(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ppmでのアクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩:ポリアクリル酸またはそれらの塩:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、1〜30:10〜80:6〜20である、請求項1に記載の水硬度制御剤。
ppmでのアクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩:ポリアクリル酸またはそれらの塩:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、5:40:8である、請求項2に記載の水硬度制御剤。
該ポリアクリル酸またはそれらの塩が、4、500g/molの分子量を有し、そして該アクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩が、40、000g/molの分子量を有する、請求項1に記載の水硬度制御剤。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、硬表面クリーニング組成物および水硬度を制御し、そして表面を保護するための硬表面クリーニング組成物の使用方法に関する。特に、硬表面クリーニング組成物は、食器の表面上の汚点または膜を防ぐのに有用である。ポリアクリル酸またはそれらの塩(「ポリアクリル酸」または「アクリレートポリマー」)、アクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩(「アクリルマレイン酸コポリマー」または「アクリレートマレインコポリマー(acrylate−maleic copolymer)」)およびホスホノカルボン酸またはそれらの塩(「ホスホノカルボン酸」)を含むクリーニング組成物は、水硬度制御剤を含む。特定の割合でのこれらの3種の成分の組み合わせは、硬表面上でのスケールの生成および堆積を防止する。この水硬度制御剤を含むクリーニング組成物は、食器洗浄(企業および消費者)、洗濯、食品および清涼飲料、乗り物ケアー、水ケアーおよび編織布ケアーを含むがこれらに限られない種々の産業において使用できる。特に、クリーニング組成物は、ガラス、プラスチックおよび金属表面上で安全に使用できる。
【0009】
クリーニング組成物は、通常、水硬度の制御のためにポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマーおよびホスホノカルボン酸を含む。ポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマーおよびホスホノカルボン酸は、クリーニング組成物でクリーニングされる表面上でのスケール形成および堆積を防ぐための水硬度制御剤機能を作り出す。任意の特定の理論によって拘束されることを望まないが、水硬度制御は、炭酸カルシウムの溶液中への沈殿を防止することによってこの機能を果たすと考えられる。
【0010】
水硬度制御剤は、ポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマーおよびホスホノカルボン酸を含むか、ポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマーおよびホスホノカルボン酸から成るか、ポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマーおよびホスホノカルボン酸から本質的に成ることができる。記載された成分から本質的に成る水硬度制御剤は、存在する場合、水硬度制御剤の水硬度を制御し、そして表面を保護する能力に影響するであろう追加の成分を含まない。
【0011】
クリーニング組成物は、記載の成分を含むか、記載の成分から成るか、記載の成分から本質的に成ることができる。記載の成分から本質的に成るクリーニング組成物は、存在する場合、水硬度制御剤の水硬度を制御し、そして表面を保護する能力に影響するであろう追加の成分を含まない。
【0012】
好適なポリアクリル酸の例は、約1、000〜約50、000g/molの間、特に約1、000〜約35、000g/molの間およびさらに特に約1、000〜約15、000g/molの間の分子量を有するポリアクリル酸を含むがこれらに限られない。好適な市販されているポリアクリル酸の例は、Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能なAcusol(商標)445NおよびAcusol(商標)445NDおよびBASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能なSokalan(商標)PA40を含むがこれらに限られない。Acusol(商標)445NおよびAcusol(商標)445NDの両者は、約4、500g/molの分子量を有し、そしてSokalan(商標)PA40は、約15、000g/molの分子量を有する。好適なアクリルマレイン酸コポリマーの例は、約1、000〜約100、000g/mol、特に約1、000〜約75、000g/molおよびさらに特に約1、000〜約50、000g/molの分子量を有するアクリルマレイン酸コポリマーを含むがこれらに限られない。好適な市販されているアクリルマレイン酸コポリマーの例は、Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能なAcusol(商標)505NおよびAcusol(商標)448ならびにBASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能なSokalan(商標)CP5を含むがこれらに限られない。Acusol(商標)505Nは、約40、000g/molの分子量を有し、Acusol(商標)448は、約3、500g/molの分子量を有し、そしてSokalan(商標)CP5は、約70、000g/molの分子量を有する。好適な市販されているホスホノカルボン酸の例は、2−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン酸を含むがこれに限られない。好適な市販されている2−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン酸の例は、Mobay Chemical Co、Pittsburgh、PAから入手可能であるBayhibit(商標)AMを含むがこれに限られない。
【0013】
本発明の例示的な調合物パラメーターは、クリーニング組成物がポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマーおよびホスホノカルボン酸を特定の割合で含むことである。一態様では、アクリルマレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸およびホスホノカルボン酸は、クリーニング組成物中に、約1〜約30:約10〜約80:約6〜約20の百万分の1(ppm)比で存在し、そしてアクリルマレイン酸コポリマーおよびポリアクリル酸がクリーニング組成物中に、それぞれ、約5ppmおよび約50ppmで、そして特にそれぞれ、約15および約50ppmで存在する。特に、アクリルマレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸およびホスホノカルボン酸は、約5〜約30:約10〜約40:約6〜約20のppm比でクリーニング組成物中に存在する。さらに特に、アクリルマレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸およびホスホノカルボン酸は、約5:約40:約8のppm比でクリーニング組成物中に存在する。
【0014】
クリーニング組成物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属シリケート等のアルカリ源をまた含む。好適なアルカリ源の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属炭酸塩との混合物を含むがこれらに限られない。特に好適なアルカリ源の例は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、または炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムとの混合物を含むがこれらに限られない。水が使用溶液を生成するクリーニング組成物に加えられる場合、アルカリ源は生じる溶液のpHを制御する。クリーニング組成物のpHは、充分な洗浄力特性を提供するために、アルカリ性の範囲に維持されることが好ましい。例示的な態様では、クリーニング組成物の使用溶液のpHは、約10〜約12である。クリーニング組成物のpHが低すぎる、例えば、約10未満の場合、クリーニング組成物は、充分な洗浄力特性を提供できない。クリーニング組成物のpHが高すぎる、例えば、約12超の場合、クリーニング組成物は苛性となり、そしてクリーニングされる表面を攻撃し始める場合がある。
【0015】
クリーニング組成物は、主として消泡剤としてかつ湿潤剤として機能する界面活性剤成分をまた含む。アニオン性、非イオン性、カチオン性、および両性イオンの界面活性剤を含む種々の界面活性剤が使用できる。界面活性剤の記載については、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、Third Edition、volume8、pages900〜912(参照により本明細書中に取り込まれる。)を参照のこと。
【0016】
