特許第5715265号(P5715265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5715265有刺鉄線から成る柵を組み立てるための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715265
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】有刺鉄線から成る柵を組み立てるための装置
(51)【国際特許分類】
   F41H 11/10 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
   F41H11/10
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-546736(P2013-546736)
(86)(22)【出願日】2012年1月3日
(65)【公表番号】特表2014-504713(P2014-504713A)
(43)【公表日】2014年2月24日
(86)【国際出願番号】EP2012050050
(87)【国際公開番号】WO2012093118
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2013年8月14日
(31)【優先権主張番号】202011000006.0
(32)【優先日】2011年1月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513167094
【氏名又は名称】レックスガビニア ウンターネーメルゲゼルシャフト(ハフツングベシュレンクテル)
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フュルース,スベン
(72)【発明者】
【氏名】シュトレーア,ヤン−ヘンドリック
【審査官】 黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05996504(US,A)
【文献】 国際公開第2009/025679(WO,A1)
【文献】 特公昭39−008499(JP,B1)
【文献】 米国特許第04484729(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第02490203(GB,A)
【文献】 特開平11−223049(JP,A)
【文献】 米国特許第05072980(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向(A)に螺旋状に圧縮することができ、かつ、第2の、反対方向(B)に引き離すことが可能な有刺鉄線(101)から成る柵を組み立てるための装置(100)であって、前記有刺鉄線(101)の第1の端部(102)が取り付けられ、前記第1の方向(A)で圧縮した前記有刺鉄線(101)を収納するように構成された容器(110)と、前記有刺鉄線(101)の第2の端部(103)が取り付けられ、かつ、前記柵を組み立てるための前記容器(110)から遠ざかる第2の方向(B)への移動によって前記有刺鉄線(101)を引き離すように構成され、前記容器(110)に適合する蓋状部材(115)と、を有し、
前記第1及び第2の方向(A、B)に伸びて、前記蓋状部材(115)の動作及び/又は前記有刺鉄線(101)の動作を前記容器(110)から遠ざかる前記第2の方向(B)及び前記容器に向かう反対の方向へガイドするように構成されたガイディング部材(120)を有することを特徴とする装置(100)。
【請求項2】
前記蓋状部材(115)又は前記有刺鉄線(101)の少なくともいずれか一方は、前記第2の方向(B)で前記蓋状部材(115)が前記容器(110)から遠ざかる動作、及び反対の方向で前記蓋状部材(115)が前記容器(110)に向かう動作をガイドする前記ガイディング部材(120)と協働する摺動部材(116)を有することを特徴とする請求項1の装置(100)。
【請求項3】
前記蓋状部材(115)が少なくとも1つのハンドル(117)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2の装置(100)。
【請求項4】
前記容器(110)は、ドラム状であり、前記蓋状部材(115)が円形、皿状及び/又はドラム状で前記容器(110)を密閉するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの装置(100)。
