特許第5715037号(P5715037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715037
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150416BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20150416BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20150416BHJP
   H01L 21/8247 20060101ALI20150416BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20150416BHJP
   H01L 27/10 20060101ALI20150416BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/10 434
   H01L27/10 481
   H01L27/10 461
   H01L29/78 613B
   H01L29/78 626A
【請求項の数】4
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2011-270666(P2011-270666)
(22)【出願日】2011年12月9日
(65)【公開番号】特開2013-122976(P2013-122976A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2014年3月24日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】591000067
【氏名又は名称】白土 猛英
(72)【発明者】
【氏名】白土 猛英
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−007866(JP,A)
【文献】 特開平07−235649(JP,A)
【文献】 特開2011−029469(JP,A)
【文献】 特開2011−171470(JP,A)
【文献】 特開2010−098206(JP,A)
【文献】 特表2004−527904(JP,A)
【文献】 特開平04−302477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8247
H01L 27/10
H01L 27/115
H01L 29/786
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に絶縁膜を介して、選択的に第1の半導体層が設けられ、前記第1の半導体層上に、前記第1の半導体層と等しい幅を有する柱状構造の第2の半導体層が選択的に設けられ、前記第2の半導体層の幅方向の対向する2側面に等膜厚からなる第1のゲート絶縁膜を介して第1のゲート電極がそれぞれ設けられ、前記第1のゲート電極の反対側面に第2のゲート絶縁膜を介して第2のゲート電極がそれぞれ設けられ、前記第2の半導体層の残りの対向する2側面が絶縁され、前記第2の半導体層の上部にドレイン領域(あるいはソース領域)が設けられ、相対して前記第2の半導体層の下部にソース領域 (あるいはドレイン領域)が設けられ、前記第2の半導体層の中間部にチャネル領域が設けられ、前記第1の半導体層にソース領域 (あるいはドレイン領域)が設けられている2つの縦型(垂直方向動作)の2重側面ゲート電極を有するMIS電界効果トランジスが構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の半導体層の上部及び下部は格子定数が大きく、前記第2の半導体層の中間部は格子定数が小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1のゲート絶縁膜をトンネル酸化膜とし、前記第1のゲート電極をフローティングゲート電極とし、前記第2のゲート電極をコントロールゲート電極とし、前記フローティングゲート電極にキャリアを注入あるいは放出することにより情報の2値を対応させた前記縦型(垂直方向動作)の2重側面ゲート電極を有するMIS電界効果トランジスタをメモリーセルとし、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層に2つの前記メモリーセルからなる半導体記憶装置が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上に絶縁膜を介して選択的に設けられている第1の半導体層において、前記第1の半導体層上に選択化学気相成長導電膜を形成する工程と、前記導電膜を等方性エッチングし、幅を狭める工程と、バリアメタル層を成長する工程と、前記バリアメタル層を異方性エッチングし、前記導電膜の側壁のみに前記バリアメタル層を残す工程と、絶縁膜を積層し、前記バリアメタル層を有する前記導電膜を平坦に埋め込む工程と、前記バリアメタル層を有する前記導電膜をエッチング除去し、前記第1の半導体層の上面を露出する工程と、露出した前記第1の半導体層上に第2の半導体層を積層し、平坦化する工程と、をおこない、前記第1の半導体層に自己整合して前記絶縁膜に平坦に埋め込まれている前記第2の半導体層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はSOI(Silicon On Insulator)構造の半導体装置に係り、特に半導体基板(バルクウエハー)に容易な製造プロセスにより、低コストのSOI基板を形成し、このSOI基板に、高速、低電力、高性能、高信頼且つ高集積な縦型のMIS電界効果トランジスタからなるメモリーセルを構成した半導体装置(フラッシュメモリー)に関する。
【背景技術】
【0002】
図47は従来の半導体装置(フラッシュメモリー)のビット線に沿う方向の模式側断面図で、p型のシリコン基板を使用して形成した慣例的なフローティングゲート電極及びコントロールゲート電極を有するNチャネルのMIS電界効果トランジスタからなるメモリーセル4個分を図示したNORゲートのフラッシュメモリーの一部を示しており、61はp型のシリコン基板、62はn型ソース領域、63はn型ドレイン領域、64は第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜)、65はフローティングゲート電極、66は第2のゲート酸化膜、67はコントロールゲート電極、68はPSG膜、69は絶縁膜、70はバリアメタル、71は導電プラグ、72はバリアメタル、73は配線、74はバリア絶縁膜を示している。
同図においては、p型のシリコン基板61上に選択的に形成された第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜)64を介してフローティングゲート電極65が設けられ、フローティングゲート電極65上には第2のゲート酸化膜66を介して、自己整合してコントロールゲート電極67が設けられており、p型のシリコン基板61にはコントロールゲート電極67に自己整合してn型ソース領域62及びn型ドレイン領域63が設けられている慣例的な2重自己整合のフローティングゲート電極及びコントロールゲート電極を有するMIS電界効果トランジスタからなるメモリーセル4個分が形成され、NORゲートのフラッシュメモリーを構成している。隣接するドレイン領域は共通のn型ドレイン領域63を形成し、ビット線に接続され、隣接するソース領域は共通のn型ソース領域62を形成し、拡散層からなるソース配線をなしている。図示されてはいないが、ビット線と垂直方向の隣りあうコントロールゲート電極は直接接続され、ワード線を形成している。
慣例的なNORゲートのフラッシュメモリーと同様に、Fowler−Nordheimトンネル注入/放出を利用し、フローティングゲート電極に電子が注入されている状態では、MIS電界効果トランジスタは、電源電圧より閾値電圧が高いエンハンスメントトランジスタとなり、オフ状態を示し、フローティングゲート電極から電子が放出されている状態では、MIS電界効果トランジスタは、電源電圧より閾値電圧が低いエンハンスメントトランジスタとなり、オン状態を示し、これら2状態を情報の二値に対応させたフラッシュメモリーを構成している。
