特許第5715188号(P5715188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715188
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】ホイップクリーム用油脂組成物
(51)【国際特許分類】
   A23D 9/007 20060101AFI20150416BHJP
   A23L 1/19 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   A23D9/00 518
   A23L1/19
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-116143(P2013-116143)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233241(P2014-233241A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2014年8月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591040144
【氏名又は名称】太陽油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(72)【発明者】
【氏名】安武 貴一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 孝
【審査官】 小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−065580(JP,A)
【文献】 特開2009−072096(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/032945(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 7/00−9/06
A23L 1/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種類の油脂を含むホイップクリーム用油脂組成物であって、
(1)ーム系油脂のエステル交換分別油である、融点が20〜40℃の第一油脂、ただし前記パーム系油脂にパーム核由来の油脂は含まれない、及び
(2)ベヘン酸を構成脂肪酸として含む油脂である第二油脂、
を含み、第一油脂であるパーム系油脂の量が前記組成物中の油脂全質量に基づいて50質量%以上であり、前記ベヘン酸の量が前記組成物中の油脂全質量に基づいて0.5質量%〜7.5質量%であることを特徴とするホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項2】
油脂組成物中の全トリアシルグリセロールに占めるSSUで表されるグリセロールの質量A1とSUSで表されるグリセロールの質量A2の比A1/A2が1.0を超え、前記Sは炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基、Uは炭素数が16以上22以下の範囲内である不飽和脂肪酸残基を意味する、請求項1記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項3】
油脂組成物中の全トリアシルグリセロールに占めるSSSで表される、炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基3個を有するトリグリセリドの質量が10質量%未満である請求項1記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項4】
前記第二油脂が、極度硬化ハイエルシン菜種油を含む請求項1〜3のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項5】
液体油である第三油脂を更に含む請求項1〜4のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項6】
前記液体油が、大豆油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、落花生油、ひまわり油、パーム分別油低融点部、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックナタネ油又はこれらの混合油からなる群から選択される請求項5記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項7】
前記パーム系油脂がパーム果実由来の油脂である、請求項1〜6のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項8】
