【実施例】
【0084】
本発明は以下の実施例によってさらに明解になるであろう。
【0085】
実施例1
本実施例においては、金型キャビティに石英ガラススートを一工程で装填することにより、2つの集成光ファイバプリフォームを作製した。集成光ファイバプリフォームを形成するため、直径が1.9cmのガラスコアケーン及び2本の直径が約24mmの応力ロッドを直径が89mmで長さが610mmの金型キャビティを有するカーボン製金型内に配置した。本実施形態におけるガラスコアケーンの長さは金型の長さと同じである。
【0086】
金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にガラスコアケーンの末端を挿入することにより、ガラスコアケーンを金型キャビティ内に配置した。金型キャビティの下部に配置したラムの(軸外)内腔にそれぞれの応力ロッドの末端を挿入することにより、応力ロッドも金型キャビティ内に配置した。約930gの石英ガラススートを、ガラスコアケーンが石英ガラススートの中心に配置され、応力ロッドが軸外でコアロッドの比較的近くに配置されるように、金型キャビティに装填した。特定の光ファイバ構造を達成するため、金型の出発時構成におけるコアケーンの位置に対する応力ロッドの正確な位置は、固化中のスートの収縮率の測定値を用い、所望のファイバ構造から帰納的に計算することで決定することができる(すなわち、所望の構造から出発し、既知の収縮率を計算に入れることで、出発時の構造を決定する)。軸方向ロッドの存在が軸方向収縮を径方向収縮に対して抑制し得るから、軸方向スート−ガラス収縮及び径方向スート−ガラス収縮を測定することが必要になり得る。ロッドが1つのファイバ直径に沿って配列されていれば、直交する2つの径方向ファイバ寸法に沿う収縮率も異なるであろう。計算を完了するに必要な可調パラメータは、スートタップ密度、最終圧縮スート密度及び金型直径である。石英ガラススートを金型キャビティ内に装填した後、石英ガラススートの圧縮前密度を最大化するため、振動エネルギーを印加した。上部ラムをガラスコアケーン及び応力ロッドにかけて配置して金型キャビティに挿入した。本実施例においては、金型キャビティ内のガラスコアケーン及び応力ロッドの周りにラムエクステンションを挿入し、金型及びエクステンションを油圧プレス内に置いた。油圧プレスのプレスアームを上部ラムエクステンションに合わせて取付け、下部ラムエクステンションを油圧プレスの支持プレート上に置いた。約17〜19kHzの周波数で5kW増幅器のパワーの51%の振動エネルギーを金型に印加した。好ましい正確な共振周波数は、超音波変換器、導波路、クランプ及び金型の詳細に依存し、それぞれの仕様要素セットについて独立に最適化しなければならない。金型キャビティ内の定在波の確立を避けるため、40Hzの多重周波数掃引を0.026秒周期で振動エネルギーに適用した。
【0087】
スートを圧縮するため、プレスの上部ラムを下部ラムに向けて4.8mm/秒の速度で前進させた。金型をスート成形体に対して約2.4mm/秒の速度で滑らせ、よってスート成形体の中心に超音波源を維持することができた。スートの密度は、金型キャビティ内の上部ラムの位置の測定値、金型の諸元及びスートの重量に基づいて、圧縮工程を通して実時間で計算することができる。スートの密度の計算値が目標密度(本実施例においては0.8g/cm
3)から0.01g/cm
3の範囲に入ったときに、振動エネルギーを停止した。スートの密度の計算値が0.8g/cm
3の目標密度に達したときに油圧プレスのプレスアームの運動を停止させ、209ポンド(94.8kg)の静負荷だけをプレスの油圧ラインに残した。10分経過後に、静負荷を解放した。その後、集成光ファイバプリフォームを管状炉内に置き、ヘリウム/5%塩素を流して1000℃で一時間乾燥した。次いで集成光ファイバプリフォームを1200℃で1時間の予備焼結を行い、次いで、上述したように、固結させた。試料の直径変動は、固結光ファイバプリフォームの最小直径の約±10%未満であると推定される。
【0088】
実施例2
本実施例においては、金型キャビティ内の個別の領域に石英ガラススートを装填し、それぞれの領域を次の領域への装填の前に圧縮することで、集成光ファイバプリフォームを作製した。集成光ファイバを形成するため、直径が1.9cmのガラスコアケーン及び2本の直径が24mmの応力ロッドを直径が89mmで長さが610mmの金型キャビティを有するアルミニウム製組立金型内に配置した。組立金型は、それぞれが金型の周囲長の1/3づつをなす3つのパネルで構成され、金型材料の外周に機械加工でつくり込まれたボルトによって結合される。0.5mm厚の「テフロン」シートで金型キャビティを密着内張りした。本実施例におけるガラスコアケーン及び応力ロッドの長さは金型の長さと同じである。金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にガラスコアケーンの末端及び応力ロッドの末端を挿入することにより、ガラスコアケーン及び応力ロッドを金型キャビティ内に配置した。
【0089】
総計で1375gの石英ガラススートを以下の態様で金型(金型キャビティ)内に装填した。第1の領域の、275gの石英ガラススートを金型キャビティ内に装填し、手作業で0.55g/cm
3の密度まで圧縮して、金型の中央に配置した。第2の領域の、275gの石英ガラススートを金型キャビティの一端に装填し、第3の領域の、275gの石英ガラスシートを金型キャビティの他端に装填した。両端にラムを嵌め込み、手作業で0.47g/cm
3の密度まで圧縮して、金型キャビティの長さに沿って中央に寄せた。第4の領域の、275gの石英ガラススートを金型キャビティの一端に装填し、第5の領域の、275gの石英ガラスシートを金型キャビティの他端に装填した。両端にラムを嵌め込み、手作業で0.40g/cm
3の密度まで圧縮した。したがって、装填したスートは、第1の領域が、一方の側の第2の領域及び第4の領域と他方の側の第2の領域と第5の領域の間に配されるように、金型キャビティ内に配置される。
【0090】
その後、ガラスコアケーン及び応力ロッドにかけてラムを配置し、金型キャビティに挿入した。金型キャビティ内のガラスコアケーン及び応力ロッドの周りにラムエクステンションを挿入し、金型及びエクステンションを油圧プレス内に置いた。油圧プレスのプレスアームを上部ラムエクステンションに合わせて取付け、下部ラムエクステンションを油圧プレスの支持プレート上に置いた。
【0091】
スートを圧縮するため、プレスの上部ラムを下部ラムに向けて1.6mm/秒の速度で前進させた。金型をスート成形体に対して約0.8mm/秒の速度で滑らせ、よってスート成形体の中心に超音波源を維持することができた。スートの密度を、金型キャビティ内の上部ラムの位置の測定値、金型の諸元及びスートの重量に基づいて、圧縮工程を通して実時間で計算した。スートの密度の計算値が0.8g/cm
3の目標密度に達したときに油圧プレスのプレスアームの運動を停止させ、1300ポンド(589.7kg)の静負荷だけをプレスの油圧ラインに残した。60分経過後に、静負荷を解放した。次いで組立金型を分解し、得られた圧縮プリフォームを金型及び「テフロン」内張りから外した。次いでプリフォームをヘリウム雰囲気内で900℃まで漸次温度を上昇させて1〜3時間熱処理し、ある程度焼結されたプリフォームにした。次いで、上述したように、集成光ファイバプリフォームを固結させた。
