(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体処理システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体処理システムは、3台の測定ユニットと、1台の塗抹標本作製装置を備えている。3台の測定ユニットでは、血液分析が並行して行われ、その分析結果に基づき塗抹標本の作製が必要である場合に、塗抹標本作製装置により塗抹標本が作製される。
【0030】
以下、本実施の形態に係る検体処理システムについて、図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、検体処理システム1を上側から見た場合の構成を模式的に示す図である。本実施の形態に係る検体処理システム1は、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、回収ユニット23と、搬送ユニット31〜34と、3台の測定ユニット41と、情報処理ユニット42と、塗抹標本作製装置5と、搬送コントローラ6から構成されている。また、本実施の形態の検体処理システム1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ7と通信可能に接続されている。
【0032】
投入ユニット21と、前処理ユニット22と、搬送ユニット31〜34と、回収ユニット23は、検体ラックの受け渡しが可能となるように、図示の如く、左右に隣接するよう配置されている。これらのユニットは、複数の検体容器を保持可能な検体ラックが複数載置可能となるよう構成されている。
【0033】
投入ユニット21は、ユーザが投入した検体ラックを収容し、収容している検体ラックを前処理ユニット22に搬出する。ユーザは、検体の測定を開始する場合、まず、検体を収容する検体容器を検体ラックにセットし、この検体ラックを投入ユニット21に載置する。しかる後に、この検体ラックが下流側(左側)のユニットに順次搬送され、測定が行われる。
【0034】
前処理ユニット22は、投入ユニット21により搬出された検体ラックを受け取る。前処理ユニット22は、バーコードユニット(図示せず)により、投入ユニット21により搬出された検体ラックのラックIDと、検体ラックの保持部に対応付けられた検体容器の検体IDを読み取る。しかる後、前処理ユニット22は、バーコードユニットにより読み取られた情報を搬送コントローラ6へ送信し、読み取りが完了した検体ラックを搬送ユニット31に搬出する。
【0035】
搬送ユニット31〜33は、図示の如く、それぞれ、3台の測定ユニット41の前方に配置されており、搬送ユニット34は、図示の如く、塗抹標本作製装置5の前方に配置されている。搬送ユニット31〜34は、それぞれ、右隣りに位置するユニットにより搬出された検体ラックを受け取り、左隣りに位置するユニットに搬出する。
【0036】
搬送ユニット31〜33には、図示の如く、それぞれに対応する測定ユニット41に検体ラックが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、2通りの搬送ラインが設定されている。すなわち、測定ユニット41で測定が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された“測定ライン”に沿って検体ラックが搬送される。測定ユニット41で測定が行われず、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる場合は、当該測定ユニット41をスキップするよう、前方の左向きの矢印で示された直線状の“供給ライン”に沿って検体ラックが搬送される。なお、搬送ユニット34にも、搬送ユニット31〜33と同様、図示の如く、測定ラインと、供給ラインとが設定されている。
【0037】
測定ラインは、最も奥側に左右に延びる直線領域と、この直線領域の右側部分に繋がる右槽領域と、直線領域の左側部分に繋がる左槽領域とからなる。供給ラインから右槽領域に搬入された検体ラックは、右槽領域から直線領域の右側部分に送られた後、直線領域を左に送られ、検体の測定が行われる。その後、検体ラックは、直線領域の左側部分に送られ、直線領域から左槽領域に送られる。しかる後、検体ラックは、左槽領域から供給ラインに搬出される。
【0038】
3台の測定ユニット41は、それぞれ前方に配置された搬送ユニット31〜33の測定ライン(直線領域)上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体ラックから検体容器を抜き出して、この検体容器に収容された検体を測定ユニット41内で測定する。測定が完了すると、測定ユニット41は、この検体容器を再び元の検体ラックの保持部に戻す。
【0039】
情報処理ユニット42は、コンピュータ本体420と、タッチパネル式のディスプレイからなる表示入力部426を備えている。情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、3台の測定ユニット41と通信可能に接続されており、3台の測定ユニット41の動作を制御する。また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、搬送ユニット31〜33の後方側の一部である検体供給部3b(
図3参照)と通信可能に接続されており、対応する検体供給部3bの動作を制御する。検体供給部3bは、搬送ユニット31〜33の測定ラインのうち、右槽領域と直線領域に係る部分である。
【0040】
また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420の音声入力端子と、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600の音声出力端子とは、図中の長鎖線で示すように、音声伝達のためのアナログ信号ケーブルにより接続されている。
【0041】
また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行い、問い合わせ結果に基づいて測定ユニット41へ測定指示を行い、測定ユニット41に検体の測定を実行させる。測定ユニット41は、検体に対して光学測定を行うための光学検出器を有し、この光学検出器によって測定試料中の各血球から光学情報(側方蛍光信号、前方散乱光信号、側方散乱光信号)を検体のデータとして検出する。コンピュータ本体420は、測定ユニット41から検体のデータを受信して解析し、赤血球数、白血球数等の解析結果をホストコンピュータ7に送信する。
【0042】
塗抹標本作製装置5は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。塗抹標本作製装置5は、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行い、問い合わせ結果に基づいて、搬送ユニット34の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体容器に収容されている検体を吸引して、この検体の塗抹標本を作製する。
【0043】
回収ユニット23は、搬送ユニット34により搬出された検体ラックを受け取り、受け取った検体ラックを後方に搬送して搬送路上に収納する。搬送路上に収納された検体ラックはユーザにより取り出され、この検体ラックの処理が終了する。
【0044】
搬送コントローラ6は、表示部および入力部を備えておらず、コンピュータ本体600のみを備えており、
図3に示すように、コンピュータ本体600は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。搬送コントローラ6のコンピュータ本体600は、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、回収ユニット23と、搬送ユニット31〜33の前方側の一部である検体リレー部3a(
図3参照)と、搬送ユニット34の搬送動作を制御する。検体リレー部3aは、搬送ユニット31〜33の供給ラインと測定ラインの左槽領域に係る部分である。
【0045】
