特許第5715284号(P5715284)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5715284ゲームプログラム、コンピュータの制御方法、およびコンピュータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5715284
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、コンピュータの制御方法、およびコンピュータ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20150416BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20150416BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20150416BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20150416BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20150416BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20150416BHJP
【FI】
   A63F13/80 E
   A63F13/211
   A63F13/428
   A63F13/69
   A63F13/45
   A63F13/52
【請求項の数】16
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-148960(P2014-148960)
(22)【出願日】2014年7月22日
【審査請求日】2014年7月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】叶 若伊
(72)【発明者】
【氏名】鴨林 広軌
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−154793(JP,A)
【文献】 「くるピタ3D」:立体的な図形を回転させて、背景のシルエットに当てはめよう!,フラッシュゲーム一日一膳,2012年 8月22日,URL,http://flashgametoday.jp/2012/08/22050000.php
【文献】 『くるピタ3D』ハマった時はスッキリ爽快♪3Dブロックを回転しながらシルエットにはめ込むパズルゲーム☆,Favroid,2012年10月 8日,URL,http://favroid.com/free/spgame32/
【文献】 パズルゲームアルゴリズムマニアックス,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2008年 7月31日,初版第1刷,第123−138,400頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
3次元の情報を含むゲームのフィールドにおいて、所定の形状を有する対象オブジェクトが第1の方向、および、当該第1の方向において取り得る第1の向きで視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力機能と、
所定の入力部を介してプレイヤから取得した変更操作の情報に応じて、所定数の方向の中から1つの方向として前記第1の方向を選択する、または所定数の向きの中から1つの向きとして前記第1の向きを選択することによって、当該第1の方向および第1の向きのうちの少なくとも一方を変更する視点変更機能と、
前記ゲームのフィールドにおいて、前記所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトが第2の方向、および、当該第2の方向において取り得る第2の向きで視認可能となるように、当該目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力機能と、
前記第1の方向および前記第1の向きと、前記第2の方向および前記第2の向きとがそれぞれ一致するか否かを判定することによって、前記対象オブジェクトと前記目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定機能とを実現させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記所定の入力部から取得される前記変更操作の情報として、前記プレイヤが操作する端末に作用する加速度の情報を、所定の加速度計測部から取得する加速度取得機能をさらに実現させ、
前記視点変更機能は、前記加速度取得機能によって取得された加速度の情報に応じて、前記第1の方向および前記第1の向きのうちの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記視点変更機能は、前記対象オブジェクトの前面、背面、左側面、右側面、上面、および下面のいずれか1つが正面となり、当該対象オブジェクトの上側、下側、左側、および右側のいずれか1つが上になるように、前記第1の方向及び前記第1の向きの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記視点変更機能によって前記第1の方向及び前記第1の向きのうちの少なくとも一方が変更可能となる時間および/または回数に対して制限を課す制限機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記制限機能は、前記対象オブジェクトおよび目的オブジェクトの少なくとも一方が移動する速度と、当該対象オブジェクトから当該目的オブジェクトまでの距離とに応じた時間を、制限時間とすることを特徴とする請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記形状判定機能は、前記対象オブジェクトの形状と前記目的オブジェクトの形状とを比較し、一方が他方に嵌合可能か否かを判定することによって、当該対象オブジェクトと当該目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記対象オブジェクトと前記目的オブジェクトとが互いに近づくように、当該対象オブジェクトおよび目的オブジェクトのうちの少なくとも一方を、3次元を構成する3つの軸のうちの少なくとも1つの軸に沿って移動させるオブジェクト移動機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記形状判定機能によって対応すると判定された場合、プレイヤに所定の特典を付与する特典付与機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記形状判定機能によって対応すると判定された場合、前記ゲームに関連する他のゲームを進行させるゲーム進行機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記対象オブジェクトおよび/または目的オブジェクトは、複数のオブジェクト要素からそれぞれ構成されており、
前記複数のオブジェクト要素には、属性情報がそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記属性情報は、前記オブジェクト要素の形状、色彩、もしくは模様、またはこれらの組み合わせを示す情報であることを特徴とする請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記対象オブジェクト表示出力機能は、前記対象オブジェクトが、前記第1の方向および前記第1の向きとは異なる他の方向および向きで視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な他の対象オブジェクト表示情報をさらに出力することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記ゲームプログラムは、
前記対象オブジェクト表示情報、および、前記目的オブジェクト表示情報を記憶部に記憶させる記憶機能と、
前記コンピュータが有する機能を統括的に制御する制御機能とを実現させ、
プレイヤが、前記第1の方向および前記第1の向きを決定することによって、前記対象オブジェクトを前記目的オブジェクトに一致させるパズルゲームを提供することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記目的オブジェクト表示出力機能は、前記目的オブジェクトの一部または全部が視認不可能となるように、前記目的オブジェクトを表示させることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