それぞれの領域を微細化し、2メモリーセルに対し、それぞれ共通のドレイン領域及びソース領域を形成したNORゲートのフラッシュメモリーを構成しているため、極めて高集積化が計られているが、半導体基板に直接MIS電界効果トランジスタからなるメモリーセルを形成するため、半導体基板とドレイン領域間の大きな接合容量により高速化が難しかったこと、メモリーの一括消去をするため、耐圧の高いソース領域を設ける必要上、ドレイン領域より深い拡散層のソース領域を形成するので、チャネル長の制御が難しく(深い拡散層のソース領域の横方向拡散大及びマスク工程によるコントロールゲート電極幅のばらつき)メモリーセルの閾値電圧のばらつきが大きかったことによる記憶特性の不安定性、異なる深さを持つ微細なソースドレイン領域形成の制御性の難しさ等の問題があり、チャネル幅をさらに微細化した場合、メモリーセルの閾値電圧の高精度な制御及びメモリーの同時消去を実現する耐圧を確保した浅いソース領域の形成が難しくなりつつある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】応用物理 第65巻 第11号 (1996)1114〜1124
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来例に示されるように、半導体基板に2重自己整合のフローティングゲート電極及びコントロールゲート電極を有するMIS電界効果トランジスタを形成しているため、
(1)半導体基板とソースドレイン領域間の大きな接合容量により高速化が難しかったこと。
(2)メモリーの同時消去を実現する耐圧を確保した深い拡散層のソース領域を形成するため、チャネル領域を微細化できない(ソース領域の大きな横方向拡散)ことによる高集積化が難しかったこと。
(3)実効チャネル長の決定をマスク工程によるコントロールゲート電極幅の制御及び深さの異なるソースドレイン領域の横方向拡散の制御によっているため、実効チャネル長が安定せず、メモリーセルの閾値電圧を精度よく制御することが難しかったこと。
(4)拡散係数の異なる不純物による異なる工程によりソースドレイン領域を形成するため、マスク工程の位置合わせ余裕を含む自己整合ソースドレイン領域の微細な形成が難しくなってきたこと。
等の問題が顕著になりつつあり、チャネル領域のさらなる微細化に対し、ソース領域の耐圧を確保した浅い拡散層の形成が難しく、現状技術によるメモリーセルの微細化だけでは、さらなる大規模記憶装置の製造が困難になってきたことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、半導体基板上に絶縁膜を介して、選択的に第1の半導体層が設けられ、前記第1の半導体層上に、前記第1の半導体層と等しい幅を有する柱状構造の第2の半導体層が選択的に設けられ、前記第2の半導体層の幅方向の対向する2側面に等膜厚からなる第1のゲート絶縁膜を介して第1のゲート電極がそれぞれ設けられ、前記第1のゲート電極の反対側面に第2のゲート絶縁膜を介して第2のゲート電極がそれぞれ設けられ、前記第2の半導体層の残りの対向する2側面が絶縁され、前記第2の半導体層の上部にドレイン領域(あるいはソース領域)が設けられ、相対して前記第2の半導体層の下部にソース領域 (あるいはドレイン領域)が設けられ、前記第2の半導体層の中間部にチャネル領域が設けられ、前記第1の半導体層にソース領域 (あるいはドレイン領域)が設けられている2つの縦型(垂直方向動作)の2重側面ゲート電極を有するMIS電界効果トランジスが構成されている本発明の半導体装置によって解決される。



【発明の効果】
【0006】
以上説明のように本発明によれば、通常の安価な半導体基板を使用して、半導体基板上に絶縁膜を介して横(水平)方向及び縦(垂直)方向エピタキシャル成長半導体層からなる柱状構造の半導体層が設けられ、この半導体層のワード線方向の対向する2側面が絶縁分離され、残りの対向する2側面に、それぞれ第1のゲート絶縁膜を介してフローティングゲート電極が設けられ、フローティングゲート電極の側面に、それぞれ第2のゲート絶縁膜を介してワード線となるコントロールゲート電極が設けられ、半導体層の上部にはドレイン領域が設けられ、ドレイン領域と離間し、相対して、下部にはソース領域が設けられている構造の2個の縦型のMIS電界効果トランジスタからなる2個のメモリーセルを構成でき、このメモリーセルをマトリックス状に配置し、適宜接続した、極めて高集積なフラッシュメモリーを形成することが可能である。
またSOI構造の完全空乏型の微細な半導体層に縦型のMIS電界効果トランジスタを形成できるので、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減等が可能である。
またMIS電界効果トランジスタの各種の特性を決定するチャネル長をフォトリソグラフィー技術によるゲート長の制御に依存せずに、制御性の良いエピタキシャル半導体層の成長膜厚及び熱処理による同一不純物の拡散により決定できるため、大口径ウエハーにおいても特性の安定した微細なチャネル長を持つMIS電界効果トランジスタを得ることができる。
また電界集中のない、ほぼ平坦な拡散層を形成できるため、拡散層の深さによらず、極めて高い耐圧を有するソースドレイン領域を得ることが可能で、さらなる浅い接合にも対応可能である。
また対向する側面に隣接するメモリーセルのコントロールゲート電極が設けられているため、いわゆるSOI構造のMIS電界効果トランジスタに必然的に生じてしまうバックチャネルリーク(本願の場合は対向する背面の側面チャネルリーク)を防止することができる。(当該メモリーセルが選択されていれば、選択ビット線及び選択ワード線ともにハイレベルの電圧が印加され、隣接するメモリーセルはビット線を共有するためハイレベルの電圧が印加されるが、非選択ワード線はローレベルの電圧が印加されるため、フローティングゲート電極の電子の有無にかかわらず、オフ状態となり、対向する背面の側面チャネルリークは防止され、該当メモリーセルの影響だけでオン、オフが決定される。)
また微細な柱状構造の半導体層に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(ソースドレイン領域、第1のゲート酸化膜、第2のゲート酸化膜、フローティングゲート電極及びコントロールゲート電極)を微細に形成することが可能である。
また格子定数の小さなSi層を、上下から格子定数の大きなSiGe層により挟んだ構造の半導体層を形成することもできるため、上下のSiGe層から歪みSi層の格子定数を広げることが可能で、キャリアの移動度を増加させることができることによる、MIS電界効果トランジスタの高速化が可能である。
またソース領域を直接半導体基板に接続させることも可能で、ソース配線(接地電圧配線)を省略できるため、高集積化が可能となる。
即ち、機器組み込み用途ばかりでなく、高速大容量通信、宇宙関連装置等に搭載可能な半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能及び高集積を併せ持つSOI構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のMIS電界効果トランジスタからなるフラッシュメモリーのメモリーセルを得ることができる。
本発明者は当該技術を、横(水平)方向及び縦(垂直)方向2段階エピタキシャル成長を利用した、絶縁膜上の2重側面ゲート電極付き縦型のMIS電界効果トランジスタ(Vertical etal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor with Double ide ate Insulator)構造と命名し、VEMDOSGOIN(べムドスゴーイン)と略称する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の半導体装置における第1の実施例の模式平面図
図2】本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(p−p矢視断面図)
図3】本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(q−q矢視断面図)
図4】本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(r−r矢視断面図)