前記パーム系油脂がパーム油及びパーム分別油から選択される、請求項1〜7のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物の、ホイップクリーム製造における使用。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物を用いて製造されるホイップクリーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイップクリーム用油脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製菓や料理に用いられるホイップクリームとして、植物性油脂を原料として製造される植物性クリーム(水中油型乳化物)を用いることが知られている。植物性クリームは生乳から得られる生クリームに比べて安定性に優れ、かつ比較的安価に製造されるという利点を有するためにその消費量は多い。
この植物性クリームの製造では、流通時の温度変化する条件でも乳化安定性に優れ、口融け、液状安定性、気泡性に優れたホイップクリームが求められており、従来から数多くの提案がなされている。
起泡前のクリームの状態で流通させるクリームでは、起泡性(ホイップ時の操作性)、液状安定性、更に口の中での融けやすさ(口融け)などの性能に加えて、輸送中の温度変化によりクリームの粘度が上昇しない(ヒートショック耐性)という特性が求められる。
従来、ホイップクリーム用油脂組成物に用いられる油脂の主要原料として、風味の点で優れた乳脂や、適度な融点と固体脂含量を持つラウリン系油脂が使用されてきた。しかしながら、ラウリン系油脂は、心疾患の原因となり得る飽和脂肪酸含量が多い。また、ラウリン系油脂は、生産量が少なく価格変動が大きい。このため、飽和脂肪酸含量が比較的少なく、生産量が安定し安価なパーム系油脂を用いたホイップクリームが求められている。ところが、ホイップクリーム用油脂組成物にパーム油やパーム中融点部を大量に使用すると、結晶化の遅い対称型のPOPトリグリセリドなどの量が多くなるためホイップ物性が悪くなる。また、ホイップクリーム用油脂組成物にパーム系エステル交換油脂を添加すると、POPグリセリドが減少して非対称型のPPOトリグリセリドなどが増える。このため、パーム系エステル交換油脂の添加により、ホイップクリームのホイップ物性は改善されるが、高融点のPPPグリセリドなどの三飽和トリグリセリドが多くなり、口溶けが悪くなるといった問題がある。したがって、パーム系油脂のホイップクリーム用途への利用は限定的であった。
【0003】
パーム系油脂を利用した油脂組成物としては、例えば、S2O型トリグリセリドを主成分とするクリーム用油脂(特許文献1)、総炭素数50及び52のトリグリセリドを主成分とする油脂組成物(特許文献2)、油脂中にSUSを60重量%以上含む油脂組成物(特許文献3)などが挙げられる。特許文献1では、S2O型トリグリセリドを高濃縮した油脂の例が示されている。このようなS2O型トリグリセリド系油脂は、ホイップ物性や口溶けは良好である。しかし、S2O型トリグリセリド系油脂を製造する際、パーム系油脂を2段分別した硬質部を得る必要があるが、その硬質部は少量しか得られない。このため、S2O型トリグリセリド系油脂は比較的高価になる。特許文献2及び特許文献3には、パーム油、パーム中融点部などSUS型グリセリドを含む油脂を利用した例が示されている。しかし、このような油脂は、SUS型グリセリドの量が多いためにクリームの固化が起きやすく、ラウリン系油脂を代替できるものとは言えなかった。そこで、本発明者らは、パーム系油脂のエステル交換分別油とラウリン酸系油脂を組み合わせた油脂組成物を調製したところ、起泡性(ホイップ時の操作性)、ホイップ後の保形性、更に口の中での融けやすさ(口融け)などの性能は優れていたが、ヒートショック耐性が低いという問題が残った。
ヒートショック耐性に優れた油脂組成物としては、極度硬化したハイエルシン菜種油を多く含む油脂組成物(特許文献4)が挙げられる。しかし、パーム系油脂を主体とした油脂組成物で、起泡性(ホイップ時の操作性)、ホイップ後の保形性、更に口の中での融けやすさ(口融け)などの性能に優れるだけでなく、ヒートショック耐性に優れた油脂組成物の報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−86268号公報
【特許文献2】特開2002−17256号公報
【特許文献3】特開2006−223176号公報
