(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715186
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】サイリスタバルブの合成試験装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/00 20070101AFI20150416BHJP
G01R 31/26 20140101ALI20150416BHJP
【FI】
H02M1/00 B
G01R31/26 D
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-106240(P2013-106240)
(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公開番号】特開2013-243917(P2013-243917A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2013年5月20日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0054159
(32)【優先日】2012年5月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】513126219
【氏名又は名称】ミョンジ ユニバーシティ インダストリー アンド アカデミア コーオペレイション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ペク スン テク
(72)【発明者】
【氏名】ハン ビュン ムン
(72)【発明者】
【氏名】ノ ウイ チョル
(72)【発明者】
【氏名】チュン ヨン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ ウク ファ
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−269354(JP,A)
【文献】
B.L. Sheng E. Jansson A. Blomberg H-0 Bjarme D. Windmar,A New Synthetic Test Circuit For the Operational Tests of HVDC Thyristor Modules,Applied Power Electronics Conference and Exposition, 2001. APEC 2001. Sixteenth Annual IEEE,2001年 3月 8日,vol.2,P.1242 - P.1246
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00−1/44
G01R31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイリスタバルブを試験する装置であって、
試験対象のサイリスタバルブがオンになると電流を供給する電流源回路と、
前記サイリスタバルブがオフになると逆方向電圧又は順方向電圧を供給する電圧源回路と、
前記サイリスタバルブと前記電圧源回路との接続点と、前記電流源回路との間に備えられ、前記電流源回路を前記電圧源回路から絶縁して、前記電流源回路を前記電圧源回路の高電圧から保護するための第1補助バルブと、を備え、
前記電流源回路は、
直流電圧を変化させ、前記サイリスタバルブに供給される電流の増加率を制御しつつ、前記直流電圧を供給する、第1直流源回路部と、
前記第1直流源回路部の出力電圧を降圧するチョッパ回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記チョッパ回路は、
前記第1直流源回路部の正極出力端子に一端が接続される第1スイッチと、
前記第1スイッチと前記第1直流源回路部の負極出力端子との間に備えられる第1ダイオードと、
前記第1スイッチと前記第1ダイオードとの接続点に接続される第1インダクタと、
前記第1インダクタと前記第1補助バルブとの間に備えられる第3スイッチと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1直流源回路部は、6パルス位相制御整流器、12パルス位相制御整流器及び18パルス位相制御整流器のいずれか一つによって構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記サイリスタバルブがオフになると、前記第1補助バルブを強制的にオフ制御する補助回路を更に含むことを特徴とする、請求項1又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記補助回路は、
前記第1補助バルブをオフにするための直流電圧を発生する第2直流源回路部と、
前記第2直流源回路部の正極出力端子に一端が接続され、前記電流源回路に他端が接続される補助スイッチと、
