(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レーザ照射装置は、レーザ発振器から発振されるレーザビームを走査するガルバノスキャナと、そのレーザビームを集光する集光レンズとを有する請求項1または2記載のレーザ加工機。
【背景技術】
【0002】
被加工物の任意の箇所にレーザビームを照射する加工機には、ビームの光軸を変化させるものがある。ビームの光軸を変化させるための具体的手段としては、ガルバノスキャナと集光レンズとの組み合わせが採用されることが少なくない(例えば、下記特許文献を参照)。
【0003】
レーザビームの光軸を変化させる走査は、ガルバノスキャナ等の回転位置決め誤差及び集光レンズによる光学的な歪みによって平面座標系に対する誤差が発生する。レーザ加工に際しては、その誤差を予め取り除いておく必要がある。
【0004】
従来は、テストピースに試験用のパターンをレーザ加工し、しかる後にこれを顕微鏡で観察して試験用のパターンと実際に形成されたパターンとの誤差を計測、その誤差を低減するような補正量をガルバノスキャナ等に対する指令値に加味していた。
【0005】
しかしながら、テストピースに形成されたパターンを顕微鏡で調査するのに非常に時間がかかる上、加工機の組立調整や納品調整において必ずこのような補正作業を行うので、作業現場に高精度な顕微鏡が必須であった。さらに、レーザ発振器の光学調整や集光レンズの交換時にも補正作業を行うので、その都度顕微鏡を加工機の設置場所に持ち込まなければならなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、レーザビームの照射位置の誤差を簡便に較正できるレーザ加工機を提供することを所期の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、レーザビームを設置台に設置した被加工物に照射して加工を行うレーザ加工機であって、レーザビームの光軸を変化させて所望の目標照射位置にビームを照射することのできる
移動可能なレーザ照射装置と、被加工物によって覆われない設置台の傍らの部位に設けられ、レーザビームの照射を受けてその照射位置を検出するビーム検出センサと、前記レーザ照射装置を前記ビーム検出センサに対して移動させる駆動装置とを具備し、前記レーザ照射装置に目標照射位置を指令してレーザビームの光軸の方向を操作するとともに、同レーザ照射装置から出射するレーザビームが前記ビーム検出センサ上に設定された照準位置に照射されるよう前記駆動装置によりレーザ照射装置を移動させ、前記ビーム検出センサにより検出される実際の照射位置と前記照準位置との誤差を知得して、加工時に目標照射位置にレーザビームを照射するためにレーザ照射装置または駆動装置に与えるべき指令の補正量を決定するレーザ加工機を構成した。
【0009】
即ち、目標照射位置近傍に所在するビーム検出センサを介して、直接にレーザビームの照射位置及びその誤差を計測するようにしたのである。このようなものであれば、簡便に照射位置の較正を行い得る。加えて、較正の際に、レーザ照射装置から出射するレーザビームの光軸を変位させるだけでなく、レーザ照射装置自体を移動させるようにしたことから、レーザビームの照射を受けるビーム検出センサの寸法を小さくすることができる。
【0010】
前記レーザ照射装置に対し、レーザビームを目標照射位置に照射させるための指令を行う照射位置指令部と、前記駆動装置に対し、前記レーザ照射装置から出射するレーザビームが前記照準位置に照射されるようにレーザ照射装置を移動させるための指令を行う装置位置指令部と、前記ビーム検出センサを介して実際の照射位置と前記照準位置との誤差を取得する誤差取得部と、前記誤差取得部で取得した誤差に基づき、加工時に目標照射位置にレーザビームを照射するためにレーザ照射装置または駆動装置に与えるべき指令の補正量を決定して記憶する補正量記憶部とを有する制御装置をさらに具備するものとすれば、較正作業の一部または全部を人力を介さず自動で行うことが可能となる。
