【実施例】
【0017】
図1には、本管をライニングするための本管ライニング材20が一部断面にして図示されている。本管ライニング材20は、本管の内径より小さな外径を有する管状の樹脂管20aとその外壁にらせん状に巻回された補強用の突条部20bから構成される。樹脂管20aは、例えばポリエチレンあるいはポリプロピレンなどの軟質の熱可塑性樹脂から形成されており、必要に応じてエラストマーが所定の割合で配合され、樹脂管20aの弾性を高めている。樹脂管20aは、図示したように単層ではなく、2層構造にすることもできる。突条部20bも、樹脂管20aと同じ樹脂でできており、エラストマーの配合比を変えることにより、樹脂管20aより硬質になっている。このような本管ライニング材20は、たとえば、特許文献1などに記載されている。
【0018】
本管ライニング材20は、樹脂管20a、突条部20bが弾性変形可能であるので、例えばハート形に折りたたまれて、
図2に示したように、一方のマンホール(不図示)から本管30内に引き込まれ、自己反発力により、あるいは樹脂管20a内に圧縮空気を送り込むことにより断面が円形になるように復元される。樹脂管20aの外周面と本管30の内周面には、隙間が形成されるので、そこにグラウト材21を注入して固化させると、本管30と本管ライニング材20が一体となった複合管が構築される。
【0019】
本管30を本管ライニング材20でライニングすると、本管30から分岐する枝管31の本管側開口部31aが閉塞されてしまう。そこで、本管ライニング材20で閉塞された枝管開口部31aを、公知の方法で本管側あるいは枝管側から開削すると、
図3に示したように、本管30と枝管31は元通り連通するようになる。
【0020】
図4は、枝管31をライニングするための枝管ライニング材の斜視図であり、
図5〜
図7はその製造方法を説明する断面図である。
【0021】
枝管ライニング材1は、気密なプラスチックフィルム4で外周面(反転されると内周面となる)がコーティングされた柔軟な管状樹脂吸収材2と、管状樹脂吸収材2の一端に結合された鍔3を有する。管状樹脂吸収材2は、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどのプラスチック繊維を用いた不織布、織布、あるいはマット;あるいはガラス繊維を用いた織布、あるいはマット;あるいは上記プラスチック繊維とガラス繊維を組み合わせた不織布、織布、あるいはマットからなる。管状樹脂吸収材2には、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などの未硬化の液状硬化性樹脂が含浸される。
【0022】
このような枝管ライニング材1は、以下のようにして製造される。
【0023】
図5(a)に示したように、所定幅で所定長さの帯状の樹脂吸収材2の裏面全体に、高気密性のプラスチックフィルム4が熱溶着によりコーティングされる。帯状の樹脂吸収材2は、
図5(b)に示したように、プラスチックフィルム4が外周面となるように、丸められ、その両端部2a、2bが突き合せられる。突き合せ部2cは縫製され、ポリエチレン、ポリプロピレン製のテープ2dで熱溶着することにより気密に接合され、外周面がプラスチックフィルム4で被覆された管状樹脂吸収材2が作製される。
【0024】
帯状の樹脂吸収材にプラスチックフィルム4をコーティングしてから管状にするのではなく、コーティングされていない帯状の樹脂吸収材を管状にしてからその外周面にプラスチックフィルム4をコーティングするようにしてもよい。
【0025】
管状樹脂吸収材2は、後述するように、反転されて枝管31内に挿入され、円形に膨張される。帯状の樹脂吸収材の幅は、円形に膨張された管状樹脂吸収材2の外径が枝管31の内径にほぼ等しくなるように、定められ、またその長さは、ライニングされる枝管31の長さに応じた長さになっている。
【0026】
