(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715178
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】電子メールシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20150416BHJP
H04L 12/58 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
G06F13/00 610A
H04L12/58 100F
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-81369(P2013-81369)
(22)【出願日】2013年4月9日
(65)【公開番号】特開2014-203394(P2014-203394A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2014年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】398014159
【氏名又は名称】株式会社インターリンク
(74)【代理人】
【識別番号】100088214
【弁理士】
【氏名又は名称】生田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134588
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】菅野 伸彦
【審査官】
保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−282579(JP,A)
【文献】
特開2006−185094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H04L12/00−12/26
12/50−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信者から受信者への電子メールの処理を行う電子メールシステムであって,
前記電子メールシステムは,
前記送信者が利用する送信者端末と,第1の送信メールサーバと,第2の送信メールサーバと,を有しており,
前記送信者端末は,
前記電子メールの送信者が利用する送信者端末においてトリガとなる操作を検出するトリガ検出処理部と,
前記トリガを検出すると,前記電子メールが所定の条件を充足するかを判定する条件判定処理部と,
前記条件判定処理部における判定結果に基づき,第1のポート番号を介して前記第1の送信メールサーバへの送信処理,または第2のポート番号を介して前記第2の送信メールサーバへの送信処理を切り替えて,前記電子メールを送信するメール処理部と,を有しており,
前記第1の送信メールサーバは,
前記送信者端末から受け取った電子メールを,前記受信者の受信メールサーバにそのまま送信し,
前記第2の送信メールサーバは,
前記送信者端末から前記電子メールを受け付けると前記電子メールの送信処理を保留するメール受付処理部と,
前記電子メールの送信処理の保留の解除後,前記電子メールを前記受信メールサーバに送るメール送信処理部と,を有する,
ことを特徴とする電子メールシステム。
【請求項2】
前記メール受付処理部は,
前記電子メールの送信処理の保留中に,前記送信者端末から前記電子メールの取消要求を受け付けると,前記電子メールを前記第2の送信メールサーバから削除する,
ことを特徴とする請求項1に記載の電子メールシステム。
【請求項3】
前記送信者端末は,
前記電子メールを送信するか否かの確認操作を受け付け,その操作に対応する要求を前記第2の送信メールサーバに対して送る確認操作受付処理部,を有しており,
前記メール受付処理部は,
前記送信者端末から前記電子メールを受け付けて前記電子メールの送信処理を保留し,設定された確認時間の経過後,前記送信者端末に対して前記電子メールの送信処理に対する確認メッセージを表示させ,前記電子メールを送信するか否かの確認操作を促す,
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子メールシステム。
【請求項4】
前記メール受付処理部は,
前記確認メッセージに対応する前記電子メールの送信要求を受け付けた,または前記確認メッセージに対応する前記電子メールの取消要求を所定時間内に受け付けない場合には,前記受け付けた電子メールを,前記メール送信処理部から前記受信メールサーバに送らせる,
ことを特徴とする請求項3に記載の電子メールシステム。
【請求項5】
前記第2の送信メールサーバは,
前記受け付けた電子メールに対する確認メッセージを前記送信者端末で表示させるまでの確認時間を記憶する確認時間情報記憶部と,
前記送信者端末から確認時間の設定を受け付け,前記確認時間情報記憶部に記憶させる確認時間設定処理部と,
を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子メールシステム。
【請求項6】
送信者から受信者への電子メールの処理を行う電子メールシステムであって,
前記電子メールシステムは,
前記電子メールの送信者が利用する送信者端末においてトリガとなる操作を検出するトリガ検出処理部と,
前記トリガを検出すると,前記電子メールが所定の条件を充足するかを判定する条件判定処理部と,