【0011】
前記レーザ照射装置が、レーザ発振器から発振されるレーザビームを走査するガルバノスキャナと、そのレーザビームを集光する集光レンズとを有するものであるならば、既存のレーザ加工機におけるそれらを流用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レーザビームの照射位置の誤差を簡便に較正できるレーザ加工機が実現される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のレーザ加工機0は、被加工物(図示せず)を設置する設置台4と、設置台4に設置した被加工物に向けてレーザビームLを照射するレーザ照射装置1とを備え、被加工物の任意の箇所にレーザ加工を施すことのできるものである。
【0015】
本実施形態では、被加工物として、ロールに巻かれたフィルムのような非常に長尺な物、または大形の物を想定している。そして、例えば、一方のロールから被加工物を繰り出し、他方のロールに巻き取りながら、被加工物の広範囲に亘ってレーザ加工を施す。そのために、本実施形態のレーザ加工機0では、レーザ照射装置1を前後左右に移動可能とし、かつレーザ照射装置1から出射するレーザビームLの光軸を前後左右に変位可能としている。
【0016】
レーザ照射装置1は、駆動装置(または、XYステージ)3により、設置台4に対して略平行に移動する。駆動装置3は、前後方向に延伸するY軸レール31と、Y軸レール31に案内されて前後方向に走行するとともに左右方向に拡張してその上部にX軸レール321を設けているX軸ユニット32と、X軸レール321に案内されて左右方向に走行する台車322とを備えてなる。X軸ユニット32、台車322はともに、リニアサーボ可動子を駆動源とするリニアモータ台車である。レーザ照射装置1は、上記の台車322に支持させてある。
【0017】
駆動装置3には、リニアスケール(図示せず)が付帯する。X軸リニアスケールは、レーザ照射装置1の左右方向即ちX軸方向の位置を検出するための位置検出機構、Y軸リニアスケールは、レーザ照射装置1の前後方向即ちY軸方向の位置を検出するための位置検出機構である。X軸リニアスケールは、例えば、台車322に設けた磁気センサヘッドと、X軸ユニット32に設けた磁気格子縞を目盛りとした磁気式リボンスケールとを要素とする。そして、磁気センサヘッドでリボンスケールの目盛りを読み取ることにより、台車322ひいてはレーザ照射装置1のX軸方向位置を検知してその位置座標を示す信号を出力する。同様に、Y軸リニアスケールも、X軸ユニット32に設けた磁気センサヘッドと、Y軸レール31に沿って設けた磁気式リボンスケールとを要素とし、X軸ユニット32ひいてはレーザ照射装置1のY軸方向位置を検知してその位置座標を示す信号を出力する。
【0018】
要するに、駆動装置3は、レーザ照射装置1を任意のXY座標に誤差なく位置づけることができる。
【0019】
図2に示すように、レーザ照射装置1は、レーザ発振器(図示しない)と、レーザ発振器から発振されるレーザビームLを走査するガルバノスキャナ11、12、12と、そのレーザビームLを集光する集光レンズ13とを有する。
【0020】
ガルバノスキャナ11、12は、レーザビームLを反射するミラー112、122をサーボモータ、ステッピングモータ等111、121で回動させるものであり、ビームLの光軸を変化させることができる。本実施形態では、ビームLの光軸をX軸方向に変化させるX軸ガルバノスキャナ11と、ビームLの光軸をY軸方向に変化させるY軸ガルバノスキャナ12とを両備し、ビームLの照射位置をXY二次元方向に制御できる。集光レンズ13は、例えばFθレンズ13とする。
【0021】
設置台4に設置した被加工物に照射されるレーザビームLの照射位置は、ガルバノスキャナ11、12の回転位置決め誤差の影響を受ける。また、集光レンズ13による光学的な歪みも発生する。レーザビームLの照射位置の誤差は、ガルバノスキャナ11、12の走査範囲の中央から距離が離れるに従って大きくなる傾向にある。
