【文献】
蓑輪 正,外6名,安心・安全のための地上/衛星統合移動通信システム,電子情報通信学会論文誌,2008年12月 1日,vol. J91-B, no. 12,pp. 1629-1640
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
関連付けられた周波数サブバンドにおいてサービス無線通信信号を、順方向のダウンリンク(56、58、60、62)で送信するように、さらに/または逆方向のアップリンク(66、68、70、72)で受信するようにそれぞれが構成され、さらに地上無線通信セル(76、78、80、82)の上方カバレッジ、および/または下方カバレッジを無線範囲によってそれぞれが規定する、互いに接続され、さらに地上インフラストラクチャ(14)に結び付けられた地上基地局(6、8、10、12)のネットワークと、
双方向接合リンク(26、28)を介して少なくとも1つのアクセス局(24)によって前記地上インフラストラクチャ(14)に結び付けられ、さらに周波数帯域にそれぞれが関連付けられるとともに、地上無線範囲によって、衛星アンブレラセル(136、138、140、436、438、440)のアップ衛星カバレッジおよび/またはダウン衛星カバレッジをそれぞれが規定する複数の無線通信衛星ビーム(130、132、134、430、432、434)にわたって分布させられたサービス無線通信信号を、順方向の衛星ダウンリンク(96、98、100、102、110)で送信するように、さらに/または逆方向の衛星アップリンク(86、88、90、92、100)で受信するように構成された少なくとも1つの通信衛星(16、18、20)と、
前記無線通信信号を送信するように、さらに/または受信するように構成され、さらに前記地上セル(76、78、80、82)および衛星セル(136、138、140、436、438、440)にわたって分布させられた通信サービス端末装置(32、34、36、38、40、42、44、46、48)のセットと、
周波数サブバンド、および/またはタイムスロット、および/または符号によってそれぞれが規定された複数の伝送リソースを前記基地局(6、8、10、12)または前記衛星ビーム(130、132、134、430、432、434)に割り当てるための手段であって、前記サブバンドは、前記基地局(6、8、10、12)のセットに割り当てられる第1の周波数帯域、および前記衛星ビーム(130、132、134、430、432、434)に割り当てられる第2の周波数帯域に関して決定される、割り当てるための手段(50)とを備え、
前記基地局(6、8、10、12)は、経時変化しない分布関数により衛星セル(136、138、140、436、438、440)によって区別可能であるように分布させられることを特徴とし、さらに
各衛星セル(136、138、140、436、438、440)のカバレッジと、前記衛星セルに含まれる前記基地局(6、8、10、12)に関連付けられた前記地上セル(76、78、80、82)のカバレッジの合同を、永久的に、同一のリンク方向で維持するための手段であって、衛星セル(136、436)のカバレッジは、所定の地上カバレッジセットが前記衛星カバレッジに完全に含まれる場合に、前記所定の地上カバレッジセットと合同である、維持するための手段(52、452)を含むハイブリッドセルラ無線通信システム。
各衛星セル(136、138、140、436、438、440)の対応する衛星ビーム(130、132、134、430、432、434)は、前記衛星の送信位相面または受信位相面に対する前記ビームの方位のセットから選択された最小限の開口角として定義される特有の開口角θを有することを特徴とし、さらに各衛星セルの前記対応するビームの前記最小限の開口角θは、0.5度から数度までの範囲の角度値未満であり、さらに前記合同を維持する手段(52、452)は、前記衛星ビームの偏移Δθを0.05度未満に永久的に維持するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド通信システム。
前記衛星(18)の軌道は、静止軌道(GEO)、長楕円軌道(HEO)、とりわけ、Sycomoresタイプ、Toundraタイプ、もしくはMolnyaタイプのHEO、および傾斜地球同期軌道(IGSO)のグループに含まれることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
前記合同を維持する手段(52)は、前記複数の衛星セル(136、138、140)にわたって分布させられ、さらに衛星受信アンテナ(212)をそれぞれが含む複数の較正端末装置(162、164、166)を含み、前記衛星受信アンテナ(212)は、前記衛星カバレッジセットを走査する間に観測され、さらに前記衛星(18)がたどる軌道のタイプに依存する仰角のセットに対応する立体角で実質的に全方向性の放射パターンを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
各較正端末装置(162、164、166)は、較正に特有のダウンリンク無線信号(311、340、366)の電力、または無線通信信号の電力を測定するように構成された、前記電力測定の分解能は、1dB未満であり、さらに前記測定の精度は、5dB未満である無線電力を測定する手段(312、342、368)と、前記測定する手段(312、342、368)によって収集された測定、ならびに前記較正端末装置の位置を、これらの位置が所定でない場合に転送するための手段(318、346、370)とを含むことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド通信システム。
較正端末装置(162、164、166、562、564、566)の数は、50以上であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
較正端末装置(162、164、166、562、564、566)は、ロケーションが正確に知られているいくつかの基地局(6、8、10、12)に配置されることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
いくつかの較正端末装置が、建造物(106)内で波の伝播を向上させることを目的とする複数のFEMTO中継器(104)に配置され、各中継器(104)は、位置特定ユニット(336)を備え、前記較正端末装置(564)は、前記位置特定ユニット(336)によって供給される位置特定情報を介して較正端末装置(564)のロケーションを送信するように構成されることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
前記較正端末装置(664、566)は、衛星のコンステレーションを介する地球規模の測位受信機、およびモバイル地上ネットワークによって特定された位置情報を抽出する手段から成るセットから選択された位置特定する手段(326、372)を含むモバイル通信サービス端末装置であり、前記較正端末装置は、較正端末装置のロケーションを、前記位置特定する手段(326、372)によって供給される位置特定情報を介して送信するように構成されることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