前記条件判定処理部における判定結果に基づいて送信メールサーバを切り替えて,前記電子メールを送信するメール処理部と,を有しており,
前記メール処理部は,
前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足しない場合は,前記送信者端末から受け付けた電子メールを前記受信者の受信メールサーバにそのまま送信する第1の送信メールサーバに,前記電子メールを第1のポート番号を介して送信し,
前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足する場合は,前記送信者端末から電子メールを受け付けると前記受信メールサーバへの送信処理を保留してその解除後,前記受信メールサーバに送る第2の送信メールサーバに,前記電子メールを第2のポート番号を介して送信する,
ことを特徴とする電子メールシステム。
【請求項7】
電子メールソフトウェアがインストールされたコンピュータを,
前記電子メールソフトウェアにおけるトリガとなる操作を検出するトリガ検出処理部,
前記トリガを検出すると,電子メールが所定の条件を充足するかを判定する条件判定処理部,
前記条件判定処理部における判定結果に基づいて送信メールサーバを切り替えて,前記電子メールを送信するメール処理部,
として機能させるプログラムであって,
前記メール処理部は,
前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足しない場合は,送信者端末から受け付けた電子メールを受信者の受信メールサーバにそのまま送信する第1の送信メールサーバに,前記電子メールを第1のポート番号を介して送信し,
前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足する場合は,前記送信者端末から電子メールを受け付けると前記受信メールサーバへの送信処理を保留してその解除後,前記受信メールサーバに送る第2の送信メールサーバに,前記電子メールを第2のポート番号を介して送信する,
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電子メールへの添付ファイルの添付忘れなど,各種の事情により送信処理をした電子メールの送信を取り消すことができる電子メールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールは広く日常的に利用されている。しかし,気軽に電子メールを送信できることから,電子メールに添付ファイルを添付しなければならないにもかかわらず,添付し忘れたり,あるいは書くべき事項を書き忘れるなど,さまざまな事情によって,送信処理を行った電子メールについて,送信を取り消せることが望まれる場合がある。
【0003】
この場合,一般的な電子メールシステムでは,一度,送信処理を行うと,その送信処理を取り消すことができない。なぜなら電子メールシステムでは送信処理後,ただちに電子メールが送信者が利用する送信メールサーバに送られ,送信メールサーバから受信者の利用する受信メールサーバに送られてしまうからである。
【0004】
また,一般的な電子メールシステムを利用した場合ではないが,たとえば下記非特許文献1に示すような方法もある。非特許文献1は,送信者と受信者がともに同一の電子メールシステム(Microsoft Exchange)を利用している場合に,いずれも同一システムであることから,送信した電子メールを取り消すことが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】リクルートホールディングス株式会社,”「誤送信メール」キャンセル法|web R25”,インターネット<URL:http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20120718-00024996-r25>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1の場合,送信者と受信者が同じ電子メールシステム(Microsoft Exchange)を利用していなければならない。従って,送信者と受信者の利用する電子メールシステムが異なる場合には適用することができない。
【0007】
従って,送信者と受信者とが異なった電子メールシステムを利用していたとしても,電子メールの送信処理の取消が行える電子メールシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題に鑑み,以下の発明を行った。
【0009】
第1の発明は,送信者から受信者への電子メールの処理を行う電子メールシステムであって,前記電子メールシステムは,前記送信者が利用する送信者端末と,第1の送信メールサーバと,第2の送信メールサーバと,を有しており,前記送信者端末は,前記電子メールの送信者が利用する送信者端末においてトリガとなる操作を検出するトリガ検出処理部と,前記トリガを検出すると,前記電子メールが所定の条件を充足するかを判定する条件判定処理部と,前記条件判定処理部における判定結果に基づき,第1のポート番号を介して前記第1の送信メールサーバへの送信処理,または第2のポート番号を介して前記第2の送信メールサーバへの送信処理を切り替えて,前記電子メールを送信するメール処理部と,を有しており,前記第1の送信メールサーバは,前記送信者端末から受け取った電子メールを,前記受信者の受信メールサーバにそのまま送信し,前記第2の送信メールサーバは,前記送信者端末から前記電子メールを受け付けると前記電子メールの送信処理を保留するメール受付処理部と,前記電子メールの送信処理の保留の解除後,前記電子メールを前記受信メールサーバに送るメール送信処理部と,を有する,電子メールシステムである。
