(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、第一及び第二の実施の形態に分けて、図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、メダルを貯留するとともに入賞時等にメダルを払い出すためのホッパーユニット65が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン1の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
【0019】
前記前扉3は、筐体11にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。そして、前記前扉3の上方には、
図1に示すように、遊技者側に向かって臨む上パネル12が設けられており、上パネル12の中央には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下側は、スロットマシン1を作動させるための遊技操作部としての操作スイッチ(ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ18、ストップスイッチ19)が設けられた操作部3Aとなっており、操作部3Aの右端にはメダル投入口14が設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉3の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0020】
(制御装置20)
制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御を行うものである。制御装置20としては、
図2に示すように、遊技制御装置21及び演出御装置22が設けられている。
【0021】
遊技制御装置21は、主としてスロットマシン1の遊技に関する制御を行うためのものである。また演出制御装置22は、前記遊技制御装置21からの諸信号を受信して、主として遊技に付随する演出を制御するためのものである。
上記制御装置20の入力側には、
図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ18、ストップスイッチ19の各パーツが接続されている。
メダルセンサ15は、特に図示しないが、メダルセレクター4に設けられた遮光センサなどの検知手段であって、メダル投入口14から投入され、ホッパーユニット65に誘導されるメダルを検知するためのものである。
【0022】
ベットスイッチ16は、
図1に示すように、操作部3Aの上面左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、投入メダルを所定枚数、遊技機内部に貯留しておくことであり、クレジット数は、上パネル12に設けられたクレジット表示部31に表示される。そして、ベットスイッチ16を操作するとクレジット表示が減算され、その分のメダルが投入されたものと扱われて遊技が開始可能となるものである。
精算スイッチ17は、
図1に示すように、前記ベットスイッチ16の左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルを払い戻すためのものである。
【0023】
スタートスイッチ18は、
図1に示すように、操作部3Aの前面に設けられたレバーであって、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に、又は、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60のリールモータの駆動を開始させるためのものである。
ストップスイッチ19は、リールユニット60のリールモータの駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ19は、
図1に示すように、各回転リール40に対応した3個のスイッチから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されているものである。そして、回転リール40に対応したストップスイッチ19の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
【0024】
制御装置20の出力側には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、メダルキャンセル装置4A、ベット表示部30、クレジット表示部31、演出表示装置66、擬似遊技結果表示部32の各パーツが接続されている。
リールユニット60は、スロットマシン1の主たる遊技装置であって、枠体に固定あるいは支持された3個のリールモータ(図示せず)と、各々のリールモータの出力軸に固定された3個の回転リール40とから構成されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。また、リールユニット60には、特に図示しないが、3個の回転リールに対応する回転検知センサが設けられており、各回転リール40には、各回転検知センサが検知するためのスタートインデックスが形成されている。
【0025】
ホッパーユニット65は、メダルタンクに貯留されているメダルを1枚ずつ払い出すためのメダル払い出し貯留装置である。ホッパーユニット65から排出されたメダルは、前扉3に設けられたメダル払い出し口から下皿に払い出しされる。
メダルキャンセル装置4Aは、特に図示しないが、メダルセレクター4の内部に設けられたメダルの流路変更装置であって、ソレノイドの作動によってメダル通路にブロッカーと呼ばれる突出爪を突出させることにより、メダル通路を通過するメダルがメダルセンサ15に検知される前に、メダルセレクター4の外部に排出するものである。メダルセレクター4から排出されたメダルはスロットマシン10の下皿に払い戻されるようになっている。
【0026】
ベット表示部30は、
図1に示すように、図柄表示窓13の下方及びベットスイッチ16の横側に設けられた表示部であって、一回の遊技を行うために投入したメダル数(ベット数)を表示するためのものである。本実施の形態においては、ベット表示部30として、本ベット表示部30aと、擬似ベット表示部30bが設けられているが、この詳細については後述する。
クレジット表示部31は、最大ベット数(3枚)を超えてメダル投入口14からメダルが投入された場合に、その超過分を最大50まで表示するものである。
【0027】
演出表示装置66は、後述する演出制御装置22の制御により、遊技者に入賞等を報知させるなど、種々の演出表示を行うためのものである。具体的には、演出表示装置66は、画像表示部としての液晶表示装置67、ランプ68及びスピーカ69から構成されている。液晶表示装置67は、
図1に示すように、上パネル12の図柄表示窓13の上方に設けられた窓部から液晶画面が表出するように配置されており、液晶画面に文字図形動画等を表示し、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。ランプ68は、
図1に示すように、上パネル12の周囲に設けられた電飾であって、透光性を有するランプカバーの内部に設けられたLEDや電球などの発光体の点滅によって、入賞等を報知するためのものである。
【0028】
擬似遊技結果表示部32は、前記液晶表示装置67の過気象画面の一部に設けられた表示部であって、後述する擬似遊技の結果を表示するためのものである。
(遊技制御装置21)
遊技制御装置21は、スタートスイッチ18及びストップスイッチ19の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、
図2に示すように、投入制御手段70、当選抽選手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、ホッパー制御手段110、ウエイトタイマー120、遊技操作部無効手段130、擬似遊技制御手段140の各手段を備えている。
【0029】
(投入制御手段70)
投入制御手段70は、遊技メダルの投入に関する制御を行うものである。すなわち、メダルセンサ15の検知信号及びベットスイッチ16の操作信号等に基づいて、ベット表示部30、クレジット表示部31の表示及びメダルキャンセル装置4Aの作動を制御するものである。
ここで、本実施の形態に係るスロットマシン10は、メダル投入口14から遊技メダルを投入することで、1回の遊技につき、最大3枚の遊技メダルをベットする(掛ける)ことができるように形成されている。なお、1回の遊技における最大掛け枚数(規定数)は、遊技状態に応じて変化するように形成してもよい。
【0030】
また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、あらかじめ定められた枚数(例えば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形成されている。この、クレジットされた遊技メダルの枚数は、クレジット表示部31に表示されるものとなっている。そして、クレジット表示部31にクレジットメダル数が表示されている場合には、メダル投入口14に遊技メダルを投入する代わりに、ベットスイッチ16を操作することにより遊技メダルのベットを行い、スタートスイッチ18を操作可能状態にすることができる。
【0031】
具体的には、投入制御手段70は、規定数が3枚の場合において、クレジット表示部31の表示が「0」の場合にメダル投入口14から遊技メダルが投入される(メダルセンサ15からの検知信号を受信する)と、最初の3枚までについてはベット表示部30にベット表示を行わせる。3枚を超えて投入した分については、クレジット表示部30bの表示を加算する。ベット表示部30にベット数が表示されていない状態でかつクレジット表示部31の表示が「3」以上の場合に、ベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部31の表示を「3」減算し、ベット表示部30に3枚のベット表示を行い、遊技メダルを3枚ベットした扱いとする。なお、クレジット表示部31の表示が「3」未満の場合にベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部31に表示されている分の遊技メダルをベットした扱いとする。また、規定数が3以下の場合には、ベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部31の表示を規定数の分だけ減算し、ベット表示部30に規定数のベット表示を行い、遊技メダルを規定数だけベットした扱いとする。