【特許文献4】特開2009−284869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、パーム系油脂を主体とし、起泡性(ホイップ時の操作性)、液状安定性、更に口の中での融けやすさ(口融け)などの性能に優れるだけでなく、ヒートショック耐性にも優れたホイップクリーム用油脂組成物を調製することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ホイップクリーム用油脂組成物に含まれるパーム系油脂のエステル交換分別油の融点を特定の範囲に調整し、さらに上記ホイップクリーム用油脂組成物に含まれるベヘン酸を特定量に選択することにより、起泡性(ホイップ時の操作性)、液状安定性、更に口の中での融けやすさ(口融け)などの性能に優れるだけでなく、ヒートショック耐性にも優れたホイップクリーム用油脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。
<1>
ホイップクリーム用油脂組成物であって、
(1)融点が20〜40℃のパーム系油脂のエステル交換分別油である第一油脂、及び
(2)ベヘン酸を構成脂肪酸として含む油脂である第二油脂、
を含み、
第一油脂であるパーム系油脂の量が記組成物中の油脂全質量に基づいて50質量%以上であり、前記ベヘン酸の量が前記組成物中の油脂全質量に基づいて0.5質量%〜7.5質量%であることを特徴とするホイップクリーム用油脂組成物。
<2>
油脂組成物中の全トリアシルグリセロールに占めるSSUで表されるグリセロールの質量A1とSUSで表されるグリセロールの質量A2の比A1/A2が1.0を超え、前記Sは炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基、Uは炭素数が16以上22以下の範囲内である不飽和脂肪酸残基を意味する、<1>記載のホイップクリーム用油脂組成物。
<3>
油脂組成物中の全トリアシルグリセロールに占めるSSSで表される、炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基3個を有するトリグリセリドの質量が10質量%未満である<1>記載のホイップクリーム用油脂組成物。
<4>
前記第二油脂が、極度硬化ハイエルシン菜種油を含む上記<1>〜<3>のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物。
<5>
液体油である第三油脂を更に含む上記<1>〜<4>のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物。
<6>
前記液体油が、大豆油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、落花生油、ひまわり油、パーム分別油低融点部、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックナタネ油又はこれらの混合油からなる群から選択される上記<5>記載のホイップクリーム用油脂組成物。
<7>
上記<1>〜<6>のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物の、ホイップクリーム製造における使用。
<8>
上記<1>〜<7>のいずれか1項記載のホイップクリーム用油脂組成物を用いて製造されるホイップクリーム。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、起泡性(ホイップ時の操作性)、液状安定性、更に口の中での融けやすさ(口融け)などの性能に優れるだけでなく、ヒートショック耐性にも優れたホイップクリーム用油脂組成物が提供される。
特に、本発明のホイップクリーム用油脂組成物は高いヒートショック耐性を有し、ホイップ後の乳化安定性を示す一方で、優れた口融けを実現するため、従来品と比べて極めて優れた商品価値を与えるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<ホイップクリーム用油脂組成物>
本発明のホイップクリーム用油脂組成物は、少なくとも2種類の油脂を含むホイップクリーム用油脂組成物であって、
(1)融点が20〜40℃のパーム系油脂のエステル交換分別油である第一油脂、及び
(2)ベヘン酸を構成脂肪酸として含む油脂である第二油脂、
を含み、第一油脂であるパーム系油脂の量が記組成物中の油脂全質量に基づいて50質量%以上であり、前記ベヘン酸の量が前記組成物中の油脂全質量に基づいて0.5質量%〜7.5質量%であることを特徴とする。
【0009】
なお、本明細書において、「ホイップクリーム」は起泡した水中油型乳化油脂組成物(起泡済クリーム状組成物)を意味する。「ホイップクリーム用水中油型乳化油脂組成物」は起泡前のクリーム状の水中油型乳化油脂組成物を意味する。「ホイップクリーム用油脂組成物」は、ホイップクリーム用水中油型乳化油脂組成物を製造するために用いられる「油脂組成物」を意味する。