【0092】
実施例3
図8Cに示される構造と同様の構造を有する単一偏波ファイバ及び/または偏波保存ファイバのような、光ファイバを作製するための光ファイバプリフォームを作製するため、金型装置内の3本のガラスロッド(コアロッド及び2本の応力ロッド)の位置を初めに計算した。本実施例においては、光ファイバを作製するため、タップ密度が0.6g/cm
3のスートから始めた。従前の実験では、スート密度が0.85g/cm
3の圧縮プリフォームは、軸方向に19%収縮し、径方向に29%収縮して固結することが示された。楕円形の金型キャビティ及びラムの構成で、ガラスロッドの非円対称な位置を(すなわち、楕円の一方の軸に沿い、他方の軸には沿わずに、配置されたロッドの位置を)補償することができる。得られる焼結プリフォームにおいて、コアケーン及び2本の応力ロッドを含む軸に沿っては、径方向プロファイルの35%だけが圧縮スートからのガラスであり、直交する直径ではガラスの89%が圧縮スートからのガラスである。(コア及び2本の応力ロッドがそれに沿って配置される)短軸が89mmであり、長軸が106mmの楕円形断面を有する金型キャビティに、固結中に0.85g/cm
3のスート密度までの圧縮後、及び29%の直線(径方向)収縮後、得られるプリフォームのそれぞれの軸が78mm直径まで収縮されて、得られるプリフォームの断面が円形になるように、それぞれの軸に沿ってガラススートが入れられるであろう。収縮率及び構造が変われば、最適な形状寸法を得るため、金型及びラムの構造の修正が必要になり得ることは当然である。
【0093】
本実施例の集成光ファイバプリフォームを形成するため、直径が8.7mmのガラスコアケーン及び2本の直径が約21mmの応力ロッドを、(短軸)径が89mmの断面が楕円形のアルミニウム製組立金型内に配置した。組立金型は、それぞれが金型の周囲長の1/3ずつをなす3つのパネルで構成され、金型材料の外周に機械加工でつくり込まれたボルトによって結合される。0.5mm厚の「テフロン」シートで金型キャビティを密着内張りした。本実施例におけるガラスコアケーン及び応力ロッドの長さは金型の長さと同じである。金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にガラスコアケーンの末端及び応力ロッドの末端を挿入することにより、ガラスコアケーン及び応力ロッドを金型キャビティ内に配置した。組立金型は、それぞれが金型の周囲長の1/3ずつをなす3つのパネルで構成され、金型材料の外周に機械加工でつくり込まれたボルトによって結合される。0.5mm厚の「テフロン」シートで金型キャビティを密着内張りした。本実施例におけるガラスコアケーン及び鋳型ロッドの長さは金型の長さと同じである。2つのラムは、楕円の中心にコアケーンのための開口または穴(例えば、内腔110,112)を有し、また楕円の短軸に沿う径上に鋳型ロッドのための21mm径の開口または穴(例えば、内腔110A,110B)も有する。金型キャビティの下部に配置されたラムの内腔にガラスコアケーンの末端及び応力ロッドの末端を挿入することによって、ガラスコアケーン及び応力ロッドを金型キャビティ内に配置した。
【0094】
タップ密度が0.6g/cm
3の石英ガラススートを、総計で2037g、金型に装填し、金型キャビティを約51cmの高さまで満たした。その後、ガラスコアケーン及び応力ロッドにかけてラムを配置し、金型キャビティに挿入した。金型キャビティ内のガラスコアケーン及び応力ロッドの周りにラムエクステンションを挿入し、金型及びエクステンションを油圧プレス内に置いた。油圧プレスのプレスアームを上部ラムエクステンションに合わせて取付け、下部ラムエクステンションを油圧プレスの支持プレート上に置いた。
【0095】
スートを圧縮するため、プレスの上部ラムを下部ラムに向けて1.6mm/秒の速度で前進させた。金型をスート成形体に対して約0.8mm/秒の速度で滑らせ、よってスート成形体の中心に超音波源を維持することができた。スートの密度を、金型キャビティ内の上部ラムの位置の測定値、金型の諸元及びスートの重量に基づいて、圧縮工程を通して実時間で計算した。スートの密度の計算値が0.85g/cm
3の目標密度に達したときに油圧プレスのプレスアームの運動を停止させた。60分経過後に、静負荷を解放した。次いで組立金型を分解し、得られた圧縮プリフォームを金型及び「テフロン」内張りから外した。次いでプリフォームをヘリウム雰囲気内で900℃まで漸次温度を上昇させて1〜3時間熱処理し、ある程度焼結されたプリフォームにした。次いで、上述したように、集成光ファイバプリフォームを固結させた。
【0096】
実施例4
本実施例においては、中心に置かれたコアケーン、及び2本の鋳型ロッドが入っている金型キャビティにシリカガラススートを装填することによって、集成光ファイバプリフォームを作製した。鋳型ロッドは、円筒形空孔を有する圧縮スートを得るため、圧縮工程後に取り外されることになっている。圧縮スートは次いで、円筒形穴を有する集成プリフォームを形成するため、固結される。さらに詳しくは、本実施形態の集成光ファイバプリフォームを形成するため、直径が19mmのガラスコアケーン及び2本の直径が24mmの「テフロン」でつくられた鋳型ロッドを直径が89mmで長さが610mmの金型キャビティを有するアルミニウム製組立金型内に配置した。組立金型は、それぞれが金型の周囲長の1/3ずつをなす3つのパネルで構成され、金型材料の外周に機械加工でつくり込まれたボルトによって結合される。0.5mm厚の「テフロン」シートで金型キャビティを密着内張りした。本実施例におけるガラスコアケーン及び鋳型ロッドの長さは金型の長さと同じである。金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にガラスコアケーンの末端及び鋳型ロッドの末端を挿入することにより、ガラスコアケーン及び鋳型ロッドを金型キャビティ内に配置した。
【0097】
総計で1540gの石英ガラススート(タップ密度=0.6g/cm
3)を金型に装填した。集成体に合わせてラム及びラムエクステンションを取付け、金型及びエクステンションを油圧プレス内に置いた。油圧プレスのプレスアームを上部ラムエクステンションに合わせて取付け、下部ラムエクステンションを油圧プレスの支持プレート上に置いた。
【0098】
スートを圧縮するため、プレスの上部ラムを下部ラムに向けて1.6mm/秒の速度で前進させた。金型をスート成形体に対して約0.8mm/秒の速度で滑らせ、よってスート成形体の中心に超音波源を維持することができた。スートの密度を、金型キャビティ内の上部ラムの位置の測定値、金型の諸元及びスートの重量に基づいて、圧縮工程を通して実時間で計算した。スートの密度の計算値が0.8g/cm
3の目標密度に達したときに油圧プレスのプレスアームの運動を停止させ、1300ポンド(589.7kg)の静負荷だけをプレスの油圧ラインに残した。60分経過後に、静負荷を解放した。次いで組立金型を分解し、得られた圧縮プリフォームを金型及び「テフロン」内張りから外した。スート成形体から鋳型ロッドを手作業で滑り出させることで、集成プリフォームから鋳型ロッドを静かに取り外すことができる。次いで、円筒形空孔を有するプリフォームをヘリウム雰囲気内で900℃まで漸次温度を上昇させて1〜3時間熱処理し、ある程度焼結されたプリフォームにした。最終構成の1つにおいて、円筒形空孔を有する光ファイバプリフォームを固結させて、円筒形空孔を有するガラス品にすることができる。