図2の符号Aに、その様子を模式的に示している。
【0022】
XYステージ3及びガルバノスキャナ11、12を制御する制御装置5は、
図3に示すように、プロセッサ5a、メインメモリ5b、補助記憶デバイス5c、I/Oインタフェース5d等を有し、これらがコントローラ5e(システムコントローラやI/Oコントローラ等)によって制御されて連携動作するものである。補助記憶デバイス5cは、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、その他である。I/Oインタフェース5dは、サーボドライバ(サーボコントローラ)を含むことがある。
【0023】
制御装置5が実行するべきプログラムは、補助記憶デバイス5cに記憶されており、プログラム実行の際に、メインメモリ5bに読み込まれ、プロセッサ5aによって解読される。そして、制御装置5はプログラムに従い、
図4に示す、照射位置指令部51、装置位置指令部52、較正用位置データ記憶部53、誤差取得部54、補正量記憶部55、加工用位置データ記憶部56、及び加工時制御部57としての機能を発揮する。
【0024】
照射位置指令部51は、レーザ照射装置1に対し、レーザビームLを目標照射位置に照射させるための指令を行う。具体的には、目標照射位置を示すXY座標にレーザビームLを照射するべく、ガルバノスキャナ11、12に当該XY座標に対応した制御信号を入力してミラー112、122の角度を操作する。
【0025】
装置位置指令部52は、駆動装置3に対し、レーザ照射装置1を目標照射位置の付近に移動させるための指令を行う。具体的には、レーザ照射装置1の移動先を示すXY座標にレーザ照射装置1を位置づけるべく、駆動装置3に当該XY座標に対応した制御信号を入力してX軸ユニット32及び台車322の位置を操作する。
【0026】
較正用位置データ記憶部53は、較正用の位置データを記憶する。本実施形態では、XY平面座標系の複数点にレーザビームLを照射して、各点での照射位置の誤差を検出、各点毎の補正量を決定する。通常、100点ないし200点の誤差の検出及び補正量の決定を行うので、その100点ないし200点のXY座標を較正用位置データとして記憶する。
【0027】
誤差取得部54は、レーザビームLの目標照射位置と実際の照射位置との誤差を取得する。即ち、上記の較正用位置データのXY座標と、そのXY座標を目標にレーザビームLを照射したときの実際の照射位置のXY座標との誤差を取得する。目標照射位置と実際の照射位置との誤差を取得する具体的手法については、後述する。
【0028】
補正量記憶部55は、レーザビームLの目標照射位置と実際の照射位置との誤差に基づき、加工時にその目標照射位置に照射するためにレーザ照射装置1に与えるべき指令の補正量を決定して記憶する。具体的には、目標XY座標及びX軸方向誤差、Y軸方向誤差を所定の関数式に代入してガルバノスキャナ11、12に与える制御信号のX軸方向補正量、Y軸方向補正量を演算し、その補正量を先の目標XY座標に関連づけてメインメモリ5bまたは補助記憶デバイス5cに記憶させる。
【0029】
加工用位置データ記憶部56は、加工用の位置データを記憶する。加工用位置データ記憶部56は、被加工物のどの箇所にレーザビームLを照射するかを規定するCADデータ等、または加工時にレーザビームLを照射する複数点のXY座標を、加工用位置データとして記憶する。
【0030】
加工時制御部57は、上記の加工用位置データで規定される照射位置にレーザビームLを照射するべく、レーザ照射装置1を制御する。具体的には、加工用位置データを読み出してレーザビームLの目標照射位置のXY座標を知得し、かつその目標XY座標に関連づけられた補正量を読み出す。目標XY座標に直結した補正量が補正量記憶部55に記憶されていない場合には、目標XY座標に近い複数の座標に関連づけられた複数の補正量を読み出して、それらの補間により適当な補正量を算定する。そして、照射位置指令部51を介して、目標XY座標に補正量を加味した座標に対応する制御信号を、ガルバノスキャナ11、12に入力する。結果、本来の目標XY座標に正しくレーザビームLが照射される。
