特許第5715187号(P5715187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715187
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150416BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20150416BHJP
【FI】
   G06F13/00 510C
   G06Q30/02 150
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-106910(P2013-106910)
(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公開番号】特開2014-32654(P2014-32654A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2014年2月27日
(31)【優先権主張番号】特願2012-157965(P2012-157965)
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397054761
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・キャスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(72)【発明者】
【氏名】蜷川 真夫
(72)【発明者】
【氏名】蜷川 竜夫
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−041520(JP,A)
【文献】 特開2009−245116(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0145086(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0030781(US,A1)
【文献】 特開2002−245331(JP,A)
【文献】 特開2006−038970(JP,A)
【文献】 特開2006−145908(JP,A)
【文献】 特開2007−200013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雑誌の記事をデータで提供するコンテンツ提供サーバと、
前記コンテンツ提供サーバが提供可能な各記事の見出し及び各記事に対応するコンテンツ識別情報を提示する、列車の車両内部に掲載された広告媒体と、
前記広告媒体に提示されたコンテンツ識別情報が入力されると、当該入力されたコンテンツ識別情報に対応した記事のダウンロード要求を送出する通信端末と、
前記通信端末からネットワークを介して送られたダウンロード要求が示す記事のデータを前記コンテンツ提供サーバから取得して、前記ネットワークを介して前記通信端末に送るコンテンツ管理サーバと、
前記通信端末に対応する残金情報を記憶し、前記コンテンツ管理サーバが有料の記事のデータを前記通信端末に送ると前記残金情報を変更する決済管理サーバと、を備え
記コンテンツ管理サーバは、1つのコンテンツ識別情報に対して、異なる期間若しくは時間帯毎に、かつ、前記広告媒体が掲載される列車が走行するエリア毎に、異なる記事を割り当てて管理することができ、かつ、前記通信端末からのアクセス要求に応じて、前記広告媒体のデジタルデータを基に、前記広告媒体のフォーマット及び内容とほぼ同様の画面データを生成し、当該画面データを前記通信端末に送り、
前記画面データには、前記広告媒体のデジタルデータに含まれるタグ情報である各記事のリンク先に係る情報が含まれ、
前記通信端末は、前記画面データに基づく画面を、各記事の見出し及び/又はコンテンツ識別情報にリンクが貼られた状態で表示し、
駅に設置された通信機器を介して前記通信端末が前記決済管理サーバと通信することで決済処理が行われ、
前記コンテンツ識別情報は、数字、文字若しくは記号、又は、これらの組み合わせで表され、かつ、3つ以下の字数で表されることにより、エリアによって広告媒体の掲載期間が異なることを利用した前記字数の使いまわしを可能としたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
記残金情報は、前記通信端末のユーザによって予めチャージされた金額を示すことを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報提供システムであって、
前記コンテンツ管理サーバは、前記通信端末の種類に応じて異なる画面データを生成することを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載の情報提供システムであって、