【0099】
実施例5
本実施例においては、金型キャビティに石英ガラススートを一工程で装填することにより、集成光ファイバプリフォームを作製した。集成光ファイバプリフォームを形成するため、直径が1.06cmのガラスコアケーン及びそれぞれの直径が1.5mmの6本の「テフロン」鋳型ロッドを直径が89mmで長さが610mmの金型キャビティを有するカーボン製金型内に配置した。ガラス質炭素コーティングで金型キャビティを内張りした。本実施形態におけるガラスコアケーンの長さは金型の長さと同じである。
【0100】
金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にガラスコアケーンの末端を挿入することによって、ガラスコアケーンを金型キャビティ内に配置した。金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にそれぞれの鋳型ロッドの末端を挿入することによって、6本の鋳型ロッドを金型キャビティ内に配置した。それぞれの鋳型ロッドのための穴は、上部ラム及び下部ラムのそれぞれを通るそれぞれの鋳型ロッドの自由な運動を可能にすべきである。鋳型ロッドの配置はラムにある、本実施例においては、(コアケーンの中心から測られた半径をもつ)円の周に沿って中心間隔が等しく1.5mmの、パターンによって固定される。タップ密度が0.6g/cm
3の石英ガラススートを約1470g、コアケーン及び6本の鋳型ロッドの垂直性を維持しながら、金型キャビティに装填した。石英ガラススートを金型キャビティ内に装填した後、石英ガラススートの圧縮前密度を最大化するため、金型本体に振動エネルギーを印加した。下部ラムと位置を合わせ、ロッドにねじれを全く与えないように注意しながら、ガラスコアケーン及び鋳型ロッドにかけて上部ラムを配置した。金型キャビティ内のガラスコアケーン及び鋳型ロッドの周りにラムエクステンションを挿入し、金型及びエクステンションを油圧プレス内に置いた。油圧プレスのプレスアームを上部ラムエクステンションに合わせて取付け、下部ラムエクステンションを油圧プレスの支持プレート上に置いた。約20kHzの周波数で5kW増幅器のパワーの51%の振動エネルギーを金型に印加した。金型キャビティ内の定在波の確立を避けるため、40Hzの多重周波数掃引を0.026秒周期で振動エネルギーに適用した。
【0101】
スートを圧縮するため、プレスの上部ラムを下部ラムに向けて1.6mm/秒の速度で前進させた。金型をスート成形体に対して約0.8mm/秒の速度で滑らせ、よってスート成形体の中心に超音波源を維持することができた。スートの密度は、金型キャビティ内の上部ラムの位置の測定値、金型の諸元及びスートの重量に基づいて、圧縮工程を通して実時間で計算することができる。スートの密度の計算値が目標密度(本実施例においては0.83g/cm
3)から0.01g/cm
3の範囲に入ったときに、振動エネルギーを停止した。スートの密度の計算値が0.83g/cm
3の目標密度に達したときに油圧プレスのプレスアームの運動を停止させ、209ポンド(94.8kg)の静負荷だけをプレスの油圧ラインに残した。10分経過後に、静負荷を解放した。必要であれば印加超音波エネルギーの助けを借りて、鋳型ロッドをスート成形体から引き出して、コアケーンを囲んで配列された、6つの穴を圧縮スートに残すことができる。その後、集成光ファイバプリフォームを管状炉内に置き、ヘリウム/5%塩素を流して1000℃で一時間乾燥した。次いで集成スートプリフォームをカーボン製金型から取り外すことができ、集成スートプリフォームは中心コアケーンに密着していた。次いでプリフォームを線引きして光ファイバにした。穴の配置は、穴の寸法及び数の様々な組合せを包含することができる。いくつかの実施形態において穴の総数は10より多く、また別の実施形態においては50より多く、また別の実施形態においては100より多い。このような構成をもって作製された光ファイバは、高屈曲ファイバ、フォトニック結晶ファイバ、高開口数ファイバ、無限単一モードファイバ、等を含む、様々なタイプに有用になり得るであろう。
【0102】
本発明にしたがう方法及び装置の別の実施形態例を示す、
図9〜14を次に参照する。
図9は、本発明のいくつかの実施形態にしたがって用いることができる装置(金型装置100)の部分側断面図を示す。本実施形態の金型装置100は硬質外壁102A及び可撓内壁102Bを有しており、可撓内壁102Bは装置の内部キャビティ108(すなわち金型キャビティ)を囲み、硬質外壁102と可撓内壁102Bの間の領域は環形キャビティ108Aを定める。本明細書において、「硬質」は可撓内壁102Bに比較すると剛性が高いことを意味し、「可撓」は硬質外壁102Aに比較すると撓み易いことを意味する。金型装置100の硬質外壁102Aは円筒形金型を形成するために円形断面を有することができ、あるいは断面は、特定の光ファイバ構造を達成するため、楕円形または六角形に、あるいは不整形にさえすることができる。
図9に示される実施形態において、可撓内壁102Bの両側の圧力はほぼ等しい。すなわち、環形キャビティ108A内の圧力は金型キャビティ(内部キャビティ)108内の圧力とほぼ等しい。本実施形態の装置100はさらに、下端(または下部)エンドキャップまたはラム104A及び上端(または上部)エンドキャップまたはラム106Aを有する。下端(または下部)エンドキャップ104A及び上端(または上部)エンドキャップ106Aはそれぞれ、(i)ガラスロッド(ガラスコアケーン)を受け入れて中心に配置するための、内腔112,110(図示せず)のような中心線穴、及び(ii)応力ロッド115A及び/または鋳型ロッド115Bを受け入れるための、少なくとも1つの、別の、中心を外して配置された穴(例えば,110A、112A)を有することが好ましい。上端エンドキャップ106A及び下端エンドキャップ104Aの軸外に配置された穴は、径方向圧縮(径方向加圧)中のガラスロッドまたは鋳型ロッドのコアロッドに向かう動き(例えば
図11を見よ)を可能にするように、半径に沿って長寸の方位が定められた、細長(例えば、楕円形の)スロットの形態にあることができる。例えば、楕円形スロットは、設計出発時配置における軸外ロッドの外径または寸法(例えば、応力ロッドまたは鋳型ロッドの直径)に対応する外半径(短寸)を有することができ、さらにロッドの曲りを防止するに十分な長さにエンドキャップの中心に向かって延びることができる。上端エンドキャップ106A及び下端エンドキャップ104Aはそれぞれ環形キャビティ108Aの上端及び下端において圧力封止を与えることが好ましく、それぞれが中心線穴及び/またはその他の穴を介する内部キャビティ108内の過分の空気の抜け出しを可能にすることも好ましい。エンドキャップに好ましい材料には、アルミニウムのような金属またはプラスチックがある。
【0103】