図2は、検体処理システム1を正面から見た場合の構成を模式的に示す図である。
【0046】
図示の如く、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、搬送ユニット31〜34と、回収ユニット23は、それぞれ、台車C1〜C7の上部に設置されている。すなわち、台車C1〜C7は、これらユニットを支持している。また、台車C1、C2内の下部には、それぞれ、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600と、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420が収納されている。3台の測定ユニット41と、塗抹標本作製装置5と、情報処理ユニット42の表示入力部426は、台車C1〜C7よりも後方に設置されている。
【0047】
図3は、検体処理システム1のユニットおよび装置の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【0048】
ここで、搬送ユニット31〜33は、それぞれ、検体リレー部3aと、検体供給部3bに分けて図示されている。上記の如く、検体リレー部3aは、搬送ユニット31〜33の供給ラインと測定ラインの左槽領域に係る部分であり、検体供給部3bは、搬送ユニット31〜33の測定ラインの右槽領域と直線領域に係る部分である。
【0049】
集線装置11には、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、回収ユニット23と、3台の検体リレー部3aと、搬送ユニット34と、搬送コントローラ6が、通信可能となるよう接続されている。集線装置12には、3台の検体リレー部3aと情報処理ユニッ
ト42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置13には、3台の検体供給部3bと情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置14には、3台の測定ユニット41と情報処理ユニット42が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置15には、情報処理ユニット42と、搬送コントローラ6と、塗抹標本作製装置5と、通信ネットワークを介したホストコンピュータ7が、互いに通信可能となるよう接続されている。また、搬送コントローラ6から出力されたアナログ音声信号は、図中の長鎖線で示すように、情報処理ユニット42に入力される。
【0050】
図4は、情報処理ユニット42と搬送コントローラ6の回路構成を示す図である。
【0051】
情報処理ユニット42は、コンピュータ本体420と、表示入力部426と、スピーカー427を備える。コンピュータ本体420は、制御部421と、通信インターフェース422と、音声インターフェース423と、読出装置424と、ハードディスク425を備える。
【0052】
制御部421は、CPU、ROM、RAM等からなり、ハードディスク425に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理ユニット42内の各部を制御する。また、制御部421には、情報処理ユニット42内の各部から出力される信号が入力される。
【0053】
通信インターフェース422は、制御部421から入力されるデータを外部の装置に送信し、外部の装置から入力されるデータを制御部421に出力する。また、通信インターフェース422は、
図3に示したユニットおよび装置と接続されている。これにより、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600と通信可能に接続される。
【0054】
音声インターフェース423は、音声出力端子と音声入力端子を備えている。音声インターフェース423は、制御部421から入力される音声信号(デジタル)を変換して、音声出力端子から音声信号(アナログ)を出力し、音声入力端子から入力される音声信号(アナログ)を変換して、制御部421に音声信号(デジタル)を出力する。音声インターフェース423の音声出力端子は、アナログ信号ケーブルを介してスピーカー427に接続されており、音声インターフェース423の音声入力端子は、アナログ信号ケーブルを介して搬送コントローラ6と接続されている。
【0055】
読出装置424は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。
【0056】
ハードディスク425には、マイクロソフト社のオペレーティングシステム「Windows
(登録商標)」と、Windows(登録商標)上で実行可能な通信アプリケーション「リモー
トデスクトップ」と、制御部421で実行される種々のコンピュータプログラム等が記憶されている。また、ハードディスク425には、メニュー画面A1(
図5〜7参照)や設定画面A100(
図10(a)参照)、および、メニュー画面A1から順次辿られる情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の複数の階層からなる画面を表示するためのコンピュータプログラムが記憶されている。メニュー画面A1およびメニュー画面A1から順次辿られるコンピュータ本体420用の画面は、コンピュータ本体420の制御対象である測定ユニット41に関する情報を表示するための画面であり、これらの画面を介してユーザは測定ユニット41の操作を行うことができる。
【0057】
表示入力部426は、タッチパネル式のディスプレイにより構成されている。表示入力部426は、制御部421から出力される映像信号に基づいて画像を表示すると共に、ユ
ーザにより表示入力部426の画面がタッチ(押下)されると、入力された内容を制御部421に出力する。スピーカー427は、音声インターフェース423から入力される音声信号(アナログ)を音声として出力する。
【0058】
搬送コントローラ6は、コンピュータ本体600を備える。コンピュータ本体600は、制御部601と、通信インターフェース602と、音声インターフェース603と、読出装置604と、ハードディスク605を備える。なお、搬送コントローラ6は、情報処理ユニット42から、表示入力部426とスピーカー427が除かれた構成と略同様であるため、ここでは、通信インターフェース602と読出装置604についての説明は省略する。
【0059】
制御部601は、CPU、ROM、RAM等からなり、ハードディスク605に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより搬送系を制御する。また、制御部421には、搬送系内の各部から出力される信号が入力される。
【0060】
音声インターフェース603の音声出力端子は、アナログ信号ケーブルを介して情報処理ユニット42に接続されており、音声インターフェース603の音声入力端子は使用されない。
【0061】
ハードディスク605には、ハードディスク425と同様、マイクロソフト社のオペレーティングシステム「Windows(登録商標)」と、リモートデスクトップと、制御部60
1で実行される種々のコンピュータプログラム等が記憶されている。また、ハードディスク605には、メニュー画面B1(
図8参照)や設定画面B100(
図10(b)参照)、および、メニュー画面B1から順次辿られる搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の複数の階層からなる画面を表示するためのコンピュータプログラムが記憶されている。メニュー画面B1およびメニュー画面B1から順次辿られるコンピュータ本体600用の画面は、検体処理システム1全体に関する情報を表示するための画面であり、これらの画面を介して、ユーザは、例えば検体処理システム1のどのユニットで異常が生じているのか、投入ユニット21に投入された検体ラック内の検体の測定進捗状況等を確認することができる。
【0062】
図5は、表示入力部426に表示される情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1を示す図である。
【0063】