3次元の情報を含むゲームのフィールドにおいて、所定の形状を有する対象オブジェクトが第1の方向、および、当該第1の方向において取り得る第1の向きで視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力ステップと、
所定の入力部を介してプレイヤから取得した変更操作の情報に応じて、所定数の方向の中から1つの方向として前記第1の方向を選択する、または所定数の向きの中から1つの向きとして前記第1の向きを選択することによって、当該第1の方向および第1の向きのうちの少なくとも一方を変更する視点変更ステップと、
前記ゲームのフィールドにおいて、前記所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトが第2の方向、および、当該第2の方向において取り得る第2の向きで視認可能となるように、当該目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力ステップと、
前記第1の方向および前記第1の向きと、前記第2の方向および前記第2の向きがそれぞれ一致するか否かを判定することによって、前記対象オブジェクトと前記目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定ステップとを含むコンピュータの制御方法。
【請求項16】
3次元の情報を含むゲームのフィールドにおいて、所定の形状を有する対象オブジェクトが第1の方向、および、当該第1の方向において取り得る第1の向きで視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力部と、
所定の入力部を介してプレイヤから取得した変更操作の情報に応じて、所定数の方向の中から1つの方向として前記第1の方向を選択する、または所定数の向きの中から1つの向きとして前記第1の向きを選択することによって、当該第1の方向および第1の向きのうちの少なくとも一方を変更する視点変更部と、
前記ゲームのフィールドにおいて、前記所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトが第2の方向、および、当該第2の方向において取り得る第2の向きで視認可能となるように、当該目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力部と、
前記第1の方向および前記第1の向きと、前記第2の方向および前記第2の向きがそれぞれ一致するか否かを判定することによって、前記対象オブジェクトと前記目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定部とを備えたコンピュータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行を処理するゲームプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン・タブレット端末などの電子デバイスが普及するにつれて、家庭用ゲーム機用のゲーム以外にも、上記電子デバイス用のゲームが盛んに開発されている。多様なジャンルで多くのゲームが開発されているが、近年は、3次元のパズルゲームが流行しており、数多く開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、3次元コンピュータグラフィックスで表示された、8種類の正六面体を使用して行うゲームを実行するゲーム装置が開示されている。特許文献2には、表示された複数の画像を配置することによって、仮想空間に存在するオブジェクトの全体像を推測しつつパズルを解くことができるパズルゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−101677号公報
【特許文献2】特開2011−136049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の3次元のパズルゲームは、ルール・操作が複雑すぎるという問題点があった。例えば、特許文献1に記載のゲーム装置は、複雑な規則性を有する複数の正六面体を回転させるパズルゲームを提供するものであるため、当該パズルゲームに取り組む敷居が高い。同様に、特許文献2に記載のパズルゲームにおいても、当該パズルゲームを遊ぶために必要となる操作が複雑となるため、やはり敷居が高い。
【0006】
従来の3次元のパズルゲームのように、複雑なルールを理解する必要があったり、複雑な操作を要したりするゲームは、当該ゲームを遊び始める敷居を高くするだけでなく、当該ゲームを遊び続けることに対して倦厭感を生みやすい。したがって、3次元ゲームによって生じる特有の興趣性を維持しながら、ルール・操作を単純化することによってゲームとしての手軽さを実現することが好ましい。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲームとしての手軽さと3次元表示することによって生じる特有の興趣性とを両立可能なゲームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、所定の形状を有する対象オブジェクトが、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力機能と、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力機能と、対象オブジェクトの形状と目的オブジェクトの形状とを比較することによって、当該対象オブジェクトと当該目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定機能とを実現させる。
【0009】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、所定の入力部を介してプレイヤから取得した変更操作の情報に応じて、所定の方向を変更する視点変更機能をさらに実現させることができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、所定の入力部から取得される変更操作の情報として、プレイヤが操作する端末に作用する加速度の情報を、所定の加速度計測部から取得する加速度取得機能をさらに実現させ、視点変更機能は、加速度取得機能によって取得された加速度の情報に応じて、所定の方向を変更することができる。
【0011】
視点変更機能は、所定の入力部から取得される変更操作の情報として、プレイヤが操作する端末に作用する加速度の情報を、所定の加速度計測部から取得することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、視点変更機能は、対象オブジェクトの前面、背面、左側面、右側面、上面、および下面のいずれか1つが正面となり、当該対象オブジェクトの上側、下側、左側、および右側のいずれか1つが上になるように、所定の方向を変更することができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、視点変更機能によって所定の方向が変更可能となる時間および/または回数に対して制限を課す制限機能をさらに実現させることができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、制限機能は、対象オブジェクトおよび目的オブジェクトの少なくとも一方が移動する速度と、当該対象オブジェクトから当該目的オブジェクトまでの距離とに応じた時間を、制限時間とすることができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、形状判定機能は、対象オブジェクトの形状と目的オブジェクトの形状とを比較し、一方が他方に嵌合可能か否かを判定することによって、当該対象オブジェクトと当該目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定することができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、対象オブジェクトと目的オブジェクトとが互いに近づくように、当該対象オブジェクトおよび目的オブジェクトのうちの少なくとも一方を、3次元を構成する3つの軸のうちの少なくとも1つの軸に沿って移動させるオブジェクト移動機能をさらに実現させることができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、形状判定機能によって対応すると判定された場合、プレイヤに所定の特典を付与する特典付与機能をさらに実現させることができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、形状判定機能によって対応すると判定された場合、ゲームに関連する他のゲームを進行させるゲーム進行機能をさらに実現させることができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、対象オブジェクトおよび/または目的オブジェクトは、複数のオブジェクト要素からそれぞれ構成されており、複数のオブジェクト要素には、属性情報がそれぞれ対応付けられていてよい。
