【文献】
「バンドヒーローズ!」ログインボーナス機能や期間限定ガチャを追加,4Gamer.net,2012年 6月19日,URL,http://www.4gamer.net/games/166/G016695/20120619019/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供する情報提供手段と、
所定の入力又はゲームの進行状況に関する情報に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、前記付与順序に従って前記ユーザに付与する付与手段と、
前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトが前記ユーザに付与されると、前記複数のオブジェクトに追加オブジェクトとして新たなオブジェクトを追加する追加手段と、を備え、
前記追加手段は、前記追加オブジェクトのオブジェクト情報と、前記複数のオブジェクトのそれぞれのオブジェクト情報とに基づいて、当該追加オブジェクトの付与順序を設定する、
ゲーム制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のゲームでは、例えばアイテムなどのオブジェクトの抽選自体が単純であり、ユーザにとってそれほど楽しめるものとなっていなかった。
【0006】
本発明は上述した観点に鑑みてなされたもので、ユーザに付与されるオブジェクトを抽選によって引くときに、従来よりも興趣性の高いゲーム又は抽選処理を実現することができるゲーム制御装置、ゲーム制御方法、プログラム、ゲームシステム、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、ゲーム制御装置であって、
ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供する情報提供手段と、
所定の入力又はゲームの進行状況に関する情報に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、前記付与順序に従って前記ユーザに付与する付与手段と、
を備える。
【0008】
このゲーム制御装置において、「オブジェクト」は付与対象となり得るものであれば如何なるものでもよく、例えばゲーム上のアイテムやキャラクタを含んでもよい。この場合、アイテムとは、例えばユーザがゲーム上保有することができるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で収集する必要があるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で有利な効果を得られるものなどであってもよい。また、キャラクタとは、例えば現実世界に存在するもの(例えばスポーツ選手や歌手、アイドル、動物等)を模したものや、ゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、それらがカードに表示されているものをも含む。また、魔法や技についてのカードであってもよい。
【0009】
このゲーム制御装置によれば、ユーザは、オブジェクトの付与に先立って、付与対象となる複数のオブジェクトの各々の内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、各オブジェクトの付与順序とを認識することができる。この場合、ユーザは、複数のオブジェクトごとに、所望のオブジェクトとすべきか否かをオブジェクト情報に基づいて判別することができる。ここで、例えば、所望のオブジェクトが複数のオブジェクトに含まれている場合には、ユーザは、所望のオブジェクトを付与順序に従って入手することができるが、当該所望のオブジェクト以外の他のオブジェクト(つまり、複数のオブジェクトのうち付与順序が所望のオブジェクトよりも先のオブジェクト)も入手する必要がある。この場合、所望のオブジェクトの付与順序が後になるほど、ユーザに付与される他のオブジェクトの数が多くなる。このため、ユーザには、例えば、所望のオブジェクトを入手することができるという期待感と、所望のオブジェクトを入手するために他のオブジェクトを入手しなければならない煩わしさとを比較検討することが求められるので、ユーザの判断力や戦略が求められる仕組みとすることができる。これにより、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0010】
上記ゲーム制御装置において、前記オブジェクト情報は、前記オブジェクトに関する画像情報であってもよい。
この構成では、ユーザは、オブジェクトの付与に先立って、複数のオブジェクトごとに、オブジェクトに関する画像情報の少なくとも一部を得ることができる。この場合、ユーザは、画像情報の少なくとも一部に基づいて、複数のオブジェクトの各々の内容を認識あるいは想定することができるので、各オブジェクトを得ることに対するユーザの期待感を高めることができる。これにより、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0011】
上記ゲーム制御装置において、前記付与手段は、前記ユーザによる所定の対価の支払いを条件として、前記所定の入力を許可してもよい。
ここで、「対価」とは、例えば、ユーザが保有するゲーム上のポイントなどであってもよいし、所定のアイテムやキャラクタなどであってもよい。
この構成では、例えば、所望のオブジェクトの付与順序が後になるほど、ユーザは、当該所望のオブジェクトを得るために、多くの対価の支払いを行う必要がある。このため、例えば所望のオブジェクトを入手すべきか否かなどについてユーザに慎重に検討させることができるので、ユーザの判断力や戦略がさらに求められる仕組みとすることができる。
【0012】
上記ゲーム制御装置において、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトが前記ユーザに付与されると、少なくとも一つのオブジェクトを追加オブジェクトとして、当該追加オブジェクトの付与順序を設定した上で前記複数のオブジェクトに追加する追加手段を備えてもよい。
この構成では、複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトがユーザに付与されると、少なくとも一つの追加オブジェクトが複数のオブジェクトに追加される。これにより、所定数以上のオブジェクトが常に存在することになることから、ユーザを飽きさせない仕組みとすることができる。また、追加オブジェクトの付与順序が、ユーザが入手したいと思っている所望のオブジェクトよりも先になるか、あるいは後になるかによって、所望のオブジェクトの付与順序が変化する可能性があることから、ユーザの緊張感を高める仕組みとすることができる。即ち、例えば、一つ追加オブジェクトの付与順序が所望のオブジェクトよりも先になるように配置されてしまうと、その分、所望オブジェクトの入手順序が一つ遅れてしまうことになるので、ユーザは、追加オブジェクトの配置位置に注目することになる。
【0013】
上記ゲーム制御装置において、前記追加オブジェクトの付与順序に関する情報を前記ユーザに提示する提示手段を備えてもよい。
この構成では、ユーザは、提示された情報に基づいて、追加オブジェクトの付与順序を認識することができる。この場合、ユーザには、例えば、追加オブジェクトが追加されるごとに、追加オブジェクトを所望のオブジェクトとすべきか否か、あるいは追加オブジェクトを入手すべきか否かなどについて検討することが求められることから、興趣性をさらに高める仕組みとすることができる。
【0014】
上記ゲーム制御装置において、前記追加手段は、追加オブジェクトが前記複数のオブジェクトに追加される際、前記追加オブジェクトのオブジェクト情報と、前記複数のオブジェクトのそれぞれのオブジェクト情報とに基づいて、前記追加オブジェクトの付与順序を設定してもよい。
例えば、追加オブジェクトが追加されるごとに、当該追加オブジェクトの付与順序がユーザの所望のオブジェクトよりも先となるように設定されることが続くと、ユーザは、当該所望のオブジェクトをいつまでも入手できないおそれがある。そこで、このゲーム制御装置によれば、例えば、複数のオブジェクト及び追加オブジェクトのうち、ユーザにとって所望の度合いが高いと想定されるオブジェクト情報を含むオブジェクトの付与順序が先となるように設定することができる。これにより、ユーザは、所望のオブジェクトを入手することが可能となる。
【0015】
上記ゲーム制御装置において、前記オブジェクト情報には、オブジェクトのパラメータが含まれ、前記追加手段は、前記パラメータが所定の閾値以上のオブジェクトである特定オブジェクトが前記複数のオブジェクトに含まれている場合、前記追加オブジェクトの付与順序が前記特定オブジェクトの付与順序より後になるように設定してもよい。
