは公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第06/130442号
【特許文献2】国際公開第06/130575号
【特許文献3】国際公開第91/09932号
【特許文献4】国際公開第07/138053号
【特許文献5】国際公開第07/138054号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
コンパクト液体洗剤組成物であって、組成物の重量の25%未満の水を含み、界面活性剤、界面の表面張力の低下勾配を少なくとも15%上昇させる界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を含む、コンパクト液体洗剤組成物。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】界面活性剤及び脂肪酸を含むコンパクト液体洗剤組成物と、界面活性剤、界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を含むコンパクト液体洗剤組成物について測定された界面の表面張力を示す。
図2】界面の表面張力の低下勾配を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のコンパクト液体洗剤は、水溶性パウチ、より好ましくは多区画水溶性パウチにおいて用いるか、又は容器内で保存される従来の液体洗剤として用いるのに好適である。
【0010】
洗剤組成物
本発明の組成物は、コンパクト液体である。用語「液体」とは、液体、ペースト、ワックス状、又はゲル組成物を含むことを意味する。液体組成物は、固体を含んでもよい。固体は、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、又は1つ以上の真珠様光沢ボール、又はこれらの混合物等の粉末又は粒塊を含んでもよい。このような固体要素は、洗浄を通して、又は前処理、遅延、若しくは順次放出成分として技術的利点をもたらし得る。あるいは、審美的な効果ももたらし得る。
【0011】
用語「コンパクト」とは、組成物の重量の25%未満の水を含む液体、ペースト、ワックス状、又はゲル組成物を含むことを意味する。
【0012】
好ましい実施形態では、本組成物は、水溶性パウチ、より好ましくは多区画パウチの形態である。水溶性パウチは、存在する場合、水溶性フィルムと、少なくとも第1の成分及び任意の第2の成分とを含む。第1の区画は、界面活性剤、界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を含む第1の組成物を含む。第2の区画は、存在する場合、第2の、好ましくは異なる組成物を含む。好ましくは、パウチは、第3の区画、好ましくは異なる第3の組成物を含む。任意の第2及び第3の組成物は、好ましくは、互いに及び第1の組成物と視覚的に区別できる。
【0013】
第1の液体組成物と第2又は第3の液体組成物との重量比は、存在する場合、好ましくは1:1〜20:1、より好ましくは2:1〜10:1である。第2の組成物と第3の組成物との重量比は、存在する場合、1:5〜5:1、より好ましくは1:2〜2:1である。最も好ましくは、第2の組成物と第3の組成物との重量比は1:1である。
【0014】
多区画パウチの構成は、審美的魅力の観点で効果をもたらす。このような構成の更なる効果は、分離しておかなければ不適合になる成分同士を分離できることにある。本発明の好ましい態様では、第1の組成物は主な洗浄洗剤を含む。
【0015】
界面活性剤
界面活性剤は、本発明の必須成分である。使用される洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双極性、両性、又はカチオン性の種類のものであってもよく、これらの種類の界面活性剤の相容性混合物を含んでもよい。界面活性剤という用語は、本明細書で使用するとき、脂肪酸又はその石鹸を含まない。より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。1つの実施形態では、組成物は、ベタイン界面活性剤を実質的に含まない。本明細書において有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(1972年5月23日発行、Norris)、同第3,919,678号(1975年12月30日発行、Laughlinら)、同第4,222,905号(1980年9月16日発行、Cockrell)、及び同第4,239,659号(1980年12月16日発行、Murphy)に記載されている。アニオン性及び非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0016】
本明細書に用いるのに好適な非石鹸アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に10〜20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる)。この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩、特に獣脂又はヤシ油のグリセリドを還元することによって生成されるもの等、高級アルコール(C〜C18炭素原子)を硫酸化することによって得られるもの;b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩、特にアルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含み、かつポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの;並びにc)アルキル基が9〜15個の炭素原子を直鎖又は分岐鎖の構造で含有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びカリウム塩、例えば、米国特許第2,220,099号、及び同第2,477,383号に記載される種類のものである。C11〜C13 LASと略される、アルキル基の平均炭素原子数が11〜13個である直鎖アルキルベンゼンスルホネートが特に有用である。
