(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光源は、所定の角度をもつ光錐を生成するLEDであり、前記遮光面は、前記光錐に沿って実質的に延びて前記光錐と顕著に干渉することを回避するように構成される請求項1に記載の照明付きアイウェア。
前記光源は、所定の円錐角を有する前記光源からの光錐を生成し、前記遮光面における前記側方内側方向の傾斜は、前記遮光面が前記光錐に沿って又は前記光錐から離れるようにして実質的に延びて前記光錐と干渉することを回避するように構成される請求項6に記載の照明付きアイウェア。
前記テンプルアーム部材は前端部を有し、前記光源は、前記テンプルアーム部材に取り付けられて前記テンプルアーム部材の前記前端部の前方に突出し、前記遮光面が前記テンプルアーム部材に隣接すると共に前記光源を越えて前方に延びる請求項6に記載の照明付きアイウェア。
前記光源は、前記テンプルアーム部材に取り付けられ、前記アイウェアの着用者の前方の読書領域に投射される光の量を最大限にするように、前記テンプルアーム部材の長手軸に対して内側方向及び下方向に傾けられる請求項6に記載の照明付きアイウェア。
前記光源は、所定の円錐角をもつ光錐を投射するLEDであり、前記光錐の中心軸が前記テンプルアーム部材それぞれの前記長手軸に対して内側方向及び下方向に傾けられ、前記傾斜した遮光面は、前記LEDの前記光錐と同等以上の円錐角をもつそれぞれの基準円錐に沿って各々が延びるように形成され、前記基準円錐はそれぞれ、前記テンプルアームが前記使用形態にある場合に隣接する前記LEDの前記光錐の中心軸と合致する中心軸を有する請求項11に記載の照明付きアイウェア。
前記遮光面はそれぞれ、半円錐台状の形状を有すると共に前記基準円錐の頂点に切欠開口を有し、前記切欠開口には、前記テンプルアームが前記使用形態にある場合に前記LEDが受け入れられる請求項12に記載の照明付きアイウェア。
前記テンプルアーム部材はそれぞれ、前記テンプルアーム部材に取り付けられたスイッチ装置を有し、前記スイッチ装置は、関連する前記光源から高輝度光及び低輝度光を供給するための、又は、関連する前記光源の「点灯」状態及び「一時的な点灯」状態の双方をもたらすための、3つのポジションを有する請求項6に記載の照明付きアイウェア。
前記電源は一対の円盤状の電池から構成され、前記陥凹穴部は、前記電池を重ならずに長手方向に並んだ配置で受け入れるように構成され、それにより、前記テンプルアーム部材それぞれにおける前記陥凹穴部での厚みは、前記電池の1つの厚みよりも若干厚い請求項15に記載の照明付きアイウェア。
前記テンプルアーム部材それぞれにおける前記陥凹穴部は、前記一対の電池のためのものであり且つ湾曲した壁部分によって形成された電池用後方サブ区画室及び電池用前方サブ区画室と、前記電池用前方サブ区画室に対して隣接し且つ前方にあるスライド式スイッチ装置用サブ区画室とを有する請求項16に記載の照明付きアイウェア。
前記ヒンジは、前記テンプルアーム部材の前記前端部と前記フロント支持体の互いに反対側に位置する両端部とに、前記テンプルアーム部材のそれぞれのヒンジ部分を有し、前記スライド式スイッチ装置の前記スライド式作動装置は、前記スライド式スイッチ装置の前記スライド式作動装置が取り付けられる前記テンプルアーム部材の対応する前記ヒンジ部分の鉛直方向上方又は鉛直方向下方にあるように方向付けられる請求項15〜18のいずれか一項に記載の照明付きアイウェア。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一般的にそして以下にさらに説明するように、着用者の前方に照明を供給する照明付きアイウェア(1つ以上のレンズ21が取り付けられていても取り付けられていなくともよい)が提供される。照明付きアイウェア10は、全体的に剛性をもつ複数のフレーム部材を有する典型的な眼鏡フレーム11を備えるように構成することができ、複数のフレーム部材は、間隔をあけて配置された一対のテンプルアーム部材12と、テンプルアーム部材12同士の間で側方に延在するフロント横架フレーム部材14とを含む。図示するように、テンプルアーム部材12は、横架フレーム部材14の側方で互いに反対側に位置する端部分16とテンプルアーム部材12の前端部分44との間の連結部で、ヒンジ30を介して横架部材14に枢動可能に連結されている。
【0021】
横架フレーム部材14が構成要素若しくは部品を複数含むように変形された構成、又は、単に両側でレンズ21に連結されている中間ブリッジ部分若しくは中間ブリッジ部材20を含むだけのようなことによって上記部品が実質的に減らされているか若しくは無くされている構成を含め、ライト付きアイウェア10のフレーム11の他の構成もまた意図されている。横架部材14はまた、レンズ21の側方の外側部分にだけ連結されるフロントフレームの側方外側端部分16を、中間ブリッジ部分20と別個にした状態で有することもでき、その場合、横架フレーム部材14は複数の部品を含む。代わりに、1つだけのレンズ21が、テンプルアーム部材12の前端部分44同士の間に延在し且つこれら前端部分44に枢動可能に連結されて設けられてもよい。なお、このとき、ブリッジ部分20は、レンズ21が眼鏡フレームの一部を構成するようにレンズ21に一体となっている。レンズ21自体は、視力矯正を与えるために屈折性があってもよく、又は保護眼鏡の場合のように保護用の透明なシールドを与えるだけのために屈折性がなくてもよい。眼鏡フレームがハンズフリー照明を提供するためだけに用いられる可能性がある場合、1つ以上のレンズ21が設けられる必要がないことは、明らかである。本明細書中、フロント支持体という用語は、レンズの有無を問わず1つ又は複数の部品の横架フレーム部材のための上記構成及び他の構成の全てを意図するものであり、これらの構成では、フロント支持体は、本明細書のライト付き眼鏡を着用している者の上でライト付き眼鏡のフロント部分を支持するのに用いられる。
【0022】
照明付き眼鏡10のフレーム11は、1つ以上のレンズ21の有無を問わず、1つの一体部品とすることもでき、このとき、テンプルアーム部分と横架フレーム部分又はフロント支持体部分との間のヒンジすなわちヒンジ式連結部30はリビングヒンジの形態となる。その際、ヒンジはフレーム11の一部分であり、この部分は、例えば隣接したフレーム部分にわたり断面の厚みが減らされることなどによって弾性的な可撓性を有しており、それにより、テンプルアーム部分12は、例えば眼鏡ケース内にフィットするコンパクトな収納形態をもたらすように、フロント支持体に隣接した実質的に閉じた位置に弾性的に折り曲げられることが可能となる。なお、このとき、テンプルアーム部分12は、眼鏡10を収納ケースから取り出すと、フロント支持体から概ね後方に延びる使用形態に弾性的に戻るようになっている。
【0023】
照明付きアイウェア10は、着用者の前方に照明を供給するために、少なくとも一対の光源18が取り付けられていることが好ましい。光源18は、発光ダイオード(LED)であることが好ましいが、他の適したエレクトロルミネッセンスランプ、適した白熱電球、ガス放電ランプ、高輝度放電ランプ、又は、レーザーダイオードのような他の任意の適した光源を利用することができる。
【0024】
図1〜
図8を参照して、例示的な照明付きアイウェア10の一形態をより詳細に説明する。上述したように、フロント支持部材又は横架フレーム部材14は、両端部分16の中間に中間ブリッジ部分20を含んでいる。ブリッジ部分20は、横架フレーム部材14が着用者の鼻梁の上に載り鼻梁によって支持されることができるように構成されている。ブリッジ部分20は、着用者の鼻の両側に掛かるように構成されて下方及び後方に延びる側部当て部(side rest)22を有している。図示するように、ブリッジ部分20は、例示される一体形のワンピースになった横架フレーム部材14の一部分であり、先端を切り取った概ね三角形状を有しているが、その代わりに、ブリッジ部分20は、他の構成を有することもでき、例えば、側部当て部22及びフレームによる構成の代わりに、着用者の鼻の両側に接触し載せるように構成され且つ横架フレーム部材14に取り付けられた調整可能なパッドを用いる構成を有することができる。
【0025】
例示の形態では、照明付きアイウェア10の横架フレーム部材14は、ブリッジ部分20の両側から横架フレーム部材14の両端部分16に延びる上フレーム部分24及び下フレーム部分26を含んでいる。しかしながら、フロント支持体はまた、フレームレス構造を有してもよく、又は上フレーム部分24及び下フレーム部分26のいずれか一方のみを有していてもよい。別の手法では、フロント支持体14は、レンズに直接取り付けられるブリッジ部分20からなり、その場合、レンズは、テンプルアーム部材12に直接取り付けてもよく、又はレンズをテンプルアーム部材12に枢動可能に連結するフレーム介在部品若しくはフレーム介在部分を有してもよい。先に説明したように、フロント支持体の他の形態を用いることもできる。
【0026】
端部分16は、
図1及び
図3に示されるように、レンズの側方外側部分23から側方に延び且つテンプルアーム部材12に枢動可能に連結されるべく後方に延びる、概ね弓状の形態を有することができる。図示するように、上フレーム部材部分24及び下フレーム部材部分26はレンズ21が嵌まるレンズ開口28を形成している。レンズ開口28は様々なタイプの眼鏡レンズを支持するように構成されている。例えば、レンズ開口28は、保護眼鏡、サングラス、度付き眼鏡(prescription glasses)、他の保護用アイウェア又はこれらを好適に任意に組み合わせたものに使用されるレンズを支持するために、用いることができる。代替として、レンズ開口28を空いたままとしてもよく、且つ/又は、横架フレーム部材14が下フレーム部材部分26を有さずに形成されてもよい。