【請求項5】
前記容器が、互いに枢動可能に接続された2つの半殻状容器(110A,110B)によって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの装置(100)。
【請求項6】
前記容器(110)は、前記ガイディング部材(120)が延出された第1のホルダー(131)に取り付けられており、前記蓋状部材(115)は、前記ガイディング部材が延在した先にある第2のホルダー(132)に載置可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの装置(100)。
【請求項7】
前記第1及び第2の複数のホルダー(131,132;131*)が船舶の側壁(140)に載置可能であり、枢動可能に、取り付けられることを特徴とする請求項6の装置(100)。
【請求項8】
前記第1及び第2の複数のホルダー(131*、132*)が前記複数の容器(110−110”)または前記複数の蓋状部材(115−115’)のそれぞれに取り付けられるように構成されることを特徴とする請求項6又は7の装置(100)。
【請求項9】
防御を強化するために使用される1つ以上の防護用ワイヤー(160)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの装置(100)。
【請求項10】
前記防護用ワイヤー(160)を収納する第1のワイヤホルダーを有し、
前記第1のワイヤホルダーは、複数のホルダー部品(151)を有し、かつ、前記容器(110)に載置可能に構成されたリング状ワイヤホルダー(150)であることを特徴とする請求項9の装置(100)。
【請求項11】
前記ガイディング部材は、張力ケーブル(120)であり、
前記張力ケーブル(120)上で移動可能な前記防護用ワイヤー(160)を収納する第2のワイヤホルダー(155)を有することを特徴とする請求項9又は請求項10の装置(100)。
【請求項12】
前記張力ケーブル(120)に機械的あるいは空気圧や油圧により作動させてテンションをかける緊張具(121)を有することを特徴とする請求項11の装置(100)。
【請求項13】
前記張力ケーブル(120)が電導性を有し、かつ、前記防護用ワイヤーとともに電気防衛システム及び/又は警報システムを形成することを特徴とする請求項11又は請求項12のいずれかの装置(100)。
【請求項14】
前記ガイディング部材は、床上に載置可能なレール(120*)であり、少なくとも1つの前記摺動部材は、前記レール(120*)上を移動可能なスライディングシュー(116*)であって、かつ、前記有刺鉄線(101’)または前記蓋状部材(115’)に接続可能であることを特徴とする請求項の装置(100’)。
【請求項15】
ロック部材が、前記レール(120*)と前記スライディングシュー(116*)との間で前記スライディングシューをロックするように動作するために前記レール(120*)に配置されていることを特徴とする請求項14の装置(100’)。
【請求項16】
前記容器(110)が前記有刺鉄線(101)の圧縮時にセンタリング機能を発揮するセンタリング部材(ZT)を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれかの装置(100)。
【請求項17】
前記ガイディング部材は、張力ケーブル(120)であり、
前記張力ケーブル(120)に機械的あるいは空気圧や油圧により作動させてテンションをかける緊張具(121)を有することを特徴とする請求項1〜10の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る有刺鉄線から成る柵を組み立てるための装置に関する。本発明は、有刺鉄線、特にかみそり有刺鉄線又はいわゆるNATO線、から成る柵を組み立てるための装置に関するものであり、前記有刺鉄線は、第1の方向に螺旋状に圧縮することができ、第2の、反対方向に引き離すことが可能であることに特徴を有する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5996504号明細書(US5996504A)より、有刺鉄線、特に第1の方向に螺旋状に圧縮することができ、第2の、反対方向に引き離すことができるかみそり有刺鉄線、から成る柵を組み立てるための装置が知られている。装置は有刺鉄線の第1の端部(当該特許図3の左端参照)が取り付けられ、少なくとも部分的に第1の方向に圧縮された有刺鉄線を収納するように構成された容器を有する。