特許第5715283号(P5715283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5715283
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/25 20060101AFI20150416BHJP
   B65D 33/14 20060101ALI20150416BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
   B65D33/25 A
   B65D33/14 Z
   B65D33/00 C
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-107734(P2014-107734)
(22)【出願日】2014年5月26日
【審査請求日】2014年5月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000249676
【氏名又は名称】株式会社ミューパック・オザキ
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 育子
(72)【発明者】
【氏名】高城 竹夫
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−044452(JP,A)
【文献】 国際公開第99/036325(WO,A1)
【文献】 特表2005−500883(JP,A)
【文献】 特開2004−244112(JP,A)
【文献】 特開平05−270548(JP,A)
【文献】 米国特許第04285376(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/25
B65D 33/00
B65D 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ寸法が全面にわたって均一に形成された1枚の合成樹脂製矩形状シート片(1)の表て面に、凸部を有するチャックテープ雄部(4A)と凹部を有するチャックテープ雌部(4B)が溶着され、かつ、上記チャックテープ雄部(4A)と上記チャックテープ雌部(4B)の中間位置に上記シート片(1)の表て面からV字状溝が形成され、上記シート片(1)が、上記チャックテープ雄部(4A)・チャックテープ雌部(4B)の外端縁に沿って2箇所の山折線部(18)(18)で折り曲げられ、かつ、上記V字状溝に沿って1箇所の谷折線部(19)で折り曲げられて、縦断面M字状を成す第1シート層(11)・第2シート層(12)・第3シート層(13)・第4シート層(14)を順次有する折曲部(10)が一端縁部(1A)に形成されると共に上記チャックテープ雄部(4A)と上記チャックテープ雌部(4B)を嵌合可能に対向させて上記第2シート層(12)と上記第3シート層(13)を相互に密封可能なファスナー(4)が形成され、該折曲部(10)が一端縁部(1A)に形成された状態で、上記シート片(1)の左右両端縁部(1B)(1B)が全長にわたって溶着され、第1シート層(11)と第2シート層(12)に熱と押圧力を加えることにより該第1シート層(11)と該第2シート層(12)を相互に接合して熱溶着し袋幅方向全体にわたって帯状溶着部(15)を形成すると共に第3シート層(13)と第4シート層(14)に熱と押圧力を加えることにより該第3シート層(13)と該第4シート層(14)を相互に接合して熱溶着し袋幅方向全体にわたって帯状溶着部(15)を形成し
上記ファスナー(4)が上記山折線部(18)(18)から袋内方側の至近距離にて上記第2シート層(12)と上記第3シート層(13)の内面に溶着され、同一厚さ寸法の上記第1シート層(11)・第2シート層(12)・第3シート層(13)・第4シート層(14)を有する上記折曲部(10)に、上記ファスナー(4)を開閉するためのスライダー(8)が付設され、該スライダー(8)は、上記ファスナー(4)を開くための一部品と該ファスナー(4)を閉じるための他部品の2つのプラスチック製部品を組み合わせた構造とし、
さらに、上記第2シート層(12)と上記第3シート層(13)の間の上記谷折線部(19)に沿って上記ファスナー(4)より袋内方寄りに配設された上方開口状の上記V字状溝によって、上記第2シート層(12)と上記第3シート層(13)を切離可能な破断予定線部(5)が形成され、上記溶着部(15)(15)の帯幅より上記谷折線部(19)上記溶着部(15)(15)の下端縁との距離が短くなるように上記溶着部(15)(15)が上記谷折線部(19)近傍に形成されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