メニュー画面A1は、ツールバー領域A10と、メイン領域A20と、測定操作領域A30を含んでいる。
【0064】
ツールバー領域A10は、画面切替ボタンA11の他、複数のボタンを含んでいる。ツールバー領域A10は、メニュー画面A1の表示内容が変化しても、また、画面がメニュー画面A1からコンピュータ本体420用の他の階層の画面に切り替わっても、常に画面の上部に表示される。画面切替ボタンA11は、ツールバー領域A10内の所定の場所に表示される。これにより、画面切替ボタンA11は、コンピュータ本体420用の画面がどのように変化しても、表示入力部426上の同じ位置に常に表示される。
【0065】
画面切替ボタンA11がユーザによりタッチされると、表示入力部426には、メニュー画面A1に代えて、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用のメニュー画面B1(
図8参照)が表示される。
【0066】
メイン領域A20は、各種メニューを表示するための複数のボタンを含んでいる。ユーザは、これらボタンをタッチして情報処理ユニット42のコンピュータ本体420に様々
な指示を与えることができる。
【0067】
なお、ツールバー領域A10内の画面切替ボタンA11以外のボタンと、メイン領域A20内のボタンがタッチされると、表示入力部426には、メニュー画面A1とは異なるコンピュータ本体420用の他の階層の画面が表示される。たとえば、ツールバー領域A10内の“エクスプローラー”ボタン、または、メイン領域A20内の“サンプルエクスプローラー”ボタンがタッチされると、測定結果をリストで示す画面が表示される。この場合も、上記のとおり、画面切替ボタンA11は、表示入力部426上の同じ位置に常に表示される。
【0068】
測定操作領域A30は、3台の測定ユニット41に対応した操作部M1〜M3を含んでいる。操作部M1〜M3は、それぞれ、
図1の右端、中央、左端の測定ユニット41に対応している。操作部M1〜M3は、同様に構成されており、ステータス通知部P11、P21と、エラーメッセージ表示領域P12、P22と、ボタンP31、P32を含んでいる。
【0069】
ステータス通知部P11は、対応する測定ユニット41が正常に動作している場合には緑色に表示され、この測定ユニット41にエラーが発生している場合には、赤色に表示される。エラーメッセージ表示領域P12には、この測定ユニット41にエラーが発生したときにエラーメッセージが表示される。ステータス通知部P21は、対応する測定ユニット41の前方に配置されている検体供給部3bが正常に動作している場合には緑色に表示され、この検体供給部3bにエラーが発生している場合には、赤色に表示される。エラーメッセージ表示領域P22には、この検体供給部3bにエラーが発生したときにエラーメッセージが表示される。なお、
図5では、エラーが発生していないため、ステータス通知部P11、P21は緑色となっており、エラーメッセージ表示領域P12、P22にはエラーメッセージが表示されていない。
【0070】
なお、エラーが発生することにより、操作部M1〜M3のステータス通知部P11、P21が赤色に表示されると、情報処理ユニット42のスピーカー427からアラーム音が出力される。
【0071】
ボタンP31は、エラー対処に用いるエラー対処画面D1(
図6参照)を開くためのボタンであり、対応する測定ユニット41にエラーが発生すると表示される。なお、
図5では、測定ユニット41にエラーが発生しておらず、何れのボタンP31も表示されていない。ボタンP32は、種々の処理を指定可能な操作部メニュー画面(図示せず)を開くためのボタンである。
【0072】
図6は、エラー対処画面D1が開かれている状態のメニュー画面A1を示す図である。
図6は、左端の測定ユニット41において“RBCシース液吸引異常”が発生しており、左端の検体供給部3bにおいて“ラック移動エラー”が発生している状態を示している。
【0073】
操作部M3では、左端の測定ユニット41と検体供給部3bにおいてエラーが発生したことにより、それぞれ、ステータス通知部P11、P21の色が赤色となっている。また、エラーメッセージ表示領域P12、P22には、エラーメッセージが表示されている。また、左端の測定ユニット41においてエラーが発生したことにより、エラー警告を示すアイコンを含むボタンP31が表示されている。
【0074】
ここで、ボタンP31が表示されているときに、ユーザによりボタンP31がタッチされると、ボタンP31が含まれている操作部M3の上方に、図示の如く、エラー対処画面D1が表示される。ユーザは、エラー対処画面D1を介して情報処理ユニット42に指示
入力することにより、左端の測定ユニット41に発生しているエラーの対処を行うことができる。
【0075】
なお、エラー対処画面D1は、エラーメッセージリストD11とボタンD12を含んでいる。エラーメッセージリストD11には、エラー内容が表示されており、複数のエラーが同時に発生している場合には、複数のエラー内容が表示される。また、
図6に示すように、試薬不足によりエラーが発生した場合には、ユーザによりボタンD12がタッチされると、エラー発生の元となった測定ユニット41(この場合は左端の測定ユニット41)の試薬を交換するための試薬交換画面D2(
図7参照)が表示される。
【0076】
また、右端と中央の測定ユニット41にエラーが発生した場合も、ユーザは、操作部M1、M2内に表示されているボタンP31をタッチして、エラー対処画面D1を操作部M1、M2の上方に表示させ、かかるエラー対処画面D1を介してエラーの対処を行うことができる。
【0077】
図7は、試薬交換画面D2が開かれている状態のメニュー画面A1を示す図である。
【0078】
操作部M1〜M3のボタンP32が、ユーザによりタッチされると、それぞれ、操作部M1〜M3の上方に、種々の処理を指定可能な操作部メニュー画面(図示せず)が表示される。ユーザは、この操作部メニュー画面を介して試薬交換を行う指示を入力すると、操作部メニュー画面に代えて試薬交換画面D2が表示される。
図7では、左端の測定ユニット41の試薬を交換するための試薬交換画面D2が表示されている状態が示されている。試薬交換画面D2には、測定ユニット41内で用いられる11種類の試薬の状態を示す11個の領域が設定されている。
【0079】
なお、上述したように、試薬不足に基づくエラー対処画面D1が表示されているときに、エラー対処画面D1のボタンD12がタッチされた場合も試薬交換画面D2が表示される。
【0080】
図8は、表示入力部426に表示される搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用のメニュー画面B1を示す図である。この画面は、画面切替ボタンA11(
図5参照)が押されたときに表示される。
【0081】
メニュー画面B1は、ツールバー領域B10と、レイアウト領域B20と、状態表示領域B30を含んでいる。
【0082】
ツールバー領域B10は、画面切替ボタンB11の他、複数のボタンを含んでいる。ツールバー領域B10は、メニュー画面B1の表示内容が変化しても、また、画面がメニュー画面B1からコンピュータ本体600用の他の階層の画面に切り替わっても、常に画面の上部に表示される。画面切替ボタンB11は、ツールバー領域B10内の所定の場所に表示される。これにより、画面切替ボタンB11は、コンピュータ本体600用の画面がどのように変化しても、表示入力部426上の同じ位置に常に表示される。
【0083】
画面切替ボタンB11がユーザによりタッチされると、表示入力部426には、メニュー画面B1に代えて、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)が表示される。
【0084】
なお、ツールバー領域B10内の画面切替ボタンB11以外のボタンがタッチされると、表示入力部426には、メニュー画面B1とは異なる搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の他の階層の画面が表示される。たとえば、ツールバー領域B10内の“
