特許第5715207号(P5715207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715207
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】オレフィンオリゴマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 2/12 20060101AFI20150416BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20150416BHJP
   C07C 9/22 20060101ALI20150416BHJP
   C07C 5/03 20060101ALI20150416BHJP
   C10G 50/02 20060101ALI20150416BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20150416BHJP
【FI】
   C07C2/12
   C07C11/02
   C07C9/22
   C07C5/03
   C10G50/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-175655(P2013-175655)
(22)【出願日】2013年8月27日
(62)【分割の表示】特願2009-514830(P2009-514830)の分割
【原出願日】2007年6月14日
(65)【公開番号】特開2014-1229(P2014-1229A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年8月30日
(31)【優先権主張番号】20065405
(32)【優先日】2006年6月14日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】505081261
【氏名又は名称】ネステ オイル オサケ ユキチュア ユルキネン
(74)【代理人】
【識別番号】100098464
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌
(74)【代理人】
【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
(72)【発明者】
【氏名】チーッタ、マルヤ
(72)【発明者】
【氏名】イッリカイネン、アンナ−マリ
(72)【発明者】
【氏名】クルマラ、カリ
(72)【発明者】
【氏名】レフチネン、ベサ−マッチ
(72)【発明者】
【氏名】ニッスフォルク、フレドリック
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第94/013599(WO,A1)
【文献】 特表平06−509071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−15/62
C10G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二量体の製造方法であって、
8−C30n−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1つのn−オレフィンまたはn−オレフィンの混合物を含むフィード原料が、
該フィード原料を、少なくとも1つの触媒層を含む触媒蒸留装置であって、該触媒層が、100m2/g以上のメソ細孔性表面積、0.2〜30重量%の間のアルミニウム含量、および50〜500μモル/gの間の酸点の量を有する固体酸触媒材料であって、非晶質ケイ酸アルミニウムおよびゼオライトを組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブからなる群から選択される固体酸触媒材料を含む触媒蒸留装置に通すこと、
装置の上部において未反応n−オレフィンをフィード原料と合体される副流として回収し、それによりn−オレフィンモノマーの50〜95%が1回より多く触媒層に接触すること
それにより、該固体酸触媒の存在下において25〜200℃の間の範囲の温度と0.001ミリバール〜50バールの間の範囲の圧力で二量化されることを特徴とする二量体の製造方法。
【請求項2】
触媒蒸留装置が、少なくとも1つの触媒層を含む蒸留塔と反応器との組み合わせ物である請求項1記載の方法。
【請求項3】
触媒蒸留装置が、少なくとも1つの触媒層を含む1つ以上の付属反応器に接続されている蒸留塔を含んでなる請求項1記載の方法。
【請求項4】
フィード原料が1−デセン、デセンの混合物、1−ドデセン、ドデセンの混合物、1−ヘキサデセン、ヘキサデセンの混合物、1−テトラデセン、1−オクタデセン、オクタデセンの混合物、およびC20−C221−オレフィンと、これらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのn−オレフィンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ゼオライトを組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブにおいて、メソ細孔性モレキュラーシーブが正規な分子構造のMCM−41であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
触媒材料のメソ細孔性表面積が300m2/g以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
触媒材料が300m2/g以上のメソ細孔性表面積を持つ非晶質ケイ酸アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