クリーニング組成物中で有用な好適なアニオン性界面活性剤の例は、アルキルカルボキシレート(カルボン酸塩)およびポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートおよびその同類のもの等のカルボキシレート;アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルおよびその同類のもの等のスルホネート;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、スルホサクシネート、アルキルエーテル硫酸塩およびその同類のもの等のサルフェートを含むがこれらに限られない。いくつかの特に好適なアニオン性界面活性剤は、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホネートおよび脂肪アルコールサルフェートを含むがこれらに限られない。
【0017】
クリーニング組成物中で有用な非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子の一部分としてポリアルキレンオキサイドポリマーを有するものを含む。好適な非イオン性界面活性剤の例は、脂肪アルコールの、塩素、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびアルキルキャップしたポリエチレングリコールエーテル;アルキルポリグルコシド等のポリアルキレンオキサイドを含まない非イオン性物;ソルビタンおよびスクロースエステルおよびそれらのエトキシレート;アルコキシル化エチレンジアミン;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートおよびその同類のもの等のアルコールアルコキシレート;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルおよびその同類のもの;脂肪酸のグリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、エトキシル化およびグリコールエステルおよびその同類のもの等のカルボン酸エステル;ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドおよびその同類のもの等のカルボン酸アミド;およびエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキサイドブロックコポリマーを含むがこれらに限られない。好適な市販されている非イオン性界面活性剤の例は、BASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能なPLURONIC(商標)、およびGoldschmidt Chemical Corporation、Hopewell、VAから入手可能なABIL B8852を含むがこれらに限られない。
【0018】
クリーニング組成物に含まれるのに有用なカチオン性界面活性剤は、C
18アルキルまたはアルケニル鎖を有する第1、第2および第3級アミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン、2−アルキル−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン等のイミダゾールおよびその同類のもの等のアミン;および例えば、n−アルキル(C
12〜C
18)ジメチルベンジル塩化アンモニウム、n−テトラデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム一水和物等のアルキル第四級アンモニウムクロライド界面活性剤、およびジメチル−1−ナフチルメチル塩化アンモニウム等のナフタレン置換第四級アンモニウムクロライドとして第四級アンモニウム塩を含むがこれらに限られない。界面活性剤のさらなるリストについては、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents、(参照により本明細書中に取り込まれる)を参照のこと。
【0019】
クリーニング組成物はまた、水を含む。当然のことながら、水は脱イオン水としてまたは軟水として提供されることができる。濃縮物の一部として提供される水には、硬度が比較的ないことができる。水は溶解した固体の一部分を除くために、脱イオン化できることが期待される。脱イオン水は濃縮物を調合するために好ましいが、濃縮物は、脱イオン化されていない水を用いて調合できる。すなわち、濃縮物は溶解した固体を含む水を用いて調合されることができ、そして硬水として特徴を有することができる水を用いて調合されることができる。クリーニング組成物が液体として提供される場合、水は、クリーニング組成物の残余を構成する。クリーニング組成物が固体として提供される場合、水は、アルカリ源の量/(水+アルカリ源)の量が約0.6以上となるような量で提供されることができる。
【0020】
濃縮形態では、クリーニング組成物は、約2.2wt%〜約22wt%のポリアクリル酸、約0.1wt%〜約20wt%のアクリルマレイン酸コポリマー、約0.1wt%〜約10wt%のホスホノカルボン酸、約10wt%〜約80wt%のアルカリ源および約3wt%までの界面活性剤成分を含む。特に、クリーニング組成物は、約2.2wt%〜約13wt%のポリアクリル酸、約0.1wt%〜約11.5wt%のアクリルマレイン酸コポリマー、約0.5wt%〜約5wt%のホスホノカルボン酸、約20wt%〜約60wt%のアルカリ源および約0.5wt%〜約2wt%の界面活性剤成分を含む。さらに特に、クリーニング組成物は、約2.2wt%〜約12wt%のポリアクリル酸、約0.1wt%〜約5wt%のアクリルマレイン酸コポリマー、約0.75wt%〜約2.25wt%のホスホノカルボン酸、約30wt%〜約50wt%のアルカリ源および約0.75wt%〜約1.75wt%の界面活性剤成分を含む。他の態様において、類似の中間濃度および使用濃度はまた、本発明のクリーニング組成物に存在できる。
【0021】
一態様では、クリーニング組成物は、約0.55wt%未満のリン含有化合物を含む。特に、クリーニング組成物は、約0.2%wt%未満のリン含有化合物を含む。さらに特に、クリーニング組成物は、約0.1%wt%未満のリン含有化合物を含む。
【0022】
追加の機能性材料
クリーニング組成物は、追加の機能性材料等の追加の成分または試薬を含むことができる。したがって、いくつかの態様において、ポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマー、ホスホノカルボン酸、アルカリ源、界面活性剤成分および水を含むクリーニング組成物は、例えば、2〜3種の追加の機能性材料を有するか、機能性材料を有さない態様において、クリーニング組成物の全質量の大きな量、またはすべてまでをも占めることができる。機能性材料は、所望の特性および機能性をクリーニング組成物に提供する。本願の目的のために、用語「機能性材料」は、水溶液等の、使用溶液および/または濃縮溶液中に分散されるか、または溶解された場合に、特定の使用において有益な特性を提供する材料を含む。ポリアクリル酸、アクリルマレイン酸コポリマー、ホスホノカルボン酸、アルカリ源、界面活性剤成分および水を含むクリーニング組成物は、任意選択的に、他の汚れ消化成分、界面活性剤、消毒剤、殺菌剤、酸味料、錯化剤、腐食防止剤、泡阻害剤、染料、濃密化またはゲル化剤、および香水を含む。機能性材料のいくつかの特定例を下記でさらに詳細に記載するが、特別な材料は、一例としてのみ提供され、そして広範な種類の他の機能性材料を使用できることが当業者には理解されるであろう。
【0023】
増粘剤
本発明において有用な増粘剤は、アルカリ性の系と適合するものを含む。クリーニング組成物の粘度は、増粘剤の量とともに増加し、そして粘性のある組成物は、クリーニング組成物が表面に付着する用途で有用である。好適な増粘剤は、処理される表面上に汚染残留物を残さないものを含むことができる。通常、本発明において使用される増粘剤は、キサンタンガム、グアーガム、改質されたグアー、または植物粘質物からの他のガム等の天然ゴム;アルギネート、澱粉、およびセルロースのポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびその同類のもの)等のポリサッカロイド系増粘剤;ポリアクリレート増粘剤;およびペクチン等のヒドロコロイド増粘剤を含む。通常、本組成物または本方法において用いられる増粘剤の濃度は、最終組成物内の所望の粘度によって決定されるであろう。しかし、概括的なガイドラインとして、本組成物内の増粘剤の濃度は、約0.1wt%〜約3wt%、約0.1wt%〜約2wt%、または約0.1wt%〜約0.5wt%の範囲内である。
【0024】
染料および香料
種々の染料、香水を含む着臭剤、および他の美観改良剤はまた、クリーニング組成物中に含まれることができる。染料、例として、任意の種々のFD&C染料、D&C染料、およびその同類のものは、組成物の外観を変えるために、含まれることができる。追加の好適な染料は、Direct Blue 86(商標:Miles)、Fastusol Blue(商標:Mobay Chemical Corp.)、Acid Orange 7(商標:American Cyanamid)、Basic Violet 10(商標:Sandoz)、Acid Yellow 23(商標:GAF)、Acid Yellow 17(商標:Sigma Chemical)、Sap Green(商標:Keyston Analine and Chemical)、Metanil Yellow(商標:Keystone Analine and Chemical)、Acid Blue 9(商標:Hilton Davis)、Sandolan Blue/ Acid Blue 182(商標:Sandoz)、Hisol Fast Red(商標:Capitol Color and Chemical)、Fluorescein(商標:Capitol Color and Chemical)、Acid Green 25(商標;Ciba−Geigy)、Pylakor Acid Bright Red(商標:Pylam)、およびその同類のものを含む。組成物中に含まれることができる香料または香水は、例えば、シトロネロール等のテルペノイド、アミル桂皮アルデヒド等のアルデヒド、CIS−ジャスミンまたはジャスマル等のジャスミン、バニリン、およびその同類のものを含む。
