(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光学系は、開口絞りをはさんで前群と後群とに分割され、後群を移動させることによりフォーカシングを行うものである。しかし、前記後群は3枚程度のレンズにより構成されているため、フォーカス群の十分な軽量化が図られているとは云えず、高速のフォーカシングをスムーズに行うことは困難である。
【0005】
また、特許文献2に記載の光学系は、1枚程度のレンズでフォーカス群が構成されている。したがって、特許文献1に記載の光学系と比べればフォーカス群の軽量化が図られている。しかしながら、特許文献2に記載の光学系は、十分な広角化が図られておらず、特に35mmカメラ換算の焦点距離で45mm近辺の領域での画角が狭くなる。
【0006】
また、特許文献3に記載の光学系は、特許文献2に記載の光学系と同様、広角化が困難であることに加え、光学系の十分な小型化が図れていないという問題がある。
【0007】
このように、上記各特許文献に記載の技術をはじめとする従来のインナーフォーカス式やリアフォーカス式のレンズでは、光学系の小型化、広角化と、フォーカス群の十分な軽量化が両立されているものはなかった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、フォーカス群の十分な軽量化が図られていることはもとより、小型、広角で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第1レンズ群は、物体側から順に配置された、負の屈折力を有する第1サブレンズ群と、正の屈折力を有する第2サブレンズ群と、から構成され、
前記第1サブレンズ群は、物体側から順に配置された、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと、正レンズと、からなり、前記第2レンズ群は単体のレンズのみで構成され、フォーカシング時に、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が固定され、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.31<f1/f<0.5
8
ただし、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、fは無限遠合焦状態における光学系全系の焦点距離
を示す。
【0010】
この発明によれば、フォーカス群の十分な軽量化が図られていることはもとより、小型、広角で優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを提供することができる
。
【0011】
さらに、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において
、前記負のメニスカスレンズの像側面には非球面が形成され、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(2) 0.0047<|asp1nr|/f<0.0088
ただし、asp1nrは、前記負のメニスカスレンズの像側面の非球面変形量を示す。
【0012】
この発明によれば、光学系の広角化、小型化を達成しつつ、諸収差、特に歪曲収差の効果的な補正を行うことができる。
【0013】
さらに、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、前記第1サブレンズ群と前記第2サブレンズ群との間に開口絞りが配置され、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(3) 0.31<LR1S/LG1<0.57
ただし、LR1Sは前記第1サブレンズ群の最も物体側面から前記開口絞りまでの光軸上の距離、LG1は前記第1サブレンズ群の最も物体側面から前記第2サブレンズ群の最も像側面までの光軸上の距離を示す。
【0014】
この発明によれば、光学系の小型化を阻害せずに、より結像性能の向上を図ることができる。
【0015】
さらに、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(4) −0.83<f2/f<−0.44
ただし、f2は前記第2レンズ群の焦点距離を示す。
【0016】
この発明によれば、光学系の小型化を阻害せずに、より結像性能を向上させることができる。特に、像面湾曲をより良好に補正することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、フォーカス群の十分な軽量化が図られていることはもとより、小型、広角で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
この発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなる。そして、このインナーフォーカス式レンズでは、フォーカシング時に、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が固定される。
【0021】
この発明は、フォーカス群の十分な軽量化が図られていることはもとより、小型、広角で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを提供することを目的としている。そこで、かかる目的を達成するため、この発明では、上記特徴に加え以下に示すような条件を設定している。
【0022】
まず、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、フォーカス群である前記第2レンズ群を単体のレンズで構成することが好ましい。フォーカス群を単体のレンズで構成し、軽量化すれば、たとえばこのインナーフォーカス式レンズをオートフォーカスカメラに用いた場合、安定した高速のオートフォーカス機能が得られるようになる。また、フォーカス機構の負荷を減らし、低消費電力、鏡筒外径の縮小化を図ることができる。なお、単体のレンズ要素とは、単一レンズや、非球面レンズ、複合非球面レンズ、接合レンズを意味する。
