(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5714718
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20150416BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20150416BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20150416BHJP
H01M 2/34 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
H01M2/10 E
H01M2/10 K
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M2/20 A
H01M2/34 B
H01M2/20 Z
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-542362(P2013-542362)
(86)(22)【出願日】2011年12月7日
(65)【公表番号】特表2014-503947(P2014-503947A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】CN2011083652
(87)【国際公開番号】WO2012075948
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2013年7月12日
(31)【優先権主張番号】201010581609.4
(32)【優先日】2010年12月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】312013284
【氏名又は名称】シェンチェン ビーワイディー オート アールアンドディー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】505327398
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】ゼン・ジリャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン・ウェイシン
(72)【発明者】
【氏名】シュ・ジェンホワ
【審査官】
渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/113455(WO,A1)
【文献】
特開2001−155702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/34
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池と、隣接する前記単電池を電気的に接続するための複数の電力接続器とを有する電池パックと;
フレキシブル回路基板を有するサンプリング・モジュールであって、複数の電圧サンプリング端子及び複数の温度センサーがそれぞれ前記フレキシブル回路基板上に配置されてなり、各電圧サンプリング端子が各電力接続器に電気的に接続され、各温度センサーが各電力接続器に接続されてなるサンプリング・モジュールと;
前記電池パック及び前記サンプリング・モジュールを収納するためのシェルと;
を含むことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記電池パック及び前記複数の電力接続器から前記フレキシブル回路基板を絶縁するために、前記サンプリング・モジュールが更に前記フレキシブル回路基板上に配置された絶縁保護部を有する請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電力接続器が、
前記温度センサー及び前記電圧サンプリング端子が接続された主要部分と;
隣接する単電池を電気的に接続するために、前記主要部分の両側にそれぞれ接続される第1接続端子及び第2接続端子と;
を有する請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板が、
複数の電圧サンプリング端子が配置された電圧収集アームと;
前記複数の温度センサーが配置された温度収集アームと;
前記電圧収集アーム及び前記温度収集アームが互いに離間して接続されてなる接続アームと、
を有してなり、
前記複数の電力接続器が前記電圧収集アームと前記温度収集アームとの間のスペースに配置される請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記絶縁保護部が、第1絶縁層と、第2絶縁層とを有してなり、
前記第1及び第2絶縁層(51、52)が前記フレキシブル回路基板の両面にそれぞれ配置されている請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記サンプリング・モジュールが更に前記フレキシブル回路基板に接続されたコネクタを有する請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