【0017】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOH(式中、Rは、C10〜C16アルキル基又はC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜80である)の界面活性剤である。アルコール1モル当り5〜20モルのエチレンオキシドを有するC12〜C15アルコールの縮合生成物、例えば、アルコール1モル当り6.5モルのエチレンオキシドと縮合されたC12〜C13アルコールが特に好ましい。
【0018】
本発明における界面活性剤の重量平均分子量Mは、好ましくは200〜850、好ましくは250〜700である。
【0019】
本発明の組成物は、好ましくは、コンパクト液体洗剤組成物の1重量%〜80重量%の界面活性剤を含む。界面活性剤は、第1の組成物の成分である。好ましくは、前記第1の組成物は、コンパクト液体洗剤組成物の5重量%〜50重量%の界面活性剤を含む。第2及び第3の組成物は、存在する場合、0.1%〜99%の濃度で界面活性剤を含んでもよい。
【0020】
選択される界面活性剤がLASである場合、組成物は、好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の5重量%〜30重量%のLAS、より好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の7重量%〜25重量%のLASを含む。
【0021】
界面活性剤性能向上ポリマー
本発明の組成物は、界面活性剤性能向上ポリマーを含む。界面活性剤の最も一般的な目的は、ある液相を別の液相に、通常は油相を水に乳化又は分散させることである。2つの不混和性液体が接触した場合、それらの間に境界が形成される。界面の面積が増加すると、ある相が別の相に小さな液滴として分散を生じることになる。界面の表面張力が低下するにつれて、ある相が別の相により多く乳化される。したがって、界面の表面張力の低さは、洗浄及び洗濯の洗浄効率と相関する。界面活性剤性能向上ポリマーという用語は、界面の表面張力における低下勾配を上昇させることができるポリマーを意味する。図1は、この効果を示す;界面の表面張力を表面の経過時間(age)に対してプロットする。更に、図1は、界面活性剤、界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を含むコンパクト液体洗剤組成物の表面張力が、界面活性剤及び脂肪酸のみを含むコンパクト液体洗剤組成物の勾配と比べて、界面の表面張力の低下勾配が急であることを示す。表面張力は、表面の経過時間が増加すると共に低下するが、本発明の界面活性剤性能向上ポリマーは、この低下をより急速にする。
【0022】
図1
界面張力は、例えば、Kruss液滴体積張力計(Kruss DV1030)を用いて、洗浄溶液中でみられるのと同濃度の界面活性剤、界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を、界面活性剤しか含まないことを除いて同組成であるものと比べて測定することができる。
【0023】
バルク相のチャンバに、界面活性剤性能向上ポリマー及び脂肪酸を含むか又は含まない、界面活性剤含有洗剤溶液を充填する。分散相(油)のチャンバに、油を充填する。装置の原理は、油を自動的に所定の流速でチャンバの底部からバルク相にポンプで汲み上げるというものである。界面活性剤又は界面活性剤/ポリマーは、バルク相から油滴に移動する。結果として、油滴の大きさが増すことによって、表面張力は低下する。表面張力が十分に低いとき、油滴は上部に移動し、(光線によって)自動的に検出される。装置は、油が検出器に達するのにかかる時間を計算する。これを表面経過時間と呼ぶ。幾つかの油分散流速について測定を繰り返す。流速の範囲は、実験開始前に定められ、0.001μL/分〜500μL/分の範囲である。時間において均一に分布する流速段階も定められ、典型的には20〜30である、すなわち、20〜30個のデータ点が存在する。各点について表面張力を計算し、装置からの出力として提供する。表面張力は、以下の等式に従って計算される。バルク相及び油相の密度は、従来の密度計、例えば、Anton Paar DMA 38(Anton Paar Benelux BVBA.Gentbrugge,BELGIUM)を用いて測定される。
【数1】
σi=界面張力
V液滴=液滴の体積
ρH=バルク相の密度
ρL=油相の密度
g=重力による加速(装置の供給元によって提供される)
d=キャピラリの直径(254マイクロメートル)
試験方法:
33.33gのヒマワリ油と33.33gのトウモロコシ穀粒油、及び33.33gのクモ類の(arachnid)油を混合することによって油(100g)を調製する。
【0024】
西欧諸国の条件については、洗浄サイクル中の洗濯機内における洗剤濃度と同じ(1g/Lの界面活性剤及び2.5g/Lの洗剤)になるように濃度を調整することによって、洗剤溶液を調製する。第1の洗剤溶液は、界面活性剤、界面活性剤性能向上ポリマー、及び脂肪酸を含有し、第2の洗剤溶液は、界面活性剤及び脂肪酸のみを含有する。また、0.16g/Lの界面活性剤及び0.4g/Lの洗剤の濃度を有する北米条件においても試験を行ってもよい。
【0025】
試験中の温度は40℃に設定されるが、15℃〜40℃の温度で試験を行ってよい。
【0026】
洗剤溶液の硬度は、試験の全時間中2.5mmolに設定する。しかし、試験は、1〜4mmol Ca/Mg(Ca/Mg比は3:1である)の硬度で行ってもよい。
【0027】
本発明の界面活性剤性能向上ポリマーは、界面の表面張力の低下勾配を上昇させる。この勾配は、時間に対する界面の表面張力の傾きから測定することができる。勾配は、t=0s及びt=3sの間隔で測定される時間に対する、界面の表面張力の曲線の傾きの絶対量に等しい。これを図2に示す。
【0028】
界面の表面張力の低下勾配は以下のように計算することができる:
【数2】
勾配=界面の表面張力の低下勾配
【0029】
図2
本発明に好適な界面活性剤性能向上ポリマーは、界面の表面張力の低下勾配を少なくとも15%上昇させるポリマーである。
【0030】