前記エリアには、前記列車が走行する駅が含まれることを特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内中吊り広告から通信端末へのコンテンツの供給を行う情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の情報提供システムでは、車内広告の見出しの近傍に印刷などの手段で表示されたマトリックス方式2次元コードをカメラ付き携帯端末で読み取りこれを解読し解読結果に従いネットワーク、サーバを経由してデータベースにアクセスしこのデータベースから先ほどの見出しに関連した詳細情報をさきのカメラ付き携帯端末に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−038970公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車内広告は雑誌の記事や商品を宣伝するための媒体であり、その広告費用は掲示効果に基づいて算出された上、支出されている。また、当該車内広告にはウェブページのアドレスやQRコード(登録商標)が印刷されているが、目的のコンテンツに達するまでのステップが多すぎかつ複雑である。一方、ネットワーク上に公開された記事や商品説明についてのホームページは既に存在するが、当該ホームページの存在を宣伝するための費用が別途必要である。このように、ネットワーク上のコンテンツにアクセスを集めるには、当該コンテンツに達するまでの操作容易性と宣伝費用の削減が課題であった。
【0005】
本発明の目的は、通信端末のユーザが広告媒体から容易にコンテンツを入手可能な情報提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、雑誌の記事をデータで提供するコンテンツ提供サーバと、前記コンテンツ提供サーバが提供可能な各記事の見出し及び各記事に対応するコンテンツ識別情報を提示する、列車の車両内部に掲載された広告媒体と、前記広告媒体に提示されたコンテンツ識別情報が入力されると、当該入力されたコンテンツ識別情報に対応した記事のダウンロード要求を送出する通信端末と、前記通信端末からネットワークを介して送られたダウンロード要求が示す記事のデータを前記コンテンツ提供サーバから取得して、前記ネットワークを介して前記通信端末に送るコンテンツ管理サーバと、前記通信端末に対応する残金情報を記憶し、前記コンテンツ管理サーバが有料の記事のデータを前記通信端末に送ると前記残金情報を変更する決済管理サーバと、を備え、前記コンテンツ管理サーバは、1つのコンテンツ識別情報に対して、異なる期間若しくは時間帯毎に、かつ、前記広告媒体が掲載される列車が走行するエリア毎に、異なる記事を割り当てて管理することができ、かつ、前記通信端末からのアクセス要求に応じて、前記広告媒体のデジタルデータを基に、前記広告媒体のフォーマット及び内容とほぼ同様の画面データを生成し、当該画面データを前記通信端末に送り、前記画面データには、前記広告媒体のデジタルデータに含まれるタグ情報である各記事のリンク先に係る情報が含まれ、前記通信端末は、前記画面データに基づく画面を、各記事の見出し及び/又はコンテンツ識別情報にリンクが貼られた状態で表示し、駅に設置された通信機器を介して前記通信端末が前記決済管理サーバと通信することで決済処理が行われ、前記コンテンツ識別情報は、数字、文字若しくは記号、又は、これらの組み合わせで表され、かつ、3つ以下の字数で表されることにより、エリアによって広告媒体の掲載期間が異なることを利用した前記字数の使いまわしを可能とした情報提供システムを提供する。
【0007】
上記情報提供システムは、前記残金情報は、前記通信端末のユーザによって予めチャージされた金額を示す。
【0008】
上記情報提供システムでは、前記コンテンツ管理サーバは、前記通信端末の種類に応じて異なる画面データを生成する
【0009】
上記情報提供システムは、前記エリアには、前記列車が走行する駅が含まれる
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る情報提供システムによれば、通信端末のユーザが広告媒体から容易にコンテンツを入手できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態の情報提供システムの構成を示すブロック図
図2】(a)〜(d)は、携帯端末のユーザが中吊り広告に掲載されたコンテンツをダウンロードするための操作を行う際、携帯端末のディスプレイに表示される画面の例を示す図
図3】コンテンツ管理サーバ101が管理する番号528に対応したコンテンツを示す図
図4】チャージされたとき券売機107が発行する領収書の一例を示す図
図5】(a)及び(b)は、携帯端末のディスプレイに表示されるチャージ管理サイトの画面の例を示す図
図6】第2の実施形態の情報提供システムの構成を示すブロック図
図7】通信端末を利用するユーザが広告媒体に掲載された見出しのコンテンツを閲覧するための操作を行った際、通信端末のディスプレイに表示される画面の例を示す図