絶縁保護部が、第1絶縁層と、第2絶縁層とを有してなり、
前記第1及び第2絶縁層にそれぞれ形成された前記第1接続端子及び前記第2接続端子に対応するビアホールがある請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項8】
各温度センサーは各電力接続器に接合されている請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
絶縁保護部が、第1絶縁層と、第2絶縁層とを有してなり、
前記第1絶縁層及び第2絶縁層は、それぞれPET層である請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項10】
各温度センサーは、SMDサーミスタ・センサである請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
複数の単電池と、隣接する前記単電池を電気的に接続するための複数の電力接続器とを有する電池パックと;
サンプリング・モジュールと;
前記電池パック及び前記サンプリング・モジュールを収納するためのシェルと
を含む電池モジュールであって、
前記サンプリング・モジュールは、絶縁保護部と、複数の温度センサー及び複数の電圧サンプリング端子が接続されたフレキシブル回路基板とを有してなり、
各温度センサーは各電力接続器に接続され、
各電圧サンプリング端子は各電力接続器に電気的に接続され、
前記絶縁保護部が、前記フレキシブル回路基板の外表面を覆う外部絶縁層、及び、前記複数の電力接続器と前記複数の単電池との間に配置された内部絶縁層を有する
ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項12】
各電力接続器が、
一の単電池の正極端子に接続される第1接続端子と;
前記一の単電池に隣接する他の単電池の負極端子に接続する第2接続端子と;
前記第1接続端子及び前記第2接続端子にそれぞれ接続され、各温度センサー及び各電圧サンプリング端子を接続される主要部分と
を有する請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記フレキシブル回路基板が、
接続アームと;
前記複数の電圧サンプリング端子が電気的に接続された電圧収集アームと;
前記複数の温度センサーが配置された温度収集アームと
を有する請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記サンプリング・モジュールが更に前記接続アームの自由端に形成されたコネクタを有する請求項13に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2010年12月8日に中華人民共和国国家知識産権局(P.R.C.)に出願された中国特許出願第201010581609.4号に対する優先権及び利益を主張し、その全体を参照により本願に援用する。
【0002】
本開示は、電池分野、より具体的には改良された電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
石油の枯渇、及び、高まる環境保護の要求に伴い、油を燃料とする従来の車両は徐々に電気自動車又はハイブリッド電気自動車に置き換えられるであろう。したがって、電気自動車の主なエネルギー源として、電池モジュールが益々重要になる。
【0004】
搭載電池における電池モジュールは高容量を有する必要があるが、体積が大きくなる、構造が複雑になる、などの問題が生じる。また、電池モジュールは、通常、数百の単電池が直列に接続されて形成されるので、単電池間の接続は複雑になる。搭載電池の安全性能を確保するために、サンプリング・モジュールは各単電池の温度と電圧をモニタリングするための重要な手段である。
【0005】
現在のところ、前記サンプリング・モジュールは、従来の配線サンプリング・パターンを採用している。即ち、配線が単電池に直接接続されて、サンプリング信号を伝送する。上記従来のサンプリング・パターンでは、回路が複雑になったり、配線を手動で組み立てる必要が生じたりすることがあり、自動生産は容易ではない。更に、組立工程中に、組立てを誤ったり、組立てが不足したりする可能性がある。更に、複雑な構造を有する配線のための特別な固定装置が必要となることもあり、配線の外装は磨耗しやすく、漏れ電流を引き起こすことがあり得る。
【0006】
したがって、電池モジュールの高容量を確保するため、上記接続及び上記サンプリング構造は簡素化される必要があり、これにより、簡素な組立工程及び高い安全性能を有する電池モジュールが提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に鑑み、高い信頼性と高い安全性能を有する、簡素なサンプリング構造と簡素な組立工程を有する電池モジュールの提供が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施態様によれば、電池モジュールが提供される。前記電池モジュールは、複数の単電池と、隣接する前記単電池を電気的に接続するための複数の電力接続器とを有する電池パックと、複数の電圧サンプリング端子及び複数の温度センサーがそれぞれ配置されたフレキシブル回路基板を有するサンプリング・モジュールと、前記電池パック及び前記サンプリング・モジュールを受けるためのシェルとを有してなる。各電圧サンプリング端子は各電力接続器に電気的に接続され、各温度センサーは各電力接続器に接続される。