例えば、ユーザが特定オブジェクト(例えば、能力の高いオブジェクトや希少度の高いオブジェクトなど)を所望する場合、追加オブジェクトが追加されるごとに、当該追加オブジェクトの付与順序が特定オブジェクトよりも先となるように設定されることが続くと、ユーザは、当該特定オブジェクトをいつまでも入手できないおそれがある。そこで、このゲーム制御装置によれば、追加オブジェクトが追加された場合、当該追加オブジェクトの付与順序が特定オブジェクトよりも後になるように設定されるので、特定オブジェクトの付与順序が追加オブジェクトによって繰り下げられない。これにより、ユーザは、追加オブジェクトを含む複数のオブジェクトの中から特定オブジェクトを早期に入手することが可能となる。
【0016】
上記ゲーム制御装置において、前記オブジェクト情報には、オブジェクトのパラメータが含まれ、前記追加手段は、前記パラメータが所定の閾値以上のオブジェクトである特定オブジェクトが前記追加オブジェクトとして前記複数のオブジェクトに追加される場合、前記追加オブジェクトの付与順序が、前記複数のオブジェクトにおける所定の付与順序より先となるように設定してもよい。
このゲーム制御装置によれば、特定オブジェクトが追加オブジェクトとして追加された場合、当該特定オブジェクトの付与順序が複数のオブジェクトにおける所定の付与順序より先となるように設定されるので、複数のオブジェクトにおける特定オブジェクトの付与順序が上位になり得る。これにより、例えば、ユーザが特定オブジェクトを所望する場合、複数のオブジェクトの中から特定オブジェクトを早期に入手することが可能となる。
【0017】
本発明の第2の観点は、ゲーム制御方法であって、
ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供するステップと、
所定の入力又はゲームの進行状況に関する情報に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、前記付与順序に従って前記ユーザに付与するステップと、
を備える。
【0018】
本発明の第3の観点は、コンピュータに、
ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供する機能、及び
所定の入力又はゲームの進行状況に関する情報に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、前記付与順序に従って前記ユーザに付与する機能、
を実現させるためのプログラムである。
【0019】
コンピュータは、例えばネットワークサーバ、大型計算機等であってよい。また、このプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0020】
本発明の第4の観点は、通信端末と、当該通信端末からアクセスされるサーバとを含むゲームシステムであって、
ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供する情報提供手段、
所定の入力又はゲームの進行状況に関する情報に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、前記付与順序に従って前記ユーザに付与する付与手段、
の各手段を、前記通信端末又は前記サーバのいずれか一方が備える。
【0021】
本発明の第5の観点は、情報処理装置であって、
ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供する情報提供手段と、
所定の入力に関する情報に基づいて、前記複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、前記付与順序に従って前記ユーザに付与する付与手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明のゲーム制御装置、ゲーム制御方法、プログラム、ゲームシステム、情報処理装置によれば、ユーザに付与されるオブジェクトを抽選によって引くときに、従来よりも興趣性の高いゲーム又は抽選処理を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、選手カードはオブジェクトの一例である。
【0025】
(1)ゲーム装置の構成
図1は、本発明のゲーム制御装置の一実施形態として携帯型ゲーム装置(以下、単に「ゲーム装置」という。)1の外観を示している。
図2は、本実施形態のゲーム装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のゲーム装置1は、上部筐体2aと下部筐体2bを含む本体部2を備え、上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。本実施形態のゲーム装置1の表示装置3には、上部筐体2aに設けられた上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた下部液晶モニタ3bとが含まれる。
入力部4は、ユーザの操作入力を受け入れるための複数の釦を含む。
図1に示す釦の筐体に対する配置例によれば、この複数の釦は下部筐体2bに設けられており、下部液晶モニタ3bよりも左側に配置された十字状の方向指示釦4aおよび電源釦4e、下部液晶モニタ3bよりも右側に配置されたセレクト釦4b、スタート釦4cおよび複数の指示釦4d、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gを含む。
記憶媒体装着部5(
図1では不図示)は、下部筐体2bの下部に設けられている。この記憶媒体装着部5には、記憶媒体17が装着可能になっている。記憶媒体17は、例えばフラッシュメモリを内蔵したカード型記憶媒体、光ディスク等のディスク状記憶媒体などである。
なお、
図1には図示していないが、スピーカ22が上部筐体2a又は下部筐体2bのいずれかの内部に設けられており、上部筐体2a又は下部筐体2bのいずれかにはスピーカ22からの音声を外部に伝達するための開口部が設けられている。
【0026】
図2を参照すると、本実施形態のゲーム装置1は主として、表示装置3、入力部4、記憶媒体装着部5および制御装置10、さらに記憶媒体装着部5により本体部2に装着可能な外部記憶媒体17を備える。本実施形態のゲーム装置1では、入力部4、制御装置10、および、記憶媒体装着部5を介して記憶媒体17がバス16を介して信号(データ信号、制御信号)を転送可能に接続される。
【0027】
制御装置10は主に、ゲームプログラムの実行や、ゲームプログラムの実行に伴う信号転送処理およびデータ処理を行うために設けられている。制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理回路14およびサウンド処理回路15を含む。CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈し、その命令に応じた各種のデータ処理を行う。
【0028】
画像処理回路14は、主に、画像データの加工処理を行う。例えば、画像処理回路14は、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を行う。また、画像処理回路14は、ゲーム空間としての仮想3次元空間に配置され、テクスチャマッピングが施されたポリゴンからなるデータ(例えばキャラクタ等のオブジェクトのデータ)を、Zバッファ法等によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを見たレンダリング画像を得る演算を行ってもよい。
また、画像処理回路14は、描画すべき画像データをフレーム毎にバッファリングする機能(いわゆるVRAMとしての機能)を備える。
【0029】
記憶媒体17は、例えば、ゲームプログラムや、ゲームプログラムで使用される各種データの他、キャラクタ等のオブジェクトの2次元及び/又は3次元データを格納するために設けられている。記憶媒体17から読み出されたキャラクタ等のオブジェクトの2次元及び/又は3次元データを含む各種データは、RAM13に一時的に格納される。また、RAM13にはゲームの進行に必要なデータが格納され、CPU11によって逐次更新・削除・追加される。
【0030】
表示装置3は、主に、画像処理回路14によって得られる画像データや、記憶媒体17から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。表示装置3は、例えば、入力した画像データ(データ信号)に基づいて、画像を上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bに表示する。各モニタは例えばLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、画像データに基づき、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを駆動することで画像が表示される。
【0031】
サウンド処理回路15は、主に、記憶媒体17から読み出される音声データ、及び/又は自ら生成した音声データを、音声としてスピーカ22から出力するために設けられている。サウンド処理回路15には、例えば圧縮音声データをデコードするデコード回路、デコードした音声信号を増幅する増幅回路などが含まれてもよい。
【0032】
入力部4は、プレイヤの操作に伴う種々の入力を受け入れるための入力装置であり、プレイヤの操作に応じた入力信号をCPU11へ送出する。