図8】スマートフォン203bを利用するユーザが広告媒体に掲載された見出しのコンテンツを閲覧するための操作を行った際、スマートフォン203bのディスプレイに表示される画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の情報提供システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態の情報提供システムは、コンテンツ管理サーバ101と、複数のコンテンツ提供サーバ103と、決済管理サーバ105と、券売機107と、オープンネットワーク151と、車両等に設けられた中吊り広告等の広告媒体201と、携帯端末203とを備える。なお、オープンネットワーク151は、キャリア又は機種には依存せずに携帯端末203が接続可能なネットワークである。図1に示すように、オープンネットワーク151にはコンテンツ管理サーバ101が接続されている。
【0014】
図1に示すように、広告媒体201には、コンテンツ提供サーバ103が中吊り広告の特殊性に基づいて提供可能な各コンテンツの見出しと各コンテンツに対応する番号が印刷されている。各コンテンツに対応する番号は、携帯端末203のユーザが容易に記憶可能な桁数の少ない番号となっている。例えば、車両Aの中吊り広告には、雑誌A(例えばスポーツ紙)の記事aに対しては3桁の番号528が対応し、書籍B(例えば旅行誌)に対しては3桁の番号634が対応して印刷されている。この中吊り広告が掲示された車両Aに乗車している携帯端末203のユーザは、中吊り広告に掲載されたコンテンツをダウンロードするために、所望のコンテンツに対応する番号を利用する。したがって、当該番号は3桁以下であることが望ましい。
【0015】
なお、広告媒体201は、液晶ディスプレイ等の広告を表示する媒体であっても良い。また、コンテンツに対応する情報は、数字の他、文字若しくは記号又はこれらの組み合わせであっても良い。この場合、例えば「B43」といったように数字と文字を組み合わせた情報の字数は、ユーザが容易に記憶できるよう、3つ以下であることが望ましい。
【0016】
図2(a)〜(d)は、携帯端末203のユーザが中吊り広告に掲載されたコンテンツをダウンロードするための操作を行う際、携帯端末203のディスプレイに表示される画面の例を示す図である。携帯端末203のユーザが中吊り広告に掲載されたコンテンツをダウンロードするためには、まず、携帯端末203でダウンロードサイトにアクセスする。このとき携帯端末203のディスプレイに表示される画面が図2(a)である。ユーザが、図2(b)に示すように、所望のコンテンツに対応する番号(図2(b)の例では「528」)を入力して「OK」ボタンを選択すると、当該番号に対応するコンテンツのダウンロード要求が携帯端末203からオープンネットワーク151を介してコンテンツ管理サーバ101に送られる。
【0017】
コンテンツ管理サーバ101は、携帯端末203から送られたコンテンツダウンロード要求を受け付け、当該要求が示すコンテンツを提供するコンテンツ提供サーバ103からコンテンツを取得する。なお、コンテンツ管理サーバ101は、コンテンツの提供可能期間、提供可能時間帯(午前、午後、夕方、夜等)、提供可能エリア、及び課金の要否等をコンテンツ毎に管理する。したがって、コンテンツ管理サーバ101は、コンテンツダウンロード要求を受け付けた日時及び携帯端末203の位置に応じたコンテンツを判別する。
【0018】
携帯端末203の位置判別に関して、携帯端末203がGPS機能を有し、当該機能を利用可能な場合、携帯端末203はGPS機能によって得られた位置情報をコンテンツ管理サーバ101に送る。また、携帯端末203のユーザが電車に乗っている場合、コンテンツ管理サーバ101は、携帯端末203が接続したオープンネットワーク151を制御する装置が存在する駅に基づいて、携帯端末203の位置を判別する。また、携帯端末203は、列車運行システムで取得可能な位置情報を取得して、この位置情報をコンテンツ管理サーバ101に送っても良い。なお、列車運行システムにおける位置情報は、列車に装置されたGPS機能又は沿線に設置された通過スイッチ等からの信号に基づく情報である。
【0019】
図3は、コンテンツ管理サーバ101が管理する番号528に対応したコンテンツを示す図である。図3に示すように、コンテンツ管理サーバ101は、番号528が割り当てられたコンテンツ(A1a等)を、期間、時間帯及びエリア(駅)毎に管理している。すなわち、コンテンツ管理サーバ101は、番号528が割り当てられたコンテンツの内、コンテンツのダウンロード要求を受け付けた日時及び当該ダウンロード要求を送った携帯端末203の位置に関する判別結果に該当するコンテンツを選択する。
【0020】
コンテンツ管理サーバ101は、番号、日時及びエリアに該当するコンテンツがない場合、携帯端末203に対してコンテンツをダウンロードできない旨の通知を行う。一方、コンテンツ管理サーバ101は、番号、日時及びエリアに該当するコンテンツがある場合、当該コンテンツの課金の要否を判断する。