【0027】
テンプルアーム部材12の前端部分44は、ヒンジ30によって横架フレーム部材14の端部分16に枢動可能に連結され、それにより、前端部分44及び端部分16の間にピボット式連結部を形成することでテンプルアーム部材12が端部分16に対して枢動することが可能となっている。テンプルアーム部材12は、
図1に示すような開形態又は使用形態に枢動すると、前後軸L1に沿って横架フレーム部材14から概ね後方に延び、前後軸L1は、横架フレーム部材14が概ね沿って延びる左右軸L2に概ね直交している。テンプルアーム部材12はまた、折畳み形態、閉形態又は収納形態に枢動する若しくは移るように構成され、その場合、各テンプルアーム部材12は全体として、軸L2に沿い横架フレーム部材14に隣接して側方に延びる。
図3に示されるように、テンプルアーム部材12及び横架フレーム部材14は双方とも湾曲部を有し、そのため、テンプルアーム部材12及び横架フレーム部材14は、上述したように、各々の軸L1及びL2に沿って直線状に延びるのではなく、むしろこれらの軸に概ね沿って延びる。
【0028】
上述したように、テンプルアーム部材12は、横架フレーム部材14における側方で互いに反対側に位置する端部分16とテンプルアーム部材12における前端部分44との間の連結部において、ヒンジ30を介して横架部材14に枢動可能に連結されている。例示の形態では、テンプルアーム部材12の前端部分44は、これらから後方に延びるテンプルアーム部材12の残りの部分よりも、側方の方向に厚みがある。テンプルアーム部材12の各々における前端部分44は、互いに直交すると共にテンプルアーム部材12の長手軸L1に直交する2つの方向に拡大している。図示のように、テンプルアーム部材12は、テンプルアームの他の部分の約2倍の厚みになった前端部分44を有していながらも、比較的薄くなっている。以下に説明するように、より厚くなった前方部分44は、LED18に電力を選択的に供給するように動作可能である電気構成部品を収容するように構成されている。
【0029】
より詳細には、テンプルアーム部材12は、前方部分44から、着用者の耳の上に載せられ耳によって支持されるように構成される中間部分34へ、後方に向かって延びている。中間部分34は底縁部33を有し、この底縁部33は、着用者の耳の上に好適にフィットするために、その高さを減らするようにテンプルアーム部材12の頂縁部35に向かって上方へと先細にするテーパ状となっている。テンプルアーム部材12は遠位部分36で終端し、遠位部分36は、テンプルアーム部材12の中間部分34から後端部37へと後方に向かって延びるにつれて側方内側方向に且つ下方向に向かって延びている。そのように構成されているため、テンプルアーム部材12は、着用者の眼の付近から耳の後ろの位置にかけての着用者の頭部の輪郭に概ねならっている。代替として、遠位部分36は下方に延びている必要はなく、そして、テンプルアーム部材12の中間部分34は、着用者の耳に載せられる必要はないが、その場合、その代わりに既知のように着用者の頭部の側部を把持する。
【0030】
上述したように、中間部分34及び遠位部分36は、テンプルアーム部材12の前方部分44よりも側方の方向で薄くなっている。しかしながら、拡大した前方部分44を有していても、テンプルアーム部材12の厚みは、この部材が、従来の照明が無い眼鏡に一般的に設けられているテンプルアーム部材に類似した概ね平坦な構成を有するくらい非常に薄い。例を目的とするものであって限定することを目的としないが、テンプルアーム部材12の中間部分及び遠位部分の側方方向の厚みは約3mmとすることができ、前方部分44の側方方向の厚みは約5mmとすることができる。また、概ね平坦である以外の構成も、テンプルアーム部材12に平坦部分及び湾曲部分の両方を含めること又は湾曲部分のみを含めることになどよって、テンプルアーム部材12に採用することができる。例えば、テンプルアーム部材12は、小さい直径の筒状の構成を有することもできる。
【0031】
小型LEDとすることができる光源18は、テンプルアーム部材12の前端部分44に取り付けられることが好ましい。一つの手法では、各光源18は、各テンプルアーム部材12の外側表面部分40からわずかに外方に延在する突起部分又は管状部分38の中に、少なくとも部分的に取り付けられる。外側表面部分40は、この外側表面部分40から突出する管状部分38以外は平坦な構成を有することが好ましく、このとき、管状部分38は、テンプルアームの平坦な外側表面40に対して光源18を部分的に外側に位置決めし、それにより前方照明用のライトを位置決めする。同時に、突出する管状部分38は、LED18のレンズ42の円筒部分の曲率半径と実質的に合致する小さな曲率半径(例えば約2mm程度等)を有し、このことは、テンプルアームにライトモジュールを有する従来のライト付き眼鏡に付随するサイズ及び重量の増加を回避するのに効果的である。好ましいのは、管状部分38は、
図5に最もよく示されるように、テンプルアーム部材12の前端部分44において、テンプルアーム部材12の上縁部62及び下縁部64の間における外側表面部分40に沿った中間領域に形成されることである。
【0032】
LED光源18の前部のレンズ42は、テンプルアーム部材12のそれぞれの最前端部44aに概ね位置が合わされているか又は最前端部44aのわずかに前方に延在する。さらに、光を発生するLED素子も同様に、テンプルアーム部材の最前端部44aと概ね位置が合わされている。この位置決めによって、テンプルアーム部材12のいかなる部分も、LED18が発する光錐と干渉しない。しかしながら、LED素子及びレンズ42をテンプルアーム部材12の最前端部44aに合わせて又は最前端部44aの前方に位置決めすることによって、LED18が、依然として横架フレーム部材14の前方部分から、特に横架フレーム部材14のレンズ21から後方に引っ込んだところにあるため、LED18の光錐の外側の入射光からの眩輝が望ましくなく引き起される可能性がまだある。例えば、レンズ21に達するそのような入射光は、屈折若しくは反射して着用者の眼に入る可能性があり、又は、着用者の周辺視野内にあることによって着用者を不快にさせ気を散らせるものと簡単になり得る。例示の形態では、上述したように、照明付きアイウェア10は、テンプルアーム部材12の外側表面部分40に隣接してLED18を位置付けることによってこれらの問題を最小限にする。
【0033】
理解されているように、LED18は円錐の光線を発する。その際、光錐43は一般的に、図示されている側方外側方向の対向する側縁部45、47を有し、側縁部45、47は、頂点すなわちLEDレンズ42のLED素子から互いに対して離れるようにテーパ状に広がり、それによって、光錐43は、その対向する縁部同士の間に所定の角度つまり広がり度αを有する。例えば、この光錐角度αは約20度と約40度との間とすることができる。LED素子から前方に延びる光錐中心軸すなわち中心線C1は、この軸C1と図示の対向する光錐縁部45、47のそれぞれとの間を等角度として、光錐43を半分に分ける。着用者の前方(例えば、好ましくは着用者の正面で約6インチ[約15.2センチメートル]から約24インチ[約61.0センチメートル])の視領域又は読書領域内の光の量を最大限にするような光錐43を発するように光源18の方向を合わせるために、LED18は、
図4に示すように互いへ向かう側方内側方向に傾けられ、且つ、
図5に示すようにテンプルアーム部材12及びテンプルの前後軸L1に対して下方に傾けられることができる。
図3及び
図4を参照すると、LED18、より詳細には、LED18から発せられる光錐43は、光錐の中心軸C1がテンプルの軸L1に対して横断する方向に延びるように、テンプルの軸L1から角度β1で側方内側方向に傾けられ、それにより、光錐同士は、光錐の軸C1とテンプルの前後軸L1とが実質的に一致する場合よりも、横架フレーム部材14の前方のより近くで交わる。
【0034】
より詳細には、
図4に示すように、管状部分38同士は、前方方向でテンプルアーム部材12の外側表面部分40の方に向かい細くなるテーパ状になるように構成され、それにより、管状部分38の中に取り付けられたLED18が所望の内側方向の傾斜を有する。LED18が内側方向に傾いている状態では、光錐43の内側縁部45同士は、より広い光錐のLEDを必要とせずに、レンズ21の前方6インチの地点のような着用者の読書距離又は視距離の始点で互いに交わることになる。また、
図5に示すように、LEDを搭載する管状部分38は、前方部分48が後方部分49よりもわずかに低くなる状態で、前方に且つわずかに下向きに延在するように構成することもでき、それにより、管状部分38の中に取り付けられているLED18もまた、前方且つわずかに下向きに延在するように方向付けられ、このとき、光錐43の中心軸C1がテンプルの前後軸L1に対して角度β2で下方に傾いている。このようにして、LED18から発せられる光錐43もまた、テンプルアーム部材12及び横架フレーム部材14に対して下方向に傾けられる。
【0035】
前述し、そして