装置に有刺鉄線の第2の端部(当該特許図3の右端参照)が取り付けられ、柵を組み立てるために前記容器から遠ざかる第2の方向への移動によって有刺鉄線を引き離すように構成され、前記容器に適合する蓋状部材を有する。容器は、圧縮された有刺鉄線の半分を収納する第1の半殻状容器として具現化され、蓋状部材は、圧縮された有刺鉄線の残り半分を収納する第2の半殻状容器として具現化される。各半殻状容器の内部にパイプが取り付けられており、前記パイプはそれぞれ他方に押し込むことができるように構成されている。衝撃推進装薬(“衝撃起爆剤28”)をパイプの一つに挿入し、爆発を生じさせるために点火し、その爆発により2本のパイプを駆動させて2つの半殻状の容器を反対方向へ引き離す(当該特許図4参照)。この爆発は次々に起こり有刺鉄線をほどいて柵を形成する。この構成と爆薬の使用だけが偶発的に危険な柵の形成を可能とする。さらに、爆発の命中精度が非常に悪く、構築自体が破壊されたり破損したりしない程度に爆発力を抑える必要があるので、この既知の解決法は実際には長い柵を構築するために使用することはできない。
【0003】
米国特許第4484729号明細書(US4484729)には有刺鉄線、特にかみそり有刺鉄線、から成る柵を組み立てるための装置が記載されており、有刺鉄線のコイルはドラム状容器中に収納されている。容器は、車両の後部に取り付けるためのホルダーを備えている。車両が移動するとき、コイルの端部が容器から引き出され、コイルは柵を形成するために引き伸ばされる。
【0004】
瑞国特許第191265号(CH191265)は、あらかじめ形成された状態で筺体内に収納された有刺鉄線から成る正方形の屈曲ばね(図2ばね5参照)によりランドの領域を遮断する装置を開示している。特に、複数の有刺鉄線は弾性連結部品によって相互に接続されている。カバーを外すと、張力がかけられたばねは筺体の外に飛び出て、相互接続された有刺鉄線が柵を形成する。
【0005】
独国特許出願公開第1933030号明細書(DE1933030A)は柵を形成するためにねじ状に又は螺旋状に配備される蛇腹形鉄条網設備を開示している。蛇腹形鉄条網設備内に少なくとも部分的に収納することができる装置は記載されていない。さらに複数の有刺鉄線柵が例えば独国特許出願公開第601636号明細書(DE601636)、独国特許出願公開第1162234号明細書(DE1162234)、墺国特許第159161号明細書(AT159161)に記載されている。
【0006】
米国特許出願公開第2009/0200415A1号明細書(US2009/0200415A1)では、冒頭で述べた様式の別の装置が開示されている。当該特許の中で、装置は実質的に車両、特にトラクタ、に取り付けることができるいわゆる搬送構造(図3参照)を有し、その中で搬送構造は少なくとも1つの螺旋状の有刺鉄線を運ぶことができるものとして開示されている。柵を構築するためには、搬送構造上に運ばれた有刺鉄線が巻き線ごとに解かれあるいは引き離すために(当該特許の図11参照)車両を移動させる必要がある。結果的に、この既知の装置は、実質的には防衛壁又は柵を確立するために、搬送構造から有刺鉄線を解くのに適している有刺鉄線用の搬送装置である。従って、そこに開示されている装置は航行可能な土地での使用のみに適し、すなわち、開けている地形や町の広場での使用に限られる。また、有刺鉄線から成る柵や防衛壁の設置は建物やその他の施設において、例えば船舶や軍事施設を保護するために、頻繁に必要とされる。しかしながら、この既知の装置は、この種の用途には適していない。
【0007】
そのため、本発明では固定状態あるいは可動状態の軍事施設、特に船舶、に使用することができ、有刺鉄線、特にかみそり有刺鉄線、から成る柵を組み立てるための装置を提案することを目的とする。特に、最大限可能な限りの操作性を有し、有刺鉄線から成る柵を組み立てるための装置が示唆されている。さらに、柵を組み立てるために有刺鉄線を取り扱う際はとりわけ怪我のリスクを可能な限り回避すべきである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は請求項1の特徴を有する装置によって達成される。
【0009】
請求項1によれば、有刺鉄線の第1の端部が取り付けられ、少なくとも部分的に第1の方向に圧縮された有刺鉄線を収納するように構成された容器を有することを特徴とする装置が提案されている。有刺鉄線の第2の端部が取り付けられ、かつ、容器から遠ざかる第2の方向への移動によって有刺鉄線を引き離すように構成されている容器に適合する蓋状部材も有する。装置は、蓋状部材の動作をガイドするように構成され、第1及び第2の方向に伸びるガイディング部材、特に張力ケーブルやスライドレール、を有している。