【0032】
また、クレジット表示部31の表示が「50」に達した場合には、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、メダルセレクター4の内部に残留している遊技メダル及びそれ以降メダル投入口14から投入されるメダルを、メダルセレクター4からキャンセルさせる。キャンセルされた遊技メダルは下皿に払い戻される。
なお、回転リール40の回転中や、ホッパーユニット65がメダルを払い出ししている最中などの所定の場合においては、投入制御手段70はベットスイッチ16の操作信号を受け付けないと同時に、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、遊技者によるベットを行わせない。また、後述するが、所定の場合には自動的にベットを行うようになっている。
【0033】
さらに、本実施の形態においては、前述したように、ベット表示部30として、本ベット表示部30aと擬似ベット表示部30bが設けられている。本ベット表示部30aは、
図1に示すように、ベットスイッチ16の近傍に設けられた3個の発光表示部であり、ベット数に応じてLEDなどの発光体が発光するようになっている。擬似ベット表示部30bは、図柄表示窓13の下方に設けられた3個の発光表示部であり、これもベット数に応じてLEDなどの発光体が発光するようになっている。そして、通常の遊技(ここでいう通常の遊技とは、後述する擬似遊技に該当しない遊技のことである)においては、メダル投入又はベットスイッチ16が操作された場合には、本ベット表示部30a及び擬似ベット表示部30bの双方にベット表示が行われる。一方、所定の場合に実行可能となる擬似遊技中においては、ベットスイッチ16が操作された場合には、擬似ベット表示部30bのみにベット表示が行われ、本ベット表示部30aにはベット表示が行われないとともに、クレジット表示部31の表示が減算されないようになっている。擬似遊技の詳細については後述する。
【0034】
なお、擬似ベット表示部30bは、いわばダミー表示部であるので、演出制御装置22の制御に基づいて表示が行われるようにしてもよい。
(当選抽選手段80)
当選抽選手段80は、複数の回転リール40で表示される図柄の組合せから構成される所定の「役」について当選したか否かを抽選により決定するものである。具体的には、乱数発生手段としてのループカウンタのカウント値をスタートスイッチ18の操作信号受信のタイミングで読み取って記憶し、ROMに記憶されている抽選テーブルと照合することにより、いずれかの役に当選したかあるいはいずれの役にも当選しなかった(ハズレた)かを判定する。
【0035】
ここで、本実施の形態に係るスロットマシン10は、前記役として、所定の図柄(例えばスイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄など)が有効ライン上に揃って停止することにより所定枚数の遊技メダルが払い出しされる小役(例えばスイカ役、ベル役、チェリー役など)と、所定の図柄(例えばリプレイ図柄)が有効ライン上に揃って停止することにより次遊技において遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、所定の図柄(例えば7図柄、Bar図柄など)が有効ライン上に揃って停止することによりボーナスゲームに移行するボーナス役とを備えている。前記ボーナス役としては、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に移行するRBゲーム役と、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)に移行するBBゲーム役とが設けられている。RBゲームは、小役の当選確率が高くなるよう設定されたゲーム期間であり、所定回数のゲーム消化又は所定回数の入賞により終了する。BBゲームは、RBゲームが連続して行われるように設定されたゲーム期間であり、払い出しメダル数が所定枚数を超えると終了する。
【0036】
なお、有効ラインとは、入賞、又は再遊技やボーナスが作動するために有効な図柄組合せの並びを規定したラインであって、特に図示しないが、図柄表示窓13の上段に位置する図柄を横一列に結ぶ上段ライン、図柄表示窓13の中央に位置する図柄を横一列に結ぶ中段ライン、図柄表示窓13の下段に位置する図柄を横一列に結ぶ下段ライン、図柄表示窓13の上段、中段、下段に位置する図柄を斜めに結ぶ斜めラインなどを設けることができ、遊技メダルの投入枚数や遊技状態に応じて有効となるラインの数や種類を変化させることができる。
【0037】
前記抽選テーブルとは、ループカウンタのカウント値を全領域として所定の数値領域を役に対応する当選領域に規定したものであり、特に図示しないが、スロットマシン10の出玉の設定ごとに、遊技状態に応じて設けられた複数の抽選テーブルが設けられている。そして、上述の当選判定を行う際には、スロットマシン10の設定値や遊技状態に対応した役抽選テーブルが参照されるものとなっている。具体的には、抽選テーブルとしては、通常のゲームの当選判定において参照される通常ゲーム用抽選テーブル、ボーナスゲームの当選判定において参照されるボーナス用抽選テーブル、及びボーナス役が持ち越されているゲーム(内部中ゲーム)の当選判定において参照されるボーナス内部中用抽選テーブルがあり、これらが設定ごとに設けられている。なお、設定が変わると抽選テーブルが変更され、当選確率が変化することにより結果として入賞によるメダル払い出し数が変わってくる。一般に、設定が高いほど、出玉が多くなるようになっている。
【0038】
前記通常ゲーム用抽選テーブルは、ボーナス役、小役、再遊技役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)で設定されているものであるが、本実施の形態においては、ボーナス役、小役の当選領域は通常ゲーム用抽選テーブルと同等であるが、通常ゲーム用抽選テーブルよりも再遊技役の当選領域が大きく(当選確率が高く)なるように設定された抽選テーブルが設けられている。この抽選テーブルを用いて役抽選が行われる遊技期間をリプレイタイム(以下RT)という。
ここで、RTは、再遊技役の当選確率が通常遊技状態と異なるように設定された、所定の開始契機該当により開始され所定の終了契機該当により終了する遊技期間の総称である。本実施の形態のように、再遊技役の当選確率が高く設定されたRTに移行すると、ベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなることから、一種の有利状態となる。本実施の形態においては、RTへの移行契機は、ボーナス役が当選した場合、ボーナスゲームが終了した場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示された場合のいずれかとすることができる。また、RTの終了契機は、ボーナス役が当選した場合、ボーナス役が表示された場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示された場合、所定回数の遊技が終了した場合のいずれかとすることができる。
【0039】
なお、再遊技役の当選確率がそれぞれ異なる複数のRT用の抽選テーブルを設け、複数種類のRTを実行可能な仕様にしてもよい。
また、当選抽選手段80は、いずれかの役に当選したと判定した場合、すなわち、読み取ったカウント値が抽選テーブルの所定の役の当選領域に含まれている場合には、当該役に対応した当選フラグを成立させる。当選フラグとしては、判定結果が小役当選である場合に成立する小役当選フラグ、前記判定結果がボーナス役当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BBフラグ、RBフラグ)、前記判定結果が再遊技役当選である場合に成立する再遊技当選フラグがある。小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、当該当選フラグが成立した遊技においてのみ有効であり、当該遊技が終了すれば消去(リセット)される。すなわち、小役及び再遊技役は、当選の権利を次遊技以降に持ち越すことができない。一方、ボーナス当選フラグは、当該ボーナス役を構成する図柄が有効ライン上に表示されるまで、次遊技以降に持ち越されるようになっている。
【0040】
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、有効なスタートスイッチ18の操作信号に基づいて回転リール40の回転を制御するとともに、役抽選の結果及びストップスイッチ19の操作信号に基づいて回転リール40の回転停止を制御するためのものである。そして、リール制御手段90は、特に図示しないが、回転開始制御手段及び回転停止制御手段を備えている。
回転開始制御手段は、回転リール40の回転の開始に関する制御を行うためのものである。具体的には、ベットがされている状態でスタートスイッチ18の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、リールユニット60のステッピングモータに駆動信号を出力しステッピングモータを駆動開始させることにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定速度に達すると、この所定速度で定速回転を行わせるものとなっている。
【0041】