図3に示すように、LED18は、レンズ21に対して後方に引っ込んだところに位置するように、横架フレーム部材14の端部分16に隣接して配置されている。なお、レンズ21は、わずかな前方への湾曲を有する横架フレーム部材14によって保持されているため、同様にわずかに前方に湾曲している。この構成を有する結果として、そして前述したように、入射光及びこれによって生じる眩輝が問題となる可能性がある。このことを回避するために、眼鏡フレーム11及び好ましくはそのフロント支持体は、隣接した光源又はLED18から側方内側方向に遮光部分46を有することができ、遮光部分46は、入射光が眼鏡着用者の眼に届かないように配置及び構成されている。より具体的には、遮光部分46はそれぞれ、左右軸L2に対して横断する方向にLED18と並んで前方に延びる遮光面46aを含んでいる。遮光面46aは左右軸L2に対して直交して延びてよい。しかしながら、この構成の遮光面46aは、LED18が発する光錐43に干渉する可能性がある。換言すれば、軸L2に対して直交して延び且つ前後軸L1に対して平行に延びる隣り合う遮光面46aを有すると、光錐43の内側縁部45が遮光面46aと交わる可能性がある。
【0036】
よって、例示され且つ好適な形態では、以下にさらに説明するように、ライト付き眼鏡10は、遮光面46aが傾けられることで左右軸L2に対して斜めになった側方内側方向の傾斜で延びるように、遮光部分46を構成することによって、光錐43への実質的な干渉を回避する。このようにして、遮光面46aは、対応する光錐43の内側縁部45と概ね同じ方向に延び、それにより、光錐43との干渉を最小にし、それ故、ライト付き眼鏡10の着用者の視領域を照明するのに利用されるLED18からの光の量を最大限にする。
【0037】
より詳細には、遮光部分46は、横架フレーム部材14の外側の両端部分16内に形成され、そして、それぞれが、概ね半円錐台状の形状をもつ遮光面46aを有することが好ましい。その際、半円錐台形状の遮光面46aは、基準となる直円錐(reference right cone)から構成することができ、このとき、テンプルアーム部材12がその開位置に枢動された場合に対応するLED18が位置する場所に、基準円錐の頂点が概ね位置するように、遮光面46aが切頭されている。遮光面46aそれぞれが沿って延びる切頭基準円錐は全体として、半分に分割されており、それにより、遮光面46aは、側方外側に向かって開放する共にLED18に嵌合するようなサイズに形成された底部切欠開口55を有しており、そして、特に、
図2及び
図4に示されるように、テンプルアーム12が枢動して開いた場合に、LEDレンズ42の側方内側の半分が切欠開口55内に含まれる。このようにして、LED18のそれぞれは、ライト付き眼鏡10がその使用形態にある場合に、それぞれの隣接する遮光部分46の基準円錐における頂点で実質的に方向付けられる。上述から明らかであるように、遮光部分46は、LED18に隣接し且つLED18から概ね側方内側に位置決めされ、そして、LED18から概ね前方に側方内側方向に傾斜して延在している。そのように構成されているため、テンプルアーム部材12が使用形態に枢動されると、LED18のレンズ42は遮光部分46に側方で隣接して位置決めされる。
【0038】
図4に示すように、遮光部分の面46aが沿って延びる基準円錐は、光源18が発する光錐αに実質的に等しいか又はそれよりもわずかに大きい円錐角すなわち開放角度θを有している。さらに、遮光部分の面46aは、LED18からの光錐43と同じようにして傾けられることができ、それにより、遮光部分の面46aは、光錐43に対する干渉又は交わりを概ね回避するように、光錐43の側方の内側縁部45に沿って概ね延びるか又は好ましくは内側縁部45からわずかに離れるようなテーパ状になって延びる。この目的を達成するために、遮光面46aが沿って延びる基準円錐のそれぞれにおける中心軸C2は、LED18の光錐における傾いた中心軸C1と実質的に一致する。このようにして、好適に傾けられたLED18からの視界領域に届く光の量が最大限になると同時に、光錐の外側の入射光がライト付き眼鏡10の着用者の眼に届くことが阻止される。
【0039】
別の手法によって、遮光部分46は、横架フレーム部材14の両端部分16ではなくテンプルアーム部材12に組み入れることができる。この形態では、テンプルアーム部材12は、光源18及び遮光部分46の双方ともを有する。よって、この手法では、テンプルアーム部材12、そして具体的にはその遮光部分46は、横架フレーム部材14に枢動可能に連結される。
【0040】
前述したように、LED18は、テンプルアーム部材12に、そして具体的には管状部分38の中に部分的に取り付けられ、それにより、LED18の光錐をテンプルアーム部材12の長手軸L1に対して下向きの角度β2で投射することができる。例を目的とするものであって限定することを目的としないが、角度β2は、テンプルアーム部材12の長手軸L1から約2度から約10度の範囲内、好ましくは約3度から約5度の範囲内とすることができる。さらに、LED18は、テンプルアーム部材12の中、そして具体的には管状部分38の中に収容されることもでき、それにより、LED18の光錐43を長手軸L1に対して側方内側方向に傾けられた角度β1で投射し、この角度β1は約2度から約10度の範囲内、好ましくは約3度から約5度の範囲内とすることができる。よって、例示され且つ好適である形態では、LED18は軸L1に対して内側方向且つ下方向への双方に傾けられる。そのため、例示の形態では、前述したように、管状部分38もまた、テンプルアーム部材12及びテンプルの平坦な外側表面部分40に対して傾斜している。例えば、管状部分38の遠位端部分49は、テンプルアーム部材12の外側表面部分40から離れるように延びており、このとき、管状部分38は全体として、テンプルアーム部材12に沿ってその前端部48へ前方に延びるにつれて外側表面部分40に向かうように傾斜している。この構成によって、テンプルアーム部材12が使用形態にあるとき、内側方向に向いた傾斜角β1の光源18が生みだされると同時にLED18のレンズ42が遮光部分46に隣接して位置決めされる。しかしながら、LED18は、LED18が発する光を着用者の前方の他の領域に向けるために、種々の角度で内側方向又は下方向に傾けられてよい。所望であれば、LED18は、LED18の傾きを利用者が選択することができるように調整可能であってもよい。
【0041】
同様に、遮光部分46は、ライト付き眼鏡10が使用形態にある状態においてLED18から発せられる光錐43の方向と実質的に合致するように構成することができる。この目的のために、そして前述したように、半円錐台状の遮光面46aが沿って延びる基準円錐の中心軸C2はまた、LED18の光錐43の傾斜角β1及びβ2と同様の側方内側及び下方への傾斜角で延びてもよい。例えば、そして
図4に図示するように、遮光部分46の中心軸C2は、テンプルアーム部材12がその開形態に枢動されている状態において、テンプルアームの軸L1に対して、LED18の光錐43の中心軸C1とほぼ同じ程度で内側方向及び/又は下方向に傾けられている。さらに、遮光部分46の半円錐台状の遮光面46aにおける側方最内側の縁部59の傾斜又は傾斜角は、好ましくは、LED18から発せられる光錐における対応する側方最内側の縁部と同じであるか又はそれよりもわずかに大きく、それ故、遮光部分46は、LED18が発する光錐の形状と干渉することも、この形状を小さくすることも、そして、この形状を変えることもない。一つの手法では、遮光部分46の基準円錐における円錐角又は開放角度θは、LED光錐の対応する角度αよりも約2度から約5度広い。例えば、光錐が、全体で約10度から約40度の円錐角、又は光源の中心線C1の両側に約5度から約20度の円錐角を有すると、その場合、遮光面46aの円錐角θは、20度の光錐に対する軸C2の両側での約10度から約15度の角度範囲から、40度の光錐に対する軸C2の両側での約20度から約25度の角度範囲までの範囲をとり得る。
【0042】
図示すると共に上述したように、管状部分38のみがテンプルアーム部材12の外側表面部分40を越えて側方に突出している。よって、テンプルアーム部材12の外側表面部分40に取り付けられる又は形成される、電気構成部品、アクセス開口、蓋及び同等品は何もない。同様に、横架フレーム部材14は、遮光部分46を有していることを除き、実質的に一般的な通常の眼鏡の外観を有している。この構成によって、照明付きアイウェア10は、ライトが無い眼鏡及びそのフレームと同様の目に見える表面を有し、このことにより、光源18が着用者の眼に差し込まず且つ着用者の周辺視野内にないようにしつつも好ましい美的外観が生み出される。
【0043】
ここで
図6〜
図8を参照すると、電気システム50がLED18に電力を供給するように動作することができる。上述のように、照明付きアイウェア10の外側の目に見える美的外観を保つために、電気システム50の構成部品は、各テンプルアーム部材12の内側表面部分52上に配置されるか又は内側表面部分52を通じてアクセス可能である。電気システムの構成部品を内側表面部分52に位置付けすることによって、照明付きアイウェア10が着用されている間、構成部品が視界から効果的に隠される。内側表面部分52は、実質的に平坦な構成を有することができ、テンプルアーム部材12が開形態に移行したとき互いに向き合うように配置される。例示の形態では、内側表面部分52は、オフセットした部分51及び53を含み、このとき、この部分53は隣接する部分51に対してわずかに隆起している。わずかに隆起した部分53は、テンプルアーム部材12における前述した側方に厚みのある前端部分44に対応するように、横架フレーム部材14に隣接することが好ましいが、テンプルアーム部材12の中間部分34又は遠位部分36に位置付けすることもできる。好ましいのは、電気システム50の構成部品の大部分が、テンプル12の拡大した端部分44における内側表面部分52と外側表面部分40との間に配置されることである。そのように構成されているため、電子アセンブリ50の構成部品は、テンプルアーム部材12の外側表面部分40上に見られず、且つ、横架フレーム部材14に存在せず、且つ、ヒンジ30に及ばない。