【0023】
また、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、無限遠合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.31<f1/f<0.58
【0024】
条件式(1)は、光学系の優れた結像性能を維持しつつ、前玉径の小型化および光学
系全長の短縮化を達成するための条件を規定するものである。条件式(1)においてその下限を下回ると、前記第1レンズ群の焦点距離が短くなって球面収差がアンダー側に過大となるばかりか、前記第1レンズ群に後続するレンズ群の近軸結像倍率の拡大にともない後玉径が拡大し光学系の大型化を招くため、好ましくない。一方、条件式(1)においてその上限を超えると、前記第1レンズ群の焦点距離が長くなり光学系全長が増大してしまって、光学系の小型化が阻害される。
【0025】
なお、上記条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(1)' 0.35<f1/f<0.53
この条件式(1)'で規定する範囲を満足することにより、より光学系の小型化を達成しつつ、より結像性能の向上を図ることができる。
【0026】
さらに、上記条件式(1)'は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(1)'' 0.40<f1/f<0.49
この条件式(1)''で規定する範囲を満足することにより、光学系のさらなる小型化を達成しつつ、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
【0027】
また、一般に、比較的広い画角を得ようとすると、画角による影響を強く受ける収差、特に歪曲収差の発生が顕著になる。そこで、広角化を達成するためには、かかる収差の対策が必須になる。この発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、前記第1レンズ群を、物体側から順に配置された、負の屈折力を有する第1サブレンズ群と、正の屈折力を有する第2サブレンズ群と、により構成する。さらに、前記第1サブレンズ群を、物体側から順に配置された、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと、正レンズと、から構成し、前記負のメニスカスレンズの像側面に光軸中心付近から周辺にかけて徐々に負の屈折力が弱まっていくような形状の非球面を形成することにより、諸収差、特に歪曲収差を適切に補正する。
【0028】
加えて、前記負のメニスカスレンズの像側面の非球面変形量をasp1nr、無限遠合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) 0.0047<|asp1nr|/f<0.0088
【0029】
条件式(2)は、光学系の広角化、小型化を達成しつつ、諸収差、特に歪曲収差を適切に補正するための条件を規定するものである。条件式(2)においてその下限を下回ると、歪曲収差がアンダー側に過大となるばかりか、像面湾曲がオーバー側に過大となって、双方の補正が困難になる。一方、条件式(2)においてその上限を超えると、今度は歪曲収差がオーバー側に過大となるばかりか、像面湾曲がアンダー側に過大となって、やはり双方の補正が困難になる。
【0030】
なお、上記条件式(2)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(2)' 0.0054<|asp1nr|/f<0.0081
この条件式(2)'で規定する範囲を満足することにより、より光学系の小型化を達成しつつ、より結像性能の向上を図ることができる。
【0031】
さらに、上記条件式(2)'は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(2)'' 0.0061<|asp1nr|/f<0.0074
この条件式(2)''で規定する範囲を満足することにより、光学系のさらなる小型化を達成しつつ、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
【0032】
また、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、前記第1レンズ群で作った像を、前記第1レンズ群に後続するレンズ群で拡大させ所望の像高を得る。このため、前記第1レンズ群で残存した諸収差が光学系全系の結像性能に影響する度合いが強い。したがって、前記第1レンズ群内で十分な収差補正がされていないと、結像性能が劣化する。そこで、このインナーフォーカス式レンズでは、前記第1サブレンズ群と前記第2サブレンズ群との間に開口絞りを配置する。そして、前記第1サブレンズ群の最も物体側面から前記開口絞りまでの光軸上の距離をLR1S、前記第1サブレンズ群の最も物体側面から前記第2サブレンズ群の最も像側面までの光軸上の距離をLG1とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.31<LR1S/LG1<0.57
【0033】
条件式(3)は、光学系の小型化を阻害せずに、前記第1レンズ群自体で諸収差を十分に補正し結像性能を高めるための条件を規定するものである。条件式(3)においてその下限を下回ると、前記開口絞りが物体側に寄りすぎて上光線が前記第1レンズ群に後続するレンズ群の周辺部を通過するため、後続群のレンズ径を拡大しなくてはならなくなるばかりか、前記第1レンズ群の屈折力の影響を強く受けコマ収差が過大となる。一方、条件式(3)においてその上限を超えると、前記開口絞りが像側に寄りすぎて下光線がより光軸から高いところを通過するため、前玉径を拡大しなくてはならなくなるばかりか、歪曲収差がアンダー側に大きく発生する。
【0034】
なお、上記条件式(3)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(3)' 0.35<LR1S/LG1<0.53
この条件式(3)'で規定する範囲を満足することにより、より光学系の小型化を達成しつつ、より結像性能の向上を図ることができる。