回転停止制御手段は、ストップスイッチ19の操作が行われた際に、回転リール40の回転停止を制御するためのものである。具体的には、全ての回転リール40が定速回転をしている状態で、ストップスイッチ19の操作信号を入力した場合には、ストップスイッチ19に対応する回転リール40のステッピングモータに停止信号を出力しステッピングモータを駆動停止させることにより、ストップスイッチ19に対応する回転リール40の回転を停止させるものである。この際、当選抽選手段80の抽選結果に基づいて、対応する回転リール40を、あらかじめ定められたコマ数の範囲内におけるいずれの位置で停止させるかを決定するものとなっている。
【0042】
詳述すると、回転停止制御手段は、リールユニット60に設けられたインデックスセンサが回転リール40のスタートインデックスを検知した検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ19が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、例えば、5コマ)移動したときの図柄までの範囲で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、回転停止制御手段は、ストップスイッチ19が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数(5コマ)の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。
【0043】
そして、所定の役に係る当選フラグが成立している場合、すなわち、役抽選の結果が所定の役に当選している場合には、当選図柄の組合せが有効ライン上に停止するように、かつ、当選図柄以外の図柄は、有効ライン上に停止しないように、対応する回転リール40の停止位置を上述のあらかじめ定められたコマ数の範囲内で決定する。当選フラグが成立していない場合、すなわち、役抽選の結果がハズレの場合には、いずれの役を構成する図柄の組合せも有効ライン上に停止しないように、回転リール40を停止させる。
なお上記した停止制御は、ストップスイッチ19の操作タイミングに応じて図柄の停止位置をあらかじめ定めた停止テーブルを用いたものであってもよいし、所定図柄を所定位置に停止させてもよいか否かを判断するものでもよい。
【0044】
(遊技結果判定手段100)
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ19の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するとともに、判定結果に基づく処理を行わせるための決定をするものである。
具体的には、遊技結果判定手段100は、所定の役を構成する図柄が有効ライン上に表示された場合には、当該役に応じた利益付与の決定を行う。すなわち、小役図柄が有効ライン上に表示された場合には、役に応じた所定枚数のメダル払い出し決定を行い、リプレイ図柄が有効ライン上に表示された場合には、自動ベット決定を行い、ボーナス役図柄が有効ライン上に表示された場合には、遊技状態の移行決定を行う。さらに、演出制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、演出表示部66により、入賞やボーナスゲームへの移行に際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
【0045】
(ホッパー制御手段110)
ホッパー制御手段110は、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出しさせるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出しし、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(ウエイトタイマー120)
ウエイトタイマー120は、所定の遊技制限時間いわゆるウエイト時間を計測するためのタイムカウンタである。ここで、ウエイト時間は、遊技者が一定時間に過度のメダルを投入できないように、一回の遊技が終了した後であっても、所定の時間が経過していないと次遊技を行うことができないように設定された時間である。具体的には、1分間に使用される賭け金が400円を超えないこととする規則に基づき1ゲーム当たりの遊技時間を割り出したものであって、遊技開始から次の遊技開始までの間が4.1秒以上と規定されている。本実施の形態においては、回転リール40が回転開始してから4.1秒が経過するまでは、次の遊技でのスタートスイッチ18が有効化しない(回転リール40が回転開始しない。ただしベット後なら役抽選は行う)ようになっている。
【0046】
本実施の形態においては、ウエイトタイマー120は、スタートスイッチ18の操作信号受信を契機にタイムカウントを開始し、4.1秒のタイムカウントを終了したらカウンタをリセットするように形成されている。
(遊技操作無効手段130)
遊技操作無効手段130は、前記ウエイトタイマー120の時計測中、及び所定の遊技操作無効期間中は、遊技操作部の操作を無効にするためのものである。すなわち、遊技の進行状態に応じて、操作スイッチであるベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ18、ストップスイッチ19が無効状態となる(スイッチが効かない)ように制御するものである。
【0047】
ここで、遊技操作無効期間とは、前記ウエイト時間が経過している場合であっても、遊技操作が無効となる期間である。具体的には、ベットスイッチ16に関しては、ベット表示部30にベット表示がされている状態、回転リール40の回転中、及びホッパーユニット65の作動中は有効化しない。また、精算スイッチ17に関しては、回転リール40の回転中、及びホッパーユニット65の作動中は有効化しない。スタートスイッチ18に関しては、回転リール40の回転中はもちろんのこと、回転リール40が停止した後であっても、ホッパーユニット65がメダルを払い出し中である場合や、ベットがされていない場合には有効化しない。さらに、ストップスイッチ19に関しては、各回転リール40の停止中はもちろんのこと、回転リール40が回転開始した後においても、全ての回転リール40の回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール40に対応するインデックスセンサが最初にインデックスを検知するまでの間は有効化しない。
【0048】
遊技操作無効手段130は、上記した遊技操作無効期間中は、各操作スイッチに設けられている操作検知センサと制御装置20とをつなぐ電気的接続経路中設けられた信号遮断手段(図示せず)を作動させて、センサの検知信号を制御装置20に送信しないようにしている。信号遮断手段は、電気回路中に設けた論理回路手段やスイッチ手段であってもよいし、そのようなプログラムを制御装置20に組み込んだものであってもよい。そして、遊技操作無効期間が経過した場合には、信号遮断手段を非作動状態にして各操作スイッチの無効状態を解除する。
【0049】
なお、遊技操作部無効手段130は、以下に述べる擬似遊技制御手段140の制御に基づく擬似遊技が実行されている場合には、ウエイト時間が経過していなくても、遊技操作無効期間に該当しなければ、スタートスイッチ18及びストップスイッチ19の無効状態を解除するようになっている。
(擬似遊技制御手段140)
擬似遊技制御手段140は、遊技制限時間の経過前であっても、スタートスイッチ18の操作に基づき回転リール40を擬似的に回転させ、擬似的に回転している回転リール40をストップスイッチ19の操作に基づき擬似的に停止させることが可能であり、各回転リール40に表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には、遊技結果に応じた利益とは異なる擬似利益が付与されるように設定された「擬似遊技」を制御するものである。
【0050】
すなわち、擬似遊技は、前記ウエイトタイマー120が時計測中であっても、所定の条件下において、前記遊技操作無効手段130による遊技操作無効状態が解除されるものの、遊技の結果所定の役を構成する図柄組合せが表示されても、メダルの払い出しその他の役に応じた利益付与は行われず、その代わりに擬似利益が付与されるようにした遊技である。
そして、擬似遊技制御手段140は、
図2に示すように、擬似遊技タイマー141、擬似遊技実行手段142、及び擬似遊技結果出力手段143の各手段を備えている。
(擬似遊技タイマー141)
擬似遊技タイマー141は、遊技状態が所定の擬似遊技開始条件に該当することを契機に、あらかじめ定められた擬似遊技時間の時計測を開始し、所定の擬似遊技終了条件に該当した場合には時計測を終了するタイムカウンタである。
【0051】
本実施の形態においては、擬似遊技タイマー141は、スタートスイッチ18の操作時に、遊技制限時間(ウエイト時間)が経過していないことを条件にタイムカウントを開始し、あらかじめ定められた擬似遊技時間のタイムカウントを終了した場合にはカウンタをリセットする。なお、擬似遊技タイマー141の計測する時間は、例えば、1回の遊技を実行するのに必要と思われる標準的な時間(例えば3〜4秒)に設定されているが、この時間は、所定条件に応じて、延長又は短縮されるようになっている。
ここで、擬似遊技タイマー141のタイムカウント中は、以下に述べる擬似遊技実行手段142により所定の擬似遊技が実行されるものとなっているが、これは、擬似遊技タイマー141のタイムカウント中は、本来の遊技の進行が一時的にストップすることと同義である。従って、擬似遊技タイマー141は、スロットマシン10を、遊技の進行を一時停止させるいわゆるフリーズ状態とするためのフリーズタイマーとして機能するものであるということができる。そして、擬似遊技は、フリーズ期間中に行われる遊技者の遊技操作に基づく演出の一形態としてとらえることができるものである。
【0052】
(擬似遊技実行手段142)
擬似遊技実行手段142は、前記擬似遊技タイマー141のタイムカウント中、すなわち、本来の遊技の進行が一時停止している間、擬似遊技を行わせるためのものである。