副流の一部が蒸留塔または蒸留塔と反応器との組み合わせ物からこれらの上部において取り出されることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
炭化水素の群から選択される溶剤または溶剤混合物がフィード原料に添加されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
フィード原料が乾燥にかけられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
二量化が50〜150℃の間の範囲の温度と、0.5バール〜30バールの間の範囲の圧力において行われることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
フィード原料が1−デセンを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
フィード原料が1−ヘキサデセンを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
フィード原料が生物的な出発材料から製造される天然起源のオレフィンを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
蒸留が二量化の後で行われることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
潤滑剤として有用な基油または基油成分の製造方法であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法を行い、そして二量化反応生成物を水素化して基油または基油成分を生成することを特徴とする方法。
【請求項17】
水素化が5バール〜100バールの間の範囲の圧力と、100〜400℃の間の範囲の温度で水素化触媒の存在において行われることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
水素化が10バール〜70バールの間の範囲の圧力と、150〜250℃の間の範囲の温度で水素化触媒の存在において行われることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項19】
蒸留が、水素化の後、または二量化および水素化の後に行われることを特徴とする請求項17または18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高グレードの基油の製造と、固体酸触媒を用いるn−オレフィンの選択的二量化とに関する。特に、本発明は、n−オレフィンを触媒蒸留装置中で二量化し、続いて水素化して、ポリオレフィンを得る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飽和オレフィン系オリゴマーは、高グレードの合成基油の重要な一群である。PAOとして知られているポリ−アルファオレフィンは、通常、均一系フリーデル・クラフツ触媒、たとえば三フッ化ホウ素(BF3)と促進剤の存在下、若干高いBF3圧力と100℃以下の温度でアルファオレフィンをオリゴマー化することにより製造される。水またはアルコールが通常促進剤としての役割を果たす。PAO製造過程においては、通常、1−デセンをフィード原料として使用して、主としてフィード原料オレフィンの三量体と四量体が生成物として得られる。
【0003】
基油は、デセンよりも重質のn−オレフィンを二量化することによっても製造され得る。BF3触媒を用いて、内部n−オレフィン、通常、C15−C16n−オレフィンを二量化することにより、PIO(ポリ(内部オレフィン))群の基油が製造される。PIO製造過程の生成物のうちで、二量体は、基油製造に特に好適なフィード原料である。
【0004】
均一系触媒を用いるPAOおよびPIO製造過程においては、触媒分離段階が常に必要である。
【0005】
既知であるように、n−オレフィンは、線状オレフィンまたは1つ以下の分岐を含む線状オレフィン、すなわち、僅かに分岐したオレフィンを指す。
【0006】
オリゴマー化は、少なくとも1つのタイプの分子が相互に反応して、少なくとも3個の分子の分子量を足し合わせた分子量の増加を生じる反応を指す。オリゴマー化は、式
xA+yB→Axy
により例示され得る。ここで、
AはBと同一であるか、もしくは異なり、xは0または整数であり、yは0または整数であり、x+y>2であり、Σx=nであり、Σy=mであり、AおよびBはオレフィン系分子であり、nおよびmは整数である。用語「オリゴマー」は、単位の数が3〜100の範囲である、少なくとも1つのタイプの単量体単位の反復性組み合わせを指す。
【0007】
用語「二量化」は、少なくとも1つのタイプの分子が相互に反応して、少なくとも2個の分子の分子量を足し合わせた分子量の増加を生じる反応を指す。二量化は、式
A+B→AB
により例示され得る。ここで、AはBと同一であるか、もしくは異なり、AとBはオレフィン系分子である。用語「二量体」は、少なくとも1つのタイプの2つの単量体単位の組み合わせを指す。
【0008】
用語「ポリオレフィン」は、少なくとも1つのタイプの少なくとも2つのオレフィン単量体単位を含む組み合わせを指す。
【0009】
重質オレフィンを二量化するためのいくつかの代替の不均一系触媒がたとえば特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4から知られている。所望の二量化反応に加えて、前記特許で開示されている前記不均一系酸触媒の使用は、フィード原料オレフィンの分解および異性化反応、ならびに重質オリゴマー、主として三量体および四量体の形成を生じるものであった。フィード原料オレフィンの特に有害な異性化反応は、二量化され得ない生成物、たとえばナフテンを生じる反応を含む。基油の達成可能な収率は、形成される分解生成物ならびに単量体オレフィンの異性化から生じるナフテンにより低下される。比較的有価なオレフィンが処理フィード原料として使用されるために、いかなる望ましくない副反応もこの方法の実行可能性に相当な影響を及ぼす。