【0035】
さらに、上記条件式(3)'は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(3)'' 0.40<LR1S/LG1<0.49
この条件式(3)''で規定する範囲を満足することにより、光学系のさらなる小型化を達成しつつ、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
【0036】
さらに、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、無限遠合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) −0.83<f2/f<−0.44
【0037】
条件式(4)は、光学系の小型化を阻害せずに、高い結像性能を維持する(特に像面湾曲を良好に補正する)ための条件を規定するものである。条件式(4)においてその下限値を下回ると、前記第2レンズ群の焦点距離が短くなり負の屈折力が強くなりすぎて、像面湾曲がオーバー側に過大となりその補正が困難になるため、好ましくない。一方、条件式(4)においてその上限を超えると、前記第2レンズ群の焦点距離が長くなり負の屈折力が弱くなりすぎて、像面湾曲がアンダー側に過大となりその補正が困難になるため、好ましくない。
【0038】
なお、上記条件式(4)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(4)' −0.76<f2/f<−0.51
この条件式(4)'で規定する範囲を満足することにより、より光学系の小型化を達成しつつ、より結像性能の向上を図ることができる。
【0039】
さらに、上記条件式(4)'は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(4)'' −0.70<f2/f<−0.57
この条件式(4)''で規定する範囲を満足することにより、光学系のさらなる小型化を達成しつつ、結像性能のさらなる向上を図ることができる。
【0040】
以上説明したように、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群である前記第2レンズ群を単体のレンズで構成することにより、フォーカス群の軽量化を図ることができる。さらに、前記第1レンズ群の最も物体側に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを配置し、この負のメニスカスレンズの像側面に光軸中心付近から周辺にかけて徐々に負の屈折力が弱まっていくような形状の非球面を形成することにより、広角化に伴って顕著となる収差、特に歪曲収差を効果的に補正することが可能になる。加えて、上記各条件式を満足することにより、より小型で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0041】
以下、この発明にかかるインナーフォーカス式レンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0042】
図1は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
13と、が配置されて構成される。第3レンズ群G
13の後方(図面右側)の像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0043】
第1レンズ群G
11は、前記物体側から順に、負の屈折力を有する第1サブレンズ群G
11Fと、正の屈折力を有する第2サブレンズ群G
11Rとが配置されて構成される。第1サブレンズ群G
11Fと第2サブレンズ群G
11Rとの間には、所定の口径を規定する開口絞りSが配置されている。また、第1サブレンズ群G
11Fは、前記物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL
111と、正レンズL
112と,が配置されて構成されている。負のメニスカスレンズL
111は複合レンズになっており、像面IMG側には光軸中心付近から周辺にかけて徐々に負の屈折力が弱まっていくような形状の非球面が形成されている。第2サブレンズ群G
11Rは、前記物体側から順に、負レンズL
113と、正レンズL
114と、正レンズL
115と、が配置されて構成されている。負レンズL
113と正レンズL
114とは接合されている。また、正レンズL
115の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0044】
第2レンズ群G
12は、負レンズL
121により構成されている。負レンズL
121は複合レンズになっており、像面IMG側の面には非球面が形成されている。
【0045】
第3レンズ群G
13は、正レンズL
131により構成されている。
【0046】
このインナーフォーカス式レンズは、第2レンズ群G
12を光軸に沿って前記物体側から像面IMG側へ移動させることにより無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
11および第3レンズ群G
13は、常時固定されている。
【0047】
以下、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0048】
(レンズデータ)
r
1=49.294
d
1=0.70 nd
1=1.61800 νd
1=63.4
r
2=8.281
d
2=0.20 nd
2=1.53610 νd
2=41.2
r
3=7.498(非球面)
d
3=3.00
r
4=16.940
d
4=2.68 nd
3=1.64769 νd
3=33.8
r
5=-57.578
d
5=4.90
r
6=∞(開口絞り)
d
6=5.80
r
7=-700.000
d
7=0.70 nd
4=1.75520 νd
4=27.5
r
8=16.807
d
8=2.90 nd
5=1.49700 νd
5=81.6
r
9=-50.056
d
9=0.50
r
10=21.061(非球面)
d
10=3.87 nd