エラー履歴”ボタンがタッチされると、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600が検知した後述するエラーの履歴を示す画面が表示される。この場合も、上記のとおり、画面切替ボタンB11は、表示入力部426上の同じ位置に常に表示される。
【0085】
レイアウト領域B20には、検体処理システム1のユニットおよび装置の配置レイアウトが表示される。レイアウト領域B20は、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、回収ユニット23と、搬送ユニット31〜34と、3台の測定ユニット41と、塗抹標本作製装置5に、それぞれ対応した表示領域F21〜F23、F31〜F34、F41a〜F41c、F5を含んでいる。これらのユニットおよび装置においてエラーが発生すると、対応する表示領域の色が赤色となる。
図8のレイアウト領域B20には、搬送ユニット32、33においてエラーが発生している状態が示されている。
【0086】
状態表示領域B30は、内部状態表示領域B31と外部状態表示領域B32を含んでいる。内部状態表示領域B31は、レイアウト領域B20に示すユニットおよび装置の状態を示し、外部状態表示領域B32は、ホストコンピュータ7の状態を示している。
【0087】
内部状態表示領域B31は、ステータス通知部B31aとエラーメッセージ表示領域B31bを含んでいる。ステータス通知部B31aは、レイアウト領域B20に示すユニットおよび装置が、全て正常に動作している場合には緑色に表示され、1台以上のユニットおよび装置にエラーが発生している場合には、赤色に表示される。エラーメッセージ表示領域B31bには、発生したエラーの種類が表示される。
図8の内部状態表示領域B31には、何れかのユニットおよび装置において“ラック送込爪異常”が発生していることが示されている。
【0088】
また、レイアウト領域B20に示すユニットおよび装置においてエラーが発生すると、エラーメッセージ表示領域B31bの左端にエラー警告アイコンB31cが表示される。ユーザによりエラー警告アイコンB31cがタッチされると、エラー対処画面D1(
図6参照)と同様の画面がメニュー画面B1上に表示される。ユーザは、この画面を介して何れのユニットおよび装置においてエラーが発生しているかを知ることができると共に、かかるエラーの対処を行うことができる。
【0089】
外部状態表示領域B32は、ステータス通知部B32aとエラーメッセージ表示領域B32bを含んでいる。ステータス通知部B32aは、ホストコンピュータ7が正常に動作している場合には緑色に表示され、ホストコンピュータ7にエラーが発生している場合とホストコンピュータ7との通信にエラーが発生している場合には、赤色に表示される。エラーメッセージ表示領域B32bには、発生したエラーの種類が表示される。
図8の外部状態表示領域B32には、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600がホストコンピュータ7と通信できないことを示す“ホスト通信異常”が発生していることが示されている。
【0090】
なお、エラーが発生することにより、ステータス通知部B31a、B32aが赤色に表示されると、搬送コントローラ6の音声インターフェース603からアラーム音を出力するための音声信号が出力され、この音声信号が、情報処理ユニット42の音声インターフェース423に入力される。
【0091】
図9は、表示入力部426の画面切替について説明する図である。
図9(a)、(b)では、表示入力部426に、それぞれ、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1と搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用のメニュー画面B1が表示されている。
【0092】
図9(a)を参照して、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420から出力される映像信号にはメニュー画面A1が含まれている。搬送コントローラ6のコンピュータ本体600は、最前面に位置付けられたメニュー画面B1を含む映像信号を出力することができるよう構成されている。しかしながら、本実施の形態では、コンピュータ本体600には映像信号を表示させるための表示部が接続されていない。これにより、表示入力部426に、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1のみが表示される。
【0093】
図9(b)を参照して、
図9(a)の状態から、メニュー画面A1の画面切替ボタンA11がタッチされると、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600に対してリモートデスクトップによる通信を開始する。このとき、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600とリモートデスクトップによる通信を行い、
図9(b)に示す如く、メニュー画面A1上にメニュー画面B1を重ねて表示する。これにより、表示入力部426には、メニュー画面A1に代えてメニュー画面B1のみが表示されることになる。
【0094】
なお、リモートデスクトップによる通信が確立すると、搬送コントローラ6では、ログオンしていたユーザがログオフされる。また、搬送コントローラ6の制御部601から音声インターフェース603に出力される音声信号(デジタル)が、さらに、通信インターフェース602からリモートデスクトップによる通信を介して、情報処理ユニット42に送信される。
【0095】
図10(a)は、情報処理ユニット42においてリモートデスクトップの設定を行うための設定画面A100を示す図である。
【0096】
設定画面A100は、テキストボックスA101〜A103と、OKボタンA111と、キャンセルボタンA112を備えている。テキストボックスA101〜A103は、それぞれ、リモートデスクトップの接続先である搬送コントローラ6のコンピュータ本体600のIPアドレスと、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600にログオンするためのユーザ名と、ユーザ名に対応するパスワードを受け付ける領域である。OKボタンA111がタッチされると、テキストボックスA101〜A103の内容を含むリモートデスクトップのための設定が、情報処理ユニット42のハードディスク425に記憶される。キャンセルボタンA112がタッチされると、テキストボックスA101〜A103の内容が破棄され、設定画面A100が閉じられる。
【0097】
ここで、情報処理ユニット42のリモートデスクトップの設定は、検体処理システム1を検査室に設置する時にサービスマンによって設定される。サービスマンは、情報処理ユニット42の起動画面において、まず、サービスマン用のユーザ名でログオンする。サービスマン用のユーザ名でログオンすると、次に表示されるメニュー画面A1にはサービスマン用のメニューボタン(図示せず)が配される。サービスマンは、このメニューボタンを操作することにより、設定画面A100を表示入力部426に表示させる。こうして、サービスマンにより設定画面A100を介して設定が行われる。
【0098】
図10(b)は、搬送コントローラ6においてリモートデスクトップの設定を行うための設定画面B100を示す図である。
【0099】
設定画面B100は、テキストボックスB101〜B103と、OKボタンB111と、キャンセルボタンB112を備えている。テキストボックスB101〜B103は、それぞれ、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600にリモートデスクトップにより接続する情報処理ユニット42のコンピュータ本体420のIPアドレスと、搬送コントロ
ーラ6のコンピュータ本体600にログオンするためのユーザ名と、ユーザ名に対応するパスワードを受け付ける領域である。OKボタンB111がタッチされると、テキストボックスB101〜B103の内容を含むリモートデスクトップのための設定が、搬送コントローラ6のハードディスク605に記憶される。キャンセルボタンB112がタッチされると、テキストボックスB101〜B103の内容が破棄され、設定画面B100が閉じられる。