上記折曲部(10)に、吊下用の貫通孔(9)が設けられている請求項1記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開封後も密封して使用できるように、開口予定箇所にファスナーを設けた包装袋が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1記載の包装袋は、表裏のシート片の内側にファスナーが取り付けられ、開封前は、周縁部が全周にわたって溶着されて密封されており、開封する際に、ファスナーよりも上部に形成した切り取り線に沿って周縁部の一部を切断して開口部を形成し、開封後は、ファスナーを用いて開口部を開閉できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−290424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の包装袋は、開封する際、手で周縁部の一部を裂いて切断する為、切断面が非直線状になることが多く、開封後にファスナーで密閉して使用するとしても、体裁が悪いという欠点があった。また、周縁部の切れ端が捨て材となり、無駄なゴミが発生していた。
【0005】
そこで、本発明は、無駄な捨て材を発生させず、開封後も体裁良く使用できる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る包装袋は、厚さ寸法が全面にわたって均一に形成された1枚の合成樹脂製矩形状シート片の表て面に、凸部を有するチャックテープ雄部と凹部を有するチャックテープ雌部が溶着され、かつ、上記チャックテープ雄部と上記チャックテープ雌部の中間位置に上記シート片の表て面からV字状溝が形成され、上記シート片が、上記チャックテープ雄部・チャックテープ雌部の外端縁に沿って2箇所の山折線部で折り曲げられ、かつ、上記V字状溝に沿って1箇所の谷折線部で折り曲げられて、縦断面M字状を成す第1シート層・第2シート層・第3シート層・第4シート層を順次有する折曲部が一端縁部に形成されると共に上記チャックテープ雄部と上記チャックテープ雌部を嵌合可能に対向させて上記第2シート層と上記第3シート層を相互に密封可能なファスナーが形成され、該折曲部が一端縁部に形成された状態で、上記シート片の左右両端縁部が全長にわたって溶着され、第1シート層と第2シート層に熱と押圧力を加えることにより該第1シート層と該第2シート層を相互に接合して熱溶着し袋幅方向全体にわたって帯状溶着部を形成すると共に第3シート層と第4シート層に熱と押圧力を加えることにより該第3シート層と該第4シート層を相互に接合して熱溶着し袋幅方向全体にわたって帯状溶着部を形成し、上記ファスナーが上記山折線部から袋内方側の至近距離にて上記第2シート層と上記第3シート層の内面に溶着され、同一厚さ寸法の上記第1シート層・第2シート層・第3シート層・第4シート層を有する上記折曲部に、上記ファスナーを開閉するためのスライダーが付設され、該スライダーは、上記ファスナーを開くための一部品と該ファスナーを閉じるための他部品の2つのプラスチック製部品を組み合わせた構造とし、さらに、上記第2シート層と上記第3シート層の間の上記谷折線部に沿って上記ファスナーより袋内方寄りに配設された上方開口状の上記V字状溝によって、上記第2シート層と上記第3シート層を切離可能な破断予定線部が形成され、上記溶着部の帯幅より上記谷折線部上記溶着部の下端縁との距離が短くなるように上記溶着部が上記谷折線部近傍に形成されているものである。
【0007】
また、上記折曲部に、吊下用の貫通孔が設けられているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装袋によれば、周縁部を切り取ることなく破断予定線部でシート片を破って開封でき、開封後も体裁良く使用できる。また、周縁部を切り取らずに開封できる為、捨て材を発生させることがない。折曲部で構成された一端縁部の強度が確保され、ファスナーを容易に開閉することができ、かつ、吊下ディスプレイに好適である。ファスナーが付設された構造であるにも関わらず、安価に製造できる。シート片に原反の状態で既に連続して印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1参考例を示した正面図である。