【0010】
本発明のホイップクリーム用油脂組成物から水中油型乳化油脂組成物を調製する際には、後述するように油相部に乳脂肪を添加することができるが、本明細書において「ホイップクリーム用油脂組成物」あるいは「油脂組成物」という場合には、特に断らない限り、植物性油脂(すなわち、乳脂肪を除く油脂)からなる油脂組成物を意味する。
【0011】
(1)第一油脂
本発明の油脂組成物において、第一油脂は、「融点が20〜40℃であるパーム系油脂のエステル交換分別油」である。
「パーム系油脂」とは、パーム油又はパームステアリン、パームオレイン等のパーム分別油から選択される油脂である。
「パームステアリン」とは、精製パーム油を分別したものであり、融点が44℃以上、ヨウ素価が48以下程度のものである。
「パームオレイン」とは、精製パーム油を分別したものであり、融点が24℃以下、ヨウ素価が56以上程度のものである。
本発明において「パーム系油脂」は、パーム油又はパームステアリンから選択されることが好ましく、パーム油とパームステアリンを10:0〜1:9の質量比率で含むことがより好ましく、パーム油とパームステアリンを10:0〜5:5の質量比率で含むことが更に好ましい。
【0012】
パーム系油脂のエステル交換方法としては、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。エステル交換には、例えば、ランダムエステル交換反応方法、ディレクテッドエステル交換反応方法がある(参考文献:安田耕作、福永良一郎、松井宣也、渡辺正男、新版油脂製品の知識、幸書房)、本発明では、ランダムエステル交換反応方法が好ましい。
ランダムエステル交換は、例えば、ナトリウムメチラート、水酸化ナトリウム等を触媒としてエステル交換を行う化学的な方法、非選択的リパーゼ等を触媒としてエステル交換を行う酵素的な方法に従って行うことができる。特に、化学的な方法でランダムエステル交換反応を行うことにより、簡便であるため、より好ましい。
【0013】
本発明の第一油脂(エステル交換分別油)は、上述したエステル交換を行った後、分別して得られる20〜40℃の融点を有する油脂である。分別方法としては、食用油脂に一般的に適用される方法が挙げられる。分別では、具体的には、パーム系油脂を融解させた後、β型結晶が得られるようにその油脂溶液を徐々に冷却して結晶を析出させて晶析し、固体脂含量を確認しながら晶析温度を調整する。なお、晶析時の固体脂含量は5質量%以上20質量%以下の範囲内であることが好ましい。固体脂含量がこの範囲内であると、ヨウ素価が比較的低い原料であっても液状部のSSSグリセリドの量を適正に調整することができると共に、ヨウ素価が比較的高い原料であってもSU2グリセリドに対するS2Uグリセリドの質量比を適正に調整することができ、さらに分別の効率を適正に維持することができ、延いては製造コストの上昇を抑制することができるからである。また、分別後のパーム系油脂のヨウ素価は38以上62以下の範囲内であることが好ましい。
上述のとおり調整された本発明の第一油脂は20〜40℃の融点を有する。好ましくは20〜35℃、より好ましくは23〜33℃である。
【0014】
本発明の第一油脂は、油脂組成物の全質量に対し、50質量%以上含むことが好ましく、50質量%以上90質量%以下含むことがより好ましく、75質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
【0015】
(2)第二油脂
第二油脂は、ベヘン酸を構成脂肪酸として含む油脂である。ベヘン酸は、特に落花生油に3%(構成脂肪酸中)程度含まれている。ベヘン酸は、本発明の油脂組成物の油脂全体量に基づいて0.5〜7.5質量%含まれる。好ましくは1.0〜5.5質量%であり、更に好ましくは1.5〜4.0質量%である。ベヘン酸量が少なすぎると本願発明の効果を奏することができず、また多すぎると口どけが悪くなる。
【0016】
第二油脂は、ベヘン酸を構成脂肪酸として1〜55質量%含むものであってもよい。
本発明の第二油脂の原料油脂としてはハイエルシン菜種油、からし油、クランベ油などを硬化した油脂が挙げられ、好ましくは極度硬化ハイエルシン菜種油が挙げられる。極度硬化ハイエルシン菜種油とは、ハイエルシン菜種油を完全に水素添加した(極度硬化した)油脂である。「極度硬化」とは、水素添加によって不飽和脂肪酸を完全に飽和化することである。水素添加の方法は当業者に公知の方法により適宜行うことができる。例えば「食用油製造の実際」(宮川高明著、幸書房、昭和63年7月5日 初版第1刷発行)に記載の方法に従い行うことができる。
【0017】
本発明の第二油脂としては、ハイエルシン菜種油あるいはその極度硬化油と、ラウリン系油脂との混合油をエステル交換した油脂を用いてもよい。ラウリン系油脂としてはヤシ油が好ましい。