【0100】
ここで、搬送コントローラ6のリモートデスクトップの設定は、検体処理システム1の設置時にサービスマンによって設定される。サービスマンは、まず、搬送コントローラ6に表示部および入力部を一時的に接続して、ハードディスク605に予め記憶されている設定用のコンピュータプログラムを起動する。設定用コンピュータプログラムが起動されると、表示部に種々の設定を行うためのメニュー画面(図示せず)が表示され、サービスマンは、このメニュー画面を操作することにより、設定画面B100を表示部に表示させる。こうして、サービスマンにより設定画面B100を介して設定が行われる。なお、サービスマンが使用する入力部は、予め台車C1に収納されて搬送コントローラ6に接続されていても良い。
【0101】
このように、
図10(a)の設定画面A100と
図10(b)の設定画面B100を介してリモートデスクトップの設定が行われると、メニュー画面A1において画面切替ボタンA11が表示されるようになり、メニュー画面B1において画面切替ボタンB11が表示されるようになる。そして、メニュー画面A1において画面切替ボタンA11がタッチされると、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600に対してログオン処理が行われ、表示入力部426にメニュー画面B1が表示されるようになる。また、メニュー画面B1において画面切替ボタンB11がタッチされると、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600に対してログオフ処理が行われ、表示入力部426にメニュー画面A1が表示されるようになる。なお、上記のように、画面切替ボタンA11、B11は、メニュー画面A1、B1以外の情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面および搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面においても同様に表示される。
【0102】
次に、
図11を参照して、情報処理ユニット42の表示入力部426の画面が切り替えられる場合の、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420と搬送コントローラ6のコンピュータ本体600の処理を説明する。
【0103】
図11(a)は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420の処理を示すフローチャートである。
【0104】
情報処理ユニット42の制御部421は、表示入力部426に情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)が表示されているときに、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用のメニュー画面B1を表示する指示を受けるまで、すなわち、ユーザにより画面切替ボタンA11がタッチされるまで、処理を待機させる(S101)。
【0105】
画面切替ボタンA11がタッチされると(S101:YES)、制御部421は、設定画面A100を介して予め行った設定に基づき、通信インターフェース422を介して搬送コントローラ6のコンピュータ本体600にリモートデスクトップの接続要求を送信する(S102)。こうして、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420と搬送コントローラ6のコンピュータ本体600との間で、リモートデスクトップによる通信が開始され(S103)、表示入力部426には、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)の代わりにメニュー画面B1が表示される。
【0106】
続いて、制御部421は、表示入力部426に搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)が表示されているときに、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)を表示する指示を受け付けるまで、すなわち、ユーザにより画面切替ボタンB11がタッチされるまで、処理を待機させる(S104)。
【0107】
画面切替ボタンB11がタッチされると(S104:YES)、制御部421は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600とのリモートデスクトップによる通信を終了する(S105)。これにより、表示入力部426には、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)が表示される。制御部421は、情報処理ユニット42に対するシャットダウン指示が行われるまで、S101〜S105の処理を繰り返し行う(S106)。
【0108】
図11(b)は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600の処理を示すフローチャートである。
【0109】
搬送コントローラ6の制御部601は、通信インターフェース602を介して、
図11(a)のS102で情報処理ユニット42のコンピュータ本体420から送信された接続要求を受信するまで処理を待機させる(S201)。制御部601は、接続要求を受信すると(S201:YES)、設定画面B100を介して予め行った設定に基づき、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420の接続要求を許可する。こうして、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420と搬送コントローラ6のコンピュータ本体600との間で、リモートデスクトップによる通信が開始される(S202)。なお、接続要求に含まれるユーザ名とパスワードが、設定画面B100で設定した内容と異なる場合、接続要求が不許可となる。
【0110】
続いて、制御部601は、リモートデスクトップによる通信を介して、ユーザにより画面切替ボタンB11がタッチされるまで、処理を待機させる(S203)。画面切替ボタンB11がタッチされると(S203:YES)、制御部601は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420とのリモートデスクトップによる通信を終了する(S204)。制御部601は、搬送コントローラ6に対するシャットダウン指示が行われるまで、S201〜S204の処理を繰り返し行う(S205)。
【0111】
図12(a)は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420のエラー発生処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、情報処理ユニット42が起動すると実行される。
【0112】
情報処理ユニット42の制御部421は、3台の測定ユニット41と3台の検体供給部3bにおいてエラーが発生したか否かを監視している(S111)。これらのユニットにおいてエラーが発生すると(S111:YES)、制御部421は、
図6に例示したように、エラーが発生した箇所に対応して、ステータス通知部P11、P21を赤色に表示し、エラーメッセージ表示領域P12、P22にエラーメッセージを表示し、ボタンP31を表示させる(S112)。また、制御部421は、アラーム音をスピーカー427から出力させる(S113)。これにより、表示入力部426に情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面が表示されているときに、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420がエラーを検知すると、
図6に例示したようにエラーの発生が表示されるとともに、アラーム音でエラーが報知される。
【0113】