図2図1の包装袋の一端縁部を示す縦断面図である。
図3】開封直前の状態を示す要部断面図である。
図4】開封直後の状態を示す要部断面図である。
図5】本発明の実施の一形態を示した正面図である。
図6図5の包装袋の一端縁部を示す縦断面図である。
図7】本発明のの実施形態を示した正面図である。
図8】包装袋の製造工程を示す斜視図である。
図9】包装袋の製造工程を示す断面図である。
図10】包装袋の製造工程を示す断面図であり(A)は第1折曲工程の断面図であり、(B)は第2折曲工程の断面図であり、(C)は第2折曲工程通過後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1図2に示すように、参考例の包装袋は、1枚の合成樹脂製矩形状シート片1をもって構成され、シート片1が2箇所の山折線部18,18及び1箇所の谷折線部19で折り曲げられて、縦断面M字状を成す第1シート層11・第2シート層12・第3シート層13・第4シート層14を順次有する折曲部10が一端縁部1Aに形成されている。
折曲部10が一端縁部1Aに形成された状態で、シート片1の左右両端縁部1B,1Bが溶着され、かつ、他端縁部1Cに、被包装物Zを入れるための開口部3が形成されている。
シート片1は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を使用することができる。PET樹脂あるいはナイロン等を用いても良い。開口部3は、被包装物Zを入れた後、溶着によって閉塞される。被包装物Zとしては、食料品や薬品、サプリメント、ペットフード、あるいは、化粧品や雑貨等の小物類が挙げられる。なお、本発明に於て、「溶着」とは、熱と押圧力を加えることにより、接着剤を用いずに、樹脂を相互に接合する加工であり、「熱圧着」あるいは「熱溶着」と言い換えることもできる。
【0011】
折曲部10では、第1シート層11と第2シート層12を溶着すると共に第3シート層13と第4シート層14を溶着している。また、第2シート層12と第3シート層13の間の谷折線部19に沿って第2シート層12と第3シート層13を切離可能な破断予定線部5が形成されている。
第1シート層11と第2シート層12が谷折線部19の近傍で溶着されて、左右方向に細長い帯状の溶着部15が形成されている。また、第3シート層13と第4シート層14が谷折線部19の近傍で溶着されて、左右方向に細長い帯状の溶着部15が形成されている。
破断予定線部5では、シート片1の厚さ寸法の1/3の深さ寸法のV字状溝が、谷折線部19に沿って直線状に形成されることによって、シート片1の他の箇所よりも破れ易くなっている。なお、破断予定線部5としては、ハーフカット溝又はミシン目を形成するも好ましい。
【0012】
第2シート層12と第3シート層13を相互に密封可能なファスナー4が設けられ、ファスナー4より袋内方寄りに破断予定線部5が配設されている。
ファスナー4は、凸部を有するチャックテープ雄部4Aと、凸部が嵌合する凹部を有するチャックテープ雌部4Bと、から成り、チャックテープ雄部4Aとチャックテープ雌部4Bが共に第2シート層12及び第3シート層13の山折線部18,18近傍の内側面に、凸部と凹部を対向させるように溶着されている。ファスナー4は、折曲部10の外面(第1シート層11と第4シート層14)を外側から指で押さえ、チャックテープ雄部4Aとチャックテープ雌部4Bを互いに押し付ければ、凸部と凹部を嵌合させることができ、第2シート層12と第3シート層13を連結して閉じるものである。逆に、第1シート層11と第2シート層12の山折線部18付近、及び、第3シート層13と第4シート層14の山折線部18付近を指で掴んで開くように引っ張れば、凸部と凹部の嵌合を解除して、ファスナー4を開くことができる。
【0013】
上述した包装袋の使用方法(作用)について説明する。
図1のように、一端縁部1Aに折曲部10が形成され、かつ、左右両端縁部1B,1Bが溶着された包装袋に、開口部3から被包装物Zを差し入れて収容し、他端縁部1Cを溶着して、開封前密封状態とする。開封前密封状態では、内部に収容した被包装物Zを湿気から守り、若しくは、乾燥を防止し、衛生的に保護する。
【0014】
図2から図3に示すように、ファスナー4を開いて、第2シート層12と第3シート層13を大きく拡開する。第1シート層11と第2シート層12が2枚重ねて溶着され、かつ、第3シート層13と第4シート層14が2枚重ねて溶着されている為、山折線部18,18を成す周端縁部が十分な強度を確保し、ファスナー4を容易に開くことができる。