図5】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図6】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図7】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図8】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図9】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図10】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図11】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図12】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図13】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図14】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図15】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図16】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図17】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図18】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図19】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図20】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図21】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図22】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図23】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図24】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図25】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図26】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図27】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図28】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図29】本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図30】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図31】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図32】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図33】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図34】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図35】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図36】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図37】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図38】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図39】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図40】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(q−q矢視断面図)
図41】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(r−r矢視断面図)
図42】本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図(p−p矢視断面図)
図43】本発明の半導体装置における第2の実施例の模式側断面図(ビット線に沿う方向)
図44】本発明の半導体装置における第3の実施例の模式側断面図(ソース線に沿う方向)
図45】本発明の半導体装置における第4の実施例の模式側断面図(ビット線に沿う方向)
図46】本発明の半導体装置における第5の実施例の模式側断面図(ビット線に沿う方向)
図47】従来の半導体装置の模式側断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明は、
(1)Si基板上に選択的にSi層を縦(垂直)方向にエピタキシャル成長させる。
(2)縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の側面の一部から絶縁膜上に横(水平)方向エピタキシャルSi層を成長させる。
(3)横(水平)方向エピタキシャルSi層上に選択化学気相成長導電膜を形成する。
(4)選択化学気相成長導電膜を等方性エッチングし、幅を狭める。
(5)バリアメタル層を成長して後、全面異方性エッチングし、選択化学気相成長導電膜の側壁のみにバリアメタル層を残す。
(6)シリコン酸化膜を積層し、バリアメタル層を有する選択化学気相成長導電膜を平坦に埋め込む。
(7)選択的にバリアメタル層を有する選択化学気相成長導電膜をエッチング除去し、横(水平)方向エピタキシャルSi層の一部上面を露出する。
(8)露出した横(水平)方向エピタキシャルSi層上に縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を成長し、平坦化する。
(9)残されたバリアメタル層を有する選択化学気相成長導電膜をエッチング除去し、横(水平)方向エピタキシャルSi層の残りの上面を露出する開孔部を形成する。
(10)シリコン窒化膜を成長し、開孔部に平坦に埋め込む。
(11)縦(垂直)方向エピタキシャルSi層上に選択化学気相成長導電膜を成長する。
(12)シリコン酸化膜をエッチング除去し、縦(垂直)方向エピタキシャルSi層のビット線方向の2側面を露出する。
(13)縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を等方性エッチングし、選択化学気相成長導電膜の庇構造を形成する。
(14)露出した縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の側面に第1のゲート絶縁膜を介してフローティングゲート電極を選択化学気相成長導電膜の庇構造下の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の側壁に埋め込む。
(15)フローティングゲート電極の側面に第2のゲート絶縁膜を介してワード線となるコントロールゲート電極を形成する。
(16)選択化学気相成長導電膜及び横(水平)方向エピタキシャルSi層上のシリコン窒化膜を順次除去し、縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の上面及び横(水平)方向エピタキシャルSi層の上面を露出する。
(17)選択的に縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の上面及び横(水平)方向エピタキシャルSi層の上面に不純物を導入してソースドレイン領域を形成する。
等によりフローティングゲート電極及びコントロールゲート電極を有する縦型のMIS電界効果トランジスタを形成する等の技術を使用して、
シリコン基板上にシリコン酸化膜が設けられ、シリコン酸化膜上に選択的に横(水平)方向エピタキシャルSi層が設けられ、横(水平)方向エピタキシャルSi層上には選択的に、対向する2側面を絶縁された縦(垂直)方向エピタキシャルSi層が設けられ、縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の上部にドレイン領域が設けられ、ドレイン領域と離間し、相対して、下部にソース領域が設けられ、縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の残りの対向する2側面に、それぞれ第1のゲート絶縁膜を介してフローティングゲート電極が設けられ、フローティングゲート電極の側面に、それぞれ第2のゲート絶縁膜を介してワード線となるコントロールゲート電極が設けられている構造の縦型のMIS電界効果トランジスタを構成し、縦型のMIS電界効果トランジスタをメモリーセルとし、このメモリーセルをマトリックス状に配置し、適宜接続して、極めて高集積なフラッシュメモリーを形成している。