各較正端末装置に関連する電力測定情報を受信するように、さらに予期される地上放射パターンから、ビームセットに共通の偏移補正角、または前記衛星ビーム形成の補正を算出するように構成された処理する手段(172、572)を含み、前記処理する手段(172、572)は、インターネット様の地上ネットワークのリンク、地上セルラネットワークのリンク、および衛星リンクの中の通信リンクの1つまたは複数によって前記手段(568)、または前記測定する手段(312、342、368)に接続されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
前記処理する手段(52、452)は、ビームごとのローカル推定によって前記衛星ビームを補正するように構成され、十分な数の構成端末装置が、各ビームにおいて与えられ、または全体的な推定が、前記較正端末装置のすべてを統合して、いくつかのビームをマージする単一の放射パターンにし、推定は、最小二乗法および相関法から成る方法のグループに含まれることを特徴とする請求項12から13のいずれかに記載のハイブリッド通信システム。
地上無線通信セルカバレッジと、請求項1から14のいずれかに記載のハイブリッド遠隔通信システムにおける少なくとも1つの衛星(18)によってもたらされる、アンブレラの役割をする衛星カバレッジの合同を維持するための処理方法であって、
較正無線信号の電力が、順方向のダウンリンクで受信機として動作する較正端末装置によって、または逆方向のアップリンクで衛星(18)上、またはアクセス局(24)に配置された測定する手段によって測定され、さらに処理する手段(172、572)にリダイレクトされるステップ(702)と、
前記処理する手段(172、572)が、ステップ(704)において収集された前記電力測定、および前記衛星セル(136、138、140、436、438、440)における前記基地局(6、8、10、12)の前記経時変化しない分布関数から、衛星アンテナ支持構造上の偏角に関して、または放射要素の利得/位相偏移係数に関して要求される補正を推定し、各衛星セルに関する合同の条件は、各衛星セルのカバレッジが、前記分布関数によって特定された基地局に関連付けられた前記地上セルの前記カバレッジセットを、その衛星セル内に含まれるものとして含む場合に、満たされるステップ(704)と、
ステップ(704)で推定される補正が、前記衛星ビームの補正機構(128、129)に適用されるステップ(706)とを備える処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1によれば、ハイブリッド遠隔通信システム2が、簡明のため4つの基地局だけが示される、無線中継器の役割をする地上基地局6、8、10、12のネットワーク4と、これらの基地局を互いに接続する地上インフラストラクチャ14と、コンステレーション22を形成し、さらに無線中継器の役割をする、
図1では3つの衛星16、18、20である1つまたは複数の衛星と、衛星16、18、20を、逆方向のダウンリンク26および順方向のアップリンク28から成る双方向アクセスリンクを介して地上インフラストラクチャ14に結び付ける少なくとも1つのアクセス局24とを含む。
【0016】
また、ハイブリッド遠隔通信システム2は、無線通信信号を送信するように、さらに/または受信するように構成された、例として9つだけが示される通信サービス端末装置32、34、36、38、40、42、44、46、48のセット30と、基地局6、8、10、12、少なくとも1つの衛星16、18、20、およびサービス端末装置32、34、36、38、40、42、44、46、および48に伝送リソースを割り当てるための手段50とをさらに含む。
【0017】
また、ハイブリッド遠隔通信システム2は、カバレッジの合同を維持する手段52も含む。
【0018】
各基地局6、8、10、12は、関連付けられた周波数のそれぞれのサブバンドにおいてモバイルサービス無線通信信号を、関連付けられた異なる順方向の地上ダウンリンク56、58、60、62で送信するように、さらに/または関連付けられた異なる逆方向の地上アップリンク66、68、70、72で受信するようにそれぞれ適合され、それらのサブバンドは、地上周波数の第1の割り当てられた帯域を形成する。
【0019】
各基地局6、8、10、12に関して、簡明のため各局につき単一のリンクに減らされている、関連付けられた順方向の地上ダウンリンク56、58、60、62、および関連付けられた逆方向の地上アップリンク66、68、70、72が、無線範囲によって、基地局に関連付けられた地上無線通信セル76、78、80、82のそれぞれのカバレッジを規定する。
【0020】
この場合、所与の基地局に関して、関連付けられたアップリンクカバレッジと、関連付けられたダウンリンクカバレッジはともに同一であるものと想定される。
【0021】
図1によれば、サービス端末装置32、34、38、42はそれぞれ、対応する基地局6、8、10、12によって中継されるそれぞれの異なる地上セル76、78、80、82に配置される。
【0022】
サービス端末装置32、34、38、42はそれぞれ、地上モードにより、逆方向のアップリンク56、58、60、62、および/または順方向のダウンリンク66、68、70、72で無線通信信号を、端末装置32、34、38、42が属する無線範囲内の基地局6、8、10、12に送信するように、さらに/または基地局6、8、10、12から受信するように構成される。
【0023】
地上伝送モードは、特に、無線伝播の条件が困難である都市環境において好ましい。しかし、地上セルに配置された端末装置は、それでも衛星と通信することができる。
【0024】
この場合、例として、通信サービス端末装置36、40、44、46は、例えば、端末装置36、40、44、46が、砂漠の地理的区域、または人口のまばらな地理的区域に配置されており、このことが、費用節約の理由で、この区域における地上基地局の展開を見合うものとしておらず、衛星が、この区域に配置されたサービス端末装置のための通信中継器の役割をするものと考えられるために、いずれの基地局の無線範囲からも外れた位置にある。
【0025】
通信サービス端末装置36、40、44、46はそれぞれ、衛星モードにより、関連付けられた逆方向のアップリンク86、88、90、92で、さらに/または関連付けられた順方向のダウンリンク96、98、100、102で無線通信信号を、この場合は、
図1の衛星18である、見通し線にあり、さらにこれらの端末装置に関して最良の仰角を有する衛星に自律的に送信すること、および/またはそのような衛星から自律的に受信することができる。
【0026】