【0025】
すすぎ助剤
クリーニング組成物は、結合剤を使用して製造された固体組成物中に、任意選択的に、すすぎ助剤組成物、例えば他の任意選択的成分と組み合わせた湿潤剤またはシーティング剤(sheetinng agent)を含むすすぎ助剤調合物を含む。すすぎ助剤成分は、例えば、食器洗浄プロセスにおいて、シーティング作用を促進するため、および/またはすすぎの後のビード水(beading water)によって生じる汚点または筋を防止するために、すすぎ水の表面張力を低下させることができる。シーティング剤の例は、ホモポリマーまたはブロックもしくはヘテロコポリマー構造中におけるエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、または混合物から調製されたポリエーテル化合物を含むがこれらに限られない。そうしたポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキサイドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマーまたはポリアルキレングリコールポリマーとして公知である。そうしたシーティング剤は、分子に界面活性剤特性を提供するために相対的な疎水性領域および相対的な親水性領域を必要とする。
【0026】
漂白剤
クリーニング組成物は、任意選択的に基材の美白または増白のための漂白剤を含むことができ、そして典型的には洗浄工程の間に直面する条件下で、Cl
2、Br
2、−OCl−および/または−OBr−、またはその同類のもの等の活性ハロゲン種を放出できる漂白化合物を含むことができる。好適な漂白剤の例は、塩素、ハイポクロライトまたはクロラミン等の塩素含有化合物を含むがこれらに限られない。好適なハロゲン放出化合物の例は、アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート、アルカリ金属ハイポクロライト、モノクロラミン、およびジクロロアミンを含むがこれらに限られない。封入された塩素源は、組成物中で塩素源の安定性を高めるために使用できる(例えば、参照によりその開示が取り込まれる米国特許第4、618、914号明細書および米国特許第4、830、773号明細書を参照のこと)。漂白剤はまた、活性酸素源を含むか活性酸素源として作用する試薬を含むことができる。活性酸素化合物は、活性酸素源を提供するように作用し、そして水溶液中に活性酸素を開放する。活性酸素化合物は、無機、有機またはそれらの混合物であることができる。好適な活性酸素化合物の例は、テトラアセチルエチレンジアミン等の活性化剤ありまたはなしで、ペルオキシジェン化合物、ペルオキシジェン化合物付加物、過酸化水素、過臭素酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水素付加物、リン酸塩過酸化物水素化物(phosphate peroxyhydrate)、過モノ硫酸カリウム、および過臭素酸ナトリウム一水和物および四水和物を含むがこれらに限られない。
【0027】
殺菌剤/抗菌剤
クリーニング組成物は、任意選択的に殺菌剤(または抗菌剤)を含むことができる。抗菌剤としてまた知られている殺菌剤は、材料システム、表面等の微生物汚染および劣化を防止するために使用できる化学組成物である。通常、これらの材料は、フェノール類、ハロゲン化合物、第四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アニリド類、有機硫黄および硫黄−窒素化合物および種々の化合物を含む具体的なクラスにある。
【0028】
化学組成および濃度によって所与の抗菌剤は、単に細菌数のさらなる増殖を制限でき、または微生物個体群のすべてもしくは一部分を破壊できる。用語「細菌」および「微生物」は、典型的には、バクテリア、ウイルス、酵母、胞子、および菌微生物をいう。使用において、抗菌剤は、典型的には、固体機能性材料に形成されることができ、この固体機能性材料は、任意選択的に、例えば、水流を使用して希薄され、そして分散された場合に、種々の表面と接触することができ、成長の防止となるか、または微生物個体群の一部分を殺す水性消毒剤または殺菌剤組成物を生成する。殺菌剤組成物で微生物個体群の3桁の減少となる。抗菌剤は、例えば、その安定性を改善するために、封入されることができる。
【0029】
好適な抗菌剤の例は、ペンタクロロフェノール;オルトフェニルフェノール等のフェノール性抗菌物;クロロ−p−ベンジルフェノール;p−クロロ−m−キシレノール;アルキルジメチルベンジル塩化アンモニウム等の第四級アンモニウム化合物;アルキルジメチルエチルベンジル塩化アンモニウム;オクチルデシルジメチル塩化アンモニウム;ジオクチルジメチル塩化アンモニウム;およびジデシルジメチル塩化アンモニウムを含むがこれらに限られない。好適なハロゲン含有抗菌剤の例は、ナトリウムトリクロロイソシアヌレート、ナトリウムジクロロイソシアネート(無水または二水和物)、ヨードポリ(ビニルピロリジノン)錯体、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1、3−ジオール等の臭素化合物、およびベンザルコニウムクロライド、ジデシルジメチル塩化アンモニウム等の第四級抗菌剤、コリンジヨードクロライド、およびテトラメチルホスホニウム酸臭化物(tribromide)を含むがこれらに限られない。ヘキサヒドロ−1、3、5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ナトリウムジメチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート等の他の抗菌組成物、および種々の他の材料が、それらの抗菌特性により当該技術分野で知られている。
【0030】
漂白剤のセクションにおいて上記で記載したもの等の活性酸素化合物が、抗菌剤として機能でき、そして殺菌活性の提供までもできることをまた理解すべきである。実際、いくつかの態様において、殺菌剤として機能する活性酸素化合物の能力は、組成物内での追加の抗菌剤への必要性を低下させる。例えば、過炭酸塩組成物は、優れた抗菌作用を提供することが示された。
【0031】
錯化剤
いくつかの態様において、クリーニング組成物は、任意選択的に錯化剤を含むことができる。錯化剤は、有機錯化剤、無機錯化剤、およびそれらの混合物を含むことができる。無機錯化剤は、ピロリン酸ナトリウム、およびトリポリリン酸ナトリウム等の化合物を含むがこれらに限られない。有機錯化剤は、ポリマー錯化剤および小分子錯化剤の両者を含むがこれらに限られない。ポリマー錯化剤は、ポリアクリル酸化合物等のイオノマー組成物を含むことができる。小さい分子の有機錯化剤は、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)およびヒドロキシエチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミンテトラプロピオン酸塩、トリエチレンテトラミン六酢酸塩、グルタミン酸−N、N−二酢酸テトラナトリウム塩、およびメチルグリシン二酢酸トリナトリウム塩を含むがこれらに限られないアミノカルボン酸塩を含む。アミノカルボン酸塩は、酸または塩形態のいずれか、例えば、アルカリ金属アンモニウムおよび置換アンモニウム塩で使用できる。好適な市販されているアミノカルボン酸塩の例は、Akzo Nobelから市販されているDissolvine(商標)GL、およびBASFから市販されているTrilon M(商標)を含むがこれらに限られない。ホスホン酸塩はまた、本発明の組成物中での錯化剤としての使用に好適であり、そして、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸塩)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸塩)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸塩、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限られない。
【0032】
いくつかの態様において、クリーニング組成物は、約0.001wt%〜約80wt%、約0.1wt%〜約50wt%、または約1.0wt%〜約30wt%の錯化剤を含む。
【0033】
活性化剤
いくつかの態様において、クリーニング組成物の抗菌活性または漂白活性は、クリーニング組成物が使用に供された場合、活性酸素を反応して活性化された成分を生成する材料の添加によって高められることができる。例えば、いくつかの態様において、過酸または過酸塩が生成される。例えば、いくつかの態様において、テトラアセチルエチレンジアミンは、洗剤組成物中に含まれて、活性酸素と反応し、そして抗菌剤として機能する過酸または過酸塩を生成することができる。活性酸素活性化剤の他の例は、遷移金属およびそれらの化合物、カルボキシル部分、ニトリル部分、またはエステル部分を含む化合物、または当該技術分野で知られている他のそうした化合物を含む。ある態様では、活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン;遷移金属;カルボキシル部分、ニトリル部分、アミン部分、またはエステル部分を含む化合物;またはそれらの混合物を含む。いくつかの態様において、活性酸素化合物のための活性化剤は、活性酸素と結合して抗菌剤を生成する。
【0034】