【0021】
要求されたコンテンツが無料の場合、コンテンツ管理サーバ101は、携帯端末203によるコンテンツのダウンロードを許可する。一方、要求されたコンテンツが有料の場合、コンテンツ管理サーバ101は、決済管理サーバ105にアクセスして、携帯端末203に対応する残金情報を取得する。次に、コンテンツ管理サーバ101は、携帯端末203に対して当該コンテンツのダウンロードが有料である旨を通知する。当該通知を受けた携帯端末203は、図2(c)に示すように、コンテンツの額面とダウンロードの実行確認を促す画面をディスプレイに表示する。当該画面のとき、ユーザによって「OK」ボタンが選択されると、携帯端末203からコンテンツ管理サーバ101に通知確認が送られ、コンテンツ管理サーバ101は、携帯端末203によるコンテンツのダウンロードを許可する。有料のコンテンツがダウンロードされると、コンテンツ管理サーバ101は、決済管理サーバ105が記憶する携帯端末203に対応する残金情報を変更する。
【0022】
ダウンロードが完了すると、携帯端末203のディスプレイには、図2(d)に示すように、ダウンロードが完了したコンテンツの閲覧を開始するか否かの判断を促す画面が表示される。当該画面のとき、ユーザによって「OK」ボタンが選択されると、ダウンロードしたコンテンツが携帯端末203で閲覧可能な状態となる。
【0023】
上述したように、携帯端末203がダウンロードするコンテンツが有料である場合、決済管理サーバ105には、携帯端末203に対応する残金情報が登録されていなければならない。このため、携帯端末203のユーザは、駅等に設置されている券売機107を用いてチャージを行う。券売機107は、ネットワーク153を介して決済管理サーバ105に接続されており、チャージ金額及びチャージ毎に異なるチャージ識別情報を決済管理サーバ105に送る。また、券売機107は、チャージ金額及びチャージ識別情報を画面に表示又は領収書に印字する。図4は、チャージされたとき券売機107が発行する領収書の一例を示す図である。なお、チャージ識別情報は、二次元バーコードによって表されていても良い。
【0024】
続いて、携帯端末203のユーザは、携帯端末203でチャージ管理サイトにアクセスし、券売機107に対して行ったチャージを確定するための操作を次のように行う。図5(a)及び(b)は、携帯端末203のディスプレイに表示されるチャージ管理サイトの画面の例を示す図である。ユーザは、携帯端末203のディスプレイに図5(a)に示す画面が表示されると、券売機107の画面又は領収書を参照して、図5(b)に示すようにチャージ識別情報(図5(b)の例では「201202290000581」)を入力する。さらに、ユーザが「OK」ボタンを選択すると、携帯端末203から当該チャージ識別情報と携帯端末203に固有の情報が決済管理サーバ105に送られる。
【0025】
このようにして、決済管理サーバ105は、券売機107からはチャージ金額及びそのチャージ識別情報が送られ、携帯端末203からは入力されたチャージ識別情報と携帯端末203に固有の情報が送られる。決済管理サーバ105は、券売機107から送られたチャージ識別情報と携帯端末203から送られたチャージ識別情報が一致すれば、携帯端末203に対応する残金情報にチャージ金額を加算する。
【0026】
なお、有料コンテンツのダウンロードに対する決済は、ユーザが携帯端末203を用いて駅の自動改札口を出るときに乗車賃の決済と共に行われても良い。また、携帯端末203のユーザがプリペイド型の電子マネーカードを有し、この電子マネーカードと携帯端末203が決済管理サーバ105で紐付けられていれば、ユーザが電子マネーカードを用いて駅の自動改札口を出るときに、乗車賃の決済と有料コンテンツのダウンロードに対する決済とが行われても良い。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯端末203のユーザが電車に乗っているとき、中吊り広告等の広告媒体201に印刷された番号をユーザが携帯端末203に入力してネットワーク上に送信するだけの簡単な操作で、所望のコンテンツをダウンロードできる。本実施形態では、広告媒体201に印刷されているコンテンツに対応する番号は3桁以下の番号である。また、コンテンツに対応する情報として、数字、文字又は記号等が用いられる場合であっても、当該情報の字数は3つ以下である。このように、広告媒体201に印刷されるコンテンツに対応する番号又は情報は、携帯端末203のユーザが容易に記憶可能である。したがって、コンテンツをダウンロードする際の操作容易性を向上できる。また、券売機107を用いてチャージした情報が携帯端末203に紐付けられた状態であれば、ユーザはこの携帯端末203を用いて同様の操作で有料コンテンツをダウンロードできる。
【0028】