【0020】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、属性情報は、オブジェクト要素の形状、色彩、もしくは模様、またはこれらの組み合わせを示す情報であってよい。
【0021】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、対象オブジェクト表示出力機能は、対象オブジェクトが、所定の方向とは異なる他の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な他の対象オブジェクト表示情報をさらに出力することができる。
【0022】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、プレイヤが、所定の方向を決定することによって、対象オブジェクトを目的オブジェクトに一致させるパズルゲームを提供することができる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータの制御方法は、所定の形状を有する対象オブジェクトが、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力ステップと、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力ステップと、対象オブジェクトの形状と目的オブジェクトの形状とを比較することによって、当該対象オブジェクトと当該目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定ステップとを含んでいる。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータは、所定の形状を有する対象オブジェクトが、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力部と、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力部と、対象オブジェクトの形状と目的オブジェクトの形状とを比較することによって、当該対象オブジェクトと当該目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定部とを備えている。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法、および、コンピュータは、所定の形状を有する対象オブジェクトを、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように表示させ、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトを表示させ、両者が互いに対応するか否かを判定する。したがって、上記ゲームプログラム等は、ゲームとしての手軽さと3次元表示することによって生じる特有の興趣性とを両立可能なゲームを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末の要部構成を示すブロック図である。
図2】上記携帯端末が備えた表示部に表示されるゲームの画面例を示す模式図であり、(a)は、対象オブジェクトが目的オブジェクトに接近する過程を示し、(b)は、対象オブジェクトが目的オブジェクトにさらに接近する過程を示し、(c)は、プレイヤが対象オブジェクトの姿勢を目的オブジェクトの姿勢に一致させたことによって、当該目的オブジェクトが砕け散る演出が表示される過程を示す。
図3】3次元のゲームフィールドにおいて、対象オブジェクトを表示させるバリエーションを示す模式図である。
図4】プレイヤが上記携帯端末を傾けることによって、対象オブジェクトを表示させる所定の方向を変更する様子を示す模式図である。
図5】プレイヤが制限時間までに、目的オブジェクトの姿勢に一致する対象オブジェクトの姿勢を探し当てることができず、ゲームオーバとなった場合に表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。
図6】対象オブジェクトが、属性情報が対応付けられた複数のオブジェクト要素から構成されている例を示す模式図である。
図7】正しい回転方向を明示するヒントと、対象オブジェクトを他の方向から表示するサブ画面とをゲーム画面にさらに表示させた例を示す模式図である。
図8】上記携帯端末が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】上記携帯端末と、本発明の実施の形態に係るサーバ装置とを含むゲームシステムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1図9に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
〔携帯端末100の概要〕
携帯端末(コンピュータ)100は、以下で説明する処理を含むゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。当該処理を実行可能な機器でありさえすれば、具体的な機器は携帯端末に限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、携帯電話、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器であってもよい。
【0029】
図2は、携帯端末100が備えた表示部50に表示されるゲームの画面例を示す模式図であり、(a)は、対象オブジェクト1が目的オブジェクト2に接近する過程を示し、(b)は、対象オブジェクト1が目的オブジェクト2にさらに接近する過程を示し、(c)は、プレイヤが対象オブジェクト1の姿勢を目的オブジェクト2の姿勢に一致させたことによって、当該目的オブジェクト2が砕け散る演出が表示される過程を示す。
【0030】
図2の(a)〜(c)に例示されるように、携帯端末100は、所定の形状を有する対象オブジェクト1が、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクト1を表示させる。同様に、携帯端末100は、上記所定の形状(の一部または全部)と関連する形状(例えば、相似形状)を有する目的オブジェクト2(バリケード)を表示させる。プレイヤは、対象オブジェクト1の姿勢を変更させる操作(変更操作)を入力部40に与えることによって、手前(表示部50において奥行きの浅い側、プレイヤの手元)に表示された当該対象オブジェクト1の姿勢を、前方(表示部50において奥行きの深い側)から手前に向かって移動してくる(すなわち、当該対象オブジェクト1に近づいてくる)目的オブジェクト2の姿勢に一致させる。
【0031】
図3は、3次元のゲームフィールドにおいて、対象オブジェクト1を表示させるバリエーションを示す模式図である。図3に示されるように、3次元の形状を有する対象オブジェクト1は、6つの面(前面、背面、左側面、右側面、上面、下面)を有し、それぞれの面に対して4つの向き(上側、下側、左側、右側が上になる向き)をとることができるため、24種類(=6×4)の方向から3次元表示することができる。同様に、目的オブジェクト2も、24種類の方向から3次元表示することができる。
【0032】
図2の(a)および(b)に例示されるように、プレイヤは、対象オブジェクト1がとり得る24種類の姿勢(表示方向)から、目的オブジェクト2の姿勢(表示方向)に一致する姿勢を探し当てなければならない。図2の(c)に例示されるように、当該目的オブジェクト2が当該対象オブジェクト1に衝突する前に、プレイヤが上記姿勢を探し当てることができた場合、携帯端末100は、当該目的オブジェクト2が砕け散る演出を表示させ、後続の目的オブジェクト2をさらに表示させる。したがって、プレイヤは、ゲーム画面の奥から次々と迫り来る目的オブジェクト2の姿勢に一致させるように、対象オブジェクト1の姿勢を次々と変更する。
【0033】
上記のように、プレイヤは、3次元のゲームフィールドにおいて対象オブジェクト1を表示させる所定の方向(当該対象オブジェクト1の姿勢)を選択(変更)するだけで、ゲームを遊び進めることができる。したがって、携帯端末100は、ゲームとしての手軽さと3次元表示することによって生じる特有の興趣性とを両立可能なゲームを提供することができる。
【0034】
〔携帯端末100の構成〕