【0010】
請求項1によれば、圧縮状態での有刺鉄線の安全状態の保持を容易にし、かつ、同時に柵を組み立てる際に有刺鉄線を外に取り出したときに有刺鉄線の取扱いと安全な展開を容易にするために、容器及び当該容器に適合する蓋状部材を有する装置が提案されている。
【0011】
有効な実施形態は従属請求項から得られる。
【0012】
従属請求項によれば、張力ケーブルにテンションをかけるために緊張具を有することは有効である。この緊張具は螺旋状に有刺鉄線を引き離したり圧縮したりするために、例えば船舶のような軍事施設において、長手方向へ伸びるガイディング部材を付けたい経路に沿って取り付けることを可能とする。緊張具は機械的あるいは空気圧や油圧により操作することができる。
【0013】
蓋状部材及び/又は有刺鉄線の動作をガイドするためのガイディング部材と協働する摺動部材を有することが望ましい。ガイディング部材は、例えば、ケーブル、特に張力ケーブル、あるいはレールとすることができる。そのため、摺動部材をチューブ部材又はスライディングシューとして適宜具現化することができる。さらに、蓋状部材に少なくとも1つのハンドルを取り付けることが望ましい。これにより、有刺鉄線を引き離すために、使用者が蓋状部材の少なくとも1つのハンドルを使用することで有刺鉄線に直接接触することを避けることができ、迅速かつ低摩擦動作が可能になる。
【0014】
容器がドラム状、特に片側が開いているドラム形態であり、蓋状部材が円形、皿状及び/又はドラム状で、容器を密閉するように構成されていることが実施形態としてより望ましい。こうすることで、容器の形状は有刺鉄線のコイル状ロールに適合し、容器に適合する蓋状部材により、さらにしっかりと密閉することができる。これにより圧縮された有刺鉄線との接触を防ぐことができる。さらに、容器をその内部とその中に含まれる有刺鉄線をスプレー水やそのようなものから保護できるように構成することができる。また、ドラム状の容器は、概して圧縮された有刺鉄線のための搬送容器であると考えることができ、当該搬送容器により装置の携帯利用が可能になる。
【0015】
さらに、容器を互いに枢動可能に接続された2つの半殻状容器によって構成することが望ましい。これにより容器が開いて、有刺鉄線の装着が非常に簡単になる。
【0016】
軍事施設に装置を、例えば船舶の側壁に、取り付ける場合は、容器をガイディング部材又は張力ケーブルが延出された第1のホルダーに載置することが望ましい。蓋状部材は、順にガイディング部材又は張力ケーブルが延在した先にある第2のホルダーに載置される。このようにして、張力ケーブルとして構成されていることが望まれるガイディング部材は、2つのホルダーの間に配置され、例えば船舶の側壁に順に取り付けられる。
【0017】
各場合に合わせて、ホルダーは複数の容器あるいは複数の蓋状部材を取り付けられるように構成することができる。これにより2又はそれ以上に引き離された有刺鉄線のロールから成る多段式の柵の構築が可能となる。
【0018】
装置はさらに1つ以上の防護用ワイヤー、特に通電アラーム付きワイヤー及び/又は高電圧導電ワイヤーやストリップ(例えば、電気柵ワイヤー)、を有することができる。これらの防護用ワイヤーは攻撃者に対してさらに防御を強化するために使用され、特に警報あるいは阻止手段(電気ショック)を用いることができる。
【0019】
装置は、防護用ワイヤーを収納する第1のワイヤホルダー、特に容器に載置可能に構成されたホルダー部品を防護用ワイヤーの一端に複数備えたリング状ワイヤホルダー、を有することが望ましい。装置は、防護用ワイヤーの他端へ取り付けられ、張力ケーブル上で移動可能な第2のワイヤホルダーを有することが望ましい。2つのワイヤホルダーを近付けるときに防護用ワイヤーを巻き取るワイヤホルダーの1つにコイル巻線を装着ことも可能である。
【0020】
また、張力ケーブルが電導性を有し、かつ、防護用ワイヤーとともに電気防衛システム及び/又は警報システムを形成することができる。
【0021】
装置は容器を床に、特に船舶のデッキに、載置可能にも構成することができる。これにより例えば階段のような領域を迅速に保護できるようになる。
【0022】
容器は、輸送のための標準寸法である例えば、いわゆるユーロパレットの寸法を有する。例えば、容器の標準化されたサイズに応じて、2つ又は4つの容器は、1つのユーロパレットで搬送することができる。