この場合、通信サービス端末装置48は、地上インフラストラクチャに結び付けられた基地局の範囲外に、ただし、無線範囲によってFEMTOタイプのセルとして知られるセル106を規定する構内中継器104の範囲内に位置する。「フェムトセル」とも呼ばれるFEMTOタイプのセルは、従来、家族住宅に対応する非常に小さいサイズのセルであり、このことが、「フェムト」という接頭語の理由である。FEMTOタイプのセルは、事業者が、一般にブロードバンド配線リンクを介してインターネットに接続された個人向け設備に基づいて、いくらかのさらなるカバレッジを加入者に提供することを可能にする。衛星モード36、40、44、46で動作する端末装置に関して前述したのと同様の理由で、それ自体、いずれの地上基地局の範囲からも外れている構内中継器104は、逆方向のアップリンク108、および/または順方向のダウンリンク110で無線通信信号を、見通し線にある衛星、ここでは衛星18、に自律的に送信するように、さらに/またはそのような衛星から自律的に受信するように構成される。このため、通信サービス端末装置48は、無線信号を、中継器104を介して衛星18に送信するように、さらに/または衛星18から受信するように構成される。
【0027】
この場合、衛星16、18、20のコンステレーション22、例えば、傾斜した、互いに位相偏移した軌道を進む3つの衛星16、18、20から成り、したがって、1つの衛星が順に地上カバレッジ区域の見通し線にあり、この区域から、区域のいずれの地点においても、保証された高い最小限の仰角でその衛星が見えるようになっているSycomoresタイプのコンステレーションである。この種のコンステレーションは、温帯地域の緯度、例えば、欧州に当たる+45度付近の北半球の緯度に位置する地域的カバレッジ区域に特に適している。Sycomoresタイプのコンステレーションは、D.Rouffet他による「A new concept for land mobile satellite communications」という題名の論文、Sattellite Systems for mobile communication and navigation、1988年、Forth International Conference IEEE、138〜142ページに記載されている。
【0028】
代替として、衛星の軌道は、静止軌道(GEO)、ToundraタイプもしくはMolnyaタイプの長楕円軌道(HEO)、および傾斜地球同期軌道(IGSO)、ならびに、より一般に、衛星遠隔通信システムのために使用され得る任意の軌道のグループに含まれる。
【0029】
図1によれば、モバイル通信サービス端末装置に対して見通し線にある衛星18は、モバイル通信サービス端末装置によって受信される無線信号、および/または送信される無線信号を送信するため、および/または受信するためのアンテナアレイ120と、アンテナアレイ120によって受信された信号を、逆方向のダウンリンク26でアクセス局24にリダイレクトするため、および地上インフラストラクチャ14によって送信され、サービス端末装置を宛先とする無線信号を、順方向のアップリンク28でサービス端末装置にリダイレクトするために使用される1つまたは2つの送信アンテナおよび/または受信アンテナ122とを含む。
【0030】
アンテナアレイ120は、例えば、送信アンテナ124と、受信アンテナ126とから成り、送信アンテナ124は、送信アンテナ124の支持構造に対して固定の放射パターンを有する能動アンテナであり、受信アンテナ126もやはり、受信アンテナ126の支持構造に対して固定の放射パターンを有する能動アンテナである。
【0031】
送信アンテナ124または受信アンテナ126はそれぞれ、能動アンテナ124、126のそれぞれに関連付けられた所定の制御に応じてアンテナ構造を偏移させるための異なる傾斜手段128、129を含む。
【0032】
代替として、能動アンテナのパターンは、能動アンテナ124、126を構成する放射要素の利得係数および/または位相偏移係数を変更することによって変更され得る。
【0033】
代替として、能動送信アンテナと能動受信アンテナの単一の支持構造、および両方のアンテナによって共有される単一の偏移機構が提供される。
【0034】
代替として、能動送信アンテナ124と能動受信アンテナ126が、共通の2帯域放射要素を有する単一のアンテナを形成する。
【0035】
アンテナアレイ120は、アレイ120の送信構成要素において、順方向の衛星ダウンリンクでサービス端末装置に無線信号を送信するように構成され、これらの無線信号は、簡明のため3つだけの衛星ビーム130、132、134が
図1に示される、複数の無線通信衛星ビームにわたって分布させられている。
【0036】
各衛星ビーム130、132、134は、周波数サブバンドに関連付けられ、さらにそのビーム130、132、134の地上無線範囲によって、実線で表される衛星アンブレラセル136、138、140のそれぞれの衛星カバレッジを規定する。
【0037】
図が込み入らないように、衛星セル140と同様に、サービス端末装置が全く示されていない他の衛星セル142、144、146が、例として示される。
【0038】
見通し線における衛星18の衛星ビームカバレッジの瞬間的な図を表す
図1によれば、衛星アンブレラセル136が、基地局6、8、10にそれぞれ関連付けられた地上セル76、78、80、ならびにいずれの基地局の範囲からも外れたサービス端末装置36を範囲に含む。
【0039】
衛星アンブレラセル138は、地上セル82、いずれの基地局の範囲からも外れたサービス端末装置40、44、46、ならびに中継器104およびサービス端末装置48を含むFEMTOタイプのセル106を範囲に含む。
【0040】
地上インフラストラクチャ14は、例えば、インターネットタイプのネットワークバックボーン148と、各基地局6、8、10、12をネットワークバックボーン148に結び付ける接続リンク150と、衛星アクセス局24からネットワークバックボーン148に至る接続リンク152とを含む。
【0041】
伝送リソースを割り当てる手段50が、ネットワークバックボーン148に接続され、さらに衛星リンクであるか否かに関わらず、
図1に示されないリンクを介して各基地局6、8、10、12、または各衛星ビーム130、132、134に伝送リソースを割り当てるように構成される。
【0042】
各伝送リソースは、基地局6、8、10、12、または衛星ビーム130、132、134に割り当てられた周波数サブバンドおよび/またはタイムスロットおよび/または符号によって規定され、サブバンドは、基地局6、8、10、12のセットに割り当てられた第1の周波数帯域、および衛星ビーム130、132、134に割り当てられた第2の周波数帯域に関して決定される。
【0043】
この場合、同一の周波数帯域が、基地局6、8、10、12と衛星18によって共有される。
【0044】
代替として、地上周波数の第1の割り当てられた帯域と、衛星周波数の第2の割り当てられた帯域は、同一である、部分的に同一である、または異なる。
【0045】
衛星セル136、138、140の輪郭は、基地局6、8、10、12が、経時変化しない分布関数により衛星セル136、138によって区別可能であるように分布させられるように決定されている。
【0046】