なお、表示入力部426に搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面が表示されているときに、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420がエラーを検知し
た場合にも、制御部421はアラーム音をスピーカー427から出力させる。これにより、表示入力部426に搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面が表示されているときであっても、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420がエラーを検知したことをユーザは知ることができる。この場合、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420がエラーを検知したことを示すメッセージを搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面に重ねて表示してもよい。
【0114】
ユーザによりエラーの対処が行われ、エラーが解消すると(S114)、処理がS115に進められる。制御部421は、情報処理ユニット42に対するシャットダウン指示が行われるまで、S111〜S114の処理を繰り返し行う(S114)。
【0115】
図12(b)は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600のエラー発生処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、搬送コントローラ6が起動すると実行される。
【0116】
搬送コントローラ6の制御部601は、
図8のレイアウト領域B20に示すユニットおよび装置においてエラーが発生したか否かを監視している(S211)。これらのユニットおよび装置においてエラーが発生すると(S211:YES)、制御部601は、
図8に例示したように、エラーが発生した箇所に対応して、エラー発生の表示を行う(S212)。また、制御部601は、音声インターフェース603の音声出力端子からアラーム音を出力するための音声信号を出力させる(S213)。また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420との間でリモートデスクトップによる通信が行われている場合、アラーム音を出力するための音声信号(デジタル)が、リモートデスクトップによる通信を介して、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420に送信され、情報処理ユニット42側のスピーカー427から出力される。これにより、表示入力部426に搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面が表示されているときに、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600がエラーを検知すると
図8に例示したようにエラーの発生が表示されるとともに、アラーム音でエラーが報知される。
【0117】
ユーザによりエラーの対処が行われ、エラーが解消すると(S214)、処理がS215に進められる。制御部601は、搬送コントローラ6に対するシャットダウン指示が行われるまで、S211〜S214の処理を繰り返し行う(S214)。
【0118】
図12(c)は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420のエラー受信処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、情報処理ユニット42が起動すると実行される。
【0119】
情報処理ユニット42の制御部421は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)が表示されているときに、音声インターフェース423を介して、搬送コントローラ6からアラーム音を受信したかを監視している(S121)。ここで、情報処理ユニット42のハードディスク425には、音声インターフェース423の音声入力端子に入力される音声を監視するためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムは、情報処理ユニット42が起動すると実行され、音声入力端子に所定時間に亘って音声信号が入力されるとアラーム音を受信したと判定する。なお、このコンピュータプログラムは、音声入力端子に入力された音声信号の波長や周期等を解析して入力された音声が、アラーム音であるか否かを判定するように構成されていても良い。この場合、アラーム音は、他の音声と異なる固有のパターンを持つ必要がある。
【0120】
制御部421は、搬送コントローラ6からアラーム音を受信すると(S121:YES
)、
図13に示すエラー通知ダイアログA40を、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面に重ねて表示し(S122)、アラーム音をスピーカー427から出力させる(S123)。
図13では、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1上にエラー通知ダイアログA40が表示されている。なお、エラー通知ダイアログA40に表示されるメッセージは、“画面を切り替えてエラーの確認をしてください”であっても良い。制御部421は、情報処理ユニット42のシャットダウン指示が行われるまで、S121〜S123の処理を繰り返し行う(S124)。
【0121】
以上、本実施の形態によれば、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)と、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)とを、情報処理ユニット42に接続された1つの表示入力部426に表示させることができる。また、これら2つの画面の操作を、1つの表示入力部426を介して行うことができる。これにより、搬送コントローラ6に表示部と入力部(または表示入力部)を設ける必要がないため、検査室のスペースを有効に活用することができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、搬送コントローラ6に表示と入力を行うための表示部と入力部を設ける必要がないため、検体処理システム1にかかるコストを低減させることができ、環境への負担軽減を図ることができる。また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)と、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)とを切り替えるために、切替スイッチ等のハード資源を別途設ける必要がないため、切替スイッチ等を用いて画面を切り替える場合に比べ、環境への負担をより軽減させることができる。
【0123】
また、本実施の形態によれば、画面切替ボタンA11は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)内で常に所定の場所に表示され、画面切替ボタンB11は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)内で常に所定の場所に表示される。これにより、ユーザは、容易に画面の切り替えを行うことができる。
【0124】
また、本実施の形態によれば、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420と搬送コントローラ6のコンピュータ本体600は、それぞれ、台車C1、C2内に収納されているため、検査室により広いスペースを確保することができる。また、情報処理ユニット42にはタッチパネル式の表示入力部426が設けられているため、キーボード等の入力装置を別途設ける必要がなく、検査室により広いスペースを確保することができる。
【0125】
