(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714685
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】ピアツーピア通信のためのページングメッセージを送信する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 92/18 20090101AFI20150416BHJP
H04W 68/00 20090101ALI20150416BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20150416BHJP
【FI】
H04W92/18
H04W68/00
H04W72/04 131
【請求項の数】31
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-231423(P2013-231423)
(22)【出願日】2013年11月7日
(62)【分割の表示】特願2012-516523(P2012-516523)の分割
【原出願日】2009年6月30日
(65)【公開番号】特開2014-42346(P2014-42346A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2013年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】トスカラ アンティ アントン
【審査官】
東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−130854(JP,A)
【文献】
特開平8−307934(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/009379(WO,A1)
【文献】
特開平10−4584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージを通信システムのネットワーク要素へ送信し、
前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの装置の中の装置とページングメッセージを通信するためのタイミング基準であって、自身が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にある前記タイミング基準に関する情報を前記ネットワーク要素から受信し、
前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信する、
ように構成された装置。
【請求項2】
前記装置は、少なくとも1つの装置の識別子を含むメッセージを送信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、その装置が接続された前記通信システムのコントロールチャンネルを使用してメッセージを送信する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、物理的アップリンク共有チャンネルを使用してメッセージを送信するように構成された、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、少なくとも1つの装置にページングメッセージを送信するときにタイミング基準を使用するように構成された、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの装置の中の装置とページングメッセージを送信及び受信するための異なるタイミング基準を含む情報を受信し、前記ページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信することに代えて、前記異なるタイミング基準を用いて異なるタイミングで送信及び受信するように構成された、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
装置によって、
少なくとも1つの装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージを装置によって通信システムのネットワーク要素へ送信する段階と、
前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの装置の中の装置とページングメッセージを通信するためのタイミング基準であって、前記装置が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にある前記タイミング基準に関する情報を装置によって前記ネットワーク要素から受信する段階と、
前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信する段階と、
を備えた方法。
【請求項8】
前記メッセージは、少なくとも1つの装置の識別子を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記装置が接続された前記通信システムのコントロールチャンネルを使用してメッセージを送信する段階を更に備えた、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの装置にページングメッセージを送信するときにタイミング基準を使用する段階を更に備えた、請求項7から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの装置の中の装置とページングメッセージを送信及び受信するための異なるタイミング基準を含む情報を受信し、前記ページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信することに代えて、前記異なるタイミング基準を用いて異なるタイミングで送信及び受信する段階を更に備えた、請求項7から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの他のユーザ装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージを通信システムのユーザ装置から受信し、
その確立に関するメッセージを前記少なくとも1つの他のユーザ装置へ送信し、
前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間のページングメッセージのためのタイミング基準であって、前記タイミング基準は、自身が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にあり、前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージが前記タイミング基準を用いて前記ユーザ装置により同時に送信及び受信される、前記タイミング基準に関する情報を送信する、