前記補助スイッチに一端が接続され、前記電流源回路と前記第1補助バルブとの接続点に他端が接続されるコンデンサと、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1直流源回路部は、交流電圧を直流電圧に変換する6パルス位相制御整流器、12パルス位相制御整流器及び18パルス位相制御整流器のいずれか一つによって構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記チョッパ回路は、単相チョッパ回路又は多相チョッパ回路によって構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記第1スイッチ及び第2スイッチはそれぞれ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)及び集積ゲート整流サイリスタ(IGCT)のいずれか一つによって構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記第2直流源回路部は、交流電圧を直流電圧に変換する6パルスダイオード整流器、12パルスダイオード整流器及び18パルスダイオード整流器のいずれか一つによって構成されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記補助スイッチは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又は集積ゲート整流サイリスタ(IGCT)であることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタバルブの合成試験装置に関し、特に、サイリスタバルブの定格電流及び定格電圧を試験することのできる、サイリスタバルブの合成試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧直流(HVDC)送電方式は、発電所で発電された交流電力を直流に変換して送電し、受電側で交流に再変換する電力供給方式である。HVDC送電方式は、交流送電方式に比べて効率的で経済的な送電を可能にする。
【0003】
HVDC送電システムにおいては、交流を直流に変換するコンバータ及び直流を再び交流に変換するインバータにはサイリスタバルブが備えられるが、当該サイリスタバルブには高電圧、大電流が供給されるため、電圧ストレス及び電流ストレスが過度に発生することがある。よって、HVDC送電システムにおいて実際に供給されるレベルの電圧及び電流をサイリスタバルブに人為的に供給し、独立してサイリスタバルブの性能を予め試験する必要がある。
【0004】
従来のサイリスタバルブの試験装置は、試験対象のサイリスタバルブがオンになると電流を供給する6パルスサイリスタコンバータが二つ直列に接続された低電圧大電流源と、補助バルブを適宜オン/オフして試験対象のサイリスタバルブがオフになると逆方向電圧又は順方向電圧を印加する共振回路とを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のサイリスタバルブの試験装置においては、試験対象のサイリスタバルブに供給される電流のスイッチング特性を現実的にシミュレーションできるという利点があるが、低電圧大電流源の規模が大きく、操作が複雑であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、サイリスタバルブがオンになると、チョッパ回路を用いて電流を供給し、サイリスタバルブがオフになると、共振回路を用いて逆方向電圧又は順方向電圧を印加することによって、サイリスタバルブの電圧ストレス及び電流ストレスのどちらも容易に試験することのできる、サイリスタバルブの合成試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の本発明の目的は、試験対象のサイリスタバルブがオンになると電流を供給する電流源回路と、サイリスタバルブがオフになると逆方向電圧又は順方向電圧を印加する電圧源回路と、サイリスタバルブと電圧源回路との接続点と、電流源回路との間に備えられ、電流源回路と電圧源回路とを絶縁して、電流源回路を電圧源回路の高電圧から保護するための第1補助バルブとを含む、本発明によるサイリスタバルブの合成試験装置を提供することによって達成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、電流源回路は、直流電圧を変化させて前記サイリスタバルブに供給される電流の増加勾配を制御して供給する第1直流電源部と、第1直流電源部の出力電圧を降圧するチョッパ回路とを含む。
【0009】
本発明の他の態様によれば、第1直流電源部は、交流電圧を直流電圧に変換する6パルス位相制御整流器、12パルス位相制御整流器又は18パルス位相制御整流器のいずれか一つで構成される。
【0010】
本発明の更に他の態様によれば、チョッパ回路は、第1直流電源部の正極出力端子に一端が接続される第1スイッチと、第1スイッチと第1直流電源部の負極出力端子との間に備えられる第1ダイオードと、第1スイッチと第1ダイオードとの接続点に接続される第1インダクタと、第1インダクタと第1補助バルブとの間に備えられる第3スイッチとを含む。
【0011】
本発明の更に他の態様によれば、チョッパ回路は、単相チョッパ回路又は多相チョッパ回路で構成される。
【0012】