本発明の第二油脂は、ヤシ油:極度硬化ハイエルシン菜種油を9:1〜1:9の比率で含む油脂あるいはそのエステル交換油脂でもよい。
「ヤシ油」は、ヤシから得られる油脂であり、水素添加されていないいわゆる生のヤシ油(非水素添加油脂または非硬化油)を意味する。
【0018】
本発明の第二油脂は、油脂組成物の全質量に対し、ベヘン酸が0.5〜7.5質量%含まれるような量を添加することが好ましい。
【0019】
(3)第三油脂
本発明の油脂組成物は第三の油脂として、液体油を含んでもよい。液体油としては、例えば、大豆油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、落花生油、ひまわり油、パーム分別油低融点部、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックナタネ油又はこれらの混合油などが挙げられる。
第三油脂の含有量は、油脂組成物の全質量に対し30質量%以下であることが好ましく、更に20質量%以下であることが好ましい。
【0020】
(4)第四油脂
第四油脂としては、ヤシ油100重量%を上述したエステル交換し、脱色、脱臭を行ったものがあげられる。
【0021】
(5)第五油脂
第五油脂としてはヨウ素価43〜47のパーム分別中融点部があげられる。
【0022】
(6)第一油脂と第二油脂の質量比
第一油脂と第二油脂の質量比は、95:5〜65:35の比であることが好ましい。また、90:10〜80:20であることがより好ましい。かかる範囲において、高いヒートショック耐性を有し、液状安定性、優れた口融けのホイップクリームを得ることができるからである。
上述のようにして調製されたパーム系油脂エステル交換油の融点が20〜40℃である第一油脂、ベヘン酸を構成脂肪酸として含む油脂のエステル交換油である第二油脂、任意に第三油脂を混合し、油脂組成物中の油脂全体量に基づくベヘン酸量を調整する。
【0023】
(7)油脂組成物の構成脂肪酸
本発明の油脂組成物中の全トリアシルグリセロールに占めるSSUで表されるグリセロールの質量A1とSUSで表されるグリセロールの質量A2の比A1/A2は1.0を超えることが好ましい。この質量比が1.0を超えると、クリームの固化を防止することができる。なお、この質量比は、1.5以上であることがより好ましい。また、この質量比は10以下であることが好ましい。この質量比が10以下であると、起泡性水中油型乳化油脂組成物を比較的安価に製造することができるからである。前記Sは炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基、Uは炭素数が16以上22以下の範囲内である不飽和脂肪酸残基を意味する。
油脂組成物中の全トリアシルグリセロールに占めるSSSで表される、炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基3個を有するトリグリセリドの質量は10質量%未満であることが好ましい。10質量%未満であるとクリームの口溶けを良好にすることができる。より好ましくは8質量%未満であり、更に好ましくは5.5質量%未満である。
本発明の油脂組成物は、第一油脂と第二油脂から構成されるか、あるいは第一油脂、第二油脂及び第三油脂から構成されることが好ましい。
【0024】
本発明の組成物は、第一油脂、第二油脂の他に、例えば、菜種油、大豆油、サフラワー油、コーン油、米油、綿実油、パーム系油脂、パーム核油、やし油などの植物性油脂、乳脂などの動物油脂、および、これらの油脂の分別油、硬化油もしくはエステル交換油などを含んでもよい。
【0025】
<水中油型乳化油脂組成物>
本発明の油脂組成物から調製される水中油型乳化油脂組成物は、水相部と油相部からなり、上述した本発明のホイップクリーム用油脂組成物を油相部に含む。水相部と油相部の質量比はホイップクリームを製造するために適宜設定することができるが、通常、80:20〜50:50程度である。
前記油相部は、油脂として本発明のホイップクリーム用油脂組成物のみを含んでいてもよく、また乳脂肪を更に含んでいてもよい。乳脂肪としてバターオイル、バター、生クリーム、牛乳等を由来とする乳脂肪が挙げられる。以下、上述した本発明のホイップクリーム用油脂組成物を特に乳脂肪と区別して述べる場合には、「植物性油脂組成物」とも呼ぶ。
乳脂肪と植物性油脂組成物の混合比は、質量比で乳脂肪:植物性油脂組成物が0:100〜80:20の範囲内で変えることができる。前記範囲内であれば、植物性油脂組成物のヒートショック耐性、液状安定性、口融け、起泡性等の効果を損なうことなく、ホイップクリームを製造することができる。
【0026】