いくつかの態様において、クリーニング組成物は、固体ブロックの形態であり、そして活性酸素のための活性化剤材料は、固体ブロックと結合される。活性化剤は、1つの固体洗剤組成物を別の固体洗剤組成物に結合させる種々の方法のいずれかによって、固体ブロックに結合できる。例えば、活性化剤は、固体ブロックに結びつけ、取り付け、糊付けし、またはさもなければ、接着された固体の形態であることができる。あるいは、固体活性化剤は、ブロックの周りに形成され、そしてブロックを取り囲むことができる。さらなる例によって、固体活性化剤は、プラスチックまたは収縮包装またはフィルムによる等の洗剤組成物のための容器またはパッケージによって固体ブロックに結合されることができる。
【0035】
ビルダーまたはフィラー
クリーニング組成物は、クリーニング剤それ自体として必ずしも機能しないが、クリーニング剤と協働して、組成物の全体的なクリーニング能力を高める、より少量であるが有効量の1種または2種以上のフィラーを任意選択的に含むことができる。好適なフィラーの例は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、澱粉、糖、およびプロピレングリコール等のC1〜C10アルキレングリコールを含むがこれらに限られない。
【0036】
pH緩衝剤
さらに、水性作業、例えば、水性クリーニング作業における使用の間に、洗浄水が所望のpHを有するであろうように、クリーニング組成物は調合されることができる。編織布のpHが適切な処理pHとほぼ一致するように、例えば、酸性剤(a souring agent)をクリーニング組成物に加えることができる。酸性剤は、衣類が人間の皮膚と接触した場合に、編織布が皮膚を刺激しないように、残留するアルカリ性物を中和し、そして編織布のpHを低下させるために使用される穏和な酸である。好適な酸性剤の例は、リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロフルオロ珪酸、飽和の脂肪酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、およびそれらいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。飽和脂肪酸の例は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸(C20)等の10以上の炭素原子を有するものを含むがこれらに限られない。ジカルボン酸の例は、シュウ酸、酒石酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、およびスルファミン酸を含むがこれらに限られない。トリカルボン酸の例は、クエン酸およびトリカルバリル酸を含むがこれらに限られない。好適な市販されている酸性剤の例は、すべてEcolab Inc、St.Paul、MNから入手可能であるTurboLizer(商標)、Injection Sour(商標)、TurboPlex(商標)、AdvaCare(商標)120 Sour、AdvaCare(商標)120 Sanitizing Sour(商標)、CarboBrite(商標)、およびEcono Sour(商標)を含むがこれらに限られない。
【0037】
織物弛緩剤
織物弛緩剤を、編織布の表面の平滑な外観を高めるためにクリーニング組成物に加えることができる。
【0038】
織物柔軟剤
織物柔軟剤をまた、編織布の表面の感じを和らげるためにクリーニング組成物に加えることができる。好適な市販されている織物柔軟剤の例は、Ecolab Inc、St.Paul、MNから入手可能であるTurboFresh(商標)を含むがこれに限られない。
【0039】
汚れ除去剤
クリーニング組成物は、編織布の繊維を被覆して、繊維に付着する汚れの傾向を低下させるために提供されることができる汚れ除去剤(Soil releasing agent)を含むことができる。好適な市販されている汚れ除去剤の例は、Rhodia、 Cranbury、 NJから入手可能であるRepel−O−Tex SRP6(商標)およびRepel−O− Tex PF594(商標);Clariant Corporation、 Charlotte、 NCから入手可能であるTexaCare(商標)100およびTexaCare(商標)240;およびBASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能なSokalan(商標)HP22等のポリマーを含むがこれらに限られない。
【0040】
消泡剤
クリーニング組成物は、任意選択的に、泡の安定性を低下させるために少量であるが有効量の消泡剤を含む。好適な消泡剤の例は、ポリジメチルシロキサン中に分散したシリカ等のシリコーン化合物、脂肪アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸石鹸、エトキシレート、鉱物性オイル、ポリエチレングリコールエステル、およびモノステアリルホスフェート等のアルキルホスフェートエステルを含むがこれらに限られない。消泡剤についての記載は、例えば、Martinらの米国特許第3、048、548号明細書、Brunelleら米国特許第3、334、147号明細書、およびRueら米国特許第3、442、242号明細書(参照によりそれらの開示を本明細書中に取り込む)に見いだすことができる。
【0041】
再付着防止剤
クリーニング組成物は、任意選択的に、クリーニング溶液中での汚れの維持された懸濁液を促進し、そして除去された汚れがクリーニングされる基材上に再付着するのを防ぐことができる再付着防止剤を含むことができる。好適な再付着防止剤の例は、脂肪酸アミド、フルオロカーボン界面活性剤、錯体ホスフェートエステル、ポリアクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、およびヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの誘導体、ヒドロキシプロピルセルロースを含むがこれらに限られない。
【0042】
安定剤
クリーニング組成物はまた安定剤を含むことができる。好適な安定剤の例は、ボレート、カルシウム/マグネシウムイオン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物を含むがこれらに限られない。
【0043】
分散剤
クリーニング組成物はまた、分散剤を含むことができる。固体洗剤組成物中で使用できる好適な分散剤の例は、マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、およびそれらの混合物を含むがこれらに限られない。
【0044】
光学的光沢剤
クリーニング組成物は、任意選択的に、蛍光増白剤または蛍光増白試薬とも呼ばれる光学的光沢剤を含むことができ、そして織物基材中に入れられた黄色のために光学補正を提供できる。
【0045】
光学的光沢剤族に属する蛍光化合物は、典型的には芳香族を、または多くの場合、縮合環系を含む芳香族複素環材料である。これらの化合物の特徴は、芳香族環と関連した共役二重結合の中断されていない鎖の存在である。そうした共役二重結合の数は、置換基、および分子の蛍光部の平面性による。大部分の漂白剤化合物は、スチルベンまたは4、4’−ジアミノスチルベン、ビフェニル、5員環の複素環(トリアゾール、オキサゾール、イミダゾール等)または6員環の複素環(ナフタルアミド、トリアジン等)の誘導体である。組成物での使用のための光学的光沢剤の選択は、組成物のタイプ、組成物中に存在する他の成分の性質、洗浄水の温度、攪拌の度合い、およびおけのサイズに対する洗浄される材料の比等の多くの因子による。漂白剤選択はまた、クリーニングされる材料のタイプ、例えば、綿、合成等による、大部分の洗濯洗剤製品は、種々の織物をクリーニングするために使用される、洗剤組成物は、種々の織物のために効果的である漂白剤の混合物を含むことができる。そうした漂白剤混合物の個々の成分が相溶性であることはもちろん必要である。
【0046】
好適な光学的光沢剤の例は、市販されており、そして当業者により認識されているであろう。少なくともいくつかの商業的光学的光沢剤は、スチルベン、ピラゾリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5、5−二酸化物、アゾール、5員環および6員環の複素環の誘導体、および他の種々の試薬を含むがこれらに限られないサブグループに分類できる。特に好適な光学増白剤の例は、ジスチリルビフェニルジスルホン酸ナトリウム塩、および塩化シアヌル/ジアミノスチルベンジスルホン酸ナトリウム塩を含むがこれらに限られない。好適な市販されている光学増白剤の例は、Ciba Specialty Chemicals Corporation、Greensboro、NCから入手可能であるTinopal5 BM−GX(商標)、 Tinopal CBS−CL(商標)、 Tinopal CBS−X(商標)、 およびTinopal AMS−GX(商標)を含むがこれらに限られない。光学的光沢剤の例はまた、“The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents”、M. Zahradnik、 Published by John Wiley & Sons、 New York (1982)(その開示は参照により本明細書中に取り込まれる)中に開示されている。
【0047】
好適なスチルベン誘導体は、ビス(トリアジニル)アミノスチルベンの誘導体、スチルベンのビスアシルアミノ誘導体、スチルベンのトリアゾール誘導体、スチルベンのオキサジアゾール誘導体、スチルベンのオキサゾール誘導体、およびスチルベンのスチリル誘導体を含むがこれらに限られない。
【0048】
帯電防止剤
クリーニング組成物は、洗濯乾燥産業において帯電防止特性を提供するのに使用されている通常のもの等の耐電防止剤を含むことができる。帯電防止剤は、処理に曝されていない編織布と比較した場合、少なくとも約50%の百分率静電気低下を生成できる。この百分率静電気低下は、70%超であることができ、そしてそれは80%超であることができる。帯電防止剤の例は、第四級基を含む試薬を含むがこれに限られない。