【0010】
特許文献2は、酸性カルシウム/モンモリロナイト触媒を用いるα−オレフィンの二量化を開示している。特許文献4は、10と30個の間の範囲の炭素数を含むアルファオレフィンまたはこれらの混合物をフィード原料として用いるアルファオレフィンのオリゴマー化法を開示している。この触媒は、3未満の拘束指数を有する結晶性触媒として特定される。拘束指数は触媒の生成物選択性の尺度である。例として、1−ヘキサデセン、1−テトラデセン、および1−オクタデセンがフィード原料として使用され、MCM−22、MCM−56、USY、ベータ、ZSM−12、およびWOx/ZrO2が触媒として使用される。
【0011】
上記特許文献2および特許文献4の例として、不均一系酸触媒を用いる重質オレフィンの二量化において達成される最高の転換率は、92%および87%である。明らかに100%以下の転換率は、フィード原料オレフィンからのナフテンの形成に帰因され得る。特許文献2の実施例で得られる生成物は、基油生成物の性質に望ましくない、三量体と重質オリゴマーを合わせて47%含有するものであった。二量体に対する選択性は、特許文献4で述べられている実施例においては高く(70%)、高転換率(87%)を有するが、多量の分解生成物(4%)が得られる。
【0012】
用語「触媒蒸留」は、一般に、化学反応と生成物分離との組み合わせを指す。反応と生成物分離が不可分の方法で一緒に行われる。触媒蒸留装置は、通常、1つ以上の触媒域を組み込んだ蒸留塔を含んでなる。前記触媒域においては、蒸留塔の特定のレベルもしくはプレートからの流れを処理して、所望の反応生成物が得られる。その後、蒸留手段を用いて生成物流が分留される。前記触媒域が蒸留手段内もしくは外側に配置され得る。工業的な用途においては、触媒蒸留はエーテルの製造において使用されるが、前記方法は、たとえば、アルコールの脱水およびパラフィンの酸化に対しても知られている。
【0013】
触媒蒸留の使用はオリゴマー化法でも知られている。特許文献5は、3〜12個の炭素原子を有するアルファオレフィンを反応させるために、ルイス酸触媒を収めた蒸留塔に通すオリゴマー化法を開示している。触媒蒸留装置の温度は約150℃以下であり、通常の運転温度範囲は50℃以下である。蒸留装置中で組み合わせ触媒が使用され、したがって蒸留装置への再循環の前にルイス酸を分離するためのユニットが装置の必須の部分である。
【0014】
特許文献6は、炭化水素を重合させるために蒸留塔と付属反応器を含んでなる装置を開示している。この装置は、触媒蒸留における条件に類似の条件下で運転され得る。
【0015】
特許文献7は、オレフィンをオリゴマー化するための方法および装置を開示している。この方法においては、C3−C20オレフィンまたはこれらの混合物が触媒蒸留系に通され、ここでフィード原料オレフィンを触媒と150℃以上の温度で接触させて、オリゴマーを含有する生成物が得られる。この方法で使用される触媒は、主に、ゼオライトからなり、形成される生成物は中間蒸留物と潤滑油である。この方法で使用される触媒蒸留系は、触媒を収めた少なくとも1つの付属反応器に接続されている生成物分離用の蒸留塔でもあり得る。
【0016】
上記の教示に基づいて、n−オレフィンからポリオレフィンを製造するための新規な改善された方法であって、現状技術の解決策に関連する問題と欠点を無くするか、もしくは少なくとも実質的に低減する新規な方法に対する明白な必要性が存在するということが判るであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第4,417,088号明細書
【特許文献2】米国特許第5,053,569号明細書
【特許文献3】米国特許第5,453,556号明細書
【特許文献4】米国特許第6,703,356号明細書
【特許文献5】米国特許第4,935,577号明細書
【特許文献6】米国特許第2,198,937号明細書
【特許文献7】フィンランド特許第96852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、n−オレフィンからポリオレフィンを製造するための方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、固体酸触媒を用いてn−オレフィンからポリオレフィンを製造するための方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、固体酸性メソ細孔性触媒を用いてC8−C30n−オレフィンからポリオレフィンを製造するための方法を提供することである。
【0021】
さらに、本発明の目的は、固体酸性メソ細孔性触媒を用いてC8−C30n−オレフィンを二量化して、ポリオレフィンを得るための方法を提供することである。
【0022】
本発明の目的は、基油成分を製造するための方法を提供することでもある。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、n−オレフィン、特にC8−C30n−オレフィンを二量化するために触媒蒸留装置を使用することである。
【0024】