図9〜14の実施形態の円筒形硬質外壁102Aは、環形キャビティ108A内の最大正規動作圧力に、認め得る変形をおこさずに、耐えるための機械的強度を有するいずれかの材料で作製することができる。好ましい実施形態において、円筒形硬質外壁102Aはアルミニウムでつくられる。円筒形硬質外壁102Aに好ましい他の材料には、例えば、他の金属またはプラスチックがある。好ましい実施形態において、円筒形硬質外壁102Aはその軸長に沿って実質的に一様な直径を有する。別の実施形態において、円筒形硬質外壁102Aは、金型装置(装置100)の上端及び下端に存在し得る圧力差を打ち消すため、その軸長に沿って若干変化する直径を有する。円筒形硬質外壁102Aは一様円筒体で構成することができ、あるいは、端と端で結合された、2つ以上の円筒形セグメントで構成することができる。
【0104】
可撓内壁102Bは、環形キャビティ108A内の最大正規動作圧力にさらされたときに、塑性変形の問題をおこさずに径方向に内側に十分に弾性変形するに十分な弾性及び降伏強度を有するいずれかの材料で作製することができる。好ましい実施形態において、可撓内壁102Bは、Piercan USA, Inc.から入手できる標準エラストマー性ラテックスチューブのような、ラテックスでつくられたチューブである。可撓内壁102Bに好ましい他の材料には、例えば、ネオプレン、ブナ-N、ポリウレタンまたはシリコーンゴムがある。可撓内壁102Bは95〜7000psi(6.55×10
5〜4.83×10
7Pa)の引張り強さ及び200%〜800%の伸びを有することが好ましい。好ましい実施形態において、可撓内壁102Bは円筒形硬質外壁102Aに封止される。封止は、例えば、フラップ(図示せず)を円筒形硬質外壁102Aの外表面上に押し付けることによるか、あるいは接着剤で固定することによって、達成することができる。そのような実施形態においては、環形キャビティ108Aを加圧及び減圧するため、圧力印加ポイント及びバルブ(図示せず)を設けることができる。別の実施形態において、可撓内壁102Bは、円筒形硬質外壁102Aに嵌め込まれたコイル型袋で構成することができる。そのような実施形態において、コイル型袋と円筒形硬質外壁102Aの間の封止は必要ではない。
【0105】
図10に示されるように、環形キャビティ108Aは、空気またはその他の流体が環形キャビティ108Aからほとんど、またはほぼ完全に、除去されているように、減圧することができる。そのような減圧の結果、可撓内壁102Bは、
図10に示されるように、可撓内壁102Bの最大外径が硬質外壁102Aの内径にほぼ等しくなるように径方向に外側に弾性変形する。その間、環形キャビティ108Aの容積は減少し、内部キャビティ108の容積は増大する。
【0106】
図11に示されるように、固結ガラスロッド(ガラスコアケーン115)を装置100の内に、中心を合わせて、配置することができる。1本以上の固結ガラスロッド(応力ロッド115A)及び/または1本以上の鋳型ロッド115Bの内部キャビティ108内に(軸外)配置することができる。
図11に示されるように、環形キャビティ108Aは
図10及び11におけるように減圧される。ガラスロッド115(ガラスコアケーン)は、内部キャビティを貫通し、ガラスロッド115の上端及び下端が装置100から延び出すように、下端エンドキャップ104Aの中心線穴(図示せず)も貫通することができる。同様に、ガラスロッド115Aまたは鋳型ロッド115Bは、ロッド115A及び/または115Bの上端及び下端が装置100から延び出すように、内部キャビティを貫通し、下端エンドキャップ104Aも貫通することができる。必要に応じて、例えばフォームラバーでつくられた、プラグ117を金型キャビティ(本例では内部キャビティ108)の下端に配置することができる。プラグ117は、ガラスロッド115を受け入れる中心線穴117"及びガラスロッド115A及び/または、鋳型ロッド115Bを受け入れる、軸外穴112A"を有する。プラグ117が内部キャビティ108の下端に及びガラスロッド115の周りにきちんと嵌るように、プラグ117は硬質外壁102Aの内径とほぼ同じ直径を有することが好ましく、プラグの中心線穴117"はガラスロッド115のほぼ直径と同じかまたはそれより若干小さい直径を有することが好ましい。同様に、プラグ117が内部キャビティの底でガラスロッド115A及び/または鋳型ロッド115Bの周りにきちんと嵌るように、プラグ117の軸外穴112A"はガラスロッド115Aまたは鋳型ロッド115Bの直径より(少なくとも1つの断面において)ほぼ同じかまたはそれより若干小さい直径を有することが好ましい。プラグ117は、装置の底を通る、ばらのスートの抜け出しを防止するためにはたらくことができ、さらに圧縮スート体に丸められているかまたはテーパが付けられた末端を与えるためにはたらくことができる。例えば、
図11に示される実施形態は、径方向圧縮中のコアロッド115に向かうガラスロッド115Aの動きに備えるために、必要に応じて細長くされた穴110A、112Aをもつエンドキャップまたはラムを有する。
【0107】
図12に示されるように、キャビティ108内の、ガラスロッド115,応力ロッド115A(及び/または鋳型ロッド115B)と可撓内壁102Bの間に装置100の上端を通して(ガラススート190のような)微粒ガラス材料を装填するかまたは注ぎ込むことができる。
図12に示されるように、環形キャビティ108Aは
図11におけるように減圧される。
図12はガラススート190でほぼ半分満たされた内部キャビティ108を示すが、好ましい実施形態において、ガラススートは内部キャビティ108がほぼ満たされるまで内部キャビティ内に装填されるかまたは注ぎ込まれる。内部キャビティ108内へのガラススート190の装填または注ぎ込みに続いて、内部キャビティ108の上端の近くの、ガラススート190の上方で、ロッド115,115A及び/115Bの周りに、別のプラグ(図示せず)が配置される。内部キャビティ108は、内部キャビティ内へのガラススート190の装填に続いて減圧されることが好ましい。
【0108】
図13に示されるように、内部キャビティ108内に装填されたガラススート190は、硬質外壁102と可撓内壁102Bの間の環形キャビティ108Aに加圧流体を供給することによって圧縮される。好ましい実施形態において、上端エンドキャップ106Aが所定の位置に配置され、ねじ付ロッドを用いて下端エンドキャップ104と連結される。次に、環形キャビティ内の圧力が大気圧に比較して負圧から正圧に徐々に高くなるように、流体を環形キャビティ108Aに徐々に導入することができる。環形キャビティ108A内の圧力は、好ましくは50psi/分(3.45×10
5Pa/分)未満のレートで、さらに一層好ましくは、2〜20psi/分(1.38×10
4〜1.38×10
5Pa/分)のような、さらには5〜15psi/分(3.45×10
4〜1.03×10
5Pa/分)のような、20psi/分(1.38×10