本発明の油脂組成物から調製される水中油型乳化油脂組成物は、一般的な製造方法により製造できるが、代表的な方法を述べると、先ず使用する乳化剤が親油性のものは原料油脂(本発明のホイップクリーム用油脂組成物)の一部または全部に添加し溶解ないし分散させて油相部を調製する。
このような乳化剤としては、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等従来公知の乳化剤のうちHLBの低い乳化剤が例示でき、本発明においてはこれらのいずれを適宜組み合わせて使用してもよい。
また、バターオイル、バター、生クリーム、牛乳等を由来とする乳脂肪を用いる場合には、これらを必要に応じて加熱混合して油相物を調製して用いる。乳脂肪を含む油相部と、上述した植物性油脂からなる本発明のホイップクリーム用油脂組成物を含む油相部は、水相部に混合した後添加してもよく、また各々添加してもよい。
【0027】
次に、水相部にカゼインナトリウム、脱脂粉乳、糖類や必要に応じて、蔗糖脂肪酸エステル、クエン酸ナトリウム、トリポリりん酸ナトリウム、第二りん酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ヘキサメタりん酸ナトリウム、増粘多糖類、香料などを添加し調製する。
無脂乳固形分の量は、組成物の全質量に対して、1〜10質量%であることが好ましく、更に2〜7質量%であることが好ましく、3〜6質量%であることが最も好ましい。このような範囲で添加することにより、乳化安定性が改善され、また風味が改善される場合があるからである。無脂乳固形分の含有量が約1質量%未満であると、乳化組成物を泡立てて得られるホイップクリームの風味が悪くなる。また、無脂乳固形分の含有量が約10質量%を越えると乳化組成物の粘度が高くなり、エージング中に粘度上昇が起こる恐れがある。
【0028】
これら、油相部と水相部を50℃から80℃に加温し、混合して予備乳化を行う。予備乳化後、ホモゲナイザーにて均質化し、バッチ式殺菌法、または間接加熱方式あるいは直接加熱方式によるUHT滅菌処理法にて滅菌し、再びホモゲナイザーにて均質化し冷却しエージングする。
本発明の水中油型乳化油脂組成物には、甘味や粘度の調節を目的として糖類を配合してもよい。糖類としては、例えば、水飴、粉飴、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレハロース等が挙げられ、これは必要に応じ適宜組み合わせて配合される。
【0029】
<ホイップクリーム>
本発明において、ホイップクリームは、本発明の油脂組成物から調製される水中油型乳化油脂組成物を、当該技術分野において通常の方法により起泡されたものである。
以下、本発明の油脂組成物から調製した水中油型乳化油脂組成物を使用したホイップクリームの製造例を示すが、本発明はかかる例に限定されるものではない。
【0030】
まず、本発明の油脂組成物を融解混合等により調製する。油脂組成物に、レシチン、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤等の任意の添加剤を加え、混合して油相を調製する。
一方、水相部として、水に、メタリン酸Na、増粘多糖類、乳蛋白等の任意の添加剤を加えた後、これらを分散させて水相を調製する。
50〜80℃にて油相と水相を混合させ、予備乳化を行う。次いで75〜85℃にて加熱殺菌をする。次いで5〜150kg/cm2の圧力下で均質化を行い、その後5〜10℃にまで冷却し、6〜24時間程度エージングを行なう。
このクリーム状油脂組成物をホバートミキサーにてホイップしてホイップクリームを得る。
以下、実施例および比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
本明細書において、油脂組成物の分析は、以下の通り行った。
・脂肪酸組成、トランス脂肪酸含量
基準油脂分析試験法(暫17-2007 トランス脂肪酸含量 キャピラリーガスクロマトグラフ法)に準じて測定した。
ガスクロマトグラフィー装置は、島津製作所(株)製、GC-2010型。カラムは、SUPELCO社製、SP-2560。
・上昇融点
基準油脂分析試験法(2.2.4.2-1996 融点 上昇融点)に準じて測定した。
・トリグリセリド組成
ラウリン系油脂を含有しない油脂のトリグリセリド組成(SSSグリセリンの含量やS2Uグリセリンの含量など)は、高速液体クロマトグラフ法により分析した。高速液体クロマトグラフ装置として日本ウォーターズ社製HPLC装置Allianceを用いた。なお、検出器として示差屈折率検出器(RI検出器)を採用した。カラムとしては、TSKgel ODS−80Ts 4.6mm×25cm逆相カラムを2本直列に並べて使用した。展開溶媒として、容積比でアセトン:アセトニトリル=8:2で混合した溶媒を用い、この展開溶媒を0.9mL/分でカラムに通液して分析を行った。また、ラウリン系油脂を含有する油脂のトリグリセリド組成は、ガスクロマトグラフ法により分析した。ガスクロマトグラフ装置としてAgilent社製7890Aを用いた。カラムとしてフロンティアラボ社製Ultra ALLOY TRG 30m×0.25mm×0.1μmを用い、インジェクション温度360℃、FID検出器温度360℃、オーブン初期温度280℃、昇温速度3℃/分、最終温度355℃、ホールド時間10分の条件で測定を行った。