具体的には、擬似遊技実行手段142は、前記擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始した場合には、前記遊技操作無効手段130によるスタート操作無効状態を解除させる。これにより、スタートスイッチ18の操作信号に基づくリールモータの駆動(リール制御手段90からの駆動信号出力)が開始され、回転リール40が回転開始する。なお、この場合の回転リール40の回転は、通常の遊技状態における回転リール40の回転、すなわち、所定の態様で停止させることにより入賞等の利益が付与されるものとは異なる擬似的な回転ということになる。また、回転リール40が擬似的に回転している場合において、前記遊技操作無効手段130が停止操作無効状態を解除した場合には、ストップスイッチ19の操作信号受信に基づき、リールモータの駆動が停止する。この場合の回転リール40の停止は、通常の遊技状態における回転リール40の停止、すなわち、所定の態様で停止させることにより入賞等の利益が付与されるものとは異なる擬似的な停止ということになる。
【0053】
また、擬似遊技実行手段142は、回転リール40が擬似的に回転している場合において、全ての回転リール40が回転停止しないうちに擬似遊技タイマー141がタイムカウントを終了した場合には、回転中の回転リール40を自動的に停止させるための自動停止信号をリール制御手段90に送出する。これにより、回転中の回転リール40がストップスイッチ19の操作によらず停止するようになっている。擬似遊技において回転リール40を停止させる際には、リール制御手段90には、通常の遊技において行われているのと同様の停止制御を行わせるようにしてもよいし、引き込みや蹴飛ばし等の制御を行わせず、ストップスイッチ19の押下タイミングのみに基づいて回転リール40を停止させるようにしてもよい。また、擬似遊技用の停止テーブルを用意してもよい。
【0054】
さらに、擬似遊技実行手段142は、全ての回転リール40が擬似的に停止した場合には、遊技結果判定手段100に擬似遊技結果の判定を行わせる。遊技結果判定手段100は、通常の遊技の場合と同様に、役を構成する図柄組合せが有効ライン上に表示されたか否かを判定する。この場合の有効ラインは、本来の有効ラインではなく、擬似遊技における擬似的有効ラインであるが、擬似遊技が実行されている期間において有効となる有効ラインと同様の設定とするのが好ましい。例えば、通常遊技(通常テーブルを用いて役抽選が行われる遊技)での有効ラインが上段、中段、下段、右上がりライン、右下がりラインの計5本であり、通常遊技中に擬似遊技が実行される場合には、5本の入賞ラインが擬似的有効ラインとなる。また、ボーナス(BB、RB)中の遊技での有効ラインが中段ライン1本であり、ボーナスゲーム中に擬似遊技が実行される場合には、中段ラインが擬似的有効ラインとなる。
【0055】
(擬似遊技結果出力手段143)
擬似遊技結果出力手段143は、擬似遊技において行われた遊技結果判定手段100の判定の結果、所定の役を構成する図柄組合せが擬似的有効ライン上に表示されたと判断された場合には、各表示態様に対応して設定された所定のポイント数を、擬似遊技結果として、演出制御装置22に出力するものである。
ここで、役を構成する図柄組合せには、通常の遊技における払い出しの配当やボーナスゲームへの移行や再遊技などの付与利益とは別に、擬似遊技における擬似利益のポイント数が設定されている。具体的には、小役を構成する図柄組合せには、例えばベル役には3点、チェリー役には15点のように、各小役の配当とは必ずしも一致しないポイント数が設定されている。これは、例えば、回転リール40上に表示されている図柄個数や配置によって、揃えやすい(回転リール40に表示されている図柄個数が多い、配置箇所が一カ所に集中している)役ついてはポイントを低く、揃えにくい(回転リール40に表示されている図柄個数が少ない、分散して配置されている)役についてはポイントを高く設定することができる。また、再遊技役には3ポイント、ボーナス役には30ポイントのように、メダル払い出しを伴わない役にも所定のポイント数が設定されている。なお、何の役をも構成しない図柄組合せには、ポイントは設定されていない(0ポイント)。
【0056】
そして、擬似遊技結果出力手段143は、擬似遊技の結果、いずれかの役を構成する図柄が擬似的有効ライン上に表示された場合には、表示された図柄組合せに対応するポイント数を記憶し、当該ポイント数に関する情報を演出制御装置22に出力する。演出制御装置22は、入力したポイント数に関する情報に基づき、液晶表示装置67の一部に設けられた擬似遊技結果表示部32の表示を変更する。本実施の形態では、出力された情報に基づくポイント数は一定期間累積され、所定の契機に、後述するアシストタイム(AT)の遊技回数として設定又は上乗せする扱いとなるように形成されている。つまり、擬似遊技では、演出制御装置22の制御に基づくATの有利度を左右する条件が擬似利益として付与されることとなる。
【0057】
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21から出力される信号を受信して、演出表示装置66の表示を制御するためのものである。そして、演出制御装置22は、
図2に示すように、AT制御手段150を少なくとも備えている。なお、演出制御装置22は、AT制御手段150の他に、演出の実行の有無や種類を決定するための実行演出決定や、決定した演出データに基づいて液晶表示装置67、ランプ68、スピーカ69の作動を制御するための手段などを備えているが、ここでは説明を省略する。
【0058】
(AT制御手段150)
AT制御手段150は、アシストタイム(AT)を制御するためのものである。すなわち、所定のAT開始条件(例えばBBゲーム終了など)に該当した場合にはATゲームを開始させるとともに、所定のAT終了条件(例えば所定の遊技回数、報知回数、入賞回数の消化や、特定当選役の当選又は入賞)に該当した場合には、ATゲームを終了させる。
ここで、ATとは、役抽選の結果に関する情報を遊技者に報知することにより、メダル獲得の可能性を高くする遊技であり、ストップスイッチ19の操作順番を報知するものや、指標図柄を報知するものがあるが、本実施の形態においては、そのいずれであってもよい。
【0059】
AT中に、ストップスイッチ19の操作順番を報知するいわゆる押し順ATを行わせる場合には、リール制御手段90は、停止データとして、特定の役が当選した場合においてストップスイッチ19が特定の操作順で操作された場合に前記特定の役を構成する図柄を有効ラインに引き込んで停止させるための停止データを備える。そして、AT制御手段150は、操作順の種類に応じた表示データを備え、遊技制御装置21から、特定の操作順が設定されている役が当選した信号を入力したときには、当該操作順に応じた表示データを選択し、例えば液晶表示装置67に表示させる。表示は、例えば、3個のストップスイッチ50のそれぞれの操作順を1、2、3の数字で表示するものや、最初に停止操作すべき停止ボタンを左、中、右などの文字で表示するものや、順押し、逆押しなどを矢印で表示するものであってもよい。また、操作順の報知は、液晶表示装置67を用いたものに限られず、例えば、各ストップスイッチ19の停止ボタンの内部に発光体を設け、停止ボタンの発光色を例えば赤から青に変化させることにより、操作すべきストップスイッチ19を報知するようにしてもよい。
【0060】
報知に従い、ストップスイッチ19が特定の操作順で操作された場合には、遊技者に有利な結果がもたらされる。例えば、入賞するか否かが操作順に依存する小役が当選しているときに当該小役が入賞する操作順が報知され、その操作順に従って遊技者がストップスイッチ19を操作した場合には、当該小役を(回転リール40の図柄配置によっては必ず)入賞させることができ、払い出し枚数の異なる小役が同時に当選しているときに払い出し枚数の多く設定された小役が入賞する操作順が報知され、その操作順に従って遊技者がストップスイッチ19を操作した場合には、払い出し枚数の多い小役を入賞させることができる。あるいは、重複入賞する小役と単独入賞しかしない小役が同時に当選しているときに重複入賞する小役が入賞する操作順が報知され、その操作順に従って遊技者がストップスイッチ19を操作した場合には、重複入賞させることにより多くのメダル獲得が可能となる。なお、報知が行われていない場合であっても、遊技者が上述したような有利な結果がもたらされる操作順でストップスイッチ19を操作した場合には、有利な結果を得ることができる場合があるが、報知が行われ、その報知に従うことにより、確実に有利な結果を得ることができるものとなる。
【0061】
指標図柄を報知するATを行わせる場合には、役として、例えば「白7・ベル・ベル」「赤7・ベル・ベル」「青7・ベル・ベル」の図柄組合せからなる小役を設け、「白7」「赤7」「青7」は左リール41において同時に狙えない位置に配置する。そして、AT制御手段150は、当選している小役に応じて「白7」「赤7」「青7」のいずれかを、例えば液晶表示装置67に表示させる。報知に従い、それぞれの図柄を狙ってストップスイッチ19を操作することにより、効率よく、小役を入賞させることができる。
そして、AT制御手段150は、
図2に示すように、実行抽選手段151及び回数決定手段152を少なくとも備えている。
【0062】
実行抽選手段151は、ATを実行するか否か及びATに移行する時期及び態様を抽選により決定するためのものである。具体的には、実行抽選手段151は、遊技中の所定契機にAT実行の有無を決定し、実行が決定された場合には、ATの実行時期及び実行態様を決定する。遊技中の所定契機とは、実行時期は、ATの開始時期、終了時期などであり、実行態様は、報知の実行回数、遊技回数、報知の頻度、信頼度などである。
なお、実行抽選を遊技制御装置21で行い、その結果に基づいてATを開始するようにしてもよい。
【0063】