【0023】
以下、本発明及びその発明から得られる利点を例示的な実施形態を用いて、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】有刺鉄線が圧縮された初期の状態における本発明の装置を示す。
図2a】容器及びそれに付属する蓋状部材の構造の側面図を示す。
図2b】容器及びそれに付属する蓋状部材の構造の側面図を示す。
図3】有刺鉄線を引き離して柵を組み立てる、第2の状態の装置を示す。
図4a】2部品から成る容器が開いた状態の側面図を示す。
図4b】2部品から成る容器が開いた状態の側面図を示す。
図5a】船舶のデッキ下に容器が収納された例示的な実施形態を示す。
図5b】船舶のデッキ下に容器が収納された例示的な実施形態を示す。
図6】装置が有刺鉄線のガイディング部材としてのレールや蓋状部材を有する、例示的な実施形態を示す。
図7a】多段式又は多段階式の柵と船舶の側壁に組み立てた状態を示す。
図7b】多段式又は多段階式の柵と船舶の側壁に組み立てた状態を示す。
図8a】アラーム付きワイヤーを追加した柵を示す。
図8b】アラーム付きワイヤーを追加した柵を示す。
図9】アラーム付きワイヤーを追加した柵の実施形態を示す。
図10a図9に示す実施形態の詳細を示す。
図10b図9に示す実施形態の詳細を示す。
図11a】容器内の有刺鉄線の付属部品を示す。
図11b】容器内の有刺鉄線の付属部品を示す。
図11c】容器内の有刺鉄線の付属部品を示す。
図12】柵を構築するための可搬型の装置の実施形態を示す。
図13】側壁に枢動可能に取り付けられた複数の容器用のホルダーを示す。
図14a】下向き旋回又は上向き旋回した状態の図13に記載のホルダーを示している。
図14b】下向き旋回又は上向き旋回した状態の図13に記載のホルダーを示している。
図15図3中のものと同様の装置を示しており、前記容器は、有刺鉄線の結合を容易にするセンタリング部材を有する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は船舶の側壁140に沿うように組み立てられた柵又は防護壁を構築するための装置100を示す。このようにして、装置は、有刺鉄線101又は螺旋状のかみそり有刺鉄線を収納する容器110を有する。装置はまた、片側が開いた容器110を閉じることのできる蓋状部材115を有する。このようにして、容器110と蓋115により有刺鉄線101を閉じた状態を維持できることを表している。有刺鉄線101自体は容器に、すなわちドラム容器の底部に、第1の端部102によって取り付けられている。有刺鉄線101の他端103は、ドラム状の蓋115に取り付けられている。従って、蓋状部材115を容器110から遠ざけたり、容器110へ向けたりする動作によって有刺鉄線110を引き離したり再び圧縮したりすることが取扱い易く安全な方法で可能となる。安全な取扱いのために、蓋115は少なくとも1つのハンドル117を有する。
【0026】
ここでは柵を構築する特定の方向に有刺鉄線101を引き離すために、張力ケーブルがガイディング部材120として第1のホルダー131及び第2のホルダー132との間に接続されている。複数のホルダーが船舶の側壁に順に取り付けられている。これにより、有刺鉄線から成る柵を容易に素早く側壁に平行に組み立てることができる。
【0027】
容器110は、第1のホルダー131上の取り付け部品111によって取り付けられ、蓋状部材115は摺動部材116によって張力ケーブル120上で移動可能に配置されている。ここで、蓋115を容器110から取り出してB方向に移動した場合、第2のホルダー132が正常に取り付けられている限り、蓋115は張力ケーブル120に沿ってガイドされる(図3参照)。これにより簡単かつ安全な方法で有刺鉄線を引き離すことができ、最終的に張力ケーブルの長さに亘って柵が構築される。張力ケーブルの長さは様々で、例えば10mから50mとすることができる。
【0028】
図2a及び図2bに示すように、取り扱い易くするために、容器110はホルダーから取り外されたとき、容器を搬送することが可能なハンドル112を有する。蓋状部材115は、蓋を移動させ、怪我のリスク無しに有刺鉄線を引き離すことができるようにするために少なくとも1つのハンドル117を有する。
【0029】