鍔3は、本管ライニング材20の樹脂管20aに用いられる樹脂と熱溶着可能な軟質の熱可塑性樹脂を用いて作製される。例えば、樹脂管20aがポリエチレンを用いて作製される場合は、鍔3もポリエチレンを用いて作製され、樹脂管20aがポリプロピレンを用いて作製される場合は、鍔3もポリプロピレンを用いて作製される。従って、鍔3は、加熱することにより樹脂管20aの熱可塑性樹脂と熱溶着し、樹脂管20aと一体に結合することができる熱可塑性樹脂からなっている。
【0027】
また、管状樹脂吸収材2にコーティングされるプラスチックフィルム4に使用される樹脂には、鍔3の熱可塑性樹脂と熱溶着可能な軟質の熱可塑性樹脂が選ばれる。例えば、鍔3がポリエチレンからできている場合には、プラスチックフィルム4もポリエチレンを用いて作られる。鍔3がポリプロピレンからなる場合には、プラスチックフィルム4もポリプロピレンで作製される。
【0028】
鍔3は、中心が開口部となったフランジ部3aと該開口部から上方に突出するフランジ部3aと一体の円筒部3bとからなり、円筒部3bの外径は、管状樹脂吸収材2を反転して円形に膨らませたときの内径にほぼ等しくなっている。鍔3のフランジ部3aは、本管30の内面にほぼ等しい曲率で円弧状に湾曲する曲面になっている。
【0029】
図6に示したように、プラスチックフィルム4が内周面となるように管状樹脂吸収材2の一端が反転され、該反転された管状樹脂吸収材2は、その一端が鍔3の円筒部3bの外周面に密着するように、鍔3の円筒部3bに嵌着される。
【0030】
次に、鍔3と反対側の管状樹脂吸収材2の端部から、例えばニクロム線で構成されたリング状のヒーター(加熱手段)5が円筒部3bの内部に挿入され、円筒部3bとプラスチックフィルム4の密着部に取り付けられる。リード線5aを介して電源6よりヒーター5に給電すると、円筒部3bの熱可塑性樹脂とプラスチックフィルム4は加熱され熱溶着し、鍔3は管状樹脂吸収材2と一体的に結合される。鍔3と管状樹脂吸収材2の結合度を高めるために、円筒部3bの高さを高くし、円筒部3bとプラスチックフィルム4の密着面積を大きくすることが好ましい。
【0031】
なお、ヒーター5による加熱温度は、円筒部3bの熱可塑性樹脂の素材並びにプラスチックフィルム4の素材に応じて約105°〜150°Cの温度範囲内の適温に設定される。
【0032】
このようにして、鍔3と管状樹脂吸収材2が結合されると、
図7に示したように、樹脂含浸用チューブ7を管状樹脂吸収材2の反転端に取り付け、樹脂含浸用チューブ7内に未硬化の液状の硬化性樹脂8、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、又はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を注入する。樹脂含浸用チューブ7を圧縮エアーなどで反転して管状樹脂吸収材2内に挿入することにより、硬化性樹脂8は管状樹脂吸収材2に順次含浸されていく。管状樹脂吸収材2には、熱硬化性樹脂の代わりに、あるいは熱硬化性樹脂とともに、紫外線を照射することにより硬化する光硬化性樹脂を含浸するようにしてもよい。なお、樹脂を含浸した後、樹脂含浸用チューブ7は管状樹脂吸収材2から除去するようにする。
【0033】
なお、
図7において、一点鎖線で示すものは、枝管ライニング材1を枝管内に反転挿入するための密閉チューブ10で、インライナーあるいはインフレータ(膨張袋)とも呼ばれ、後述するように圧力バッグに取り付けられるものである。
【0034】
図8は鍔の他の実施例を示す。この実施例では、鍔11は、鍔3と同様に本管ライニング材20の樹脂管20aと熱溶着可能な軟質の熱可塑性樹脂からなる。鍔11はそのフランジ部11aの中心部11bが反転して円形に膨張させたときの管状樹脂吸収材2の内径にほぼ等しい開口となっていて、本管30の内面に等しい曲率で円弧状に湾曲する曲面を有している。また、管状樹脂吸収材2を被覆するプラスチックフィルム4は、鍔11の熱可塑性樹脂と同じ樹脂からなっている。
【0035】