【0044】
好適であると共に例示される形態では、電気システム50の構成部品を収容するために、区画室54が、内側表面部分53における引っ込んだ凹所に設けられている。電気システムの構成部品は、スイッチ又はスイッチ装置56、電源66及びそれらの電気的接続部を含むことができる。図示するように、スイッチ装置56は、LEDを点灯及び消灯するためのスライドスイッチであるが、トグルスイッチ、押しボタン式スイッチ又はタッチスイッチ等の他のタイプのスイッチが利用可能である。LEDに供給される電力レベルを制御することで調光スイッチ機能をもたらすように使用できる回転スイッチもまた、利用可能である。
図8に示すように、スイッチ装置56は、LED接点又はリード線57の1つに接続され、また電源66にも接続される。
【0045】
好ましいのは、スイッチ装置56がヒンジ30に隣接したテンプルの内側表面部分52に取り付けられることである。具体的には、ヒンジ30は、ピボットピン61を用いて、テンプルの前方にあるヒンジ部分58を、横架フレーム部材の外側又は縁部にあるヒンジ部分60に枢動可能に連結する。テンプルアーム部材12に沿った電気システム50が占めるスペースを確保すると共にこのスペースの長さを最小限にするために、スイッチ56、そして具体的にはそのスライド式作動装置56aは、ヒンジ30におけるテンプルヒンジ部分58と鉛直方向で重なる関係を有して配置されることが好ましい。
図6〜
図8に示されるように、スイッチ作動装置56aは、テンプルアーム部材12の端部表面44に隣接すると共にテンプルアーム部材12の上部表面62に隣接して、ヒンジ30の上方に位置決めされている。よって、ヒンジ30におけるテンプルの部分58はテンプルアーム部材12の下部表面64に隣接している。そのように構成されているため、スイッチ作動装置56aは、着用者の人差し指によって操作されるように位置付けられ、それにより、光源18への電力を制御する。代替として、スイッチ56は、テンプルアーム部材12の下部表面64に隣接して位置付けられ、そして、ヒンジ30におけるテンプルの部分58が、テンプルアーム部材12の上部表面62に隣接して、スイッチ作動装置56aの上方に位置付けられてもよい。
【0046】
電源用区画室54は、上述したように、テンプルアーム部材12の側方の厚さ、そして具体的には前端部分44の側方の厚さを最小限に保つために、狭い幅を有するように構成される。この区画室54は、内側表面部分52と外側表面部分40との間に形成されている。幅の狭いこの区画室54によって、テンプルアーム部材12は比較的薄い形状を維持することが可能となり、このことにより、より厚みがあるテンプルアーム部材よりも着用者の頭部への快適な適合がもたらされることが可能になる。電源用区画室54は、さらにヒンジ30におけるテンプルの部分58に隣接して位置決めされ、そして、テンプルアーム部材12の中に引っ込ませた凹所に部分的に設けることができる。例示の形態では、区画室54は、直立した壁部分65を有し、この壁部分65は、内側表面のオフセット部分51から突出し、隆起する内側表面部分53をオフセット部分51から浮かせている。壁部分65は、円盤状のコイン型電池66のような実質的に平坦な電池を収容するのに十分な深さを区画室54に与えるように、サイズが決められ且つ構成されている。好ましいのは、LED18に給電するための少なくとも一対の電池(例えば一対の円盤状のコイン型電池66等)が、長手方向に重ならずに並んだ関係であることであり、それにより、電池66の主要な平坦面66a、66bが、テンプルアーム部材12の平坦な内側表面部分52及び平坦な外側表面部分40と向かい合う。壁部分65は、サブ区画室68を形成するための湾曲壁部分65aを含み、このサブ区画室68は、その内部でコイン型電池66をぴったりと嵌合させる。区画室54は、スイッチ装置56を部分的に(例えば電池66とLED18とを電気的に結合するスイッチ装置56の下側の電気構成部品等を)受け入れるようにサイズ決めされたサブ区画室67を含むために、さらに分割することができる。スイッチ用サブ区画室67は、概ね正方形で小さい形状を有し、最も前方にある電池用サブ区画室68における上側部分の一方の側部に隣接している。そのように構成されているため、電源用区画室54は、照明付きアイウェア10が着用されたときに電池66及びスイッチ装置56を視界から実質的に隠す。
【0047】
電池66が
図7及び
図8に示すような長手方向で並んだ関係にある場合、区画室54は2つのサブ区画室又は仕切室(bay)68に分かれており、これらはそれぞれ、リム部分又は湾曲した壁部分65によって形成され、且つコイン型電池66を1つずつ支持すると共に側方で囲い込むように構成されている。遠い方のつまり最も後方の仕切室68は、その実質的に平坦な底面71に、スイッチ装置56につながれた接点72(例えばタブ状のブレード型コネクタ等)にぴったりと嵌合するように構成された陥凹部(recess)又はくぼみ(well)70を含んでいる。よって、くぼみ70は概ね矩形の形状を有することが好ましい。さらに、
図8に示すように、接点72は、曲がっており且つ天地方向の接点壁部分74を有しており、この接点壁部分74は、湾曲した壁部分65の1つにある空隙に嵌合する。接点72は、スイッチ装置56に電気的に接続され、このスイッチ装置56は、上述したようにLED18の接点57に取り付けられる。具体的には、配線76が、接点72からスイッチ装置56まで延びており、このとき、配線76は、好ましくはスイッチ装置56の位置決めに合わせて、もう一方の仕切室68の上方又は下方でリム65の一部同士の間に設けられたスペースの中に固定されて延びている。配線76は、その長さの少なくとも一部に沿って、絶縁材又は絶縁被覆(jacket)によって少なくとも部分的に覆われてよい。図示するように、接点72は、電池66の陽極に接触するように構成されている。他方の仕切室68は、スイッチ装置56に隣接して位置付けられることができ、その実質的に平坦な底面79に、光源18の第2の接点80を支持するように構成された陥凹部78を有することができる。図示するように、接点80は、光源18から延びる引き延ばしたリード線の1つであり、長く延ばした狭い若しくは細い陥凹部又はくぼみ78に受け入れられ、それにより、他方側の電池66の陰極に接触するよう構成されている。くぼみ70及び78によって、対応する接点72及び80が、電池用サブ区画室内に受け入れられると同時に、(2つの)電池66の接面が、接点と接触状態になると共に、サブ区画室68の実質的に平坦な底面71及び79に載るか又はそれらによって支持されることができる。そのように構成されているため、一方の電池66の陽極は、スイッチ56(LED18につながれている)につながれ、他方の電池66の陰極は、LED18に直接つながれる。この構成によって、スイッチ装置56は、LED18への電力を制御してLED18を点灯及び消灯することができる。接点72、80及び電池66の1つの特定の構成を例示してきたが、所望であれば構成部品は入れ換えてもよい。
【0048】
さらに、スイッチ装置56は、上述した「点灯」位置及び「消灯」位置に対応する2つの位置を有するのではなく、「消灯」位置である1つ目のポジション、「低,点灯」位置である次のポジション、及び、「高,点灯」位置である最後のポジションをもつ3つのポジションのスライド式作動装置56aを有することができ、それにより、スイッチ装置56は、LED18によって生成される照明電力を制御して作動装置56aにおける対応する「点灯」位置に基づき低輝度照明又は高輝度照明を行うことができる。
図9及び
図10を参照すると、スイッチ装置56は、スイッチハウジング300にスライド可能に取り付けられた作動装置56aを有しており、このスイッチハウジング300は、そこから垂下している4つのピン302、304、306及び308を有している。外側のピン302及び308は、接点57を介してLED18に電気的に接続されており、このとき、ピン308はLED18との間の電気経路内に抵抗を含んでおり、それによって、抵抗を通りピン302を介して供給されるLED18への電力を減らす。ピン304は、電源66、そして具体的には遠い方の仕切室68に入れられる電池電源66の陽極に、タブ接点72及び配線76を介して、電気的に接続されている。ピン306は、LED18にも電源66にも電気的に接続されていない。作動装置の各ポジションでは、ピン302〜308のうち2つが、スイッチ作動装置56aにより位置が変えられる導電性棒状体310によって電気的に接続される。それ故、スイッチ作動装置56aにおける高い明度又は高輝度のポジションは、
図9では最も左端の位置であり、
図10ではポジション「A」として描かれ、このとき、LEDのピン302と電力のピン304とがスイッチの棒状体310を介して電気的に接続されている。消灯のポジションは、
図9では左右方向におけるスイッチ作動装置56aの中間又は中央の位置(鎖線で示されている)であり、
図10ではポジション「B」として描かれており、このとき、電力のピン304が電気的に機能しないピン306に接続されている。スイッチ作動装置56aにおける低い明度又は低輝度のポジションは、
図9ではスイッチ作動装置56aにおける最も右端の位置(鎖線で示されている)であり、
図10ではポジション「C」として描かれており、このとき、電力のピン304とLEDのピン308とがスイッチの棒状体310を介して電気的に接続されている。
【0049】