5Pa/分)未満のレートで、高められる。環形キャビティ108A内の加圧流体の圧力が益々高いゲージ圧に徐々に高まるにつれて、可撓内壁102Bがガラススート190に対して径方向の内側に弾性変形し(環形キャビティ108Aの容積を徐々に増大させ、内部キャビティ108の容積を徐々に減少させ)、ガラススート190はロッド115に向けて、またロッド115A、115Bの周りに、径方向に内側に圧縮される。環形キャビティ108A内の加圧流体の圧力は、あらかじめ定められた最高値に達するまで高められる。圧力はあらかじめ定められた時間この値に保持されることもされないこともあり得る。あらかじめ定められた時間保持される場合、圧力は、例えば、約5分間を含む、1分間〜10分間のような、少なくとも1分間保持され得る。
【0109】
好ましい実施形態において、ガラススート圧縮工程中、加圧流体は、ゲージ圧で、50〜200psi(3.45×10
5〜1.38×10
6Pa)、さらには75〜150psi(5.17×10
5〜1.03×10
6Pa)のような、25psi(1.72×10
5Pa)から250psi(1.72×10
6Pa)までの最高圧力を有する。加圧流体の例には、空気、不活性気体(例えば、窒素)、水及び油がある。特に好ましい加圧流体は空気である。好ましい実施形態において、ガラススート圧縮工程中、内部キャビティ108の温度は、20℃から40℃のような、50℃未満であり、さらに一層好ましくは室温(すなわち、20℃と25℃の間)である。
【0110】
スートが十分に圧縮された後、
図14に示されるように、環形キャビティ108Aが
図10におけるように減圧されるように(環形キャビティ108A内の圧力が内部キャビティ108内の圧力より低くなるように)環形キャビティ108A内の加圧流体を放出することができる。環形キャビティ108A内の圧力は、好ましくは50psi/分(3.45×10
5Pa/分)未満のレートで、さらに一層好ましくは2〜20psi/分(1.38×10
4〜1.38×10
5Pa/分)のような、さらには5〜15psi/分(3.45×10
4〜1.03×10
5Pa/分)のような、20psi/分(1.38×10
5Pa/分)未満のレートで、減じられる。環形キャビティ108A内の圧力が徐々に低下するにつれて、圧縮されたガラススート190の外径と可撓内壁102Bの間に環形空隙122が存在するように、可撓内壁102Bは圧縮されたガラススート190から離れて径方向に外側に変形する(環形キャビティ108Aの容積を徐々に減少させ、内部キャビティ108の容積を徐々に増大させる)。
【0111】
環形キャビティ108Aの減圧に続いて、その一例が
図15に示される、集成圧縮スート/ケーン、すなわち多孔質プリフォーム200を、線上及び固結のために、装置から容易に取り外すことができる。
【0112】
別の実施形態において、径方向に内側に向かう圧力は、円筒形態に巻かれた食違い櫛形歯を有するシートを内壁として用いることにより、微粒ガラススートに対して印加することができる。そのようなシートの一例が
図16A及び16Bに示され、
図16Aにおいてシートはほどかれた位置で示され、
図16Bにおいてシートは巻かれた位置で示される。シート180は、
図16Aに示されるように、それぞれの縁辺に複数の食違い櫛形歯182及び複数のスロット184を有する。巻かれた位置において、
図16Bに示されるように、シートのそれぞれの端辺からの食違い櫛形歯182はシート180の対向する端辺のスロット184に延び込み、よってシートの対向する端辺からの食違い櫛形歯182は対向方向に延びる。次いで、心出しチャック(図示せず)の心出し穴に中心を合わせることができるガラスロッド115の周りを取り囲んで、巻かれたシートを配置することができる。次いで、巻かれたシート150とロッド115,115A及び/または115Bの間の環形キャビティ内に微粒ガラススートを装填するかまたは注ぎ込むことができ、その後、巻かれたシートの直径を減少させて微粒ガラススートに対して径方向に内向きの圧力を印加するため、対向方向に延びる食違い櫛形歯のそれぞれをそれぞれ対向する方向に引っ張ることができる。
【0113】
好ましい実施形態において、ガラスロッド115はコアケーンである。別の好ましい実施形態において、ガラスロッド115は多孔質スートクラッド層で囲まれたコアケーンである。
【0114】
好ましい実施形態において、ガラスロッドに対して圧縮された微粒ガラス材料の密度が、少なくとも0.5g/cm
3,例えば0.6〜1.2g/cm
3,あるいは0.8〜1.0g/cm
3,例えば約0.9g/cm
3である、多孔質プリフォームが提供され得る。ガラスロッドに対して圧縮された微粒ガラス材料の密度は主として微粒ガラス材料圧縮工程中に印加される最高圧力の関数である。一般に、微粒ガラス材料圧縮工程中に印加される最高圧力が高くなるほど、材料の密度が高くなり、したがって多孔質プリフォームの総合密度が高くなる。本明細書に開示される方法を用いれば、例えば、密度が少なくとも0.6g/cm
3の多孔質プリフォームを、ゲージ圧で、少なくとも50psi(3.45×10
5Pa)の最高圧力を用いて作製することができ、密度が少なくとも0.7g/cm
3の多孔質プリフォームを。ゲージ圧で、少なくとも100psi(6.89×10
5Pa)の最高圧力を用いて作製することができ、密度が少なくとも0.8g/cm
3の多孔質プリフォームを、ゲージ圧で、少なくとも150psi(1.03×10
6Pa)の最高圧力を用いて作製することができ、密度が少なくとも0.9g/cm
3の多孔質プリフォームを、ゲージ圧で、少なくとも200psi(1.38×10
6Pa)の最高圧力を用いて作製できる。
【0115】
好ましい実施形態において、多孔質プリフォームは軸方向に実質的に一様な直径を有する。プリフォームの軸長に沿う最小直径はプリフォームの軸長に沿う最大直径の少なくとも90%であることが好ましい。プリフォームの軸長に沿う最小直径はプリフォームの軸長に沿う最大直径の少なくとも95%であることがさらに一層好ましい。
【0116】
本明細書に開示される実施形態にしたがって作製された多孔質プリフォームは、標準の固結装置及びプロセスを用いて固結してガラスブランク(すなわち、固結ガラスプリフォーム)にすることができ、次いで標準の線引き装置及びプロセスを用いて線引きして光ファイバにすることができる。多孔質プリフォームのケーンを囲む圧縮スートは、多孔質プリフォームが、固結され、線引きされて光ファイバにされると、オーバークラッドの総重量の少なくとも35%が、さらには少なくとも40%が、さらには少なくとも50%さえもが圧縮スートを基にするような、オーバークラッドを最終的に形成するであろう。固結されてガラスブランクにされると、本明細書に開示される実施形態のいくつかにしたがって作製された多孔質プリフォームは、ブランクの軸長に沿う、クラッドの外径に対するコアの外径の最小比(すなわち、最小コア/クラッド比)がクラッドの外径に対するコアの外径の最大比(すなわち、最大コア/クラッド比)の少なくとも98%であるような、固結ブランクになることができる。
【0117】