ように構成された装置。
【請求項13】
前記装置は、ユーザ装置間の装置対装置通信が実現可能であるかどうか決定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、少なくとも1つの他のユーザ装置の識別子に関する情報を含むメッセージを受信するように構成された、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間のページングメッセージを送信及び受信するための異なるタイミング基準を含む情報を送信し、前記ページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信することに代えて、前記異なるタイミング基準を用いて異なるタイミングで送信及び受信するように構成された、請求項12から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、前記少なくとも1つの他のユーザ装置から前記装置対装置通信の確認を受信するように構成された、請求項12から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、別のネットワーク要素を経て少なくとも1つの他のユーザ装置と通信するように構成される、請求項12から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、タイミング基準に関する情報を別のネットワーク要素と交換するように構成された、請求項12から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間でページングメッセージを送信及び受信するためのタイミング基準を決定するように構成された、請求項12から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間でページングメッセージを送信及び受信するための通信周波数を決定するように構成された、請求項12から19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
装置によって、
少なくとも1つの他のユーザ装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージを通信システムのユーザ装置から受信する段階と、
その確立に関するメッセージを前記少なくとも1つの他のユーザ装置へ送信する段階と、
前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間のページングメッセージのためのタイミング基準であって、前記タイミング基準は、前記装置が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にあり、前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージが前記タイミング基準を用いて前記ユーザ装置により同時に送信及び受信される、前記タイミング基準に関する情報を送信する段階と、
を備えた方法。
【請求項22】
前記ユーザ装置間の前記装置対装置通信が実現可能であるかどうか決定する段階を更に備えた、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間のページングメッセージを送信及び受信するための異なるタイミング基準を含む情報を送信し、前記ページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信することに代えて、前記異なるタイミング基準を用いて異なるタイミングで送信及び受信する段階を更に備えた、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間でページングメッセージを送信及び受信するためのタイミング基準を決定する段階を更に備えた、請求項21から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記装置対装置通信を確立する前記ユーザ装置間でページングメッセージを送信及び受信するための通信周波数を決定する段階を更に備えた、請求項21から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの他の装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージを通信システムのネットワーク要素へ送信する手段と、
前記装置対装置通信を確立する少なくとも1つの他の装置とのページングメッセージのためのタイミング基準であって、自身が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にある前記タイミング基準に関する情報を前記ネットワーク要素から受信する手段と、
前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信する手段と、
を備えた装置。
【請求項27】
少なくとも1つの他のユーザ装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信する手段と、
その確立に関するメッセージを前記少なくとも1つの他のユーザ装置へ送信する手段と、
前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの他のユーザ装置とのページングメッセージのためのタイミング基準であって、前記タイミング基準は、自身が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にあり、前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージが前記タイミング基準を用いて前記ユーザ装置により同時に送信及び受信される、前記タイミング基準に関する情報を送信する手段と、
を備えた装置。
【請求項28】
ユーザ装置間の装置対装置通信が実現可能であるかどうか決定する手段を備えた、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
タイミング基準に関する情報を別のネットワーク要素と交換する手段を備えた、請求項27又は28に記載の装置。
【請求項30】
接続を確立することに向けられるアクションであって、
装置によって、
少なくとも1つの装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージを通信システムのネットワーク要素へ送信し、そして