6=1.59201 νd
6=67.0
r
11=-14.209(非球面)
d
11=D(11)
r
12=-46.085
d
12=0.70 nd
7=1.48749 νd
7=70.4
r
13=13.045
d
13=0.20 nd
8=1.53610 νd
8=41.2
r
14=11.339(非球面)
d
14=D(14)
r
15=37.899
d
15=3.92 nd
9=1.53172 νd
9=48.8
r
16=-81.945
d
16=fB
r
17=∞(像面)
【0049】
(コーニック係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10))
(第3面)
k=0,
A
4=-1.8909×10
-4, A
6=-2.4100×10
-6,
A
8=-4.4700×10
-8, A
10=-4.2700×10
-10
(第10面)
k=0,
A
4=-5.7937×10
-5, A
6=1.0969×10
-6,
A
8=-2.7388×10
-8, A
10=3.8051×10
-10
(第11面)
k=0,
A
4=5.1068×10
-5, A
6=1.2754×10
-6,
A
8=-3.1751×10
-8, A
10=4.2140×10
-10
(第14面)
k=0,
A
4=-6.9421×10
-5, A
6=-3.4378×10
-7,
A
8=-6.9182×10
-9, A
10=6.8268×10
-11
【0050】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離
Fno. 3.60 4.23
全系の焦点距離(f) 29.1 20.6
画角(2ω) 48.9
像高(Y) 14.20 14.20
D(11) 1.51 7.57
D(14) 12.43 6.36
fB(バックフォーカス) 27.30 27.30
【0051】
(条件式(1)に関する数値)
f1(第1レンズ群G
11の焦点距離)=12.7
f1/f=0.44
【0052】
(条件式(2)に関する数値)
|asp1nr(負のメニスカスレンズL
111の像側面の非球面変形量)|=0.20
|asp1nr|/f=0.0067
【0053】
(条件式(3)に関する数値)
LR1S(第1サブレンズ群G
11Fの最も物体側面から開口絞りSまでの光軸上の距離)=11.48
LG1(第1サブレンズ群G
11Fの最も物体側面から第2サブレンズ群G
11Rの最も像側面までの光軸上の距離)=25.25
LR1S/LG1=0.45
【0054】
(条件式(4)に関する数値)
f2(第2レンズ群G
12の焦点距離)=-18.3
f2/f=-0.63
【0055】
また、
図2は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。
図3は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図はいずれもd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例2】
【0056】
図4は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
21と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
22と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
23と、が配置されて構成される。第3レンズ群G
23の後方(図面右側)の像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0057】
第1レンズ群G
21は、前記物体側から順に、負の屈折力を有する第1サブレンズ群G
21Fと、正の屈折力を有する第2サブレンズ群G
21Rと、が配置されて構成される。第1サブレンズ群G
21Fと第2サブレンズ群G
21Rとの間には、所定の口径を規定する開口絞りSが配置されている。また、第1サブレンズ群G
21Fは、前記物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL
211と、正レンズL
212と、が配置されて構成されている。負のメニスカスレンズL
211の両面には、それぞれ非球面が形成されている。特に、負のメニスカスレンズL
211の像面IMG側面に形成された非球面は、光軸中心付近から周辺にかけて徐々に負の屈折力が弱まっていくような形状になっている。第2サブレンズ群G
21Rは、前記物体側から順に、負レンズL
213と、正レンズL
214と、正レンズL
215と、が配置されて構成されている。負レンズL
213と正レンズL
214とは接合されている。また、正レンズL
215の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0058】
第2レンズ群G
22は、負レンズL
221により構成されている。負レンズL
221は複合レンズになっており、像面IMG側の面には非球面が形成されている。
【0059】
第3レンズ群G
23は、正レンズL
231により構成されている。
【0060】
このインナーフォーカス式レンズは、第2レンズ群G
22を光軸に沿って前記物体側から像面IMG側へ移動させることにより無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
21および第3レンズ群G
23は、常時固定されている。
【0061】
以下、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0062】
(レンズデータ)
r
1=22.524(非球面)
d
1=0.70 nd
1=1.59201 νd
1=67.02
r
2=7.844(非球面)
d
2=5.77
r
3=1314.307
d
3=2.30 nd
2=1.59270 νd
2=35.45
r
4=-18.604
d
4=4.60
r
5=∞(開口絞り)
d
5=4.60
r
6=-100.502
d
6=0.70 nd
3=1.75520 νd