コアケーン115及び/またはロッド115A、115Bへのスートの密着強さは、装置をスートで満たす前に、(例えば絹布でこすることによって)コアケーン及び/またはロッド上に静電荷を生じさせることで向上させることができる。コアケーンの下端は、必要に応じて、圧縮スートからコアケーンへの密着強度が比較的低い場合に圧縮スートがコアケーンをすり抜けることを防止するため、コアケーンの残り部分よりも直径が若干大きくなるようにすることができる。例えば、コアケーンの上端がケーンの下端より約1%小さい直径を有するような大きさのテーパを、ケーンの長さに沿う勾配を一様にして、かけることができる。ガラスケーンと圧縮スート体の間の密着が弱い場合、テーパがブランクに対する支持を与え、縦ハンドリングを可能にする。同様にして、(コアケーンの大径端とは逆に)上端に大径端が配されたテーパ付ロッドを与えることにより、応力ロッドをスート体に一層良く取り付けることができる。ケーンの表面は、研削またはエッチングによるか、あるいはOVD(外付けプロセス)により薄いスート層を施すことで、粗くすることができるであろう。
【0118】
以下の実施例は光ファイバプリフォームのクラッド部を作製するために微粒ガラス材料を圧縮するため、金型キャビティの中心方向に内側に向けられる、径方向圧力を用いる方法及び装置を説明する。
【0119】
実施例6
硬質円筒外壁及び可撓内壁を有する装置を用いて光ファイバプリフォームを作製した。硬質円筒外壁は、内径4インチ(101.6mm)、長さ18インチ(457.2mm)、壁厚1/4インチ(6.35mm)のアルミニウムで作製した。可撓内壁は力が印加されていない状態で直径が約2.5インチ(63.5mm)のラテックスゴムチューブである。アルミニウム円筒の上端及び下端をラテックスゴムチューブの上端及び下端で覆い包んだ。装置はさらにアルミニウム製の上端エンドキャップ及び下端エンドキャップを有し、それぞれのエンドキャップは約1インチ(25.4mm)の厚さを有し、(i)コアケーンを受け入れるための中心穴、(ii)2本の応力ロッド115Aを受け入れるための2つの軸外穴及び(iii)ねじ付ロッドを受け入れるための4つの周辺穴を有する。
【0120】
可撓内壁と硬質外壁の間の空気は、可撓内壁の外径が硬質外壁の内径と本質的に同じになるように、実質的に除去される。次いで、外径が硬質円筒の内径とほぼ同じ、1インチ(25.4mm)厚の連続気泡シリコーンフォームラバー製プラグが、円筒の底と共面になるように、キャビティに挿入される。次いで、円筒の底がアルミニウム製エンドキャップ及びバイトン製Oリングで封止される。(軸外配置)応力ロッドの動きを受容するため、本例の装置のアルミニウム製エンドキャップはスロット(細長)穴を有する。これらの細長穴(例えば、内腔110A,112A)はガラスロッドが嵌り得るに十分な幅を有し、金型キャビティの中心に向けて径方向に(長軸が)合わせられる。細長穴の目的は、スート充填工程中の、ガラスロッド(例えば、コアケーン、応力ロッド)の、スロットの外端への配置及び、次いで、スートが径方向に圧縮されている間の中心線に向かう横移動を可能にすることである。本実施例において、スロット穴または細長穴は幅が2.1cmであり、その外端は金型キャビティの中心から4.2cmにあり、スロット穴の内端は金型キャビティの中心から1.7cmにある(これにより、直径が2.1cmの応力ロッドについて、スート圧縮中に金型の中心に向かう4mmの移動が可能になる)。直径10mmの石英ガラスコアケーンを、下端プラグの中心にある穴に下端を挿入して、金型キャビティ内に配置した。例えば既知の心出し具/機構または方法を利用することによって、例えばPTFEでつくられた一次ディスク(すなわち、スートの全てがキャビティ内に入ると、ディスクは外される)を用いることによって、コアケーンの上端を中心に保つことができる。次いで、2本の直径が21mmのホウ素ドープ石英ガラスロッドを、下端プラグの軸外配置スロット穴にそれぞれの下端を挿入して、キャビティ内部に配置した。ホウ素ドープ石英ガラス応力ロッドはスロット穴の外端に隣接させてある。応力ロッドの上端は既知の心出し具/機構または方法のいずれかを用いることによって適切な位置に保たれる。OVDプロセスからの、タップ密度が0.6g/cm
3の、廃シリカスートを、スートの安定した圧縮を保証するため硬質円筒の側面を時折軽く叩きながら、キャビティ内に装填した。円筒の上端から下に約1インチ(25.4mm)のレベルにスートが達したときに、心合わせ治具を取り外し、第2のシリコーンフォームラバー製プラグを所定の場所に滑り込ませた。円筒の上端を、例えば、第1のアルミニウム製エンドキャップ及びバイトン製Oリングで封止した。上部アルミニウム製エンドキャップは下端エンドキャップと同じスロット及び穴の配置を有し、圧縮(または圧力印加)工程を通して、軸外配置ガラスロッドの径方向移動が中心に配置されたガラスコアケーンとの平行を維持するように、下部プレートと位置を慎重に合わせて嵌め込まれることが好ましい。上端及び下端のエンドキャップは、ねじ付ロッドでそれぞれを相互に連結し、蝶ナットで締め付けることによって、円筒の両端上に確実に固定した。次いで、可撓壁と硬質壁の間の空間を、圧縮空気シリンダーを用い、10分かけて、ゲージ圧で、150psi(1.03×10
6Pa)まで加圧することができた。圧力をほぼ5分間、150psiのゲージ圧に維持した。次いで内部キャビティを大気圧に戻した。次いで円筒の側面上のバルブを通し、10分かけて環形キャビティから圧気を流し出した。次いで上端エンドキャップを取り外し、上端のフォームラバー製プラグ及びスートプリフォームを取り外すに十分に可撓壁の直径が大きくなるように、環形キャビティ内の空気をポンプで排出した。得られたスートプリフォームの直径は約89mmで、密度は約0.8g/cm
3であった。
【0121】
スートプリフォームを管状炉内で、5℃/分のレートで、初めに、有機汚染物を除去するために500sccm(標準状態流量:500cm
3/分)の酸素流内で室温から800℃まであげて加熱し、次いで、金属汚染物を除去するために500sccmのヘリウム/5%塩素混合気流内で800℃から1200℃まで上げて加熱した。清浄化されたプリフォームを次いで縦型降下炉内で固結した。例えば、炉は、1000℃において、10%酸素で1時間パージし、次いで5%塩素で1時間パージすることができ、その後、プリフォームを、ヘリウム内で10mm/分で移動させながら温度を1000℃から1430℃まで上げ、次いで1.5mm/分で移動させながら1430℃から1466℃のピーク温度まで上げ、次いで1430℃まで戻すことによって、完全に焼結することができた。
【0122】
実施例7
本実施例は実施例6と同様であるが、2本の固結ホウ素ドープガラスロッドの代わりに2本の直径が21mmのアルミニウム製鋳型ロッドを、それぞれの下端を下端プラグの軸外配置穴に挿入して、キャビティ内部に配置した。鋳型ロッドの上端は、例えばPTFEでつくられた一次ディスクを用いて、中心を合わせておくことができる(すなわち、ロッドの中心を結ぶ直線がコアロッドの中心と交差するように、ロッドが適切な場所に維持される)。次いで上端エンドキャップを取り外し、上端のフォームラバー製プラグ及びスートプリフォームを取り外すに十分に可撓壁の直径が大きくなるように環形キャビティ内の空気をポンプで排出した。得られたスートプリフォームの直径は約89mmであった。2本の鋳型ロッドを圧縮スート(スート成形体)から慎重に引き出して、スート内に2つの直径が21mmの空気穴を残すことができ、スート密度は約0.8g/cm
3であった。
【0123】