入力部4の各釦には、記憶媒体17からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り当てられている。例えば、複数の指示釦4dのいずれかには、ゲーム上のキャラクタに対する所望の操作を指示する機能、ゲーム上のキャラクタの動作のタイミングを決定する機能、あるいは複数の選択肢の中から選択されたものを確定する機能、あるいは複数のメニューのうちアクティブ表示されたメニューの選択を確定させる機能などが割り当てられてよい。方向指示釦4aは例えば、モニタ上に表示されるオブジェクトや表示領域を所望の方向に移動させる機能、複数のメニューのいずれかをアクティブ表示にする機能などが割り当てられてよい。L釦4fおよびR釦4gは、複数の選択肢を順に表示する機能などが割り当てられてよい。以下の説明では、ゲーム画像上に表示される1又は複数のメニューの中から方向指示釦4aによっていずれかのメニューをアクティブ表示させ、アクティブ表示させたメニューを複数の指示釦4dのいずれかの釦によって確定させる操作を、メニューの「選択操作」という。
なお、
図1に示した入力部4の各釦の配置、各釦に対する機能の割り当ては一例に過ぎず、制御装置10がゲームプログラムに基づくゲーム全体の進行を制御するための所要の入力を受け入れることが可能であるならば、その配置および割り当てられる機能は問わない。
また、入力部4は、表示装置3にタッチパネル入力機能を備えることで構成するようにしてもよい。例えば、上部液晶モニタ3a又は下部液晶モニタ3bに表示される所定領域にゲーム上の種々の機能を割り当てておき、所定領域が触れられたことを認識することでその所定領域に割り当てられた機能の選択を認識するようにしてもよい。メニューに対応する所定領域を触れる操作が、そのメニューの「選択操作」であってもよい。
【0033】
本実施形態のゲーム装置1によって実現されるゲームのタイプは特に限定されるものではないが、以下では、ゲーム装置1によって実現されるゲームの一例として、サッカー形式のデジタルカードゲーム(以下、適宜、「本実施形態のゲーム」という。)を採り上げる。本実施形態のゲームは、ユーザが、サッカー選手に対応する選手カードを収集することによって自らのチームを作り上げ、ゲーム上設定されたチームとサッカーの試合を行うように構成されているゲームである。このゲームは、以下の機能を含む。
【0034】
・試合機能:
ユーザのチームと、例えばCPU11によって任意に抽出された複数の選手カードからなるチームとの間でサッカーの試合を行う機能である。ユーザが試合に勝利すればポイント(後述する)が増加する。なお、ユーザの試合相手は、他のユーザのチームであってもよい。
・抽選機能:
ポイントを消費して、抽選によって選手カードを入手(収集)する機能である。
【0035】
本実施形態のゲームを実現するために、記憶媒体17には、ユーザデータベースと、選手カードデータベースと、付与カードリストとが記憶される。ユーザデータベースの一例を
図3に示し、選手カードデータベースの一例を
図4に示す。また、付与カードリストの一例を
図5に示す。
【0036】
図3に例示するユーザデータベースは、ユーザIDごとに、ユーザ名、進行レベル(レベル)、ポイント、及び保有カードの各項目についての情報を含む。以下の説明では、各ユーザの各項目についての情報を含む一群のデータを、そのユーザの「ユーザデータ」という。ユーザデータベース31に含まれる情報は、CPU11によって逐次更新されうる。
ユーザ名は、本実施形態のゲームの実行時に表示されるテキストデータである。ユーザ名は、ユーザによって予め指定される所定長以下のテキストであってよい。
進行レベルは、ユーザのゲームの進行度合いを示すデータである。進行レベルは、例えばLv1(レベル1)からLv100(レベル100)までの範囲のレベル値である。
ポイントは、本実施形態のゲームにおいて、抽選機能を実行する上で必要となるデータである。ポイントの値は、1回の抽選を実行することで低減し、試合に勝利することで増加する。
保有カードは、ユーザがゲーム上保有する選手カードの識別コード(PL001等)のデータである。本実施形態のゲームの場合、ユーザは、抽選機能によって選手カードを取得(収集)する。
【0037】
図4に例示する選手カードデータベースは、本実施形態のゲームで用意される選手カードとその内容に関するデータが記述されているデータベースである。選手カードデータベースには、選手カードの識別コード毎に、画像データ、選手名、所属チーム、能力値、レア度などのデータが対応付けられている。ここで、画像データ、選手名、所属チーム、能力値及びレア度の各々は、「オブジェクト情報」の一例である。所属チームは、例えば選手カードに対応する選手が現に所属するチームであってもよい。能力値は、例えば、オフェンス値、ディフェンス値及びテクニック値などの項目で構成されており、本実施形態のゲームにおいて試合機能を実行するときに参照されるデータである。なお、能力値は、その値が大きいほど(各項目の値が大きいほど)、選手カードの能力が高いことを示すように設定されてもよい。レア度は、本実施形態のゲームにおける選手カードの希少価値の度合を示す値であり、その値が高い(つまり、希少価値が高い)ほど、ゲーム内で出現する確率が非常に低く設定されてもよい。例えば、レア度を1〜5の5段階で表した場合、技術能力の際立った選手や人気のある選手に対応する選手カードのレア度は高く(例えば、4あるいは5など)設定されてもよい。
なお、選手カードのデータには、対象選手のポジション、背番号、対象選手の年齢、身長、体重、選手カードがゲームに及ぼす影響度(典型的にはポジティブな影響度)等が含まれてもよい。
【0038】
図5に例示する付与カードリストは、ユーザIDごとに、付与対象となる複数の選手カードの識別コードと、各選手カードの付与順序(図の例では、1〜N(Nは2以上の整数))とが記述されたデータである。後述するように、本実施形態のゲームでは、付与対象の選手カードが付与カードリストに設定されていない場合(例えば、ユーザが抽選機能を初めて実行する場合など)、付与対象となるN枚の選手カードが選手カードデータベースから抽出され、抽出されたN枚の選手カードは、それぞれ付与順序が設定された上で付与カードリストに記述されるように構成されている。なお、ユーザIDに対応する選手カードが設定されていない場合、当該ユーザIDに対応する選手カードの項目には例えばNULLデータ等が記述されてもよい。
【0039】
なお、記憶媒体17には、上述したユーザデータベース、選手カードデータベース及び付与カードリスト以外にも、本実施形態のゲームにおけるユーザ所望のデータ(例えば、勝敗数やスコア等の結果など)が記憶されてもよい。
【0040】
(2)本実施形態のゲームの内容
次に、本実施形態のゲームの内容について、
図6〜10を参照して説明する。
図6、7、9、10はそれぞれ、本実施形態のゲームのゲーム画像の一例である。
図8は、付与対象の選手カードの画像の一例を示す図である。
なお、本実施形態のゲーム装置1の表示装置3には、上部液晶モニタ3aと下部液晶モニタ3bとが含まれるが、
図6、7、9、10に示すゲーム画像は、上部液晶モニタ3a又は下部液晶モニタ3bのいずれかに表示されればよい。
【0041】
ゲーム装置1を起動した後には、
図6に示すゲーム画像S0が初期画面として表示装置3に表示される。ゲーム装置1に対して複数のユーザ向けのゲームが実行できるように構成されている場合、ユーザを指定するための所定の操作入力に基づいて、ゲーム画像S0には、特定のユーザ(
図6の例では、「KNM」)のユーザ名が含まれるようにしてもよい。このゲーム画像S0には、試合機能を実行するためのメニューm1(「試合」)と、抽選機能を実行するためのメニューm2(「抽選」)とが含まれる。
【0042】
図示しないが、ゲーム画像S0においてメニューm1が選択操作されると、ユーザの保有する選手カードの中から試合に使用する選手カードを選択するゲーム画像と、選択された選手カードからなるチームと、例えばCPU11によって用意される選手カードからなるチームとの間のサッカーの試合を実行するゲーム画像とが、順次表示装置3に表示される。
【0043】
ゲーム画像S0においてメニューm2が選択操作されると、
図7に示すゲーム画像S1が表示装置3に表示される。ゲーム画像S1には、ユーザに付与される複数の選手カードC1,C2,…,CNの一覧が含まれる。ゲーム画像S1の例では、複数の選手カードC1,C2,…,CNの各々は、上面が開口した抽選箱Bに収容されている。また、各選手カードC1,C2,…,CNは、画像データの上部周縁部が抽選箱Bの開口面から上方にあらわれ、且つ、画像データの上部周縁部がユーザによって認識可能となるように表示されている。また、各選手カードC1,C2,…,CNは、画像手前側から画像奥側の方向(図中矢印の方向)に向かって、付与順序が後になるように配置されている。つまり、図の例では、各選手カードC1,C2,…,CNのうち、付与順序が最先の選手カードは選手カードC1であり、付与順序が最後の選手カードは選手カードCNであることを示している。
この場合、ユーザは、ゲーム画像S1が表示装置3に表示されると、付与対象となる複数の選手カードC1,C2,…,CNの各々の画像データ(オブジェクト情報)の一部と、各選手カードC1,C2,…,CNの付与順序とを認識することができる。