【0032】
油脂調製方法
[第一油脂の製造例]
実施例の作成に先立ち第一油脂1を調製した。
(製造例1) パーム油(ヨウ素価52)100重量部をナトリウムメチラートを触媒とし、非選択的エステル交換反応を行い、脱色し、脱色後の油脂を70℃に加熱して融解させた後、その油脂を37℃に温調しながら攪拌して結晶を析出させた。12時間晶析処理を行った後、その油脂を加圧圧搾装置に導入して3MPaの圧力で圧搾し、収率83%で液状部を得た。そして、この液状部の脱臭を行い油脂1−1を得た。油脂1−1の融点は31.5℃、ヨウ素価は55.5であった。
【0033】
(製造例2) パーム油100重量部を「パーム油(ヨウ素価52)50重量部とパームステアリン(ヨウ素価35)50重量部の混合油脂100重量部」に代えた以外は、製造例1と同様にしてエステル交換および脱色を行って油脂を得た。そして、この油脂を70℃に加熱して融解させた後、液状となったその油脂を28℃に温調しながら攪拌して結晶を析出させた。12時間晶析処理を行った後、その油脂を加圧圧搾装置に導入して3MPaの圧力で圧搾し、収率68%で液状部を得た。そして、この液状部の脱臭を行い油脂1−2を得た。油脂1−2の融点は25.2℃、ヨウ素価は54.2であった。
【0034】
[第二油脂の製造例]
(製造例3) 極度硬化したハイエルシンナタネ50部、ヤシ50部の混合油を、ナトリウムメチラートを触媒とし、非選択的エステル交換反応を行い、脱色、脱臭を行い油脂2−1を得た。油脂2−1の構成脂肪酸中のベヘン酸量は19.8質量%、融点は48.5℃、ヨウ素価は6.0であった。
【0035】
(製造例4)極度硬化したハイエルシンナタネ30部、ヤシ70部の混合油を、ナトリウムメチラートを触媒とし、非選択的エステル交換反応を行い、脱色、脱臭を行い油脂2-2を得た。油脂2−2の構成脂肪酸中のベヘン酸量は15.3質量%、融点は38.4℃、ヨウ素価は7.8であった。
【0036】
第三油脂としてハイオレイックナタネ油を用いた。ヨウ素価は98.0であった。
【0037】
(製造例5)パーム油100重量部を「ヤシ油100重量部」に代えた以外は、製造例1と同様にしてエステル交換、脱色、脱臭を行い、油脂4を得た。油脂4の融点は27.1℃、ヨウ素価は8.9であった。
【0038】
第五油脂としてパーム油から分別されたパーム分別中融点部を用いた。油脂5の融点は26.3℃、ヨウ素価は45.3であった。
【0039】
油脂1−1、油脂1−2、油脂2−1、油脂2−2、油脂3、油脂4、油脂5の油脂混合物のトリグリセリド組成および脂肪酸組成を表1、表2にまとめた。
表1及び表2において、トリグリセリド組成および脂肪酸組成は、全トリグリセリド質量あるいは全脂肪酸質量に対する質量%を意味する。
S2Uは「炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基」2個および「炭素数が16以上22以下の範囲内である不飽和脂肪酸残基」1個を有するトリグリセリドを示す。
前記S2Uは、「1位および2位に、炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基を有するS2Uグリセリド(以下「SSUグリセリド」という)」および「1位および3位に、炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基を有するS2Uグリセリド(以下「SUSグリセリド」という)」からなる。
SU2は「炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基」1個および「炭素数が16以上22以下の範囲内である不飽和脂肪酸残基」2個を有するトリグリセリドを示す。
UUUグリセリドは、不飽和脂肪酸残基を3個有するトリグリセリドを示す。
「P/S」は、前記炭素数が16以上22以下の範囲内である飽和脂肪酸残基(「S」)に占めるパルミチン酸残基(以下「P」という)の質量割合を示す。
三飽和脂肪酸トリグリセリドは、全ての鎖長を含む飽和脂肪酸残基3個を有するトリグリセリドを示す。
【0040】
【表1】
【表2】
【0041】
[実施例1]
油脂1−1を42.22質量部、油脂2−1を2.22質量部を加え、融解混合した。これにレシチン0.22質量部、シュガーエステル0.15質量部、不飽和モノグリ0.11質量部、飽和モノグリ0.08質量部を加え油相を調製した。