本発明の更に他の態様によれば、第1スイッチ及び第2スイッチは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又は集積ゲート整流サイリスタ(IGCT)のいずれか一方で構成される。
【0013】
本発明の更に他の態様によれば、本発明によるサイリスタバルブの合成試験装置は、サイリスタバルブがオフになると第1補助バルブを強制的にオフ制御する補助回路を更に含む。
【0014】
本発明の更に他の態様によれば、補助回路は、第1補助バルブをオフにするための直流電圧を生成する第2直流電源部と、第2直流電源部の正極出力端子に一端が接続され、電流源回路に他端が接続される補助スイッチと、補助スイッチに一端が接続され、電流源回路と第1補助バルブとの接続点に他端が接続されるコンデンサとを含む。
【0015】
本発明の更に他の態様によれば、第2直流電源部は、交流電圧を直流電圧に変換する6パルスダイオード整流器、12パルスダイオード整流器又は18パルスダイオード整流器のいずれか一つで構成される。
【0016】
本発明の更に他の態様によれば、補助スイッチは、IGBT又はIGCTのいずれか一方で構成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるサイリスタバルブの合成試験装置においては、試験装置を構成するただ一つの回路で試験対象のサイリスタバルブに電流、逆方向電圧及び順方向電圧を選択的に印加することによって、サイリスタバルブのオン/オフ時の電圧ストレス及び電流ストレスの両方を試験することができる。
【0018】
本発明によるサイリスタバルブの合成試験装置においては、一つの回路でサイリスタバルブのオン/オフ時に電流、逆方向電圧及び順方向電圧を選択的に印加することによって、サイリスタバルブのオン/オフ時の電圧ストレス及び電流ストレスの両方を試験することができるため、試験装置の構造及び動作が簡単であり、経済性及び運用の容易性に優れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置の回路構成を概略的に示す回路図である。
【
図2A】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オン状態の試験対象のサイリスタバルブに試験電流が供給される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2B】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オン状態の試験対象のサイリスタバルブに試験電流が供給される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2C】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オン状態の試験対象のサイリスタバルブに試験電流が供給される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2D】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オン状態の試験対象のサイリスタバルブに試験電流が供給される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2E】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オフ状態の試験対象のサイリスタバルブに逆方向電圧が印加される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2F】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オフ状態の試験対象のサイリスタバルブに逆方向電圧が印加される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2G】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オフ状態の試験対象のサイリスタバルブに逆方向電圧が印加される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2H】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オフ状態の試験対象のサイリスタバルブに順方向電圧が印加される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【
図2I】本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における、オフ状態の試験対象のサイリスタバルブに順方向電圧が印加される場合の動作モードの等価回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願において、ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると記載された場合は、上記の他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあり、中間に更に他の構成要素が存在することもあると理解すべきである。それに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」又は「直接接続」されていると記載された場合は、中間に更に他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0021】