回数決定手段152は、擬似遊技結果出力手段143の出力信号に基づく擬似遊技の遊技結果に基づいて、実行が決定されたATの遊技回数又は報知回数を決定するためのものである。具体的には、回数決定手段152は、擬似遊技結果出力手段143から入力した情報に基づくポイント数を累積加算して記憶するとともに、当該数値を擬似遊技結果表示部32に表示させる。
ここで、ポイント数のAT回数への反映のさせ方としては、A.あらかじめ設定されている回数にポイント数を上乗せする方法と、B.ポイント数をそのままAT回数とする方法があるが、そのいずれであってもよい。後者の場合には、ポイント数が一定以上累積された場合に実行抽選が行われるようにすることができる。
【0064】
上記Aの場合、回数決定手段152は、ATが開始されるときに、擬似遊技結果表示部32に表示されている数値をATの遊技回数又は報知回数に加算して、当該回数をAT回数として決定する。また、上記Bの場合には、ATが開始されるときに、擬似遊技結果表示部32に表示されている数値をAT回数として決定する。そして、ATの終了時には、記憶しているポイント数をリセットし、擬似遊技結果表示部32の表示をゼロにする。擬似遊技結果表示部32をそのままATカウンタとして機能させ、ATが実行されるごとに数値を減算表示させるようにしてもよい。
【0065】
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動について、
図3乃至
図7のフローに基づき説明する。
まず、
図3に示すステップ100において、1回の遊技に投入すべき規定数のメダルの投入動作がなされたか(メダルセンサ15がメダルを検知したか又はベットスイッチ16が操作されたか、又は再遊技による自動ベットがされたか)否かが判断される。規定数のメダルの投入動作がされない場合にはステップ100に戻り、投入動作がされた場合には、次のステップ101に進む。
【0066】
ステップ101において、投入制御手段70によりベット処理が行われる。すなわち、本ベット表示部30a及び擬似ベット表示部30bにベット数が表示され、クレジット表示部31の減算表示が行われる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONにならない場合には、ステップ102に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ103に進む。
ステップ103において、当選抽選手段80により抽選処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
【0067】
ステップ104において、ウエイト時間が経過しているか否か、すなわちウエイトタイマー120がタイムカウントを終了しているか否かが判断される。ウエイト時間が経過していない場合には、次のステップ105において擬似遊技実行処理が行われる。一方、ウエイト時間が経過している場合には、ステップ105を飛び越してステップ106に進む。
ステップ106において、ウエイトタイマー120がタイムカウントを開始し、次のステップ107において、リール回転開始処理が行われる。また、次のステップ108において、リール回転停止処理が行われる。そして、次のステップ109において、遊技結果判定手段100により遊技結果の判定が行われる。
【0068】
ステップ110において、遊技結果に応じた処理が行われる。例えば小役が入賞した場合にはメダルが払い出しされ、再遊技役が表示された場合には次遊技における自動ベットが決定され、ボーナス役が表示された場合にはボーナスゲームへの移行が決定される。なお、遊技結果が小役入賞でも再遊技でもボーナスでもない場合には、上記した各処理を行わない決定がされる。そして次のステップ111に進む。
ステップ111において、ベット消化処理が行われる。すなわち、投入された規定数のメダルを使用して遊技が実行されたものとして、本ベット表示部30a及び擬似ベット表示部30bに表示されているベット表示をリセット(具体的には発光表示の消灯)する。そして、1回の遊技を終了する。
【0069】
次に、前記ステップ107のリール回転開始処理について、
図4のフローに基づき説明する。
まず、
図4のステップ200において、全てのリールモータに駆動開始信号が出力される。これにより全てのリールモータが駆動して回転リール40が回転開始する。そして、次のステップ201に進む。
ステップ201において、全ての回転リール40が定常回転に達したか否かが判断される。全ての回転リール40が定常回転に達した場合には、次のステップ202に進み、全ての回転リール40についてスタートインデックスが検知されたか、すなわち、図柄位置の判定が可能となったか否かが判断される。全ての回転リール40についてスタートインデックスが検知された場合には、次のステップ203において、停止操作の無効状態が解除される。そして、リール回転開始処理を終了する。
【0070】
図3のステップ108のリール回転停止処理について、
図5のフローに基づき説明する。
図5のステップ300において、いずれかのストップスイッチ19がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ19がONとなった場合には、次のステップ301に進み、ストップスイッチ19の操作タイミングと停止テーブルに基づいて、停止操作された回転リール40の停止位置の特定を行う。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、回転リール40が停止位置まで回転したか否かが判断され、回転リール40が停止位置まで回転した場合には、次のステップ303において、操作されたストップスイッチ19に対応する回転リール40のリールモータに停止信号が出力される。これにより、停止操作に係るリールモータの駆動が停止しその回転リール40が回転停止する。そして、次のステップ304において、操作されたストップスイッチ19を操作無効状態とする。そして、次のステップ305に進む。
【0071】
ステップ305において、全ての回転リール40が停止したか否かが判断され、全ての回転リール40が停止していない場合、すなわち回転中の回転リール40がある場合にはステップ300に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、リール回転停止処理を終了する。
(擬似遊技実行処理)
ここで、
図3のステップ105における擬似遊技実行処理を、
図6のフローに基づき説明する。
【0072】
まず、
図6のステップ400において、擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始する。そして、次のステップ401に進む。
ステップ401において、リール回転開始処理が行われる。リール回転開始処理は、プログラムの実行としては、
図4のフローに示したものと同様である。ただし、ここでの回転リール40の回転は、擬似的な回転として位置づけられるものである。そして、次のステップ402に進む。
ステップ402において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか、すなわちタイムカウントを終了したか否かが判断され、擬似遊技タイマー141がタイムアップしていない場合には次のステップ403に進む。
【0073】
ステップ403において、いずれかのストップスイッチ19がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ19がONにならない場合にはステップ402に戻り、ストップスイッチ19がONとなった場合には、次のステップ404に進む。
ステップ404において、擬似遊技タイマー141がタイマーを更新する。すなわち、タイムカウントすべき数値を新たに設定された所定値に変更して、擬似遊技時間として設定された時間を延長する。例えば、初期値から減算してタイムカウントを行う場合には、残りカウント数をリセットして新規に所定の数値を設定するか、又は残りカウント数に所定の数値を加算する。また、初期値に加算してタイムカウントを行う場合には、終了値として設定されている数値を新規の数値に変更する。延長される時間は、例えば1回の停止操作に要する標準的な時間(1秒など)とすることかできる。そして、次のステップ405に進む。
【0074】
ステップ405において、停止信号が出力されるとともに、停止信号が出力されたストップスイッチ19の停止操作が無効にされる。これにより、停止操作に係るリールモータの駆動が停止し回転リール40が回転停止する。リールモータの駆動停止は、プログラムの実行としては、通常の遊技において行われるものと同様であるが、ここでの回転リール40の停止は、擬似的な停止として位置づけられるものである。またここで、停止信号の出力は、ストップスイッチ19の操作信号を受信してから、回転リール40に表示されている図柄が有効ライン上に位置するように、1コマ分の範囲内で出力タイミングが調整されるが、コマを滑らせる引き込み又は蹴飛ばし制御は行われない。すなわち、役抽選の結果にかかわらず、停止操作のタイミングに応じて、狙った図柄を停止させることが可能である。そして、次のステップ406に進む。
【0075】
ステップ406において、全ての回転リール40が停止したか否かが判断され、全ての回転リール40が停止していない場合にはステップ402に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、次のステップ407に進む。
ステップ407において、遊技結果判定手段100により遊技結果の判定が行われる。遊技結果の判定処理は、プログラムの実行としては、通常の遊技において行われているものと同様であるが、ここでの判定は、擬似遊技の結果として位置づけられるものである。そして、次のステップ408に進む。
【0076】
ステップ408において、遊技結果出力手段143が遊技結果の判定に基づくポイント数に関する情報を演出制御装置22に出力する。これにより、所定の役を構成する図柄組合せが表示されている場合には所定のポイント数が、そうでない場合には0ポイントが、擬似遊技結果表示部32に加算される。そして、ステップ413に進む。