また、本実施の形態によれば、表示入力部426に情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)が表示されている場合でも、この画面に重ねて表示されるエラー通知ダイアログA40と、スピーカー427から出力されるアラーム音とにより、ユーザは、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600がエラーを検知したことを知ることができる。また、表示入力部426に搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)が表示されている場合でも、スピーカー427から出力されるアラーム音により、ユーザは、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420がエラー検知したことを知ることができる。
【0126】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0127】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することが
でき、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0128】
また、上記実施の形態では、表示入力部426に表示されているメニュー画面A1等とメニュー画面B1等を相互に切り替えるために、画面切替ボタンA11、B11が用いられた。しかしながら、これに限らず、画面切替ボタンA11、B11の替わりに、切り替え先の画面を文字列で示すリンクが用いられても良い。また、リンクの替わりにアイコンが用いられても良い。
【0129】
また、上記実施の形態では、画面切替ボタンA11がメニュー画面A1内に設けられ、画面切替ボタンB11がメニュー画面B1内に設けられているが、本発明はこれに限らない。たとえば、表示入力部426にメニュー画面が表示されているときに、メニュー画面の枠外の表示エリアに画面切替ボタンを表示させてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、情報処理ユニット42は、3台の測定ユニット41を制御したが、これに限らず、3台の測定ユニット41に加えて、塗抹標本作製装置5を制御するようにしても良い。また、情報処理ユニット42の制御対象には、検体を測定する測定ユニット41や、塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置5だけでなく、検体容器を攪拌する攪拌ユニットや、検体を分注する分注ユニット等が含められても良い。
【0131】
また、上記実施の形態では、3台の測定ユニット41が1台の情報処理ユニット42により制御されたが、2台以上の情報処理ユニットにより制御されても良い。
【0132】
図14は、4台の測定ユニット41が2台の情報処理ユニットにより制御される場合の、検体処理システムのユニットおよび装置の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【0133】
この場合の検体処理システムは、上記実施の形態の検体処理システム1(
図3参照)から、情報処理ユニット42が制御する1台の測定ユニット41と、搬送ユニット33が除かれ、情報処理ユニット43と、情報処理ユニット43が制御する2台の測定ユニット41と、搬送ユニット35、36と、集線装置16〜18が加えられている。なお、
図14では、投入ユニット21と、前処理ユニット22と、回収ユニット23と、搬送ユニット34と、塗抹標本作製装置5について、便宜上、図示が省略されている。以下、
図3との違いについて説明する。
【0134】
図14を参照して、集線装置11には、搬送ユニット35、36の検体リレー部3aが、通信可能に接続されている。集線装置16には、搬送ユニット35、36の検体リレー部3aと、情報処理ユニット43が、通信可能に接続されている。集線装置17には、搬送ユニット35、36の検体供給部3bと、情報処理ユニット43が、通信可能に接続されている。集線装置18には、搬送ユニット35、36にそれぞれ対応する2台の測定ユニット41と、情報処理ユニット43が、互いに通信可能となるよう接続されている。集線装置15には、情報処理ユニット43が、通信可能に接続されている。また、情報処理ユニット43から出力されたアナログ音声信号は、図中の長鎖線で示すように、情報処理ユニット42に入力される。
【0135】
この場合も、情報処理ユニット42の表示入力部426には、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1およびその他の画面と、情報処理ユニット43のコンピュータ本体用のメニュー画面およびその他の画面が表示される。また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1に配された画面切替ボタンA11と、情報処理ユニット43のコンピュータ本体用のメニュー画面に配された画面切替ボタンとにより、表示入力部426に表示されるメニュー画面が切り替えられる。
同様に、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用のメニュー画面A1以外の画面に配された画面切替ボタンA11と、情報処理ユニット43のコンピュータ本体用のメニュー画面以外の画面に配された画面切替ボタンとにより、表示入力部426に表示される画面が切り替えられる。
【0136】
また、この場合も、表示入力部426の画面が切り替えられるとき、情報処理ユニット42、43のコンピュータ本体の処理は、上記と同様に行われる。すなわち、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、
図15(a)に示すように、
図11(a)と同様の処理を行う。ただし、各ステップにおいて、リモートデスクトップの接続先は、情報処理ユニット43のコンピュータ本体に変更される。また、情報処理ユニット43のコンピュータ本体は、
図15(b)に示すように、
図11(b)と同様の処理を行う。この場合、各ステップにおいて、リモートデスクトップの接続元は、
図11(b)の場合と同様、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420である。
【0137】
また、上記実施の形態では、情報処理ユニット42の表示入力部426は、タッチパネル式のディスプレイにより構成されたが、これに替えて、マウスやキーボードからなる入力部と、ディスプレイからなる表示部とにより構成されても良い。
【0138】
また、上記実施の形態では、画面切替ボタンA11、B11は、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)と、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)内で常に所定の場所に表示されたが、画面切替ボタンA11、B11は上記所定の場所と異なる所に表示されても良い。
【0139】
また、上記実施の形態では、情報処理ユニット42は表示入力部426とスピーカー427を備え、搬送コントローラ6は表示入力部とスピーカーを備えないよう検体処理システム1が構成された。しかしながら、これに限らず、搬送コントローラ6が表示入力部とスピーカーを備え、情報処理ユニット42が表示入力部とスピーカーを備えないよう検体処理システム1が構成されても良い。この場合、搬送コントローラ6の表示入力部に、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)と、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)が表示され、この表示入力部を介して操作が行われる。
【0140】
この場合も、表示入力部の画面が切り替えられるとき、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600と情報処理ユニット42のコンピュータ本体420の処理は、上記と同様に行われる。すなわち、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600は、