本発明の目的は、C8−C30の炭素鎖長を有する2つの同一のもしくは異なるn−オレフィンからなるジ−n−オレフィンを提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、触媒を蒸留塔または蒸留塔の外側の付属反応器の中に入れた触媒蒸留装置中でn−オレフィンまたはn−オレフィンの混合物を二量化すること、それに続いて生成物を水素化することによって、固体酸触媒を用いて基油と基油成分として有用な高グレードの生成物をn−オレフィンから製造するための方法に関する。本発明の方法において、n−オレフィンまたはn−オレフィンの混合物を含むフィード原料は、a)少なくとも1つの触媒層を含む蒸留塔と反応器との組み合わせ物またはb)少なくとも1つの触媒層を有する1つ以上の付属反応器に接続されている蒸留塔のいずれかを含む触媒蒸留装置にフィード原料を通すこと、蒸留塔の上部または蒸留塔と反応器との組み合わせ物の上部において未反応n−オレフィンをフィード原料と合体される副流として回収すること、により固体酸触媒の存在下で二量化され、一方で、二量化からの反応生成物は水素化される。二量化生成物または最終生成物中になお存在する不純物は、場合によっては更なる蒸留段階を用いて除去され得る。
【0026】
本発明とこれらの一部の代替の実施形態を添付の図1図2、および図3により図示する。提示される実施形態に本発明は限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】基油成分を製造するための本発明の実施形態を概略的に示す。
図2】n−オレフィンの二量化を別々の付属反応器中の触媒により触媒蒸留装置中で行う本発明の実施形態を概略的に示す。
図3】n−オレフィンの二量化を蒸留塔と反応器との組み合わせ物中で行う本発明の実施形態を概略的に示す。
図4】同一の触媒/フィード原料レベルを用いて、バッチ反応器中120℃の温度、もしくは触媒蒸留反応器中同一の温度のいずれかで行われる反応の比較をグラフで示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の方法の基本的な解決策の概略表示である。C8−C30n−オレフィンまたはこれらの混合物を含有するこの方法のフィード原料、すなわち流れ1は、フィードタンク(図示せず)から得られる。蒸留塔Bの上部で回収される流れ4は流れ1と合体される。流れ1および4は、一緒になって流れ2を形成し、二量化触媒層/床Dを含む付属反応器Aに通される。C8−C30n−オレフィン単量体と、反応生成物として主として二量体生成物を含有する、流れ3は、付属反応器Aの生成物として得られる。流れ3は蒸留塔Bに通され、ここでC3−C30n−オレフィン単量体は前記蒸留塔Bの上部まで上昇し、続いて流れ4として得られるn−オレフィン単量体留分を反応段階の付属反応器Aに再循環する。蒸留塔の上部において非二量化型単量体留分の成分を含有する流れ5は、蒸留塔Bの頂部で取り出される。流れ5によって、触媒蒸留装置中では分岐化合物などの非二量化型単量体留分の成分の蓄積が防止される。主として二量体からなる生成物流6の形の生成物が蒸留塔Bの底部から得られ、該流れ6は水素化反応器Cに通される。水素化反応器C中では、オレフィンが水素化され、基油成分として好適な生成物が得られ、その後水素化反応器Cから生成物流7として前記生成物が取り出される。
【0029】
図2では、本発明の方法の好ましい解決策を示す。この解決策においては、別個の付属反応器AおよびB中に配置された二量化触媒層DおよびEを有する触媒蒸留装置が使用される。C8−C30n−オレフィンまたはこれらの混合物を含有するこの方法のフィード原料、すなわち流れ1は、フィードタンク(図示せず)から得られる。蒸留塔Cの上部で回収される流れ4は流れ1と合体される。流れ1および4は、一緒になって流れ2を形成し、付属反応器Aまたは付属反応器Bに通される。流れ2は、未使用の触媒または再生触媒を含む付属反応器に通される。同時に、他の付属反応器が使用済の触媒を収容するか、もしくは触媒が再生される。系中には2つの付属反応器があり、したがって触媒活性の低下による工程の中断は必要ない。流れ3は、付属反応器AもしくはBの生成物として得られ、C8−C30n−オレフィン単量体と、反応生成物として主として二量体生成物を含有する。流れ3は蒸留塔Cに通され、ここでC3−C30n−オレフィン単量体は前記蒸留塔Cの上部まで上昇し、続いて流れ4として得られるn−オレフィン単量体留分を反応段階の付属反応器AもしくはBに再循環する。蒸留塔Cの上部において非二量化型単量体留分の成分を含有する流れ5が蒸留塔Cの上部で取り出される。流れ5によって、触媒蒸留装置中で分岐化合物などの非二量化型単量体留分の成分の蓄積が防止される。主として二量体からなり、水素化のために水素化反応器(図示せず)に引き続いて通される生成物流6、ボトム生成物7が蒸留塔Cの下部から得られる。
【0030】
図3は、蒸留塔Aの内側に配置された二量化用触媒層Bを有する触媒蒸留装置を用いる本発明の方法のもう一つの好ましい解決策を示す。C8−C30n−オレフィンまたはこれらの混合物を含むフィード流1を蒸留塔Aの頂部からのn−オレフィン単量体留分4と合体して、蒸留塔A、触媒層Bの上部に通すために流れ2が得られる。蒸留塔A中では、このフィードは、二量化反応が主として進行する触媒層Bに通る。触媒層B中では、n−オレフィン単量体は蒸気/液体混合物の形であり、液体のn−オレフィン単量体は、触媒から形成される二量体とオリゴマーを洗浄する。分割されて、反応器に再循環される単量体留分4と、単量体流5を与える、n−オレフィン単量体留分3が蒸留塔Aの頂部から得られる。前記単量体流5の除去により、触媒蒸留装置中の単量体留分の非二量化型単量体留分の成分の蓄積が防止される。水素化のために水素化反応器(図示せず)に通される、二量体流6の形の生成物が蒸留塔Aの底部から得られる。
【0031】
この触媒蒸留装置は、a)少なくとも1つの触媒層を有する蒸留塔と反応器との組み合わせ物またはb)少なくとも1つの触媒層を含む1つ以上の付属反応器に接続されている蒸留塔のいずれかを含んでなる。
【0032】