衛星セルのカバレッジは、地上セルの所定のカバレッジセットに対して、その所定のカバレッジセットがその衛星カバレッジに完全に含まれる場合、すなわち、所定の分布関数によりその衛星セルにわたって分布させられた地上セルの境界が、対応する衛星セルの境界によって囲まれている場合に、合同であるとされる。
【0047】
合同を維持する手段52は、各順方向のダウンリンク衛星セルのカバレッジを、その衛星セルに含まれる基地局に関連付けられた順方向のダウンリンク地上セルのカバレッジに対して維持するように構成される。
【0048】
順方向のサービスダウンリンクにおける合同を維持する手段52は、衛星セル130、132、134にわたって分布させられた較正端末装置162、164、166と、較正端末装置162、164、166の測定をリダイレクトするための手段170と、補正制御を生成するために較正端末装置によって送信された較正測定を処理するための手段172と、処理する手段172に接続されて、衛星18に補正制御をリダイレクトするための手段174を形成する遠隔制御衛星局174と、この場合は、能動送信アンテナ124の支持体の傾斜機構128である、衛星18の送信放射パターンを補正するための機構176とを含む。
【0049】
較正端末装置162、164、166は、異なる基地局にそれぞれが構成された第1のタイプの端末装置162、FEMTOタイプのセルの中継器に配置された第2のタイプの端末装置、および衛星モードで動作するサービス端末装置に組み込まれた第3のタイプの端末装置の、3つのタイプの端末装置に分類され得る。
【0050】
第1のタイプの端末装置162が、この場合、各基地局6、8、10、12に配置されて、関連付けられた順方向の衛星ダウンリンク182、184、186、188で較正信号を受信するように、さらに伝播の適切な条件下で、例えば、関連付けられた基地局6、8、10、12によって、測定を戻すように構成される。
【0051】
第2のタイプの端末装置164が、建造物106の中継器104に配置されて、順方向のダウンリンク190で衛星18から較正信号を受信するように、さらに衛星18からの逆方向の衛星アップリンク192、および逆方向の衛星ダウンリンク194を介して測定の結果を送信するように構成される。
【0052】
異なる較正端末装置166が、各サービス端末装置36、40、44、46に組み込まれて、関連付けられた順方向の衛星ダウンリンク196、198、200、202で較正信号を受信するように、さらに伝播の適切な条件下で、衛星18からの関連付けられた逆方向の衛星アップリンク204、206、208、210、および逆方向の衛星ダウンリンク194を介して測定の結果を送信するように構成される。
【0053】
逆方向の衛星アップリンク192、204、206、208、210、衛星18、および逆方向のダウンリンク194もまた、関連付けられた較正端末装置の位置を衛星アクセス局24にダイレクトするように構成される。
【0054】
各較正端末装置162、164、166は、衛星受信アンテナ212と、無線電力を測定する手段とを備える。
【0055】
衛星受信アンテナ212は、衛星ビームのカバレッジセットを走査する間に観測され、さらに衛星がたどる軌道のタイプに依存する仰角のセットに対応する立体角で実質的に全方向性の放射パターンを有するように構成される。
【0056】
例えば、この場合、任意の較正端末装置の受信アンテナ212は、単に、半球の全方向性パターンを有する。
【0057】
無線電力を測定する手段は、較正に特有の順方向の衛星ダウンリンク無線信号の電力、または順方向の衛星ダウンリンク無線通信信号の電力を測定するように構成され、電力測定の分解能は、1dB未満であり、さらに測定の精度は、5dB未満であり、さらに測定する手段によって収集された測定、ならびに較正端末装置の位置を、これらの位置が所定でない場合に転送するための手段。
【0058】
測定をリダイレクトするための手段170は、衛星リンク192、194、198、204、208、210と、接続局24と、ネットワークバックボーン148と、接続リンク150、152と、処理ユニット172をネットワークバックボーン148に接続するリンク213とを含む。
【0059】
処理する手段172は、リダイレクトする手段170を介して、各較正端末装置162、164、166に関連する電力測定情報を受信するように、さらに予期される地上で受信される衛星放射パターンから、ビームセットによって共有される偏移補正のための推定される角度を算出するように構成される。
【0060】
要求される補正の推定の精度は、衛星ビーム130、132、134のすべてにおける較正端末装置162、164、166の総数、および/または衛星ビームごとの較正端末装置の分布、電力を測定する手段の測定精度、較正端末装置のアンテナ212の送信放射パターンおよび/または受信放射パターンに依存する。
【0061】
処理する手段172は、十分な数の較正端末装置が、各ビームに備えられて、ビームごとの局所推定によって、または較正端末装置のすべてを、いくつかのビームをマージする単一の放射パターンに組み込む全体的な推定によって衛星ビームを補正する制御をもたらすように構成され、推定は、最小二乗法および相関法、例えば、いわゆるMinMax法、またはパターン反転から成る方法のグループに含まれる。
【0062】
代替として、処理する手段172は、衛星ビーム形成の補正を算出するように構成される。
【0063】
代替として、処理する手段172は、衛星に搭載される。
【0064】
較正する手段162、164、166の数は、50以上であり、したがって、統計的なサイズは、衛星ビームと地上セルの間の合同を維持するために送信アンテナのパターンに適用される補正を十分な精度で推定するのに十分である。
【0065】
好ましくは、較正端末装置の数は、100から200までの範囲内の数である。
【0066】
この統計サイズの効果は、パターンの指向性が高いアンテナのため、さらに衛星ビーム軌道の予期される交点と厳密に合致しなければならず、このことが、例えば、地形の起伏および気象の点で設置の困難をもたらす、それぞれの位置付けのために複雑である較正局を使用する必要性を解消する。
【0067】
処理する手段は、送信アンテナ124および補正機構128のあらかじめ知られている応答関数から合同を維持するための制御を生成するように構成される。
【0068】
遠隔制御局174は、遠隔制御アップリンク220で衛星18に制御を送信するように構成される。
【0069】
この場合、衛星18の送信アンテナ124は、各衛星ビーム130、132、134の対応するビームが、0.15度未満の特有の開口角θを有するように構成される。
【0070】
代替として、この特有の開口角θは、0.5度から数度までの範囲内の数値未満である。
【0071】
この特有の角θは、衛星18の送信アンテナ124の送信位相面に対するビームの方位のセットから選択された最小限の開口角として定義される。
【0072】
合同を維持する手段52を形成する様々な手段は、いずれの衛星ビームの偏移Δθも、0.012度未満に永久的に維持されるように構成される。
【0073】