図1は、携帯端末100の要部構成を示すブロック図である。図1に示されるように、携帯端末100は、制御部10(視点変更部11、対象オブジェクト表示部12、目的オブジェクト表示部13、一致判定部14、特典付与部15、オブジェクト移動部16、制限部17、入力取得部18、加速度取得部19、表示処理部20)、入力部40(入力面41、入力制御部42)、表示部50、加速度計測部60、および記憶部30を備えている。
【0035】
制御部10は、携帯端末100が有する各種機能を統括的に制御する。制御部10は、視点変更部11、対象オブジェクト表示部12、目的オブジェクト表示部13、一致判定部14、特典付与部15、オブジェクト移動部16、制限部17、入力取得部18、加速度取得部19、および表示処理部20を含む。
【0036】
視点変更部(視点変更機能)11は、入力部40を介してプレイヤから取得した変更情報(変更操作の情報)5cに応じて、対象オブジェクト1を表示させる所定の方向(当該対象オブジェクト1の姿勢)を変更する。
【0037】
例えば、入力取得部18から変更情報5cが入力され、当該変更情報5cが入力面41の上部から下部に向かうフリック入力が与えられたことを示す場合、視点変更部11は、対象オブジェクト1が当該フリック入力に沿って縦方向に回転するように、対象オブジェクト1の姿勢(表示方向)を変更する。同様に、変更情報5cが入力面41の左部から右部に向かうフリック入力が与えられたことを示す場合、視点変更部11は、対象オブジェクト1が当該フリック入力に沿って横方向に回転するように、対象オブジェクト1の姿勢を変更する。同様に、変更情報5cが入力面41の上で円を描く入力が与えられたことを示す場合、視点変更部11は、対象オブジェクト1が当該入力に沿って時計回り/反時計回りに回転するように、対象オブジェクト1の姿勢を変更する。
【0038】
すなわち、視点変更部11は、プレイヤによる変更操作に応じて、対象オブジェクト1が3次元を構成する3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)のうちの少なくとも1つの軸の回りを回転するように、当該対象オブジェクト1を表示させる所定の方向(当該対象オブジェクト1の姿勢)を変更する。同様に、視点変更部11は、上記変更操作に応じて、目的オブジェクト2を表示させる方向を変更することもできる。視点変更部11は、変更した方向を示す方向情報6aを対象オブジェクト表示部12に出力する。
【0039】
図4は、プレイヤが携帯端末100を傾けることによって、対象オブジェクト1を表示させる所定の方向を変更する様子を示す模式図である。図4に例示されるように、視点変更部11は、加速度取得部19から入力された加速度情報5dに応じて、上記所定の方向を変更することもできる。
【0040】
例えば、当該加速度情報5dが、表示部50の上部から下部に向かう方向に加速度が作用していることを示す場合、視点変更部11は、対象オブジェクト1が当該加速度に沿って縦方向に回転するように、対象オブジェクト1の姿勢(表示方向)を変更する。同様に、変更情報5cが入力面41の左部から右部に向かう方向に加速度が作用していることを示す場合、視点変更部11は、対象オブジェクト1が当該加速度に沿って横方向に回転するように、対象オブジェクト1の姿勢を変更する。すなわち、視点変更部11は、携帯端末100を傾けた方向に応じて、対象オブジェクト1の姿勢を変更することができる。これにより、携帯端末100は、プレイヤに直感的な操作インターフェースを提供することができる。
【0041】
対象オブジェクト表示部(対象オブジェクト表示出力機能)12は、所定の形状を有する対象オブジェクト1が、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向(視点変更部11から入力された方向情報6aが示す方向)から視認可能となるように、当該対象オブジェクト1を表示可能な対象オブジェクト表示情報6bを一致判定部14および表示処理部20にそれぞれ出力する。
【0042】
目的オブジェクト表示部(目的オブジェクト表示出力機能)13は、上記所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクト2を表示可能な目的オブジェクト表示情報6cを一致判定部14および表示処理部20にそれぞれ出力する。ここで、上記「関連する形状」は、例えば、(1)対象オブジェクト1が有する形状と相似する形状、(2)対象オブジェクト1が有する形状を一部に包含する形状、(3)対象オブジェクト1が有する形状を嵌合可能な相補的形状(すなわち、鍵に対する鍵穴の形状)、または(4)対象オブジェクト1が有する形状の一部または全部に対応する形状であってよい。
【0043】
なお、対象オブジェクト表示部12および/または目的オブジェクト表示部13は、所定のタイミングにおいて、(1)オブジェクト(対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2)の形状、および/または(2)当該オブジェクトを構成する複数のオブジェクト要素にそれぞれ設定された属性情報を変更することができる。例えば、上記(1)の場合、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2の形状の一部または全部が伸縮するように、当該目的オブジェクト2を表示させることができる。または、上記(2)の場合、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクトの一部または全部の色彩(属性情報)が変化するように、当該目的オブジェクト2を表示させることができる。これにより、プレイヤは、対象オブジェクト1の姿勢を目的オブジェクト2の姿勢に一致させるタイミングを考慮する必要があるため、携帯端末100は、当該ゲームの奥行きを増すことができる。
【0044】
一致判定部(形状判定機能)14は、対象オブジェクト1の形状と目的オブジェクト2の形状とを比較することによって、当該対象オブジェクト1と当該目的オブジェクト2とが互いに対応するか否かを判定する。
【0045】
例えば、目的オブジェクト2が、対象オブジェクト1が有する形状と相似する形状を有する場合(上記(1)の場合)、一致判定部14は、当該対象オブジェクト1がとり得る第1の方向(図3における6つの方向)および第1の向き(4つの向き)と、当該目的オブジェクト2がとり得る第2の方向(6つの方向)および第2の向き(4つの向き)とがそれぞれ一致することにより、当該対象オブジェクト1と当該目的オブジェクト2とが一致するか否かを判定する。または、目的オブジェクト2が、対象オブジェクト1が有する形状を嵌合可能な相補的形状を有する場合(上記(3)の場合)、当該対象オブジェクト1の形状と当該目的オブジェクト2の形状とを比較し、一方が他方に嵌合可能か否か(例えば、対象オブジェクト1を目的オブジェクト2の空白箇所(シルエット)に嵌め込むことができるか否か)を判定する。
【0046】
すなわち、一致判定部14は、対象オブジェクト1と目的オブジェクト2とを比較し、両者の姿勢(表示方向、形状など)が所定の関係(両者が一致する、一方が他方を含むなど)を有するか否かを判定する。一致判定部14は、判定した結果を含む判定情報6dを特典付与部15に出力する。
【0047】
なお、一致判定部14は、任意のタイミングにおいて、両者の姿勢が所定の関係を有するか否か(対象オブジェクト1と目的オブジェクト2とが互いに対応するか否か)を判定することができる。例えば、一致判定部14は、プレイヤから変更操作が入力されるたびに当該判定を行ってもよいし、当該プレイヤが「判定」ボタンを押下(タップ)してから当該判定を行うようにしてもよい。また、一致判定部14が「対応する」と判定した場合、オブジェクト移動部16は、目的オブジェクト2がゲームのフィールド上を一気に加速して移動させることができる。
【0048】
特典付与部(特典付与機能)15は、一致判定部14によって対応すると判定された場合、プレイヤに所定の特典を付与する。ここで、上記「所定の特典」は、例えば、(1)ポイント、または(2)当該ゲームまたは他のゲームにおいて使用可能なキャラクタまたはアイテムであってよい。そして、プレイヤにポイントを付与する場合(上記(1)の場合)、特典付与部15は、例えば、(a)目的オブジェクト2の姿勢に一致する対象オブジェクト1の姿勢を探し当てるまでの時間が短いほど、および/または(b)当該探し当てるまでに与えた変更操作の回数が少ないほど、多くのポイントをプレイヤに付与できる。この場合、プレイヤは、獲得したポイントを他のゲームにおいて使用可能なアイテムなどに交換することができる。
【0049】