前記ステップ402において、擬似遊技タイマー141がタイムアップした場合には、ステップ410に進み、すでに停止している回転リール40があるか否かが判断される。停止リールの有無は、停止操作が無効にされているストップスイッチ19の有無により判断可能である。すでに停止している回転リール40がある場合には、次のステップ411に進む。
【0077】
ステップ411において、回転中の回転リール40を自動停止させる。具体的には、擬似遊技タイマー141のタイムアップ後、全てのリールモータに停止信号が出力される。これにより、全てのリールモータの駆動が停止し全ての回転リール40が回転停止する。そして、ステップ412に進む。
ステップ412において、擬似ベット消化処理が行われる。擬似ベット消化とは、ベットが擬似的に消化されたことを表示する処理、すなわち擬似遊技が終了したことを擬似的に表示する処理であり、具体的には、本ベット表示部30aのベット表示はリセットせずに、擬似ベット表示部30bのベット表示のみをリセット(具体的には発光表示の消灯)することである。そして、次のステップ413に進む。
【0078】
ステップ413において、前記ステップ404において更新されたタイマーがタイムアップしたか否かが判断される。タイムアップしていない場合には次のステップ414に進む。
ステップ414において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。ここで、本来的にはステップ412で擬似遊技は終了しているのであるが、本実施の形態においては、擬似遊技の終了と、通常の遊技との開始を自然な形でつなぐために、このステップを設けている。なお、ここでは、ベットスイッチ16の操作の有無は判断されない。ベットスイッチ16が操作されても、ベット表示部30の表示は変化しない。つまり、本ベット表示部30aの表示も、擬似ベット表示部30bの表示も、擬似ベット消化がされたときと同じである。これは、遊技終了後、ベットなしでスタート操作により回転リール40が回転開始する流れは、再遊技の場合と同様であるため、スタート操作無しで回転リール40が回転開始するよりは遊技者が感じる違和感が少ないと考えられることにもとづく。なお、ステップ404のタイマー更新において、ストップスイッチ19の操作が最終停止である場合には、回転リール40を停止させ、擬似遊技判定を行い、結果を出力させる等の処理を実行可能な時間に、スタート操作が可能な時間をプラスした時間を設定するのが好適である。スタートスイッチ18がONにならない場合にはステップ413に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ415に進む。
【0079】
ステップ415において、タイマーがリセットされる。すなわち、タイムアップしていなくてもタイムカウントを初期値に戻し、擬似遊技時間を短縮させる。そして、次のステップ416に進む。
ステップ416において、擬似ベット消化がリセットされる。具体的には、ステップ412で行われた擬似ベット消化の表示が元に戻される。すなわち、擬似ベット表示部30bが点灯してベットが消化されていない状態に戻る。そして、次のステップ417に進む。
前記ステップ413においてタイムアップした場合には、ステップ414、415を飛び越してステップ416に進む。すなわち、実質的な擬似遊技が終了した後、何も遊技操作を行わなくても、擬似遊技の終了表示(擬似ベット消化のリセット)が行われ、その後自動的に回転リール40が回転開始する(
図3のステップ106、107)。
【0080】
一方、前記ステップ410において、すでに停止している回転リール40がない場合、すなわち、擬似遊技に移行したものの、全く停止操作が行われることなく擬似遊技時間が経過した場合には、そのままステップ417に進む。
ステップ417において、ウエイト時間が経過しているか否かが判断され、ウエイト時間が経過している場合には擬似遊技実行処理を終了する。
なお、全く停止操作が行われることなく擬似遊技時間が経過した場合には、回転リール40が回転したままの状態で、
図3のステップ106でウエイトタイマーがスタートし、ステップ107でリール回転開始処理が行われるが、リール回転開始処理では、ステップ200はすでに実行されているので省略され、ステップ201はYesと判断し、ステップ202でインデックスが検知されたら次のステップ203に進む流れとなる。
【0081】
なお、擬似ベット消化のリセットを、ステップ412の擬似ベット消化の後に行うようにしてもよい。このように形成した場合には、再遊技時の自動ベットと同様の表示態様となり、より違和感なく、その後の遊技を進めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、スタートスイッチ18の操作時にウエイト時間が経過していない場合には擬似遊技に移行し、通常の遊技と同様の手順で遊技操作を行って擬似遊技を実行することができる。このため、遊技を行っている遊技者は、あたかもウエイト時間が無いような感覚で遊技操作を継続することが可能となる。本実施の形態は、擬似遊技が1回だけ行われる仕様としてあるが、擬似遊技を行うことにより残りウエイト時間が短くなるかあるいは無くなるので、ウエイト時間が経過して回転リール40が回転開始するまでの待ち時間が少なくなるかあるいは無くなるという一定の効果を得られる。そして、擬似遊技に移行しても、停止操作が行われない場合には、回転リール40を回転させたまま通常の遊技に戻り、停止操作を行って遊技結果が出た場合には、擬似遊技時間の経過、又は擬似遊技時間内でのスタートスイッチ18の操作を条件に、通常の遊技に戻るようにしてあるので、ごく自然な形で擬似遊技から通常の遊技に移行させることができ、かつ、遊技者に不要な操作を強要することもない。さらに、回転リール40の一部が停止している状態で擬似遊技時間が経過した場合には、回転中の回転リール40を自動停止させることにより、本来の遊技への迅速な復帰を図ることができる。
【0082】
ここで、擬似遊技に移行した場合には、当該遊技状態が擬似遊技である旨を、例えば液晶表示装置67に表示される画像やスピーカ69から出力される音声によって、遊技者に報知するのが好ましい。
また、上記した例では、回転リール40を停止させる際、引き込みや蹴飛ばし制御を行わないようにしてあるが、通常の遊技と同様の停止制御、又は擬似遊技用の停止制御を行うようにしてもよい。この際使用する停止テーブルは、通常の遊技での抽選結果(
図3のステップ103における役抽選の抽選結果)に対応したもの、あるいは擬似遊技専用のものとすることができる。あるいは、最初の停止操作については停止引き込みや蹴飛ばし制御を行わず、二番目、三番目の停止操作において、最初に停止した回転リール40の図柄のうち有効ライン上に停止した図柄を引き込む制御を行うようにしてもよい。
【0083】
なお、上記フローでは、回転リール40が自動停止した場合には擬似遊技結果の判定が行われないように形成してあるが、回転リール40が自動停止した場合にも擬似遊技結果の判定が行われるようにしてもよい。
また、上記フローでは、停止操作のたびにタイマーが更新(擬似遊技時間が延長)されるようになっているが、タイマーの更新は最初の停止操作時のみに行うようにしてもよい。また、実質的な擬似遊技が終了した場合、例えばステップ412の後に、擬似遊技タイマー141をリセットし、そのままステップ416に進む流れとしてもよい。
【0084】
また、上記フローでは、ステップ412の擬似ベット消化後、本来の遊技へのつなぎ処理としてスタートスイッチ18の操作の有無を判定するようにしているが、ステップ4143とステップ414の間でベットスイッチ16の操作の有無を判定するようにしてもよい。つまり、ベットスイッチ16の操作後、スタートスイッチ18が操作されることにより、擬似遊技実行処理が終了するようにしてもよい。この場合には、ベットスイッチ16の操作時に擬似ベット表示部30bが再点灯する(つまり擬似ベット消化がリセットされる)ものとなる。
【0085】
さらに、上記フローでは擬似ベット消化を擬似遊技の終了時に行うようにしているが、擬似遊技の開始時、つまりステップ400の次に行うようにしてもよい。このようにすると、擬似遊技の開始時に擬似ベット表示部30bが消灯することにより、擬似遊技の開始が分かりやすくなるという効果がある。
(変形例1)
上記した例は、ウエイト時間が経過していない場合に、擬似遊技が1回だけ行われる用に形成してあったが、複数回の擬似遊技を実行可能としてもよい。
【0086】
具体的には、
図6のステップ412で擬似ベット消化が行われた後の流れを、
図7のフローに示す。
図7のステップ420において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていない場合には、次のステップ421に進む。
ステップ421において、ベットスイッチ16がONとなったか否かが判断され、ベットスイッチ16がONにならない場合にはステップ420に戻り、ベットスイッチ16がONとなった場合には、次のステップ422に進む。なお、本実施の形態では、擬似遊技に移行した時点ですでに本来のベットがされているので、メダルキャンセル装置4Aが作動しており、メダル投入口14からメダルを投入してもキャンセルされて下皿に払い戻される。
【0087】
ステップ422において擬似ベット処理が行われるとともに、タイマーの更新が行われる。ここで、擬似ベット処理とは、擬似的にベットがされたことを表示する処理であり、具体的には、クレジット表示部31及び本ベット表示部30aのベット表示はそのままに、ステップ415において表示がリセット(消灯)された擬似ベット表示部30bにベット表示(点灯)を行わせることである。そして次のステップ423に進む。
ステップ423において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていない場合には、次のステップ424に進む。
【0088】
ステップ424において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONにならない場合にはステップ423に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ425に進む。