【0031】
レーザ加工機0を使用したレーザ加工を実施するにあたっては、レーザビームLの照射位置を較正する必要がある。照射位置の較正は、ビーム検出センサ2にレーザビームLを照射することを通じて行う。
【0032】
既に述べた通り、本実施形態では、被加工物として長尺または大形の物を想定しており、そのような被加工物は設置台4の略全域を覆うこととなる。故に、本実施形態では、被加工物によって覆われない、設置台4の傍らの部位に、ビーム検出センサ2を配置している。ビーム検出センサ2は、例えばCCDセンサまたはCMOSセンサである。
【0033】
設置台4及びビーム検出センサ2は、レーザ加工中または較正中に移動しない。較正時には、駆動装置3を介してレーザ照射装置1をビーム検出センサ2の上方の位置に移動させる。
【0034】
図5に、レーザビームLの照射位置の較正時に制御装置5が実行する処理の手順例を示す。制御装置5は、記憶している較正用位置データに含まれるXY座標を読み出し(ステップS1)、読み出したXY座標を目標照射位置としてレーザビームLを照射するべく、ガルバノスキャナ11、12を操作してレーザビームLの光軸を調節する(ステップS2)。
【0035】
さらに、ステップS2と相前後して、目標照射座標を向いたレーザビームLの光軸が、ビーム検出センサ2上に設定される照準位置に当たるように、駆動装置3を操作してレーザ照射装置1の位置を調節する(ステップS3)。より具体的に述べると、レーザ照射装置1の鉛直下方を目標照射位置としてレーザビームLを出射するときの当該目標照射位置の座標が(0,0)であり、較正用位置データにより指示された(そして、ガルバノスキャナ11、12に指令する)目標照射位置の座標が(x,y)であるとき、レーザ照射装置1を、ビーム検出センサ2における照準位置の直上からX軸方向に沿って−xだけ偏倚し、かつY軸方向に沿って−yだけ偏倚した位置に移動させる。これにより、照射位置の誤差が存在しなければ、レーザ照射装置1から出射するレーザビームLがビーム検出センサ2上の照準位置に照射されることとなる。
【0036】
その上で、実際にレーザ照射装置1からレーザビームLを照射して(ステップS4)、ビーム検出センサ2上の照準位置と、ビーム検出センサ2が実際にレーザビームLを感知した位置のXY座標とのX軸方向誤差及びY軸方向誤差を取得する(ステップS5)。この誤差が、レーザビームLの目標照射位置と実際の照射位置との誤差ということになる。
【0037】
しかして、制御装置5は、取得した誤差に基づいて補正量の決定を行い(ステップS6)、決定した補正量と目標照射位置のXY座標との組を記憶する(ステップS7)。制御装置5は、上述のステップS1ないしS7を、較正用位置データに含まれる全ての目標照射位置について補正量を決定するまで反復する(ステップS8)。
【0038】
レーザ加工作業時には、設置台4に被加工物を設置するとともに、駆動装置3を介してレーザ照射装置1を設置台4の上方の位置に復帰させる。
【0039】
図6に、加工時に制御装置5が実行する処理の手順例を示す。制御装置5は、記憶している加工用位置データで規定される目標照射位置のXY座標を読み出し(ステップS9)、そのXY座標にレーザビームLを照射する際のガルバノスキャナ11、12に対する指令の補正量を読み出すか、補間により取得する(ステップS10)。
【0040】
続いて、目標照射位置の座標に補正量を加味したXY座標に対応する制御信号をガルバノスキャナ11、12に入力し、ガルバノスキャナ11、12を操作する(ステップS11)。そして、レーザビームLを照射する(ステップS12)。制御装置5は、上述のステップS9ないしS12を、加工用位置データに規定される必要な目標照射位置についてレーザ加工を施すまで反復する(ステップS13)。
【0041】