本出願で使用された用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表すものでない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せの存在又は付加の可能性を予め排除するものではないと理解すべきである。また、本出願において、「部」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組合せとして実現される。
【0022】
以降、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたって、図面番号に関係なく同一又は類似の構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0023】
図1は本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置の回路構成を概略的に示す回路図である。
【0024】
HVDC送電システムに適用されるサイリスタバルブは、オン/オフ動作によって定格電流/定格電圧が印加されるため、サイリスタバルブがオン状態のときの電流ストレスと、オフ状態のときの電圧ストレスとを試験して性能を検証しなければならない。
【0025】
そこで、本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置においては、サイリスタバルブに時間差をおいて電流及び電圧を印加し、サイリスタバルブがオン状態のときの電流ストレスと、オフ状態のときの電圧ストレスとの両方を試験する。
【0026】
以降、試験対象のサイリスタバルブは、単に試験バルブといい、符号VTを付して説明する。
【0027】
なお、図においては、複数のスイッチがIGBTで構成された場合を例示するが、これに限定されるものではなく、IGCTなどのようにオン/オフ制御が可能な様々な素子で構成することができる。
【0028】
図1に示すように、本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置は、電流源回路10、電圧源回路20、第1補助バルブVa1及び補助回路30を含む。
【0029】
同図において、符号1は商用交流電源を示し、符号Trは変圧器を示す。
【0030】
電流源回路10及び電圧源回路20は、試験バルブVTを基準として左右にそれぞれ備えられる。
【0031】
電流源回路10は、試験バルブVTがオンになると電流を供給する。電流源回路10は、出力電圧である直流電圧を変化させて試験バルブVTに供給される電流の増加勾配を制御する第1直流電源部11と、第1直流電源部11の出力電圧を降圧するチョッパ回路とを含んでもよい。
【0032】
第1直流電源部11は、交流電圧を整流して直流電圧に変換して出力する位相制御整流器で構成してもよく、例えば、6パルス位相制御整流器、12パルス位相制御整流器、18パルス位相制御整流器などを用いることができる。
【0033】
チョッパ回路は、スイッチ、ダイオード、インダクタなどで構成され、入力される電圧を降圧して出力する。同図においては二相チョッパ回路を示すが、単相チョッパ回路又は三相以上の多相チョッパ回路を適用できることは、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
【0034】
二相チョッパ回路は、第1スイッチIGBT1、第1ダイオードD1、第1インダクタL1、第2スイッチIGBT2、第2ダイオードD2、第2インダクタL2、第3スイッチIGBT3を含む。
【0035】
二相チョッパ回路においては、第1スイッチIGBT1、第1ダイオードD1、第1インダクタL1から構成される第1電流経路と、第2スイッチIGBT2、第2ダイオードD2、第2インダクタL2から構成される第2電流経路とが、第1直流電源部11と第3スイッチIGBT3との間に並列に接続される。
【0036】
第1電流経路においては、第1スイッチIGBT1のコレクタが第1直流電源部11の正極出力端子に接続され、第1ダイオードD1の両端がそれぞれ第1スイッチIGBT1のエミッタと第1直流電源部11の負極出力端子とに接続され、第1インダクタL1が第1スイッチIGBT1と第1ダイオードD1の接続点と第3スイッチIGBT3との間に備えられる。
【0037】
また、第2電流経路においては、第2スイッチIGBT2のコレクタが第1直流電源部11の正極出力端子に接続され、第2ダイオードD2の両端がそれぞれ第2スイッチIGBT2のエミッタと第1直流電源部11の負極出力端子とに接続され、第2インダクタL2が第2スイッチIGBT2と第2ダイオードD2の接続点と第3スイッチIGBT3との間に備えられる。
【0038】