また、ゲーム画像S1には、ユーザが抽選を行うための「選手カードを引く」と表記されたメニューm3などが含まれる。
【0044】
なお、選手カードの画像データの少なくとも一部が認識可能に表示される場合、当該画像データの少なくとも一部には、画像データ以外のオブジェクト情報に関する情報が含まれてもよい。また、複数の選手カードの各々の画像データの一部(例えば、画像データの端部など)が認識可能な状態で、各選手カードが所定方向(例えば縦方向や横方向など)に重なるように表示される場合、画像データ以外のオブジェクト情報に関する情報が当該一部に含まれてもよい。ここで、画像データの一部とは、画像データに含まれる部分であれば如何なる部分であってもよい。また、画像データ以外のオブジェクト情報とは、例えば、選手カードの選手名、所属チーム、能力値、レア度、ポジション、身長、体重あるいは背番号などであってもよい。
当該構成によれば、画像データ以外のオブジェクト情報に関する情報が画像データの一部に含まれることにより、ユーザは、当該情報に基づいて、選手カードの内容を容易に認識あるいは想定することが可能となる。このため、選手カードを得ることに対するユーザの期待感をさらに高めることができる。
また、例えば、複数の選手カードの各々の画像データの一部が認識可能な状態で各選手カードが所定方向(例えば縦方向や横方向など)に重なるように表示される場合には、各選手カードが重ならないように表示される場合と比較して、表示領域のサイズが限られたゲーム画像を有効に利用して多数の選手カードを表示できるとともに、ユーザに対して、各選手カードの画像データ以外のオブジェクト情報に関する情報を効果的に提供することが可能となる。具体的な表示方法としては、上記した抽選箱Bに選手カードが収納される態様以外に、例えば複数のトランプカードを、各カードのマークだけが見えるようにずらして重ねて配置する態様と同様に、複数の選手カードを画像データの一部が見えるように横方向にずらして配置するようにしてもよい。この場合、選手カードの画像データの横方向の端部には、オブジェクト情報を示すマーク(上記した選手カードの選手名、所属チーム、能力値、レア度、ポジション、身長、体重あるいは背番号などを示すマーク)が設けられてもよい。別の態様として、選手カードを縦方向にずらして重ねて配置する場合には、画像データの縦方向の端部には、オブジェクト情報を示すマークが設けられてもよい。つまり、複数の選手カードを抽選箱に収納する場合や、上記のように所定方向にずらして重ねて配置する場合のいずれであっても、選手カードの画像データの端部に上記マークが表示されていればよい。
本実施形態のゲームにおける選手カードの画像デザインの一例を
図8に示す。例えば、各選手カードの画像データの上部周縁部が認識可能な状態で表示される場合、
図8に例示するように、複数の選手カードC1,C2,…,CNのそれぞれには、選手カードのレア度(オブジェクト情報)の値に応じた数の星型の図形(オブジェクト情報に関する情報)が当該選手カードの画像データの上部周縁部に含まれてもよい。
図8の例では、付与順序が4番目の選手カードC4のレア度が最も高く(レア度が5)、付与順序が2番目、N番目の選手カードC2,CNのレア度が最も低く(レア度が1)なっている。この場合、
図7に示すように、各選手カードC1,C2,…,CNの画像データの上部周縁部が認識可能に表示されることにより、ユーザは、各選手カードC1,C2,…,CNのレア度を認識することができる。ここで、ユーザが選手カードC4を所望の選手カードとした場合、当該ユーザは、選手カードC4を付与順序に従って(つまり4番目に)入手することができるが、当該選手カードC4以外の他の選手カード(つまり、付与順序が選手カードC4よりも先の選手カード(ここでは、選手カードC1,C2,C3))も入手する必要がある。このため、ユーザには、例えば、所望の選手カードを入手することができるという期待感と、所望の選手カードを入手するために他の選手カードを入手しなければならない煩わしさとを比較検討することが求められるので、ユーザの判断力や戦略が求められる仕組みとすることができる。
なお、例えば、各選手カードが横方向に重なるように配置される場合、選手カードの画像データ以外のオブジェクト情報に関する情報(例えば、レア度の値に応じた数の星型の図形など)が、各選手カードの画像データのうち認識可能な部分(例えば、左側端部あるいは右側端部など)に設けられてもよい。
【0045】
ゲーム画像S1においてメニューm3が選択操作されると、
図9のゲーム画像S2が表示装置3に表示される。ゲーム画像S2では、複数の選手カードC1,C2,…,CNのうち付与順序が最先の選手カード(図の例では選手カードC1)が抽選箱Bから飛び出すような演出がなされ、当該選手カードの画像データの全てが表示される。このとき、ユーザは、選手カードの画像データの全てが表示されることにより、当該選手カードの内容を認識することが可能となる。そして、抽選箱Bから飛び出した選手カードは、ユーザに付与される。なお、ゲーム画像S2には、ユーザに付与された選手カードの内容を通知するためのメッセージ(図の例では「xxx選手のカードを入手しました!!」)などが含まれてもよい。
【0046】
ゲーム画像S2が所定時間表示された後に、
図10のゲーム画像S3が表示装置3に表示される。ゲーム画像S3には、未付与の選手カード(ここでは、選手カードC2,C3,…,CN)の一覧が含まれる。ここで、ユーザがメニューm13を選択操作した場合には、未付与の選手カードのうち付与順序が最先の選手カード(この場合、選手カードC2)がユーザに付与されることになる。
【0047】
なお、本実施形態のゲームでは、メニューm3が選択操作されるごとに1枚の選手カードがユーザに付与される場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、メニューm3が1回選択操作されると、複数の選手カードがユーザに付与されてもよい。
また、本実施形態のゲームでは、選手カードの付与に先立って、選手カードの画像データの上部周縁部が提供される場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、選手カードの付与に先立って、画像データの中心部の所定領域が提供されてもよいし、画像データの全てが提供されてもよい。
【0048】
(3)ゲーム装置における各機能の概要
以下、本実施形態のゲーム装置1によって実現される機能について、
図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態のゲーム装置1で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0049】
ゲーム実行手段51は、ユーザによる入力部4に対する操作入力に応じて、本実施形態のゲームを実行する機能を備える。上述したように、本実施形態のゲームには、試合機能と抽選機能が設けられている。
試合機能を実行するために、CPU11は、ユーザのチームと試合相手のチームの所定の動作が表示されるように画像データを生成して、画像処理回路14へ送出する。試合の勝敗は、例えば、試合を行う2つのチームの各々に含まれる選手カードの能力値(たとえば、オフェンス値、ディフェンス値、テクニック値)の値に基づいて決定する方法であれば如何なる方法でもよい。例えば、CPU11は、ユーザのチームと、予め選択されたチーム(CPUチーム)との間で試合を実行する場合、双方のチームに含まれる選手カードの能力値の合計を比較し、合計が大きな方のチームが高い確率(例えば、60〜90%の範囲内の所定の確率)をもって勝利するように決定されてもよい。
なお、ユーザのチームが勝利した場合には、対象となるユーザに対して一定量のポイントを付与してもよい。その場合、CPU11は、記憶媒体17にアクセスして、処理対象となるユーザのユーザデータにおけるポイントを一定量だけ加算して上書きする処理を行う。
【0050】
ゲーム実行手段51における抽選機能は、情報提供手段52及び付与手段53と協働して行われる。抽選機能を実行するために、CPU11は、例えば以下の処理を行う。CPU11は、ユーザの適切な選択操作(例えば、
図6のゲーム画像S0のメニューm2に対する選択操作)の入力を認識すると、選択操作を行ったユーザに対して付与対象の選手カードを設定したか否かを判別する。この判別処理について具体的に説明すると、CPU11は、記憶媒体17内の付与カードリストにアクセスして、選択操作を行ったユーザのユーザIDに対応する選手カードの項目に識別コードが記録されているか否かを判別する。ここで、識別コードが記録されていない場合には、付与対象の選手カードが設定されていないと判別される。この場合、CPU11は、選手カードデータベースにアクセスして、所定数(本実施形態ではN個)の選手カードをランダムあるいは所定の規則に基づいて抽出し、抽出した選手カードごとに付与順序を決定する。各選手カードの付与順序は、例えば、抽出順が後になるほど付与順序が後になるように決定されてもよいし、ランダムあるいは所定の規則に基づいて決定されてもよい。そして、CPU11は、抽出した各選手カードの識別コードを、決定した付与順序に従って付与データリストに記録する。