【実施例1】
【0009】
以下本発明を図示実施例により具体的に説明する。
全図を通じ同一対象物は同一符号で示す。ただし、側断面図における斜線は主要な絶縁膜のみに記載し、配線は若干の前後のずれを含んで描かれており、また発明の要部を示すため、水平方向及び垂直方向のサイズは正確な寸法を示していない。
図1図42は本発明の半導体装置の第1の実施例で、図1はフラッシュメモリーの模式平面図(一点鎖線で囲んだものがメモリーセル1つ分)、図2はビット線に沿う方向の模式側断面図(p−p矢視断面図)、図3はワード線に平行方向の模式側断面図(q−q矢視断面図)、図4はビット線に平行方向のフィールド部の模式側断面図(r−r矢視断面図)、図5図29は第1の製造方法の工程断面図、図30図42は第2の製造方法の工程断面図である。
【0010】
図1図4はシリコン(Si)基板を使用し、横(水平)方向及び縦(垂直)方向2段階エピタキシャル成長によるVEMDOSGOIN構造に形成したSOI構造の2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーの一部を示しており、1は1015cm−3程度のp型のシリコン(Si)基板、2は200nm程度のシリコン酸化膜(SiO)、3は50nm程度の素子分離領域のシリコン窒化膜(Si)、4は厚さ50nm程度、濃度1017cm−3程度のp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層、5は厚さ150nm程度、濃度1017cm−3程度のp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層、6は埋め込みシリコン酸化膜(SiO)(素子分離領域の一部)、7は1020cm−3程度のn型ソース領域、8は1020cm−3程度のn型ドレイン領域、9は5nm程度の第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜、SiO)、10は50nm程度のフローティングゲート電極(polySi)、11は50nm程度の第2のゲート酸化膜(SiO)、12は100nm程度のコントロールゲート電極(WSi、ワード線)、13は200nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜、14は200nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜、15は20nm程度のシリコン窒化膜(Si)、16は10nm程度のバリアメタル(TiN)、17は導電プラグ(W)、18は500nm程度の層間絶縁膜(SiOC)、19は10nm程度のバリアメタル(TaN)、20は500nm程度のCu配線(Cuシード層含む、ビット線)、21は20nm程度のバリア絶縁膜、BLはビット線、WLはワード線、SLはソース線を示している。
【0011】
図1はマトリックス状に形成されたフラッシュメモリーのメモリーセルの模式平面図で、一点鎖線で囲まれたものはメモリーセル1個分を示している。
図2図4においては、p型のシリコン基板1上にシリコン酸化膜(SiO)2が設けられ、シリコン酸化膜(SiO)2上には、選択的にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層4(ソース線となる)が設けられ、Si層4上には縦(垂直)方向エピタキシャルSi層5が設けられた構造からなる半導体層がシリコン窒化膜(Si)3により絶縁分離されて設けられている。半導体層(4、5)のビット線に沿う方向の両側面には、それぞれ第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜、SiO)9を介してフローティングゲート電極(polySi)10が設けられ、フローティングゲート電極(polySi)10の側面には第2のゲート酸化膜(SiO)11を介してコントロールゲート電極(WSi、ワード線)12が設けられ、Si層5には上部にn型ドレイン領域8が設けられ、n型ドレイン領域8と離間し、相対して、下部にn型ソース領域7が設けられ、Si層4にはn型ソース領域7からなるソース線が設けられている共通ドレイン領域及び共通ソース領域からなる側面2重ゲート電極(フローティングゲート電極及びコントロールゲート電極)を有するMIS電界効果トランジスタからなるメモリーセル(左右2個分)が形成され、n型ドレイン領域8にはバリアメタル16を有する導電プラグ17を介してバリアメタル19を有するCu配線(ビット線)20に接続されている。またビット線と垂直方向の隣りあうコントロールゲート電極は直接接続され、ワード線12を形成している。このMIS電界効果トランジスタは左側面あるいは右側面をそれぞれチャネル領域とする2個の縦型(垂直方向)動作のMIS電界効果トランジスタとなり、該当側面側のフローティングゲート電極に電子を注入していれば、電源電圧より閾値電圧が高いエンハンスメントトランジスタとなり、オフ状態を示し、該当側面側のフローティングゲート電極から電子が放出されていれば、電源電圧より閾値電圧が低いエンハンスメントトランジスタとなり、オン状態を示すものとなり、これら2状態を情報の二値に対応させている。この縦型(垂直方向)動作のMIS電界効果トランジスタからなるメモリーセルをマトリックス状に配置し、適宜接続してNORゲートのフラッシュメモリーを構成しており、メモリーセルへの情報の書き込み法、メモリーセルからの情報の読み出し法、メモリーセルからの情報の消去法は慣例的なNORゲートのフラッシュメモリーと同様である。
【0012】
したがって、通常の安価な半導体基板を使用して、半導体基板上に絶縁膜を介して横(水平)方向及び縦(垂直)方向エピタキシャル成長半導体層からなる柱状構造の半導体層が設けられ、この半導体層のワード線方向の対向する2側面が絶縁分離され、残りの対向する2側面に、それぞれ第1のゲート絶縁膜を介してフローティングゲート電極が設けられ、フローティングゲート電極の側面に、それぞれ第2のゲート絶縁膜を介してワード線となるコントロールゲート電極が設けられ、半導体層の上部にはドレイン領域が設けられ、ドレイン領域と離間し、相対して、下部にはソース領域が設けられている構造の2個の縦型のMIS電界効果トランジスタからなる2個のメモリーセルを構成でき、このメモリーセルをマトリックス状に配置し、適宜接続した、極めて高集積なフラッシュメモリーを形成することが可能である。
またSOI構造の完全空乏型の微細な半導体層に縦型のMIS電界効果トランジスタを形成できるので、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減等が可能である。
またMIS電界効果トランジスタの各種の特性を決定するチャネル長をフォトリソグラフィー技術によるゲート長の制御に依存せずに、制御性の良いエピタキシャル半導体層の成長膜厚及び熱処理による同一不純物の拡散により決定できるため、大口径ウエハーにおいても特性の安定した微細なチャネル長を持つMIS電界効果トランジスタを得ることができる。
また電界集中のない、ほぼ平坦な拡散層を形成できるため、拡散層の深さによらず、極めて高い耐圧を有するソースドレイン領域を得ることが可能で、さらなる浅い接合にも対応可能である。
また対向する側面に隣接するメモリーセルのコントロールゲート電極が設けられているため、いわゆるSOI構造のMIS電界効果トランジスタに必然的に生じてしまうバックチャネルリーク(本願の場合は対向する背面の側面チャネルリーク)を防止することができる。(当該メモリーセルが選択されていれば、選択ビット線及び選択ワード線ともにハイレベルの電圧が印加され、隣接するメモリーセルはビット線を共有するためハイレベルの電圧が印加されるが、非選択ワード線はローレベルの電圧が印加されるため、フローティングゲート電極の電子の有無にかかわらず、オフ状態となり、対向する背面の側面チャネルリークは防止され、該当メモリーセルの影響だけでオン、オフが決定される。)
また微細な柱状構造の半導体層に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(ソースドレイン領域、第1のゲート酸化膜、第2のゲート酸化膜、フローティングゲート電極及びコントロールゲート電極)を微細に形成することが可能である。
即ち、機器組み込み用途ばかりでなく、高速大容量通信、宇宙関連装置等に搭載可能な半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能及び高集積を併せ持つSOI構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のMIS電界効果トランジスタからなるフラッシュメモリーのメモリーセルを得ることができる。