好ましくは、いずれの衛星ビームの偏移Δθも、0.02度から0.05度までの範囲内の値未満に永久的に維持される。
【0074】
図2によれば、第1のタイプの較正端末装置162は、全体的な参照符号302によって示される基地局に配置される。
【0075】
基地局302は、2つの実線の矢印によって表される逆方向の地上リンク306および順方向の地上リンク308を介して無線通信信号を送受信するように構成された無線通信アンテナ304を備える。
【0076】
第1のタイプの較正端末装置162は、順方向の無線ダウンリンク311を介して無線較正信号を受信するように構成された衛星受信アンテナ212と、このアンテナに接続された無線電力を測定する手段312と、測定手段312によって供給される測定情報を、基地局302に接続するための地上リンク316、および処理ユニット152に較正測定を送信するための無線インターフェース318を介して、処理する手段172に送信するように構成されたエミッタ314とを含む。
【0077】
図3によれば、第2のタイプの較正端末装置164が、基地局の範囲外の建造物324内で無線波の伝播を円滑にすることを目的とする、いわゆるFEMTOセルの中継器322に配置される。
【0078】
中継器322は、アップリンク326およびダウンリンク328を介して衛星18と通信するように構成された屋外アンテナ325と、建造物324内に配置され、さらに、場合により、増幅器を使用して、トランスペアレントなリンク332によって屋外アンテナ325に接続された屋内アンテナ330とを含む。屋内アンテナ330は、建造物324内に配置されたモバイル通信サービス端末装置334との通信を向上させるように構成される。
【0079】
また、中継器322は、例えば、GPS(全地球測位システム)タイプの位置特定ユニット336も含む。
【0080】
第2のタイプの較正端末装置164は、無線リンク340を介して無線較正信号を受信するように構成された衛星受信アンテナ338と、送受信デュープレクサ344を介して衛星受信アンテナ338に接続された無線電力を測定する手段342と、較正端末装置から無線電界測定情報および位置特定情報を収集するように、さらにすべての情報を、デュープレクサ344、アンテナ338、および逆方向の無線シグナリング衛星アップリンク348を介して衛星18に転送するように構成されたエミッタ346とを含む。
【0081】
図4によれば、第3のタイプの較正端末装置166は、無線ダウンリンク366を介して無線較正信号を受信するように構成された衛星受信アンテナ364を共通で含むモバイル通信サービス端末装置362である。
【0082】
較正端末装置360は、送受信デュープレクサ370を介して衛星受信アンテナ364に接続された無線電力を測定する手段368と、位置特定する手段372と、較正端末装置から無線電界測定情報および位置特定情報を収集するように、さらにすべての情報を、デュープレクサ370、アンテナ364、および逆方向の無線シグナリング衛星アップリンク376を介して衛星18に転送するように構成されたエミッタ374とを含む。
【0083】
例えば、位置特定する手段372は、例えば、地上ネットワークの三角測量法を使用して地上処理ユニットによって算出された位置情報を抽出する手段によって形成される。
【0084】
この場合、破線で示される測定するための較正アップリンク366、およびシグナリングするための較正ダウンリンク376は、実線で示されるサービスアップリンク380およびサービスダウンリンク382とは異なる。
【0085】
代替として、位置特定する手段372は、衛星コンステレーションによる地球規模の測位受信機、例えば、GPSである。
【0086】
代替として、サービスアップリンク380と、較正端末装置の位置特定情報をダイレクトするためのパスに対応する較正アップリンク376は、同一である。また、サービスダウンリンク382と較正ダウンリンク382も同一である。較正のために使用される無線電力を測定する手段368、送受信デュープレクサ370、エミッタ374は、地上リンクのために使用されるのと同一の構成要素である。
【0087】
図5によれば、ハイブリッド遠隔通信システム402は、遠隔通信サービスの点で、
図1に示されるハイブリッド遠隔通信システム2と同一であり、合同を維持するための手段が、この場合は、逆方向のアップリンク衛星ビームと、同一方向におけるリンク上の対応する地上セルの間で合同を維持するように備えられるという点においてだけ、異なる。
【0088】
基地局、衛星、衛星からの地上インフラストラクチャに対するアクセス局、通信サービス端末装置、順方向の地上サービスダウンリンク、逆方向の地上サービスアップリンク、地上セル、衛星アンテナ、およびアンテナの偏移を補正するための手段の参照符号は、
図1の場合と同一である。
【0089】
図5により、逆方向のアップリンクの衛星ビームが示される。
【0090】
アンテナアレイ120が、アレイ120の受信構成要素、すなわち、能動受信アンテナ126において、サービス端末装置から順方向の衛星アップリンクで無線信号を受信するように構成され、これらの無線信号は、簡明のため3つの衛星ビーム430、432、434だけが
図5に示される、複数の無線通信衛星ビームにわたって分布させられている。
【0091】
各衛星ビーム430、432、434は、周波数サブバンドに関連付けられ、さらにそのビーム430、432、434の地上無線範囲によって、実線で表される衛星アンブレラセル436、438、440のそれぞれの衛星カバレッジを規定する。
【0092】
図が込み入らないように、衛星セル440と同様に、サービス端末装置が全く示されていない他の衛星セル442、444、446が、例として示される。
【0093】
見通し線における衛星18の順方向のアップリンク衛星ビームカバレッジの瞬間的な図を表す
図5によれば、衛星アンブレラセル436が、基地局6、8、10にそれぞれ関連付けられた地上セル76、78、80、ならびにいずれの基地局の範囲からも外れたサービス端末装置36を範囲に含む。
【0094】
衛星アンブレラセル438は、地上セル82、いずれの基地局の範囲からも外れたサービス端末装置40、44、46、ならびに中継器104およびサービス端末装置48を含むFEMTOタイプのセル106を範囲に含む。
【0095】
伝送リソースを割り当てるための手段50は、ネットワークバックボーン148に接続され、さらに各基地局6、8、10、12、または各衛星ビーム430、432、434に伝送リソースを割り当てるように構成される。
【0096】
各伝送リソースは、周波数サブバンド、および/または時間スライス、および/または符号によって規定され、基地局または衛星ビーム430、432、434に割り当てられ、サブバンドは、基地局6、8、10、12のセットに割り当てられる第1の周波数帯域、および衛星ビーム430、432、434に割り当てられる第2の周波数帯域に関して決定される。
【0097】
この場合、同一の周波数帯域が、基地局6、8、10、12と衛星18によって共有される。
【0098】