【0010】
本発明のように構成することで,所定の条件を充足するか否かで送信メールサーバを切り替えることができる。それによって第1の送信メールサーバに送信する場合には送ることで,そのまま受信メールサーバに当該電子メールを送ることができ,第2の送信メールサーバに送信する場合にはその送信メールサーバで一旦,送信処理を保留させることができる。そのため,電子メールの送信処理がすぐに送られないので,送信処理を取り消すことができる。
【0011】
上述の発明において,前記メール受付処理部は,前記電子メールの送信処理の保留中に,前記送信者端末から前記電子メールの取消要求を受け付けると,前記電子メールを前記第2の送信メールサーバから削除する,電子メールシステムのように構成することができる。
【0012】
電子メールの送信処理を取り消す場合には,本発明のように構成することで実現することもできる。
【0013】
上述の発明において,前記送信者端末は,前記電子メールを送信するか否かの確認操作を受け付け,その操作に対応する要求を前記第2の送信メールサーバに対して送る確認操作受付処理部,を有しており,前記メール受付処理部は,前記送信者端末から前記電子メールを受け付けて前記電子メールの送信処理を保留し,設定された確認時間の経過後,前記送信者端末に対して前記電子メールの送信処理に対する確認メッセージを表示させ,前記電子メールを送信するか否かの確認操作を促す,電子メールシステムのように構成することができる。
【0014】
第2の送信メールサーバで電子メールの保留後,その保留が解除されなければ当該電子メールが送信されない。そこで第2の送信メールサーバから送信者端末に対して確認メッセージを表示させることで,送信するか否かの確認を促すことが好ましい。
【0015】
上述の発明において,前記メール受付処理部は,前記確認メッセージに対応する前記電子メールの送信要求を受け付けた,または前記確認メッセージに対応する前記電子メールの取消要求を所定時間内に受け付けない場合には,前記受け付けた電子メールを,前記メール送信処理部から前記受信メールサーバに送らせる,電子メールシステムのように構成することができる。
【0016】
送信者端末から電子メールの送信要求を受け付けるほか,取消要求を所定時間内に受け付けない場合にも電子メールを送信するように構成することが好ましい。これによって,送信者端末の電源が入っていない,ネットワークが切断されている,送信者が不在である場合にも,支障なく送信をすることができる。
【0017】
上述の発明において,前記第2の送信メールサーバは,前記受け付けた電子メールに対する確認メッセージを前記送信者端末で表示させるまでの確認時間を記憶する確認時間情報記憶部と,前記送信者端末から確認時間の設定を受け付け,前記確認時間情報記憶部に記憶させる確認時間設定処理部と,を有する電子メールシステムのように構成することができる。
【0018】
本発明のように,確認時間をあらかじめ設定しておいても良い。
【0019】
第2の発明は,送信者から受信者への電子メールの処理を行う電子メールシステムであって,前記電子メールシステムは,前記電子メールの送信者が利用する送信者端末においてトリガとなる操作を検出するトリガ検出処理部と,前記トリガを検出すると,前記電子メールが所定の条件を充足するかを判定する条件判定処理部と,前記条件判定処理部における判定結果に基づいて送信メールサーバを切り替えて,前記電子メールを送信するメール処理部と,を有しており,前記メール処理部は,前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足しない場合は,前記送信者端末から受け付けた電子メールを前記受信者の受信メールサーバにそのまま送信する第1の送信メールサーバに,前記電子メールを第1のポート番号を介して送信し,前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足する場合は,前記送信者端末から電子メールを受け付けると前記受信メールサーバへの送信処理を保留してその解除後,前記受信メールサーバに送る第2の送信メールサーバに,前記電子メールを第2のポート番号を介して送信する,電子メールシステムである。
【0020】
本発明のように構成することでも上述と同様の技術的効果を得られる。
【0021】