一方、プレイヤにアイテムまたはキャラクタを付与する場合(上記(2)の場合)、特典付与部15は、例えば、目的オブジェクト2の一部に表された画像に関連する画像として表されるアイテムまたはキャラクタをプレイヤに付与できる。この場合、例えば、目的オブジェクト2の表面に「リボン」の画像が付されている場合、プレイヤは「女の子」の画像(当該「リボン」の画像に関連する画像)として表されるキャラクタであって、他のゲームにおいて使用可能なキャラクタが入手できることを期待して、当該ゲームをプレイする。または、目的オブジェクト2の表面に「ダンベル」の画像が付されている場合、プレイヤは「攻撃力アップ」の画像(当該「ダンベル」の画像に関連する画像)として表されるアイテムであって、他のゲームにおいて使用可能なアイテムが入手できることを期待して、当該ゲームをプレイする。
【0050】
あるいは、目的オブジェクト2の表面に「リボン」の画像の一部(部分画像)が付されており、プレイヤが目的オブジェクト2を1つクリアするたびに(すなわち、一致判定部14から両者が対応することを示す判定結果6dが入力されるたびに)上記部分画像が蓄積され、上記「リボン」の画像を構成するすべての部分画像が揃ったときに、特典付与部15は、「女の子」の画像として表されるキャラクタであって、他のゲームにおいて使用可能なキャラクタをプレイヤに付与してもよい。
【0051】
このように、携帯端末100は、当該ゲームの進捗に応じてプレイヤに特典を付与することができるため、当該ゲームをプレイすることに対する当該プレイヤの熱意を喚起することができる。特に、携帯端末100が、プレイヤにアイテムまたはキャラクタを付与する場合、プレイヤに期待をもたせながらゲームをプレイさせることができるため、携帯端末100は、当該ゲームをプレイすることに対する当該プレイヤの熱意をさらに喚起することができる。
【0052】
また、特典付与部(ゲーム進行機能)15は、一致判定部14によって対応すると判定された場合、当該ゲームに関連する他のゲームを進行させる。例えば、当該他のゲームが、プレイヤが保有するキャラクタを敵キャラクタと戦わせることによってゲームが展開するロールプレイイングゲーム(RPG)である場合、特典付与部15は、プレイヤが目的オブジェクト2を1つクリアするたびに、当該敵キャラクタにダメージを与える効果を生じさせることによって、当該他のゲームを進行させることができる。
【0053】
また、所定のメインゲーム(他のゲーム)の途中に挿入されるサブゲームとして、当該ゲームがプレイされる場合、特典付与部15は、プレイヤがクリアした目的オブジェクト2の数に応じて当該メインゲームの進捗が変化するように、当該メインゲームを進行させることができる。例えば、当該メインゲームが上記RPGである場合、特典付与部15は、プレイヤが目的オブジェクト2を1つクリアするたびに、上記キャラクタのヒットポイント(体力)が所定量だけ回復する効果を発生させたり、当該メインゲームに含まれるイベントをスキップする(クリアしたとみなす)効果を発生させたりすることができる。これにより、携帯端末100は、当該ゲームをプレイすることだけでなく、他のゲームをプレイすることに対するプレイヤの熱意も喚起することができる。
【0054】
なお、特典付与部15によって付与された特典に関する情報は、携帯端末100と通信可能に接続されたサーバ装置200(図9を参照して後述する)にアップロードされてよい。または、サーバ装置200が特典付与部15を備え、携帯端末100が当該ゲームの進捗(例えば、クリアした目的オブジェクト2の数など)を当該サーバ装置200にアップロードし、当該特典付与部15が当該サーバ装置200の上で上記特典に関する情報を生成し、所定の記憶部に格納する構成とすることもできる。
【0055】
オブジェクト移動部(オブジェクト移動機能)16は、対象オブジェクト1と目的オブジェクト2とが互いに近づくように、当該対象オブジェクト1および目的オブジェクト2のうちの少なくとも一方を、3次元を構成する3つの軸のうちの少なくとも1つの軸に沿って移動させる。
【0056】
図2の(a)〜(c)に例示されるように、オブジェクト移動部16は、手前に表示された対象オブジェクト1に、その前方に表示された目的オブジェクト2が近づいてくるように、当該目的オブジェクト2を移動させることができる。オブジェクト移動部16は、対象オブジェクト1または目的オブジェクト2を移動させるための移動情報6eを、対象オブジェクト表示部12および目的オブジェクト表示部13に出力する。
【0057】
なお、オブジェクト移動部16は、対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2を所定の誘導路(レールのようにあらかじめ決められた経路)に沿って移動させることができる。目的オブジェクト表示部13が目的オブジェクト2を一度に複数表示する場合、プレイヤは、複数の目的オブジェクト2をそれぞれ移動させる複数の誘導路を切り替えることによって、ターゲットとする目的オブジェクト2を切り替えることができる。また、オブジェクト移動部16は、当該対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2を回転させながら移動させることもできる。これにより、携帯端末100は、ゲームのバリエーションを増すことができる。
【0058】
さらに、上記所定の誘導路には凹凸が存在してよく、この場合、オブジェクト移動部16は、当該凹凸のタイミングにおいて当該凹凸に応じた方向と大きさとに応じて、対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2を回転させることができる。また、上記所定の誘導路には所定の制限(例えば、幅が狭くなっている箇所があるなど)が課されてよく、オブジェクト移動部16は、プレイヤが所定のタイミングにおいて目的オブジェクト2を回転させなければ、当該目的オブジェクト2が当該所定の誘導路を通過し、対象オブジェクト1に接近できなくなるように、当該目的オブジェクト2を表示させてよい(携帯端末100は、その時点でゲームオーバとしてもよいし、目的オブジェクト2が対象オブジェクト1に接近できない時間だけ制限時間を減じてよい)。これにより、携帯端末100は、ゲームのバリエーションを増すとともに、当該ゲームの難易度を上げることができるため、上級者にとってもプレイしごたえのあるゲームを実現できる。
【0059】
制限部(制限機能)17は、視点変更部11によって所定の方向が変更可能となる時間に対して制限を課す。例えば、図2の(a)〜(c)に例示されるように、手前に表示された対象オブジェクト1に、その前方に表示された目的オブジェクト2が近づいてくるように、当該目的オブジェクト2が移動する場合、制限部17は、当該目的オブジェクト2が移動する速度と、当該対象オブジェクト1から当該目的オブジェクト2までの距離とに応じた時間(すなわち、目的オブジェクト2が対象オブジェクト1に衝突するまでの時間)を、制限時間とすることができる。
【0060】
図5は、プレイヤが上記制限時間までに、目的オブジェクト2の姿勢(表示方向)に一致する対象オブジェクト1の姿勢を探し当てることができず、ゲームオーバとなった場合に表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。図5に例示されるように、目的オブジェクト2が対象オブジェクト1に衝突するまで(上記制限時間内)に、プレイヤが目的オブジェクト2の姿勢に一致する対象オブジェクト1の姿勢を探し当てることができなかった場合、携帯端末100は、対象オブジェクト1が砕け散る演出を表示させるとともに、ゲームオーバとなったこと、および再挑戦(リトライ)するか否かをさらに表示させる。
【0061】
このように、携帯端末100は、残り時間をカウントダウンすることによって制限時間をプレイヤに意識させるのではなく、例えば、目的オブジェクト2が対象オブジェクト1に接近する速さと両者の距離とによって、当該制限時間をプレイヤに意識させることができる。したがって、携帯端末100は、より直感的に上記制限時間をプレイヤに意識させることができるため、より強くゲームをプレイする緊迫感を当該プレイヤに与えることができる。
【0062】
同様に、制限部17は、視点変更部11によって所定の方向が変更可能となる回数に対して制限を課すこともできる。この場合、制限部17は、プレイヤが入力部40に対して変更操作を与えるたびに累積の変更回数を1ずつ増加させ、所定の制限回数に達した時点で、当該プレイヤが目的オブジェクト2の姿勢に一致する対象オブジェクト1の姿勢を探し当てることができていなければ、ゲームオーバにすることができる。また、制限部17は、上記累積の変更回数をゲーム画面に表示することによって、プレイヤに提示することができる。これにより、携帯端末100は、上記制限回数をプレイヤに意識させることができるため、ゲームをプレイする緊迫感を当該プレイヤに与えることができる。
【0063】