前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの装置とのページングメッセージのためのタイミング基準であって、前記装置が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にある前記タイミング基準に関する情報を前記ネットワーク要素から受信し、
前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージを前記タイミング基準を用いて同時に送信及び受信することを含むアクションを遂行するためにプロセッサにより実行できるインストラクションのプログラムを実施するコンピュータ読み取り可能なメモリ。
【請求項31】
接続を確立することに向けられるアクションであって、
装置によって、
少なくとも1つの他のユーザ装置との装置対装置通信の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信し、
その確立に関するメッセージを前記少なくとも1つの他のユーザ装置へ送信し、そして
前記装置対装置通信を確立する前記少なくとも1つの他のユーザ装置とのページングメッセージのためのタイミング基準であって、前記タイミング基準は、前記装置が接続された前記通信システムのページングメッセージに対して予約される時間からある時間内にあり、前記装置対装置通信のための対応するページングメッセージが前記タイミング基準を用いて前記ユーザ装置により同時に送信及び受信される、前記タイミング基準に関する情報を送信することを含むアクションを遂行するためにプロセッサにより実行できるインストラクションのプログラムを実施するコンピュータ読み取り可能なメモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の好適な非限定実施形態は、一般的に、ワイヤレス通信ネットワークに係る。特に、本発明の実施形態は、装置対装置通信に係る。
【背景技術】
【0002】
背景技術の以下の説明は、洞察、発見、理解又は開示、或いは関連性を、本発明以前の当該技術では知られておらずに本発明によって提供される開示と共に含む。本発明のこのような貢献の幾つかは、以下に特に指摘するが、本発明の他のそのような貢献は、文脈から明らかとなろう。
【0003】
ワイヤレス通信システムは、絶えず開発されている。開発システムは、データレートが高く且つリソース利用効率の良い費用効果のあるサポートを提供する。開発中の1つの通信システムは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)長期進化(LTE)リリース8である。長期進化無線アクセスシステムの改良バージョンは、LTE進歩型(LTE−A)と称される。LTEは、高速データ、マルチメディアユニキャスト及びマルチメディアブロードキャストサービスのような種々のサービスをサポートするように設計される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルラー動作に加えて、ほとんどのシステムでは、直接的な装置対装置通信が可能である。装置対装置通信のための現在の方法では、ブルーツース又はワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)のような低電力技術が使用されている。これら解決策では、通信は、通信インフラストラクチャーとは完全に独立しており、通常は、ユーザが互いに視界内にいることをベースとしている。Tetra(地上トランク無線)のような政府機関及び非常サービスにより使用するように設計されたネットワークでは、装置対装置通信が実施されているが、それらの解決策は、一般的な通信ネットワークで使用するのに適していない。
【0005】
非セルラー無線使用のためにある周波数帯域(いわゆるホワイトスペース)を予約することが提案されているので、視界以上に長い範囲を有する装置対装置通信を実現する必要がある。このような解決策の開発は、多数の挑戦に直面している。例えば、その解決策は、セルラー動作に干渉を生じることなく機能し且つ余計な装置電力消費を最小にできねばならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の幾つかの態様を基本的に理解するために本発明の概要を以下に簡単に述べる。この概要は、本発明の広範囲な概略ではない。本発明のカギとなる/重要な要素を識別したり本発明の範囲を定めたりすることを意図していない。その唯一の目的は、以下に述べる詳細な説明の前文として本発明のある程度の概念を簡単な形態で表現することである。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの装置との装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをネットワーク要素へ送信し、そして装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報をネットワーク要素から受信するように構成された装置が提供される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの装置との装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージを装置によってネットワーク要素へ送信する段階と、装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を装置によってネットワーク要素から受信する段階とを備えた方法が提供される。
【0009】
本発明の態様によれば、ユーザ装置の少なくとも1つの他のセットとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信し、その確立に関するメッセージをユーザ装置の少なくとも1つの他のセットへ送信し、そして装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を装置へ送信するように構成された装置が提供される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、ユーザ装置の少なくとも1つの他のセットとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信する段階と、その確立に関するメッセージをユーザ装置の少なくとも1つの他のセットへ送信する段階と、装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を装置へ送信する段階とを備えた方法が提供される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの装置との装