代替として、地上周波数の第1の割り当てられた帯域と、衛星周波数の第2の割り当てられた帯域は、同一である、部分的に同一である、または異なる。
【0099】
衛星セル436、438、440の輪郭は、基地局6、8、10、12が、経時変化しない分布関数によりアップリンク衛星セルによって区別可能であるように分布させられるように決定されている。
【0100】
衛星セルのカバレッジは、逆方向のアップリンクに関して、同一方向のリンクの地上セルの所定のカバレッジセットに対して、その所定のカバレッジセットがその衛星カバレッジに完全に含まれる場合、すなわち、所定の分布関数によりその衛星セルにわたって分布させられた地上セルの境界が、対応する衛星セルの境界によって囲まれている場合に、合同であるとされる。
【0101】
合同を維持する手段452は、各逆方向のアップリンク衛星セルのカバレッジを、同一方向におけるリンクの、その衛星セルに含まれる基地局に関連付けられた地上セルのカバレッジに対して維持するように構成される。
【0102】
逆方向のサービスアップリンクにおける合同を維持する手段452は、衛星セル436、438、440にわたって分布させられた較正端末装置562、564、566と、較正端末装置562、564、566から衛星18によって受信される無線信号を測定する手段568と、測定する手段568によって供給される測定を処理する手段572にリダイレクトするための手段570と含み、測定する手段568によって供給される較正測定を処理するための手段572は、補正制御を生成することを目的とし、さらに処理する手段572に接続されて、衛星18に補正制御をリダイレクトするための手段を形成する遠隔制御衛星局174と、この場合は、能動受信アンテナ126の支持体の傾斜機構129である、衛星18の受信アンテナ126の受信放射パターンを補正するための機構576とを含む。
【0103】
較正端末装置562、564、566は、異なる基地局にそれぞれが構成された第1のタイプの端末装置562、FEMTOタイプのセルの中継器に配置された第2のタイプの端末装置、および衛星モードで動作するサービス端末装置に組み込まれた第3のタイプの端末装置の、3つのタイプの端末装置に分類され得る。
【0104】
この場合、第1のタイプの端末装置562が、各基地局6、8、10、12に配置されて、さらに伝播の適切な条件下で、電力較正され、関連する逆方向の衛星アップリンク582、584、586、588でエミッタ端末装置562が関連付けられた基地局6、8、10、12の識別子が符号化されている較正信号を送信するように構成される。
【0105】
第2のタイプの端末装置564が、建造物106の中継器104に配置されて、逆方向のアップリンク590で衛星18に較正信号を送信するように構成され、この較正信号は、逆方向の衛星ダウンリンク592で衛星18によってアクセス局24にトランスペアレントにリダイレクトされるものとされる。
【0106】
また、第2のタイプの端末装置564は、衛星18のシグナリングアップリンク594、およびシグナリングダウンリンク595を介してアクセス局24に端末装置を位置特定する信号を送信するようにも構成される。
【0107】
異なる較正端末装置566が、各サービス端末装置36、40、44、46に組み込まれ、伝播の適切な条件下で、関連する逆方向の衛星リンク596、598、600、602で較正信号を送信するように構成され、これらの較正信号は、逆方向の衛星ダウンリンク592で衛星18によってアクセス局24にトランスペアレントにリダイレクトされるものとされ、さらに関連付けられたエミッタ端末装置566のそれぞれの識別子が符号化される。
【0108】
サービス端末装置36、40、44、46にそれぞれ関連付けられた各較正端末装置566は、衛星18の関連付けられたシグナリングアップリンク604、606、608、610、およびシグナリングダウンリンク595でアクセス局24に端末装置を位置特定する信号を送信するようにも構成される。
【0109】
各較正端末装置562、564、566は、この場合、
図1に示される較正端末装置の受信アンテナ212と同一であるものと想定される衛星送信アンテナと、送信電力が正確に知られている無線信号を生成するための手段とを備える。
【0110】
図1の受信アンテナと同様に、送信アンテナ212は、衛星ビームのカバレッジセットを走査する間に観測され、さらに衛星がたどる軌道のタイプに依存する仰角のセットに対応する立体角で実質的に全方向性の放射パターンを有するように構成される。
【0111】
例えば、この場合、任意の較正端末装置の送信アンテナ212は、単に、半球の全方向性パターンを有する。
【0112】
この場合、較正信号を測定する手段568は、衛星アップリンク582、584、586、588、590、596、598、600、602、およびダウンリンク592の減衰特性、ならびにトランスペアレントな中継器のように動作する衛星18の利得特性が正確に知られているものと想定して、アクセス局24に配置される。
【0113】
測定をリダイレクトする手段570は、接続局24と、ネットワークバックボーン148と、接続リンク152、154とを含む。
【0114】
代替として、測定する手段568は、衛星18に搭載され、さらにこの場合、リダイレクトする手段は、衛星ダウンリンク592をさらに含む。
【0115】
処理する手段572は、リダイレクトする手段570を介して、衛星18における各較正端末装置562、564、566に関連する電力測定情報を受信するように、さらに予期される地上で観測されるアップリンク受信衛星放射パターンから、ビームのセットに共通の偏移補正角を算出するように構成される。
【0116】
代替として、処理する手段572は、衛星ビーム形成の補正を算出するように構成される。
【0117】
代替として、処理する手段572は、衛星に搭載される。
【0118】
較正端末装置562、564、566の数は、50以上であり、したがって、統計的なサイズは、アップリンク衛星ビームと地上アップリンクの地上セルの間の合同を維持するために受信アンテナのパターンに適用される補正の十分に正確な推定に十分である。
【0119】
好ましくは、較正端末装置の数は、100から200までの範囲内の数である。
【0120】
この統計サイズの効果は、パターンの指向性が高いアンテナのため、さらに衛星ビーム軌道の予期される交点と厳密に合致しなければならず、このことが、例えば、地形の起伏および気象の点で設置の困難をもたらす、それぞれの位置付けのために複雑である較正局を使用する必要性を解消する。
【0121】
処理する手段572は、あらかじめ知られている補正機構応答関数から合同を維持する制御を生成するように構成される。
【0122】
遠隔制御局174は、
図1の遠隔制御局174と同様に、遠隔制御アップリンク220で衛星18に制御を送信するように構成される。
【0123】
この場合、衛星の受信アンテナ126は、各衛星セルの対応するビームが、0.15度未満の特有の開口角θを有するように構成される。
【0124】
代替として、この特有の開口角θは、0.5度から数度までの範囲内の数値未満である。
【0125】