【0013】
次いで本発明に係る半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法について図5図29を参照して説明する。ビット線に沿う方向の模式側断面図(p−p矢視断面図)を用いて説明するが、主要な工程においてはワード線に平行方向の模式側断面図(q−q矢視断面図)及びビット線に平行方向のフィールド部の模式側断面図(r−r矢視断面図)も適宜追加して説明する。ただし、ここでは本発明の半導体装置(フラッシュメモリー)の形成に関する製造方法のみを記述し、一般の半導体集積回路に搭載される各種の素子(他のトランジスタ、抵抗、容量等)の形成に関する製造方法の記述は省略する。
【0014】
図5(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図6(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)
p型のシリコン基板1を1000℃程度で熱酸化し、200nm程度のシリコン酸化膜(SiO)2を成長する。次いで化学気相成長により、50nm程度のシリコン窒化膜(Si)3を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)3及びシリコン酸化膜(SiO)2を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0015】
図7(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図8(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)
次いで露出したp型のシリコン基板1上にp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層22を成長する。次いで化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing 以後CMPと略称)し、シリコン窒化膜(Si)3の平坦面より突出したSi層22を平坦化する。次いで選択化学気相成長法により50nm程度のタングステン膜23を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)3を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(残されたシリコン窒化膜(Si)3は素子分離領域となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0016】
図9(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図10(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)
次いで露出したp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層22の側面にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層4を成長し、シリコン窒化膜(Si)3の開孔部を埋め込む。次いでSi層4の表面を900℃程度で酸化し、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を成長する。次いで熱酸化したシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)及びシリコン窒化膜(Si)3をマスク層として、タングステン膜23及びSi層22を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(開孔部幅は100nm程度)次いで化学気相成長により、60nm程度のシリコン酸化膜(SiO)6を成長する。次いでSi層4の平坦面上のシリコン酸化膜(SiO)6及び熱酸化したシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を化学的機械研磨(CMP)し、シリコン酸化膜(SiO)6を開孔部に平坦に埋め込む。(この領域も素子分離領域の一部となる。)
【0017】
図11(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図12(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)
次いで露出したSi層4上に選択化学気相成長法により、160nm程度のタングステン膜24を成長する。次いでタングステン膜24を5nm程度等方性ドライエッチングする。次いで化学気相成長により、バリアメタルとなるTiN25を5nm程度成長する。(このTiNは選択化学気相成長タングステン膜と後に成長するシリコン酸化膜(SiO)との密着性を良くするために設けられる。)次いでTiN25を異方性ドライエッチングし、タングステン膜24の側壁にのみ残す。
【0018】
図13(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図14(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)
次いで化学気相成長により、160nm程度のシリコン酸化膜(SiO)26を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、バリアメタル(TiN)25を有するタングステン膜24間にシリコン酸化膜(SiO)26を平坦に埋め込む。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、バリアメタル(TiN)25を有するタングステン膜24を選択的に異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0019】
図15(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図16(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図17(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いで露出したSi層4上にp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層5を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。
【0020】
図18(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図19(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図20(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いで残されたバリアメタル(TiN)25を有するタングステン膜24を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、露出したSi層4を選択的に異方性ドライエッチングし、ソース線となるSi層4の幅を狭める。(図20)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、200nm程度のシリコン窒化膜(Si)27を成長する。次いでSi層5及びシリコン酸化膜(SiO)26の平坦面上のシリコン窒化膜(Si)27を化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にシリコン窒化膜(Si)27を平坦に埋め込む。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いでSi層5に閾値電圧制御用(低い閾値電圧を規定する)の硼素のイオン注入をおこなう。次いで1000℃程度でランニングし、Si層5を所望の濃度にする。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いで選択化学気相成長により、Si層5上に、50nm程度のタングステン膜28を成長する。
【0021】