ステップ425においてタイマーが更新され、次のステップ426に進む。
ステップ426では、リール回転開始から擬似遊技結果の出力までの一連の制御が行われる。すなわち、
図6のステップ401〜408の処理が行われる。ここで、本ステップにおける処理中、回転リール40が全て擬似回転中に擬似遊技時間が経過した場合には、そのまま
図6のステップ417に進むこととなり、回転リール40が自動停止した場合には
図7のステップ428に進むこととなる。それ以外の場合には、次のステップ427に進む。
【0089】
ステップ427において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていない場合には、ステップ421に戻る。タイムアップした場合のステップ428以降の流れは、
図6のステップ412〜417と同様であるので省略する。
前記ステップ420でタイムアップした場合、すなわち1回の擬似遊技が終了してからベットスイッチ16が操作されないまま擬似遊技時間が経過した場合には、ステップ429に進み、前記ステップ423でタイムアップした場合、すなわち1回の擬似遊技が終了してからベットスイッチ16を操作したものの、スタートスイッチ18を操作する前に擬似遊技時間が経過した場合には、ステップ428に進む。
【0090】
以上のように形成すると、擬似遊技が終了しても、擬似遊技時間が残っている場合には続けて擬似遊技を行うことかでき、さらに遊技操作のたびにタイマーが更新されて擬似遊技時間が延長されるので、素早く遊技操作を行うことにより、複数回の擬似遊技を実行可能となり、多くの擬似利益を得ることができるようになる。
なお、第一の実施の形態及び変形例1では、全ての回転リール40が擬似回転しているときに擬似遊技時間が経過した場合には、自動停止をさせずにそのまま通常の遊技に戻すようにしてあったが、回転リール40の擬似回転中にタイムアップした場合には、停止リールの有無にかかわらず、自動停止させるようにしてもよい。この場合に、自動停止での擬似遊技結果判定に基づき、擬似利益を付与するようにしてもよい。このことは、以下に述べる変形例2及び第二の実施の形態においても同様である。
【0091】
また、上記した変形例1においては、擬似遊技に移行する前に、本遊技での役抽選結果を記憶しておき、擬似遊技中に、スタートスイッチ18の操作信号受信を契機に役抽選(擬似抽選)を行うようにしてもよい。擬似遊技においては、擬似遊技用の役抽選テーブルを用いて抽選を行うようにしてもよい。このように形成した場合には、擬似抽選の結果に基づいて、回転リール40の停止時に、当選図柄の引き込みやハズレ図柄の蹴飛ばし等の停止制御を行うようにすることができる。このことは、以下に述べる変形例2及び第二の実施の形態においても同様である。
【0092】
ところで、上記した第一の実施の形態及び変形例1では、擬似回転中の回転リール40がある場合に擬似遊技時間が経過した場合には、回転している回転リール40を自動停止させるように形成してあったが、逆に、停止している回転リール40を再回転させるようにしてもよい。具体的には、
図6のステップ411で停止している回転リール40に駆動信号を出力して回転開始させ、ステップ417に進む流れとする。すなわち、擬似遊技において全ての回転リール40を擬似停止させる前に擬似遊技時間が経過すると、すでに停止している回転リール40が回転開始し、擬似遊技に移行する前の状態(スタート操作終了後)に戻ることになる。このように形成した場合には、多少の違和感は残るものの、停止操作の無効が解除されるところから本遊技が再開されるので、停止操作のやり直しができると考えれば、ウエイト時間中無為な時間を過ごすよりはましであるといえる。
【0093】
(変形例2)
上記した第一の実施の形態及び変形例1では、スタートスイッチ18の操作時にウエイト時間が経過していない場合に擬似遊技に移行させるものであったが、遊技開始時にウエイト時間が経過していない場合に擬似遊技に移行させるもう一つのパターンとして、ベット操作時にウエイト時間が経過していない場合に擬似遊技に移行させるものがある。以下、その例について、
図8及び
図9のフローに基づき説明する。
なお、この変形例2では、擬似遊技タイマー141は、メダル投入時又はベットスイッチ18の操作時に、遊技制限時間(ウエイト時間)が経過していないことを条件にタイムカウントを開始し、あらかじめ定められた擬似遊技時間のタイムカウントを終了した場合にはカウンタをリセットするようになっている。
【0094】
(スロットマシン10の作動)
まず、スロットマシン10の作動の概略を
図8に基づき説明する。
図8のステップ120において、規定数のメダルの投入動作がなされたか否かが判断される。規定数のメダルの投入動作がされない場合にはステップ120に戻り、投入動作がされた場合には、次のステップ121に進む。
ステップ121において、ウエイト時間が経過しているか否か、すなわちウエイトタイマー120がタイムカウントを終了しているか否かが判断される。ウエイト時間が経過していない場合には、次のステップ122において擬似遊技実行処理が行われる。一方、ウエイト時間が経過している場合には、ステップ122を飛び越してステップ123に進む。
【0095】
ステップ123において、ベット処理が行われる。そして、次のステップ124に進む。
ステップ124において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONにならない場合には、ステップ124に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ125に進む。
ステップ125において、抽選処理が行われる。そして、次のステップ126に進む。
ステップ126以降の流れは、
図3のステップ106以降の流れと同様であるので、説明を省略する。
【0096】
(擬似遊技実行処理)
前記ステップ122の擬似遊技実行処理について、
図9に基づき説明する。
まず、
図9のステップ450において、擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始する。そして、次のステップ451に進み、擬似ベット処理が行われる。そして、次のステップ452に進む。
ステップ452において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、擬似遊技タイマー141がタイムアップしていない場合には次のステップ453に進む。
【0097】
ステップ453において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONにならない場合にはステップ452に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ454に進む。
ステップ454において擬似遊技タイマー141が更新され、次のステップ455において、リール回転開始から擬似ベット消化までの一連の制御が行われる。すなわち、
図6のステップ401〜412の処理が行われる。ここで、本ステップにおける処理中、回転リール40が全て擬似回転中に擬似遊技時間が経過した場合には、そのまま
図9のステップ460に進むこととなり、回転リール40が自動停止した場合には
図9のステップ459に進むこととなる。それ以外の場合には、次のステップ456に進む。
【0098】
ステップ456において、ベットスイッチ16がONとなったか否かが判断される。なお、変形例1と同様に、擬似遊技に移行した時点ですでに本来のベットがされているので、擬似遊技中はメダル投入口14からメダルを投入してもキャンセルされる。ベットスイッチ16がONとなった場合には、ステップ457に進み、擬似遊技タイマー141が更新される。そして、ステップ451に戻る。一方、ベットスイッチ16がONにならない場合には、次のステップ458に進み、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断される。タイムアップしていない場合にはステップ456に戻り、タイムアップした場合には次のステップ459に進む。
【0099】
前記ステップ452において擬似遊技タイマー141がタイムアップした場合、すなわち擬似遊技に移行したものの、スタートスイッチ18が操作されないまま擬似遊技時間が終了した場合にも、ステップ459に進む。
ステップ459において、擬似ベット消化がリセットされる。そして、次のステップ460に進み、ウエイト時間が経過しているか否かが判断され、ウエイト時間が経過している場合には擬似遊技実行処理を終了する。
このように形成した場合にも、上記した第一の実施の形態及び変形例1と同様の効果を奏するものである。
【0100】
なお、上記した変形例2は、ベット時にウエイト時間が経過していない場合に擬似遊技に移行させるものであったが、ベット処理時にウエイト時間が経過していない場合に擬似遊技に移行させるようにしてもよい。すなわち、
図8のステップ120とステップ121の間でベット処理を行い、本ベット表示部31a及び擬似ベット表示部31bにベット表示を行わせるとともにクレジット表示部31の減算表示を行った後で、擬似遊技実行処理に移行する。このように形成した場合には、
図9のステップ450で擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始した後、擬似ベット処理を行わずステップ452に進み、ステップ456でベットスイッチが操作された場合には、ステップ457でタイマー更新を行うとともに擬似ベット処理が行われ、ステップ452に進む流れとなる。また、ステップ452でタイムアップした場合には、そのままステップ460に進むこととなる。
【0101】
(変形例3)
ここで、特に図示しないが、その遊技でウエイトが発生するか否かをベット時に判断することにより、擬似遊技の実効の有無を決定するように形成してもよい。