更に、界面活性剤性能向上ポリマーは、水中の硬水イオン(Mg2+及びCa2+)の存在下における見かけの臨界ミセル濃度を低下させることによって、界面活性剤のミセル化を誘導すると考えられる。臨界ミセル濃度(CMC)は、それを超えるとミセルが自発的に形成される界面活性剤の濃度として定義される。界面活性剤及びポリマーのミセル化は、溶液中の界面活性剤を維持するカルシウム塩ラメラの形成を防ぐことができる。
【0031】
更に、界面活性剤性能向上ポリマーは、脂質におけるミセルの崩壊を補助する。界面活性剤性能向上ポリマーの重要な特徴は、両親媒性であることである。界面活性剤性能向上ポリマーは、疎水性構造要素と親水性構造要素との比のバランスがとれている。したがって、界面活性剤性能向上ポリマーは、第1に、疎水性の汚れを吸着し、界面活性剤を用いてその汚れを表面から除去するのに十分な程度疎水性である。次に、洗浄及び清浄化液体中で疎水性の汚れが分離した状態を維持し、表面に再沈着することを防ぐのに十分な程度親水性である。例えば、ポリエチレングリコールポリビニルアセテート(PEG−PVAc)ポリマーにおいては、PEG−PVAcポリマーの疎水性PVAc部分が、界面活性剤と疎水性の油汚れとを確実に相互作用させ、一方、PEG−PVAcポリマーの親水性ポリエチレングリコールPEG部分が、水中に分散しているポリマー−界面活性剤構造を維持する。
【0032】
本発明の両親媒性界面活性剤性能向上ポリマーは、好ましくは、ビニルエステル成分の重合によって形成される親水性主鎖及び疎水性側鎖としての水溶性ポリアルキレンオキシドに基づく。前記ポリマーは、好ましくは、50個のアルキレンオキシド単位当たり平均1以下のグラフト部位を有し、かつ3000〜100,000の平均モル質量Mを有する。
【0033】
本発明の好適な界面活性剤性能向上ポリマーは、好ましくは、低度の分岐を特徴とする。界面活性剤性能向上ポリマーは、平均して、得られる反応混合物に基づき、50個のアルキレンオキシド単位当たり、1以下のグラフト部位、好ましくは0.6以下のグラフト部位、より好ましくは0.5以下のグラフト部位、最も好ましくは0.4以下のグラフト部位を有する。界面活性剤性能向上ポリマーは、平均して、得られる反応混合物に基づき、50個のアルキレンオキシド単位当たり、好ましくは少なくとも0.05、特に少なくとも0.1のグラフト部位を含む。
【0034】
本発明の界面活性剤性能向上ポリマーの重量平均分子量Mは、好ましくは、3000〜100,000、好ましくは6000〜45,000、より好ましくは8000〜30,000である。
【0035】
好ましい実施形態では、界面活性剤性能向上ポリマーは、モル質量分布が狭いことを特徴とするので、多分散性M/Mは、一般的に3以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下である。最も好ましくは、多分散性M/Mは、1.5〜2.2の範囲である。多分散性M/Mは、所定のポリマーサンプルにおける分子量分布の尺度である。多分散性は、重量平均分子量を数平均分子量で除することによって計算される。
【0036】
両親媒性界面活性剤性能向上ポリマーは、好ましくは、親水性主鎖として25%〜60%の水溶性ポリアルキレンオキシドを含み、より好ましくは50%未満、最も好ましくは40%の親水性ポリアルキレンオキシド主鎖を含む。界面活性剤性能向上ポリマーの疎水性側鎖は、好ましくは、40%〜75%のポリビニルエステル成分、好ましくは50%超、最も好ましくは60%のポリビニルエステル成分を含む。
【0037】
親水性主鎖を形成するのに好適な水溶性ポリアルキレンオキシドは、原則として、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも75重量%の共重合型エチレンオキシドを含む、C2〜C4アルキレンオキシドに基づく全てのポリマーである。
【0038】
ポリアルキレンオキシドは、好ましくは、低い多分散性M/Mを有する。その多分散性は、好ましくは、1.5以下である。
【0039】
ポリアルキレンオキシドは、遊離型の、すなわちOH末端基を有する、対応するポリアルキレングリコールであってもよいが、これらは一方又は両方の末端基が保護されていてもよい。好適な末端基は、例えば、C1〜C25アルキル、フェニル及びC1〜C14アルキルフェニル基である。特に好適なポリアルキレンオキシドの特定の例としては、a)特にC1〜C25アルキル基により、一方又は両方の末端基が保護されていてもよいが、好ましくはエーテル化されておらず、好ましくは1500〜20,000、より好ましくは2500〜15,000の平均モル質量Mを有するポリエチレングリコール;b)少なくとも50重量%のエチレンオキシド含量を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドとのコポリマーであって、同様に、特にC1〜C25アルキル基により、一方又は両方の末端基が保護されていてもよいが、好ましくはエーテル化されておらず、好ましくは1500〜20,000、より好ましくは2500〜15,000の平均モル質量Mを有する、コポリマー;c)特に2500〜20,000の平均モル質量を有する鎖延長生成物であって、200〜5000の平均モル質量Mを有するポリエチレングリコール又は200〜5000の平均モル質量Mを有するコポリマーと、C2〜C12ジカルボン酸若しくはジカルボン酸エステル又はC6〜C18ジイソシアネートとの反応により得ることができる、鎖延長生成物が挙げられる。好ましい親水性主鎖及びグラフト基部は、ポリエチレングリコールである。
【0040】
界面活性剤性能向上ポリマーの側鎖は、親水性主鎖の存在下におけるビニルエステル成分の重合によって形成される。ビニルエステル成分は、有利なことに、酢酸ビニル若しくはプロピオン酸ビニル、又は酢酸ビニルとプロピオン酸ビニルとの混合物からなってもよく、ビニルエステル成分としては酢酸ビニルが特に好ましい。
【0041】
しかし、界面活性剤性能向上ポリマーの側鎖は、また、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル並びに更なるエチレン性不飽和モノマーを共重合させることによって形成してもよい。ビニルエステル成分におけるモノマーの割合は、30重量%以下であってよい。
【0042】