発明の詳細な説明
驚くべきことには、触媒蒸留装置を固体酸触媒と共に使用することによって、n−オレフィンの選択的二量化が可能となり、95%以上にもなり得る優れた収率で潤滑剤として有用な基油または基油成分が得られるということを見出した。本発明の方法においては、n−オレフィンまたはn−オレフィン混合物を二量化して、二量体を得ることは、a)少なくとも1つの触媒層を含む蒸留塔と反応器との組み合わせ物またはb)少なくとも1つの触媒層を含む1つ以上の付属反応器に接続されている蒸留塔であって、前記触媒が蒸留塔の外側の付属反応器中にある蒸留塔のいずれかを含む触媒蒸留装置中で行われる。このようにして、二量化反応の温度を低く、通常150℃以下に維持して、ナフテンの形成と生成物の分解が防止され得る。二量化に引き続いて、水素化して、基油成分が製造される。場合によっては、二量化および/または水素化の後、生成物は、必要ならば、蒸留装置に通され、ここでいかなる単量体残渣も二量化生成物から除去するか、もしくは重質の三量体および四量体から二量体を分離し得る。
【0033】
とりわけ、望ましくない反応数が少ないことによって、水素化後、潤滑剤として有用な生成物として得られる基油および/または基油成分の品質は優れている。
【0034】
本発明の方法においては、n−オレフィンまたはn−オレフィンの混合物は触媒蒸留装置に通され、ここでn−オレフィンの単一の転換率を好適に制御し得る。用語「単一の転換率」は、反応段階のあいだに別の化合物を与えるn−オレフィンの転換率を指す。n−オレフィン単量体の単一の転換率は次の通り定義される。
n−オレフィン単量体の単一の転換率(%)=100×(反応段階前のフィード原料中のn−オレフィンの比率−反応段階後の生成物中のn−オレフィンの比率)/反応段階前のフィード原料中のn−オレフィンの比率
【0035】
本発明の方法においては、特に触媒を付属反応器に配置した実施形態では単量体オレフィンの再循環を使用することが好ましい。この場合には、全転換率および二量化選択性は、単量体オレフィンを効率的に再循環することにより改善される。単量体オレフィンを効率的に再循環することに対する必要条件は、所望しない副反応、たとえばナフテンを生成する単量体の分解および異性化を防止する値に反応条件を調整することである。さらには、5〜50%の間の比較的低い単一の転換率は、ほぼ80〜100%の間の範囲の選択性を意味する高二量化選択性に対するもう一つの必要条件である。本発明の方法においては、比較的低い単一の転換率にも拘わらず効率的な再循環により、95〜100%の間の範囲の高い全転換率が得られる。効率的に再循環するということは、再循環の程度が元の単量体流の50〜95%の間が触媒層と1回より多く接触するようなものであるということを意味する。再循環の程度は、分離段階から触媒層に通される流れのレベルを指す。装置の構成部分の寸法設定、したがって投資コストは、前記流れのレベルに依存し、それゆえ、前記投資コストには再循環の妥当な程度が好ましい。また、この方法のエネルギー消費は再循環の程度によっても影響を受ける。
【0036】
単一の転換率は炭素数基準で好適な値に調整される。好適な単一の転換率は、副反応の程度、たとえば重質オリゴマーの形成および分解が低く調整されるということ、すなわち単量体オレフィンの全転換率の10%未満が副反応によるものであるということを意味する。重質オリゴマーの形成の低減は、基油生成物の性質にプラスの影響を及ぼし、触媒の不活性化率を遅延する。
【0037】
本発明の方法をさらに詳細に述べる。この方法においては、フィード原料は、触媒蒸留装置中の触媒層もしくは蒸留塔中の触媒層に通され、ここでフィード原料は、触媒層または付属反応器中の触媒層に移動し、続いて反応混合物は蒸留塔または蒸留塔の下部に通され、ここで単量体留分は蒸留塔の高い部分に移動し、蒸留範囲の単量体よりも軽質の単量体中に存在する不純物はいかなるものも蒸留塔の頂部から出るか、もしくは蒸留塔の下流の以降の分離ユニットにおいて取り出され、蒸留範囲の単量体よりも重質の単量体中に存在する不純物はいかなるものも塔の底部から取り出されるか、もしくは別な分離ユニットにおいてボトム生成物から取り出され得る。
【0038】
二量化反応と若干の同時オリゴマー化が触媒床中で進行する。280〜290℃/1気圧の間の沸点の単量体留分、たとえばn−ヘキサデセンは、フィードプレートから上方の軽質成分として塔中を上昇し、通常、これらの頂部において再循環される副流として蒸留塔から取り出され、フィード原料と合体される。粗生成物として生成する二量体、たとえばC32オレフィンが蒸留塔中で下方に移動し、続いてこれらの下部において二量体流が分離される。オリゴマー化生成物、たとえばC48+オレフィンが底部の生成物流として得られる。未反応オレフィンと、副反応、たとえば炭素数に関して単量体に相当するナフテンの形成が完全に回避され得ない場合には、工程流中でのこれらの蓄積は、再循環される副流の一部を蒸留塔の上部において取り出すことにより防止され得る。
【0039】
溶剤または溶剤混合物をフィード原料に添加して、二量化触媒の不活性化が遅延され得る。溶剤は、炭化水素、たとえばn−パラフィン、イソパラフィン、および芳香族溶剤の間で選択される。溶剤は、蒸留塔から冷却によりそれぞれの副流として分離ユニットに除去され、ここで反応生成物から分離され得る。溶剤は別の分離ユニットなしでも触媒蒸留装置中で再循環され得る。
【0040】
フィード原料は、場合によっては、水およびその中に存在する他の不純物を除去するために乾燥され得る。既知の乾燥手段、たとえば炭化水素の乾燥に使用される市販のモレキュラーシーブ、たとえばゼオライト3Aモレキュラーシーブにより、もしくは他の好適な既知の方法を用いて、乾燥は行われ得る。
【0041】