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをネットワーク要素へ送信する手段と、装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報をネットワーク要素から受信する手段とを備えた装置が提供される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、ユーザ装置の少なくとも1つの他のセットとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信する手段と、その確立に関するメッセージをユーザ装置の少なくとも1つの他のセットへ送信する手段と、装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を装置へ送信する手段とを備えた装置が提供される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、接続を確立することに向けられるアクションであって、少なくとも1つの装置との装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをネットワーク要素へ送信し、そして装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報をネットワーク要素から受信することを含むアクションを遂行するためにプロセッサにより実行できるインストラクションのプログラムを実施するコンピュータ読み取り可能なメモリが提供される。
【0014】
本発明の更に別の態様によれば、接続を確立することに向けられるアクションであって、ユーザ装置の少なくとも1つの他のセットとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信し、その確立に関するメッセージをユーザ装置の少なくとも1つの他のセットへ送信し、そして装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を装置へ送信することを含むアクションを遂行するためにプロセッサにより実行できるインストラクションのプログラムを実施するコンピュータ読み取り可能なメモリが提供される。
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を一例として詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】一つの好適なシステムアーキテクチャーを示す簡単なブロック図である。
【
図2A】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図2B】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図2C】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図2D】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図2E】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図3】アップリンクLTE進歩型送信のフレーム構造の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の全部ではなく幾つかの実施形態が示された添付図面を参照して、本発明の一つの好適な実施形態を以下に詳細に説明する。実際に、本発明は、多数の異なる形態で実施することができ、ここに述べる実施形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、その開示が法的な適用要件を満足するように設けられている。明細書は、多数の位置で「一」実施形態、「1つの」実施形態又は「ある」実施形態を参照するが、これは、必ずしも、そのような各々の参照が同じ実施形態に対するものであること、又は特徴が単一の実施形態のみに適用されることを意味していない。又、異なる実施形態の1つの特徴を組み合わせて、他の実施形態を構成することもできる。
【0018】
本発明の実施形態は、装置対装置通信がサポートされる任意のユーザターミナル、サーバー、対応コンポーネント、及び/又は任意の通信システム或いは異なる通信システムの組み合わせに適用できる。通信システムは、ワイヤレス通信システムでもよいし、或いは固定ネットワーク及びワイヤレスネットワークの両方を利用する通信システムでもよい。使用するプロトコル、及び特にワイヤレス通信における通信システム、サーバー及びユーザターミナルの仕様が急速に発展している。このような発展は、実施形態に対して余計な変更を要求する。それ故、全てのワード及び表現は、広く解釈されるべきであり、実施形態を制約なく例示することが意図される。
【0019】
図1Aを参照し、本発明の実施形態を適用できる無線システムの一例を説明する。この例では、無線システムは、LTEネットワーク要素をベースとする。しかしながら、これらの例において述べる本発明は、LTE無線システムに限定されず、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム)のような他の無線システムで実施することもできる。一実施形態では、ここに示す解決策は、LTE及びMUTSのような、異なるが互換性のあるシステムに属するユーザ装置間に適用することができる。
【0020】
通信システムの一般的なアーキテクチャーが
図1Aに示されている。
図1Aは、幾つかの要素及び機能的エンティティだけを示す簡単なシステムアーキテクチャーで、それらは全て図示されたものとは異なるように実施できる論理的ユニットである。
図1Aに示された接続は、論理的な接続であり、実際の物理的接続は、異なることがある。当業者であれば、システムは、他の機能及び構造も含むことが明らかであろう。グループ通信に使用される機能、構造、要素及びプロトコルは、実際の発明とは関わりないことも明らかであろう。それ故、それらは、ここでは、詳細に説明する必要がなかろう。
図1Aの一つの好適な無線システムは、次の要素、即ちMME(モビリティマネージメントエンティティ)108A及びSAE GW(SAEゲートウェイ)104Aを含むオペレータのサービスコアを備えている。
【0021】
無線システムのeNB(エンハンストノードB)100A、102Aとも称されるベースステーションは、無線リソースマネージメント、即ち無線ベアラコントロール、無線アドミッションコントロール、コネクションモビリティコントロール、ダイナミックリソースアロケーション(スケジューリング)のための機能をホストする。MME108Aは、ページングメッセージをeNB100A、102Aへ配布する役割を果たす。eNBは、S1_UインターフェイスでSAE GWに接続され、そしてS1_MMEインターフェイスでMMEに接続される。eNBは、X2インターフェイスで互いに接続される。