好適なコモノマーは、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸及びジカルボン酸、並びにエステル、アミド及び無水物等のこれらの誘導体、並びにスチレンである。無論、異なるコモノマーの混合物を使用することも可能である。具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のC1〜C12−アルキルエステル及びヒドロキシ−C2〜C12−アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、N−C1〜C12−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(C1〜C6−アルキル)(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、無水マレイン酸及びマレイン酸のモノ(C1〜C12−アルキル)エステルが挙げられる。好ましいモノマーは、(メタ)アクリル酸のC1〜C8アルキルエステル及びヒドロキシエチルアクリレートであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸のC1〜C4−アルキルエステルである。極めて特に好ましいモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、特にn−ブチルアクリレートである。
【0043】
最も好ましい界面活性剤性能向上ポリマーは、PEG−PVAcである。PEG−PVAcは、グリコールと酢酸ビニルとのグラフトコポリマーである。好ましい実施形態では、界面活性剤性能向上ポリマーは、40重量%のエチレンオキシド及び60重量%の酢酸ビニルというモノマー組成を有する。
【0044】
本発明で最も好ましい界面活性剤性能向上ポリマーは、BASF Aktiengesellschaft,Ludwigshafen,Germanyによって販売されている商標名Sokalan PG101(PEG−PVAc)、Sokalan及びSokalan HP22として知られている。本明細書で有用な界面活性剤性能向上ポリマーは、国際公開第2007/138053号(BASF Aktiengesellesschaft)、同第2007/138054号(Procter & Gamble Company)に記載されている。
【0045】
本出願のコンパクト液体洗剤組成物は、コンパクト液体洗剤組成物の0.1重量%〜10重量%の界面活性剤性能向上ポリマー、好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の3重量%〜8重量%の界面活性剤性能向上ポリマー、より好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の3.5重量%〜4.5重量%の界面活性剤性能向上ポリマーを含む。
【0046】
脂肪酸
本発明の組成物は、脂肪酸又は脂肪酸塩を含む。脂肪酸は、飽和又は不飽和である、長い非分岐脂肪族末端を有することが多いカルボン酸である。本発明に好適な脂肪酸又は脂肪酸の塩は、好ましくはナトリウム塩、好ましくはC12〜C18飽和及び/又は不飽和脂肪酸、より好ましくはC12〜C14飽和及び/又は不飽和脂肪酸、並びにアルカリ若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウムである。
【0047】
好ましくは、脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、先端(topped)パーム核脂肪酸、ヤシ脂肪酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
本出願のコンパクト液体洗剤組成物は、コンパクト液体洗剤組成物の2重量%〜18重量%の脂肪酸、好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の4重量%〜13重量%の脂肪酸、最も好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の5重量%〜10重量%の脂肪酸を含む。
【0049】
任意の洗剤組成物成分
本発明の組成物は、下記のものなどの1つ以上の成分を含んでよい。
【0050】
溶媒系
本コンパクト液体洗剤組成物における溶媒系は、有機溶媒の混合物であってもよい。本組成物は、添加水を全く含有しない。水含量が高いと、フィルム特性に不必要な効果をもたらす場合がある。更に、水含量が高すぎる又は低すぎると、洗剤組成物に対する負の影響、すなわち、相分離を引き起こすことによる負の影響を有する場合がある。組成物中の水は、原材料に由来する。好ましい有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレンジグリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のC〜Cアルカノールアミンを使用してもよい。溶媒系は、例えば、本発明の無水固体実施形態中に存在しなくてもよいが、より典型的には、コンパクト液体洗剤組成物の0.1重量%〜98重量%、好ましくは少なくとも1重量%〜50重量%、より通常は5重量%〜25重量%の範囲の濃度で存在する。
【0051】
水は、典型的に、コンパクト液体洗剤組成物の5重量%〜25重量%、好ましくは7%〜20重量%、より好ましくは8重量%〜15重量%の範囲の濃度で存在する。
【0052】
乳白剤
コンパクト液体洗剤組成物は、乳白剤を含んでもよい。本発明に係る乳白剤は、組成物に溶解しない固体の不活性化合物であり、大部分の光波長を屈折、散乱、又は吸収する。
【0053】