また、中吊り広告の特殊性に基づいて提供可能なコンテンツは、コンテンツの提供期間若しくは時間帯、及び/又は、エリアが異なれば、異なるコンテンツに対して同じ番号を対応付けることができる。すなわち、コンテンツの提供可能な期間若しくは時間帯又はエリアが異なれば、広告媒体201に印刷する番号を使い回すことができる。したがって、コンテンツの数と同数の異なる番号を用意する必要はないため、広告媒体201に印刷する番号の桁数を少なくできる。
【0029】
なお、本実施形態ではチャージを行う際に券売機107が用いられているが、ネットワークを介して決済管理サーバ105に接続された専用の端末が用いられても良い。
【0030】
また、携帯端末203がオープンネットワーク151に接続したとき携帯端末203に表示するウェブページには、JavaScript(登録商標)等を使用して常時更新する指定エリアを設け、ページ上に位置情報を表示して、位置に合わせたコンテンツに切り替えられるようにしても良い。
【0031】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の情報提供システムの構成を示すブロック図である。第2の実施形態の情報提供システムは、第1の実施形態の情報提供システムが備えるコンテンツ管理サーバ101の代わりに、コンテンツ管理サーバ301を備える。また、第2の実施形態の情報提供システムでは、第1の実施形態における携帯端末203の代わりに、タブレット端末203a又はスマートフォン203bが用いられる。この点以外は第1の実施形態と同様であり、図6において、図1と共通する構成要素には同じ参照符号が付されている。同じ参照符号が付された構成要素についての説明は簡略化又は省略する。
【0032】
図6に示すように、本実施形態でも、車両等に設けられた中吊り広告等の広告媒体201には、コンテンツ提供サーバ103が提供可能な各コンテンツの見出しと各コンテンツに対応する番号が印刷されている。なお、コンテンツの見出しと対応する番号との関係は、第1の実施形態と同様である。広告媒体201のデザイン、並びに、広告媒体201を構成する各コンテンツの見出し及び対応する番号のテキストやレイアウト等は、パソコン等を用いて視覚的に編集可能なデジタルデータとして存在する。したがって、広告媒体201の作成者は、パソコン等を用いてこのデジタルデータを編集し、各コンテンツの見出し及び対応する番号を設定することで、最終的な広告媒体201のデジタルデータを作成することができる。このとき、各コンテンツの見出し及び対応する番号には、ネットワークを介してコンテンツを取得可能なリンク先を示すタグ情報が付加される。このタグ情報を含む広告媒体201のデジタルデータは、コンテンツ管理サーバ301に保存される。広告媒体201のデジタルデータは、例えばHTML(HyperText Markup Language)形式のデータである。
【0033】
本実施形態の情報提供システムの利用者が広告媒体201に掲載された見出しのコンテンツを閲覧するためには、まず、タブレット端末203a又はスマートフォン203b等の通信端末でコンテンツ管理サーバ301にアクセスする。コンテンツ管理サーバ301は、通信端末からのアクセス要求に応じて、広告媒体201のフォーマット及び内容とほぼ同様の画面データを生成して通信端末に送る。このため、通信端末のディスプレイには図7に示す画面が表示される。図7は、通信端末を利用するユーザが広告媒体201に掲載された見出しのコンテンツを閲覧するための操作を行った際、通信端末のディスプレイに表示される画面の例を示す図である。
【0034】
なお、コンテンツ管理サーバ301から通信端末に送られる画面データには、広告媒体201のデジタルデータに含まれるタグ情報である各コンテンツのリンク先に係る情報が含まれる。したがって、通信端末は、コンテンツ管理サーバ301から送られた画面データに基づく図7等の画面を、各コンテンツの見出し及び番号にリンクが貼られた状態で表示する。通信端末はディスプレイ上にタッチパネルを有するため、ユーザが所望のコンテンツの見出し又は番号をタップすれば、タップされたコンテンツのダウンロード要求が通信端末からコンテンツ管理サーバ301へ送られる。その後の処理は第1の実施形態と同様である。すなわち、コンテンツ管理サーバ301は、ダウンロード要求を受け取った時間及びエリア等に応じたコンテンツをコンテンツ提供サーバ103から取得し、当該コンテンツの課金の要否に応じた決済処理を行った上で、通信端末にコンテンツのダウンロードを許可する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、通信端末からコンテンツ管理サーバ301にアクセス要求が行われると、コンテンツ管理サーバ301は広告媒体201のデジタルデータを基に画面データを生成して通信端末に送る。通信端末にはコンテンツ管理サーバ301から送られた画面データによる画面が表示されるため、この通信端末のユーザは、中吊り広告等の広告媒体201と同様の画面を手元で見ながら、所望のコンテンツを選択したり閲覧することができる。また、コンテンツ管理サーバ301は、通信端末に送る画面データの生成に、広告媒体201のデジタルデータを利用する。このため、コンテンツ管理サーバ301における画像データの生成負荷は非常に小さい。