【0022】
図1Aは、eNodeB 100Aのサービスエリアに位置するユーザ装置110A及び114Aと、eNodeB 102Aのサービスエリアに位置するユーザ装置116Aとを示している。ユーザ装置は、ポータブルコンピューティング装置を指す。そのようなコンピューティング装置は、加入者識別モジュール(SIM)を伴ったり伴わなかったりして動作するワイヤレス移動通信装置を含み、これは、次の形式の装置、即ち移動電話、スマートホン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドセット、ラップトップコンピュータを含むが、これに限定されない。
【0023】
図1Aに例示した状態において、ユーザ装置110Aは、eNodeB 100Aとの接続112Aを有する。この接続112Aは、ユーザトラフィックがSAE GW104Aを通過する「長距離」であるコール/サービスに関連している。例えば、ユーザ装置110Aから、外部IPネットワーク、例えば、インターネット106Aへの接続は、SAE GW108を経てガイドされる。しかしながら、一つの好適な無線システムでは、ローカルコール/サービスも考えられる。
【0024】
図1Aは、簡単な例を示すだけである。実際には、ネットワークは、より多くのベースステーション及び無線ネットワークコントローラを含み、そしてより多くのコールがベースステーションにより形成される。2つ以上のオペレータのネットワークが重畳してもよく、セルのサイズ及び形式が、
図1に示すものとは異なってもよく、等々である。
【0025】
LTEの物理層は、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)、及び多入力・多出力(MIMO)データ送信を含む。例えば、LTEは、ダウンリンク送信のためのOFDMAと、アップリンク送信のための単一キャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)とを配備する。OFDMAでは、送信周波数帯域が、互いに直交する複数のサブキャリアに分割される。各サブキャリアは、データを特定のUEへ送信する。従って、サブキャリアのサブセットを個々のUEに指定することにより複数のアクセスが達成される。SC−FDMAは、単一キャリア変調、直交周波数ドメインマルチプレクシング、及び周波数ドメインイコライゼーションを使用する。
【0026】
本発明の実施形態は、特定の多重アクセス方法に限定されない。
【0027】
アップリンク方向において、LTE−Aは、ユーザデータを送信するための物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)を与える。PUSCHのリソースは、ネットワークにより割り当てられ、そしてコントロールチャンネルを経てユーザ装置へシグナリングされる。
【0028】
通信システムは、SAE GW104A及びMME108Aに加えて、他のコアネットワーク要素も備えていることが明らかである。エアインターフェイスを経て異なるeNodeB間で行われる直接通信は、中継ノードが、ワイヤレスバックホールを有する特殊なeNodeBとして考えられるか、或いは、例えば、別のeNodeBによりエアインターフェイスを経て中継されるX2及びS1インターフェイスとして考えられる中継ノード概念を具現化することで行うこともできる。又、通信システムは、公衆交換電話ネットワークのような他のネットワークと通信することもできる。
【0029】
しかしながら、これら実施形態は、一例として上述したネットワークに限定されず、当業者であれば、この解決策を、必要な特性が設けられた他の通信ネットワークに適用することができよう。例えば、異なるネットワーク要素間の接続は、インターネットプロトコル(IP)接続で実現されてもよい。
【0030】
図1Bは、本発明の実施形態による装置を例示する。
図1Bは、ベースステーション又はeNodeB 100Aのエリアに位置するユーザ装置110Aを示す。ユーザ装置は、ベースステーション100Aに接続されるように構成される。ユーザ装置110Aは、メモリ122B及びトランシーバ124Bに作動的に接続されたコントローラ120Bを備えている。コントローラ120Bは、ユーザ装置の動作をコントロールする。メモリ122Bは、ソフトウェア及びデータを記憶するように構成される。トランシーバは、ベースステーション100Aへのワイヤレス接続を設定し及び維持するように構成される。トランシーバは、アンテナ構成体128Bに接続されたアンテナポート126Bのセットに作動的に接続される。アンテナ構成体は、アンテナのセットを含む。アンテナの数は、例えば、1ないし4である。アンテナの数は、特定の数に限定されない。
【0031】
又、ユーザ装置は、種々の他のコンポーネント、例えば、ユーザインターフェイス、カメラ及びメディアプレーヤも備えている。それらは、簡単化のために図示されていない。
【0032】
ベースステーション又はeNodeB 100Aは、メモリ132B及びトランシーバ134Bに作動的に接続されたコントローラ130Bを備えている。コントローラ130Bは、ベースステーションの動作をコントロールする。メモリ132Bは、ソフトウェア及びデータを記憶するように構成される。トランシーバ134Bは、ベースステーションのサービスエリア内にあるユーザ装置へのワイヤレス接続を設定し維持するように構成される。トランシーバ134Bは、アンテナ構成体136Bに作動的に接続される。アンテナ構成体は、アンテナのセットを含む。アンテナの数は、例えば、1ないし4である。アンテナの数は、特定の数に限定されない。
【0033】
ベースステーションは、通信システムの別のネットワーク要素138Bに作動的に接続される。ネットワーク要素138Bは、例えば、MME(モビリティマネージメントエンティティ)、SAE GW(SAEゲートウェイ)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、別のベースステーション、ゲートウェイ、又はサーバーである。
【0034】
ベースステーションは、2つ以上のネットワーク要素に接続される。ベースステーション100Aは、ネットワーク要素との接続を設定し及び維持するように構成されたインターフェイス140Bを備えている。ネットワーク要素138Bは、コントローラ142Bと、ソフトウェア及びデータを記憶するように構成されたメモリ144Bと、ベースステーションと接続するように構成されたインターフェイス146Bとを備えている。一実施形態では、ネットワーク要素は、別のネットワーク要素を経てベースステーションに接続される。