上述の発明は,本発明のプログラムをコンピュータで実行することでも実現できる。すなわち,電子メールソフトウェアがインストールされたコンピュータを,前記電子メールソフトウェアにおけるトリガとなる操作を検出するトリガ検出処理部,前記トリガを検出すると,電子メールが所定の条件を充足するかを判定する条件判定処理部,前記条件判定処理部における判定結果に基づいて送信メールサーバを切り替えて,前記電子メールを送信するメール処理部,として機能させるプログラムであって,前記メール処理部は,前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足しない場合は,送信者端末から受け付けた電子メールを受信者の受信メールサーバにそのまま送信する第1の送信メールサーバに,前記電子メールを第1のポート番号を介して送信し,前記条件判定処理部における判定の結果,所定の条件を充足する場合は,前記送信者端末から電子メールを受け付けると前記受信メールサーバへの送信処理を保留してその解除後,前記受信メールサーバに送る第2の送信メールサーバに,前記電子メールを第2のポート番号を介して送信する,プログラムのように構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の構成によって,送信者と受信者とが異なった電子メールシステムを利用していたとしても,電子メールの送信処理の取消を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の電子メールシステムのシステム構成の一例を模式的に示す概念図である。
【
図2】本発明の電子メールシステムで用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す概念図である。
【
図3】本発明の電子メールシステムの処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。
【
図4】通常利用するポート番号と条件を充足した場合に利用するポート番号の対応関係の一例を模式的に示す図である。
【
図5】確認時間情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【
図6】確認メッセージの一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の電子メールシステム1のシステム構成の一例を
図1の概念図に模式的に示す。本発明の電子メールシステム1は,電子メールの送信者が利用する送信者端末2と,当該電子メールの受信者が利用する受信者端末6と,第1の送信メールサーバ4と,第2の送信メールサーバ3と,受信メールサーバ5とを備える。
【0025】
送信者端末2,受信者端末6,各メールサーバは,コンピュータにより実現される。
図2にコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す。コンピュータには,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。
【0026】
なお,
図1では第1の送信メールサーバ4,第2の送信メールサーバ3,受信メールサーバ5が一台のコンピュータで実現される場合を示したが,複数台のコンピュータにその機能が分散配置され,実現されても良い。
【0027】
本発明における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0028】
第1の送信メールサーバ4は,電子メールの送信者が通常利用する送信メールサーバ(SMTPサーバ)であって,電子メールに所定の単語が含まれていないなど,所定の条件を充足しない場合に利用する電子メールサーバである。
【0029】
第2の送信メールサーバ3は,電子メールの送信者が送信する送信メールサーバ(SMTPサーバ)であって,本発明の処理において,電子メールに所定の単語が含まれているなど,所定の条件を充足する場合に利用する電子メールサーバである。
【0030】
受信メールサーバ5は,当該電子メールの受信者が利用する電子メールサーバ(POPサーバ,IMAPサーバ)である。この受信メールサーバ5で受信した電子メールを,受信者端末6で取得することで,受信者は送信者から送られた電子メールを閲覧することができる。
【0031】
送信者端末2は,トリガ検出処理部30と条件判定処理部31とメール処理部32と確認操作受付処理部33とを有する。
【0032】
トリガ検出処理部30は,本発明の処理を開始するためのトリガとなる操作が行われたかを検出する。トリガとなる操作として,たとえば送信者端末2における電子メールソフトウェアでの「電子メールの送信処理」がある。
【0033】
条件判定処理部31は,トリガ検出処理部30でトリガとなる操作を検出すると,電子メールの本文などにおいて,あらかじめ設定された単語が含まれているか,など所定の条件を充足するかを判定する。たとえば条件とする単語として,「添付」,「attach」,「attached」,「attachment」などがあるが,ほかに任意の単語,「ファイル」,「機密」,「秘密」などが設定できても良い。
【0034】
メール処理部32は,条件設定処理部において,あらかじめ設定された条件を充足していないと判定した場合(たとえばあらかじめ設定された単語が含まれていないと判定した場合)には,当該電子メールを第1の送信メールサーバ4に,通常設定されているポート番号(第1のポート番号)を介して送る。一方,条件設定処理部において,あらかじめ設定された条件を充足したと判定した場合(たとえばあらかじめ設定された単語が含まれていると判定した場合)には,当該電子メールを第2の送信メールサーバ3に,本発明の処理で用いるために設定されているポート番号(第2のポート番号)を介して送る。
【0035】
たとえば条件として「添付」という単語が設定されており,条件を充足していない場合のポート番号が「TCP25port」であり,条件を充足した場合のポート番号が「TCP587port」であったとする。この場合,電子メールの本文に「添付」という単語が含まれていなければ,メール処理部32は,「TCP25port」を介して第1の送信メールサーバ4に当該電子メールを送る。一方,電子メールの本文に「添付」という単語が含まれていれば,メール処理部32が,「TCP587port」を介して第2の送信メールサーバ3に当該電子メールを送る。