【0036】
なお、通信端末がタブレット端末203aである場合、広告媒体201とフォーマット及び内容がほぼ同様の図7等に示す画面がタブレット端末203aのディスプレイに表示されても、タブレット端末203aのユーザは、各コンテンツの見出し及び番号を確認できる。しかし、通信端末がタブレット端末203aよりもディスプレイのサイズが小さなスマートフォン203bである場合、広告媒体201とフォーマット及び内容がほぼ同様の図7等に示す画面がスマートフォン203bのディスプレイに表示されても、各見出しの文字や番号が小さいため、スマートフォン203bのユーザは、各コンテンツの見出し及び番号を確認しづらい。このため、コンテンツ管理サーバ301は、アクセス要求を行った通信端末(タブレット端末203a又はスマートフォン203b)の種類に応じて異なる画面データを生成しても良い。
【0037】
この場合、コンテンツ管理サーバ301は、スマートフォン203bからのアクセス要求に応じて、広告媒体201とフォーマットは異なるが内容が同様の画面データを生成してスマートフォン203bに送る。当該画像データを受け取ったスマートフォン203bのディスプレイには、図8に示す画面が表示される。図8は、スマートフォン203bを利用するユーザが広告媒体201に掲載された見出しのコンテンツを閲覧するための操作を行った際、スマートフォン203bのディスプレイに表示される画面の例を示す図である。このように、コンテンツ管理サーバ301からの画面データに応じた画面の形態は、アクセス要求を行った通信端末の種類に応じて変えても良い。通信端末の種類に応じて画面の形態を変える場合、通信端末がコンテンツ管理サーバ301にアクセスする際、アクセス要求に加えて、当該通信端末の種類を示す端末情報もコンテンツ管理サーバ301に送られる。コンテンツ管理サーバ301は、アクセス要求と共に送られた端末情報が示す通信端末のディスプレイに表示可能な画面データを生成する。その結果、通信端末がタブレット端末203aであってもスマートフォン203bであっても、各通信端末のユーザが広告媒体201の内容を手元で閲覧できる。
【0038】
なお、現況の技術又は製品では、スマートフォン203のディスプレイに表示された見出し又は番号等が小さいために、所望の見出し又は番号を指でタップすることが困難な場合がある。しかし、簡便な画面の拡大機能や、所望の見出しとこれに隣接する見出しとにまたがって指でタップした場合であっても所望の見出しのみを選択する機能がスマートフォン203に搭載されれば、広告媒体201とフォーマット及び内容がほぼ同様の図7等に示す画面をスマートフォン203bで表示しても良い。
【0039】
なお、図7及び図8に示した例では、各コンテンツの見出しに併せて、それぞれ対応する番号が画面に表示されるが、番号の表記は省略しても良い。但し、通信端末が音声認識機能を有し、ユーザが手元の画面を見ながら所望のコンテンツを選択する際に音声認識機能を利用する場合は、当該画面内の各コンテンツの見出しに番号が併記されていた方がユーザにとって便利である。この場合、ユーザは所望のコンテンツの見出しではなく、当該見出しに併記されている番号を発声すれば良い。音声認識機能によって番号を認識した通信端末は、当該番号に対応するコンテンツのダウンロード要求をコンテンツ管理サーバ301へ送る。なお、音声認識機能を有する通信端末は、音声認識機能を有効と無効を切り替えるためのソフトウェアボタン(オンスクリーンボタン)を図7又は図8等の画面内に表示しても良い。この場合、通信端末のユーザは、ソフトウェアボタンを操作して音声認識機能を有効に設定した上で、所望のコンテンツの見出しに併記された番号を発声する。
【0040】
また、本実施形態のコンテンツ管理サーバ301は、アクセス要求を行った通信端末の種類に応じて、当該通信端末に送る画面データの形態を変えているが、アクセス要求を行った通信端末のディスプレイの大きさに応じて画面データの形態を変えても良い。この場合、通信端末がコンテンツ管理サーバ301にアクセスする際には、当該通信端末のディスプレイの大きさを示す情報がアクセス要求に付加される。
【0041】
また、第1及び第2の実施形態では、広告媒体201として車両等に設けられた中吊り広告を例に説明したが、広告媒体201は、新聞に掲載された雑誌等の広告であっても、インターネット上のウェブページに掲載された広告であっても良い。また、第1及び第2の実施形態では、広告媒体201としての中吊り広告が雑誌の広告を例に説明したが、靴や洋服、チケット、不動産等の広告であっても良い。
【符号の説明】
【0042】
101,301 コンテンツ管理サーバ
103 コンテンツ提供サーバ
105 決済管理サーバ
107 券売機
151 オープンネットワーク
201 広告媒体
203 携帯端末
203a タブレット端末
203b スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8