特有の角θは、衛星18の送信アンテナ126の受信位相面に対するビームの方位のセットから選択された最小限の開口角として定義される。
【0126】
合同を維持する手段452を形成する様々な手段は、いずれの衛星ビームの偏移も、0.012度の偏移差Δθ未満に永久的に維持するように構成される。
【0127】
好ましくは、いずれの衛星ビームの偏移Δθも、0.02度から0.05度までの範囲内の値未満に永久的に維持される。
【0128】
図6によれば、第1のタイプの較正端末装置562は、
図2で説明されるのと同一の基地局302に配置される。
【0129】
図2と同様に、基地局302は、2つの実線の矢印によって表される逆方向の地上リンク306および順方向の地上リンク308を介して無線通信信号を送受信するように構成された無線通信アンテナ304を有する。
【0130】
第1のタイプの較正端末装置562は、無線リンク710を介して無線較正信号を送信するように構成された、
図2の受信アンテナと同一の衛星送信アンテナ310と、電力が正確に知られている較正信号を生成するための手段712と、較正端末装置が配置された基地局302の識別子を符号化するための変調器714とを含む。
【0131】
図7によれば、第2のタイプの較正端末装置564は、
図3の場合と同様に、基地局の範囲外の建造物324内で無線波の伝播を向上させるように、いわゆるFEMTOセルの中継器322に配置される。
【0132】
中継器322は、
図3に示されるのと同一の構成要素325、330、332、336、ならびに同一のアップリンク326およびダウンリンク328を含む。
【0133】
第2のタイプの較正端末装置564は、無線リンク720を介して無線較正信号を送信するように構成された、
図3の受信アンテナと同一の衛星送信アンテナ338と、電力が正確に知られている較正信号を生成するための手段722と、較正信号に関連する搬送波とは異なるシグナリングアップリンク726の特有の搬送波上で位置特定情報を変調するように、さらに較正信号および変調された位置特定信号を周波数二重化するように構成された、第1の入力として位置特定する手段336が接続され、さらに第2の入力として生成する手段722が接続された出力デュープレクサ/変調器724とを含む。
【0134】
図8によれば、第3のタイプの較正端末装置566は、無線アップリンク730で無線較正信号を送信するように構成された、
図4の受信アンテナと同一である衛星送信アンテナ364を共通に有するモバイル通信サービス端末装置362である。
【0135】
また、第3のタイプの較正端末装置566は、電力が正確に知られている較正信号を生成するための手段732と、較正信号に関連する搬送波とは異なる、シグナリングアップリンク736の特有の搬送波上に位置特定情報を変調するように、さらに較正信号および変調された位置特定信号を周波数二重化するように構成された、第1の入力として、
図4のものと同一の位置特定する手段336が接続され、さらに第2の入力として生成する手段732が接続された出力デュープレクサ/変調器734とをさらに含む。
【0136】
この場合、破線で示される較正アップリンク730とシグナリングアップリンク736は、互いに異なり、さらに実線で示されるサービスアップリンク380とも異なる。
【0137】
代替として、較正アップリンク730とシグナリングアップリンク736は、例えば、較正信号の搬送波上に位置特定情報を変調することによって共通である。
【0138】
代替として、較正アップリンク730とシグナリングアップリンク736とサービスアップリンク380は、信号または信号の一部分を較正信号として使用し、さらにサービス信号をシグナリング信号として使用することによって、共通である。
【0139】
較正信号を生成する手段732は、既存の電力制御機能のために実施される従来の手段であり得る。
【0140】
図9によれば、セルラ無線通信ネットワークの同一方向におけるリンク上の地上セルカバレッジと、地上セルのリンクと同一方向におけるリンクに対応して、アンブレラセルの役割をする衛星セルカバレッジの間の合同を維持する方法700が、
図1および
図5に示されるハイブリッド遠隔通信システムにおいて実施され、一連のステップ702、704、706を含む。
【0141】
第1のステップ702において、較正無線信号の電力が、順方向のダウンリンクで受信機として動作する較正端末装置によって、または逆方向のアップリンクで衛星18に搭載された、またはアクセス局24の測定手段によって測定される。
【0142】
較正無線信号は、順方向のダウンリンクで衛星によって、または逆方向のアップリンクでエミッタとして動作する較正端末装置によって送信される。
【0143】
次に、同一のステップ702中に、これらの測定が、処理する手段172、572にリダイレクトされる。
【0144】
次のステップ704において、処理する手段172、571が、アンテナの全体的なアンテナ構造上の偏移角に関して、または放射要素の利得/位相偏移係数に関して要求される補正を推定して、各衛星ビームの合同を確実にするようにする。
【0145】
ステップ704で、全体的な推定が、較正端末装置のすべてを、いくつかのビームをマージする単一の放射パターンに組み込むことによって実施される。
【0146】
この推定は、最小二乗法および相関法から選択される方法により行われる。
【0147】
要求される補正の推定の精度は、衛星ビームのすべてにおける較正端末装置の総数、および/または衛星ビームごとの較正端末装置の分布、電力を測定する手段の測定精度、較正端末装置のアンテナの送信放射パターンおよび/または受信放射パターン、および衛星ビームの間で所望される合同のレベルに依存するとともに、所望される指向の安定性にも依存する。
【0148】
ステップ706で、ステップ704で推定された補正が、衛星ビームの補正機構128、129に適用される。
【0149】
図10によれば、
図9に示される方法の変種が、一連のステップ722、724、726、728を含む。
【0150】
第1のステップ722は、ステップ702に類似し、各衛星ビームにおいて十分な数の補正端末装置が、ビームごとの処理を実行するように与えられているという点で、ステップ702とは異なる。
【0151】
ステップ724で、測定データが、ビームごとに分類される。
【0152】
同じステップ724で、各ビームに関して、処理する手段が、アンテナの全体的なアンテナ構造上、もしくはアンテナの局所的な構造上の偏移角に関して、または放射要素の利得/位相偏移係数に関して要求されるビームに関連する補正を推定して、解析されるビームに関する合同を確実にするようにする。
【0153】
その後、次のステップ726で、処理ユニットが、ステップ724における各ビームに関する推定された補正を合成して、ビームセットに関して合同の全体的な最良の妥協点をもたらす補正にする。
【0154】
ステップ728で、ステップ726において合成された補正が、衛星ビームの補正機構128、129に適用される。
【0155】
このことは、衛星ビームと、同一方向におけるリンクに関する地上セルの間で合同が維持されることをもたらす。
【0156】