【0049】
抗しわ剤
クリーニング組成物は、抗しわ特性を提供するために抗しわ剤を含むことができる。好適な抗しわ剤の例は、シロキサンまたはシリコーン含有化合物および第四級アンモニウム化合物を含むがこれらに限られない。抗しわ剤の特に好適な例は、ポリジメチルシロキサンジ第四級アンモニウム(diquaternary ammonium)、シリコーンコポリオール脂肪第四級アンモニウム、およびポリオキシアルキレンを有するポリジメチルシロキサンを含むがこれらに限られない。市販されている抗しわ剤の例は、Degussa/Goldschmidt Chemical Corporation、 Hopewell、 VAから入手可能であるRewoquat SQ24;Lambert Technologiesから入手可能であるLube SCI−Q(商標);およびCiba Specialty Chemicals Corporation、Greensboro、NCから入手可能であるTinotex CMA(商標)を含むがこれらに限られない。
【0050】
臭気捕捉剤
クリーニング組成物は、臭気捕捉剤を含むことができる。通常、臭気捕捉剤は、臭いを提供するある分子を捕捉するか、または取り囲むことによって機能すると考えられている。好適な臭気捕捉剤の例は、シクロデキストリンおよびリシノール酸亜鉛を含むがこれらに限られない。
【0051】
繊維保護剤
クリーニング組成物は、編織布の繊維を被覆して、繊維の分散および/または劣化を防ぐ繊維保護剤を含むことができる。繊維保護剤の例は、セルロースのポリマーを含むがこれに限られない。
【0052】
色保護剤
クリーニング組成物は、編織布の繊維を被膜して、染料が編織布から水中に逃げる傾向を低下させるための色保護剤を含むことができる。好適な色保護剤の例は、第四級アンモニウム化合物および界面活性剤を含むがこれらに限られない。特に好適な色保護剤の例は、ジ(ノータロー(nortallow)カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェートおよびカチオン性ポリマーを含むがこれらに限られない。市販されている界面活性剤色保護剤の例は、Degussa/Goldschmidt Chemical Corporation、 Hopewell、 VAから入手可能であるVarisoft WE 21 CP(商標)およびVarisoft CCS−I(商標);Ciba Specialty Chemicals Corporation、Greensboro、NCからTinofix CL(商標);Clariant Corporation、 Charlotte、 NCから入手可能であるColor Care Additive DFC 9(商標)、Thiotan TR、Nylofixan P−Liquid、Polymer VRN(商標)、Cartaretin(商標)F−4、およびCartaretin(商標)F−23;Alcoa Inc、 Pittsburgh、 PAから入手可能であるEXP 3973 ポリマー(商標);およびCroda International PIc、 Edison NJから入手可能であるColtide(商標)を含むがこれらに限られない。
【0053】
UV保護剤
クリーニング組成物は、高められたUV保護を有する織物を提供するためにUV保護剤を含むことができる。衣類の場合、UV保護剤を衣類に適用することによって、衣類の下にある皮膚上への紫外線の有害な効果を減少させることができると考えられている。衣類は、質量がより軽くなっているので、UV光が衣類を貫通することのより高い傾向を有し、そして衣類の下の皮膚は日焼けする場合がある。好適な市販されているUV保護剤の例は、Ciba Specialty Chemicals Corporation、 Greensboro、NCから入手可能であるTinosorb FD(商標)を含むがこれに限られない。
【0054】
抗ピリング剤
クリーニング組成物は、繊維から突き出すか、または取れる(stick away)部分に作用する抗ピリング剤(anti−pilling agent)を含むことができる。抗ピリング剤は、セルラーゼ酵素等の酵素として入手できる。市販されている抗ピリング剤の例は、Genencor International、 Pal Alto、 CAから入手可能であるPuradex(商標);およびNovozyme、 Franklinton、 NCから入手可能であるEndolaseおよびCarezymeを含むがこれらに限られない。
【0055】
撥水剤
クリーニング組成物は、撥水剤特性を高めるために編織布に適用できる撥水剤を含むことができる。適した撥水剤の例は、パーフルオロアクリレートコポリマー、炭化水素ワックス、およびポリシロキサンを含むがこれらに限られない。
【0056】
硬化剤/溶解度調整剤
クリーニング組成物は、少量であるが有効量の硬化剤を含むことができる。好適な硬化剤の例は、酸またはアルカリ性処理工程を通して水溶性にされたステアリン酸モノエタノールアミド(stearic monoethanol amide)またはラウリン酸ジエタノールアミド(lauric diethanol amide)、アルキルアミド等のアミド、固体ポリエチレングリコール、固体EO/POブロックコポリマー、澱粉、および熱された組成物に冷却により固化特性を与える種々の無機物を含むがこれらに限られない。クリーニング剤および/または他の活性成分が、長期間にわたって固体組成物から放出されることができるように、そうした化合物はまた、使用の間に水媒体中で組成物の溶解度を変化させることができる。
【0057】
補助剤
クリーニング組成物は、任意の数の補助剤をまた含むことができる。
具体的には、クリーニング組成物は、組成物に加えられることができる他の構成要素の中で、安定剤、湿潤剤、発泡剤、腐食防止剤、殺生剤または過酸化水素を含むことができる。そうした補助剤は、本組成物を用いて調合でき、または本組成物の添加と同時に、または本組成物の添加の後でさえも、系に加えられることができる。クリーニング組成物はまた、公知であり、そして本組成物の活性を促進できる用途によって必要とされる任意の数の他の構成要素を含むことができる。
【0058】
本組成物の態様
クリーニング組成物の例示的な濃縮組成物は、以下の表中に提供される。
表1.例示的な組成物
【表1】
【0059】
本発明の濃縮組成物は、固体、粉末、液体、もしくはゲル、またはそれらの組み合わせとして提供されることができる。一態様では、クリーニング組成物は、クリーニング組成物が任意の追加された水を実質的に含まないか、または濃縮物が公称量の水を含むことができるような濃縮物として提供されることができる。濃縮物の輸送費用を低下させるために、濃縮物は、何らかの水なしで調合されることができ、または比較的少量の水とともに提供されることができる。例えば、組成濃縮物は、水溶性材料によって包まれているか、または包まれていない、圧縮された粉末、固体、またはゆるい粉末のカプセルまたはペレットとして提供されることができる。材料中で組成物のカプセルまたはペレットを提供する場合には、カプセルまたはペレットは、ある体積の水中に導入されることができ、そして存在する場合水溶性材料は、可溶化し、分解し、または分散することができて、組成濃縮物の水との接触を可能にする。本開示の目的のために、用語「カプセル」および「ペレット」は、例示的な目的のために使用でき、そして本発明の送達の様式を特定の形に制限することを意図しない。
【0060】
液体濃縮組成物として提供される場合、濃縮物は、アスピレーター、ぜん動ポンプ、ギアポンプ、質量流量計、およびその同類のものを使用して、吐出装置を通って希釈されることができる。この液体濃縮物の態様はまた、瓶、ジャー、投薬瓶、投薬蓋付き瓶、およびその同類のもの中で送達されることができる。液体濃縮組成物は、次に予め測定された量の水で充填されたスプレー瓶または他の送達機器中に置かれる多室を有するカートリッジ挿入物中に充填されることができる。
【0061】
また別の態様では、濃縮組成物は、容器中に置かれるまで粉砕または他の劣化に抵抗する固体状態で提供されることができる。そうした容器は、組成濃縮物を容器中に配置する前に水で満たされることができ、または組成濃縮物が容器中に配置された後に、水で満たされることができる。いずれにしても、固体濃縮組成物は、溶解し、可溶化し、またはさもなければ、水との接触で崩壊する。特定の態様では、固体濃縮組成物は、急速に溶解し、それによって濃縮組成物が使用組成物になることを可能にし、そしてさらにエンドユーザーが使用組成物を、クリーニングが必要な表面に適用することを可能にする。
【0062】
別の態様では、固体濃縮組成物は、吐出装置を通して希釈されることができ、この希釈装置によって、水は固体ブロックに散布されて使用溶液を生成する。水流は、機械的、電気的、または水圧制御およびその同類のものを使用して比較的一定の速度で送達される。固体濃縮組成物はまた、吐出装置を通して希釈されることができ、この希釈装置によって水が固体ブロックの周りを流れ、固体濃縮物が溶解するにつれて使用溶液を作り出すことができる。固体濃縮組成物はまた、ペレット、錠剤、粉末およびペーストディスペンサー、およびその同類のものを通して、希釈されることができる。
【0063】
濃縮物を希釈するのに使用される水(希釈水)は、希釈の現場または場所において入手可能である。希釈水は、現場により異なるレベルの硬度を含む場合がある。種々の市町村から入手可能な水道水は、種々のレベルの硬度を有する。種々の地方自治体で見いだされる硬度レベルを取り扱うことのできる濃縮物を提供することが望ましい。濃縮物を希釈するのに使用される希釈水は、少なくとも1グレインの硬度を含む場合に硬水として特徴付けることができる。希釈水は、少なくとも5グレインの硬度、少なくとも10グレインの硬度、または少なくとも20グレインの硬度を含むことができることが期待される。