【0051】
情報提供手段52は、ユーザに対する付与順序が決まっている複数の選手カード(オブジェクト)の各々について、選手カードの内容に関する画像データ(オブジェクト情報)の少なくとも一部と、選手カードの付与順序に関する情報とを、前記選手カードが付与される前に前記ユーザに提供する機能を備える。
ここで、オブジェクト情報は、選手カード(オブジェクト)に関する画像データ(画像情報)であってもよい。この場合、ユーザは、選手カードの付与に先立って、複数の選手カードごとに、画像データの少なくとも一部を得ることができる。この場合、ユーザは、画像データの少なくとも一部に基づいて、複数の選手カードの各々の内容を認識あるいは想定することができるので、各選手カードを得ることに対するユーザの期待感を高めることができる。これにより、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
情報提供手段52の機能を実現するために、CPU11は、例えば以下の処理を行う。CPU11は、ユーザに対して付与対象の選手カードを設定したか否かの判別結果に応じた処理を行うと、選手カードのオブジェクト情報(例えば画像データ)の少なくとも一部と、選手カードの付与順序に関する情報とを含むゲーム画像(例えば
図7のゲーム画像S1)を生成して画像処理回路14へ送出する。この場合、CPU11は、付与データリストにアクセスして、ユーザのユーザIDに対応する選手カードを付与順序に従って抽出し、付与順序に対応する位置に選手カードが配置されるようにゲーム画像を生成する。
また、CPU11は、後述する付与手段53の機能によって、選手カードがユーザに付与されると、未付与の選手カード(ここでは、選手カードC2,C3,…CN)のオブジェクト情報(例えば画像データ)の少なくとも一部と、未付与の選手カードの付与順序に関する情報とを含むゲーム画像(例えば
図10のゲーム画像S3)を生成して画像処理回路14へ送出する。この場合におけるゲーム画像の生成方法は、
図7に例示したゲーム画像S1の生成方法と同様である。
【0052】
なお、本実施形態では、画像データの少なくとも一部が提供される場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、選手名の少なくとも一部が提供されてもよいし、所属チームの名称や標章(例えばロゴやエンブレム等)の少なくとも一部が提供されてもよい。なお、選手名、所属チームの名称、標章の各々は、オブジェクト情報に関する情報の一例である。
また、本実施形態では、複数の選手カードC1,C2,…,CNを所定方向(
図7の例では矢印方向)に並べて配置することにより各選手カードC1,C2,…,CNの付与順序を提供する場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、複数の選手カードC1,C2,…,CNごとに、付与順序を示すテキストデータなどが対応付けられて提供されるようにしてもよい。なお、付与順序に関する情報は、例えば音声データや画像データなどで構成されてもよい。
【0053】
付与手段53は、所定の入力又はゲームの進行状況に関する情報に基づいて、複数の選手カード(オブジェクト)のうち少なくとも一つの選手カードを、付与順序に従ってユーザに付与する機能を備える。
ここで、ゲームの進行状況とは、例えば、ユーザが、ゲーム上で制覇(クリア)したパートの数であってもよいし、ユーザが、ゲーム上の試合において他のユーザあるいはキャラクタに勝利した数であってもよい。また、ゲームの進行状況とは、例えば、ユーザがゲーム上で獲得した特定のアイテムの数であってもよいし、ゲームの進行度や技能レベルの高さなどであってもよい。
また、選手カードをユーザに付与するとは、選手カードに関する情報をユーザのユーザIDに対応付けた状態で所定の記憶装置(例えば記憶媒体17など)に記憶させることであってよい。
付与手段53の機能を実現するために、CPU11は、例えば以下の処理を行う。CPU11は、ユーザの適切な選択操作(例えば、
図7のゲーム画像S1のメニューm3に対する選択操作)の入力を認識すると、当該ユーザに付与される選手カードの内容を通知するためのゲーム画像(例えば、
図9のゲーム画像S2)を生成して画像処理回路14へ送出する。そして、CPU11は、ユーザに対して選手カードを付与する処理を行う。この処理について具体的に説明すると、CPU21は、記憶媒体17内の付与カードリストにアクセスして、処理対象となるユーザのユーザIDに対応する複数の選手カードのうち付与順序が最先(ここでは、1番目)の選手カードの識別コードを抽出する。そして、CPU21は、記憶媒体17内のユーザデータベースにアクセスして、処理対象となるユーザのユーザデータにおける保有カードのデータとして、抽出した選手カードの識別コードを書き込む処理を行う。
また、CPU11は、付与カードリストにアクセスして、抽出した選手カードの識別コードを消去してもよい。この場合、CPU11は、付与カードリストにおいて、処理対象のユーザのユーザIDに対応する複数の選手カードの各々の付与順序を、抽出した選手カードの数に応じて繰り上げてもよい。例えば、抽出された選手カードの数が1つであった場合には、付与順序が2番目以降の選手カードの付与順序を1つずつ繰り上げてもよい。
【0054】
なお、ゲームの進行状況に関する情報に基づいて選手カードをユーザに付与する場合、CPU11は、例えば以下の処理を行う。ここでは、ユーザがゲーム上の試合に勝利した数が所定数(例えば3つ)増加する度に、選手カードが当該ユーザに付与される場合を一例として説明する。CPU11は、ユーザが試合に勝利した場合、例えば記憶媒体17内に記録されている当該ユーザの勝利数を1つ増加させる。そして、CPU11は、勝利数が所定数増加する度に、当該ユーザに付与される選手カードの内容を通知するためのゲーム画像(例えば、
図9のゲーム画像S2)を生成して画像処理回路14へ送出するとともに、当該ユーザに対して選手カードを付与する処理を行ってもよい。
【0055】
また、付与手段53は、ユーザによる所定の対価の支払いを条件として、メニューm13の選択操作(所定の入力)を許可してもよい。
ここで、対価とは、例えば、ユーザが保有するゲーム上のポイントなどであってもよいし、所定のアイテムやキャラクタなどであってもよい。
この場合、例えば、所望の選手カード(オブジェクト)の付与順序が後になるほど、ユーザは、当該所望の選手カードを得るために、多くの対価の支払いを行う必要がある。このため、例えば所望の選手カードを入手すべきか否かなどについてユーザに慎重に検討させることができるので、ユーザの判断力や戦略がさらに求められる仕組みとすることができる。
この場合における付与手段53の機能は、例えば以下のようにして実現できる。なお、ここでは、対価が所定量のポイントである場合を一例として説明する。CPU11は、ユーザの適切な選択操作(例えば、
図7のゲーム画像S1のメニューm3に対する選択操作)の入力を認識すると、選択操作を行ったユーザのユーザデータを参照し、当該ユーザのユーザIDに対応するポイントの値が所定量以上であるか否かを判別する。そして、CPU11は、ポイントの値が所定量以上の場合、当該ポイントの値を所定量減算した後に、当該ユーザに対して選手カードを付与する処理を行う。なお、ポイントの値が所定量未満の場合には、CPU11は、例えば「ポイントが少ないため選手カードを引くことができません。」などのメッセージを通知するためのゲーム画像を生成して画像処理回路14へ送出してもよい。
【0056】
(4)本実施形態のゲーム装置の主要な処理のフロー
次に、本実施形態のゲーム装置1により行われる主要な処理のフローの一例について、
図12のフローチャートを参照して説明する。なお、
図12には、
図6、7、9、10のゲーム画像S0〜S3の表示タイミングを付記してある。
CPU11は、ゲーム画像S0においてメニューm2(抽選)が選択操作されると、(ステップS100:YES)、選択操作を行ったユーザに対して付与対象の選手カードを設定したか否かを判別する(ステップS110)。具体的に説明すると、CPU11は、記憶媒体17内の付与カードリストにアクセスして、選択操作を行ったユーザのユーザIDに対応する選手カードの項目に識別コードが記録されているか否かを判別する。そして、識別コードが記録されていない場合には、付与対象の選手カードが設定されていないと判別される(ステップS110:NO)。この場合、CPU11は、選手カードデータベースにアクセスして、所定数(本実施形態ではN個)の選手カードをランダムあるいは所定の規則に基づいて抽出し(ステップS120)、抽出した選手カードごとに付与順序を決定する(ステップS130)。各選手カードの付与順序は、例えば、抽出順が後になるほど付与順序が後になるように決定されてもよいし、ランダムあるいは所定の規則に基づいて決定されてもよい。そして、CPU11は、抽出した各選手カードの識別コードを、決定した付与順序に従って付与データリストに記録する。なお、ステップS110において、付与対象の選手カードが設定されている場合(つまり、付与カードリストにおいて、選択操作を行ったユーザのユーザIDに対応する選手カードの項目に識別コードが記録されている場合)には(ステップS110:YES)、CPU11は、後述するステップS140の処理に移行する。