【0036】
近年,迷惑メールへの対策から,通常使う電子メールを送信する際のポート番号として,「TCP587port」が使われている場合がある。そのような場合には,第2の送信メールサーバ3に電子メールを送る場合,たとえば「TCP465port」を用いるとよい。
【0037】
図4に,通常の場合(条件を充足しない場合)に利用するポート番号と,条件を充足する場合に利用するポート番号との対応表の一例を模式的に示す。
【0038】
確認操作受付処理部33は,後述する第2の送信メールサーバ3から電子メールが送られる場合であって,その電子メールを送信するか取り消すかの確認メッセージが表示された場合に,送信するか取り消すかの操作を受け付け,送信要求または取消要求を第2の送信メールサーバ3に送る。
【0039】
第2の送信メールサーバ3は,確認時間設定処理部20と確認時間情報記憶部21とメール受付処理部22と計時処理部23とメール送信処理部24とを有する。
【0040】
確認時間設定処理部20は,第2の送信メールサーバ3を介して送信する電子メールについて,その電子メールの送信処理を取り消す時間の設定を,送信者端末2から受け付ける。この場合,送信者端末2から当該送信者を識別する情報(たとえば送信者の電子メールアドレス)と,確認時間の情報とを受け付け,後述する確認時間情報記憶部21に記憶させる。
【0041】
ここで設定する確認時間は,後述するメール受付処理部22が送信者端末2から電子メールを受け付け後,それをメール送信処理部24から送るまで,当該電子メールを保留し,確認メッセージを表示させるまでの時間を示す。そして,確認時間の経過後,第2の送信メールサーバ3が送信者端末2に対して,確認メッセージを表示させるので,この確認時間に応じて,確認メッセージが送信者端末2で表示されることとなる。そのため,確認時間の間に当該電子メールに添付ファイルを添付することを失念するなどを思い出せば,当該電子メールの送信処理を取り消すことができ,また,確認メッセージが表示されるので,再度,その電子メールの送信処理を見直すこともできる。
【0042】
確認時間情報記憶部21は,送信者識別情報と確認時間とを対応づけて記憶する。
図5に確認時間情報記憶部21の一例を模式的に示す。ここで設定される確認時間としては,たとえば3秒から3分程度の間で任意に設定できることが好ましいが,これに限定されない。
【0043】
メール受付処理部22は,送信者端末2から電子メールを受け付け,その電子メールにおける電子メールアドレスを参照するなどにより送信者識別情報を特定する。そして送信者識別情報に基づいて確認時間情報記憶部21を参照することで,当該電子メールの確認時間を特定し,その確認時間が経過し,確認メッセージに対する要求を受け付けるまで,当該電子メールの送信処理を保留する。確認時間は,後述する計時処理部23において計時する。
【0044】
そして確認時間の経過後,メール受付処理部22は,当該電子メールの送信者の送信者端末2に対して,
図6に示すような確認メッセージを表示させ,電子メール送信の取消要求を所定時間内に受け付けない場合または送信要求を所定時間内に受け付けた場合には,その電子メールを送る要求をメール送信処理部24に渡す。一方,確認メッセージにおける取消要求を受け付けると,メール受付処理部22は当該電子メールを削除し,その送信処理を取り消す。
【0045】
計時処理部23は,電子メールを送信者端末2から受け付けてからの時間を計時する。
【0046】
メール送信処理部24は,メール受付処理部22から電子メールの送信要求を受け付けると,その電子メールを,受信先となる受信メールサーバ5に対して送る。
【0047】
つぎに本発明の処理プロセスの一例を
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0048】
まず電子メールの送信者となるユーザは,送信者端末2で所定の操作を行うことで第2の送信メールサーバ3にアクセスし,確認時間の設定処理を行っておく。具体的には,送信者端末2において確認時間と,送信者識別情報,たとえば送信者の電子メールアドレスとが入力され,それが第2の送信メールサーバ3に送られる。そして第2の送信メールサーバ3の確認時間設定処理部20でそれらの情報を受け付けると,確認時間設定処理部20は,確認時間情報記憶部21に記憶させる。
【0049】
つぎに,送信者が電子メールを送信する場合を説明する。この場合,電子メールの送信者となるユーザは,電子メールソフトウェアを起動させ,電子メールを作成する。そして電子メールを送信する処理,たとえば「送信」ボタンを押下する。そうすると,トリガ検出処理部30が,トリガとなる操作,たとえば「送信」ボタンの押下を検出し(S100),条件判定処理部31が電子メール本文を読み取る処理を開始し(S110),あらかじめ定められた単語が含まれているか,すなわち電子メールの送信処理の取消が可能な処理を実行させるかを判定する(S120)。
【0050】