図3は柵を組み立てる準備が整った状態の装置を示している。この図に示すように、蓋115は第2のホルダー132の範囲内で張力ケーブル120に沿って動かされ、コッタピン、トランクロック等によって、この位置でロックされ、さらに固定したい場合は南京錠等を使用することもできる。このようにして、固定点102及び103により、有刺鉄線101をB方向に引き離し、ここで示すように張力ケーブル120の全長に渡って柵が伸びた状態となる。張力ケーブルに沿ったガイドをよりしやすくするために、緊張具121も有する。図3は、構築した柵の略図であり、柵の全体の長さを容易に数メートル、例えば10mから50m、とすることができることを表している。
【0030】
図4a及び図4bは、容器自体が2つの部分で構成され、互いに枢動可能に接続された半殻状容器110a及び110bから構成されていることを示している。これは、ドラム状の容器110を(図2a及び図2b参照)有刺鉄線101を装備するために容易に開くことができることを意味している。柵は、例えば、以下のように構成することができる:
まず、容器110を第1のホルダー131に取り付ける(図1参照)。次に、圧縮された螺旋状有刺鉄線101を容器の下半殻部110b(図4a及び図4b参照)に収納することができるように上半殻部110aを開く。その後、第1のホルダー131と第2のホルダー132との間に張力ケーブル120を側壁又は船舶のレールに平行に張る(図1及び図3参照)。容器の上半殻部110をその後再び閉じ、これにより、確実に蓋状部材115が容器に設置され、前記容器が閉じられる(図4a及び図4b参照)。容器110には、事前に有刺鉄線101を装着しておくこともできる。いずれの場合も、迅速な柵の建設のために装置を使用する準備を常に整えておくことができる。このようにして、例えばアラームが発動した場合に、使用者が蓋115のハンドル117を引っ張ることで有刺鉄線のロールを容器から引き離せるので、有刺鉄線柵を非常に迅速に張力ケーブル120に沿って引っ張ることができる(図3参照)。
【0031】
最後に、蓋115を、第2のホルダー132に取り付ける。これにより、簡単かつ安全にケーブル120の全長に渡って延長された柵を組み立てることができる。ここに提案されている構築により、使用者は柵を組み立てる際に有刺鉄線101と直接接触することがなく、大幅に怪我のリスクを減らすことができる。容器は、さらにスプレー水や海水などの外的影響から保護する役割も果たす。容器110はまた、モバイルユニットとして持ち運ばれ、かつ、保護のために軍事施設上、特に船舶上、のどの位置にも取り付けることができる。1又は複数の装置を使用することにより周囲全体に及ぶ防護をするための完璧な柵の設置が可能となる。ここに提案された発明は、これに限定されないが、特に海賊の攻撃等から防衛するための船舶上での使用に適している。
【0032】
図5a及び図5bは、例示的な実施形態として容器を船舶のデッキ下に設置することができることを示している。装置100’の容器110’は床に、ここでは船舶のデッキDに、完全に格納あるいは一体化することができるように構成されている。蓋115’は容器110’のクロージャとしての役割を果たすために船舶のデッキDの一部に形成されている。容器110’は、1つ以上の圧縮された巻き線101’を備えている(図5a参照)。それぞれの巻き線の片端部102’は、容器の底に接続され、他方の端部103’は蓋115’に接続されている。
【0033】
蓋115’が容器110’から取り外される際に(図5b参照)、巻き線110’は同時に引き離され、直ちに対象物、ここでは階段T、を保護するために使用することができる。蓋115’は1つ以上のハンドル117’を有するので、使用者がワイヤーロールを柵の形成のために怪我のリスク無く、ここではB方向に階段Tの上端まで、引き離すことができる。
【0034】
ここに示した装置の容器は、(図1から図4a/b及び図5a/bの例示的な実施形態参照)は、特に標準輸送パレットで輸送できるように輸送用標準寸法とすることができる。例えば、ユーロパレットで2つの容器を輸送できるように容器の床面積は800mm×600mmとしている。この寸法は輸送だけではなく保管やその場での装置の取り付けをも容易にする。
【0035】
図6は、装置が有刺鉄線や蓋状部材のガイディング部材として機能するレール120を有する、例示的な実施形態を示す。レール120は地面に設置することができ、例えば道路上に焼成ボルトで地面に固定することができる。複数のスライディングシュー116はレール120上のレールスライドの形状に合致している。図の例では、レール116はT形状を有し、スライディングシュー116にクランプ型形状を有し、双方の形状がかみ合っている。スライディングシュー116はあらかじめ指定された間隔で有刺鉄線柵に接続されている。これにより、有刺鉄線柵を非常に迅速に(前もって置いた)レールに沿って組み立てることを可能とする。スライディングシューを蓋115’に取り付けることも可能であるが(図5b参照)、この場合は不要である。