スートプリフォームを管状炉内で、5℃/分のレートで、初めに、有機汚染物を除去するために500sccmの酸素流内で室温から800℃まで上げて加熱し、次いで、金属汚染物を除去するために500sccmのヘリウム/5%塩素混合気流内で800℃から1200℃まで上げて加熱した。清浄化されたプリフォームを次いで縦型降下炉内で固結した。例えば、炉は、1000℃において、10%酸素で1時間パージし、次いで5%塩素で1時間パージすることができ、その後、プリフォームを、ヘリウム内で10mm/分で移動させながら温度を1000℃から1430℃まで上げ、次いで1.5mm/分で移動させながら1430℃から1466℃のピーク温度まで上げ、次いで1430℃まで戻すことによって、完全に焼結し、中央コアケーンの周りに2つの円筒形空気穴が配置された固結ガラス品(プリフォーム)を得ることができた。円筒形空気穴をホウ素ドームシリカ粉末またはホウ素ドープガラスロッドで埋めることで、このプリフォームをさらに改変することができる。ホウ素ドープシリカ粉末またはホウ素ドープシリカ(応力)ロッドを有する焼結プリフォームを、ホウ素ドープスートが焼結する(またはホウ素ドープシリカ(応力)ロッドが周囲の石英ガラスに恒久的に結合する)に十分な時間、例えば1400℃〜1500℃のピーク温度まで加熱することによって、再焼結した。例えば、ホウ素ドープシリカ粉末を有する焼結プリフォームを、10mm/分で移動させながら温度を1000℃から1430℃まで上げ、次いで1.5mm/分で移動させながら1430℃から1466℃のピーク温度まで上げ、次いで1430℃まで戻すことで再焼結して、焼結プリフォーム内部のホウ素ドープシリカ粉末(スート)を完全に焼結した。
【0124】
Cu,Ag,Au,W及びGaのような金属、あるいはSi
3N
4またはSi
3N
4/SiCのような半導体を含む、別の材料組成を円筒形空気穴に充填して、ファイバプリフォームに形成できることが分かった。
【0125】
実施例8
本実施例は実施例6と同様であるが、本実施例では、2本の固結ホウ素ドープガラスロッドの代わりに2本の直径が21mmのアルミニウム製鋳型ロッドを、それぞれの下端を下端プラグの軸外配置穴に挿入して、キャビティ内部に配置した。
【0126】
鋳型ロッドの上端を、既知のいずれかの機構または方法を用いることによって、(鋳型ロッドの中心を結ぶ直線がコアロッドの中心と交差するように)適切な場所に保った。次いで上端エンドキャップを取り外し、上端のフォームラバー製プラグ及びスートプリフォームを取り外すに十分に可撓壁の直径が大きくなるように環形キャビティ内の空気をポンプで排出した。得られた集成スートプリフォームの直径は約89mmであった。2本の鋳型ロッドを集成ブランクから慎重に引き出して、圧縮スートで囲まれた2つの直径が21mmの空気穴を残すことができ、スート密度は約0.8g/cm
3であった。空気穴は微粒ガラス、例えばホウ素ドープガラス粉末で充填することができる。好ましくは、粉末は圧縮スートの密度に等しいタップ密度を有するべきである。空気穴の底にテーパ付ガラス製プラグを嵌め込み、ホウ素ドープガラス粉末を空気穴に充填することができる。別の構成において、初めに直径が21mmより若干小さい薄壁シリカチューブを空気穴に嵌め込み、次いでシリカチューブに栓をして、ホウ素ドープガラス粉末を充填することができる。
【0127】
ガラス粉末またはガラス粉末を充填したシリカチューブを有する集成スートプリフォームを、管状炉内で、5℃/分のレートで、初めに、有機汚染物を除去するために500sccmの酸素流内で室温から800℃まで上げて加熱し、次いで、金属汚染物を除去するために500sccmのヘリウム/5%塩素混合気流内で800℃から1200℃まで上げて加熱した。清浄化されたプリフォームを次いで縦型降下炉内で固結した。例えば、炉は、1000℃において、10%酸素で1時間パージし、次いで5%塩素で1時間パージすることができ、その後、プリフォームを、ヘリウム内で10mm/分で移動させながら温度を1000℃から1430℃まで上げ、次いで1.5mm/分で移動させながら1430℃から1466℃のピーク温度まで上げ、次いで1430℃まで戻すことによって、完全に焼結することができた。
【0128】
ホウ素ドープスートは、圧縮スートともに固結し、2本の鋳型ロッドの取り外しによって形成された2つの空気穴領域を埋める。
【0129】
実施例9
本実施例は実施例6と同様であるが、本実施例では、2本の固結ホウ素ドープガラスロッドの代わりに4本の直径が21mmの固結コアロッド(またはコアケーン)115を、それぞれの下端を下端プラグの中心を外して配置された穴に挿入して、キャビティ内部に配置した。スートプリフォームの内部キャビティからの取外し後、得られたスートプリフォームの直径は約89mmで、密度は約0.8g/cm
3であった。
【0130】
次いで、複数本のコアロッドを有するスートプリフォームを、管状炉内で、5℃/分のレートで、初めに、有機汚染物を除去するために500sccmの酸素流内で室温から800℃まで上げて加熱し、次いで、金属汚染物を除去するために500sccmのヘリウム/5%塩素混合気流内で800℃から1200℃まで上げて加熱した。清浄化された複数本のコアロッドを有するプリフォームを次いで縦型降下炉内で固結した。例えば、炉は、1000℃において、10%酸素で1時間パージし、次いで5%塩素で1時間パージすることができ、その後、プリフォームを、ヘリウム内で10mm/分で移動させながら温度を1000℃から1430℃まで上げ、次いで1.5mm/分で移動させながら1430℃から1466℃のピーク温度まで上げ、次いで1430℃まで戻すことによって、完全に焼結することができた。
【0131】
実施例10
本実施例は実施例9と同様であるが、数本の固結ガラスロッド、例えば、4本の直径が10mmの固結コアケーン115が、断面が長方形の金型キャビティ108'の内部に配置される。それぞれのコアケーンの中心が同一直線上にあることが好ましい。さらに詳しくは、本実施形態において、長方形金型本体102'は、深さが4cmで幅が10cmの金型キャビティ108'を有する。
図17Aに示されるように、本実施形態の金型キャビティ108'は、3つの固定硬壁108'
S、ラテックスまたはシリコーンゴムのような、可撓膜でつくられた第4の(可撓)壁108'
F及び、下端プラグ及び上端プラグ108'
P(図示せず)を有する。コアケーン115の下端は下端プラグに中心を外して配置された受入れ穴に挿入される。本実施例におけるガラスコアケーン115の長さは、金型キャビティ108'の長さと同じかまたはそれより若干長い。
【0132】
金型キャビティにスート190を装填し、可撓壁108'
Fを介してスートに圧力Pを印加した。金型キャビティの形状寸法の結果として、複数本のコアケーンを有する圧縮スートプリフォームの幅は固定され、10cmに等しい。次いで圧縮スートプリフォームを金型キャビティから取り外した。得られたスートプリフォームはほぼ長方形であり、密度は約0.8〜0.85g/cm
3であった。次いで複数本のコアケーンを有する圧縮スートプリフォームを、金属汚染物を除去するため、実施例9に開示したように加熱した。次いで、清浄化された複数本のコアケーンを有するプリフォームを縦型降下炉内で固結し、複数本のコアを有する光ファイバの作製に、または複数コアリボンを作製するために、用いることができた。
【0133】
実施例11