乳白剤は、好ましくは、スチレン/アクリレートラテックス、二酸化チタン、二酸化スズ、任意の形態の変性TiO、例えば、炭素変性TiO又は金属でドープされた(例えば、白金、ロジウム)TiO又は酸化第二スズ、オキシ塩化ビスマス又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたTiO/雲母、シリカコーティングされたTiO又は金属酸化物でコーティングされたもの、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいスチレン/アクリレートラテックスは、Rohm & Haas Companyから商標名Acusolとして入手可能なものである。ラテックスは、pHが約2〜約3であり、水中の固形分が約40%であり、粒径が約0.1〜約0.5マイクロメートルであることを特徴とする。特に好ましいAcusol.RTM.ポリマーとしては、Acusol.RTM.OP301(スチレン/アクリレート)ポリマー、Acusol.RTM.OP302、(スチレン/アクリレート/ジビニルベンゼンコポリマー)、Acusol.RTM.OP303(スチレン/アクリルアミドコポリマー)、Acusol.RTM.OP305(スチレン/PEG−10マレエート/ノンオキシノール−10マレエート/アクリレートコポリマー)及び(スチレン/アクリレート/PEG−10ジマレエートコポリマー)並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましい種は、1000〜1 000 000、より好ましくは2000〜500 000、最も好ましくは5000〜20 000の分子量を有する。
【0054】
乳白剤は、好ましくは、配合される組成物を白色に保つのに十分な量で存在する。乳白剤が、無機乳白剤(例えば、TiO又はその変性物)である場合、乳白剤は、好ましくは、組成物の0.001重量%〜1重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.5重量%、最も好ましくは0.05重量%〜0.15重量%の濃度で存在する。
【0055】
乳白剤が有機乳白剤(例えば、スチレン/アクリレートラテックス)である場合、乳白剤は、好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の0.001重量%〜2.5重量%、より好ましくは1重量%〜2.2重量%、最も好ましくは1.4重量%〜1.8重量%の濃度で存在する。
【0056】
酸化防止剤
コンパクト液体洗剤組成物は、酸化防止剤を含んでもよい。第2及び第3の組成物も、存在する場合、酸化防止剤を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、出願人は、酸化防止剤の存在が、経時的に及び高温で酸化される傾向があり、かつ黄変を導くことがある配合中の反応性化合物、例えば、香料の反応を低減するか、又は好ましくは停止させると考える。
【0057】
本発明に係る酸化防止剤は、他の分子の酸化を遅延させるか又は防ぐことができる分子である。酸化反応は、フリーラジカルを生じさせ、これが次に分解の連鎖反応を開始させる場合がある。酸化防止剤は、フリーラジカル中間体を除去し、自身が酸化されることにより他の酸化反応を阻害することによって、これら連鎖反応を終結させる。結果として、酸化防止剤は、還元剤であることが多い。酸化防止剤は、好ましくは、ブチル化ヒドロキシトルエン、(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、トリメトキシ安息香酸(TMBA)、α,β,λ及びδトコフェノール(ビタミンE酢酸塩)、6ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラ−メチルクロマン−2−カルボン酸(トロロクス)、1,2,ベンズイソチアゾリン−3−オン(proxel GLX)、タンニン酸、没食子酸、Tinoguard AO−6、Tinoguard TS、アスコルビン酸、アルキル化フェノール、エトキシキノン2,2,4トリメチル、1−2−ジヒドロキノリン、2,6ジ又はtert又はブチルヒドロキノン、tert、ブチル、ヒドロキシルアニソール、リグノスルホン酸及びその塩類、ベンゾフラン、ベンゾピラン、トコフェノールソルベート、ブチル化ヒドロキシル安息香酸及びその塩類、没食子酸及びそのアルキルエステル、尿酸並びにその塩類及びアルキルエステル、ソルビン酸及びその塩類、ジヒドロキシフマル酸及びその塩類、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。好ましい酸化防止剤は、アルカリ及びアルカリ土類金属の亜硫酸塩及び硫化水素酸塩、より好ましくは亜硫酸ナトリウム又は硫化水素酸ナトリウムからなる群から選択されるものである。
【0058】
酸化防止剤は、好ましくはコンパクト液体洗剤組成物の0.01重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1重量%、最も好ましくは0.3重量%〜0.5重量%の濃度で存在する。
【0059】
無機乳白剤が用いられる場合、乳白剤及び酸化防止剤は、好ましくは0.1:0.5、より好ましくは0.12:0.35の比で存在する。一方、有機乳白剤が用いられる場合、乳白剤及び酸化防止剤は、好ましくは2:6、より好ましくは3:5の比で存在する。
【0060】
レオロジー変性剤
好ましい実施形態では、コンパクト液体洗剤組成物は、レオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、非高分子結晶性のヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤からなる群から選択され、組成物の水性液体マトリックスに剪断減粘特性を付与する。結晶性のヒドロキシ官能性材料は、その場でのマトリックス中の結晶化により組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成するレオロジー変性剤である。好ましい結晶性のヒドロキシル含有レオロジー変性剤の具体例としては、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び水素添加キャスター蝋などの硬化ヒマシ油誘導体である。市販のヒマシ油系、結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、Rheox,Inc.(現Elementis)製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。高分子レオロジー変性剤は、好ましくは、ポリアクリレート、高分子ゴム、他の非ゴム多糖類、及びこれらの高分子材料の組み合わせから選択される。好ましい高分子ガム材料としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジュランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