【0035】
セルラーシステムでは、ネットワークは、ユーザ装置へ送信されるべきデータがあるときにページングを使用する。ネットワークは、ユーザ装置がデータパケットを受け取る準備ができるようにユーザ装置へページングメッセージを送信する。アイドルモードにあるとき、ユーザ装置は、所与の時間中にネットワークからページングメッセージを監視し、他の時間には受信器をターンオフしてバッテリ電力をセーブするように構成される。
【0036】
装置対装置の通信において、関連装置は、それらが送信を行いたいときに互いにページングメッセージを送信する。各装置が到来する信号を連続的に受信してデコードすることを試みるときには、バッテリ消費が若干高くなる。ページングメッセージを使用することにより、バッテリの消費を著しく下げることができる。ユーザ装置は、ユーザ装置の他のセットからページングメッセージを受信したときに、メッセージの受信を確認し、そして送信側ユーザ装置からのデータの受信をスタートする。
【0037】
本発明の一実施形態において、ユーザ装置は、装置対装置接続を確立したいとき、それに接続されたネットワークに連絡する。ネットワークは、行先ユーザ装置に連絡し、そしてページングメッセージのための適当な時間を決定する。
【0038】
装置対装置通信に関与しているユーザ装置のセットは、ネットワークからタイミング基準を受け取ると、所与の時間中に互いのページングメッセージを監視する。装置対装置通信に関与している装置の受信電力消費は、最小にされる。というのは、規定の瞬間に他の装置を聴取するだけでよいからである。ネットワークは、適当なタイミング瞬間を決定するので、装置対装置のページングメッセージと、セルラーシステムにより送られるページングメッセージとが重畳しないように、タイミング瞬間を割り当てることができる。
【0039】
更に、セルラーシステムを経て与えられる認証でユーザセキュリティを向上させることができる。
【0040】
一実施形態では、ネットワークは、ページングメッセージ及びデータを送信及び受信するのに適した通信キャリア、周波数又は周波数帯域も決定する。従って、装置対装置通信に割り当てられるスペクトルの使用が保証される。
【0041】
一実施形態では、複数の装置の動作(3つ以上の当事者の通信)を整合することができる。
【0042】
図2Aは、一実施形態を示すフローチャートである。この例では、ユーザ装置110Aは、ユーザ装置114Aとの装置対装置通信118Aをスタートすることを望む。
【0043】
ステップ200において、ユーザ装置は、別のUEとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをeNodeB 100Aへ送信する。一実施形態では、メッセージは、ユーザ装置110Aが通信をスタートしたいユーザ装置の識別子を含む。この識別子は、ユーザ装置の電話番号、IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)又はe−メールアドレスであるか、或いはユーザ装置をネットワーク要素に対して識別する他のデータである。
【0044】
メッセージは、コントロールチャンネルを経てeNodeBへ送信される。ユーザ装置110Aがアイドルモードにある場合には、ユーザ装置110Aは、LTE RACH(ランダムアクセスチャンネル)手順を使用して、eNodeB 100Aから物理的アップリンク共有チャンネル(PUSCH)リソースを得ることができる。リソースを得ると、ユーザ装置は、eNodeBへメッセージを送信する。
【0045】
一実施形態では、ユーザ装置110Aは、既に接続モードにある。ユーザ装置において他の幾つかのアプリケーションを実行することができ、それらアプリケーションは、インターネットへの接続を必要とする。例えば、アプリケーション又はウィジット(天気情報のような)は、所与の間隔でデータ更新を必要とする。このようなケースでは、ユーザ装置は、装置対装置接続を設定するときにアクティブなモード(RRC接続モード)となる。接続モードにおいて、ユーザ装置は、リソースが既に利用できるので、PUSCHを経てメッセージを直接送信することができる。
【0046】
ステップ202において、ユーザ装置は、装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報をeNodeBから受け取る。
【0047】
図2Bは、一実施形態を示す別のフローチャートである。ステップ204において、eNodeB 100Aは、ユーザ装置の少なくとも1つの他のセット、例えば、ユーザ装置114Aとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置110Aから受信する。
【0048】
ステップ206において、eNodeBは、その確立に関するメッセージをユーザ装置114Aの少なくとも1つの他のセットへ送信する。eNodeBは、装置対装置接続が設定されるという確認をユーザ装置114Aから要求する。肯定応答を仮定すれば、eNodeBは、ステップ208において、ユーザ装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を送信する。メッセージは、両UEへ送信される。
【0049】
図2Cは、一実施形態を示すフローチャートである。ステップ210において、eNodeBは、(前記ステップ200のように)ユーザ装置の少なくとも1つの他のセットとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置110Aから受け取る。一実施形態では、eNodeBは、メッセージの正しい受信をユーザ装置へ確認する。
【0050】
ステップ212において、eNodeは、ユーザ装置110Aが通信したい行先ユーザ装置の位置を決定する。行先ユーザ装置は、eNodeBのサービスエリアにあるか、別のeNodeBのサービスエリアにあるか、或いは別のシステム又はネットワークにある。例えば、eNodeB 100AのもとにあるUE114Aは、eNodeB 102AのもとにあるUE116Aとの直接的な通信120Aを希望する。
【0051】
ステップ214において、eNodeBは、装置対装置接続が実行できるかどうか決定する。eNodeBは、そのエリアにおける干渉状態を評価する。そのエリアの通信周波数が混雑であるか、又はネットワークが、装置が互いに離れ過ぎていると決定する場合には、装置対装置通信を行うことができない。ここでは、通信が可能であると仮定する。
【0052】
ステップ216において、eNodeBは、確立に関するメッセージを行先ユーザ装置へ送信する。eNodeBは、(前記ステップ206のように)装置対装置接続を設定できるというユーザ装置からの確認を要求する。
【0053】