すなわち、ベット時において、ウエイト時間が経過てしいるか否か、あるいは、ウエイト時間から所定の遊技操作時間、具体的にはスタートスイッチ18を操作するのに最低限必要な時間(例えば0.3秒)をウエイト時間(4.1秒)から差し引いた時間(3.8秒)が経過しているか否かを判断する。そして、それらの時間の経過前であれば、擬似遊技の実行を決定し、それらの時間が経過している場合には、擬似遊技を実行しない決定をする。
【0102】
そして、擬似遊技の実行が決定された場合には、本ベット表示部30a及び擬似ベット表示部30bを点灯して擬似ベット処理を行い、擬似遊技を実行しないことが決定された場合には、本ベット表示部30aのみを点灯してベット処理を行うようにすることができる。つまり、擬似ベット表示部30bは、擬似遊技においてのみ表示されるようにしてもよいものである。擬似遊技が終了した場合には、擬似ベット表示部30bは消灯し、本ベット表示部30aのみが点灯した状態となる。このように形成した場合には、これから開始される遊技は本来の遊技なのか擬似遊技なのかを、ベット表示によって一目で見分けることができるという利点がある。上記した変形例2においても、同様に形成することができる。
【0103】
(第二の実施の形態)
次に、第二の実施の形態について、
図10及び
図11に基づき説明する。
第二の実施の形態は、ウエイト時間の経過の有無にかかわらず、1回の遊技ごとに、擬似遊技を行わせるようにしたものである。なお、スロットマシン10の基本的構成は、第一の実施の形態と同様であるので説明を省略し、本実施の形態の特徴点のみ述べる。
(擬似遊技タイマー141)
第二の実施の形態における擬似遊技タイマー141は、1回の遊技の終了、すなわち、入賞によるメダル払い出しがある場合には払い出し終了、払い出しがない場合には全ての回転リール40の回転停止を契機にタイムカウントを開始し、あらかじめ定められた擬似遊技時間のタイムカウントを終了した場合にはカウンタをリセットする。また、第一の実施の形態と同様、擬似遊技時間を延長又は短縮することもできる。
【0104】
また、本実施の形態では、擬似遊技が行われる特定の遊技期間が設定されており、擬似遊技タイマー141は特定の遊技期間のみ作動するようになっている。本実施の形態では、擬似遊技タイマー141はRT中において作動する。すなわち、擬似遊技はRT中に行われるものとなる。なお、RTへの移行が決定された場合に、当該RTを擬似遊技実行期間とするか否かの抽選を行い、その結果に基づいて擬似遊技タイマー141を作動させるようにしてもよい。
(スロットマシン10の作動)
次に、スロットマシン10の作動について、
図10及び
図11のフローに基づき説明する。
【0105】
ここで、
図10のステップ500〜503までは、
図3のステップ100〜103と同様であるので説明を省略する。
ステップ504において、ウエイト時間が経過している場合には、ステップ505に進み、ウエイトタイマー120がタイムカウントを開始する。そして、次のステップ506において、リール回転開始処理が行われる。また、次のステップ507において、リール回転停止処理が行われ、次のステップ508において、遊技結果判定手段100により遊技結果の判定が行われる。そして、ステップ509において、遊技結果に応じた処理が行われた後、ステップ510においてベット消化が行われ、ステップ511において擬似遊技実行処理が行われる。そして遊技を終了する。
【0106】
(擬似遊技実行処理)
前記ステップ511の擬似遊技実行処理について、
図11のフローに基づき説明する。
まず、
図11のステップ600において、擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始する。そして、次のステップ601に進む。
ステップ601において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていない場合には、次のステップ602に進む。
ステップ602において、ベットスイッチ16がONとなったか否かが判断される。ベットスイッチ16がONにならない場合にはステップ601に戻り、ベットスイッチ16がONとなった場合には、次のステップ603に進む。
【0107】
ステップ603において、タイマーが更新されるとともに、擬似ベット処理が行われる。ここでの擬似ベット処理は、本ベット表示部30aは消灯したまま、クレジット表示部31の表示は減算表示しないまま、擬似ベット表示部30bを点灯させるものである。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていない場合には、次のステップ605に進む。
ステップ605において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断され、スタートスイッチ18がONにならない場合にはステップ604に戻る。スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ606に進む。
【0108】
ステップ606においてタイマーが更新され、次のステップ607に進む。
ステップ607において、リール回転開始から擬似ベット消化までの一連の制御(
図6のステップ401からステップ412)が行われる。ここで、本ステップにおける処理中、回転リール40が擬似回転中に擬似遊技時間が経過した場合には、停止リールの有無にかかわらず、回転中の回転リール40を自動停止させ、処理を終了することとなる。それ以外の場合には、次のステップ608に進む。
ステップ608において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか否かが判断され、タイムアップしていない場合にはステップ602に戻る。タイムアップした場合には、擬似遊技実行処理を終了する。
【0109】
前記ステップ604において、擬似遊技タイマー141がタイムアップした場合、すなわち、擬似ベット処理が行われた後、スタートスイッチ18が操作されないまま擬似遊技時間が経過した場合、及び前記ステップ601において擬似遊技タイマー141がタイムアップした場合、すなわち、擬似遊技に移行したものの何らの遊技操作も行われなかった場合にも、擬似遊技実行処理を終了する。
なお、本実施の形態では、擬似ベット消化の段階で、ベット表示部30の表示は元の状態、すなわちベットされていない状態に戻るため、第一の実施の形態における擬似ベット消化のリセット(ベットされている状態に戻す)のステップはない。
【0110】
本実施の形態によれば、1回の遊技ごとに擬似遊技が行われる遊技期間を設け、その期間を、ベットが必要ない再遊技が行われる回数が多いために、ウエイト時間が残りやすく遊技操作のテンポが崩れやすいRTの期間と重複させたことにより、RT中においても通常時と同じようなペースで遊技操作を行うことができる。
また、本実施の形態においても、ウエイト時間が残っている場合に擬似遊技に移行するように形成してもよい。この場合には、
図8のステップ510の後にウエイト時間が経過したか否かの判断を行い、ウエイト時間が経過していない場合には擬似遊技実行処理に進み、ウエイト時間が経過している場合にはそのままエンドとなるようにすればよい。
【0111】
また、本実施の形態では、擬似遊技が行われる特定の期間をRT中としてあったが、特定の期間はこれに限定されるものではなく、また特定の期間を設けずに常時擬似遊技を実行可能にしてもよい。この場合には、1回の遊技終了後にウエイト時間が残っている場合に擬似遊技に移行する設定とするのが好適である。
(総括)
以上のように、本発明の実施の形態によれば、ウエイト時間が無いように見せることができ、テンポ良く遊技を行うことができる。また、擬似遊技結果をAT回数に反映させることにより新たな遊技性が生まれ、遊技意欲を刺激するものである。
【0112】
なお、擬似利益は、ATなどの有利遊技の実行契機や有利遊技回数への上乗せに限られず、例えば、擬似遊技で所定の役を構成する図柄組合せが表示されたときや、ポイントが所定数貯まった場合には、通常の遊技では行われないプレミア演出が実行されるようにしたり、店から何か景品がもらえるなどの利益としてもよい。あるいは、擬似遊技の遊技結果を本来の遊技結果とリンクさせるようにしてもよい。例えば、擬似遊技に移行する直前の本遊技での停止出目を擬似遊技において再現した場合には役を構成する図柄組合せでない(ハズレ遊技の)場合でもポイントが付与されるようにしたり、特定の操作順で停止操作を行うと入賞するように形成された役が本遊技の役抽選で当選している場合には、擬似遊技でも同様の役が当選している扱いで停止制御が行われるようにし、擬似遊技で押し順が正解した場合には擬似遊技終了後の本遊技でその押し順で操作すれば入賞させることができるように形成することができる。
【0113】
また、擬似遊技中の回転リール40の回転開始態様、回転態様が、通常時と異なるようにしてもよい。例えば回転開始時の加速度が異なるようにしたり、回転速度が異なるようにしてもよい。
ここで、スロットマシン10には、擬似ベット表示部30bを設けずに、通常のベット表示部のみを搭載していてもよい。この場合には、擬似遊技の開始時又は終了時にベット表示を変化させないようにしてもよい。
また、上記した全ての実施の形態及び変形例において、擬似遊技中に擬似遊技用の役抽選を行うようにしてもよい。具体的には、第一の実施の形態とその変形例1及び3においては、本来の遊技のスタートスイッチ18の操作タイミングで、本来の役抽選と擬似遊技用の役抽選を行わせることができる。このようにすると、擬似遊技中と、擬似遊技の直後に行われる実際の遊技とで、抽選結果、停止制御を変更することができる。また、第一の実施の形態の変形例2及び第二の実施の形態においては、擬似遊技中におけるスタートスイッチ18の操作タイミングで、擬似遊技用の役抽選を行わせることができる。
【0114】
さらに、上記した全ての実施の形態及び変形例において、擬似遊技時間(フリーズ時間)の延長(擬似遊技タイマー141の更新)や短縮(擬似遊技タイマー141のリセット)を一切行わず、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたら強制的に擬似遊技を終了させるようにしてもよい。
本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。