本実施形態は実施形態10と同様であり、数本の固結ガラスロッド、例えば、4本の直径が21mmの固結コアロッド(またはコアケーン)115が、断面が長方形の金型キャビティの内部に配置される。それぞれのコアケーンの中心が同一直線上にあることが好ましい。さらに詳しくは、本実施形態において、長方形金型本体102'は、深さが4cmで長さが10cmの金型キャビティ108'を有する。
図17Bに示されるように、本実施形態の金型キャビティ108'は、1つの固定(剛)硬壁108'
S及び、ラテックスまたはシリコーンゴムのような、可撓膜でつくられた3つの(可撓)壁108'
Fを有し、2つのプラグ108'
P(図示せず)も有する。コアケーン115の下端は下端プラグ(図示せず)に中心を外して配置された受入れ穴に挿入される。本実施例におけるガラスコアケーン115の長さは、金型キャビティ108'の長さと同じかまたはそれより若干長い。
【0134】
金型キャビティにスート190を装填し、3つの可撓壁108'
Fを介してスートに圧力Pを印加した。さらに詳しくは、コアケーンを囲むスート成形体198を形成するため、スート圧縮中に3つの壁に均等に圧力Pが印加され、第4の壁108'
Sが堅固な平表面を提供する。金型キャビティの形状寸法の結果として、得られた集成プリフォームの断面形状寸法は初期キャビティ形状寸法と同様であり、同様の1×2のアスペクト比を有する。圧縮スートプリフォームの内部キャビティからの取外し後、得られたスートプリフォームの幅は約6cmで、密度は約0.85g/cm
3であった。
【0135】
次いで圧縮スートプリフォームを金型キャビティから取り出した。次いで、複数本のコアロッドを有するスートプリフォームを、金属汚染物を除去するため、実施例10に開示されるように加熱した。次いで、清浄化された複数本のコアロッドを有するプリフォームを縦型降下炉内で固結し、複数本のコアを有する光ファイバの作製に、または複数コアリボンを作製するために、用いることができた。
【0136】
実施例12
本実施例は実施例10と同様であり、数本の固結ガラスロッド、例えば、4本の直径が10mmの固結コアロッド(またはコアケーン)115が、断面が長方形のキャビティの内部に配置される。それぞれのコアケーン115の中心が同一直線上にあることが好ましい。さらに詳しくは、本実施形態において、長方形金型本体102'は、深さが4cmで幅が10cmの金型キャビティ108'を有する。
図17Cに示されるように、本実施例の金型キャビティ108'は、3つの固定(硬)壁108'
S及び第4の、硬いが、可動の壁108'
Mを有する。壁108'
Mは移動することができ、金型キャビティ内に置かれたスートに圧力を印加するピストンとして用いることができる。スート圧縮中は、壁108'
Mだけが移動し、他の3つの壁は固定されたままである。圧縮が進むと、得られるスートプリフォームの形状寸法は、一辺の寸法(幅)が10cmに等しい、長方形に近づく。圧縮スートプリフォームの内部キャビティからの取外し後、得られたスートプリフォームの厚さは約25mmで、密度は約0.8g/cm
3であった。圧縮スートプリフォームの圧縮後処理は実施例10及び11の圧縮後処理と同様に行うことができた。
【0137】
実施例13
本実施例は実施例1と同様であるが、2本の応力ロッドの代わりに、本実施例においては別の2本の直径が1.9cmの固結コアロッド(またはコアケーン)115をキャビティの内部に配置した。本実施例では、石英ガラススートを一工程で金型キャビティに装填することによって2つの集成光ファイバプリフォームを作製した。集成光ファイバプリフォームを作製するため、直径が89mmで長さが610mmの金型キャビティを有するカーボン製金型内に3本のコアケーンを配置した。ガラス状カーボンコーティングで金型キャビティを内張した。本実施例においてガラスコアの長さは金型の長さと同じである。
【0138】
金型キャビティの下部に配置したラムの内腔にガラスコアケーンの内の1本の末端を挿入することにより、ガラスコアケーンを金型キャビティ内に配置した。他のコアケーンを、金型キャビティの下部に配置したラムの(軸外)内腔にそれぞれのコアケーンの末端を挿入することにより、金型キャビティ内に配置した。約930gの石英ガラススートを、1本のガラスコアケーンが石英ガラススートの中心に配置され、他の2本のコアケーンが軸外でコアロッドの比較的近くに、配置されるように、金型キャビティに装填した。3本のコアケーンの中心が同一直線上にあることが好ましい。スート圧縮において軸方向ロッドの存在が軸方向収縮を径方向収縮に対して抑制し得るから、軸方向スート−ガラス収縮及び径方向スート−ガラス収縮を測定することが必要になり得る。複数本のロッドが1つのファイバ直径に沿って配列されていれば、直交する2つの径方向ファイバ寸法に沿う収縮率も異なるであろう。計算を完了するに必要な可調パラメータは、スートタップ密度、最終圧縮スート密度及び金型直径である。石英ガラススートを金型キャビティ内に装填した後、石英ガラススートの圧縮前密度を最大化するため、振動エネルギーを金型本体に印加した。上部ラムを3本のガラスコアケーンにかけて配置し、金型キャビティに挿入した。本実施例においては、金型キャビティ内のガラスコアケーンの周りにラムエクステンションを挿入し、金型及びエクステンションを油圧プレス内に置いた。油圧プレスのプレスアームを上部ラムエクステンションに合わせて取付け、下部ラムエクステンションを油圧プレスの支持プレート上に置いた。約17〜19kHzの周波数で5kW増幅器のパワーの51%の振動エネルギーを金型に印加した。好ましい正確な共振周波数は、超音波変換器、導波路、クランプ及び金型の詳細に依存し、特定の要素セットのそれぞれに対して独立に最適化しなければならない。金型キャビティ内の定在波の確立を避けるため、40Hzの多重周波数掃引を0.026秒周期で振動エネルギーに適用した。
【0139】
スートを圧縮するため、プレスの上部ラムを下部ラムに向けて4.8mm/秒の速度で前進させた。金型をスート成形体に対して約2.4mm/秒の速度で滑らせ、よってスート成形体の中心に超音波源を維持することができた。スートの密度は、金型キャビティ内の上部ラムの位置の測定値、金型の諸元及びスートの重量に基づいて、圧縮工程を通して実時間で計算することができる。スートの密度の計算値が目標密度(本実施例においては0.8g/cm
3)から0.01g/cm
3の範囲に入ったときに、振動エネルギーを停止した。スートの密度の計算値が0.8g/cm
3の目標密度に達したときに油圧プレスのプレスアームの運動を停止させ、209ポンド(94.8kg)の静負荷だけをプレスの油圧ラインに残した。10分経過後に、静負荷を解放した。その後、集成光ファイバプリフォームを管状炉内に置き、ヘリウム/5%塩素を流して1000℃で一時間乾燥した。本実施例における複数本のコアロッドを有する集成光ファイバプリフォームは、1200℃で1時間の予備焼結を行い、次いで、上述したように、固結させることが好ましい。
【0140】
本発明の精神及び範囲を逸脱することなく本発明に様々な改変及び変形がなされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の改変及び変形が添付される特許請求項及びそれらの等価形態の範囲内に入れば、本発明はそのような改変及び変形を包含するとされる。