【0064】
所望のレベルの洗剤特性を有する使用溶液を提供するために希釈水を用いて希釈されることが期待される。使用溶液が、がんこな、またはひどい汚れを除去するのに必要な場合、少なくとも1:1から1:8までの質量比で希釈水を用いて希釈できることが期待される。軽質クリーニング使用溶液が所望である場合、濃縮物は、約2000/1までの希釈水/濃縮物の質量比で希釈できることが期待される。
【0065】
代わりの態様において、クリーニング組成物は、直ちに使用できる(ready−to−use:RTU)組成物として提供されることができる。もしクリーニング組成物がRTU組成物として提供される場合、さらに大量の水が、希釈剤としてクリーニング組成物に加えられる。濃縮物が液体として提供される場合、ポンプで送ることができたり、または吸引できたりするように、流動性を有する形態で提供されることが望ましい場合がある。少量の液体を正確にポンプで送ることは通常困難であることが見いだされた。より大量の液体をポンプで送ることは、通常さらに効果的である。従って、輸送コストを低下させるためにできるだけ少ない水を用いて濃縮物を提供することが望ましいが、正確に吐出できる濃縮物を提供することもまた望ましい。液体濃縮物の場合、約90wt%まで、特に約20wt%〜約85wt%、さらに特に約30wt%〜約80wt%、そして最も特に約50wt%〜約80wt%の量の水が存在することが期待される。
【0066】
本発明の組成物は、種々の表面をクリーニングするのに有用であることができる。本発明の組成物は、セラミック、セラミックタイル、グラウト、御影石、コンクリート、鏡、エナメル表面、アルミニウム、真鍮、ステンレススチールを含む金属およびその同類のものを含むがこれらに限られない硬表面上の汚れをクリーニングするのに使用できる。本発明の組成物はまた、タオル、シーツ、および不織織物等の汚れたリネンをクリーニングするのに使用できる。したがって、本発明の組成物は、硬表面栗な、洗濯洗剤、オーブンクリーナー、手洗い石けん、自動車用洗剤、および自動または手動のいずれかの食器洗浄洗剤を調合するのに有用である。
【実施例】
【0067】
本発明の範囲内である多数の改変および変化が当業者に明らかであろうので、本発明は、具体的な説明のみを意図している以下の例においてさらに特に記載される。そうでないと記載しない場合、以下の例において報告されたすべての部、パーセンテージおよび比は、質量基準であり、そして例において使用されたすべての試薬は、下記の化学供給業者から得られたか、もしくは入手可能であったか、または従来の技術によって合成できた。
【0068】
使用した材料
Acusol(商標)445N(45%):Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能である約4、500g/molの分子量を有するアクリレートポリマー。
【0069】
Acusol(商標)445ND:Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能である約4、500g/molの分子量を有する固体アクリレートポリマー。
【0070】
Sokalan(商標)PA40(35%):、BASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能である約15、000g/molの分子量を有するアクリレートポリマー。
【0071】
Acusol(商標)448(46%):Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能である約3、500g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマー。
【0072】
Acusol(商標)505N(35%):Dow Chemical Company、 idland、MIから入手可能である分子量of約40、000g/molを有するアクリレートマレインコポリマー、
【0073】
Sokalan(商標)CP5(45%):BASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能である約70、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマー。
【0074】
Bayhibit(商標)AM(50%):Mobay Chemical Co、 Pittsburgh、 PAから入手可能である2−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン酸。
【0075】
PLURONIC(商標)N3:BASF Corporation、 Florham Park、 NJから入手可能なエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマー。
【0076】
ビーカー試験
水硬度を制御する溶液の能力を決定する最初の試験として、硬度溶液および重炭酸ナトリウム溶液を最初に調製した。この硬度溶液を、1リッター体積のフラスコ中で、約33.45グラムのCaCl
2・2H
2O+23.24グラムのMgCl
2・6H
2Oを希釈し、そして脱イオン水を用いて、体積まで希釈することによって調製した。重炭酸ナトリウム溶液を、1リッター体積のフラスコ中で、約56.25グラムのNaHCO
3・2H
2Oを希釈し、そして脱イオン水を用いて、体積まで希釈することによって調製した。
【0077】
溶液を調製後に、約1000(ミリリットル)の脱イオン水および1.5インチ攪拌棒を、それぞれ4つのビーカーに加えた。ビーカーを攪拌機の上に置き、そして加熱した。次に、約5.0mlの重炭酸ナトリウム溶液を、それぞれのビーカーに加えた。ビーカー中の溶液の温度が約85華氏度に達した場合に、予め決めた体積(1ml=2グレインの)の硬度溶液を、それぞれのビーカーに加えた。他に特定して記載しない場合、硬度溶液を2グレインの増加量で加えた。
【0078】
予め決めた量の試験溶液を約1000ppmに等しいそれぞれのビーカーに加えた。ビーカー中の溶液が完全に混合すると、攪拌機を低速にした。
【0079】
溶液の温度が再び約85華氏度に達すると、初期の透過率の読み取り値を測定した(0分)。透過率の読み取り値は、560nmにおいて、85華氏度、140華氏度および160華氏度で測定した。通常、透過率の読み取り値が高ければ高い程、溶液は透明であり、炭酸カルシウムが溶液中で沈殿しなかったことを示す。
【0080】
サンプル1、2、3、4、5、6および7
サンプル1、2、3、4、5、6および7は、種々の濃度の約40、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマーを含んでいた。特に、約97.14グラムの脱イオン水と約2.86グラムのAcusol(商標)505Nとを最初に混合し、そして次に適当な希釈物を作ることによって、サンプルを調製した。
【0081】
表2は、それぞれのサンプル1〜7の85華氏度、140華氏度および160華氏度での濃度および透過率の読み取り値を示す。それぞれの溶液の外観をまた記載した。
【0082】
表2
【表2】
透過率の読み取り値を測定した後で、ビーカーを放冷させた。次に溶液を注ぎだし、ビーカーを脱イオン水ですすいだ。全てのビーカーで、底に沈殿があった。
【0083】
次に、ビーカーを逆さにして乾燥させビーカーに沈殿物が接着しているか調べた。翌日、2〜3的の希釈HClをビーカー内に入れた。8ppmの溶液(サンプル3)を除き全溶液において目で見える炭酸塩残留物があり、そしてHClの添加でのわずかな泡立ちがあって、炭酸塩の存在を示した。
【0084】
表2からわかるように、アクリレートマレインコポリマーの濃度が約5ppm〜30ppm、および特に約5ppm〜ppmの場合に、透過率の読み取り値が最大であった。溶液は、10ppm、20ppmおよび30ppmで比較的高透過率の読み取り値であったが、溶液は、85華氏度〜140華氏度の間で曇った。同様に約15ppmのアクリレートマレインコポリマーを含む溶液は、140華氏度〜160華氏度の間で曇った。
【0085】
サンプル8、9、10、11、12、13および14
サンプル8、9、10、11、12、13および14は、異なる濃度の、約4、500g/molの分子量を有するアクリレートポリマー(Acusol(商標) 445N)、約40、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマー(Acusol(商標)505N)およびホスホノカルボン酸(Bayhibit(商標)AM)を含んでいた。特に、97.14グラムの脱イオン水および2.86グラムのAcusol(商標)505Nを混合させ、97.78グラムの脱イオン水および2.22グラムのAcusol(商標)445Nを混合させ、そして98.0グラムの脱イオン水および2.0グラムのBayhibit(商標)AMを混合させることによってサンプルを調製した。
【0086】
サンプル1〜7の結果は、5ppmまたは8ppmのいずれかのアクリレートマレインコポリマーを含む溶液が最も高い透過率のレベルを達成したことを具体的に示したので、サンプル8〜14は、5ppmまたは8ppmのいずれかのアクリレートマレインコポリマーを含んでいた。アクリレートポリマーの量をまた、変化させた。ホスホノカルボン酸の量は、8ppmで一定のままであった。
【0087】
表3は、サンプル8〜14のそれぞれの85華氏度、140華氏度および160華氏度で成分濃度および透過率の読み取り値を示す。溶液の外観をまた記載した。
表3
【表3】
【0088】
透過率の読み取り値を測定し、そしてビーカーを放冷させた後で、全ての溶液を注ぎだし、そしてビーカーを脱イオン水ですすいだ。全てのビーカーには、ビーカーの底に沈殿があった。
【0089】
次にビーカーへの沈殿を調べるためにビーカーを逆さにして乾燥した。翌日、2〜3滴の希釈HClをビーカー中に入れた。全ての溶液は、見ることができる炭酸塩残留物を有し、そしてHClの添加でわずかな泡を生じ、炭酸塩の存在を示した。