図21(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図22(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図23(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いでシリコン酸化膜(SiO)26を異方性ドライエッチングする。次いで露出したSi層5の側面を80nm程度等方性ドライエッチングし、タングステン膜28の庇構造を形成する。次いで露出しているSi層5の両側面を酸化し、5nm程度の第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜、SiO)9を成長する。次いで化学気相成長により、第1のゲート酸化膜(SiO)9の側面を含む全面に75nm程度の多結晶シリコン膜(polySi)を成長する。次いで多結晶シリコン膜(polySi)を全面異方性ドライエッチングし、タングステン膜28の庇構造下以外の多結晶シリコン膜(polySi)を除去する。次いで多結晶シリコン膜(polySi)を酸化し、40nm程度の多結晶シリコン膜(polySi)からなるフローティングゲート電極(polySi)10及び50nm程度の第2のゲート酸化膜(SiO)11を形成する。次いで化学気相成長により、100nm程度のタングステンシリサイド(WSi)膜を成長する。次いで化学気相成長により、30nm程度のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン酸化膜(SiO、図示せず)を選択的に異方性ドライエッチングし、ワード線の配線体との接続部となる個所のタングステンシリサイド(WSi)膜上にのみシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を残す。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでタングステンシリサイド(WSi)膜を全面異方性ドライエッチングし、第2のゲート酸化膜(SiO)11あるいはシリコン窒化膜(Si)27の側壁のみにタングステンシリサイド(WSi)膜12からなるワード線を形成する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、隣り合うワード線どうしが接続している個所のタングステンシリサイド(WSi)膜をエッチング除去する。(側壁に形成される左右1対のワード線は端部で必ず接続してしまうため、これを分離する必要がある。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0022】
図24(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図25(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図26(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いでSi層5の作る平坦面より上に存在するタングステン膜28及びタングステンシリサイド(WSi、不必要な個所)膜12を化学的機械研磨(CMP)し、除去する。次いでシリコン窒化膜(Si)27を異方性ドライエッチングし、Si層4の一部を露出する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層(Si層5の表面及びSi層5間のSi層4の表面を開孔するマスク層、図25参照)として、n型ソースドレイン領域(7、8)形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いでRTP(Rapid Thermal Processing)法によりアニールをおこない、n型ソース領域7及びn型ドレイン領域8を形成する。
【0023】
図27(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)
次いで化学気相成長により、200nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜13を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、Si層5の平坦面より上に存在するPSG膜13を除去し、平坦化する。
【0024】
図28(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)
次いで化学気相成長により、200nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜14を成長する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン窒化膜(Si)15を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)15、PSG膜14及びPSG膜13を順次異方性ドライエッチングし、ビアを形成する。(図示されてはいないが、ワード線との接続箇所及びソース線との接続箇所にもビアが形成される。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0025】
図29(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)
次いでスパッタにより、バリアメタルとなるTiN16を成長する。次いで化学気相成長により、タングステン(W)膜17を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)により、ビアに平坦に埋め込み、バリアメタル(TiN)16を有する導電プラグ(W)17を形成する。
【0026】
図2(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図3(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図4(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いで化学気相成長により、500nm程度の層間絶縁膜(SiOC)18を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、層間絶縁膜(SiOC)18を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si)15がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)19を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)19を有するCu配線20を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si)21を成長し、本願発明の、横(水平)方向及び縦(垂直)方向2段階エピタキシャル成長によるVEMDOSGOIN構造に形成したSOI構造の2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーを含む半導体集積回路を完成する。
【0027】
次いで本発明に係る半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法について、図30図42を参照して説明する。ビット線に沿う方向の模式側断面図(p−p矢視断面図)を用いて説明するが、主要な工程においてはワード線に平行方向の模式側断面図(q−q矢視断面図)及びビット線に平行方向のフィールド部の模式側断面図(r−r矢視断面図)も適宜追加して説明する。
【0028】
図5図17の工程をおこなった後、図30図42の工程をおこなう。ただしSi層4(ソース線形成用)の幅は80nm程度と狭い幅に形成されている。
【0029】
図30(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図31(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図32(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いで残されたバリアメタル(TiN)25を有するタングステン膜24を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いで化学気相成長により、150nm程度のシリコン窒化膜(Si)27を成長する。次いでSi層5及びシリコン酸化膜(SiO)26の平坦面上のシリコン窒化膜(Si)27を化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にシリコン窒化膜(Si)27を平坦に埋め込む。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いでSi層5に閾値電圧制御用(低い閾値電圧を規定する)の硼素のイオン注入をおこなう。次いで1000℃程度でランニングし、Si層5を所望の濃度にする。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いで選択化学気相成長により、Si層5上に、50nm程度のタングステン膜28を成長する。