工程フィード原料は、C8−C30n−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1つのn−オレフィンを含む。好適なn−オレフィンの例は、1−デセン、デセンの混合物、1−ドデセン、ドデセンの混合物、1−ヘキサデセン、ヘキサデセンの混合物、1−オクタデセン、オクタデセンの混合物、およびC20−C221−オレフィン、好ましくは1−ヘキサデセンまたはヘキサデセンの混合物を含む。n−オレフィンは、合成オレフィンまたは生物出発材料、たとえば植物油および動物油から製造される生物起源のオレフィンであり得る。
【0042】
触媒を蒸留塔の外側の付属反応器に配置する触媒蒸留装置を本発明の方法の二量化段階で使用する場合には、フィード原料、たとえば1−ヘキサデセンは、二量体を製造する付属反応器中の触媒層の中に直接に導入される。前記付属反応器の生成物流は、蒸留塔に通され、ここで、単量体留分、たとえば280〜290℃/1気圧の間の沸点を有するn−ヘキサデセンは、蒸留塔中でフィードプレートから軽質成分として上方に上昇し、通常塔の頂部において副流として取り出され、付属反応器に再循環される。反応生成物として形成される二量体、たとえばC32オレフィンは蒸留塔中で下方に移動し、続いてこれらの下部において二量体流が分離される。オリゴマー化生成物、たとえばC48+オレフィンがボトム生成物流として得られる。
【0043】
上記で得られる二量体生成物と、副生成物として生成するボトム生成物は、水素の存在において連続的もしくはバッチで運転される水素化段階で水素化される。元素周期律表のVIIIおよび/またはVIA族の金属を含有する既知の水素化触媒が使用され得る。好ましい水素化触媒は、担持されたPd、Pt、Ni、Cu、CuCr、NiMoもしくはCoMo触媒を含み、担体は好ましくはアルミナおよび/またはシリカである。水素化段階は、5〜100バールの、好ましくは10〜70バールの圧力と、100〜400℃の、好ましくは150〜250℃の温度で行われる。
【0044】
本発明の方法の二量化段階においては、蒸留塔または付属反応器の触媒層中の温度は、25〜200℃の間、好ましくは50〜150℃の間の範囲である。圧力範囲は、フィード原料の炭素数と反応温度により変わり、さらに触媒蒸留装置または付属反応器中の触媒は、圧力範囲に影響を及ぼす。このように、圧力範囲は減圧から加圧まで変わる。圧力は、0.001ミリバール〜50バールの間、好ましくは0.5バール〜30バールの間、特に好ましくは1ミリバール〜20バールの間で変わり得る。WHSVは、単一の転換率と触媒の不活性化率基準で適切に調整される。WHSVは、通常、フィード原料に対して0.1〜50時-1の間、好ましくは0.5〜20時-1の間の範囲である。
【0045】
二量化反応の圧力の温度の関数としての選択を下記の表1に示す。表1は1−デセンの蒸気圧を温度の関数として示す。触媒蒸留装置の触媒層中の所望の反応温度が50℃である場合には、圧力は11ミリバールであるように選択され、もしくは触媒蒸留装置の触媒層中の所望の反応温度が150℃である場合には、圧力は580ミリバールであるように選択される。
【0046】
【表1】
【0047】
触媒を付属反応器に配置する触媒蒸留装置を使用する場合には、反応器の圧力を選択して、液相の生成物混合物が得られる。
【0048】
触媒の一部を以降で分離し、蒸留装置に再循環することを必要としない固体酸触媒を用いて、本発明の方法により高グレードの基油もしくは基油成分がn−オレフィンから製造され得る。さらに、固体酸触媒は、必ず二重結合の異性化を生じる。特に好適な固体酸触媒は、窒素吸着により測定し、次のBJH式
pn=rpn2×ΔVn/(rkn+Δtn2−rpn2×Δtn×summa(rpj−tj×Apj/rpj
により計算して100m2/g以上のメソ細孔性表面積を有する触媒を含む。ここで、j=1からn−1であり;Ap=2×Vp/rpであり、Vは容積であり、rは細孔径であり、tは時間であり、Aは表面積であり、nは吸着窒素層の数である。
【0049】
好適な固体酸触媒材料は、BJH式基準で100m2/g以上の、好ましくは300m2/g以上のメソ細孔表面積を有する材料を含む。このような材料は、非晶質ケイ酸アルミニウム、好ましくは酸性非晶質ケイ酸アルミニウム、特に好ましくはブレンステッド酸性点を持つ酸性非晶質ケイ酸アルミニウム;ゼオライト、好ましくは脱アルミ処理Yゼオライト;およびケイ素とアルミニウムを含有する正規の細孔性構造を持つメソ細孔性材料を含み、このなかでゼオライトを組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブが好ましい。このゼオライトは、好ましくはZSM−5、ベータ−ゼオライトまたはMCM−22であり、メソ細孔性モレキュラーシーブは規則的な分子構造を持つMCM−41である。この酸性固体触媒材料は、特に好ましくはMCM−22ゼオライト構造を組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブである。
【0050】
表現ゼオライトを組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブは、メソ細孔性モレキュラーシーブ構造とゼオライト構造を同一の材料中に有し、前記メソ細孔性モレキュラーシーブ構造とゼオライト構造が化学結合により結合している触媒を指す。ゼオライトを組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブと、これらの製造はフィンランド特許出願第20041675号で開示されている。
【0051】