ステップ218において、eNodeBは、行先ユーザ装置が接続を受け入れるかどうかチェックする。もしそうでなければ、ステップ220において、手順が終了となるというメッセージがUEへ送信され、そしてプロセスは、222において終了となる。
【0054】
手順が継続する場合には、UE間のページングメッセージのためのタイミング基準が、ステップ224において、決定される。
【0055】
一実施形態において、決定されたタイミング基準は、装置が接続されたシステムのページングメッセージに対して予約される時間から所定の時間内にある。これは、ページングが許されない期間中に装置が電源オフされるので、ユーザ装置の電力消費を節約する。
【0056】
一実施形態では、ネットワークは、UEがネットワークからのページングメッセージを聴取するように構成されたときに、時間を調整する。又、タイミング基準は、両当事者が、時分割デュープレックス(TDD)形式又は周波数分割デュープレックス(FDD)形式のいずれかの動作を使用して、同時に送信及び受信を行えるようにするものである。
【0057】
ステップ226において、タイミング基準に関する情報がUEへ送信される。プロセスは、228で終了となる。
【0058】
前記ステップは、ステップ210のメッセージを受信するeNodeBにより遂行される。それらステップの少なくとも一部分は、当該システムの他のネットワーク要素により遂行される。行先ユーザ装置が別のeNodeBのもとにある場合には、その別のeNodeBがプロセスの一部分を受け持ってもよい。例えば、
図1AのUE114AがUE116Aへの接続120Aを確立する場合には、両eNodeB 100A及び102Aがプロセスの一部分を受け持ってもよい。
【0059】
UMTSシステムが問題である場合には、UMTSシステムの無線ネットワークコントローラ(RNC)がプロセスの一部分を受け持つ。システムのコアネットワーク(CN)の1つ以上のネットワーク要素が認証プロセスの一部分を受け持つ。LTEでは、モビリティマネージメントエンティティが位置決めプロセスの一部分を受け持つ。
【0060】
図2Dは、一実施形態を示すフローチャートである。このフローチャートは、
図2Cのステップ224及び226を具現化する別の仕方を示す。
図2Cのステップ218からこのフローチャートに入る。
【0061】
ステップ230において、装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージを送信し及び受信するための通信キャリア、周波数又は周波数帯域が決定される。一実施形態では、通常のネットワーク通信に比して異なる通信キャリア、周波数又は周波数帯域で装置対装置通信が実行される。これは、ネットワークにおける干渉を減少させる。
【0062】
eNodeB(RNC)は、そのエリアにおいて装置対装置通信がどの周波数で許されるかの情報を有する。又、装置対装置通信を確立する装置が同じ周波数帯域で通信できることを保証するために装置能力情報を受け取るように構成されてもよい。又、当該ネットワーク要素がそのような情報を交換してもよい。
【0063】
ステップ232において、UE間のページングメッセージのためのタイミング基準が決定される。一実施形態では、ユーザ装置間にページングメッセージを送信し及び受信するための異なるタイミング基準が決定される。これは、特に、時分割デュープレックスが使用されるときに適用される。しかしながら、ユーザ装置は、同じタイミング基準を使用してもよく、そしてメッセージ間にあり得る衝突が適当な回復メカニズムで解決される。
【0064】
ステップ234において、通信周波数帯域及びタイミング基準に関する情報がUEへ送信される。プロセスは、236において終了となる。
【0065】
図2Eは、別の実施形態を示すフローチャートである。この例では、当該UEは、異なるeNodeB又はシステムのもとにある。UEの1つは、LTEにあり、他のUEは、UMTSにある。別の例では、UEは、異なるRNCのもとにある。別の例では、UEは、LTEシステムの異なるトラッキングエリアにある。フローチャートは、
図2Cのステップ224及び226を具現化する別の仕方を示す。
【0066】
ステップ238において、eNodeB 100Aは、ページングメッセージのためのタイミング基準と、上述したようにページングメッセージを送信及び受信するための通信キャリア、周波数又は周波数帯域とを決定する。
【0067】
ステップ240において、タイミング基準及び周波数に関する情報が別のネットワーク要素138Bへ送信される。例えば、装置対装置通信を希望するUEからメッセージを受け取るeNodeBは、他の関与者にサービスするeNodeBへ情報を送信する。別の例では、UEが接続されたベースステーションにサービスするRNCは、他のUEが接続されたベースステーションにサービスするRNCへ情報を送信する。
【0068】
ステップ242において、eNodeB 100Aは、タイミング基準及び周波数に関する情報を他のネットワーク要素138Bから受け取る。他のネットワーク要素は、タイミング基準を調整する。
【0069】
ステップ244において、通信周波数帯域及びタイミング基準に関する情報がUEへ送信される。UEが異なるeNodeB又はRNCのもとにある場合には、情報が別のネットワーク要素を経て送信される。プロセスは、246において終了する。
【0070】
図3は、アップリンクLTE進歩型送信のフレーム構造の一例を示す。フレーム300は、0から19まで番号が付された20個のタイムスロットを含む。この例では、ネットワークは、タイムスロット0及び1においてユーザ装置へページングメッセージを送信する。UEは、装置対装置通信を要求し、そしてネットワークは、タイムスロット4及び5を、UEがページングメッセージを送信するのに割り当て、タイムスロット18及び19を、他のUEがページングメッセージを送信するのに割り当てる。
【0071】
UE送信のタイミングは、装置対装置通信にはタイミングの進みが利用されないので、完全に同期されない。
【0072】
前記例では、UEに、ページングメッセージのための異なるタイミング基準が与えられた。両方のUEに対して1つのタイミング基準しか割り当てられない場合には、それは、例えば、タイムスロット18及び19である。
【0073】
一実施形態において、UEは、装置対装置通信を要求するときには、同時にRRC接続モードにある。例えば、UEは、UEに接続されたシステムと通信するためにリソースを要求するアプリケーションを実行する。このようなケースでは、装置対装置通信のためのタイミングの瞬間が、UEに接続されたシステムからスケジュールされたパケットを受け取るために予約された時間と重畳しないように選択される。
【0074】