さらに、制限部17は、視点変更部11によって所定の方向が変更可能となる態様に対して制限を課すこともできる。例えば、制限部17は、対象オブジェクト1の回転に対して拘束(例えば、特定の方向に回転できないようにしたり、1回の変更操作を与えるだけで2回転するようにしたりする拘束)を加える所定のオブジェクトを表示することによって、上記態様に制限を課すことができる。これにより、携帯端末100は、ゲームをプレイする緊迫感を当該プレイヤに与えることができる。制限部17は、制限した時間、回数、および/または態様に関する情報を含む制限情報5eを視点変更部11に出力する。
【0064】
入力取得部18は、入力制御部42から軌跡5bを取得し、当該軌跡5bに基づいて変更情報5cを生成し、当該変更情報5cを視点変更部11に出力する。
【0065】
加速度取得部(加速度取得機能)19は、入力部40から取得される変更情報5c(変更操作の情報)として、プレイヤが操作する端末(携帯端末100)に作用する加速度の情報(加速度情報5d)を、加速度計測部60から取得し、当該加速度情報5dを視点変更部11に出力する。
【0066】
表示処理部20は、対象オブジェクト表示部12から入力された対象オブジェクト表示情報6b、目的オブジェクト表示部13から入力された目的オブジェクト表示情報6c、および一致判定部14から入力された判定情報6dに基づいて、ゲーム画面に関する画面情報6fを生成し、当該画面情報6fを表示部50に出力する。
【0067】
また、表示処理部20は、一例として次の処理を実行することにより、目的オブジェクト2が対象オブジェクト1に衝突(接触)したか否かを判定することができる。すなわち、表示処理部20は、対象オブジェクト1を表示した領域に含まれる所定の座標A(例えば、対象オブジェクト1の中心座標)から、目的オブジェクト2を表示した領域に含まれる所定の座標B(例えば、目的オブジェクト2の中心座標)までの距離αが、当該所定の座標Aから当該対象オブジェクト1の外縁(例えば、対象オブジェクト1を表示した領域の表面)までの距離βと、当該所定の座標Bから当該目的オブジェクト2の外縁までの距離βとの和(β+β)よりも小さい(α<β+β)場合、当該対象オブジェクト1と当該目的オブジェクト2とが接触したと判定できる。これにより、携帯端末100は、目的オブジェクト2が対象オブジェクト1に接触したか否かを正確に判定することができる。
【0068】
入力部40は、プレイヤによるタッチ操作を受け付ける。本実施の形態において、入力部40は、マルチタッチを検知可能なタッチパネルであってよい。入力部40は、入力面41と入力制御部42とを含む。なお、携帯端末100に対して入力を与える方法は、上記タッチパネルを用いたタッチ操作に限定されない(例えば、所定の入力キーを押下することによって入力を与えることもできる)。
【0069】
入力面41は、プレイヤによるタッチ操作によって指定された位置を検知可能なデバイス(例えば、上記タッチパネルに含まれるタッチ面)である。入力面41は、上記指定された位置に対応する座標情報5aを入力制御部42に出力する。
【0070】
入力制御部42は、入力面41から上記座標情報5aを所定の時間間隔で取得し、一連の座標情報5aから軌跡5bを生成する。
【0071】
表示部50は、ゲーム画面を表示するデバイスである。本実施の形態において、表示部50は液晶ディスプレイであってよい。なお、図1においては、入力部40および表示部50がそれぞれ有する機能を明示するために、両者を分離して示している。しかし、例えば、入力部40がタッチパネルであり、表示部50が液晶ディスプレイである場合、両者は一体として構成されることが好ましい。
【0072】
加速度計測部60は、携帯端末100に加わる加速度(大きさ・向きを含むベクトル量)を計測可能な機器である。加速度計測部60は、例えば、ジャイロセンサによって実現され得る。
【0073】
記憶部30は、例えば、ハードディスク、SSD(silicon state drive)、半導体メモリ、DVDなど、任意の記録媒体によって構成される記憶機器であり、携帯端末100を制御可能なゲームプログラムおよび各種データを記憶する。
【0074】
〔属性情報の例〕
図6は、対象オブジェクト1が、属性情報が対応付けられた複数のオブジェクト要素3から構成されている例を示す模式図である。図6に例示されるように、対象オブジェクト1は、複数のオブジェクト要素3(3a〜3d)から構成されている。そして、複数のオブジェクト要素3には、属性情報がそれぞれ対応付けられている。ここで、属性情報は、オブジェクト要素3の性質(例えば、外観など)を特徴付ける情報であり、例えば、(1)当該オブジェクト要素3の形状、(2)色彩、(3)模様、または(4)これらの組み合わせを示す情報であってよい。同様に、目的オブジェクト2も、複数のオブジェクト要素3から構成されることができる。
【0075】
例えば、対象オブジェクト1が、互いに異なる色彩を示す属性情報がそれぞれ対応付けられた複数のオブジェクト要素3から構成され、目的オブジェクト2が、当該対象オブジェクト1と同じ複数のオブジェクト要素3から構成されている場合を考える。この場合、プレイヤは、対象オブジェクト1に含まれるオブジェクト要素の色彩と、目的オブジェクト2に含まれるオブジェクト要素の色彩とを一致させるように、当該対象オブジェクト1を表示させる所定の方向を変更することができる。すなわち、携帯端末100は、プレイヤに「色彩」というヒントを与えることができる。これにより、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居を下げることができるため、プレイヤの熱意を喚起することができる。
【0076】
なお、対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2を構成する複数のオブジェクト要素3にそれぞれ対応付けられた属性情報は、特典付与部15によって付与される特典に関連するものであってよい。例えば、目的オブジェクト2を構成する複数のオブジェクト要素3のなかに、「木の属性」が対応付けられたオブジェクト要素が含まれている場合に、プレイヤが当該目的オブジェクト2をクリアした場合、特典付与部15は、当該「木の属性」に関連する特典(例えば、敵キャラクタの動作を遅くする効果を与えるアイテムなど)を当該プレイヤに付与することができる。
【0077】
〔初心者に対する配慮〕
図7は、正しい回転方向を明示するヒント4aと、対象オブジェクト1を他の方向から表示するサブ画面4bとをゲーム画面にさらに表示させた例を示す模式図である。図7に例示されるように、携帯端末100は、対象オブジェクト1の姿勢を目的オブジェクト2の姿勢に一致させるために、当該対象オブジェクト1を回転させる(すなわち、当該対象オブジェクト1を表示させる所定の方向を変更する)正しい方向について、ヒントを表示させることができる。これにより、プレイヤは、当該ヒントにしたがって携帯端末100に変更操作を与えるだけでよいため、当該プレイヤが初心者であっても簡単にゲームを遊び進めることができる。したがって、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居を下げることができるため、プレイヤの熱意を喚起することができる。
【0078】
また、図7に例示されるように、携帯端末100は、対象オブジェクト1を表示させる所定の方向とは異なる他の方向から、当該対象オブジェクト1を視認可能にするサブ画面4bをさらに表示させることができる。これにより、プレイヤは、対象オブジェクト1を表示させる所定の方向を変更することなく、3次元表示される対象オブジェクト1を別の角度から視認することができる。したがって、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居を下げることができるため、プレイヤの熱意を喚起することができる。
【0079】
なお、携帯端末100は、目的オブジェクト2が他の方向から視認可能となるように、対象オブジェクト1に代えて、または当該対象オブジェクト1と同時に、上記サブ画面4bに当該目的オブジェクト2を表示させてもよい。この場合、携帯端末100は、当該目的オブジェクト2が自動的に回転するように、当該目的オブジェクト2を上記サブ画面4bに表示させてよい。これにより、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居をさらに下げることができるため、プレイヤの熱意を一層喚起することができる。
【0080】
また、携帯端末100は、奥行き方向(ゲーム画面の奥に向かう方向)を視認容易とするために、対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2の一部または全部を透過させるように、当該対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2を表示させることができる。これにより、プレイヤは、当該対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2の形状を把握しやすくなる。したがって、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居をさらに下げることができるため、プレイヤの熱意を一層喚起することができる。