図16(a)に示すように、
図11(a)と同様の処理を行う。また、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420は、
図16(b)に示すように、
図11(b)と同様の処理を行う。この場合、搬送コントローラ6が表示入力部を備えるため、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600がリモートデスクトップの接続元となり、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420がリモートデスクトップの接続先となる。よって、
図11(a)、(b)に比べ、
図16(a)、(b)のS501〜S506、S601〜S605では、リモートデスクトップの接続元が情報処理ユニット42のコンピュータ本体420から搬送コントローラ6のコンピュータ本体600に変更され、リモートデスクトップの接続先が搬送コントローラ6のコンピュータ本体600から情報処理ユニット42のコンピュータ本体420に変更されている。
【0141】
また、上記実施の形態では、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)を表示入力部426に表示させるために、マイクロソフト社の「リモートデスクトップ」が用いられたが、同様の機能を実現する他のソフトウェア、たとえば、シマンテック社の「pcAnywhere」が用いられても良い。
【0142】
また、上記実施の形態では、リモートデスクトップと、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)と設定画面A100を表示するためのコンピュータプログラムが、予め情報処理ユニット42のハードディスク425に記憶された。しかしながら、これに限らず、これらコンピュータプログラムを記憶したCDまたはDVD等が、読出装置424から読み出され、これらコンピュータプログラムがハードディスク425に記憶されるようにしても良い。同様に、上記実施の形態では、リモートデスクトップと、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)と設定画面B100を表示するためのコンピュータプログラムが、予め搬送コントローラ6のハードディスク605に記憶された。しかしながら、これに限らず、これらコンピュータプログラムを記憶したCDまたはDVD等が、読出装置604から読み出され、これらコンピュータプログラムがハードディスク605に記憶されるようにしても良い。
【0143】
また、上記実施の形態では、画面切替ボタンA11がタッチされたときに、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420と搬送コントローラ6のコンピュータ本体600との間でリモートデスクトップによる通信が開始され、画面切替ボタンB11がタッチされたときに、リモートデスクトップによる通信が終了された。しかしながら、これに限らず、最初に画面切替ボタンA11がタッチされたときに、リモートデスクトップによる通信が開始され、次に、画面切替ボタンB11がタッチされたときに、リモートデスクトップによる通信を終了せずに、表示入力部426から搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)を消しても良い。この場合、再度、画面切替ボタンA11がタッチされると、消えていた搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面(メニュー画面B1等)が表示入力部426内に再表示されるようにしても良い。
【0144】
また、上記実施の形態では、表示入力部426には、情報処理ユニット42と搬送コントローラ6の画面のみが表示されたが、これに限らず、たとえば、他の情報処理ユニット等、他のユニット(装置)が検体処理システム1に含まれる場合は、さらに他のユニット(装置)の画面が情報処理ユニット42の表示入力部426に表示されるようにしても良い。この場合、画面切替ボタンは、たとえば、画面切替可能なユニット(装置)毎に配置され、あるいは、一つの画面切替ボタンを操作すると画面切替可能なユニット(装置)がプルダウン方式で選択可能に表示されるよう構成される。また、情報処理ユニット42の音声インターフェース423の音声入力端子には、たとえば、複数のユニット(装置)から出力された音声信号が並列に入力される。この場合、何れか一つのユニット(装置)でエラーが生じると、エラー通知ダイアログA40が表示される。しかしながら、音声信号からは各ユニット(装置)を識別できないため、エラー通知ダイアログA40において、エラーが生じたユニット(装置)は特定され得ない。このため、ユーザは、画面切替ボタンを操作して、順次、画面を切り替えることで、どのユニット(装置)でエラーが生じたかを確認する必要がある。
【0145】
この場合、ユニット(装置)ごとに出力する音声信号を変えて、音声信号により各ユニット(装置)を識別できるようにしても良い。情報処理ユニット42の制御部421は、音声信号の違いを判別して、どのユニットおよび装置から出力された音声信号かを判定し、エラー通知ダイアログA40において、エラーが生じたユニット(装置)を特定する。こうすると、ユーザは、エラーが生じたユニット(装置)を即座に知ることができる。なお、ユニット(装置)ごとに音声信号を変える方法に代えて、通信インターフェース422に対する通信により、ユニット(装置)毎にエラーを通知するようにしても良い。
【0146】
また、上記実施の形態では、表示入力部426に情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面(メニュー画面A1等)を表示させているときであっても、情報処理
ユニット42のコンピュータ本体420は、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600が搬送ユニット31〜33の搬送動作異常や、ホストコンピュータ7との通信異常を検知したか否かを監視し、異常が検知されると、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420はエラー通知ダイアログA40を表示入力部426に表示させているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、前処理ユニット22に検体容器内の検体量を検知する検体量検知センサが設けられている構成において、表示入力部426に情報処理ユニット42のコンピュータ本体420用の画面が表示されているときに、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600が検体容器の検体量不足を検知したか否かを情報処理ユニット42のコンピュータ本体420が監視し、検体量不足が検知された場合に、その旨のメッセージを表示入力部426に表示させてもよい。これにより、搬送コントローラ6のコンピュータ本体600用の画面への切り替えをユーザに促し、検体量不足が生じている検体容器の確認をユーザに実行させることができる。
【0147】
また、上記実施の形態では、情報処理ユニット42のコンピュータ本体420が実行する測定ユニット41に関する情報処理として、検体測定動作の開始指示を測定ユニット41に送信する処理、測定ユニット41で検出された検体のデータを解析する処理等が挙げられているが、本発明はこれに限定されない。コンピュータ本体420が実行する情報処理として、測定ユニット41による検体処理動作の条件を設定する処理などを含めることができる。
【0148】
また、上記の実施形態では、コンピュータ本体用の画面の例として、メニュー画面およびメニュー画面から順次辿られる画面が挙げられているが、コンピュータ本体から出力される画面であればよく、たとえばコンピュータ本体から出力されるデスクトップ画面であってもよい。
【0149】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。