布地ケア有益剤
コンパクト液体洗剤組成物は、布地ケア有益剤を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」とは、衣類/布地上に十分な量の材料が存在する場合、衣類及び布地に対して、特に綿及び綿を多く含む衣類及び布地上において、布地柔軟化、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、磨耗防止、皺防止等のような布地ケア効果を提供できる任意の材料を指す。布地ケア有益剤の非限定的な例としては、カチオン性界面活性剤、シリコーン、ポリオレフィンワックス、ラテックス、油性糖誘導体、カチオン性多糖類、ポリウレタン、脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。コンパクト液体洗剤組成物中に存在する場合、布地ケア有益剤は、好適にはコンパクト液体洗剤組成物の約30重量%以下、より典型的には1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜10重量%の濃度である。
【0062】
洗浄性酵素
本明細書に用いるのに好適な洗浄性酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。酵素は、その技術分野で教示される濃度、例えば、Novo及びGenencorのような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。コンパクト液体洗剤組成物中の典型的な濃度は、0.0001%〜5%である。酵素が存在する場合、本発明の特定の実施形態では、酵素を非常に低い濃度、例えば0.001%以下で使用することができ、又は本発明に係る強力型洗濯洗剤製剤では、酵素をより高濃度、例えば0.1%以上で使用することができる。「非生物学的」洗剤を好む消費者もいるため、本発明は酵素含有の実施形態と、酵素を含まない実施形態の両方を含む。
【0063】
付着助剤
本明細書で使用するとき、「付着助剤」は、洗濯中に布地ケア有益剤の布地への付着を顕著に高める、任意のカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。好ましくは、付着助剤はカチオン性又は両性ポリマーである。本発明の両性ポリマーは、カチオン性の正味電荷も有し、すなわち、これらのポリマー上にあるカチオン性電荷の合計が、アニオン性電荷の合計を超える。付着増強剤の非限定的な例は、カチオン性多糖類、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性合成ポリマーである。好ましいカチオン性多糖類としては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。
【0064】
研磨剤
コンパクト液体洗剤組成物は、任意でビルダーを含んでもよい。好適なビルダーとしては、米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号、及び同第4,102,903号に記載のもののような、環状化合物、特に脂環式化合物を含むポリカルボン酸塩ビルダーが挙げられる。特に好ましいのはクエン酸塩ビルダー、例えば、クエン酸及びその可溶性塩(特にナトリウム塩)である。他の好ましいビルダーとしては、エチレンジアミン二コハク酸及びその塩(エチレンジアミンジスクシネート、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸及びその塩(エチレンジアミンテトラアセテート、EDTA)、並びにジエチレントリアミン五酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)、ゼオライトA、B、又はMAP等のアルミノシリケートが挙げられる。
【0065】
漂白剤系
本明細書において好適な漂白剤としては、塩素漂白剤及び酸素漂白剤が挙げられ、特に無機過水和物塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物、並びに制御された放出速度を提供するために任意でコーティングされた過炭酸ナトリウム(例えば、硫酸塩/炭酸塩コーティングについては英国特許第A−1466799号を参照のこと)、予形成有機ペルオキシ酸及び有機ペルオキシ酸漂白剤前駆体とのこれらの混合物、並びに/又は遷移金属含有漂白剤触媒(特にマンガン又はコバルト)が挙げられる。無機過水和物塩は、典型的には、コンパクト液体洗剤組成物の1重量%〜40重量%、好ましくは2重量%〜30重量%、より好ましくは5重量%〜25重量%の範囲の濃度で配合される。本明細書に使用するために好ましいペルオキシ酸漂白剤前駆体としては、過安息香酸及び置換過安息香酸の前駆体;カチオン性ペルオキシ酸前駆体;過酢酸前駆体、例えばTAED、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びペンタアセチルグルコース;過ノナン酸(pernonanoic acid)前駆体、例えば、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(イソ−NOBS)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS);アミド置換型アルキルペルオキシ酸前駆体(欧州特許第A−0170386号);並びにベンゾオキサジンペルオキシ酸前駆体(欧州特許第A−0332294号及び同第A−0482807号)が挙げられる。漂白剤前駆体は、典型的には、コンパクト液体洗剤組成物の0.5重量%〜25重量%、好ましくは1重量%〜10重量%の範囲の濃度で配合され、一方、予形成有機ペルオキシ酸自体は、典型的には、コンパクト液体洗剤組成物の0.5重量%〜25重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲の濃度で配合される。本明細書での使用に好ましい漂白剤触媒としては、トリアザシクロノナンマンガンと関連錯体(米国特許第A−4246612号及び同第A−5227084号)、ビスピリジルアミンコバルト、ビスピリジルアミン銅、ビスピリジルアミンマンガン、そしてビスピリジルアミン鉄、並びに関連錯体(米国特許第A−5114611号)、及びペンタミンアセテートコバルト(III)並びに関連錯体(米国特許第A−4810410号)が挙げられる。