【0090】
表3中に具体的に説明したように、全てのサンプルは、89%以上の透過率の読み取り値を有した。特に、サンプル9、11、12、13および14は、それぞれ、85華氏度、140華氏度および160華氏度で少なくとも96%、95%、および90%の透過率の読み取り値となった。
【0091】
サンプル15、16、17、18および19
約5ppm〜約8ppmのアクリレートマレインコポリマーおよび非常に高レベルのアクリレートポリマーを含む組成物が高い透過率を提供するサンプル8〜14を決定した後で、複数の組成物が、異なる量のアクリレートマレインコポリマーおよびホスホノカルボン酸および通常より高濃度のアクリレートポリマーを用いて生成された。
【0092】
サンプル15、16、17、18および19は、異なる濃度の約4、500g/molの分子量を有するアクリレートポリマー(Acusol(商標)445N)、約40、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマー(Acusol(商標)505N)およびホスホノカルボン酸(Bayhibit(商標)AM)を含んでいた。特に、サンプルを、97.14グラムの脱イオン水および2.86グラムのAcusol(商標)505Nを最初に混合させ、97.78グラムの脱イオン水および2.22グラムのAcusol(商標)445Nを混合させ、そして98.0グラムの脱イオン水および2.0グラムのBayhibit(商標)AMを混合させることによって、調製した。
【0093】
表4は、それぞれのサンプル15〜19について、85華氏度、140華氏度および160華氏度での成分濃度および透過率の読み取り値を示す。溶液の外観をまた記載した。
表4
【表4】
【0094】
透過率の読み取り値を測定し、そしてビーカーを放冷させた後で、全ての溶液を注ぎだし、そしてビーカーを、脱イオン水ですすいだ。8ppmのBayhibit(商標)(サンプル15、18および19)を含んでいたビーカーの沈殿は、より軽かったが、全てのビーカーには、ビーカーの底に沈殿があった。
【0095】
次に、ビーカー逆さにして乾燥させてビーカーの沈殿を調べた。翌日、2〜3滴の希釈HClをビーカーに入れた。全ての溶液は、目に見える炭酸塩残留物を有し、そしてHClの添加で泡を生じ、炭酸塩の存在を示した。サンプル19は、ほとんど残留物がないか、または泡を出していた(fizzing)。
【0096】
表4中に具体的に示すように、全てのサンプルは、少なくとも89.5%の透過率の読み取り値となった。しかし、サンプル15および19は最も高い透過率の読み取り値となり、それぞれ、85華氏度、140華氏度および160華氏度で少なくとも99%、97%および95%の透過率の読み取り値を与えた。全体的に、d40ppmのアクリレートポリマー、8ppmのホスホノカルボン酸および5ppmのアクリレートマレインコポリマーを含むサンプル15は、より高い透過率レベルを達成した。
【0097】
サンプル20および21
サンプル15〜19の結果に基づいて、サンプル20および21を、ホスホノカルボン酸の量のみを変えて調製した。
【0098】
サンプル20および21は、約4、500g/molの分子量を有する異なる濃度のアクリレートポリマー(Acusol(商標)445N)、約40、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマー(Acusol(商標)505N)およびホスホノカルボン酸(Bayhibit(商標)AM)を含んでいた。特に、サンプルを、97.14グラムの脱イオン水および2.86グラムのAcusol(商標)505Nを最初に混合させ、97.78グラムの脱イオン水および2.22グラムのAcusol(商標)445Nを混合させ、そして98.0グラムの脱イオン水および2.0グラムのBayhibit AM(商標)を混合させて、調製した。
【0099】
表5は、サンプル20および21のそれぞれの85華氏度、140華氏度および160華氏度で成分濃度および透過率の読み取り値を示す。それぞれの溶液の外観をまた記載した。
表5
【表5】
【0100】
透過率の読み取り値を測定し、そしてビーカーを放冷させた後に、全ての溶液を注ぎだし、そしてビーカーを脱イオン水ですすいだ。全てのビーカーは、ビーカーの底に沈殿を有した。
【0101】
次に、ビーカー逆さにして乾燥させて、ビーカーの沈殿を観察した。翌日、2〜3滴の希釈HClをビーカー中に入れた。
【0102】
次に、サンプル20および21を含むガラスバイアルをオーブンに入れて約160華氏度に約2時間40分加熱して、洗浄機の状態に刺激を与えた。バイアルをオーブンから取り出した後では、バイアルには側面に付着した残留物はなかった。
【0103】
表5中の結果は、10ppmまたは12ppmホスホノカルボン酸のいずれかを含む組成物は高い透過率の読み取り値を与えたことを示す。サンプル21は、低温および中間温度でわずかにより高い透過率の読み取り値を示したが、サンプル20は、160華氏度においてわずかにより高い透過率の読み取り値を示した。しかし、2つのサンプルの透過率の読み取り値間の違いは、いずれの温度においても2%を超えなかった。サンプル20および21から結果を、サンプル15での結果と比較すると(表4)、ホスホノカルボン酸濃度の増加が結果を何ら改善しなかったことが明らかである。
【0104】
100サイクルの食器洗浄試験
6つの10オンスのリビー(Libbey)ガラスおよび1つのプラスチックのタンブラー(tumbler)を使用して、施設の食器洗浄機内で洗浄後のガラスおよびプラスチックのタンブラー上への膜の体積を決定するために、100サイクルの食器洗浄試験を行った。10または17グレインの水(1グレイン=17ppm)のいずれかを使用して、Hobart AM−14食器洗浄機で試験を行った。洗浄浴の容積は60Lであった、すすぎ容積は4.5Lであり、洗浄時間は40秒であり、そしてすすぎ時間は9秒であり、洗浄およびすすぎサイクル間で4秒の滞留時間があった。
【0105】
6つのリビーガラスを、ガラスの表面からすべての膜および異物材料を除去することにより用意した。プラスチックのタンブラーは新しく、従って試験の前にクリーニングする必要がなかった。次に食器洗浄機を適当な量の水で満たし、そして水の硬度を試験した。水硬度値を記録した後で、タンクのヒーターのスイッチを入れた。次に、食器洗浄機のスイッチを入れ、そして約150華氏度〜約160華氏度の洗浄温度および約175華氏度〜約190華氏度のすすぎ温度に達するまで、洗浄/すすぎサイクルを稼働させた。次に、コントローラーを設定して、適当な量の洗剤を洗浄タンク内に吐出させた。洗剤濃度を検証するために、洗浄タンク内の溶液を手規定した。
【0106】
6つのきれいなガラスをラバーン(Raburn)ラック内に対角線上に配置し、そして1つのプラスチックタンブラーを、ラバーンラック内に対角線から外して配置し(配置のための下記の図を参照のこと)、そしてラックを食器洗浄機内に置いた。(P=プラスチックのタンブラー;G=ガラスのタンブラー)。
【化1】
【0107】
次に、100サイクル試験を開始した。それぞれの洗浄サイクルの最初に、適当な量の洗剤を動的に食器洗浄機内に吐出し、初期の洗剤濃度を維持した。洗剤濃度を伝導度により制御した。
【0108】
それぞれのサイクルの完了時に、適切な量の洗剤を食器洗浄機中に吐出させて初期濃度を保った。100サイクルが完了すると、ラックを食器洗浄機から除去し、そしてガラスおよびプラスチックのタンブラーを一晩乾燥させた。
【0109】
次に、ガラスおよびプラスチックのタンブラーに強い光源を使用して膜の堆積の等級付けを行った。1〜5の尺度を使用して、この方法をガラスおよびプラスチックのタンブラー上のしみおよび膜の量を見積もるために使用した。1のレーティングは、膜がないことを示した。2のレーティングは、強い光の状況下ではほとんど認識できない微量な量の膜を示した。3のレーティングは、蛍光光源対して保持した場合に、少しの膜が存在することを示した。4のレーティングは、蛍光光源に対して保持した場合に、表面にかすみがかかって見えるような中位の量の膜が存在することを示した。5のレーティングは、表面に曇りが見えるような多くの量の膜が存在することを示した。
【0110】
平均ガラスレーティングを決定するために、ガラスのレーティングを平均化した。通常、テストされたガラスおよびプラスチックのタンブラーが、17GPGの水を使用して約3.5以下および10GPGの水を使用して約2.5以下の目視レーティングとなる場合、組成物が効果的であったと考えられる。
【0111】
ライトボックス試験
ガラスをまたライトボックスを使用して評価した。ライトボックス試験は、分析的方法を使用して100サイクル試験にかけたガラスおよびプラスチックのタンブラーの評価を標準化する。ライトボックス試験は、写真用カメラ、ライトボックス、光源および露出計を含む光学システムの使用に基づく。このシステムは、コンピュータープログラム(Spot Advance and Image Pro Plus)のよって制御されている。
【0112】
ガラスを評価するために、それぞれのガラスを、横置きにしたライトボックスに配置し、そして露出計を使用して光源の強度を所定の値に調整した。100サイクル試験の条件をコンピューターに入力した。カメラでガラスの写真を撮影し、そしてプログラムによって分析のためにコンピューターに保存した。ガラスの形に基づいて、ガラスの上から下までの膜での暗さの勾配を避けるために、写真ガラスの上半分を使用して分析した。
【0113】
通常、より低いライトボックスのレーティングは、ガラスを通してより多くの光が通過できたことを示す。従って、ライトボックスのレーティングが低ければ低いほど、組成物はガラスの表面上へのスケーリングを防止するのに効果的であった。試験されたガラスが17GPGの水を使用して約40、000以下および10GPGの水を使用して約25、000以下のライトボックスレーティングを受けた場合、組成物は効果的であると考えられる。