図8において、管状樹脂吸収材2は一端が同様に反転され、その反転端が折り返されて折り返し部2eが形成される。管状樹脂吸収材2は、折り返して内周面となったプラスチックフィルム4が、鍔11のフランジ部11aの上部に密着するように、鍔11に取り付けられる。鍔11と反対側の管状樹脂吸収材2の端部から、ニクロム線からなるリング状のヒーター(加熱手段)12が鍔11のフランジ部11aの裏面で、鍔11のフランジ部11aと折り返し部2eのプラスチックフィルム4の密着部に取り付けられる。
【0036】
ヒーター12に給電すると、フランジ部11aの熱可塑性樹脂とプラスチックフィルム4は加熱されて熱溶着し、鍔11は管状樹脂吸収材2と一体的に結合される。鍔11と管状樹脂吸収材2の結合度を高めるために、管状樹脂吸収材2の折り返し部2eの長さを長くし、折り返し部2eのプラスチックフィルム4とフランジ部11aとの密着面積を大きくすることが好ましい。
【0037】
なお、ヒーター12による加熱温度は、ヒーター5の場合と同様に、フランジ部11aの熱可塑性樹脂の素材並びにプラスチックフィルム4の素材に応じて約105°〜150°Cの温度範囲内の適温に設定される。
【0038】
以下に、
図3に示すように本管ライニング材20でライニングされた本管30から分岐する枝管31を、上述した枝管ライニング材1を用いてライニングする工程を説明する。
【0039】
図9は、本管内に搬入される作業用ロボットに取り付けられる金属製のヘッドカラー80を示し、枝管ライニング材1は、
図10(b)に示したようにヘッドカラー80上にセットされる。
【0040】
ヘッドカラー80は、本管30の内周面ないし枝管ライニング材1の鍔3、11とほぼ同じ曲率で湾曲した湾曲部80aを有し、この湾曲部80aの中央には円筒部80bが取り付けられる。また、湾曲部80aには、ヘッドカラー80を後述する作業用ロボットに取り付けるための取付板80cが固定される。
【0041】
図10(a)に示したように、ヘッドカラー80の湾曲部80aには、枝管ライニング材1の鍔3と同形状で内径が円筒部80bの外径とほぼ等しいリング状ヒーター(加熱手段)81が取り付けられる。ヒーター81は、リード線81aを介して通電することにより発熱するニクロム線などで構成されており、耐熱性で弾性のある材質で被覆されていて、図でみて上下方向に弾性が付与されている。弾性を高めるために、ヒーター81と同形状の耐熱性のある弾性体を湾曲部80aにセットし、その上にヒーター81をセットするようにしてもよい。この場合、逆に湾曲部80aにセットされたヒーター81上にヒーター81と同形状の耐熱性のある弾性体をセットして弾性を高めるようにしてもよい。
【0042】
枝管ライニング材1は、
図10(b)に示したように、その鍔3がヒーター81に密着するように、また鍔3を除く未反転の管状樹脂吸収材2が円筒部80bの内部を通過して下方に延びるように、ヘッドカラー80にセットされる。
【0043】
枝管ライニング材1を反転させる密閉チューブ10は、
図7、
図11に示したように、枝管ライニング材1の未反転部分を内包できるように反転されており、その一端10aは圧力バック43の内面に気密に固定され、反転された他端10bは連結具45に気密に取り付けられる。ヘッドカラー80にセットされた枝管ライニング材1は、
図11に示すように、その未反転部分が密閉チューブ10の反転した内部に挿入されて圧力バッグ43内に収納される。
【0044】
ヘッドカラー80の円筒部80bは、圧力バッグ43の一端に挿入されて圧力バッグ43に気密に取り付けられ、一方圧力バッグ43のヘッドカラー80と反対側の開口端はキャップ52によって気密に閉塞される。
【0045】
密閉チューブ10の他端10bを閉塞する連結具45には、キャップ52に気密に取り付けられた牽引ロープ40と温水ホース41が連結される。温水ホース41はキャップ52を貫通して圧力バッグ43外へでて、バルブ53に導かれている。温水ホース41には、不図示の熱源により加熱される温水タンク55から温水ポンプ54により温水(熱媒)が供給される。また、圧力バッグ43内の温水は排水ホース56、バルブ57を介して温水タンク55に戻される。