代替として、スイッチ作動装置56aにおける3つのポジションは、端の「点灯」位置、中間の「消灯」位置、そして、反対側の端の「一時的な点灯」位置であってもよい。この形態では、ピン302〜308は、上述の3ポジションスイッチ装置56でのように、LED18に電気的に接続されるもの、又は電源66に電気的に接続されるもの、又は電気的に機能しないものとなるが、ただし、LEDのピン308とLED18との間の電気経路に抵抗が全く必要とされない。この形態のスイッチ装置56は、利用者に「一時的な点灯」位置に対応する最の左端の位置にスイッチ作動装置56aをスライドさせることを可能にし、このとき、スイッチ作動装置56aが「一時的な点灯」位置に維持されている間に限り、対応するLED18が光を供給するようになっている。このことに関して、スイッチ作動装置56aは、例えばスイッチハウジングの壁314とスイッチ作動装置のベース316との間に取り付けられる圧縮ばね312のような形態で、付勢機構を有することができ、このとき、ばね312は、スイッチ作動装置56aが「一時的な点灯」位置に向かってスライドされるとき、スイッチ作動装置56aを中間の「消灯」位置に戻すように付勢する動作を行うことができる。それ故、例えば、「一時的な点灯」位置は、ライト付き眼鏡10の買い手となる可能性がある人が、購入の決定に必要な時間だけ、スイッチ作動装置56aを「一時的な点灯」位置にスライドさせて保持することで照明を試すことを可能にする。買い手となる可能性がある人は、照明機能のテストに満足すると、スイッチ作動装置56aを放してよく、スイッチ作動装置56aはその後、ばね312により付与される付勢力によって、「消灯」位置に自動的に戻ることになる。このことは、上記目的のために「点灯」位置の使用を必要としないようにする(なお、「点灯」位置を使用することによって、利用者はスイッチ作動装置56aをスライドさせて「消灯」位置に戻す必要があり、そして、「消灯」位置に戻されない場合には、電池電源66の電力が望んでいなくとも減らされる又は最終的に使い果たされる可能性がある)。当然のことながら、「一時的な点灯」位置はまた、ライト付き眼鏡10の所有者にも同様の利点をもたらす。そのようなばねは、「一時的な点灯」位置を有しない前述の3ポジションスイッチ装置56には、設けられないのは明白であろう。さらに、3ポジションスイッチ装置56のためのピンの位置及びスイッチの位置の具体的な配置は、本明細書に記載の配置から変更することができることは理解されるはずである。
【0050】
一つの手法では、内側表面部分52の隆起した部分53は、
図6及び
図7に示すように、取外し可能な蓋82を有し、この蓋82は、区画室54の上に確実に適合し電池66を内部に固定するように構成されている。蓋82は、電池66に外側からの圧力を加えるように、その内側表面に付勢部材又はばねを任意選択的に有していてよく、それで、電池66が接点72、80に接して保持される。蓋82は、突起及び溝の機構(tongue and groove mechanism)によって区画室54に取外し可能に固定され、この機構は、蓋82の垂下した側部及び遠位端部を、リム65に設けられた縁(edge)又は細い溝(slot)を用いて固定する。他の適した固定機構も利用することができる。例示の形態では、蓋82は、テンプルアーム部材12の厚みを制限するために、(眼鏡及びそのテンプル部分で好ましいプラスチックとは対照的に)金属から形成されている。蓋82がテンプルアーム12と同様のプラスチックから製造されるのであれば、蓋82の厚さが増し、この厚さの増加は、テンプルアーム部材12の薄くなった構成を損ねることになる。
【0051】
図示及び説明したように、テンプルアーム部材12は、LED18及びLED18のための電気システム50を含め、着用者の前方領域を照明するのに必要な構成部品全てを含んでいる。よって、この構成は、横架フレーム部材14を容易に交換可能なものとすることができ、その理由は、いかなる電気構成部品も、テンプルアーム部材12と横架フレーム部材14との間のピボット式連結部及び/又はヒンジ30に及ばないからである。同様に、いかなる電気構成部品も横架フレーム部材14内に含まれず、従来のヒンジスイッチに関連する性能上の問題が回避される。このことに加え、電気システム50は、その構成部品を、各テンプルアーム部材12の内側表面部分52にすべて位置付けて配置させる、又は、内側表面部分52において引っ込んだ凹所に配置させており、そして、電気構成部品は、テンプルアーム部材12の上部表面62の上にも下部表面64の下にも突出していない。この構成は、照明付きアイウェア10が着用されたときに電気システム50の構成部品を視界から実質的に隠すだけでなく、ライト付き眼鏡10が折り畳まれた収納形態にあるときに電気構成部品を損傷から保護もする。
【0052】
図11に図示するように、ライト付き眼鏡10と共に用いることができるLEDの変形例すなわち集光LED125の詳細図が示されている。集光LED125は、そこから出力される光を最大限に利用して無駄になる光を最小限にするように構成されている。代替として又は上記に加え、集光LED125は、望まれない眩しさ等を引き起こす可能性がある光のような迷光の量を減らすように構成されている。集光LED125は、次のものを有する任意の一般的なLEDであってもよく、それは、典型的な半透明若しくは透明な覆いからなるハウジング又はレンズ200、照明のためのLEDチップ又はダイオード202、並びに、LEDチップ又はダイオード202から延びるアノードリード線及びカソードリード線のような電気リード線210である。しかしながら、集光LED125はまた、レンズ200の所定部分に(例えばレンズ200の外表面の一部分に沿って)、少なくとも1つの物質又は被覆212を有し、そして、好ましくは、もう1つの物質又は被覆214を有している。物質212及び214は、集光LED125から出力される光を好ましくは最適化するか又は集中させ、且つ集光LED125から発する変形された光錐129を供給することによって迷光若しくは無駄となる光を最小限にするため、効果を有するものである。
【0053】
第1の物質212は、反射する面を有していてもよく、集光LED25における光透過性のレンズ200の外表面の下側部分又は底面に施される。第1の物質212は、LEDのレンズ本体200から外方に投射される光出力を、所定の方向又は所定の光錐に最適化及び/又は集光するように設計される。変形された光錐29によって示されるように、第1の物質212は、LEDチップ202から発せられる光を、集光LED25から外方へ向かい且つ第1の物質212から離れる全体的には上方へも向かう軸方向に概ね集光する。第1の物質212は、銀若しくはニッケルの被覆、又は、リチウム−銀めっき若しくはニッケル−リチウムめっきとすることができるが、他の反射する被覆も適している。
【0054】
第1の物質212を使用した場合、LEDから投射される標準の光錐は、大きさが約50%減少し、そしてそれ故変形された光錐29における光の量は、倍になる、すなわち、光錐129の2倍の大きさがある標準の光錐での集光に対して約100パーセント増加する。
図9では、第1の物質212が、集光LED125の下側部分又は底部分に示されているが、第1の物質212は、集光LED125からの光をどのように集中させる必要があるか又はどのように方向づける必要があるかにより所望に応じて、集光LED125の他の部分にあってもよい。
【0055】
第2の物質214は、光が特定の方向に発散することを阻止するための黒色又は他の暗色の被覆であるが、集光LED125に施される任意の不透明な被覆であってもよい。
図9に例示するように、第2の物質214は、第1の物質212の下で集光LED125に施されるのが好ましく、それ故、同じように、集光LED125の下側部分に施される。このため、例示の形態では、反射する第1の物質212は、LEDレンズ200と第2の物質214との間にある。代替として、被覆212及び214は、LEDレンズの内表面に施されることができ、その場合、反射する被覆212は、レンズ表面に施されて下層となる被覆214の上に施される。結果として、集光LED125が上述したように帽子100に取り付けられる場合、第2の物質214が、光が着用者の眼の真正面のブリム(brim)116の下方で下方向に投射されることを実質的に防止するため、第2の物質214は着用者の眼におけるLEDによる眩しさを最小限にする。このことに関して、光を集中させ且つ方向付けるために第1の被覆212が集光LED125に施される場所がどこであろうと、第2の物質214は、集光LED25が帽子100に取り付けられる場合、第2の物質212が着用者の眼に向かってLEDから発散する可能性がある光を遮断する方向にあるように、施されることが好ましい。換言すれば、第2の物質212は、LEDチップ202と帽子着用者の眼との間にあるようにレンズ200上にある。
【0056】
第1の物質212及び第2の物質214はLEDレンズ200の軸方向の全長に延在しているように図示されているが、所望とする変形された光錐29に応じて、第1の物質212及び第2の物質214が、LEDレンズ200の軸方向長さの一部にのみ延在していてもよく、又は、レンズ200上で様々に変化させた長さで延在していてもよい。好ましいのは、第1の物質212及び第2の物質214が、少なくとも電気的接続部210からLEDチップ202を越えて延在することである。さらに、集光LED25が被覆212及び214を双方とも有するものとして記載されているが、集光LED25は、所望とする光出力、光の方向及び/又は集光に応じて、各被覆を単独で取り入れていてもよい。
【0057】
代替として、