【0066】
増白剤
コンパクト液体洗剤組成物は、増白剤を含んでもよい。このような染料は、洗濯中に過度の望ましくない蓄積を示すことなく、洗濯洗浄サイクル中に良好な着色効率を示すことが見出されている。増白剤は、洗剤を含有する溶液中で洗浄される布地に対する着色効果をもたらすのに十分な量で、全洗濯用洗剤組成物中に含まれる。1つの実施形態では、多区画パウチは、0.0001重量%〜1重量%、より好ましくは0.0001重量%〜0.5重量%のコンパクト液体洗剤組成物、更により好ましくは0.0001重量%〜0.3重量%のコンパクト液体洗剤組成物を含む。
【0067】
パールエッセンス剤
本発明のコンパクト液体洗剤組成物は、パールエッセンス剤を含んでもよい。前記パールエッセンス剤は、有機物でも無機物でもよいが、好ましくは無機物である。最も好ましくは、パールエッセンス剤は、雲母、TiOでコーティングされた雲母、オキシ塩化ビスマス、又はこれらの混合物から選択される。
【0068】
香料
香料は、本発明のコンパクト液体洗剤組成物に配合されることが好ましい。香料は、プレミックス液体として調製してもよく、シクロデキストリン等の担体材料に結合させてもよく、又は封入してもよい。封入されるとき、香料は、好ましくは、メラミン/ホルムアルデヒドコーティングに封入される。
【0069】
その他の補助剤
他の好適な洗浄補助剤の例としては、限定するものではないが、酵素安定化系;アニオン性染料用の固定剤を含む捕捉剤(scavenging agent)、アニオン性界面活性剤用の錯化剤、及びこれらの混合物;光学的光沢剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー;分散剤;抑泡剤;染料;着色剤;例えばトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、及びナフタレンスルホン酸などの向水性物質;色スペックル;着色ビーズ、球体又は押出品;粘土柔軟化剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
組成物の調製
本明細書におけるコンパクト洗剤組成物は、一般的に、成分を混合することによって調製することができる。パールエッセンス材を使用する場合、混合の後の方の段階で添加するべきである。レオロジー変性剤を使用する場合、レオロジー変性剤が水の一部に分散しているプレミックスを最初に形成することが好ましく、所望により、組成物を構成するために最終的に他の成分が用いられる。プレミックスは、構造化された液体を形成する方法で形成される。次に、プレミックスが攪拌されている間、この構造化されたプレミックスに、水及び使用されるべきあらゆる任意の洗剤組成物補助剤と共に、界面活性剤及び必須の洗剤補助剤物質を添加することができる。
【0071】
パウチ材料
コンパクト液体洗剤組成物がパウチにパッケージ化される場合、パウチは、好ましくは、水に可溶性又は分散性であるフィルム材料で作製され、かつ少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶解度を有する。水溶解度は、20マイクロメートルの最大孔径を有するグラスファイバーを用いた後、50グラム±0.1グラムのパウチ材料を予め計量された400mLのビーカーに添加し、245mL±1mLの蒸留水を添加するという本明細書に記載の方法によって測定される。これを、600rpmに設定された磁性攪拌器上で、30分間激しく攪拌する。その後、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性的な焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度%又は分散度%を計算することができる。
【0072】
好ましいパウチ材料は、ポリマー材料、好ましくはフィルム又はシートに成形されるポリマーである。パウチ材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料の鋳造、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形により得ることができる。
【0073】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量、好ましくは1000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜300,000、更により好ましくは20,000〜150,000の重量平均分子量を有することができる。
【0074】
ポリマーの混合物もパウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的性質及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物としては、例えば、一方の重合体がもう一方の重合体より高い水溶解度を有する混合物、及び/又は、一方の重合体がもう一方の重合体より高い機械的強度を有する混合物が挙げられる。また、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が10,000〜40,000、好ましくは20,000前後のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が100,000〜300,000、好ましくは150,000前後のPVA又はそのコポリマーとの混合物も好適である。また、例えば、ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することによって得られ、典型的には1〜35重量%のポリラクチドと65重量%〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコール等の加水分解性かつ水溶性のポリマーブレンドを含むポリマーブレンド組成物が本明細書で好適である。本明細書に使用するために好ましいのは、材料の溶解特性を改善するために60%〜約98%加水分解された、好ましくは80%〜90%加水分解されたポリマーである。