図1Bを参照すれば、ユーザ装置110Aは、装置の動作を制御するコントローラ120Bを備えている。このコントローラ120Bは、少なくとも1つの装置との装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをネットワーク要素へ送信し、そして装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報をネットワーク要素から受信するように、送信器124Aを制御するよう構成される。又、コントローラは、タイミング基準に関する情報をメモリ122Bに記憶するように構成される。又、コントローラ120Bは、ネットワークから受け取られるリソースを使用してユーザ装置の他のセットと通信するように、送信器124Aを制御するよう構成される。ネットワーク要素100Aは、装置の動作を制御するコントローラ130Bを備えている。このコントローラ130Bは、ユーザ装置の少なくとも1つの他のセットとの装置対装置接続の確立に関する情報を含むメッセージをユーザ装置から受信し、その確立に関するメッセージを少なくとも1つの別のユーザ装置へ送信し、そして装置対装置通信を確立する装置間のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を装置へ送信するように、送信器134Aを制御するよう構成される。
【0075】
一実施形態において、コントローラ130Bは、タイミング基準を要求するメッセージをユーザ装置から受け取った後にユーザ装置間の装置対装置接続が実現可能であるかどうか決定するように構成される。コントローラ130Bは、装置対装置通信を確立する装置間でページングメッセージを送信し及び受信するためのタイミング基準及び周波数帯域を決定し、そしてそのタイミング基準及び周波数帯域に関する情報をメモリ132Bに記憶するように構成される。コントローラ130Bは、情報が決定されるときにインターフェイス140Bを経て別の装置138Bと接続するように構成される。
【0076】
一実施形態では、コントローラ130Bは、別のネットワーク要素から情報の少なくとも一部分を受け取るように構成される。
【0077】
他のネットワーク要素138Bは、ネットワーク要素100A、当該UE、及びネットワークの他の部分から受け取られた情報に基づき、装置間でページングメッセージを送信し及び受信するためのタイミング基準及び周波数帯域を決定するように構成される。
【0078】
一実施形態において、ユーザ装置110Aとの装置対装置通信に関与するユーザ装置(
図1Bには示さず)に他のネットワーク要素が接続される。一実施形態において、他のネットワーク要素138Bのコントローラ142Bは、装置対装置のページングメッセージのためのタイミング基準に関する情報を受け取るようにインターフェイス146Bを制御するよう構成される。このコントローラは、必要に応じてタイミング基準を調整し、そしてその調整されたタイミング基準をネットワーク要素100Aへ送信するようにインターフェイスを制御するよう構成される。
【0079】
添付図面に示されたステップ、シグナリングメッセージ及び関連機能は、絶対的な時間順序ではなく、幾つかのステップは、同時に行うこともできるし、又は所与のものとは異なる順序で行うこともできる。それらのステップ間又はステップ内で他の機能を実行することもできるし、図示されたメッセージ間に他のシグナリングメッセージを送信することもできる。又、あるステップは、省くこともできるし、又は対応するステップに置き換えることもできる。シグナリングメッセージは、好適な一つの例に過ぎず、同じ情報を送信するための多数の別々のメッセージで構成されてもよい。更に、メッセージは、他の情報を含んでもよい。上述したステップを遂行できる装置又はコントローラは、ワーキングメモリ(RAM)、中央処理ユニット(CPU)及びシステムクロックを含む電子的デジタルコンピュータとして具現化されてもよい。CPUは、レジスタのセット、演算論理ユニット、及びコントローラを含む。コントローラは、RAMからCPUへ転送されるプログラムインストラクションのシーケンスにより制御される。コントローラは、基本的な動作のための多数のマイクロインストラクションを含む。それらマイクロインストラクションの実施は、CPUの設計に基づいて変化する。プログラムインストラクションは、C、Java(登録商標)、等の高レベルプログラミング言語、或いはマシン言語又はアッセンブラーのような低レベルプログラミング言語であるプログラミング言語によってコード化される。又、電子的なデジタルコンピュータは、プログラムインストラクションで書かれたコンピュータプログラムに対してシステムサービスを提供するオペレーティングシステムを有することもできる。一実施形態では、電子装置へロードしたときに、前記実施形態を実行するように装置を制御するよう構成されたプログラムインストラクションで構成されて配布媒体上に具現化されたコンピュータプログラムが提供される。
【0080】
コンピュータプログラムは、ソースコード形態、オブジェクトコード形態又はある中間形態でよく、そしてプログラムを搬送できるエンティティ又は装置である一種のキャリアに記憶することができる。このようなキャリアは、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、リードオンリメモリ、電気的キャリア信号、テレコミュニケーション信号、及びソフトウェア配布パッケージを含む。必要な処理能力に基づき、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタルコンピュータで実行されてもよいし、多数のコンピュータ間に配布されてもよい。
【0081】
又、装置は、特定用途向け集積回路ASICのような1つ以上の集積回路として実施されてもよい。又、個別のロジックコンポーネントで作られた回路のような他のハードウェア実施形態も実現可能である。これらの異なる実施の混成も実現可能である。実施の方法を選択するときに、当業者であれば、例えば、装置のサイズ及び電力消費について設定される要件、必要な処理能力、生産コスト、及び生産量を考慮するであろう。
【0082】
技術の進歩と共に、本発明の概念を種々の仕方で具現化できることが当業者に明らかであろう。本発明及びその実施形態は、上述した例に限定されず、特許請求の範囲内で変更し得るものである。
【符号の説明】
【0083】
100A、102A:eNodeB(エンハンストノードB)
104A:SAE GW(SAEゲートウェイ)
106A:インターネット
108A:MME(モビリティマネージメントエンティティ)
110A、114A:ユーザ装置
112A:接続
120B:コントローラ
122B:メモリ
124B:トランシーバ
128B:アンテナ構成体
132B:メモリ
134B:トランシーバ
136B:アンテナ構成体
138B:別のネットワーク要素
142B:コントローラ
144B:メモリ
146B:インターフェイス