この触媒材料のアルミニウム含量は、アルミニウム含量の分析により定量して0.2〜30重量%の間で変わり、酸点のレベルはNH3−TPD法にしたがった分析により定量して50〜500μモル/gの間で変わる。好適な触媒材料はブレンステッド酸性を有し、これらのレベルはプロトンNMR法により測定して10μモル/g以上である。この触媒材料のメソ細孔性表面積は、BJH式により計算して100m2/g以上、好ましくは300m2/以上である。
【0052】
この触媒は、機械的抵抗性を有する易成形性触媒を提供する、担体材料を含んでなる。前記担体材料は、通常、無機酸化物、たとえばアルミナまたはシリカである。
【0053】
本発明の方法においては、フィード原料中のオレフィンおよびオレフィンの異性体は、好ましくは再循環され、このように製造される二量化されオリゴマー化された留分がボトム生成物または副流として得られる。このようにして、この工程中の全転換率は高く、好ましくは95%以上、最大では99%以上である。
【0054】
1)フィード原料に対する随意の乾燥手段、2)a)少なくとも1つの触媒層を含む蒸留塔と反応器との組み合わせ物またはb)少なくとも1つの触媒層を含む1つ以上の付属反応器に接続されている蒸留塔のいずれかを含んでなる触媒蒸留装置、3)水素化反応器と、場合によっては水素化反応器の上流および/または下流の蒸留塔を含んでなる装置が、本発明の方法、特にC8−C30n−オレフィンの二量化に好適である。
【0055】
不活性化二量化触媒の再生は、二量化反応と同一の反応器中で行われ得る。再生は、酸素を含有し得るガス状混合物を用いて高温で行われる。再生時、この温度は、二量化反応のそれと等しいか、もしくはそれより高い。触媒の耐熱性および方法の実行可能性は、最大再生温度により影響を受け、低再生温度がエネルギー消費の点で好ましい。しかしながら、形成されるコールと、触媒中に吸着されるいかなる不純物も除去するために、再生温度は充分に高くなければならない。
【0056】
本発明の方法はいくつかの利点に恵まれている。この方法は連続的であり、したがってバッチ反応器に通例である中断を行わずに基油成分の連続的な製造が可能である。
【0057】
本発明の方法において、組成を蒸留塔の副出口においてきわめて精確に制御し得るので、反応器フィード原料は、所望のように調整され得る。したがって、望ましくない炭素数を持つ生成物を反応段階時に生じる可能な非選択的反応によるいかなる軽質もしくは重質留分も含まずに単量体留分のみを含有する流れを反応器に提供することが可能である。
【0058】
生成物に対する出口点を選択し得るので、所望の組成物が反応器生成物として得られる。これは、異なる炭素数を有するn−オレフィンの混合物がフィード原料としての役割を行うので、特に有用である。
【0059】
驚くべきことには、オレフィンの選択的な二量化が150℃以下の反応温度において提供されるということが見出された。選択的な二量化は、この明細書中では80%以上の二量化選択性を意味する。再循環比を調整することにより反応生成物中に存在するいかなる未反応単量体も反応器向けのフィード原料に再循環され得るので、二量体収率は著しく高い。
【0060】
反応性成分は蒸留塔中で直ちに分離され、したがってこの方法に有害な副反応をすばやく停止し得る。この方法においては生成物の濃縮とフィード原料の分留を同一の塔中で行い得るので、フィード原料と反応生成物の濃縮のための他の分離ユニット、たとえば2つの蒸留塔は不要であり、したがって、装置が単純化し、投資コストが低くなる。加えて、二量化触媒の再生が反応と同一の反応器中で行われ得る。
【0061】
本発明を次の実施例により例示する。本発明の範囲は、実施例によりなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0062】
実施例1(比較例)
バッチ反応器中でのオレフィンの二量化
1−ヘキサデセン(Neodene16(登録商標))を用いて、二量化法をバッチ反応器中で行った。工程温度は200℃であり、反応器圧力は20バールであった。フィード原料の量は50gであり、触媒の量は2gであった。全反応時間は24時間であった。市販のYゼオライト(TOSOH社)、ベータゼオライト(TOSOH社)、およびメソ細孔性材料MCM−41(Catalysis Letters36(1996)103で開示されている方法にしたがって製造)を触媒として使用した。全C16転換率(炭素数16を有する生成物を与えるC16炭化水素の転換率)および異なる反応生成物に対する選択性を下記の表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
1−デセンの二量化もバッチ反応器中で行った。工程温度は120℃であり、反応器圧力は20バールであった。市販のケイ酸アルミニウム触媒(Nikki Chemical社)をフィードの4重量%の量で触媒として使用した。結果を図4に示す。結果は、本発明の方法の選択性と比較して二量化選択性がバッチ反応器において明らかに低いということを示す。
【0065】
実施例2
フロー反応器中での二量化と蒸留を含んでなる触媒蒸留装置に対応する系における二量化
a)フロー反応器中での二量化
1−ヘキサデセン(Neodene16(登録商標))を10g/時の速度でフロー反応器の中に導入した(1バール(a))。炭化ケイ素により希釈(V(触媒):V(SiC)=1:3)した、13重量%のアルミニウム含量、120μモル/gの酸点数、および>300m2/gのメソ細孔性表面積を持つ5gのケイ酸アルミニウム触媒(Nikki Chemical Co.Ltd)をこのフロー反応器に充填し、続いて、この反応器中で120℃の温度で二量化反応を行った。二量化生成物を生成物容器の中に捕集した。二量化の結果、すなわち、全C16転換率および異なる反応生成物に対する選択性を下記の表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