図11Aに示すように、集光LED25は、物質212及び214の代わりに若しくはそれらと組み合わせて、その周りに巻き付けられた反射テープ220を有していてもよく、又は、単に光遮断材214だけを有していてもよい。例えば、テープ220は、レンズ200を囲み且つ電気リード線210からLEDチップ又はダイオード202までと概ね平行に軸方向に延在するように、集光LED25の径方向の周りに巻かれてもよい。しかしながら、テープ220は、所望とする光錐29に応じて集光LED25上で種々の軸方向長さで延在していてもよい。例えば、より集中させた又は狭くなった光線が望まれる場合、テープ220は、より狭まった又は集中した光錐29が形成されるように、電気リード線210からダイオード202を越えて軸方向に延在することができる。その一方、より拡散した又は広くなった光線が望まれる場合、テープ220は、より広がった光錐29が形成されるように、短い距離しか延在せず、ダイオード202に対して後方へ軸方向に間隔があけられて配置されることができる。もしテープ220の片面にだけ反射層がある場合は、テープ220上の反射層は、ダイオード202から発せられている光を集光し且ついかなる迷光も所望とする光錐29の内側に向けて反射するように、その内側でダイオード202に面しているべきであるのは明らかである。
【0058】
次に
図12〜
図25を参照すると、ライト付き眼鏡フレーム500を含む別のハンズフリー照明の実施形態が示されている。概して、ここで記載するライト付き眼鏡フレーム500は、フレームの一部に取り付けられ且つ着用者の前方に光を方向付ける光源を、光源にエネルギーを供給する様々な異なるオプション品と共に有している。
【0059】
一実施形態では、
図12〜
図15に示すように、光源又はLED524を有するライトモジュール518が、ライト付き眼鏡を形成するための押し縮め可能な(collapsible)眼鏡フレームアセンブリ500に取り付けられている。眼鏡フレームアセンブリ500は、一般的な眼鏡フレームアセンブリとして構成されており、この一般的な眼鏡フレームアセンブリは、間隔をあけて配置された一対のテンプル又はアーム502と、テンプル同士の間に延びると共にテンプルのそれぞれにいずれかの端部で枢動可能に連結された横架フレーム部材504とを有している。横架フレーム部材504は、フレーム500が人の鼻梁の上に載ることができるように、横架フレーム部材504の端部の中間に適切なブリッジ構造を有している(
図14)。テンプル502は、横架フレーム部材504の間隔をあけて位置する端部から後方に延びており、そして、各テンプル502の端部505が人の耳に合う又は耳の周りに延びることができるように、下方に突出した耳部分506を有することもできる(
図12A)。代替として、テンプルは、耳部分506を有さずに横架フレーム部材504から概ね真っ直ぐ後方に延びていてもよい(
図17a)。
図12〜
図15に示すフレームアセンブリ500は、収縮位置及び伸長位置の双方を有している。
【0060】
収縮位置又は収縮状態では、横架フレーム部材504及びテンプル502は、収納及び保護を容易にするためにフレーム500がよりコンパクトな形態になるように、押し縮められるのが好ましい(
図12B、
図13B、
図15A及び
図15B)。以下にさらに説明するように、横架フレーム部材504及び各テンプル502は、別々に収縮してコンパクトな構造を形成する。収縮状態では、横架フレーム部材504及びテンプル502は、ライトモジュール518によって概ね保護されており、それは、以下にさらに説明するように、横架フレーム部材504及びテンプル502がライトモジュール518によって部分的に又は実質的に覆われるためである。換言すれば、
図15A及び
図15Bに示されるように、アーム502は概して、仮にライトモジュールを越えて突出するとしてもさほど大きく突出せず、横架部材504の少しの部分だけが露出してモジュール518同士の間に延びることになる。さらに、収縮位置では、ライト付きのフレームアセンブリ500は、小型懐中電灯として使用できるほど十分に小型である。収縮位置では、
図15Bに示すように、モジュール524は全体として、2モジュール式LED懐中電灯を形成する。
【0061】
例示のライト付き眼鏡500は、テンプル502のそれぞれに取り付けられたライトモジュール518を有している。LED524は、着用者の視野内にライト付き眼鏡500の前方への照明を供給するように構成されている。この目的を達成するために、ライトモジュール518又はLED524は、着用者の視野内により集束された光線を供給するように、内側方向及び/又は下方に向けて例えば約5度傾けられることができる。LEDそれぞれのハウジングにおいてLEDを傾けることは、本出願人の米国特許第6,612,696号明細書(その全体が再現されるかのように本明細書に援用される)に記載されているように行うことができる。さらに、光線は、フレームのテンプル502に対して内側方向且つ下方に角度を付けることによって、より直接的に着用者の視野内に供給される。ライトモジュール518又はLED524がそのようにして傾けられれば、照明を方向付けるためにライトを手動で旋回させるか又は傾かせる必要はないはずである。
【0062】
より具体的には、ライトモジュール518は、光を発し且つライトモジュール518から突出するLED524を有している。モジュール518はテンプル502のそれぞれに取り付けられている。モジュール518は、LED524を点灯するのに必要とされる構成部品を収容するのが好ましい。例えば、モジュール518は、細長いスロット519を貫通して突出する作動装置部分517を含むスイッチを有している。作動装置部分517は、次のように設計されており、つまり、利用者の親指又は指が作動装置部分517に迅速に且つ容易にかけられ、それにより、2つの方向の一方にスライドさせるためにスイッチを押すか又は引くことでライトモジュール518を点灯及び消灯することができる。細長いスロット119は、スイッチ作動装置が予め設定された距離だけ移動することができるようなサイズで形成され、それによって、最小限の動きで点灯機能及び消灯機能を果たすことが可能となる。スイッチが「点灯」位置に動かされると、ライトモジュール518の内部で収容されている電池がLED524に電圧を加える。同様に、スイッチが「消灯」位置に動かされると、電池とLED524との接続が切られてLED524が消される。例示的な形態では、モジュール518は、先に援用した米国特許第6,612,696号明細書に図示及び記載されているライトモジュールと同様であってもよい。例示したように、モジュール518は、テンプル502と一体に形成されてもよいが、米国特許第6,612,696号明細書におけるように固定具等を用いてテンプル502に別個のものとして取り付けられてもよい。
【0063】
上述したように、眼鏡フレーム500は、収縮状態及び伸長状態の双方を有している。このことに関して、テンプル502のそれぞれは、相互に連結されたセグメント又は部材502a及び502bを有することができ、これらのセグメント又は部材は、テンプル502が収縮位置(
図12B及び
図13B)と伸長位置(
図12A及び
図13A)との間で移動することができるように互いに対してスライドすることができる。同様に、横架フレーム部材504もまた、同様にして収縮及び伸長し且つ相互に連結されたセグメント又は部材504a、504b、504c及び504dを有するのが好ましい(
図14及び
図15)。テンプル及び横架フレーム部材におけるセグメントはまた、一方のセグメントが管状又はC字形状の構造を有しており、入れ子になることで伸長及び収縮することができ、それにより、連結されたセグメントは一方のセグメントから出入りするようにスライドすることができる。横架フレーム部材504及びテンプル502を特定の数のセグメントを有するものとして例示しているが、所望とするフレームのサイズ及び強度に応じて、より多い数のセグメントを用いてもよく、又はよりは少ない数のセグメントを用いてもよい。
【0064】
より具体的には、テンプル502の収縮状態では、テンプルセグメント502bは、テンプルセグメント502aに対して収縮又はスライドして、モジュール518内のテンプル受入室に入るか又は外側表面でモジュール518と並び、それにより、テンプルセグメントのそれぞれの少なくとも一部が互いに重なり合い且つモジュール518に重なる。
図12Bに示すように、収縮状態では、耳部分506はモジュール518を越えて延びている。しかしながら、突出している耳部分506は、完全に伸長したテンプルアーム502よりもはるかに短い。個々の着用者の必要とする快適さに基づき耳部分506の構成が変わることは珍しいことではないため、テンプルアーム502が収縮したときにテンプルアーム502がモジュールを越えて突出する程度は、耳部分506のサイズ及び角度に応じて変化させてよい。代替として、テンプル502が特殊な外形の耳部分506を有さず直線的なテンプル部分を有する場合、テンプル502は収縮したときにそのほぼ全体がモジュール518に重なってよい。例えば、
図13Bに示すように、テンプル部分502が概ね直線状である場合、テンプルセグメント502a及び502bは、次のような位置に収縮し、その位置は、テンプルセグメント502a及び502bそれぞれが、テンプルにおける短い突出端部分505を除き、互いに且つモジュール518に実質的に重なるような位置となる。この構成では、テンプル502がモジュール518内に又はモジュール518と並行して収縮するため、テンプル502の実質的に全体が、収縮状態にある場合に損傷を受けないようモジュール518によって保護される。モジュール518におけるテンプルアーム502の長さを横断する方向の幅がより大きくなることによって、細長く薄いテンプル部分502は保護される。