条件判定処理部31は,条件として,電子メール本文にあらかじめ定められた単語が含まれているかが設定されている場合には,上述の処理になるが,条件としてほかのものを設定することもできる。たとえば判定対象となる条件として電子メール本文のほかに,電子メールの件名などを含めても良いし,受信者の電子メールアドレスが所定の電子メールアドレスであるか,電子メールのファイルサイズが所定の大きさ以上か,などを条件として含めても良い。
【0051】
条件設定処理部で条件を充足していないことを判定した場合,たとえば電子メール本文にあらかじめ定められた単語が含まれていないと判定した場合,メール処理部32は,電子メールソフトウェアであらかじめ設定された第1のポート番号(たとえば「TCP25port」)を介して,第1の送信メールサーバ4に電子メールを送信する(S130)。そして第1の送信メールサーバ4はこの電子メールを受け取り(S140),その電子メールを,受信者の受信メールサーバ5に送る(S150)。S130乃至S150は通常の電子メールの送信処理である。
【0052】
一方,S120の判定処理において,条件設定処理部で条件を充足していることを判定した場合,たとえば電子メール本文にあらかじめ定められた単語が含まれていると判定した場合,メール処理部32は,電子メールソフトウェアで,第2の送信メールサーバ3に送るために設定された第2のポート番号(たとえば「TCP587port」)を介して,第2の送信メールサーバ3に電子メールを送信する(S160)。そして第2の送信メールサーバ3のメール受付処理部22はこの電子メールを受け取る(S170)。
【0053】
メール受付処理部22で電子メールを受け付けると,計時処理部23により計時を開始する。一方,メール受付処理部22は,受け付けた電子メールにおける電子メールアドレスなどに基づいて送信者識別情報を特定する。そして,特定した送信者識別情報を用いて取消情報記憶部を参照し,当該送信者の確認時間を特定し,計時処理部23でその確認時間を計時するまで,受け付けた電子メールの送信処理を保留する(S180)。
【0054】
そして確認時間が経過したことを計時処理部23で計時すると,メール受付処理部22は,当該電子メールの送信者の送信者端末2に対して,
図6に示すような確認メッセージを送り,表示させる(S190)。
【0055】
この表示を閲覧した送信者が,当該確認メッセージにおける「送信」ボタンを押下することで,その操作を確認操作受付処理部33で受け付け,確認操作受付処理部33は,送信要求を送信者端末2から第2の送信メールサーバ3に送る。そして送信要求をメール受付処理部22で受け付けると(S200),当該電子メールの送信処理の保留を解除し,当該電子メールの送信要求をメール送信処理部24に渡し,メール送信処理部24は,当該電子メールを受信メールサーバ5に送る(S210)。
【0056】
なお,S190における確認メッセージが表示されてから一定時間内に何らの要求(送信要求,取消要求)を,メール受付処理部22が送信者端末2から受け付けなかった場合には,メール受付処理部22は,当該電子メールの送信処理の保留を解除し,当該電子メールの送信要求をメール送信処理部24に渡し,メール送信処理部24は,当該電子メールを受信メールサーバ5に送る(S210)。この場合,一定時間の経過によって,当該確認メッセージの表示を消す要求を送り,表示を消去させる。これによって,送信者が送信者端末2から離れている場合,あるいは送信者端末2の電源が切断されている場合などであっても,一旦保留された電子メールを送ることが可能となる。
【0057】
一方,S190における確認メッセージが送信者端末2で表示され,それを閲覧した送信者が,当該確認メッセージにおける「取消」ボタンを押下することで,その操作を確認操作受付処理部33で受け付け,確認操作受付処理部33は,当該電子メールの取消要求を送信者端末2から第2の送信メールサーバ3に送る。そして取消要求をメール受付処理部22で受け付けると(S200),メール受付処理部22は,当該電子メールを削除し,その送信処理を取り消す(S220)。この処理によって,送信者が一定の条件を充足する電子メールについて,送信処理を取り消すことが可能となる。
【0058】
S150またはS210で,第1の送信メールサーバ4または第2の送信メールサーバ3から送られた電子メールを受信メールサーバ5で受け付けると,受信者端末6でその電子メールを受信する(S230)。これによって,受信者端末6で,送信者端末2から送られた電子メールを受信し,閲覧することができる。
【0059】
なお,本発明の電子メールシステム1のうち,送信者端末2における各手段は,送信者端末2に備えた電子メールソフトウェアの一機能としてインストールして用いる,いわゆるプラグインのプログラムとして構成すると良い。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のように構成することで,送信者と受信者とが利用する電子メールシステム1に依存せず,電子メールの送信処理の取消が行えるので,汎用性が高くなる。
【符号の説明】
【0061】
1:電子メールシステム
2:送信者端末
3:第2の送信メールサーバ
4:第1の送信メールサーバ
5:受信メールサーバ
6:受信者端末
20:確認時間設定処理部
21:確認時間情報記憶部
22:メール受付処理部
23:計時処理部
24:メール送信処理部
30:トリガ検出処理部
31:条件判定処理部
32:メール処理部
33:確認操作受付処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置