【0114】
例1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10および比較例A
例1、2、3、4、5、6、7、8、9および10は、成分濃度(質量%での)の水酸化ナトリウム(液体および固体形態)、水、アクリレートポリマー(Acusol(商標)445N、445NDまたはSokalan(商標)PA40)、アクリレートマレインコポリマー(Acusol(商標)505N、Acusol(商標)448またはSokalan(商標)CP5)、ホスホノカルボン酸(Bayhibit(商標)AM)、界面活性剤(PLURONIC(商標) N3)、硫酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウム(ソーダ灰または重灰)を有する本発明の組成物である。処理の間に、混合物を約160華氏度〜約170華氏度の温度に保った。次に、生成物を最も短くて約1時間フリーザー中で冷凍した。
【0115】
比較例の組成物は、公知のクリーニング組成物、Ecolab Inc、St. Paul、MNから入手可能であるSolid Power(商標)を含んでいた。
【0116】
例1、2、3、4、5、6、7、8、9および10および比較例Aの組成物を試験するために使用した水は、1ガロン当り17グレインの(GPG)水であった。
17GPGの水で100サイクル以下のみの後で違いを観察した。
【0117】
表6は、例1、2、3、4、5、6、7、8、9および10の組成物のための成分の濃度を示す。
表6
【表6】
【0118】
表7は、17GPGの水中で1000ppmの洗剤濃度で例1、2、3、4、5、6、7、8、9および10および比較例Aのそれぞれの組成物のための目視レーティングおよびライトボックスレーティングを示す。
表7
【表7】
【0119】
表7中で具体的に示すように、ガラスおよびプラスチックのタンブラーを、17GPGの水を使用して試験した場合、全ての組成物は、比較例Aの組成物と類似の目視レーティングとなった。唯一の例外は例6の組成物であり、ガラスおよびプラスチックのタンブラーの両方で受け入れられる目視レーティングとなった。例6および7の組成物は、ガラスおよびプラスチックのタンブラーの両方で最低の全体的目視スコアとなった。
【0120】
同様に、例1、2、3、4、5、6、7、8、9および10および比較例Aの組成物は、17GPGの水を使用して受け入れられるライトボックスレーティングとなった。比較例Aの組成物は、最低のライトボックスレーティングを与えた。例2および5の組成物を用いて処理されたガラスのライトボックスレーティングは、比較例Aの組成物を用いて処理されたガラスのライトボックスレーティングに最も近く、それぞれ、わすか約2.87%および約5.38%しか変わらなかった。
【0121】
例2、5、6および9および比較例A
17GPGの水を使用した例1〜10の組成物を用いて処理されたガラスおよびプラスチックのタンブラーを視覚的に検査した後で、例2、5、6および9の組成物を再び試験した。しかし、17GPGの水を使用するよりむしろ、10GPGの水を使用した。10GPGの水を使用すると、米国内で通常見いだされる平均レベルの水硬度を与える。
【0122】
比較例Aの組成物は、公知のクリーニング組成物、Ecolab Inc、St. Paul、MNから入手可能であるSolid Power(商標)を含んでいた。
【0123】
表8は、例2、5、6および9および比較例Aのそれぞれの組成物での目視レーティングおよびライトボックスレーティングを示す。
表8
【表8】
【0124】
表8に具体的に示すように、例2、5、6および9の組成物を用いて処理されたガラスおよびプラスチックのタンブラーの両方は、10GPGの水を使用して試験した場合、2.5以下の受け入れられる目視レーティングとなった。対照的に、比較例Aの組成物を用いて処理されたガラスが受け入れられる目視レーティングとなった一方で、比較例Aの組成物を用いて処理されたプラスチックのタンブラーは、受け入れられる目視レーティングとならなかった。
【0125】
例5、6および9の組成物は、25、000より下のレーティングを有する比較例Aの組成物と類似またはこれより低いライトボックスレーティングを与えた。例2、5、6および9および比較例Aのすべての組成物は、受け入れられるライトボックスレーティングとなった。特に、例5、6および9の組成物を用いて処理されたガラスのライトボックスレーティングは、比較例Aの組成物を用いて処理されたガラスよりそれぞれ、約1.7%、2.22%および19.64%低いライトボックスレーティングとなった。
【0126】
種々の改質および追加が、本発明の範囲を離れることなく記載された例示的な態様になされることができる。例えば、上記の態様を特別な特徴と呼ぶ一方で、本発明の範囲はまた、上記のすべての特徴を含む特徴および態様の異なる組み合わせを有する態様を含む。
(態様1)
(a)約1、000〜約50、000g/molの分子量を有するポリアクリル酸またはそれらの塩と、
(b)約1、000〜約100、000g/molの分子量を有するアクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩と、
(c)ホスホノカルボン酸またはそれらの塩と、
を含む、水硬度制御剤。
(態様2)
ppmでのアクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩:ポリアクリル酸またはそれらの塩:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、約1〜約30:約10〜約80:約6〜約20である、態様1に記載の水硬度制御剤。
(態様3)
ppmでのアクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩:ポリアクリル酸またはそれらの塩:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、約5:約40:約8である、態様2に記載の水硬度制御剤。
(態様4)
該水硬度制御剤が、約0.5wt%未満のリン含有化合物を含む、態様1に記載の水硬度制御剤。
(態様5)
該ポリアクリル酸またはそれらの塩が、約1、000〜約35、000g/molの分子量を有する、態様1に記載の水硬度制御剤。
(態様6)
該アクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩が、約1、000〜約75、000g/molの分子量を有する、態様1に記載の水硬度制御剤。
(態様7)
該ポリアクリル酸またはそれらの塩が、約4、500g/molの分子量を有し、そして該アクリルマレイン酸コポリマーまたはそれらの塩が、約40、000g/molの分子量を有する、態様1に記載の水硬度制御剤。
(態様8)
該ホスホノカルボン酸またはそれらの塩が、2−ホスホノブタン1、2、4トリカルボン酸を含む、態様1に記載の水硬度制御剤。
(態様9)
(a)アルカリ源と、
(b)界面活性剤成分と、
(c)(i)約1、000〜約50、000g/molの分子量を有するアクリレートポリマーと、
(ii)約1、000〜約100、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマーと、
(iii)ホスホノカルボン酸またはそれらの塩と、
を含む水硬度制御剤と、
を含む、クリーニング組成物であって、
ここで、ppmでのアクリレートマレインコポリマー:アクリレートポリマー:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、約1〜約30:約10〜約80:約6〜約20である、クリーニング組成物。
(態様10)
該アルカリ源が、該組成物の約10〜約80wt%を構成する、態様9に記載のクリーニング組成物。
(態様11)
該界面活性剤成分が、該組成物の約0.5〜約3wt%を構成する、態様9に記載のクリーニング組成物。
(態様12)
該水硬度制御剤が、該組成物の約3.3〜約60.8wt%を構成する、態様9に記載のクリーニング組成物。
(態様13)
該アクリレートポリマーが、該組成物の約2.2〜約22wt%を構成する、態様9に記載のクリーニング組成物。
(態様14)
該アクリレートマレインコポリマーが、該組成物の約0.1〜約20wt%を構成する、態様9に記載のクリーニング組成物。
(態様15)
該ホスホノカルボン酸またはそれらの塩が、該組成物の約0.1〜約10wt%を構成する、態様9に記載のクリーニング組成物。
(態様16)
(a)約1、000〜約50、000g/molの分子量を有するアクリレートポリマーと、約1、000〜約100、000g/molの分子量を有するアクリレートマレインコポリマーと、およびホスホノカルボン酸またはそれらの塩とを混合して、水硬度制御剤を形成させる工程と、
(b)少なくとも1種の機能性成分を該水硬度制御剤に加えて、クリーニング組成物を生成させる工程と、
(c)硬表面上に該クリーニング組成物を適用する工程と、
を含む、表面のクリーニング方法。
(態様17)
ppmでのアクリレートマレインコポリマー:アクリレートポリマー:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、約1〜約30:約10〜約80:約6〜約20である、態様16に記載の方法。
(態様18)
ppmでのアクリレートマレインコポリマー:アクリレートポリマー:ホスホノカルボン酸またはそれらの塩の比が、約5:約40:約8である、態様16に記載の方法。
(態様19)
さらに該クリーニング組成物を希釈して、使用溶液を生成させる、態様16に記載の方法。
(態様20)
該アクリレートマレインコポリマーおよび該アクリレートポリマーが、それぞれ、使用溶液中に約5〜約40ppm存在する、態様19に記載の方法。