【0046】
圧力バッグ43内には、密閉チューブ10で閉塞される密閉空間が形成され、該密閉空間はキャップ52に取り付けられたエアーホース59、バルブ60を介して地上に設置されたコンプレッサー61に接続されるとともに、排気ホース62、バルブ63を介して外気に通じている。
【0047】
作業用ロボット42は、そのヘッド44が
図11で上下方向a、bに進退し、且つ、矢印cで示すように管軸を中心に回転(ローリング)するように構成されており、この作業用ロボット42の上部にはモニター用のTVカメラ46が設置されている。ヘッドカラー80は、その取付板80cを介して作業用ロボット42のヘッド44の先端部に取り付けられる。ヘッド44がa、b、cの方向に移動すると、それに連動してヘッドカラー80並びにその上にセットされた枝管ライニング材1も同様な動きをする。
【0048】
作業用ロボット42の前後には牽引ロープ47,48が取り付けられているので、牽引ロープ47、48をウインチなどで引っ張ることにより、枝管ライニング材1の鍔3の中心が枝管31の開口部31aの中心に一致するように、作業ロボット42、圧力バッグ43を管長方向に移動させる。この状態で、ヘッド44を上下方向に移動させ、またローリングさせることにより、
図11に示したように、枝管ライニング材1の鍔3が、本管ライニング材20でライニングされた本管30の枝管開口部周縁に押圧され密着される。
【0049】
枝管ライニング材1の鍔3が、本管の枝管開口部周縁に密着したときの枝管開口部周縁の断面が
図14に拡大して図示されており、
図15には、
図14に示した断面と直交する方向に沿った断面が拡大して図示されている。なお、
図14、
図15において、断面で示した部材の大きさ、厚さなどは、実寸を示すものでなく、理解を容易にするために部分的に誇張して図示されている。
【0050】
この状態で、コンプレッサー61を駆動してエアーホース59を経て圧縮エアー(加圧流体)を圧力バッグ43内の密閉空間に供給すると、密閉チューブ10は膨張しながら反転して枝管31内に挿入され、密閉チューブ10に包まれている枝管ライニング材1も、反転しながら枝管31内を上方に向かって順次挿入されていく。このとき、連結具45を介して密閉チューブ10に連結された温水ホース41、牽引ロープ40も枝管31内に挿入される。
【0051】
図12に示したように、管状樹脂吸収材2の枝管31内への反転挿入が終了すると、管状樹脂吸収材2を枝管31の内周面に押し付けた状態にし、温水を温水ホース41の先端41aから供給して密閉空間内に充満させる。密閉空間内の圧縮エアーは排気ホース62を経て大気中に放出され、一方、管状樹脂吸収材2に含浸された熱硬化性樹脂が温水タンク55から供給される温水で加温され硬化する。
【0052】
枝管ライニング材1が、枝管31に反転されて挿入されている間、あるいは挿入されたあと管状樹脂吸収材に含浸された硬化性樹脂を硬化させているときに、リード線81aを介して電源82によりヒーター81に通電を行う。ヒーター81は、枝管ライニング材1の鍔3の熱可塑性樹脂と、本管ライニング材20の樹脂管20aの熱可塑性樹脂を、例えば約105°〜150°Cの温度に加熱する。この加熱温度は、各熱可塑性樹脂の素材に応じて約105°〜150°Cの範囲内の適温に設定される。鍔3の熱可塑性樹脂と樹脂管20aの熱可塑性樹脂は同じ樹脂、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン樹脂であるので、容易にまた確実に熱溶着し、枝管ライニング材1の鍔3と本管ライニング材20の樹脂管20aは一体的に結合され、本管と枝管の接合部から本管内に地中水が土砂とともに流れ込むのを防止することができる。
【0053】
なお、枝管ライニング材の鍔と本管ライニング材の熱可塑性樹脂の加熱は、
図11に示したように、枝管ライニング材1の鍔3が、本管の枝管開口部周縁に密着し、管状樹脂吸収材2が枝管31内に反転挿入される前、つまりコンプレッサー61が駆動されて圧縮エアーが圧力バッグ内に供給される前に行うようにしてもよい。