【0065】
テンプル502の伸長状態では、セグメント502a及び502bのそれぞれは、従来の一般的な眼鏡のテンプルを形成するようにモジュール518から外方に延びる(
図12A、
図13A及び
図14)。
図13Cに示すように、テンプルセグメント502a及び502bは、それらの間に解除可能な固定構造508を有することができ、それにより伸長されるテンプルセグメントがその伸長位置及び収縮位置で保持されることができる。すなわち、固定構造508は例えば、テンプルセグメント502a及び502bが中を通って延びるスリーブ状保持部材508aと、一方のテンプルセグメントの端部にあるボス又は他の突起508bと、他方のテンプルセグメントにおける隣り合う端部にあり且つ係合及び整合する(register)対応する留め部(detent)又は溝508cとを有することができ、それにより、突起508bは、互いに対して所定の伸長した位置に達しているテンプルセグメント上で溝508cにぴったり嵌ることで、テンプルセグメントを伸長状態で解除可能に保持する。固定構造508はまた、各セグメントの端部に止め部材508dも有することができ、この止め部材508dは、保持部材508aと干渉してテンプルアームが互いから分離しないようにする。さらに、テンプルアーム502bの端部505もまた、テンプルアーム502bが収縮したときに突起508bと係合する留め部508cを有することができる。突起508b及び留め溝508cの位置を逆にすることができること、又は、一対の突起508bを一方のアームセグメントに設け、1つの溝508cを他方のアームセグメントに形成することができることは、明らかである。
【0066】
次に
図14、
図15A及び
図15Bを参照すると、上述したように、横架フレーム部材504も同様に収縮位置及び伸長位置を有することができる。
図14を参照すると、フレーム500は、従来の眼鏡フレームに類似している伸長位置で示されている。
図15A及び
図15Bは、収縮位置でのフレーム500の横架フレーム部材504及びテンプルアーム502を示し、このとき、
図15Aは弧状の耳部分506を有する収縮したテンプルアーム502(
図12B)を示し、
図15Bは収縮した直線状のテンプルアーム502(
図13B)を示している。
【0067】
横架フレーム部材504を収縮位置にするには、利用者は、横架フレーム部材504における外側のセグメント504a及び504dを互いに向けて内側にスライドさせ、それにより、テンプル502と、取り付けられている又は一体となっているモジュール518とが互いに向かって側方に移動する。横架部材フレーム504は、収縮位置又は伸長位置のいずれの位置にあるテンプル502に対しても、このテンプル502と共に収縮することが可能であるということは理解できる。収縮及び伸長するために、横架フレーム部材504はまた、連結されたセグメント又は部材504a、504b、504c及び504dを有している。利用者は、セグメント504a及び504bが重なることでフレーム500の一方の側部を収縮させ、且つセグメント504c及び504dが重なることでフレーム500の他方の側部を収縮させるように、セグメントを内側にスライドさせる。
【0068】
横架フレーム部材504は、セグメント504a及び504dを外側にスライドさせる又は引き延ばすことによる逆の方法で伸長される。テンプル502の場合のように、横架フレーム部材504は同様の固定構造508を有することが好ましく、それにより、横架フレーム部材504は収縮位置及び伸長位置のいずれでも解除可能に保持されることができる。
【0069】
横架フレーム部材504及び各テンプル502が双方とも収縮すると、フレーム500は、
図15A及び
図15Bに最もよく示すように、従来の眼鏡フレームよりも著しくコンパクトとなる。好ましいのは、完全に収縮したフレーム500が、2つのモジュール518の幅とほぼ同じ幅であり、各モジュール518とほぼ同じ長さであることである。前述したように、耳部分506の小さなセクション505が収縮状態においてモジュール518を越えて延びてもよく、それにより、テンプルアームが収縮してライトハウジング518内に入っている場合、突出したセクション505は、利用者がライトハウジングから外にテンプルアームを引き出してその伸長位置に戻すことを可能する。このコンパクトな状態にある場合、フレーム500は、ハンズフリー照明が必要となるまで、ポケット、鞄又は財布の中に簡単に入れておける。フレーム500は、伸長することによって前述したようにハンズフリー照明として使用することができ、又は、コンパクトな状態では小型の手持ち式懐中電灯として使用することができる。さらに、このコンパクトな状態にある場合、フレーム500は、曲がりやすかったり壊れやすい細長い部材を有していないため、損傷しないよう保護される。前述したように、フレーム500が収縮状態にあるとき、横架フレーム部材504及びテンプルアーム502は、ライトモジュール518の中に入る又はライトモジュール518と並行するようにスライドされている。従って、この状態では、ライトモジュール518は、より大きくなるほど、より狭くなったフレーム部分502及び504を、例えばポケット又は財布の中にあるときに損傷しないよう保護する。
【0070】
眼鏡フレーム500はまた、従来の眼鏡と同様のレンズを有することもできる。例えば、眼鏡フレーム500は、読書用レンズ、処方レンズ、保護若しくは安全レンズ、拡大レンズ、又は、透明若しくは非屈折性レンズ等を有することができる。これらのレンズを有する場合、これらのレンズは一般的に横架部材フレーム504から垂下するであろうし、又は、横架部材フレーム504は、これらのレンズを囲む部分を有することもできる。レンズは、フレームに対するピボット式連結部を有していてもよく、このピボット式連結部では、横架フレーム部材504及びテンプルアーム502が枢動可能に連結される。こうして、ピボット式連結部と反対側のレンズの縁(すなわちブリッジ部付近)は、横架フレーム部材504からテンプルアーム502に向かう内側に枢動して横架フレーム部材504の収縮を容易にすることができる。その一方、レンズの上縁が、横架フレーム部材504に枢動可能に取り付けられてよく、それにより、フレームが収縮状態になる場合、レンズは、フレームの収縮構成に至るように上方に枢動することができる。かかる構成では、眼鏡フレーム500は、任意に選択されるレンズを有する場合であっても、収縮してコンパクトな形態になることができる。代替として、眼鏡フレーム500は、そのようなレンズを有さないものとすることによって、ハンズフリー照明を備える一種の被り物を単にもたらすように構成されてもよい。
【0071】
図16〜
図23を参照すると、フレームアセンブリ500用の様々な代替的なテンプル部分602が、示されている。ここでは、これらの代替的なテンプル部分は概して、収縮しないが、種々の形態を有しており、充電式電池600及び充電用接点603を含むことができる。図示のように、充電用接点603は、プラス接点603a及びマイナス接点603bを有し、これらの接点は別々のテンプル部分602(
図24)にあってもよく又は両方が同じテンプル部分602(
図23)にあってもよい。充電用接点603は、別個になった充電器における対応する接点654に電気的に接続するためのものである。
【0072】
テンプル部分602は、テンプルフレーム610の開口部分又は中空部分の中に収容される光源604、好ましくはLEDを有し、この光源604は、前述したように、光線が着用者の前方に方向付けられるように、テンプルフレームの前端部602aから軸方向外側に向かって突出している。ライト604はまた、光線を着用者の視野内により直接的に供給するように、内側方向又は下方向に傾けられてもよい。例えば、LEDは約5度で下に傾けることができる。
図16〜
図23に示した代替的なテンプル602は全体的に、前述したライトモジュール518をもつ場合よりも着用したときに小型の照明装置をもたらすことができ、それは、ライト604にエネルギーを供給する構成部品が、別個のモジュール518内にあるのではなく、テンプル部分602の中に含まれている又は一体化されているためである。
【0073】
より具体的には、
図16及び
図17は、前後方向で長手方向に間隔をあけて配置された2つの電池600を示しており、2つの電池600は、ピボット部材606に隣接したテンプル602における前方部分602bで内部に収容されている。電池を収容するために、テンプルアームの前方部分602bは、ライト付きフレームが使用のために展開された形態にある場合に、その長さ方向に対して横断し且つ横架フレーム部材504に対して横断する方向に拡大している。前方部分602bは、その長さに沿ってテーパ状になった形状を有している。また、前方部分602bは、テンプルアームにおける細くなった残りの部分すなわち後方部分602dよりも厚くなっており、このとき、この後方部分602dとの間に設けられた肩状部602cを有している。電池600は、テンプルアーム602の耳部分608の遠位端部605にある充電用接点603と電気的に連通している。さらに以下に説明するように、充電用接点603は、別個になった充電モジュール又はユニット650の接点654と共同して機能する。
図18及び
図19は、同様の電池の配置を示しているが、長手方向に間隔をあけて配置された電池600を収容するように、変形された外形を有するテンプル602を示している。テンプルアームの前方部分は、滑らかなテーパの代わりに、内部に電池600を受け入れるために矩形の形状を有している。
【0074】
図20及び