【0009】
従来のサンプリング構造を有する電池モジュールに比べて、本開示の実施形態に係る上記電池モジュールは、下記の利点を有する。
【0010】
前記フレキシブル回路基板を前記温度センサー及び前記電圧サンプリング端子と接続することにより、前記電池モジュールの容積が減り組立てが簡略化され、組立工程が制御し易くなることで組立てにおけるエラーが起こらない。
【0011】
本開示の実施形態に係る前記電池モジュールにおいて、上記部材は内部絶縁層及び外部絶縁層を使って接合及び固定することができ、これは容易に達成できる。更に、前記内部絶縁層及び前記外部絶縁層は効率的にフレキシブル回路基板の電気回路を保護できるので、前記電気回路における配線外装の磨耗により起こる漏れ電流を防ぐことができる。
【0012】
更に、本開示の実施形態に係る前記電池モジュールは、前記自動生産に容易に適用できる高い信頼性を有し、当該技術分野の前記サンプリング・モジュールの接続要件を更に満足する。
【0013】
本開示の実施態様の更なる態様及び利点は、以下の記載で部分的に説明される、以下の記載から部分的に明らかになる、又は、本開示の実施形態の実施により理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面を参照して記載される以下の説明により、本開示のこれら及び他の特徴並びに利点が明らかになると共によりよく理解されるであろう。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る電池モジュールにおけるサンプリング・モジュールの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係るフレキシブル回路基板の斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る電池モジュールにおける電力接続器の斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係る、隣接する2つの単電池を有する電力接続器の概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る、サンプリング・モジュールを有する電池パックの斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係る電池モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施形態について詳細に説明する。ここに記載される実施形態は、説明及び例示のためのものであり、本開示の理解のために用いられる。これらの実施形態は、本開示を限定するものではない。同一又は類似の要素、並びに、同一又は類似の機能を有する要素は、明細書全体を通して同一の参照番号が付されている。
【0016】
以下、本開示の実施形態に係る電池モジュールについて、
図1〜6を参照しながら詳細を説明する。
【0017】
図1〜6に示されるように、本開示の実施形態に係る電池モジュールは、電池パック100、サンプリング・モジュール200、及び、シェル300を含む。前記電池パック100は、複数の単電池6と、隣接する単電池6を電気的に接続するための複数の電力接続器3とを含む。前記サンプリング・モジュール200は、フレキシブル回路基板1並びに絶縁保護部を含む。複数の電圧サンプリング端子7及び複数の温度センサー4が前記フレキシブル回路基板1上にそれぞれ配置されており、各温度センサー4が、対応する電力接続器3と接続され、各電圧サンプリング端子7が、対応する電力接続器3と電気的に接続されている。前記絶縁保護部は、前記電池パック100及び前記複数の電力接続器3からフレキシブル回路基板1を絶縁するために、フレキシブル回路基板1上に配置されている。前記絶縁保護部は、前記フレキシブル回路基板1の外表面を覆う外部絶縁層(又は第1絶縁層)51、及び、前記電力接続器3と前記単電池6との間に配置された内部絶縁層(又は第2絶縁層)52を含む。前記シェル300は、前記電池パック100及び前記サンプリング・モジュール200を受けるために使用される。
【0018】
一実施形態では、前記単電池6が
図4に示されている。正極端子61と負極端子62が、各単電池6の2つの端面にそれぞれ配置されている。前記単電池6は並列に配置されており、一の単電池6の前記正極端子61と前記一の単電池6に隣接する別の単電池6の前記負極端子62は交互に上向きであり、一の単電池6の前記正極端子61と前記一の単電池6の前記正極端子61に隣接する別の単電池の前記負極端子62は、それぞれ電力接続器3を介して接続されている。したがって、前記単電池6は、電力接続器3を介して直列に接続されている。