【0030】
図33(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図34(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図35(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いでシリコン酸化膜(SiO)26を異方性ドライエッチングする。次いで露出しているSi層5の両側面を酸化し、5nm程度の第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜、SiO)9を成長する。次いで化学気相成長により、第1のゲート酸化膜(SiO)9の側面を含む全面に75nm程度の多結晶シリコン膜(polySi)を成長する。次いで多結晶シリコン膜(polySi)を全面異方性ドライエッチングし、タングステン膜28が形成されたSi層5及びシリコン窒化膜(Si)27の側壁にのみ多結晶シリコン膜(polySi)を残す。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、埋め込みシリコン酸化膜(SiO)6上に形成された不必要な多結晶シリコン膜(polySi)をエッチング除去する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0031】
図36(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図37(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図38(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いで多結晶シリコン膜(polySi)を酸化し、40nm程度の多結晶シリコン膜(polySi)からなるフローティングゲート電極(polySi)10(ただしワード線方向につながるフローティングゲート電極線となる)及び50nm程度の第2のゲート酸化膜(SiO)11を形成する。次いで化学気相成長により、100nm程度のタングステンシリサイド(WSi)膜を成長する。次いで化学気相成長により、30nm程度のシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を選択的に異方性ドライエッチングし、ワード線の配線体との接続部となる個所のタングステンシリサイド(WSi)膜上にのみシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を残す。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでタングステンシリサイド(WSi)膜を全面異方性ドライエッチングし、第2のゲート酸化膜(SiO)11の側壁にのみタングステンシリサイド(WSi)膜12からなるワード線を形成する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、隣り合うワード線どうしが接続している個所のタングステンシリサイド(WSi)膜をエッチング除去する。(側壁に形成される左右1対のワード線は端部で必ず接続してしまうため、これを分離する必要がある。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでSi層5及びシリコン窒化膜(Si)27の作る平坦面上に存在するタングステン膜28、第2のゲート酸化膜(SiO)11、多結晶シリコン膜(polySi)10及びタングステンシリサイド(WSi)膜12を化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。
【0032】
図39(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)、図40(ワード線に平行方向、q−q矢視断面図)、図41(ビット線に平行方向のフィールド部、r−r矢視断面図)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、選択的に第2のゲート酸化膜(SiO)11及びフローティングゲート電極(polySi)10を順次異方性ドライエッチングし、フローティングゲート電極線(polySi)を切断することにより、それぞれのメモリーセルに固有のフローティングゲート電極(polySi)10を形成する。(図41において、フィールド部からフローティングゲート電極線(polySi)が除去される。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで残されたシリコン窒化膜(Si)27をエッチング除去する。(この際一部の素子分離領域のシリコン窒化膜(Si)3も除去されてしまうが問題はない。)次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層(Si層5の表面及びSi層5間のSi層4の表面を開孔するマスク層)として、n型ソースドレイン領域(7、8)形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いでRTP法によりアニールをおこない、n型ソース領域7及びn型ドレイン領域8を形成する。
【0033】
図42(ビット線に沿う方向、p−p矢視断面図)
次いで化学気相成長により、200nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜13を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、Si層5の平坦面より上に存在するPSG膜13を除去し、平坦化する。次いで化学気相成長により、200nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜14を成長する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン窒化膜(Si)15を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)15、PSG膜14及びPSG膜13を順次異方性ドライエッチングし、ビアを形成する。(図示されてはいないが、ワード線との接続箇所及びソース線との接続箇所にもビアが形成される。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでスパッタにより、バリアメタルとなるTiN16を成長する。次いで化学気相成長により、タングステン(W)膜17を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)により、ビアに平坦に埋め込み、バリアメタル(TiN)16を有する導電プラグ(W)17を形成する。次いで化学気相成長により、500nm程度の層間絶縁膜(SiOC)18を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、層間絶縁膜(SiOC)18を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si)15がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)19を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)19を有するCu配線20を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si)21を成長し、本願発明の横(水平)方向及び縦(垂直)方向2段階エピタキシャル成長によるVEMDOSGOIN構造に形成したSOI構造の2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーを含む半導体集積回路を完成する。
【実施例2】
【0034】