本実施形態では、レーザビームLを被加工物に照射して加工を行うレーザ加工機0であって、レーザビームLの光軸を変化させて所望の目標照射位置にビームLを照射することのできるレーザ照射装置1と、レーザビームLの照射を受けてその照射位置を検出するビーム検出センサ2と、前記レーザ照射装置1を前記ビーム検出センサ2に対して移動させる駆動装置3とを具備し、前記レーザ照射装置1に目標照射位置を指令してレーザビームLの光軸の方向を操作するとともに、同レーザ照射装置1から出射するレーザビームLが前記ビーム検出センサ2上に設定された照準位置に照射されるよう前記駆動装置3によりレーザ照射装置1を移動させ、前記ビーム検出センサ2により検出される実際の照射位置と前記照準位置との誤差を知得して、加工時に目標照射位置にレーザビームLを照射するためにレーザ照射装置1に与えるべき指令の補正量を決定するレーザ加工機0を構成した。
【0042】
本実施形態によれば、センサ2によって直接にビームLの照射位置及びその誤差を計測でき、テストピースに形成したパターンを顕微鏡で観測するという煩瑣な手間をかけなくとも簡便に照射位置の較正を行い得る。高精度の顕微鏡を現場に用意する必要もない。
【0043】
駆動装置3は、その精度を十分に確保することが容易である。駆動装置3の精度が十分であれば、ビーム検出センサ2に対するレーザ照射装置1の位置決め精度は保証される。集光レンズ13の交換等に伴う、ビーム検出センサ2とレーザ照射装置1との相対位置の再較正も要求されない。
【0044】
しかも、寸法または面積の小さなビーム検出センサ2を採用しても、照射位置の較正を好適に行うことが可能となる。ビーム検出センサ2を小さくできるということは、現実的なコストで当該ビーム検出センサ2の解像度を高められるということであり、照射位置の較正の精度が増す。
【0045】
前記レーザ照射装置1に対し、レーザビームLを目標照射位置に照射させるための指令を行う照射位置指令部51と、前記駆動装置3に対し、前記レーザ照射装置1から出射するレーザビームLが前記照準位置に照射されるようにレーザ照射装置1を移動させるための指令を行う装置位置指令部52と、前記ビーム検出センサ2を介して実際の照射位置と前記照準位置との誤差を取得する誤差取得部54と、前記誤差取得部54で取得した誤差に基づき、加工時に目標照射位置にレーザビームLを照射するためにレーザ照射装置1に与えるべき指令の補正量を決定して記憶する補正量記憶部55とを有する制御装置5をさらに具備するものとしたため、較正を人力を介さず自動で、短時間で行うことができる。
【0046】
前記レーザ照射装置1が、レーザ発振器から発振されるレーザビームLを走査するガルバノスキャナ11、12と、そのレーザビームLを集光する集光レンズ13とを有するものであるため、既存のレーザ加工機0におけるそれらを流用できる。
【0047】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、レーザ加工時に、ガルバノスキャナ11、12に対し、目標照射位置に補正量を加味したXY座標に対応する制御信号を入力することにより、レーザ照射装置1から出射するレーザビームLの光軸の向きを補正していた。
【0048】
これに代えて、駆動装置3に対し、目標照射位置に正確にレーザビームLを照射するために必要となる補正量に対応した制御信号を入力することにより、照射位置の誤差を相殺する方向にレーザ照射装置1を移動させた上で、当該レーザ照射装置1から被加工物にレーザビームLを照射するようにしてもよい。この場合、制御装置5の補正量記憶部55は、前記誤差取得部54で取得した誤差に基づき、加工時に目標照射位置にレーザビームLを照射するために駆動装置3に与えるべき指令の補正量を決定して記憶するものとなる。
【0049】
レーザ照射装置1において、レーザビームLの光軸を変化させる具体的手段は、ガルバノスキャナ11、12には限定されない。例えば、レーザ発振器から発振されたレーザビームLを導く光ファイバの終端に取り付けたレーザビーム出射ノズルの角度を、サーボモータ等で制御する機構を採用してもよい。
【0050】
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。