【0057】
次に、CPU11は、選手カードのオブジェクト情報(例えば画像データ)の少なくとも一部と、選手カードの付与順序に関する情報とを含むゲーム画像(例えば
図7のゲーム画像S1)を生成して画像処理回路14へ送出する(ステップS140)。この場合、CPU11は、付与データリストにアクセスして、ユーザのユーザIDに対応する選手カードを付与順序に従って抽出し、付与順序に対応する位置に選手カードが配置されるようにゲーム画像を生成する。
【0058】
次いでCPU11は、ゲーム画像S1においてメニューm3が選択操作されると(ステップS150:YES)、選択操作を行ったユーザに付与される選手カードの内容を通知するためのゲーム画像(例えば、
図9のゲーム画像S2)を生成して画像処理回路14へ送出する。そして、CPU11は、当該ユーザに対して選手カードを付与する処理を行う(ステップS160)。この処理について具体的に説明すると、CPU21は、記憶媒体17内の付与カードリストにアクセスして、処理対象となるユーザのユーザIDに対応する複数の選手カードのうち付与順序が最先(ここでは、1番目)の選手カードの識別コードを抽出する。そして、CPU21は、記憶媒体17内のユーザデータベースにアクセスして、処理対象となるユーザのユーザデータにおける保有カードのデータとして、抽出した選手カードの識別コードを書き込む処理を行う。なお、CPU11は、ステップS150の処理において、メニューm3が所定時間以上選択操作されない場合(ステップS150:NO)、抽選処理を終了してもよい。
なお、CPU11は、ユーザによる所定の対価の支払いを条件として、メニューm13の選択操作(所定の入力)を許可する場合には、以下の処理を行ってもよい。例えば、CPU11は、ステップS150の処理においてメニューm3が選択操作されたことを認識した場合、選択操作を行ったユーザのユーザデータを参照し、当該ユーザのユーザIDに対応するポイントの値が所定量以上であるか否かを判別する。そして、CPU11は、ポイントの値が所定量以上の場合、当該ポイントの値を所定量減算した後に、当該ユーザに対して選手カードを付与する処理を行う。なお、ポイントの値が所定量未満の場合には、CPU11は、例えば「ポイントが少ないため選手カードを引くことができません。」などのメッセージを通知するためのゲーム画像を生成して画像処理回路14へ送出してもよい。
CPU11は、ステップS160の処理を行うと、未付与の選手カード(ここでは、選手カードC2,C3,…CN)のオブジェクト情報(例えば画像データ)の少なくとも一部と、未付与の選手カードの付与順序に関する情報とを含むゲーム画像(例えば
図10のゲーム画像S3)を生成して画像処理回路14へ送出する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置1によれば、ユーザは、選手カード(オブジェクト)の付与に先立って、付与対象となる複数の選手カードの各々の内容に関するオブジェクト情報(例えば画像データ)の少なくとも一部と、各選手カードの付与順序とを認識することができる。この場合、ユーザは、複数の選手カードごとに、所望の選手カードとすべきか否かをオブジェクト情報(例えば画像データ)に基づいて判別することができる。ここで、例えば、所望の選手カードが複数の選手カードに含まれている場合には、ユーザは、所望の選手カードを付与順序に従って入手することができるが、当該所望の選手カード以外の他の選手カード(つまり、複数の選手カードのうち付与順序が所望の選手カードよりも先の選手カード)も入手する必要がある。この場合、所望の選手カードの付与順序が後になるほど、ユーザに付与される他の選手カードの数が多くなる。このため、ユーザには、例えば、所望の選手カードを入手することができるという期待感と、所望の選手カードを入手するために他の選手カードを入手しなければならない煩わしさとを比較検討することが求められるので、ユーザの判断力や戦略が求められる仕組みとすることができる。これにより、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0060】
なお、付与対象の複数の選手カードは、切り替えられるように構成されてもよい。この場合、ユーザは、付与対象の複数の選手カードの中に所望の選手カードが存在しないと判断した場合に、所定の入力に基づいて、付与対象の複数の選手カードを新たに選択することができる。この機能を実現するために、CPU11は、例えば、ゲーム画像S1を生成する際に、選手カードの切り替えを指示するためのメニューを含めてもよい。そして、当該メニューが選択操作された場合、CPU11は、ステップS120の処理に移行すればよい。
ここで、選手カードの切り替えが無制限に行われることを防ぐために、切り替え可能な回数が所定回数に制限されてもよい。
【0061】
(5)実施形態の変形例
上述した実施形態では、付与対象の「オブジェクト」が選手カードである場合を例として説明したが、これに限られない。「オブジェクト」は付与対象となり得るものであれば如何なるものでもよく、例えばゲーム上のアイテムや他のキャラクタを含んでもよい。この場合、アイテムとは、例えばユーザがゲーム上保有することができるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で収集する必要があるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で有利な効果を得られるものなどであってもよい。また、キャラクタとは、例えば現実世界に存在するもの(例えばスポーツ選手や歌手、アイドル、動物等)を模したものや、ゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、それらがカードに表示されているものをも含む。また、魔法や技についてのカードを含みうる。
また、上述した実施形態では、複数のオブジェクト(選手カードC1,C2,…CN)が付与順序に従って抽選箱Bに収容されている場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、抽選機能において、予め設定された経路を所定の入力に応じて進めるようなサブゲーム(例えば双六など)が構成されている場合には、当該経路を進めることにより複数のオブジェクトを入手できるようにしてもよい。この場合、複数のオブジェクトの付与順序と当該経路の進行方向とを一致させることが好ましい。
【0062】
以下、上述した実施形態についての変形例について説明する。
(5−1)変形例1
上述した実施形態では、レア度に応じた数の星型の図形が画像データに含まれる場合を選手カードの画像デザインの一例として説明したが、これに限られない。本変形例における選手カードの画像デザインの第1の例を
図13に示す。
図13(a)は付与対象となる選手カードの画像デザインの第1の例を示す図であり、
図13(b)は本変形例におけるゲーム画像の表示例を示す図である。例えば、選手カードが付与される前に当該選手カードの画像データの少なくとも一部(例えば上部周縁部)がユーザに提供される場合、
図13(a)に示すように、画像データの上部周縁部には、選手カードに対応する選手の所属チームの標章ma1,ma2,…,maNや当該選手の背番号などが含まれてもよい。なお、所属チームの標章や選手の背番号は、オブジェクト情報に関する情報の一例である。この場合、
図6のゲーム画像S0のメニューm2が選択操作されると、
図7のゲーム画像S1の代わりに、
図13(b)に示すゲーム画像が表示される。
図13(b)に示すように、各選手カードC1,C2,…,CNの画像データの上部周縁部が認識可能に表示されることにより、ユーザは、各選手カードC1,C2,…,CNの所属チーム及び/又は背番号を認識あるいは想定することにより、各選手カードC1,C2,…,CNの内容を想定することができる。したがって、ユーザは、複数の選手カードC1,C2,…,CNごとに、所望の選手カードとすべきか否かを、提供された画像データに基づいて判別することができる。
また、本変形例における選手カードの画像デザインの第2の例を用いた場合のゲーム画像の表示例を
図14に示す。例えば、選手カードが付与される前に当該選手カードの画像データの少なくとも一部(例えば上部周縁部)がユーザに提供される場合、画像データの上部周縁部には、選手カードの所属チームのカラー(オブジェクト情報に関する情報)やレア度などに応じた彩色(例えば、レア度が5の場合には金色、レア度が4の場合には銀色など)が施されてもよい。この場合、ユーザは、各選手カードC1,C2,…,CNの所属チームやレア度などを認識することができる。このため、ユーザは、複数の選手カードC1,C2,…,CNごとに、所望の選手カードとすべきか否かを、提供された画像データに基づいて判別することができる。
【0063】
(5−2)変形例2
上記実施形態のゲーム制御装置の変形例2の機能ブロック図を
図15に示す。
図15に示すように、この機能ブロック図は、
図11に示したものとは、追加手段54が追加されている点で異なる。