【0054】
管状樹脂吸収材2に含浸されている樹脂が硬化した後、排水ホース56を介して密閉空間から温水を抜き、温水タンク55に戻す。温水を温水タンク55に戻した後、密閉空間にある程度の圧力をかけながら、牽引ロープ40と温水ホース41を
図13で左方向に引くと、密閉チューブ10が反転して枝管ライニング材1から取り除かれる。
【0055】
次に、作業用ロボット42のヘッド44を矢印b方向に下動させて、ヘッドカラー80、ヒーター81を枝管ライニング材1の鍔3から離したあと、作業用ロボット42、圧力バッグ43などが本管30内から取り除かれる。このようにして、枝管31は、その内周面が管状樹脂吸収材2によりライニングされる。
【0056】
管状樹脂吸収材2に含浸された樹脂は、温水ホース41に複数の噴射孔を設け、この噴射孔から温水又は水蒸気をシャワー状にしてあるいはミスト状にして管状樹脂吸収材2に吹き付けることにより硬化させるようにしてもよい。
【0057】
上述した実施例では、本管30は樹脂管20aとその外周をらせん状に巻回された突条部20bからなる本管ライニング材20を用いてライニングされた。しかし、
図16に示したように、外周面が気密性のプラスチックフィルム90bでコーティングされた管状樹脂吸収材90aに硬化性樹脂を含浸してなる本管ライニング材90を用いてライニングするようにしてもよい。
【0058】
本管ライニング材90の管状樹脂吸収材90aは、枝管ライニング材1の管状樹脂吸収材2と同じ材質で作製され、管状樹脂吸収材90aには、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などの未硬化の液状硬化性樹脂が含浸される。管状樹脂吸収材90aを被覆するプラスチックフィルム90bは、枝管ライニング材1の鍔3の熱可塑性樹脂と熱溶着可能な軟質の熱可塑性樹脂でできている。例えば、鍔3がポリエチレンを用いて作製される場合は、プラスチックフィルム90bはポリエチレンで作るようにする。また、鍔3がポリプロピレンを用いて作製される場合は、プラスチックフィルム90bもポリプロピレンで作るようにする。
【0059】
本管ライニング材90は、公知の方法で本管30内に反転挿入され、
図17に示したように、管状樹脂吸収材90aが本管30の内周面に押し付けられた状態で加熱され、管状樹脂吸収材90aに含浸された樹脂が硬化され、本管30が本管ライニング材90でライニングされる。本管ライニング材90で閉塞された枝管31の開口部31aは開削され、本管30は枝管31と連通するようになる。
【0060】
その後、
図11〜
図13に示したのと同様に、枝管ライニング材1を用いて枝管31がライニングされる。
【0061】
図18、
図19には、
図14と同様に、枝管ライニング材1の鍔3と本管の枝管開口部周縁の本管ライニング材90が密着されたときの状態が拡大して図示されている。このような状態で、枝管ライニング材1が枝管31に挿入される前、挿入中、あるいは挿入された後管状樹脂吸収材2に含浸された硬化性樹脂を硬化するときに、ヒーター81に通電を行う。ヒーター81は、枝管ライニング材1の鍔3の熱可塑性樹脂と、本管ライニング材90のプラスチックフィルム90bの熱可塑性樹脂を加熱する。鍔3の熱可塑性樹脂とプラスチックフィルム90bの熱可塑性樹脂は同じ樹脂、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン樹脂であるので、容易にまた確実に熱溶着し、枝管ライニング材1の鍔3と本管ライニング材90は、一体的に結合され、本管ライニング材20のときと同様に、本管と枝管の接合部からの漏水や地中から土砂などが本管内に流入するのを防止することができる。
【0062】
なお、上述した実施例では、
図6に図示した枝管ライニング材1を用いて枝管をライニングしたが、
図8に図示した実施例の枝管ライニング材1を用いて枝管をライニングできることはもちろんである。