図43はシリコン(Si)基板を使用し、横(水平)方向及び縦(垂直)方向2段階エピタキシャル成長によるVEMDOSGOIN構造に形成したSOI構造の2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜5、7〜17、19〜21は図2と同じ物を、29は導電膜(WSi、ソース配線体)を示している。
同図においては、Si層4直下に導電膜(WSi、ソース配線体)が形成されていること以外は図2とほぼ同じSOI構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタからなるNORゲートのフラッシュメモリーのメモリーセルが形成されている。
本実施例においては第1の実施例とほぼ同じ効果を得ることができ、製造工程は増加するが、ソース線の抵抗を低減できるため、より高速化が可能である。
【実施例3】
【0035】
図44はシリコン(Si)基板を使用し、横(水平)方向及び縦(垂直)方向2段階エピタキシャル成長によるVEMDOSGOIN構造に形成したSOI構造の2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーを含む半導体集積回路の一部(ソース線に沿う方向)を示しており、1、2、4、5、7、8、13〜21は図3と同じ物を、30はp型不純物領域、31は導電膜(WSi)を示している。
同図においては、導電膜(WSi)31が埋め込みシリコン酸化膜(SiO)6に置き換わって形成されていること及び導電膜(WSi)31直下にp型不純物領域30を介して半導体基板1に接続されていること以外は図3とほぼ同じSOI構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタからなるNORゲートのフラッシュメモリーのメモリーセルが形成されている。
本実施例においては第1の実施例とほぼ同じ効果を得ることができ、製造工程は増加するが、ソース配線(接地電圧配線)を省略できるため、高集積化が可能となる。
【実施例4】
【0036】
図45はシリコン(Si)基板を使用し、横(水平)方向及び縦(垂直)方向4段階エピタキシャル成長によるVEMDOSGOIN構造に形成したSOI構造の2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜3、7〜17、19〜21は図2と同じ物を、32はp型の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層、33はp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSiGe層、34はp型の縦(垂直)方向エピタキシャル歪みSi層、35はp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSiGe層を示している。
同図においては、Si層4がSiGe層32に、Si層5がSiGe層33、歪みSi層34及びSiGe層35に置き換わって形成されていること以外は図2とほぼ同じSOI構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタからなるNORゲートのフラッシュメモリーのメモリーセルが形成されている。
本実施例においては第1の実施例とほぼ同じ効果を得ることができ、また格子定数の小さなSi層を、上下から格子定数の大きなSiGe層により挟んだ構造の半導体層を形成できるため、上下のSiGe層から歪みSi層(チャネル領域)の格子定数を広げることが可能で、キャリアの移動度を増加させることができるので、より高速化が可能である。
【実施例5】
【0037】
図46はシリコン(Si)基板を使用し、縦(垂直)方向エピタキシャル成長により形成した2重側面ゲート電極付き縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタより構成したNORゲートのフラッシュメモリーを含む半導体集積回路の一部を示しており、1、3、5、7〜17、19〜21は図2と同じ物を示している。
同図においては、SOI構造を形成するシリコン酸化膜(SiO)2が設けられずに直接半導体基板1にSi層5が形成されていること以外は図2とほぼ同じ構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のNチャネルMIS電界効果トランジスタからなるNORゲートのフラッシュメモリーのメモリーセルが形成されている。
本実施例においては、製造工程は簡略化するが、半導体基板にソース領域を形成するため接合容量がつくので高速化にはやや劣るが、それ以外は第1の実施例とほぼ同じ効果を得ることができる。
【0038】
上記実施例においては、半導体層を成長させる場合に化学気相成長を使用しているが、これに限定されず、ECRプラズマCVD法によっても、分子線成長法(MBE)によっても、有機金属気相成長法(MOCVD)によっても、原子層結晶成長法(ALE)によっても、また他のいかなる結晶成長法を利用してもよい。
上記実施例のすべては、NチャネルのMIS電界効果トランジスタを形成する場合について記載しているが、PチャネルのMIS電界効果トランジスタを形成してもよい。
またゲート電極、ゲート酸化膜、バリアメタル、導電プラグ、配線、絶縁膜、導電膜等は上記実施例に限定されず、同様の特性を有する材料であればどのような材料を使用してもよい。
また上記実施例においては、フラッシュメモリーのメモリーセルパターン形状に関し、極めて単純な長方形及び直方体のパターンを使用しているが、これに限定されず、さらに高集積化が可能なパターン形状を使用してもよい。
また上記実施例においては、NORゲートのフラッシュメモリーを形成する場合を説明しているが、メモリーセルを直列接続するNANDゲートのフラッシュメモリーを形成する場合に適用することも可能であるし、他の回路形式(AND方式,仮想接地方式等)に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本願発明のSOI基板に形成したMIS電界効果トランジスタのチャネル領域は、すべてSi半導体層で形成しているが、化合物半導体層によるSOI(この場合は、広義のSemiconductor On Insulatorを意味する)構造にMIS電界効果トランジスタのチャネル領域を形成することも可能である。
また本発明のSOI構造の2重側面ゲート電極を有する縦型のMIS電界効果トランジスタの構造は、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)及びEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)にも使用可能である。
また本発明の半導体装置はフラッシュメモリーとしてばかりでなく、システムLSIに搭載される半導体記憶装置として使用することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 p型のシリコン(Si)基板
2 シリコン酸化膜(SiO
3 素子分離領域のシリコン窒化膜(Si
4 p型の横(水平)方向エピタキシャルSi層
5 p型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層
6 埋め込みシリコン酸化膜(SiO
7 n型ソース領域
8 n型ドレイン領域
9 第1のゲート酸化膜(トンネル酸化膜、SiO
10 フローティングゲート電極(polySi)
11 第2のゲート酸化膜(SiO
12 コントロールゲート電極(WSi、ワード線)
13 燐珪酸ガラス(PSG)膜
14 燐珪酸ガラス(PSG)膜
15 シリコン窒化膜(Si
16 バリアメタル(TiN)
17 導電プラグ(W)
18 層間絶縁膜(SiOC)
19 バリアメタル(TaN)
20 Cu配線(Cuシード層含む)
21 バリア絶縁膜(Si
22 p型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層
23 選択化学気相成長導電膜(W)
24 選択化学気相成長導電膜(W)
25 バリアメタル(TiN)
26 シリコン酸化膜(SiO
27 シリコン窒化膜(Si
28 選択化学気相成長導電膜(W)
29 導電膜(WSi、ソース配線体)
30 p型不純物領域
31 導電膜(WSi)
32 p型の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層
33 p型の縦(垂直)方向エピタキシャルSiGe層
34 p型の縦(垂直)方向エピタキシャル歪みSi層
35 p型の縦(垂直)方向エピタキシャルSiGe層
図1
図2
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