【0036】
有刺鉄線がレール120沿って引き出されるのと同時に、スライディングシュー116をレール120上のそれぞれの位置に固定あるいはロックすることができる。このようにして、少なくとも1つのロック部材が設けられている。ロック部材は機械的な押さえ材及び/又はねじ部品等とすることができ、例えば、ねじ、ロック用ハンドルのようなものが挙げられる。ここに示す例では、弾性膨張空気圧ホースPS(油圧ホースでもよい)がレール120に取り付けられている。ホースPSで汲み上げることで、レール120とスライディングシュー116間のホースを膨張させ、レールとそれぞれのスライディングシューを押すことで、迅速に同時にすべてのスライディングシューをロックできるようにできる。
【0037】
図7a及び図7bは多段式又は多段階式柵の構築と船舶の側壁への取り付けを示す。柵は側壁140に平行に張り出された3本の有刺鉄線101、101’及び101”から成る。このようにして、それぞれの3つの容器110から110”と3つの蓋115から115”(図7a参照)を取り付けるためのホルダー131と132が備え付けられている。複数のホルダーは船舶の側壁140上の手すりの下に取り付けられて、3つの平行なガイディングケーブル約10mの長さに伸ばしている。これにより、有刺鉄線101から101”のそれぞれがこの長さに引き離されると多段階式柵が形成される。柵は、アラーム又は警報ワイヤーを装備することができ、これについては、以下の実施例を参照して、より詳細に説明する。
【0038】
図8a及び図8bは柵を構築するための付加的アラーム付きワイヤー160を有する装置を示している。ホルダー131及び132と容器110と蓋115は、上述した構成部品に対応する。蓋は明らかに容器形状であるので、容器と見なす。それぞれの場合において、2つの容器を合わせることができる(図8b)。2つの容器を110と115をガイディングケーブル120に沿って引き離すと(図8a)、アラーム付きワイヤー160の配線がそれと平行に引き延ばされる(図8a参照、有刺鉄線自体はここに示されていない)。アラーム付きワイヤー160と有刺鉄線又はガイディングケーブル120との間の接触がアラーム回路を閉じてアラームを作動するように、アラーム付きワイヤー160と有刺鉄線及び/又はガイディングケーブル120は通電性又は通電圧性のものを使用することができる。あるいは、アラーム付きワイヤーは例えば、電気柵として知られている高電圧ワイヤーやストリップに置き換えることができる。この結果によれば非延性有刺鉄線を使用しても高電圧通電線柵は依然として攻撃者を抑止することができる。従って、アラーム付きワイヤーと高電圧導電ワイヤーも防護用ワイヤーに含まれることとする。図8aは、防護用ワイヤー160は、前記ワイヤホルダーの容器に、巻線コイルとして配置されている。2つの容器110、115が互いに接合されている場合、防護用ワイヤーが引き込まれ、容器の内部に巻き取られた状態で配置される。
【0039】
図9には、防護用ワイヤーを追加した柵の実施形態を示す。柵(図1参照)を組み立てる装置は防護用ワイヤー160を(容器外に)延長するために使用される追加のリング150及び155を備えている。ここで、最初のリング150は、容器110周囲に配置され取り付けられ、ここではそうしていないが、第2のリング155をガイディングケーブル120に沿って移動することができ、蓋115に取り付けることができる。このため、この第2のリング155は、パイプ形態の中にガイディング部材156を備えており、これを通してガイディングケーブル120を延ばして第2のホルダー132に取り付けることができる。この構造により、第2のリング155を蓋115とは別にガイドし、ホルダー132に取り付けることができ、防護用ワイヤー160を有刺鉄線が引き離される動作から独立して固定することができることにより、防護用ワイヤーの柵を組み立てることが可能となる。
【0040】