【0019】
図3に示されるように、前記電力接続器3は、主要部分33と、前記主要部分33に接続された第1接続端子31及び第2接続端子32とを有し、これらは前記隣接する単電池6を電気的に接続するために、前記主要部分33の両側に接続されている。各温度センサー4の端部と各電圧サンプリング端子7の端部とが、前記主要部分33にそれぞれ接続され、前記第1及び第2接続端子31、32は、2つの隣接する単電池6の前記正極及び負極端子61、62にそれぞれ接続されているので、2つの隣接する単電池6が電気的に接続される。
【0020】
また、サンプリング電流の優れた導電性を確保するために、前記電力接続器3及び前記電圧サンプリング端子7は、例えばスズ、はんだ付けなどで接続されてもよい。前記電力接続器3と前記温度センサー4との間の温度差を最小限にするために、前記温度センサー4と前記電力接続器3は、熱伝導性シリコーンゴムのような熱伝導性の高い接着剤により接合されてもよい。
【0021】
図1に示されるように、前記温度センサー4と前記電圧サンプリング端子7の他端は、それぞれフレキシブル回路基板1に接続されている。本開示の実施形態によれば、前記温度センサー4、前記電圧サンプリング端子7及び前記フレキシブル回路基板1の間で良好な導電性と良好な信号伝送の効果を確保するために、前記温度センサー4及び前記電圧サンプリング端子7が、はんだスズによってそれぞれ前記フレキシブル回路基板1に接続されている。なお、上述した部材を接続するために使用される材料は、スズに限定されるものではなく、良好な電気伝導性を有する他の溶接材料を代わりに用いてもよい。
【0022】
更に、前記フレキシブル回路基板1の自由端に、コネクタ2が固定されるなどして形成されてもよく、前記フレキシブル回路基板1が前記コネクタ2を介して外部の監視装置(図示せず)に接続されてもよい。前記コネクタ2は、当該技術分野において知られた信号伝送インターフェースであってもよい。よって、簡略化目的のために、その詳細な説明はここでは省略する。
【0023】
図2に示されるように、一実施形態では、前記フレキシブル回路基板1が温度収集アーム11、電圧収集アーム12及び接続アーム13を有してもよい。前記複数の温度センサー4が温度収集アーム11に接続され、前記複数の電圧サンプリング端子7が電圧収集アーム12に接続される。前記電圧収集アーム12及び前記温度収集アーム11は互いに離間しており、それぞれ接続アーム13に接続される。前記複数の電力接続器3が前記電圧収集アーム12と前記温度収集アーム11との間に形成されるスペースに配置される。
【0024】
前記外部及び内部絶縁層51、52は前記フレキシブル回路基板1の両面にそれぞれ配置されている。特に、前記外部絶縁層51は前記フレキシブル回路基板1の外表面を覆い、前記内部絶縁層52は前記電力接続器3と前記単電池6の間に配置される。更に、前記内部絶縁層52及び前記外部絶縁層51は、相互に協同して、前記電力接続器3、前記温度センサー4、前記電圧サンプリング端子7及び前記フレキシブル回路基板1を共に覆ってもよい。
【0025】
前記外部及び内部絶縁層51、52のそれぞれが、優れた電気絶縁性を有する可撓なPET(ポリエチレンテレフタレート)材料から作製されてもよい。したがって、前記外部絶縁層51を前記電力接続器3と接続するための、又は、前記内部絶縁層52を前記電力接続器3と接続するための接着剤は、良好な熱安定性と、良好な化学的安定性と、金属との高い接合強度を有するホットプレス用接着剤であってもよい。各温度センサー4は、SMD(surface mounted device:表面マウントされたデバイス)サーミスタ・センサーであってもよい。
【0026】
一実施態様において、外側から前記電池モジュールをより簡便に溶接し、前記電力接続器3の前記第1及び前記第2接続端子31、32を前記単電池6と電気的に接続するために、
図1に示されるように、前記第1接続端子31及び前記第2接続端子32と一致するように構成されたビアホール8が、前記内部及び外部絶縁層52、51にそれぞれ配置され、溶接及び組立てがより簡便になる。
【0027】
一実施態様において、前記正極及び負極端子61、62は、各単電池6の2つの端部にそれぞれ配置されてよく、したがって、前記組み立てられた電池モジュールは、
図5に示される構造を有してもよい。もちろん、他の実施態様において、前記正極端子61及び前記負極端子62が、各単電池6の同じ端部に配置されてよく、それらについての詳細な説明は、簡略化のためここでは省略する。
【0028】
図6に示されるように、前記電池パック100は前記シェル300内に簡単に設置できる。前記電池モジュールのシェル300の構造並びに前記シェル300の使用及び組立方法は、当該技術分野においてよく知られていることに留意されたい。よって、簡略化目的のために、その詳細な説明はここでは省略する。
【0029】
説明的実施形態を図示及び説明してきたが、前記実施形態において、本開示の精神及び原理から逸脱することなく変更、代替及び改変がなされ得ることが当業者によって理解されるであろう。このような変更、代替及び改変は、全て特許請求の範囲及びその均等物の範囲である。