【0015】
図4に示すように、さらに第2シート層12と第3シート層13を拡開する方向に引張力F,Fを付与すると、破断予定線部5(谷折線部19)に沿って第2シート層12と第3シート層13が切り離されて開封状態となり、被包装物Zの取り出しが可能となる。第1シート層11と第2シート層12が(破断予定線部5近傍の溶着部15にて)溶着され、かつ、第3シート層13と第4シート層14が(破断予定線部5近傍の溶着部15にて)溶着されている為、被包装物Zの取り出しの際、第1シート層11と第2シート層12の間や、第3シート層13と第4シート層14の間に、被包装物Zが浸入するの防止でき、被包装物Zが第2シート層12と第3シート層13に引っ掛かって取り出し辛くなることもない。一旦、開封状態とした後は、気密性は開封前ほど高くはないが、ファスナー4を閉じて準密封状態とすることができる。
【0016】
次に、本発明の実施の一形態について説明する。
図5図6に示すように、折曲部10に、ファスナー4を開閉するためのスライダー8が付設されている。
スライダー8は、2つのプラスチック製部品から成り、一方の部品がファスナー4を開くための役割であり、他方の部品がファスナー4を閉じるための役割である。スライダー8は、2つの部品を組み合わせた構造として、ファスナー4に取り付け易いように構成されている。図5図6に於て、ファスナー4より袋内方寄りに破断予定線部5が設けられているため、開封前と開封後にスライダー8が影響を受けることはない。例えば、従来の包装袋では、周縁部の一部を切り取るので、スライダーを設けることができない、又は、開封してからスライダーを後付けするかのどちらかであったが、スライダーを後付けした場合には、周縁部の切断面がガタガタ(非直線状)で、スムーズにスライダーを走行させることが困難であった。これに対し、本発明によれば、開封前から折曲部10にスライダー8を付けておくことが可能で、かつ、開封前も開封後もスライダー8によってファスナー4を容易に開閉することができる。
図5図6に於て、ファスナー4は、第2シート層12及び第3シート層13の山折線部18,18により近い位置に取着されている。その他の構成は、上述した図1包装袋と同様である。
【0017】
図7に於て、本発明のの実施形態を示している。
図7では、折曲部10に、吊下用の貫通孔9が設けられている。
貫通孔9は、第1シート層11・第2シート層12・第3シート層13・第4シート層14を貫通する丸い孔であって、ファスナー4より上部の位置(山折線部18寄りの位置)に配設されている。折曲部10が、4つのシート層11,12,13,14の重ね合わせにより十分な強度を確保しており、貫通孔9にフックを挿入して吊下げても、折曲部10が型崩れすることなく荷重を支持できる利点があり、吊下ディスプレイに好適である。また、開封した後でも、貫通孔9にフックを挿入して吊下げることが可能で、食料品や薬品を収容している場合でも衛生的に保管し易い。
【0018】
本発明の包装袋の製造方法について簡単に説明する。
図8に示すように、合成樹脂製の原反シートSを連続して送りながら、原反シートSの表て面に、長手方向に沿ってファスナー4を取着する。この際、原反シートSの幅方向中心線近傍位置に、チャックテープ雄部4Aとチャックテープ雌部4Bを平行状に貼り付ける。なお、この前工程で、原反シートSの表て面には、既に連続して印刷が施されている。
次に、図9に示すように、原反シートSの表て面のチャックテープ雄部4A・チャックテープ雌部4B間に於ける幅方向中心線上に、熱した刃によってV字溝を形成する。このV字溝は、シートを折り曲げた時に谷折線部19に成ると見込まれる位置に長手方向に沿って形成され、言い換えると、V字溝をもって破断予定線部5を形成する。
【0019】
次に、図10(A)に示すように、原反シートSを1箇所の山折り部で折り返して2つ折りにする。この際、V字溝(破断予定線部5)が山折り部の外側に配置され、かつ、ファスナー4は、チャックテープ雄部4Aとチャックテープ雌部4Bが相互に反対方向を向いている。次に、図10(B)に示すように、円盤部材30を、原反シートSの山折り部の外側(表て面側)に当てると共に、円盤部材30を挟むように設けられた一対のエッジ部31,31を原反シートSの裏面側から当てて、原反シートSを2箇所の山折線部18,18及び1箇所の谷折線部19を成すように折り曲げる。このようにして、図10(C)に示すように、原反シートSの一端縁部を、第1シート層11・第2シート層12・第3シート層13・第4シート層14を順次有する断面M字状に形成する。なお、折り曲げた後、チャックテープ雄部4Aとチャックテープ雌部4Bを嵌合させるも好ましい。ここまでの工程は、原反シートSを連続して送りながら行う。