電圧源回路20は、試験バルブVTがオフになると逆方向電圧又は順方向電圧を印加する。
【0039】
電圧源回路20は、低電流高電圧源21と、補助バルブVa3,Va4,Va5をオン又はオフにして試験バルブVTに加わる電圧の極性を反転させるための共振回路と、低電流高電圧源21を共振回路に接続するための第2補助バルブVa2とを含む。
【0040】
共振回路は、2つのインダクタL3、L4と、3つの補助バルブVa3,Va4,Va5と、共振用コンデンサCsとを含む。
【0041】
電圧源回路20においては、試験バルブVTのアノードに第3インダクタL3の一端が接続され、並列接続された第3補助バルブVa3のカソードと第4補助バルブVa4のアノードとの接続点に第3インダクタL3の他端が接続され、並列接続された第3補助バルブVa3のアノードと第4補助バルブVa4のカソードとの接続点に共振用コンデンサCsが並列に接続されて第4インダクタL4の一端が接続される。
【0042】
また、第4インダクタL4の他端と第2補助バルブVa2のカソードとの接続点に第5補助バルブVa5が並列に接続され、低電流高電圧源21に第2補助バルブVa2のアノードが接続される。
【0043】
第1補助バルブVa1は、電圧源回路20と試験バルブVTとの接続点と、電流源回路10との間に備えられる。より詳細には、第3スイッチIGBT3のエミッタに第1補助バルブVa1のアノードが接続され、第3インダクタL3と試験バルブVTとの接続点に第1補助バルブVa1のカソードが接続される。
【0044】
第1補助バルブVa1は、電流源回路10と電圧源回路20とを電気的に絶縁すると共に、電流源回路10を電圧源回路20の高電圧から保護するために高電圧阻止用に用いられる素子である。
【0045】
試験バルブVTがオンになると、電流源回路10から試験バルブVTに電流が供給されるように、第1補助バルブVa1がオンになる。
【0046】
また、試験バルブVTがオフになると、電圧源回路20から試験バルブVTに電圧が印加されるように、第1補助バルブVa1がオフになり、電流源回路10を電圧源回路20の高電圧から保護する。
【0047】
補助回路30は、第1補助バルブVa1を強制的にオフ制御するための回路であって、試験バルブVTがオフになると第1補助バルブVa1を強制的にオフにする。補助回路30は、第2直流電源部31と、補助スイッチIGBT4と、第1コンデンサC1とを含む。
【0048】
第2直流電源部31は、第1補助バルブVa1をオフにするための所定の直流電圧を印加するためのものであって、6パルスダイオード整流器、12パルスダイオード整流器、18パルスダイオード整流器などで構成することができる。
【0049】
補助回路30においては、補助スイッチIGBT4のエミッタが第3スイッチIGBT3のコレクタに接続され、補助スイッチIGBT4のコレクタが第1コンデンサC1の一端に接続され、第1コンデンサC1の他端は第3スイッチIGBT3のエミッタに接続される。すなわち、直列接続された補助スイッチIGBT4及び第1コンデンサC1が第3スイッチIGBT3に並列に接続される。また、補助スイッチIGBT4と第1コンデンサC1との接続点は、第2直流電源部31の正極出力端子に接続され、第3スイッチIGBT3と第1コンデンサC1との接続点は、第2直流電源部31の負極出力端子に接続される。
【0050】
以降、
図2A〜
図2Iを参照して、前述したように構成される本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置を用いてサイリスタバルブを試験する動作を詳細に説明する。
【0051】
図2A〜
図2Iは、本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置における各動作モードの等価回路を示す回路図である。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態によるサイリスタバルブの合成試験装置は、備えられる複数のスイッチのスイッチング状態の組合せによって動作モードが決定される。
【0053】
図2A〜
図2Dは、オン状態の試験バルブVTに電流が供給される場合の各動作モードの等価回路を示す。
【0054】
図2E〜
図2Gは、オフ状態の試験バルブVTに逆方向電圧が印加される場合の各動作モードの等価回路を示す。
【0055】
図2H〜
図2Iは、オフ状態の試験バルブVTに順方向電圧が印加される場合の各動作モードの等価回路を示す。
【0056】
同図においては、第1直流電源部11は等価な第1直流電圧源Vin1として示し、第2直流電源部31は等価な第2直流電圧源Vin2として示し、各動作モードの等価回路図においてオン状態の素子は符号を囲み表示して分かりやすく示す。
【0057】
図2Aを参照すると、制御器(図示せず)によりゲート制御信号を供給し、試験バルブVT、第1スイッチIGBT1、第2スイッチIGBT2、第3スイッチIGBT3及び第1補助バルブVa1をオンにすると、試験バルブVTに流れる電流が所定の勾配で増加する。共振用コンデンサCs及び第1コンデンサC1は、図示のような極性を有する初期電圧が充電された状態である。
【0058】