ハイブリッドシステムに関して前述した本発明は、非ハイブリッド衛星システム、すなわち、多数のサービス端末装置および衛星セルを有するが、地上セルのネットワークは有さない単一の衛星システムにも適用可能である。
【0157】
非ハイブリッド無線通信衛星システムは、双方向接合リンクを介して少なくとも1つのアクセス局によって地上インフラストラクチャに接続され、さらに周波数サブバンドにそれぞれが関連付けられるとともに、地上無線範囲によって、衛星セルの衛星カバレッジをそれぞれが規定する複数の無線通信衛星ビームにわたって分布させられたサービス無線通信信号を、順方向の衛星ダウンリンクで送信するように、さらに/または逆方向の衛星アップリンクで受信するように構成された少なくとも1つの通信衛星を含む。
【0158】
また、非ハイブリッド遠隔通信衛星システムは、無線通信信号を送信するように、さらに/または受信するように構成され、さらに衛星セルにわたって分布させられた通信サービス端末装置のセットと、衛星ビームに伝送リソースを割り当てるための、各リソースは、周波数サブバンド、および/または時間スライス、および/または符号によって規定され、サブバンドは、衛星ビームに割り当てられた周波数帯域に関して決定される手段とをさらに含む。
【0159】
非ハイブリッド遠隔通信衛星システムは、衛星セルに関して所望される、関連する最小限のカバレッジテンプレート対して各衛星セルのカバレッジの合同を永久的に維持するための手段も含む。
【0160】
非ハイブリッドの衛星システムにおいて、衛星セルのカバレッジは、所望される関連する最小限のカバレッジテンプレートがその衛星カバレッジに完全に含まれる場合に、その所望される関連する最小限のカバレッジテンプレートに対して合同である。
【0161】
特別な形態によれば、各衛星セルの対応する衛星ビームは、衛星の送信位相面または受信位相面に対する衛星ビームの方位のセットから選択された最小限の開口角として定義される特有の開口角θを有する。
【0162】
各衛星の対応するビームの最小限の開口角θは、0.5度から数度までの範囲の角度値未満であり、さらに合同を維持する手段は、衛星ビームの偏移Δθを0.05度未満に永久的に維持するように構成される。
【0163】
非ハイブリッドシステムの衛星の軌道は、ハイブリッドシステムに関して使用される衛星の軌道と同一である。
【0164】
ハイブリッドシステムと同様に、合同を維持する手段は、複数の衛星セルにわたって分布させられ、さらに衛星受信アンテナをそれぞれが含む複数の較正端末装置を含み、衛星受信アンテナは、衛星カバレッジセットを走査する間に観測され、さらに衛星がたどる軌道のタイプに依存する仰角のセットに対応する立体角で実質的に全方向性の放射パターンを有する。
【0165】
各較正端末装置は、較正に特有のダウンリンク無線信号の電力、または無線通信信号の電力を測定するように構成され、電力測定の分解能は、1dB未満であり、さらに測定の精度は、5dB未満である無線電力を測定する手段と、測定する手段によって収集された測定、ならびに較正端末装置の位置を、これらの位置が所定でない場合に転送するための手段とを含む。
【0166】
合同を維持する手段は、複数の衛星セルにわたって分布させられ、さらに衛星送信アンテナをそれぞれが含み、衛星送信アンテナは、衛星カバレッジセットを走査する間に観測される仰角のセットに対応し、さらに衛星がたどる軌道のタイプに依存する立体角で実質的に全方向性の放射パターンを有し、較正に特有の無線信号、または電力較正された無線通信の無線信号を衛星アップリンクで送信するための手段をそれぞれが有する複数の較正端末装置と、衛星上、またはアクセス局に配置され、対応する逆方向の衛星アップリンクで各較正端末装置の較正無線信号の電力を測定するように構成され、電力測定の分解能は、1dB未満であり、さらに測定の精度は、5dB未満である測定する手段と、測定する手段によって収集された測定、ならびに較正端末装置の位置を、これらの位置が所定でない場合に転送するための手段とを含む。
【0167】
非ハイブリッドシステムにおいて、較正端末装置の数は、50以上である。
【0168】
較正端末装置は、ロケーションが正確に知られているいくつかの固定の通信サービス端末装置に配置される。
【0169】
いくつかの較正端末装置が、建造物内で波の伝播を向上させることを目的とする複数のFEMTOタイプの中継に配置され、各中継器は、位置特定ユニットを備え、較正端末装置は、位置特定ユニットによって供給される位置特定情報を介して較正端末装置のロケーションを送信するように構成される。
【0170】
較正端末装置は、衛星コンステレーションを介する地球規模の測位受信機、およびモバイル地上ネットワークによって特定された位置情報を抽出する手段から成るセットから選択された位置特定する手段を含むモバイル通信サービス端末装置であり、較正端末装置は、較正端末装置のロケーションを、位置特定する手段によって供給される位置特定情報を介して送信するように構成される。
【0171】
非ハイブリッドの衛星通信システムは、各較正端末装置に関連する電力測定情報を受信するように、さらに予期される地上放射パターンから、ビームに共通の偏移補正角、または衛星ビームの形成の補正を算出するように構成された処理する手段を含み、処理する手段は、インターネット様の地上ネットワークのリンク、地上セルラネットワークのリンク、および衛星リンクからの1つまたは複数の通信リンクによって測定する手段に接続される。
【0172】
要求される補正の推定の精度は、衛星ビームのすべてにおける較正端末装置の総数、および/または衛星ビームごとの較正端末装置の分布にも、電力を測定する手段の測定精度、較正端末装置のアンテナの送信放射パターンおよび/または受信放射パターンにも依存する。
【0173】
処理する手段は、ビームごとのローカル推定によって衛星ビームを補正するように構成され、十分な数の構成端末装置が、各ビームにおいて与えられ、または全体的な推定が、較正端末装置のすべてを統合して、いくつかのビームをマージする単一の放射パターンにし、推定は、最小二乗法および相関法から成る方法のグループに含まれる。
【0174】
衛星セルカバレッジと、前述した非ハイブリッド衛星遠隔通信システムにおける衛星によってもたらされる所望されるカバレッジの間で合同を維持するための方法が、以下のステップを備える。すなわち、
較正無線信号の電力が、順方向のダウンリンクで受信機として動作する較正端末装置によって、または逆方向のアップリンクで、または逆方向のダウンリンクで衛星上、またはアクセス局に配置された測定する手段によって測定され、さらに処理する手段にリダイレクトされ、
処理する手段が、測定するステップにおいて収集された電力測定、端末装置の位置特定情報、および経時変化しない所望されるカバレッジから、衛星アンテナ支持構造上の偏角に関して、または放射要素の利得/位相偏移係数に関して要求される補正を推定し、各衛星セルに関する合同の条件は、各衛星セルのカバレッジが、関連する所望されるカバレッジを含む場合に、満たされ、さらに
推定するステップで推定される補正が、衛星ビームの補正機構に適用される。