追加手段54は、複数の選手カード(オブジェクト)のうち少なくとも一つの選手カードがユーザに付与されると、少なくとも一つの選手カードを追加選手カード(追加オブジェクト)として、当該追加選手カードの付与順序を設定した上で前記複数の選手カードに追加する機能を備える。
本変形例によれば、複数の選手カードのうち少なくとも一つの選手カードがユーザに付与されると、少なくとも一つの追加選手カードが複数の選手カードに追加される。これにより、所定数以上の選手カードが常に存在することになることから、ユーザを飽きさせない仕組みとすることができる。また、追加選手カードの付与順序が、ユーザが入手したいと思っている所望の選手カードよりも先になるか、あるいは後になるかによって、所望の選手カードの付与順序が変化する可能性があることから、ユーザの緊張感を高める仕組みとすることができる。即ち、例えば、一つ追加選手カードの付与順序が所望の選手カードも先になるように配置されてしまうと、その分、所望の選手カードの入手順序が一つ遅れてしまうことになるので、ユーザは、追加選手カードの配置位置に注目することになる。
【0064】
本変形例における追加手段54の機能は、例えば
図16のフローを参照して以下のように実現できる。
図16は本変形例のゲーム装置1により行われる主要な処理のフローの一例である。なお、
図16のフローにおけるステップS100〜S160の処理の内容は、上述した
図12のフローと同様であるため、詳細な説明を省略する。
CPU11は、ステップS160において、ユーザに対して選手カードを付与する処理を行うと、選手カードデータベースにアクセスして、付与対象として追加される選手カード(追加選手カード)をランダムあるいは所定の規則に基づいて抽出する(ステップS170)。そして、CPU11は、追加選手カードの付与順序(ここでは、1〜Nの何れか)を決定する(ステップS180)。追加選手カードの付与順序は、例えば、最後(つまり、N番目)になるように決定されてもよいし、ランダムあるいは所定の規則に基づいて決定されてもよい。そして、CPU11は、追加選手カードの識別コードを、決定した付与順序に従って付与データリストに記録する。このとき、CPU11は、未付与の選手カードのうち、付与順序が追加選手カードよりも後になる選手カードの付与順序が順次繰り下げられるように、付与データリストの更新処理を行う。
【0065】
(5−3)変形例3
上記変形例2のゲーム制御装置の変形例の機能ブロック図を
図17に示す。
図17に示すように、この機能ブロック図は、
図15に示したものとは、提示手段55が追加されている点で異なる。
提示手段55は、追加選手カード(追加オブジェクト)の付与順序に関する情報をユーザに提示する機能を備える。
本変形例によれば、ユーザは、提示された情報に基づいて、追加選手カードの付与順序を認識することができる。この場合、ユーザには、例えば、追加選手カードが追加されるごとに、追加選手カードを所望のオブジェクトとすべきか否か、あるいは追加選手カードを入手すべきか否かなどについて検討することが求められることから、興趣性をさらに高める仕組みとすることができる。
【0066】
本変形例における提示手段55の機能は、例えば以下のようにして実現できる。CPU11は、例えば、
図16に示すフローのステップS160において、ユーザに対して選手カードを付与する処理を行うと、ゲーム画像S3の代わりに
図18のゲーム画像S11を生成して画像処理回路14へ送出する。ゲーム画像S11には、追加選手カードの付与順序に関する情報を通知するための表示領域101が含まれる。なお、ゲーム画像S11には、例えば追加選手カードのレア度を通知するための表示領域102が含まれてもよい。ゲーム画像S11が表示装置3に表示される際、各表示領域101,102は所定方向(例えば縦方向)に回転している。そして、ゲーム画像S11が表示装置3に表示されてから所定時間が経過すると、CPU11は、各表示領域101,102の回転が停止した状態を示すゲーム画像(例えば
図18のゲーム画像S12)を生成して画像処理回路14へ送出する。この場合、ユーザは、表示領域101に表示された情報(ここでは、テキストデータ)に基づいて、追加選手カードの付与順序を認識することができる。
なお、CPU11は、
図16に示すフローのステップS170において、回転が停止した状態の各表示領域101,102の内容に対応する選手カードを、追加選手カードとして選手カードデータベースから抽出してもよい。
【0067】
また、提示手段55は、追加選手カード(追加オブジェクト)の画像データ(オブジェクト情報)が未付与の選手カードよりも際立つように提示してもよい。この場合における提示手段55の機能を実現するために、CPU11は、例えば、
図16に示すフローのステップS180の処理を行うと、例えば
図19のゲーム画像S21を生成して画像処理回路14へ送出する。ゲーム画像S21には、未付与の選手カードよりも上方に突出した追加選手カードCAが含まれる。この場合、ユーザは、ゲーム画像S21に表示された情報に基づいて、追加選手カードCAの付与順序を認識することができる。
また、CPU21は、ゲーム画像S21が表示装置3に表示されてから所定時間が経過すると、例えば
図19のゲーム画像S22を生成して画像処理回路14へ送出する。ゲーム画像S22における追加選手カードCAの上方周縁部の突出高さは、未付与の選手カードの上方周縁部の突出高さと同等であってよい。
【0068】
(5−4)変形例4
上記変形例2又は3において、追加手段54は、追加選手カード(追加オブジェクト)が複数の選手カード(オブジェクト)に追加される際、追加選手カードのオブジェクト情報と、複数の選手カードのそれぞれのオブジェクト情報とに基づいて、追加選手カードの付与順序を設定してもよい。
例えば、追加選手カードが追加されるごとに、当該追加選手カードの付与順序がユーザの所望の選手カードよりも先となるように設定されることが続くと、ユーザは、当該所望の選手カードをいつまでも入手できないおそれがある。そこで、本変形例によれば、例えば、複数の選手カード及び追加選手カードのうち、ユーザにとって所望の度合いが高いと想定されるオブジェクト情報を含む選手カードの付与順序が先となるように設定することができる。これにより、ユーザは、所望の選手カードを入手することが可能となる。
【0069】
本変形例における追加手段54の機能は、例えば以下のように実現できる。なお、ここでは、追加選手カードと複数の選手カードとの間で比較対象となるオブジェクト情報がレア度である場合を一例として説明する。この場合、選手カードのレア度が高いほど、当該選手カードの希少価値が高いため、ユーザにとって所望の度合いが高くなると考えられる。CPU11は、例えば、
図16に示すフローのステップS180において、ステップS170にて抽出した追加選手カードのレア度と、未付与の複数の選手カードの各々のレア度とを比較し、未付与の複数の選手カードのうち追加選手カードよりもレア度の高い選手カードが存在する場合には、追加選手カードの付与順序が当該選手カードより後になるように設定してもよい。
なお、CPU11は、例えば、追加選手カードの能力値と、未付与の複数の選手カードの各々の能力値とを比較し、未付与の複数の選手カードのうち追加選手カードよりも能力値の高い選手カードが存在する場合には、追加選手カードの付与順序が当該選手カードより後になるように設定してもよい。
【0070】
(5−5)変形例5
上記変形例2、3又は4において、オブジェクト情報には、選手カード(オブジェクト)のパラメータが含まれ、追加手段54は、前記パラメータが所定の閾値以上の選手カードである特定オブジェクトが複数の選手カードに含まれている場合、追加選手カード(追加オブジェクト)の付与順序が前記特定オブジェクトの付与順序より後になるように設定してもよい。
ここで、パラメータとは、例えば、選手カード(オブジェクト)の能力を示すものであってもよいし、選手カードの希少価値を示すものであってもよいし、選手カードに対応する選手の現実世界における人気度やカリスマ性を数値化したものであってもよい。
例えば、ユーザが特定オブジェクト(例えば、能力の高い選手カードや希少度の高い選手カードなど)を所望する場合、追加選手カードが追加されるごとに、当該追加選手カードの付与順序が特定オブジェクトよりも先となるように設定されることが続くと、ユーザは、当該特定オブジェクトをいつまでも入手できないおそれがある。そこで、本変形例によれば、追加選手カードが追加された場合、当該追加選手カードの付与順序が特定オブジェクトよりも後になるように設定されるので、特定オブジェクトの付与順序が追加選手カードによって繰り下げられない。これにより、ユーザは、追加選手カードを含む複数の選手カードの中から特定オブジェクトを早期に入手することが可能となる。
【0071】
本変形例における追加手段54の機能は、例えば以下のように実現できる。なお、ここでは、パラメータがレア度である場合を一例として説明する。CPU11は、例えば、
図16に示すフローのステップS180において、付与カードリストにアクセスして、処理対象のユーザIDに対応する複数の選手カードの識別コードを抽出する。次に、CPU11は、選手カードデータベースにアクセスして、抽出した識別コードに対応する選手カードのうち、レア度が所定の閾値(例えば4)以上の選手カードを特定オブジェクトとして抽出する。そして、CPU11は、追加選手カードの付与順序が特定オブジェクトの付与順序よりも後になるように設定する。