【0075】
当然ながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを本発明の区画の製造に用いてもよい。異なるフィルムを選択する利点は、その結果得られる区画が異なる溶解性又は放出特性を示し得ることである。
【0076】
最も好ましいパウチ材料は、MonoSol LLC(Gary,Indiana,US)より販売されている商品名Monosol M8630として既知のPVAフィルム、並びに相当する溶解度特性及び変形特性を有するPVAフィルムである。本明細書で用いるのに好適な他のフィルムとしては、Aicelloにより供給される商品名PTフィルム若しくはフィルムのK−シリーズとして既知のフィルム、又はKurarayにより供給されるVF−HPフィルムが挙げられる。
【0077】
また、本明細書のパウチ材料は、1種以上の添加剤成分を含んでもよい。例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物などの可塑剤の添加が有益であることがある。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0078】
変形性の理由で、パウチ又はパウチ区画は、好ましくは前記区画の容積空間の50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下の容積を有する気泡を含有する液体である構成成分を含む。
【0079】
水溶性パウチを作製するプロセス
水溶性パウチを作製するプロセスは、任意の好適な設備及び方法を用いて行うことができる。単一区画のパウチは、縦型を用いて作製されるが、好ましくは、当該技術分野において既知である水平型の充填技術を用いて作製される。
【0080】
水溶性パウチを作製するプロセスは、欧州特許第1504994号(Procter & Gamble Company)及び国際公開第02/40351号(Procter & Gamble Company)に記載されている。多区画水溶性パウチを作製するプロセスは、2009年6月出願の同時係属特許出願第09161692.0号(Procter & Gamble Company)に記載されている。
【0081】
二次パッケージング
好ましくは、本発明の多区画パウチは更に、外側パッケージにパッケージ化される。かかる外側パッケージは、例えば透明又は半透明の袋、タブ、カートン又はボトルなどの容器を通して、あるいは部分的に通して見ることができる。このパックは、輸送の間にパウチを保護するのに十分な強度を有する材料であるならば、プラスチック又は任意の他の好適な材料から作製できる。この種類のパックは更に、ユーザーがパックを開けて、どの程度の数のパウチが残っているのか確認する必要がなくなることから、非常に有用である。あるいは、パックは透視できない外側パッケージ、恐らくパックの視覚的に独特な内容物を表すしるし又は図柄を備える外側パッケージを有することもできる。
【0082】
洗浄プロセス
本発明のコンパクト液体洗剤は、洗濯洗剤用途に好適である。コンパクト液体洗剤は、手洗い又は機械洗い条件に好適である。機械洗いの場合、コンパクト液体洗剤は、分注引き出しから送達することができ、又は水溶性パウチ若しくはコンパクト液体の形態で洗濯機のドラムに直接添加してもよい。
【実施例】
【0083】
以下は、本発明の洗剤の実施例である。
【表1】
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び複数のポリビニルアセテート側鎖を有するポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリビニルアセテートとの重量比は約40:60であり、50個のエチレンオキシド単位当たりのグラフト点は1以下である。
【0084】
性能:
組成物A及びBの性能を幾つかの染みについて測定した。焦げたバター、ベーコンの油、バーベキューソース、及び草を、Equest(UK)から入手した綿に塗布した。染み及び2.2kg(5lbs)のTシャツ及び枕カバーからなるバラスト負荷を、中間の米国洗浄条件を表すKenmore Top Loader Serie 80洗濯機に添加した。洗浄水を32.2℃±1℃及び硬度6gpg(1mmol/L)に設定し、すすぎ水を15.5℃±1℃に設定した。水の体積は64.3L(17ガロン)であり、洗浄時間は12分間であった。2つの異なる洗浄機を用い、以下の表に従って2つの内的複製及び4つの外的複製を用いて実行した。
【0085】
【表2】
【0086】
汚れ及びバラストを高速及び高熱下において各サイクルの最後に乾燥させると共に、冷却サイクルを行った。次いで、結果を画像解析によって分析するが、これは、除去された汚れの量を計算することができる方法である。汚れは、洗浄前及び洗浄後に画像化される。画像は、汚れ除去指数(SRI)の量を計算する。SRIが100であることは、完全に除去されたことを意味し、SRIが0であることは、全く除去されなかったことを意味する。
【0087】
洗濯物画像解析システム(Merlin画像解析システム)は、技術的な汚れの見本布において汚れ除去を測定する。システムは、ビデオカメラを用いて見本布のカラー画像を獲得する。見本布の画像を、洗浄前及び洗浄後に撮像する。次いで、獲得した画像を、コンピュータソフトウェア(Global R&D computing)によって分析する。ソフトウェアは、洗浄されていない汚れと洗浄された汚れとを比較し、それに加えて洗浄されていない布地と洗浄された布地とを比較して、汚れ除去について説明する利点の5つの図を作成する。次いで、データを統計的に解析して、洗剤性能間の統計的に有意な差を判定する。
【0088】
結果は、汚れ除去指数のパーセンテージ内で表される。汚れ除去指数は、洗浄されていない汚れと洗浄された汚れとの間の色差を測定するレファレンスとして初期布地を用いる。より高い値は、より優れた洗浄及び汚れ除去力を示すので、より優れた洗剤である。
【0089】
性能(汚れ除去指数、数が大きいほど除去力が高い)。全面的な性能試験(TL、Kenmore洗濯機、32.2℃で洗浄し、15.5℃ですすぐ、6gpg)
【表3】
【0090】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
図1
図2