3=27.53
r
7=23.311
d
7=4.18 nd
4=1.48749 νd
4=70.44
r
8=-23.571
d
8=0.50
r
9=29.769(非球面)
d
9=3.93 nd
5=1.55332 νd
5=71.68
r
10=-14.098(非球面)
d
10=D(10)
r
11=-76.166
d
11=0.70 nd
6=1.48749 νd
6=70.44
r
12=13.111
d
12=0.20 nd
7=1.53610 νd
7=41.21
r
13=11.448(非球面)
d
13=D(13)
r
14=29.494
d
14=3.01 nd
8=1.48749 νd
8=70.44
r
15=168.008
d
15=fB
r
16=∞(像面)
【0063】
(コーニック係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10))
(第1面)
k=0,
A
4=-8.9726×10
-5, A
6=1.2520×10
-6,
A
8=-4.2438×10
-8, A
10=4.3907×10
-10
(第2面)
k=0,
A
4=-1.4202×10
-4, A
6=-6.7903×10
-7,
A
8=-7.3755×10
-8, A
10=5.1855×10
-12
(第9面)
k=0,
A
4=-2.9541×10
-5, A
6=1.6453×10
-7,
A
8=-3.3458×10
-9, A
10=5.5809×10
-11
(第10面)
k=0,
A
4=6.1294×10
-5, A
6=1.5463×10
-7,
A
8=-3.0315×10
-9, A
10=5.5815×10
-11
(第13面)
k=0,
A
4=-4.7521×10
-5, A
6=-5.7981×10
-7,
A
8=4.4984×10
-9, A
10=-7.0155×10
-11
【0064】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離
Fno. 3.58 4.13
全系の焦点距離(f) 29.1 19.4
画角(2ω) 49.7
像高(Y) 14.20 14.20
D(10) 1.80 7.73
D(13) 13.01 7.08
fB(バックフォーカス) 25.30 25.30
【0065】
(条件式(1)に関する数値)
f1(第1レンズ群G
21の焦点距離)=12.2
f1/f=0.42
【0066】
(条件式(2)に関する数値)
|asp1nr(負のメニスカスレンズL
211の像側面の非球面変形量)|=0.19
|asp1nr|/f=0.0066
【0067】
(条件式(3)に関する数値)
LR1S(第1サブレンズ群G
21Fの最も物体側面から開口絞りSまでの光軸上の距離)=13.37
LG1(第1サブレンズ群G
21Fの最も物体側面から第2サブレンズ群G
21Rの最も像側面までの光軸上の距離)=27.28
LR1S/LG1=0.49
【0068】
(条件式(4)に関する数値)
f2(第2レンズ群G
22の焦点距離)=-20.1
f2/f=-0.69
【0069】
また、
図5は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。
図6は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図はいずれもd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例3】
【0070】
図7は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
31と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
32と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
33と、が配置されて構成される。第3レンズ群G
33の後方(図面右側)の像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0071】
第1レンズ群G
31は、前記物体側から順に、負の屈折力を有する第1サブレンズ群G
31Fと、正の屈折力を有する第2サブレンズ群G
31Rと、が配置されて構成される。第1サブレンズ群G
31Fと第2サブレンズ群G
31Rとの間には、所定の口径を規定する開口絞りSが配置されている。また、第1サブレンズ群G
31Fは、前記物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL
311と、正レンズL
312と、が配置されて構成されている。負のメニスカスレンズL
311は複合レンズになっており、負のメニスカスレンズL
311の像面IMG側には光軸中心付近から周辺にかけて徐々に負の屈折力が弱まっていくような形状の非球面が形成されている。第2サブレンズ群G
31Rは、前記物体側から順に、負レンズL
313と、正レンズL
314と、正レンズL
315と、が配置されて構成されている。負レンズL
313と正レンズL
314とは接合されている。また、正レンズL
315の両面には、それぞれ非球面が形成されている。
【0072】
第2レンズ群G
32は、負レンズL
321により構成されている。負レンズL
321の像面IMG側の面には、非球面が形成されている。
【0073】
第3レンズ群G
33は、正レンズL
331により構成されている。
【0074】
このインナーフォーカス式レンズは、第2レンズ群G
32を光軸に沿って前記物体側から像面IMG側へ移動させることにより無限遠合焦状態から最至近距離合焦状態までのフォーカシングを行う。なお、第1レンズ群G
31および第3レンズ群G
33は、常時固定されている。
【0075】
以下、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0076】
(レンズデータ)
r
1=28.611
d
1=0.80 nd
1=1.51680 νd
1=64.20
r
2=7.876
d
2=0.20 nd
2=1.53610 νd