なお、未付与の複数の選手カード内に特定オブジェクトが複数含まれる場合には、CPU11は、追加選手カードの付与順序が、複数の特定オブジェクトのうち付与順序が最後の特定オブジェクトよりも後になるように設定してもよい。
【0072】
(5−6)変形例6
上記変形例2、3、4又は5において、オブジェクト情報には、選手カード(オブジェクト)のパラメータが含まれ、追加手段54は、前記パラメータが所定の閾値以上の選手カードである特定オブジェクトが追加選手カード(追加オブジェクト)として複数の選手カードに追加される場合、追加選手カードの付与順序が、複数の選手カードにおける所定の付与順序より先となるように設定してもよい。
本変形例によれば、特定オブジェクトが追加選手カードとして追加された場合、当該特定オブジェクトの付与順序が複数の選手カードにおける所定の付与順序より先となるように設定されるので、複数の選手カードにおける特定オブジェクトの付与順序が上位になり得る。これにより、例えば、ユーザが特定オブジェクトを所望する場合、複数の選手カードの中から特定オブジェクトを早期に入手することが可能となる。
【0073】
本変形例における追加手段54の機能は、例えば以下のように実現できる。なお、ここでは、パラメータがレア度である場合を一例として説明する。CPU11は、例えば、
図16に示すフローのステップS180において、追加選手カードが特定オブジェクトであるか否かを判別する。例えば、追加選手カードのレア度が所定の閾値(例えば4)以上であれば、当該追加選手カードが特定オブジェクトであると判別してもよい。CPU11は、追加選手カードが特定オブジェクトであると判別した場合、追加選手カードの付与順序が所定の付与順序(例えば5番目)よりも先(つまり、1番目〜4番目の何れか)になるように設定する。
なお、ユーザが、レア度の高い選手カードを1回の抽選処理(メニューm3の選択操作)で入手できないようにするために、例えば、追加選手カードの付与順序が1番目とならないように設定してもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態とその変形例について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態とその変形例に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。例えば、上記実施形態では、抽選箱に収容された複数の選手カードの各々の画像データの一部をユーザが確認できるようにしたが、選手カードの画像データ全体(即ち、選手カードの情報の全て)をユーザが確認できる構成とすることも可能である。具体的には、ベルトコンベアのような帯状体の上に、各選手カードが、その内容の全てが確認される状態で、付与順序に従って載置され、帯状体が一方向(例えばユーザ側)に向かって順次移動する構成としておき、一番先頭の選手カードが順次、ユーザに付与されるように構成することが考えられる。この場合においても、追加選手カードは、帯状体上に配置されている複数の選手カードの間に割り込む形で挿入されるようにすればよい。例えば、上述した実施形態、及び各変形例に記載された技術的事項は、適宜組み合わせてもよい。
【0075】
上述した各実施形態では、ユーザによるゲーム装置に対する所定の入力は、ユーザのゲーム装置に対する所定の操作釦の押下操作の入力であるとしたが、所定の入力はこれに限られない。所定の入力は、タッチパネル機能を備えたゲーム装置に対する表示画面上のタッチ操作の入力操作であってもよいし、加速度センサを備えたゲーム装置を振ることによる入力、あるいはジェスチャによる入力(ジェスチャ入力)であってもよい。ジェスチャ入力では、撮像機能を備えたゲーム装置に対する所定のジェスチャを行うことでゲーム装置がそのジェスチャを画像認識し、予めジェスチャに対応付けられた入力を認識する。また、音声認識プログラムを実行可能なゲーム装置の場合には、所定の入力は、音声を入力することにより行われてもよい。
【0076】
上述した実施形態では、スタンドアローンのゲーム装置によって本発明を実現する例を説明したが、本発明の実施形態はこれに限られない。本発明は、いわゆるソーシャルゲーム等のクライアントサーバシステムによっても実現することができる。
以下、本発明をソーシャルゲームで実現する場合の例について説明する。
本発明をソーシャルゲームで実現する場合のゲームシステム(クライアントサーバシステム)のシステム構成例を
図20に示す。
図20のシステムでは、例えばインターネットなどの通信網NW(ネットワーク)に接続可能な通信端末100a,100b,100c,…と、通信網NWに接続されているゲームサーバ200と、データベースサーバ300とによって構成されている。各通信端末100a,100b,100c,…はそれぞれ、個々のユーザによって操作される端末であり、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)などの通信端末である。なお、以下の説明において、各通信端末100a,100b,100c,…に共通して言及するときには、通信端末100と表記する。
このゲームシステムにおいて、ゲームサーバ200は、クライアントである通信端末100と通信可能に構成されており、通信端末100に対してゲーミングサービスを提供する。ゲームサーバ200には、ゲーム用アプリケーションとしてウェブブラウザ上で動作可能なアプリケーションが実装されている。データベースサーバ300は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ200と例えば有線で接続される。通信端末100は、ゲームサーバ200によって提供されるウェブページを表示可能なウェブブラウザを備えており、ユーザは、通信端末100をウェブページ上で操作してゲームを実行する。
【0077】
図20に示したゲームシステムでは、通信端末100とゲームサーバ200との間でHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に従った通信を行う。例えば、通信端末100は、ゲームサーバ200に対してHTTPリクエスト(例えば、ウェブページ上でのユーザのハイパーリンクまたはメニューの選択結果を含む。)を送信し、ゲームサーバ200は、受信したHTTPリクエストに基づいて所定のデータ処理や、演算処理を行い、その処理結果を含むHTTPレスポンスをゲームサーバ200のウェブブラウザに返す。HTTPレスポンスには、ウェブページを更新するためのHTMLデータが含まれる。
【0078】
例えば、本実施形態で述べた抽選機能をこのゲームシステムで実現する場合、選手カードデータベースと、付与カードリストをデータベースサーバ300に記憶しておく。ユーザが通信端末100に表示されているウェブページ上で、抽選機能の実行を開始するためのメニューの選択操作を行うと、そのメニューの選択結果を含むHTTPリクエストがゲームサーバ200宛に送信される。ゲームサーバ200は、HTTPリクエストを受信すると、データベースサーバ300内の選手カードデータベースにアクセスして、所定数の選手カードを例えばランダムに選択し、選択した選手カードのオブジェクト情報(例えば画像データ)の少なくとも一部と、選手カードの付与順序とを含むHTMLデータを生成して通信端末100へ返す。HTMLデータを受信すると、通信端末100は、ブラウザがHTMLデータを解釈してウェブページを更新して表示し、それによって、付与対象の複数の選手カードの各々のオブジェクト情報の一部と、各オブジェクトの付与順序とがユーザの通信端末100上に表示される。ここで、通信端末100に表示されるウェブページは、例えばゲーム画像S1と同様に構成されてもよい。
【0079】
なお、クライアントサーバシステムによって、情報提供手段52及び付与手段53の各機能を実現する場合、これらのすべての手段をゲームサーバ200及びデータベースサーバ300において実現してもよいが、通信端末100と、ゲームサーバ200及びデータベースサーバ300とで、適宜機能分担を行ってもよい。
図21(a),(b)には、本実施形態のゲーム制御装置の各機能(
図11に示す各機能)について、通信端末100と、ゲームサーバ200及びデータベースサーバ300との間の分担例を示す。
【0080】
上述した実施形態その他の記載では、ゲーム上のオブジェクトが付与対象となる場合について説明したが、本発明は、付与対象がゲーム上のオブジェクトに限られない。
つまり、付与対象をデータ一般とした情報処理装置であってもよい。この場合、情報提供手段52は、ユーザに対する付与順序が決まっている複数のオブジェクトの各々について、オブジェクトの内容に関するオブジェクト情報の少なくとも一部と、オブジェクトの付与順序に関する情報とを、前記オブジェクトが付与される前に前記ユーザに提供する機能を備えてもよい。また、付与手段53は、所定の入力に関する情報に基づいて、複数のオブジェクトのうち少なくとも一つのオブジェクトを、付与順序に従ってユーザに付与する機能を備えてもよい。