触媒が炭化水素流中に長く残存するほど、C16炭化水素の転換率は低下した。触媒中の重質炭化水素オリゴマーの蓄積(コーク形成)が転換率の低下の原因であった。
【0068】
b)生成物の蒸留
a)の実験を繰り返し、この実験から得られる生成物(1766g)をためた。未反応単量体留分(1103g)、C20−C30炭化水素を含有する中間留分(9g)、二量体留分(452g)、および重質のボトム生成物(199g)を前記ためられた生成物から蒸留により分離した。
【0069】
c)単量体の再循環/二量化
上記で得られた単量体留分を二量化におけるフィード原料として使用した。蒸留された単量体留分は主として内部C16オレフィンからなるものであった。蒸留された単量体留分の組成をGC−MS分析により測定した表面積パーセントの形で下記の表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
本発明の実施例の項a)で述べたように、蒸留された単量体留分の二量化をフロー反応器(120℃)中で行った。全C16転換率および異なる反応生成物に対する選択性を下記の表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
実施例3
二量化生成物の水素化および製造される基油生成物の性質
不均一ニッケル触媒を用いて、蒸留により分離された実施例2の二量化生成物と、蒸留のボトム生成物をバッチ反応器中で別々のバッチとして水素化した。水素化においては、反応時間は2時間であり、温度は200℃であり、圧力は50バールであった。水素化二量体とボトム生成物の性質を下記の表6に示す。
【0074】
【表6】
【0075】
実施例4
触媒の再生
実施例2a)による二量化においては、炭化水素流を96時間後に停止した。その後で、触媒を窒素流(301/時)により200℃で1.5時間パージした。再生の始めに、窒素流を合成空気流(81/時)により置き換えた。反応器を1.5℃/分の温度上昇速度で200℃から500℃まで加熱した。再生を500℃で2時間継続した。次に、温度を200℃まで再度低下させ、空気流を窒素流(301/時)により1時間置き換えた。実施例2a)で述べたように、フロー反応器(120℃)中で再生触媒を用いて、二量化を行った。結果を下記の表7に示す。
【0076】
【表7】
【0077】
実施例5
メソ細孔性触媒を用いるフロー反応器中での二量化
炭化ケイ素により希釈(V(触媒):V(SiC)=1:3)した、2.2重量%のアルミニウム含量、180μモル/gの酸点数、および>700m2のメソ細孔性表面積を有する新鮮なメソ細孔性H−MM−4MW22−2A1触媒(ゼオライトを組み込んだメソ細孔性モレキュラーシーブ、この製造は特許出願Fl20041675で述べられている)(5g)をこのフロー反応器に充填した。実施例2a)で述べたようにフロー反応器(120℃)中でメソ細孔性H−MM−4MW22−2A1触媒を用いて、1−ヘキサデセンの二量化を行った。結果を下記の表8に示す。
【0078】
【表8】
【0079】
実施例6
H−MM−4MW22−2A1触媒の再生
実施例4で述べた再生処理を用いて、実施例5で使用したH−MM−4MW22−2A1触媒を再生した。実施例2a)で述べたようにフロー反応器(120℃)中でこのメソ細孔性H−MM−4MW22−2A1触媒を用いて、1−ヘキサデセンの二量化を行った。結果を下記の表9に示す。
【0080】
【表9】
【0081】
実施例7
二量化生成物の水素化および基油生成物の性質
実施例6および7からの生成物(1448g)をためた。プールされた生成物から、未反応C16留分(980g)を蒸留により分離し、二量体を含有するボトム生成物(462g)から中間留分(6g)を分離した。二量体を含有するボトム生成物を実施例3にしたがって水素化した。表10は、水素化ボトム生成物の組成および性質を示す。
【0082】
【表10】
【0083】
実施例8
触媒蒸留反応器中での1−デセンの二量化
触媒が蒸留塔の内部に配置され、触媒量が1−デセンの量基準で4重量%である、触媒蒸留反応器中で1−デセンの二量化を行った。ケイ酸アルミニウム触媒(Nikki Chemical社)を触媒として使用した。図4は、同一の触媒/フィード原料レベルを用いて、バッチ反応器中120℃の温度、もしくは触媒蒸留反応器中同一の温度のいずれかで行われる反応の比較をグラフで示す。図4から判るように、同一の転換率で、触媒蒸留装置を用いて、90%以上の二量体選択性を達成し得るが、バッチ実験における選択性は同一温度で80%以下であった。
【0084】
実施例9
触媒蒸留装置中での二量体収率に及ぼす圧力の影響
触媒が蒸留塔の内部に配置され、触媒が非晶質ケイ酸アルミニウム(Nikki Chemical社)であり、この量が1−デセンの量基準で4重量%である、触媒蒸留反応器中で1−デセンの二量化を行った。触媒蒸留装置の圧力を調整することにより、1−デセンの転換率を所望のレベルまで上げた。この実験の間、圧力を0.17〜1バールの間の範囲の値まで調整し、蒸留塔の底部における温度を80から300℃まで上昇させた。すべての転換率レベルに対する二量体選択性は>80%であった。基油収率は94%のデセン転換率に対して92%であった。
【0085】
実施例10
触媒蒸留反応器中での1−ヘキサデセンの二量化
触媒が蒸留塔中に配置され、触媒量が1−ヘキサデセンの6.5重量%である、触媒蒸留反応器中で1−ヘキサデセンの二量化を行った。触媒は非晶質ケイ酸アルミニウム(Nikki Chemical社)であった。実験の間の圧力は0.002バールであり、底部における温度を二量化反応の進行と共に130℃から235℃まで上昇させた。すべての転換率レベルに対する二量体選択性は>80%であった。99.3%のヘキサデセン転換率に対して基油および二量体収率はそれぞれ99%および82%であった。
図1
図2
図3
図4