【0081】
さらに、プレイヤが所定のアイテムを使用する操作を与えた場合、携帯端末100は、対象オブジェクト1の姿勢を目的オブジェクト2の姿勢に一致させる方向に、当該対象オブジェクト1を所定回数だけ回転させることができる。例えば、対象オブジェクト1の姿勢を目的オブジェクト2の姿勢に一致させるためには、当該対象オブジェクト1を縦方向または横方向に5回転させる必要がある場合、携帯端末100は、当該一致させる方向に3回転させる(すなわち、途中まで自動的に解く)ことができる。したがって、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居をさらに下げることができるため、プレイヤの熱意を一層喚起することができる。
【0082】
または、プレイヤが所定のアイテムを使用する操作を与えた場合、携帯端末100は、対象オブジェクト1および/または目的オブジェクト2をそれぞれ構成する複数のオブジェクト要素にそれぞれ対応付けられた属性情報を変更することができる。例えば、携帯端末100は、複数のオブジェクト要素の色彩を鮮やかに異ならせて表示するように、上記属性情報を変更することができる。これにより、プレイヤは、対象オブジェクト1と目的オブジェクト2との対応関係をより明確に把握できる。したがって、携帯端末100は、ゲームに取り組む敷居をさらに下げることができるため、プレイヤの熱意を一層喚起することができる。
【0083】
上記のように、携帯端末100は、ゲームの難易度を下げるような工夫を当該ゲームに導入することができるため、初心者であっても取り組みやすいゲームを提供することができる。
【0084】
〔目的オブジェクト2のバリエーション〕
目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2を一度に複数表示することができる。この場合、プレイヤは、通常であれば1つの目的オブジェクト2の姿勢に一致する、1つの対象オブジェクト1の姿勢を探し当てるために課された制限時間の間に、複数の目的オブジェクト2の姿勢にそれぞれ一致する、複数の対象オブジェクト1の姿勢を探し当てる必要がある。これにより、携帯端末100は、ゲームの難易度を上げることができるため、上級者にとってもプレイしごたえのあるゲームを実現できる。
【0085】
また、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2の一部または全部が視認不可能となるように、当該目的オブジェクト2を表示させることができる。例えば、ゲーム画面の奥から手前に向かって目的オブジェクト2が移動してくる経路に照射される光の量が、当該経路上の位置に応じて異なっており、(1)多量の光が照射されている経路上の位置を当該目的オブジェクト2が移動している場合は、当該目的オブジェクト2の全部が視認可能となり、(2)少量の光が照射されている経路上の位置を当該目的オブジェクト2が移動している場合は、当該目的オブジェクト2の一部のみが視認可能となり(例えば、形状のみが視認可能となったり、色彩のみが視認可能となったりしてよい)、(3)光が照射されていない経路上の位置を当該目的オブジェクト2が移動している場合は、当該目的オブジェクト2が視認不可能となってよい。これにより、携帯端末100は、ゲームのバリエーションを増すとともに、当該ゲームの難易度を上げることができるため、上級者にとってもプレイしごたえのあるゲームを実現できる。
【0086】
また、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2を表示させるタイミングに応じて、当該目的オブジェクトの形状、色彩、もしくは模様、またはこれらの組み合わせを異ならせて表示させることができる。例えば、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2に向けて光が照射される位置に応じて当該目的オブジェクト2の色彩が変化するように、当該目的オブジェクト2を表示させてよい。または、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2が移動してくる経路に応じて当該目的オブジェクト2の形状が変化するように、当該目的オブジェクト2を表示させてもよい。これにより、携帯端末100は、ゲームのバリエーションをさらに増すことができる。
【0087】
また、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2が水の中に沈められているように、当該目的オブジェクト2を示す像の一部または全部が屈折し、視認困難となるように、当該目的オブジェクト2を表示させることができる。この場合、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2が屈折する層を超えて移動してくることにより、徐々に色彩が鮮明になったり、色彩および/または形状が変化したりするように、当該目的オブジェクト2を表示させることができる。これにより、携帯端末100は、ゲームのバリエーションをさらに増すことができる。
【0088】
さらに、目的オブジェクト表示部13は、目的オブジェクト2の鏡像のみが視認可能となるように、当該目的オブジェクト2を表示させることができる。これにより、携帯端末100は、ゲームのバリエーションを増すとともに、当該ゲームの難易度を上げることができるため、上級者にとってもプレイしごたえのあるゲームを実現できる。
【0089】
上記のように、携帯端末100は、ゲームのバリエーションを増す工夫だけでなく、当該ゲームの難易度を上げるような工夫を当該ゲームに導入することができるため、上級者であってもプレイしごたえのあるゲームを提供することができる。
【0090】
〔携帯端末100が実行する処理〕
図8は、携帯端末100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、カッコ書きの「〜ステップ」は、コンピュータの制御方法に含まれる各ステップを表す。
【0091】
対象オブジェクト表示部12は、所定の形状を有する対象オブジェクト1が、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクト1を表示可能な対象オブジェクト表示情報6bを出力する(ステップ1、以下「ステップ」を「S」と略記する、対象オブジェクト表示出力ステップ)。次に、目的オブジェクト表示部13は、上記所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクト2を表示可能な目的オブジェクト表示情報6cを出力する(S2、目的オブジェクト表示出力ステップ)。
【0092】
入力取得部18によって変更情報5cが取得された場合(S3においてYES)、視点変更部11は、当該変更情報5cに応じて、対象オブジェクト1を表示させる所定の方向(当該対象オブジェクト1の姿勢)を変更する(S4)。そして、一致判定部14によって対象オブジェクト1と目的オブジェクト2とが互いに対応するか否かが判定され(S5、形状判定ステップ)、対応すると判定された場合(S5においてYES)、特典付与部15は、プレイヤに所定の特典を付与する(S6)。
【0093】
なお、上記制御方法は、図8を参照して前述した上記処理だけでなく、制御部10に含まれる各部において実行される処理を任意に含んでよい。
【0094】
〔携帯端末100が奏する効果〕
以上のように、携帯端末100は、所定の形状を有する対象オブジェクト1を、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように表示させ、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクト2を表示させ、両者が互いに対応するか否かを判定する。したがって、携帯端末100は、ゲームとしての手軽さと3次元表示することによって生じる特有の興趣性とを両立可能なゲームを提供できるという効果を奏する。
【0095】
〔サーバ装置200が機能の一部または全部を提供する構成〕
以上では、本発明のコンピュータが携帯端末100として機能し、本発明のゲームプログラムが、いわゆるネイティブアプリケーション(ネイティブゲーム)として、当該携帯端末100において実行される構成を説明した。一方、本発明のゲームプログラムは、いわゆるウェブアプリケーション(ウェブゲーム)として、当該ゲームプログラムの一部または全部がサーバ装置200において実行され、当該実行された処理の結果が上記携帯端末100に返される構成であってもよい。
【0096】