【0020】
次に、図10(C)の状態から、原反シートSを間欠的に送りつつ、第1シート層11と第2シート層12を溶着し、かつ、第3シート層13と第4シート層14を溶着して、原反シートSの一端縁部1Aに折曲部10を形成する。そして、図示省略するが、原反シートSの幅方向に沿って溶着部を形成し、この溶着部の中間位置で原反シートSを切断する。このようにして、本発明の包装袋が製造される。
【0021】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、スライダー8は、上述の構成に限定されるものではなく、変更が可能である。
【0022】
以上のように、本発明に係る包装袋は、1枚の合成樹脂製矩形状シート片1をもって構成され、シート片1が2箇所の山折線部18,18及び1箇所の谷折線部19で折り曲げられて、縦断面M字状を成す第1シート層11・第2シート層12・第3シート層13・第4シート層14を順次有する折曲部10が一端縁部1Aに形成され、第1シート層11と第2シート層12を溶着すると共に第3シート層13と第4シート層14を溶着し、さらに、第2シート層12と第3シート層13の間の谷折線部19に沿って第2シート層12と第3シート層13を切離可能な破断予定線部5が形成され、かつ、第2シート層12と第3シート層13を相互に密封可能なファスナー4が設けられ、ファスナー4より袋内方寄りに破断予定線部5が配設されたので、周縁部を切り取ることなく破断予定線部5でシート片1を破って開封でき、開封後も体裁良く使用できる。また、周縁部を切り取らずに開封できる為、捨て材を発生させることがない。折曲部10で構成された一端縁部1Aの強度が確保され、ファスナー4を容易に開閉することができ、かつ、吊下ディスプレイに好適である。ファスナー4が付設された構造であるにも関わらず、安価に製造できる。シート片1に原反の状態で既に連続して印刷できる。
【0023】
また、折曲部10が一端縁部1Aに形成された状態で、シート片1の左右両端縁部1B,1Bが溶着され、かつ、他端縁部1Cに、被包装物Zを入れるための開口部3が形成されているので、開口部3から被包装物Zを差し入れて収容した後、開口部3を溶着する作業を自動化でき、作業能率を向上できる。
【0024】
また、折曲部10に、ファスナー4を開閉するためのスライダー8が付設されているので、開封前から折曲部10にスライダー8を付けておくことができ、かつ、開封前も開封後もスライダー8によってファスナー4を容易に開閉することができる。
【0025】
また、折曲部10に、吊下用の貫通孔9が設けられているので、折曲部10が十分な強度を確保しており、貫通孔9にフックを挿入して吊下げても、型崩れすることなく荷重を支持できる利点があり、吊下ディスプレイに好適である。開封した後でも、貫通孔9にフックを挿入して吊下げることができ、省スペースで、かつ、衛生的に保管できる。
【符号の説明】
【0026】
1 シート片
1A 一端縁部
1B 左右両端縁部
1C 他端縁部
3 開口部
4 ファスナー
4A チャックテープ雄部
4B チャックテープ雌部
5 破断予定線部
8 スライダー
9 貫通孔
10 折曲部
11 第1シート層
12 第2シート層
13 第3シート層
14 第4シート層
15 溶着部
18 山折線部
19 谷折線部
Z 被包装物
【要約】
【課題】無駄な捨て材を発生させず、開封後も体裁良く使用できる包装袋を提供する。
【解決手段】1枚の合成樹脂製矩形状シート片1をもって構成され、シート片1が2箇所の山折線部18,18及び1箇所の谷折線部19で折り曲げられて、縦断面M字状を成す第1シート層11・第2シート層12・第3シート層13・第4シート層14を順次有する折曲部10が一端縁部1Aに形成され、第1シート層11と第2シート層12を溶着すると共に第3シート層13と第4シート層14を溶着し、さらに、第2シート層12と第3シート層13の間の谷折線部19に沿って第2シート層12と第3シート層13を切離可能な破断予定線部5が形成され、かつ、第2シート層12と第3シート層13を相互に密封可能なファスナー4が設けられ、ファスナー4より袋内方寄りに破断予定線部5が配設されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10