一方、水50.93質量部と脱脂粉乳4.0質量部、メタリン酸Na0.07質量部を加えた後、分散させて水相を調製した。
油相と水相を混合し、65℃で予備乳化を行い、85℃にて加熱殺菌を行った。次いで、80kg/cm2、20kg/cm2の圧力下で均質化した。冷却後、5℃、1晩のエージングをした。
このクリーム状油脂組成物のクリームを500gに砂糖50gを添加し、ホバートミキサーにてホイップしたところ6分29秒でオーバーラン201%、硬度154の気泡物を得た。得られた気泡物はホイップ時間、終点幅、ヒートショック耐性、液状安定性、口どけが良好であった。
以下同様に、上記配合のうち油相部の配合を表1記載の配合に変えて、水中油型油脂組成物及びホイップクリームを作成した(実施例1〜8及び比較例1〜5)。
【0042】
水中油型乳化油脂組成物及びホイップクリームは以下のように評価した。評価結果は表1に示した。
【0043】
ホイップ時間
水中油型乳化油脂組成物(クリーム)500gに砂糖を50g加え、5.0℃に温調し、8分立てとなるまでホバートミキサーにて速度2にてホイップした。8分立てホイップクリームを更に10分立て(硬度140〜160)まで手立てした。ホイップにかかる時間(10分立てまでの時間)を記載した。
10分立てまでの時間(ホイップ時間)で、次の通り評価した。
◎:5分以上6分未満、
○:4分以上かつ5分未満または6分以上かつ7分未満、
△:3分以上かつ4分未満または7以上かつ8分未満、
×:3分未満または8分以上。
【0044】
オーバーラン
ホイップ後(10分立て)の体積増加率(%)。ただし、体積増加率は、式:((a)(一定体積の水の重量−水と同体積のホイップ後のクリームの重量)/(b)(水と同体積のホイップ後のクリームの重量))×100、に従って計算した。
【0045】
硬度
ホイップした水中油型乳化油脂組成物(クリーム)を45.5ml容器に入れ、ミクロペネメーター:RIGOSHA製のPENETRO METER使用、円スイ(1g)を使用し、平らにしたクリームへの円スイの針入度を測定(単位は1/10mm)した。
【0046】
+20秒オーバーラン
10分立ての状態から更に20秒間手立てした時の硬度を上記に従って測定した。
【0047】
+20秒硬度
10分立ての状態から更に20秒間手立てした時のオーバーランを上記に従って計算した。
【0048】
終点幅
「硬度」−「+20秒硬度」の値を次の通り評価した。
◎:−10以上かつ10未満、
○:−30以上かつ−10未満または10以上かつ30未満、
△:−50以上かつ−30未満または30以上かつ50未満、
×:−50未満または50以上。
【0049】
ヒートショック試験
牛乳瓶にホイップ前の水中油型乳化油脂組成物を約150g入れ、25℃の恒温槽に1時間入れ、その後、5℃の恒温槽に6時間保存した。保存後、粘度を評価した。
B型粘度計…No.3ローター スピード30にて5分後の粘度を測定した。または、5分以内で4000mPa・s以上になった場合にはその時間を示した(表では括弧を付して時間を示した)。次の通り評価した。
◎:5分間測定可能、
○:5分以内で4000cp以上、
×:固化(測定不可)。
【0050】
液状安定性評価法
液状安定性は、「100ccビーカーに50gの起泡性水中油型乳化油脂組成物を入れた後、それを直径4cmのプロペラで250rpmの条件で攪拌し、その流動性が無くなるまでに要する時間」で評価した。評価は次の通りとした。
◎:20分以上、
○:20分未満かつ10分以上、
×:10分未満。
【0051】
口溶け評価
専門パネラー5名により、ホイップクリーム(10分立て)を実際に食して口溶けを評価した。
5…非常に良好
4…良好
3…普通
2…やや悪い
1…悪い
【0052】
上記評価結果を表3、表4に示した。表3、表4の結果から、本発明のホイップクリーム用油脂組成物から製造される水中油型乳化油脂組成物が、ホイップクリーム製造時の口融けにおいてバランスのとれた優れた組成物であることがわかる(実施例1〜8)。
一方、第二油脂を含まない油脂組成物を用いたホイップクリーム用油脂組成物は、ヒートショック耐性を示さず、液状安定性が悪かった(比較例2)。また、ベヘン酸量が7.5質量%を超える場合にはヒートショック耐性は優れるが、口溶けが悪く(比較例1)、ベヘン酸量が0.5質量%未満の場合にはヒートショック耐性が大きく低下し、液状安定性が悪かった(比較例3)。第1油脂が50質量%未満である場合にはヒートショック耐性は優れるが、ホイップ時間が短く、終点幅が狭かった(比較例4)。パーム系油脂がパーム分別中融点部である場合には、口溶けに優れるが、ホイップ時間が短く、終点幅が狭く、液状安定性が悪く、ヒートショック耐性が大きく低下した(比較例5)。
【0053】
【表3】

【表4】