図9は、携帯端末100とサーバ装置200とを含むゲームシステム300の構成を示す模式図である。図9に例示されるように、本発明のコンピュータが、携帯端末100と所定のネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置200として機能し、本発明のゲームプログラムが当該サーバ装置200において実行される場合を説明する。
【0097】
この場合、サーバ装置200は、プレイヤが操作する携帯端末100から変更情報5c(すなわち、携帯端末100に対するプレイヤからの入力)を受信する。そして、サーバ装置200が備えた対象オブジェクト表示部12は、当該変更情報5cに基づいて、所定の形状を有する対象オブジェクト1が、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクト1を表示可能な対象オブジェクト表示情報6bを生成し、携帯端末100に送信(出力)する。
【0098】
次に、サーバ装置200が備えた目的オブジェクト表示部13は、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクト2を表示可能な目的オブジェクト表示情報6cを生成し、携帯端末100にさらに送信(出力)する。そして、サーバ装置200が備えた一致判定部14は、対象オブジェクト1の形状と目的オブジェクト2の形状とを比較することによって、当該対象オブジェクト1と当該目的オブジェクト2とが互いに対応するか否かを判定し、当該判定した結果を含む判定情報6dを携帯端末100に送信(出力)する。
【0099】
携帯端末100は、サーバ装置200から受信した情報(例えば、対象オブジェクト表示情報6b、目的オブジェクト表示情報6c、判定情報6d)に基づいて、当該ゲームをプレイした結果(例えば、対象オブジェクト1、目的オブジェクト2)を表示部50に表示させる。なお、ウェブブラウザを介して当該プレイした結果を表示させる場合、携帯端末100は、例えば、当該ウェブブラウザに搭載された所定の記憶領域(ウェブストレージ)に上記サーバ装置200から受信した情報を蓄積することができる。
【0100】
このように、携帯端末100が備えるとして説明した各部(特に、視点変更部11、対象オブジェクト表示部12、目的オブジェクト表示部13、一致判定部14、特典付与部15、オブジェクト移動部16、制限部17、入力取得部18、加速度取得部19、表示処理部20)の一部または全部をサーバ装置200が備え、当該サーバ装置200は、携帯端末100に与えられた入力に基づいて、ゲームの出力結果を当該携帯端末100に送信する構成とすることができる。これにより、サーバ装置200は、上記携帯端末100が機能を提供する場合に当該携帯端末100が奏する効果と、同じ効果を奏する。
【0101】
なお、当該ゲームの進行画面を、上記サーバ装置200が生成したデータに基づいて上記携帯端末100に表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面などを、当該携帯端末100にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とするなど、当該ゲームは、上記サーバ装置200および携帯端末100のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0102】
また、本発明のゲームプログラムが、携帯端末100において実行されるネイティブアプリケーションとして実現される場合であっても、当該携帯端末100は、必要に応じてサーバ装置200にアクセスし、当該ゲームの進行に関係する情報(例えば、プレイヤに関する情報、当該プレイヤとフレンド関係にある他のプレイヤに関する情報、当該プレイヤに付与された累積ポイント・アイテム・キャラクタに関する情報、当該プレイヤのランキング情報など)をダウンロードして利用することができる。さらに、携帯端末100と他の携帯端末100とが通信可能に接続され(いわゆるピア・ツー・ピア通信)、互いに同期を取り合って、当該ゲームをマルチプレイすることもできる。
【0103】
〔ソフトウェアによる実現例〕
携帯端末100またはサーバ装置200の制御ブロック(特に、制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100またはサーバ装置200は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0104】
具体的には、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムは、コンピュータ(携帯端末100、サーバ装置200)に、対象オブジェクト表示出力機能、目的オブジェクト表示出力機能、形状判定機能、視点変更機能、加速度取得機能、制限機能、オブジェクト移動機能、特典付与機能、およびゲーム進行機能を実現させる。上記対象オブジェクト表示出力機能、目的オブジェクト表示出力機能、形状判定機能、視点変更機能、加速度取得機能、制限機能、オブジェクト移動機能、特典付与機能、およびゲーム進行機能は、上述した対象オブジェクト表示部12、目的オブジェクト表示部13、一致判定部14、視点変更部11、加速度取得部19、制限部17、オブジェクト移動部16、特典付与部15、および特典付与部15によりそれぞれ実現され得る。詳細については上述した通りである。
【0105】
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、前記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えた情報処理端末(例えば、携帯端末100)と、前記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えたサーバ装置200とを含むゲームシステム300も、本発明の範疇に入る。
【0106】
〔付記事項〕
本発明は上述したそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
【0107】
本発明は、コンピュータに、所定の形状を有する対象オブジェクトが第1の方向から視認可能となるように、3次元の情報を含むゲームフィールドにおいて、第1の向きをとる当該対象オブジェクトを表示させる対象オブジェクト表示機能と、所定の入力部を介してプレイヤから取得した変更操作の情報に応じて、対象オブジェクトが視認可能となる第1の方向、および当該対象オブジェクトがとる第1の向きのうちの少なくとも一方を変更する視点変更機能と、所定の形状と相似形状を有する目的オブジェクトが第2の方向から視認可能となるように、ゲームフィールドにおいて、第2の向きをとる当該目的オブジェクトを表示させる目的オブジェクト表示機能と、第1の方向および第1の向きと、第2の方向および第2の向きとがそれぞれ一致することにより、対象オブジェクトと目的オブジェクトとが一致するか否かを判定する一致判定機能とを実現させるゲームプログラムであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、ワークステーション、メインフレームなど、任意のコンピュータに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1:対象オブジェクト、2:目的オブジェクト、3(3a〜3d):オブジェクト要素、5c:変更情報(変更操作の情報)、6b:対象オブジェクト表示情報、6c:目的オブジェクト表示情報、11:視点変更部(視点変更機能)、12:対象オブジェクト表示部(対象オブジェクト表示出力機能)、13:目的オブジェクト表示部(目的オブジェクト表示出力機能)、14:一致判定部(形状判定機能)、15:特典付与部(特典付与機能)、16:オブジェクト移動部(オブジェクト移動機能)、17:制限部(制限機能)、19:加速度取得部(加速度取得機能)、100:携帯端末(コンピュータ)、200:サーバ装置(コンピュータ)、300:ゲームシステム
【要約】
【課題】ゲームとしての手軽さと3次元表示することによって生じる特有の興趣性とを両立可能なゲームを提供する。
【解決手段】本発明は、コンピュータに、所定の形状を有する対象オブジェクトが、3次元の情報を含むゲームのフィールドにおける所定の方向から視認可能となるように、当該対象オブジェクトを表示可能な対象オブジェクト表示情報を出力する対象オブジェクト表示出力機能と、所定の形状と関連する形状を有する目的オブジェクトを表示可能な目的オブジェクト表示情報を出力する目的オブジェクト表示出力機能と、対象オブジェクトの形状と目的オブジェクトの形状とを比較することによって、当該対象オブジェクトと当該目的オブジェクトとが互いに対応するか否かを判定する形状判定機能とを実現させる。
【選択図】図1
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