図21は、電池の重なり合った構成を示しており、この構成では、電池600は隣り合わせに並んだ配置で積み重ねられている。この配置では、テンプルのフレーム又はハウジング610は、前述のテンプルアームを有する場合ほど長手方向に長くなる必要はないが、積み重ねられた電池600を収容するために、前後の長手方向に対して横断する側方方向により広く又はより厚くなっている。
【0075】
図22及び
図23は、別の変形されたテンプル602を示し、テンプル602は、後方の耳部分606の中に、好ましくは耳部分の幅又は厚みを最小に保つように長手方向に間隔をあけた配置で、電池600を収容している。この実施形態では、電池600は、充電用接点603に近接して位置付けられ、それにより、それらの間における電気的接続部の長さを最小な状態にしている。ここでは、充電用プラス接点603a及び充電用マイナス接点603bが双方とも、同一のテンプル部分602の遠位端部605に配置されている。そのように組み合わせられた構成によって、一方のテンプル602しか充電器に接続される必要がないため、充電器をより小型にすることが可能となる。
【0076】
図24を参照すると、眼鏡フレーム500が、変形されたテンプル部分602と共に示されており、このとき、テンプル部分602は、別々のテンプルアーム602に示されたプラス接点603a及びマイナス接点603bを用いて、独立型充電器650に接続されている。充電器650において電池600を充電するために、テンプルアーム602は好ましくは、横架フレーム部材に向かって内側に枢動されて眼鏡フレーム500を収縮状態に折り畳み、次いで各テンプルアーム602の遠位端部605が、受取用ベース部材652(独立型充電器上に含まれていてもよい)に接続される。代替として、受取用ベース部材652は、眼鏡フレームのケース内に一体にされていてもよい。充電器650は110ボルトの壁差込口に差し込まれる。ベース部材652は充電用接点654を有しており、充電用接点654は、眼鏡フレームのテンプル602の充電用接点603に合うが互いに逆の極性を有している。従って、充電器650に挿入されているとき、電池600は、充電されることができるように電源と電気的に連通した状態にある。代替として、充電器650は、テンプルアーム602が展開された位置にある状態で眼鏡フレーム500を受け入れるように構成されてもよく、又は、一方のテンプルアーム602のみが充電用接点603a及び603bの両方を有する場合のような前述の小型の形態を有してもよい。
【0077】
図25を参照すると、代替のフレーム500での充電式電池600の配置の変形形態が示されている。この実施形態では、電力モジュール又は電池パック750が、首紐772に接続されるか又は取り付けられ、この首紐772は、さらに古い従来のテンプルアーム702(すなわち内蔵電池を有しないもの)の遠位端部705に結び付けられている。首紐772は、テンプルアーム702の各遠位端部705を繋ぐ可撓性を有する部材であり、使用していないときに着用者の首の周りでフレーム500を持っておくための保持部材の機能も果たす。通常、首紐772は、着用者の首及び背中の上部の辺りにかけられる。
図27の代替のフレーム500もまた、図示のようにフレームにライト704を有するか又は別個になったモジュールにライト704を有し、これらのライト704は、首紐772及びテンプルアーム702を通じて電池パック750と電気的に連通している。この際、テンプルアーム702及び首紐772は、電気リード線がそれぞれの中を通ることができるように中空の構成を有することができる。
【0078】
電池パック又はモジュール750は、充電式電池600を収容しており、首紐772に取り付けられた受取ポート部774の中に取外し可能にはめ込まれる。通常、受取ポート部774は、首紐772上で各テンプル部分の端部705同士の間の中央に位置することができ、その理由は、首紐772の長さに沿ってそのように中間に位置することによって、着用時に首紐772に釣り合いがもたらされるからである。従って、そのように中央に位置すれば、使用中に首紐772を肩及び背中の上に垂れさげたときに、電池パック又はモジュール750は着用者の背中に無理なく載る。しかしながら、首紐の他の場所にある場合も許容することができる。受取ポート部774は、接点774a及び774bを有しており、これらの接点は、電池パック又はモジュール750が受取ポート部774にぴったりと合って捕らえられるように受け入れられると、電池パック又はモジュール750の接点603a及び603bと電気的に連通した状態となって電池からライト704に電力を供給する。
【0079】
電池600を再充電するためには、電池パック又はモジュール750は、受取ポート部774から取り外され、別個になった充電器又は電源(図示せず)に差し込まれることができる。その際、プラス接点603a及びマイナス接点603bが充電器内の同様の接点と接続する。代替として、電池パック又はモジュール750の電池600は、別の充電用接点(図示せず)を備えること等によって、受取ポート部774に取り付けられたまま充電されてもよい。
【0080】
首紐772を通ってフレーム500に電気的に繋がれる電池パック又はモジュール750の中に電池600を収容することは、テンプルアーム702の外形に影響を及ぼさない別になった部材(電力モジュール750等)の中に電池600が収容されるという点で有利なことである。よって、テンプルアーム702は、ほぼ電気配線のみが内部に含まれているため、
図16〜
図23に示すような電池600と接触するように外形が形成されたテンプルアーム602よりも、従来に近く直線状のテンプル部分とすることができる。
【0081】
図26〜
図29を参照すると、LED3012及び被覆3014を含む代替的なLEDアセンブリ3010が示されている。LED3012は、レンズ3016と、間隔をあけて配置された2つの電気リード線3018a及び3018bとを有している。レンズ3016は、成形プラスチックから形成されており、概ね円筒形の円筒状部分3016aと、レンズ3016の遠位端部の周りに延在する半球状部分3016bとを有している。円筒状部分3016aの中では、LEDは、ダイオード、照明チップ又は他の光源3016cを有している。被覆3014は、レンズ3016の少なくとも一部を囲む第1の部分3014aと、電気リード線3018a及び3018bの少なくとも一部を囲む第2の部分3014bとを有している。かかる構成の場合、被覆3014は、LEDリード線に対して支持部をもたらし、そして、好ましくは、LED3012が生成する光線を変形する。
【0082】
より具体的には、第1の被覆部分3014aは、LEDレンズ3016の一部、例えばレンズの円筒状部分3016aの周りに延在し、そして、それ故、第1の被覆部分3014aは、LED3012に前述の集光LED25(
図11及び
図11A)と同様に機能させて迷光の放射を集束する又は最小限にすることを可能にする。すなわち、被覆3014aは、形成された光錐を集中させる又は迷光の放射を最小限にするために、円筒状部分3016aの周囲を、ライトチップ(light chip)3016dを越えて所定の軸方向長さだけ延びている。所望とする集光の程度に応じて、被覆部分3014aは、ライトチップ3016dを越える又は越えない軸方向長さで延びていてもよい。一つの形態では、被覆部分3014aは全体として、レンズの円筒状部分3016aに沿って約3/16インチ(約16分の3インチ、約0.48センチメートル)から約1/4インチ(約4分の1インチ、約0.64センチメートル)までで延びる。
【0083】
第2の被覆部分3014bは、LEDリード線3018a及び3018bの周囲に延びており、LEDリード線に対して支持し且つ強度を与えている。好ましいのは、第2の被覆部分が、リード線に沿って約3/16インチから約1/4インチまでで延在することであるが、被覆及びLEDのサイズ、並びにLEDに必要な支持及び強度の所望の程度に応じた他の長さも、適している。第2の被覆部分3014bは、リード線3018a及び3018bにおける緊張を最小限にし、特に、リード線3018a、3018bとレンズ3016との間の接合部(interface)3020における緊張を最小限にする。従って、第2の被覆部分3014bが、各リード線3018a及び3018bを共に組み合わせてより剛性を有した協働のアセンブリ(cooperating assembly)にするため、第2の被覆部分3014bは、接合部3020で個々のリード線3018a及び3018bに屈曲、ねじれ及び他の損傷をより起こさせにくくする。他の電気デバイス(ラジオ、iPod等のMP3プレイヤー及び電話を挙げることができる)に電力を供給するために、太陽電池が用いられてもよい。
【0084】
被覆3014は、
図27〜
図29に示すようにLED3012の周囲にぴったりと(tightly)巻くことができる物であることが好ましい。例えば、被覆3014用の好適な物は、二軸延伸PVC(bi-axially oriented PVC)からなるチューブであり、このチューブは、熱を用いて被覆3014をシュリンクさせて巻き付ける(shrink wrap)ことによって、LED部分の周囲にぴったりと巻き付けられることができる。しかしながら、シュリンクでの巻き付け又は熱若しくは他の刺激を用いる他の機構によってLEDの周囲にぴったりと巻き付けることが可能な他の物も、被覆3014に適用可能である。
【0085】
当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、上述の実施形態に対して広範な変形、置換及び組合せを行うことができること、並びに、かかる変形、置換及び組合せは本発明の概念の範囲内にあると見なされることを認めるであろう。