2=41.2
r
3=7.203(非球面)
d
3=2.94
r
4=22.605
d
4=1.87 nd
3=1.84666 νd
3=23.78
r
5=-250.000
d
5=4.45
r
6=∞(開口絞り)
d
6=4.36
r
7=-570959.758
d
7=1.00 nd
4=1.84666 νd
4=23.78
r
8=15.967
d
8=4.99 nd
5=1.51680 νd
5=64.20
r
9=-37.596
d
9=0.50
r
10=22.552(非球面)
d
10=4.03 nd
6=1.61881 νd
6=63.86
r
11=-12.996(非球面)
d
11=D(11)
r
12=132.018
d
12=0.80 nd
7=1.77250 νd
7=49.62
r
13=12.784(非球面)
d
13=D(13)
r
14=25.076
d
14=3.00 nd
8=1.84666 νd
8=23.78
r
15=38.589
d
15=fB
r
16=∞(像面)
【0077】
(コーニック係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10))
(第3面)
k=0.0506,
A
4=-1.5403×10
-4, A
6=-4.7926×10
-6,
A
8=5.2480×10
-8, A
10=-2.7248×10
-9
(第10面)
k=-0.3705,
A
4=-4.6113×10
-5, A
6=-1.6401×10
-7,
A
8=5.6221×10
-9, A
10=-1.2939×10
-10
(第11面)
k=0.8893,
A
4=1.2728×10
-4, A
6=4.5991×10
-7,
A
8=3.7545×10
-9, A
10=-3.0634×10
-12
(第13面)
k=-0.8959,
A
4=3.9849×10
-5, A
6=-1.7211×10
-7,
A
8=4.1223×10
-9, A
10=-5.2291×10
-11
【0078】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離
Fno. 3.54 4.10
全系の焦点距離(f) 30.0 19.0
画角(2ω) 50.6
像高(Y) 14.20 14.20
D(11) 1.03 6.56
D(13) 13.03 7.50
fB(バックフォーカス) 23.70 23.70
【0079】
(条件式(1)に関する数値)
f1(第1レンズ群G
31の焦点距離)=12.0
f1/f=0.40
【0080】
(条件式(2)に関する数値)
|asp1nr(負のメニスカスレンズL
311の像側面の非球面変形量)|=0.21
|asp1nr|/f=0.0070
【0081】
(条件式(3)に関する数値)
LR1S(第1サブレンズ群G
31Fの最も物体側面から開口絞りSまでの光軸上の距離)=10.26
LG1(第1サブレンズ群G
31Fの最も物体側面から第2サブレンズ群G
31Rの最も像側面までの光軸上の距離)=25.13
LR1S/LG1=0.41
【0082】
(条件式(4)に関する数値)
f2(第2レンズ群G
32の焦点距離)=-18.3
f2/f=-0.61
【0083】
また、
図8は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの無限遠合焦状態における諸収差図である。
図9は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの最至近距離合焦状態における諸収差図である。図はいずれもd線(λ=587.56nm)に相当する波長の収差を表す。そして、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【0084】
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r
1,r
2,・・・・は各レンズ、絞り面などの曲率半径、d
1,d
2,・・・・は各レンズ、絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd
1,nd
2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νd
1,νd
2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
【0085】
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率をc(=1/r:rは曲率半径)、光軸からの高さをhとし、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0086】
【数1】
【0087】
ただし、kはコーニック係数、A
4,A
6,A
8,A
10はそれぞれ4次,6次,8次,10次の非球面係数である。
【0088】
以上説明したように、上記各実施例のインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群である前記第2レンズ群を単体のレンズで構成することにより、フォーカス群の軽量化を図ることができる。さらに、前記第1レンズ群の最も物体側に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを配置し、この負のメニスカスレンズの像側面に光軸中心付近から周辺にかけて徐々に負の屈折力が弱まっていくような形状の非球面を形成することにより、広角化に伴って顕著となる収差、特に歪曲収差を効果的に補正することが可能になる。さらに、上記各条件式を満足することにより、より小型で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。また、上記各実施例のインナーフォーカス式レンズは、適宜非球面が形成されたレンズや接合レンズを用いているため、少ないレンズ枚数で、良好な光学性能を維持することができる。なお、上記各実施例に示したインナーフォーカス式レンズは、いずれも35mmカメラ換算で焦点距離が45mmになる。