図10a及び図10bは前記リング150の例示的な実施形態の詳細を示す。ここで前記リングそれぞれは6つのホルダー部品151を有し、そのそれぞれに防護用ワイヤーの1つが(容器外と有刺鉄線が配置されている箇所に)取り付けられ及び/又はガイドされている。特に、図10bはリングが、例えば、2つのリング弧のようないくつかの部品を有することを示す。複数のリング弧は、容器に配置され、接合され、取り付けたい位置に取り付けられる。リング部品又はリング弧を接合するための取り付け部品153は、ヒンジ機能を持っており、容器にリング150を固定する役割を果たしている。防護用ワイヤーのホルダー部品151(図9参照)に、リング150と155が近づいたとき(図9参照)、防護用ワイヤーを自動的に巻き上げることができる(図示されていない)巻線コイルを装備することもできる。取り付けられている防護用ワイヤーは通電又は高電圧ワイヤー又はストリップ(電気柵)とすることができる。防護用ワイヤーを付加することで独立した柵システムの構築を可能とする。(柵の長さ、接地容量等)状況に応じてパルスエネルギーを調整するために自動制御電気柵装置又は発電機を使用することができる。サイレン警報、信号ランプ、警報通知等の警報機能を組み込むことも可能である。電源はソーラーパネルのような充電式電池や船舶上電源システムに接続することも可能である。ソーラー箔(薄膜フィルム、CIGS、CIS)を容器などの表面に貼り付けることも可能である。防護用ワイヤーが切断された際に検知する検出器(電気柵閉ループ)を取り付けることも可能である。
【0041】
図11a、図11b及び図11cは摺動部材116の容器の内部(図1及び図3参照)に搭載された複合部品による締結装置Bから成る容器110内の有刺鉄線101の締結部を示す。締結装置Bは、実際には容器110の中央から端部に伸びている複数のアーム部品B1、B2及びB3が取り付けられている中間部品を有する。有刺鉄線101を固定するためのロック部材BKは、それぞれのアーム部品B1、B2又はB3の端部に取り付けられている。ロック部材は、例えば、各アーム部品の端に穴を通してガイドするワイヤーやブラケット部品とすることができる。中間部品は、管状摺動部材116に挿入するための穴が開いた金属板である。中間部品には、ロックナット(横ネジピン)と固定リングBMが取り付けられている。締結装置Bはまた、(螺旋状線が切断されるのを防ぐため)引き出された有刺鉄線に沿って各箇所で支持し、固定するために何度でも使用することができる。ここで、固定装置は、張力ケーブル上で摺動可能で螺旋状線が引き出される際に共に動くように設置することができる。各締結装置は、ワイヤーに接続できるように少なくとも1つのアームを持つ。
【0042】
図12は、可搬型柵組み立て装置の実施形態を示している。装置は実際には蓋115とその中にワイヤーが付いている図1図3に基づく上述の容器110を有する。フレームは複数の部品を載置可能なラックRGの形状であり、構造装置を支持し、かつ、フレームのどの箇所にも装置を取り付けることができる。ラックGは、一端(部分ラック)に取り付けられている容器110と他端に取り付けられている蓋115を有し、2部品又は複数部品の(例えば2つの部分ラックを接合した)格子状チューブフレームとして具現化することができる。容器と蓋は、2つの半殻部品として具現化することも可能である。ストラップは、基盤(接地アンカー)に接続するために、例えば、ボルト焼成具等により、一方又は両方の部分ラックに取り付けることができる。
【0043】
図13は側壁に旋回可能に固定された複数の容器110、110’及び110”のホルダー131を示す。この配置は多段式柵を構築するために使用され(図7a/b参照)非常に迅速に船舶の側壁140や手すりに取り付けることができる。ホルダー131は特に取り外し可能なようにホルダー131自体に装着したレバーHBを有する。レバーHBは、容器HB’に置換可能なように収納されている。安全バーSTは滑りを防ぐように配置されている。さらに安全バーSTは、側壁140に対する機械的衝撃(例えば強い波の作用など)や妨害に対して配置を保護する役割も果たしている。チェーンやパイプクリップなどを使用して保護することができる。
【0044】
図14aは、ホルダー131図13に示すような下向旋回位置、すなわち柵を組み立てるための位置における全体配置を示している。図14bはホルダー131や上向旋回位置、すなわちメンテナンスや修理、有刺鉄線及び/又は警報ワイヤーを容器に装着するのに適した位置における全体配置を示している。
【0045】
図15は、図3中のものと同様の装置、ここで容器110は有刺鉄線101の組み立てを簡素化するために、円錐状内蔵式部品中にセンタリング部材ZTを有している。有刺鉄線の圧縮時にセンタリング部材ZTがセンタリング機能を発揮するためである。
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図11c
図12
図13
図14a
図14b
図15