この場合、第1スイッチIGBT1(又は第2スイッチIGBT2)から第1インダクタL1(又は第2インダクタL2)、第3スイッチIGBT3、第1補助バルブVa1を経由して試験バルブVTに流れる電流経路が形成される。
【0059】
試験バルブVTに流れる電流が予め定められた基準値まで増加すると、試験バルブVTに流れる電流が当該基準値に相当する値を維持するように、制御器によって第1スイッチIGBT1及び第2スイッチIGBT2に所定時間だけパルス幅変調信号を供給することによって、第1スイッチIGBT1及び第2スイッチIGBT2をパルス幅変調スイッチングする。
【0060】
パルス幅変調スイッチングが終了すると、第1スイッチIGBT1及び第2スイッチIGBT2がオフになり、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2に流れる電流量が次第に減少する。このような動作モード(動作状態)の等価回路は
図2Bの通りである。このような動作モードでは、第1ダイオードD1(又は第2ダイオードD2)から第1インダクタL1(又は第2インダクタL2)、第3スイッチIGBT3、第1補助バルブVa1を経由して試験バルブVTに流れる電流経路が形成される。
【0061】
図2Bにおいて試験バルブVTに流れる電流は、第1インダクタL1及び第2インダクタL2に貯蔵されたエネルギーから供給されるもの(以下、供給電流という)であるため、電流量が次第に減少して結局は「0」となり、試験バルブVTがオフになる。
【0062】
試験バルブVTがオフになるまで、試験バルブVTに流れる電流が所定の勾配で減少するように、第1インダクタL1及び第2インダクタL2からの供給電流が「0」となる前に、制御器からのゲート制御信号により第3補助バルブVa3をオンにし、試験バルブVTに前記供給電流と共に共振電流が供給されるようにする。このような動作モード(動作状態)の等価回路は
図2Cの通りである。
【0063】
図2Cを参照すると、供給電流は、第1ダイオードD1(又は第2ダイオードD2)から第1インダクタL1(又は第2インダクタL2)、第3スイッチIGBT3、第1補助バルブVa1、試験バルブVTに流れる経路を形成し、共振電流は、共振用コンデンサCsから第3補助バルブVa3、第3インダクタL3、試験バルブVTに流れる経路を形成する。したがって、試験バルブVTにおいて供給電流と共振電流とが合流して流れる。
【0064】
供給電流が「0」となると、試験バルブVTの電圧ストレスを試験する前に第1補助バルブVa1をオフにするために、制御器からのゲート制御信号によって補助スイッチIGBT4をオンにし、第2直流電源部31の直流電圧を第1コンデンサC1に印加する。
【0065】
すると、第1補助バルブVa1に第2直流電圧源Vin2と第1直流電圧源Vin1の電圧差に相当する逆方向電圧が印加され、第1補助バルブVa1がオフになる。このような動作モード(動作状態)の等価回路は
図2Dの通りである。
図2Dを参照すると、共振電流は、共振用コンデンサCsから第3補助バルブVa3、第3インダクタL3を経由して試験バルブVTに流れる。
【0066】
その後、共振電流も「0」となると、
図2Eに示すように、制御器からのゲート制御信号によって試験バルブVT及び第3補助バルブVa3をオフにする。すると、共振用コンデンサCsの電圧の極性が反転する。
【0067】
その後、
図2Fに示すように、制御器からのゲート制御信号によって第4補助バルブVa4をオンにすると、試験バルブVTに逆方向電圧が印加される。
【0068】
その後、
図2Gに示すように、制御器からのゲート制御信号によって第5補助バルブVa5をオンにすると、共振用コンデンサCs、第5補助バルブVa5及び第4インダクタL4が共振回路を形成する。
【0069】
所定時間が経過し、
図2Hに示すように、共振用コンデンサCsの電圧の極性が再び反転すると、制御器からのゲート制御信号によって第4補助バルブVa4及び第5補助バルブVa5をオフにし、第3補助バルブVa3をオンにする。すると、共振用コンデンサCsから試験バルブVTに順方向電圧が印加される。
【0070】
一方、共振用コンデンサCsの両端に順方向電圧を補う回路を接続してもよい。このように共振用コンデンサCsの両端に順方向電圧を補う動作モード(動作状態)の等価回路は
図2Iの通りである。
【0071】
図2Iに示すように、制御器からのゲート制御信号によって第2補助バルブVa2をオンにすると、低電流高電圧源21からの電流によって共振用コンデンサCsが充電され、試験バルブVTに印加される順方向電圧が補われる。共振用コンデンサCsが完全に充電すると、制御器からのゲート制御信号の供給を中断し、第2補助バルブVa2をオフにする。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは例示的なものにすぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な実施形態が可能であることを理解するであろう。よって、本発明の権利範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物により定められるべきである。
【符号の説明】
【0073】
10 電流源回路
20 電圧源回路
30 補助回路
VT 試験バルブ
Va1 第1補助バルブ